総合カタログ - 第一工業製薬

カルボキシメチルセルロースナトリウム
総合カタログ
Sodium Carboxymethyl Cellulose
カルボキシメチルセルロースナトリウム セロゲンの特長
について…
セロゲンは、化学名をカルボキシメチルセルロースナトリウムという、セルロースを主原料にした代表的な
❶冷水、熱水のいずれにも容易に溶け、粘ちょうな溶液をつくります。
アニオン性の水溶性高分子で、一般には、CMC(Sodium Carboxymethyl Cellulose)
と呼ばれてい
❷粘度の経日変化がほとんどありません。
ます。セロゲンは、冷水や熱水に溶解し、無色透明の粘ちょうな溶液となります。その特長は、天然糊剤と
❸乳化分散性、固体分散性が優れています。
比較して品質の均一性と品種の多様性であり、糊剤、増粘安定剤、乳化分散安定剤、保護コロイド剤など
として、さまざまな分野で使用されています。
当 社は、1 9 4 9 年にC M C の 研 究をスタートし、1 9 5 0 年にセロゲンの 生 産を開 始しました。現 在では、
1960年に生産を開始した新潟県の大潟事業所で製造しており、その生産能力は国内最大で、世界でも
有数の規模となっています。セロゲンを製造している大潟事業所は、1998年にISO9002、2003年に
ISO9001(2000年版)、2002年にISO14001を認証取得しています。また、当社は、1998年に日本
❹強くて透明な被膜を作り、接着作用があります。
❺天然糊剤に比べて腐敗しにくいです。
❻油、グリース、有機溶剤に溶けません。
❼生理的に無害です。
❽品質が一定・均一で、しかも高純度品が得られます。
レスポンシブル・ケア協議会へ加盟し、環境や安全に配慮した全社的な活動を推進しています。
❾低粘度から高粘度、低エーテル化度から高エーテル化度の多種類があります。
セロゲンの構造式
セロゲンの標準性状
セロゲンは下図のような化学構造をもっています。無水グルコース1単位当り1個のカルボキシメチル基を
〈粉末〉
外観
白色粉末
比重
1.00(2%,25℃)
有するC M Cをエーテル化度1.0のCMCと呼んでいます。
純分
99%以上(乾量)
表面張力
71mN/m(25℃)
セルロースの 無 水 グルコース単 位 1 個 あたり3 個 の O H 基 が あるので 、カルボキシメチル 基 の 置 換 度
水分
10%以下
BOD(0.1%水溶液)
約8ppm
塩分
1%以下
COD(同上)
約650ppm
粒度
180μm全通
褐変温度
約225℃
黒変温度
約250℃
pH
6.0∼8.5
(エーテル化度)
は理論的に3まで可能ですが、市販品の多くは0.6∼1.5程度のものとなっています。
下図に示したものはエーテル化度が1.0の場合です。
H
O
H
OH
H
CH 2OH
H
O
H
OH H
OH
H
O
H
O
CH 2OCH 2COO Na
H
見かけ比重
O
既存化学物質No.
CASNo.
〈水溶液〉
約0.35∼0.70g/㎖
[8]-203
9004-32-4
H
OCH 2COO Na
n
n:重合度
セロゲンの製造法
パルプ
製
品
充 て ん
均 一 化
ふ る い
粉
砕
乾
燥
精
製
溶剤回収
C O N T E N T S
中
和
水酸化ナトリウム
反
応
溶 剤
クロロ酢酸
中和剤
■セロゲンについて ……………………………………… 01
■セロゲンの用途
■セロゲンの構造式
■セロゲンの一般的性質
……………………………… 11
■セロゲンの特長 ………………………………………… 02
■セロゲン水溶液の性質
……………………………… 12
■セロゲンの標準性状
■セロゲンのフィルム強度
■セロゲンの製造法
■セロゲンの分析方法
■取り扱いおよび保管上の注意
■CMCの公的規格および基準
■セロゲンの主な品種
■荷姿
………………………………… 03
■セロゲンのエーテル化度と粘度マップ
■お願い
……………………………………… 05
…………………………… 18
………………………………… 19
……………………… 21
…………………………………………………… 22
溶 剤
取り扱いおよび保管上の注意
❶静電気を発生しやすい性質がありますので、粉塵爆発を避けるため注意して取り扱ってください。
❷床にこぼれた場合は、掃き集めて回収してください。水にぬれると糊状となり、滑って転倒する危険性が
あります。
❸湿気厳禁ですから、容器は密閉し常温の室内で保管してください。
01
So d iu m Carboxymethyl Cellulose
S odium Ca rboxyme thyl Ce llulose
02
セロゲンの主な品種
各種産業用精製品
食品工業用精製品
粘度(温度25℃,B型粘度計,mPa・s)
セロゲン品種
2%
エーテル化度
1%
粘度(温度25℃,B型粘度計,mPa・s)
セロゲン品種
2%
エーテル化度
1%
5A
5以下
0.70∼0.80
F-5A
5以下
0.70∼0.80
6A
6∼10
0.70∼0.80
F-7A
12∼18
0.70∼0.80
7A
12∼18
0.70∼0.80
F-907A
15∼35
0.90∼0.95
PR
70∼130
0.60∼0.70
F-815A
50∼150
0.80∼0.90
600∼900
0.70∼0.80
F-SB
150∼250
0.85∼0.95
WS-A
PL-15
10∼20
0.45∼0.55
F-930A
200∼300
0.85∼0.95
WS-C
150∼250
0.60∼0.70
F-SA
600∼900
0.70∼0.80
WS-D
250∼350
0.60∼0.70
F-AG
900∼1,500
0.85∼0.95
BS
350∼500
0.60∼0.70
F
150∼250
0.60∼0.70
HH-T
500∼1,000
0.55∼0.65
F-SH
350∼500
0.60∼0.70
3H
1,000∼1,400
0.55∼0.65
F-3H
1,000∼1,400
0.55∼0.65
4H
1,400∼1,800
0.55∼0.65
F-BSH
500∼800
0.70∼0.80
BSH-6
3,000∼4,000
0.65∼0.75
F-BSH-12
6,000∼8,000
0.65∼0.75
BSH-12
6,000∼8,000
0.65∼0.75
F-6HS9
3,000∼4,000
0.80∼0.90
2,500以上
0.90∼0.96
HE-1500F
2,500∼3,500
1.15∼1.45
EP
飼料工業用高粘度精製品
医薬品工業用精製品
粘度(温度25℃,B型粘度計,mPa・s)
セロゲン品種
エーテル化度
1%
MP-60
粘度(温度25℃,B型粘度計,mPa・s)
セロゲン品種
2%
エーテル化度
1%
10,000∼15,000
0.65∼0.75
PR-S
25∼35
0.79∼0.85
MP-120
8,000∼12,000
0.75∼0.85
F-SC
300∼400
0.70∼0.85
HE-1500F
2,500∼3,500
1.15∼1.45
AGガムM
1,100∼1,400
0.79∼0.85
PM-250L
P-815C
250∼300
0.67∼0.73
1,000∼2,000
0.79∼0.85
セロゲンのエーテル化度と粘度マップ図
各種産業用・飼料工業用セロゲンのエーテル化度と粘度マップ
MP-60
104
BSH-12
食品・医薬品工業用セロゲンのエーテル化度と粘度マップ
104
MP-120
BSH-6
EP
F-6HS9
HE-1500F
4H
3H
103
F-BSH-12
HH-T
102
1%粘度
1%粘度
BS
WS-D
WS-C
WS-A
(mPa・s)
P-815C
F-3H
103
F-SH
F-BSH
F
PM-250L
AGガムM
102
F-SA
(mPa・s)
PL-15
0.5
0.6
0.7
1% 粘度
6A
5A
飼料用 1% 粘度
So d iu m Carboxymethyl Cellulose
F-7A
2% 粘度(1% に換算)
0.8
0.9
1.0
エーテル化度
03
10
7A
1.1
1.2
1.3
1.4
F-AG
F-SC
PR
10
HE-1500F
F-930A
F-SB
F-815A
F-907A
PR-S
1% 粘度
2% 粘度(1% に換算)
医療品用 1% 粘度
医療品用 2% 粘度
(1% に換算)
F-5A
1.5
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1.0
1.1
1.2
1.3
1.4
1.5
エーテル化度
S odium Ca rboxyme thyl Ce llulose
04
セロゲンの用途
セロゲンは、天 然 糊 剤 あるいは合 成 樹 脂 類に比 べて、セルロース誘 導 体としてのユニークな性 能を有
し、繊 維 、食 品 、医 薬 、畜・水 産 、製 紙 、陶 磁 器 、建 材 、土 木・ボーリング 、農 業 、その他の分野で、粘着剤、
分散剤、展着剤、増粘剤などとして広範な用途に利用されています。
製紙
医薬品
セロゲンは、抄紙工程で内部添加剤として、加工工程では表面サイズ剤やコーティングカラーのバインダー、流動
医薬品分野に使用されるセロゲンの用途は、広範囲にわたり、たとえば、ゼリー状薬剤、軟膏類、各種エマルション
化剤、増粘剤、保水剤などに用いられ、作業性改良、抄紙のスピードアップ、製品の高付加価値化のために使用
またはサスペンション状の薬剤、錠剤、カプセルなどに使用されており、多くの用途で優れた効果を発揮しています。
されています。
用途
塗工カラー用流動化剤
保水剤
叩解助剤
内添剤
表面サイズ剤
効果
・カラーマイグレーションの防止効果、保水性を向上します。
・高シェアー下でのカラー流動性がよいことによって均質に付着させる効果を与えます。
主な品種
6A, PR, WS-A
■医薬品
用途
効果
軟膏剤
・親水性と保護コロイド性を利用して、軟膏・ゼリーに使用できます。
パップ剤
・保水性とゲル体形成性を向上させます。
シロップ剤
・粘性を増し、内容物の分離を遅らせることができます。
・叩解速度を速め、叩解の均質化を図ります。
・紙力増強効果が得られます。
・合成サイズ剤の内部への浸透を防ぎます。
7A, PR, WS-A
・助剤的な効果を発揮します。
主な品種
F-SC, F-AG, F-6HS9
PR-S, AGガムM,
PM-250L, P-815C
F-SC, F-AG,
F-6HS9, HE-1500F
感圧紙用マイクロカプセル剤
・コンプレックス粒子の成形に効果を発揮します。
5A, 6A, 7A
錠剤
・水溶液として用いた場合は結合剤として、粉末配合剤として用いた場合は、崩壊剤と
して効果が発揮されます。
F-SA, F,
ピッチ分散剤
・繊維体中の樹脂を吸着し、繊維懸濁液から取り除くことにより粘着性樹脂による障害
を防止します。
PR, WS-C
X線造影剤
・硫酸バリウム液の分散・安定剤として用いられます。
F-5A, F
F-3H, F-BSH
飼料
セロゲンは、飼料添加物としても認可されており、粘結剤、ゲル化剤などとして盛んに利用されています。これは、
昨今の栽培漁業の進展に伴う養殖漁場の拡大から、漁場の汚染、赤潮発生などの防止のためにこれまで主流の
生餌投与から、モイストペレットへの転換が進んでいるためです。その他飼料工業用には、養魚用展着剤、微粒子
飼料用造粒バインダーとして、あるいは畜産飼料用ペレットの粉化防止やペットフード用のゲル化剤、または増粘剤
として使用されています。
用途
05
効果
主な品種
モイストペレット用粘結剤
・配合飼料に粘結剤として使用され、モイストペレットのべたつき、投餌時の水中散を少な MP-60, MP-120,
くする効果が得られます。
HE-1500F
養魚用展着剤
・生餌投与時の栄養剤、薬剤などを魚体表面に付与する時に使用されます。
HE-1500F, F-SB, F
微粒子材料用造粒バインダー ・造粒効果を向上させるために用いられます。
F-7A
粉化防止
・造粒飼料のカケ、崩れを防止します。
F-AG
ペットフード
・ウエットタイプ、
ドライタイプ、グレービータイプ各種のペットフードにゲル化性、
粘ちょう性保持の効果を与えます。
F-BSH, F-BSH-12,
So d iu m Carboxymethyl Cellulose
F-6HS9, HE-1500F
S odium Ca rboxyme thyl Ce llulose
06
セロゲンの用途
食品
食品用にはセロゲンFシリーズとして各品種を取り揃えています。
セロゲンの大きな特長の一つは、食品添加物として日本、米国をはじめ多くの国で認可されていることです。日本では
1952年2月22日、厚生省令第6号で、食品全量の2%を限度として添加使用することが許されています。
セロゲンの増粘効果、分散安定効果、粘結力の強い性質は、安全性、無毒性が公に保証され、広い分野で使用されてい
ます。
■乳製品
■調味料
用途
アイスクリーム
効果
・適切なオーバーランを出し、キメ細かな組織をつくり、口溶け性を改良し、食感を向上
させます。
主な品種
用途
濃厚ソース
F, F-SH, F-AG
・貯蔵中にアイスクリスタルの成長を防止し、保存性を向上させます。
・高エーテル化度品を用いると、高塩分でも透明性の優れた、安定な濃厚液が
得られます。
タレ
ケチャップ
・中∼高エーテル化度品を使用すると、低pH、高塩分でも安定な濃厚液が得られます。
ドレッシング
乳酸菌飲料
・たんぱくの凝集による沈殿を防止します。
F-907A, F-SB,
酸性乳飲料
・飲料に適度な粘ちょう感を与えます。
F-815A, F-930A
効果
用途
用途
効果
ココアドリンク
・分散安定効果が高く、保存中の粘度上昇を抑制します。
チョコレートドリンク
・固形物の懸濁安定性を向上させます。
主な品種
F-SB, F-SA, F-3H
■麺製品
用途
生麺
効果
主な品種
・保水力を高め、日持ちを向上させます。
ゆで麺
・麺のこしを強くし、艶を向上させるとともに、さばきも良くなります。
冷凍麺
用途
効果
F-SH
効果
主な品種
漬物
・中∼高エーテル化度品を用いると、高塩分でも安定な漬床の増粘ができます。
F-930A, F-SA, F-AG
佃煮
・離水を防止し、照りを良くします。
F-SA, F-AG
はるさめ
・強度をアップし、湯戻し時の溶けを防止し、食感を向上させます。
F-3H, F-BSH
缶詰
・浸油を減少させ、カラッと仕上がります。
・バッター内の気泡の保持力に優れています。
F, F-SH
・煮汁を増粘し、煮くずれを防止します。
F, F-SH
冷凍食品
・揚物などの衣の剥離、および中味具の離水を防止します。
F-SH
健康食品
・成形、分散、増粘などの用途に応じて広範囲に使用できます。
F-815A, F, F-6HS9
レトルト食品
用途
主な品種
■その他の食品
F-AG, F, F-SH
■菓子製品
F-6HS9, HE-1500F
効果
・製品テクスチャーが改良されます
ソーセージ
フライングバッター
・麺の強度が増加し、輸送時などの破損を防止します。
即席麺
F-SH, F-BSH,
■畜肉製品
ハム
■飲料
主な品種
主な品種
ジャム
ゼリー
・適度なチクソトロピー性を与え、離水を防止し、保存安定性を高めます。
F-SB, F-SH,
ケーキ
・適度な粘度で、さらしあんの分散安定性を高め、なめらかな食感を与えます。
F-AG, F
しる粉
07
So d iu m Carboxymethyl Cellulose
S odium Ca rboxyme thyl Ce llulose
08
セロゲンの用途
その他
セロゲンの分野別用途と性能
セルロース誘 導 体 の 持 つユニークな 性 能を付 与したセロゲンは 、粘 着 剤 、分 散 剤 、展 着 剤 、増 粘 剤 、安 定 剤 、
フィルム形 成 剤 、保水剤、保 護コロイド剤などに幅 広く使 用されます。
製紙
■農薬
用途
水和剤
効果
・懸濁安定性と植物に対する固着性を有する水和剤が得られます。
主な品種
5A, 6A, 7A
造粒剤
・強度が強く、水中崩壊性に優れた粒剤が得られます。
5A, 6A, 7A, PR
フロアブル製剤
・自己分散性と安定性に優れたフロアブル製剤が得られます。
6A, 7A, PR, WS-A
用途
効果
・粘土、泥漿の粘性を小さくして、流動性を大きくすることができ、乾燥強度を増すこと
ができます。
WS-C, WS-D, BS
釉薬
・釉薬成分を均一に分散し、釉薬の浸透、展着を強固にするため、剥脱、ピンホールなど
を防止できます。
WS-C, WS-D
用途
効果
医薬
主な品種
塗料
・エマルションペイント、水性ペイントなどの安定剤、粘度調整剤として用いられ、塗工性
BS, HH-T, 3H
改良、ダレ防止などの効果が得られます。
土木・ボーリング
・地下掘削時の掘削土砂の懸濁安定性と地盤の崩壊防止効果が得られます。
電池
・電極用の粘結剤、電極活剤の分散剤としての効果が得られます。
建材
・壁材用糊料として使用され、コテさばき改善、ダレ防止効果が得られます。
HH-T, 3H, 4H, BSH-6
合成洗剤
・汚垢懸濁作用が大きく、白度保持剤としての効果が得られます。
F-6HS9, WS-C
接着剤
・壁材用糊、皮革用糊、ラミネート接着糊などの糊料として優れた増粘・接着効果が得ら
3H, BSH-6
れます。
離型剤
・界面活性剤と併用して、ゴム鋳型の離型剤に使用されます。
WS-C
成型・接着剤
・線香などの成型、接着剤として、作業性の向上と製品強度を上げることができます。
PL-15, BS
粘結剤・他
・溶接棒溶着剤、豆炭や煉炭の粘結剤、造粒肥料バインダー、軽量耐火煉瓦への気泡
3H, BSH-6, BSH-12
導入、泡安定剤などの用途に大きな効果が得られます。
BSH-6, EP
窯業
土木
BSH-6, BSH-12,
4H, WS-C
性能(◎:高い ○:比較的高い)
増粘性
粘結性
繊維
分散性
展着性
安定性
保水性
抄紙・内部添加剤
◎
表面サイズ剤
◎
◎
◎
○
モイスト飼料
◎
◎
○
酸性乳飲料・乳酸菌飲料
農業
■その他
具体的な用途
造粒飼料
主な品種
生地結合剤
So d iu m Carboxymethyl Cellulose
飼料
食品
■窯業
09
分野
調味料
◎
健康食品
◎
パップ剤
◎
錠剤
○
○
○
◎
◎
◎
◎
○
◎
◎
○
○
◎
◎
X線造影剤
◎
農薬水和剤
◎
○
◎
◎
○
◎
◎
石油ボーリング
◎
◎
○
サイジング剤
○
塗料
水性塗料添加剤
◎
建材
壁剤
◎
○
電子
電池用粘結剤
◎
○
○
○
○
○
○
◎
○
◎
◎
釉薬
捺染糊剤
○
◎
○
◎
保護コロイド性
◎
◎
生地結合剤
フィルム成形性
◎
○
○
◎
◎
◎
◎
○
◎
◎
S odium Ca rboxyme thyl Ce llulose
10
[ 2.溶解性 ]
セロゲンの一般的性質
セロゲンは冷水、温水のいずれにもよく溶解しますが、他の糊剤と同様に溶解に先だって膨潤現象が見られま
セロゲンの性質は、平均エーテル化度と粘度によって支配されます。従って、種々のエーテル化度および
す。従って、セロゲンを水に溶解する場合、できるだけ個々の粒子を均一に膨潤させるようにすることが必要
粘度の組み合わせによって、いろいろな用途に応じたセロゲンを選定することができます。
です。多量のセロゲン粉末を水中に一度に投入しますと、膨潤した粒子同士が接合してその周囲に強い被膜
をつくり、
“ママコ”
と呼ばれる粘性のある塊ができてしまい、容易に分散しなくなります。
このようなママコの発生をできるだけ少なくして、溶解を速めるために、次のような方法があります。
セロゲンのエーテル化度と粘度の一般的な性質を示します。
表1 セロゲンのエーテル化度と粘度の一般的な性質
高エーテル化度セロゲン
低エーテル化度セロゲン
高粘度セロゲン
低粘度セロゲン
高粘度セロゲン
低粘度セロゲン
チクソトロピー性
○
△
◎
◎
流動性
◎
◎
△
○
耐塩性
◎
◎
○
○
耐酸・アルカリ性
◎
◎
○
○
透明性
◎
◎
○
○
溶解性
◎
◎
○
○
粉末吸湿性
◎
◎
○
○
粉末流動性
◎
◎
△
○
粉末見かけ比重
○
◎
△
○
1)適当な撹拌の下に少しずつセロゲンを水に加えます。
この時、250μm(60メッシュ)程度のふるいを通してセロゲンが塊にならないようにすれば
一層効果があります。
2)あらかじめアルコール、グリセリンなどの親水性溶剤で湿らせ、撹拌しながら徐々に水の中に
加えます。
3)セロゲン以外の粉末を溶液に加える必要がある場合には、あらかじめセロゲン粉末と十分
混合してから水に加えます。
注)高エーテル化度:0.9∼1.0 低エーテル化度:0.6∼0.7 高粘度(1%)
:1,000∼2,000mPa・s 低粘度(1%)
:100∼200mPa・s
注)大きい(高い)性質→小さい(低い)性質:◎>○>△
4)その他、セロゲン自体を特殊な方法で処理して易溶性にしたタイプのものもあります。その
ひとつとしてグラニュールタイプのSGセロゲンを商品化しています。これはセロゲンを特殊な
方法によって顆粒状にしたもので、水中に投入すると容易に分散して、ママコを作らず、緩やか
な撹拌によって短時間で溶解します。
[ 1.吸収性 ]
を持っています。図1に示すとおり、セロゲンの
平 衡 水 分は湿 度 の 上 昇と共に増し、温 度 が 上
昇すると減少します。
湿度の高い場所に開封して長時間放置してお
くと、水分が20%以上にもなることがあります
が 、粉 末 状 態は水 分 1 5 % 程 度でもほとんど変
化はみとめられず、20%以上になると幾分、粒
子 同 士 が 部 分 的に付 着して、粉 末 の 流 動 性 が
悪くなります。
セロゲンは吸 湿によって、重 量 が 増 加します。
従って、開封後長く放置する場合は、必ず密封
平衡水分︵%︶
セロゲンは、多くの水溶性糊剤と同様に吸湿性
40
セロゲン水溶液の性質
30
20∼25℃
20
セロゲンの粘度
10
40℃
0
20
40
60
相対湿度(%)
80
図1 相対湿度と平衡水分の関係
[ 1.粘度と平均重合度 ]
100
セロゲンの粘度は主として、構造の骨格をなしているセルロース鎖の平均重合度に支配されます。代表
的なセロゲンの平均重合度と平均分子量については表2に示します。粘度と平均重合度との関係は、
およそ直線的な関係をもっており、図2のようになります。
表2 代表的なセロゲンの重合度と分子量
1,000
セロゲン品種
平均重合度
平均分子量
蔵することが必要です。
7A
120∼150
27,000∼33,000
PR
220∼250
47,000∼54,000
F-SB
250∼300
57,000∼69,000
WS-A
460∼500
100,000∼110,000
3H
1,000∼1,200
210,000∼250,000
HE-1500F
1,300∼1,400
330,000∼360,000
BSH-12
1,600∼1,800
330,000∼380,000
注)測定法は0.1N−NaClを溶媒とするウベローデ粘度計
によって極限粘度を求め、下記の式で算出。
〔η〕0.1N−NaCl=16.6Km・Pn
ただし、Kmはエーテル化度によって変わる定数。
11
So d iu m Carboxymethyl Cellulose
粘
度
容器に入れるか、封をして湿度の低い場所に貯
100
エーテル化度=0.6∼0.75
(mPa・s)
10
0
500
1,000
平均重合度
図2 セロゲン1% 水溶液粘度と平均重合度の関係(温度25℃)
S odium Ca rboxyme thyl Ce llulose
12
セロゲン水溶液の性質
[ セロゲン水溶液のチクソトロピー ]
セロゲンの粘度
チクソトロピー(揺 変 性)
とは、静 止している時と動 揺している時とで状 態 が 異なることをいいます。
[ 2.粘度と濃度 ]
10
BSH-12
各種セロゲンの濃度と粘度の関係は図3のよう
F-SB
従って、見掛け粘度でも静置状態では高く、動揺状態では低く現れます。
チクソトロピー溶液の挙動を流動曲線の上で表しますと、図4(b)のように、ずり速度を連続的に増加さ
粘
度
のです。
ゲル状態を帯びますが、これに撹拌などの動揺を与えると、網目構造が壊れてゲル状態が消失します。
3H
105
係にあります。セロゲンはこのように著しく高
るので、増粘剤として優れた性能が発揮できる
EP
WS-A
になり、濃度と粘度の対数値がほぼ比例する関
い 粘 度から低い 粘 度 の 品 種まで取り揃えてあ
セロゲン水溶液は静置時、分子同士のからみ合いや、水の分子との相互作用で網目構造を作りやすく、
6
せ、次いで連続的に減少させた時のずり応力の変化が同一の曲線にならず、ヒステリシス曲線を描き
ます。セロゲン水溶液のチクソトロピーは、濃度が低い場合にはあまり現れませんが、濃厚溶液では顕
104
著に現れます。また、エーテル化度が高くなるほどチクソトロピーは低下します。
(mPa・s)
7A
103
非チクソトロピー性水溶液
102
10
チクソトロピー性水溶液
5A
1
2
3
4
5
6
濃 度(%)
7
8
図3 代表的なセロゲンの濃度と粘度の関係(温度25℃)
セロゲン水溶液のレオロジー
グリセリン、シリコーン油のような液体はニュー
トン性流体ですので、回転粘度計などで粘度を
も粘度は同じ値となります。セロゲン水溶液は
一般に非ニュートン流体と呼ばれる性質をもっ
ずり応力
測る時、速い回転で測っても遅い回転で測って
[ セロゲン水溶液の粘弾性 ]
ており、粘度を測る時の回転が速いほど粘度は
セロゲン水溶液は粘性に加えて強い弾性を帯びることがあり、代表的な粘弾性流体です。現象的には、
低い値を示します。従って、セロゲン水溶液の粘
度は、測定の条件によって異なるため、絶対粘度
ずり速度
ニュートン性流体
非ニュートン性流体(擬可塑性)
で示すことができず、見掛け粘度と呼ばれます。
このような液 体 の 流 動 特 性を模 式 的に示す流
撹拌棒を挿入して回転させると、液が棒をつたわって這い上がってきます。これをワイセンベルグ効果
と称し、同じような粘度をもつ水ガラスでは見られません。
図4 (a)流動曲線
動 曲 線 の 上で、非ニュートン流 体は、ずり速 度
(回 転 粘 度 計でいえばローターの 回 転 数)と、
係にならず図4(a)
のように曲線を描きます。
セロゲン水溶液は擬可塑性流体と呼ばれること
もありますが、これはずり速度が小さい時、見掛
ずり応力
ずり応力(同じくトルク目盛りの読み)が直線関
チクソトロピー
けの粘度が大きく現れ、従って、ずり応力が大き
くなり流動曲線の上ではあたかも降伏値をもっ
た可塑性流体のように見えるためです。
ずり速度
チクソトロピー流体のヒステリシス曲線
図4 (b)流動曲線
13
So d iu m Carboxymethyl Cellulose
S odium Ca rboxyme thyl Ce llulose
14
セロゲン水溶液の性質
[ 2.pHの影響 ]
セロゲン水溶液の物理的および化学的性能
セロゲン水溶液の粘度はpH 7 ∼9で最 高にな
[ 1.温度の影響 ]
り、か つ 最 も 安 定します 。また 、図 7 の ように
pH5∼10の範囲では粘度変化も小さいです。
60℃程度の加熱では可逆的な粘度の変化が起こるだけですが、80℃を超える高温では若干不可逆な
セロゲンは中性よりもアルカリ性の方が溶け易
粘度低下をきたします。
い のです が 、強 いアルカリ溶 液 中 では 酸 素 に
2,000
また、氷結するほどの低温にさらされても粘度の永久変化は起きません。
よって解重合され、粘度が低下する傾向があり
1,000
温度による溶液の粘度変化曲線は、図5のように品種や濃度が違っても、ほぼ同じ傾向を示します。
ます。
また、加熱による粘度変化は小さく、図6のように、各品種共耐熱性に優れています。
また、セロゲン水溶液に酸を加えていくと、Na
塩 の 一 部 が 置 換されてH 型に変わるため溶 解
50,000
BSH-12(1%
BSH-12
(1% 水溶液)
5,000
BSH-12(1% 水溶液)
10,000
EP(1% 水溶液)
1,000
5,000
粘
度
粘
度
WS-A(2% 水溶液)
500
(mPa・s)
5
100
液中では、部分的に半溶解性のゲル状を帯びる
50
F-SB(2%
F-SB
(2% 水溶液)
1.0
3.0
5.0
7.0
pH
9.0
11.0
13.0
図7 粘度におよぼすpHの影響
粘 度 品も高 粘 度 品に比べて強い 抵 抗 性をもっ
ています。
酸型になったCMCの沈殿は水に不溶です。
7A(2% 水溶液)
50
性 が 低 下してきます。p H が 3 程 度 の 強い 酸 溶
エーテル化度が高いほど大きくなりますが、低
50
10
(mPa・s)
酸 やアルカリに 対 するセロゲン の 抵 抗 性 は 、
100
100
F(1% 水溶液)
200
CMC酸の沈殿を生じます。
F-SB(2% 水溶液)
(mPa・s)
F-SB(2% 水溶液)
500
くなり、p H 3 以 下 では 完 全 に 不 溶 性となって
500
1,000
F-AG(2% 水溶液)
ため、溶液粘度は増加しますが、さらにpHが低
WS-A(2% 水溶液)
EP(1% 水溶液)
粘
度
セロゲン水溶液の粘度は低温の時ほど高く、湿度が高くなるにつれて低くなります。この変化は50∼
7A(2% 水溶液)
7A(2%
10
10
20
30
40
温 度(℃)
50
図5 温度によるセロゲン水溶液の粘度変化
0 10
30
60
90
120
時 間(分)
150
2,000
180
2,000
F-AG(2% 水溶液)
F-AG(2% 水溶液)
図6 熱によるセロゲン水溶液の粘度変化
(80℃で一定時間加熱、冷却後測定)
1,000
1,000
500
500
粘
度
粘
度
F(1% 水溶液)
F-SB(2% 水溶液)
(mPa・s) 200
F(1% 水溶液)
200
(mPa・s) 100
100
F-SB(2% 水溶液)
50
硫酸
酢酸
0
1
2
炭酸ナトリウム
水酸化ナトリウム
2.5
酸添加量(g)対セロゲン水溶液 100 ㎖
図8 酸添加によるセロゲン粘度への影響
15
So d iu m Carboxymethyl Cellulose
0
1
2
2.5
アルカリ添加量(g)対セロゲン水溶液 100 ㎖
図9 アルカリ添加によるセロゲン粘度への影響
S odium Ca rboxyme thyl Ce llulose
16
[ 4.生物的安定性 ]
セロゲン水溶液の性質
セロゲン水溶液は、天然糊剤に比べて微生物による変質は受けにくいのですが、微生物を多く含む水
を用いた場合、夏季などの高温条件下では微生物の活動が盛んとなり、腐敗分解し、その結果溶液の
セロゲン水溶液の物理的および化学的性能
粘度が低下して所定の性能が発揮できなくなります。
セロゲンの微生物による影響は、微生物から産み出されるセルラーゼという酵素によってセルロース
[ 3.塩類の影響 ]
セロゲン水溶液に塩類を加えると、水溶液中の分
鎖が分解されることによるため、まず微生物(カビおよびバクテリヤ)ができるだけ入り込まないように
塩基性酢酸アルミニウムを用いたセロゲンのゲル体
子の解離が対イオン効果によって抑えられること
留意することが必要です。たとえば、用水として水道水や一度高温加熱(80℃以上で30分)
した水を用
と、塩 類のもっている水との親 和 性のために、
い、溶液の貯槽も清潔な密閉タンクを使用するなどの配慮が望まれます。また、各種の殺菌剤を添加す
CMC自身の水との親和性が減少し、分子の溶存
ることも有効です。微生物に対する安定性はエーテル化度が高いほど大きくなります。
形態が変化して粘度や状態が変わってきます。
1価金属塩の場合、CMCは可溶性を保ち、塩の
[ 5.生理作用 ]
もっている親水性の程度に応じて溶液粘度が低
下します。たとえば、硫酸ナトリウムは食塩に比べ
セロゲンは消化酵素によって分解されません。国立衛生試験所(現国立医薬品食品衛生研究所)の試
てセロゲン水溶液の粘度低下作用が大きくなり
験では、10g/kgの投与によっても毒性は認められません。
ます。
セロゲンの毒性および皮膚刺激性に関する研究は、1940年代から世界中の研究所で独自に行われて
2価以上の金属塩の場合、金属イオンがNaイオ
いて、いずれも生理的に無害であると報告されています。
ンと置換しますので、金属イオンの量に応じて、溶
食品添加物としてJECFAで認められたCMCのADI
(ヒト)
は
「特定しない」
と定められています。
液がゲル状になったり、完全にCMCの金属塩と
して沈殿を生じたりします。一般には、2価イオン
2,000
より3価イオンの方が不溶性の沈殿を作りやすい
1,000
ようです。
表3に1%セロゲン水溶液と各種無機塩類水溶液
粘
度
塩基性酢酸アルミニウムのような多価金属塩を
セロゲン水溶液に対する塩類の影響は、両者の
F-SA(2% 水溶液)
500
との相溶性を示します。また、セロゲン水溶液に
注意して加えていくと、硬いゲル状となります。
F-AG(2% 水溶液)
F(1% 水溶液)
セロゲンのフィルム強度
200
セロゲンのフィルムは、セロゲン水溶液を塗布した後、蒸発乾燥させてつくることができます。
(mPa・s) 100
セロゲンのフィルムは一般に使われるでんぷん系粘結剤の2∼3倍の強度をもち、粘結力が強く、またこの
混合方法によって異なります。ここに食塩を用い
セロゲン水溶液に食塩水溶液添加
セロゲン水溶液に食塩粉末添加
食塩水溶液にセロゲン粉末添加
た例を示します。塩類水溶液にセロゲン粉体を投
入した場合は最も大きく、セロゲン水溶液に固形
塩類を添加した場合がそれに次ぎます。
1
セロゲンと塩類を共に水溶液にして混合した場
合が最も影響が少なくなります。
(表3)
2
3
4
食 塩(%)
フィルムは伸度が高いため、製品のもろさを改善するなどの特長があります。
以下にセロゲンのフィルム強度の試験例を示します。
試験法
5
100×5×0.15㎜のテストピースを作成し、温度20℃、65%RH
で調湿後、引張強度をショッパー式引張試験機で測定。
図10 食塩添加によるセロゲン粘度への影響
10% 50%または
水溶液 飽和水溶液
10% 50%または
水溶液 飽和水溶液
10% 50%または
水溶液 飽和水溶液
硝酸アルミニウム
P
P
塩化第二鉄
P
P
塩化ナトリウム
C
C
硫酸アルミニウム
SL
P
塩化第一鉄
P
P
ニクロム酸ナトリウム
C
C
硝酸アンモニウム
C
C
硫酸マグネシウム
C
C
硝酸ナトリウム
C
C
硫酸アンモニウム
C
P
硝酸マグネシウム
C
C
硫酸ナトリウム
C
P
塩化カルシウム
C
C
フェリシアン化カリウム
C
C
亜硫酸ナトリウム
C
C
硝酸カルシウム
C
C
フェロシアン化カリウム
C
C
チオ硫酸ナトリウム
C
C
硝酸クロム
P
P
硝酸銀
P
P
硝酸亜鉛
C
C
リン酸ニナトリウム
C
C
炭酸ナトリウム
C
C
硫酸亜鉛
C
P
図11に示すようにセロゲンフィルムの引張強度は、高粘度品ま
たは低エーテル化度品ほど大きくなります。これは、引張強度
が重合度に依存するためで、また、高エーテル化度品はその吸
湿性が大きいため、強度が小さくなるものと考えられます。
引張強度
試験結果
表3 無機塩水溶液と1%セロゲン水溶液との相溶性
低エーテル化度品
1.0
中エーテル化度品
0.5
(N/ ㎟)
高エーテル化度品
10
100
1,000
粘 度(mPa・s)
図11 エーテル化度と引張強度(2%水溶液,温度25℃)
C=相溶性あり、P=沈殿、SL=わずかに沈殿 注)
セロゲン1%水溶液を塩水溶液15gに加えた。
17
So d iu m Carboxymethyl Cellulose
S odium Ca rboxyme thyl Ce llulose
18
セロゲンの分析方法
1
乾燥減量
5
試料1∼2gを秤量ビンに精密にはかりとり、105±2℃の定温乾燥器中において4時間乾燥し、デシケー
〈水溶液調整〉
ター中で冷却したのち重さをはかり、その減量から次の式によって乾燥減量を算出する。
減量
(g)
乾燥減量
(%)
=
2
試料
(g)
粘度
共栓付300㎖三角フラスコに2%の場合は約4.4g、1%の場合は約2.2gの試料を精密にはかりとり、次の
式によって溶解水を加える。
× 100
2%水溶液 試料
(g)
×
98 − 水分
(%)
2
1%水溶液 試料
(g)
× ( 99 − 水分
(%))
= 所要水
(g)
塩分
試料
(無水物)
約1gを300㎖ビーカーに精密にはかりとり、水を約200㎖加えて溶かす。
〈測定〉
0.1モル/ℓ硝酸銀で、電位差滴定し、その所要の量から塩分を算出する。
塩分
(%)
=
0.1モル/ℓ 硝酸銀㎖ × f × 0.585
試料無水物
(g)
上記水溶液を一夜間放置後、マグネチックスター
ラーで約5分間かきまぜ、完全な溶液としたの
( f : 0.1モル/ℓ 硝酸銀の力価 )
ち、口径約45㎜、高さ約145㎜のフタつき容器
に移し、3 0 分 間 2 5±0 . 2 ℃の 恒 温 槽に入れ、
溶 液 が 2 5 ℃に な れ ば ガ ラス 棒 で ゆるくかき
まぜて、BM型粘度計の適当なローターおよび
3 エーテル化度
ガードをとり付け、ローターを回転させ開始3分後
エーテル化度=
10,000 − 80 × A
1
2
No.2
5
10
No.3
20
40
No.4
100
200
A :試料1g中の結合アルカリに消費された
0.05モル/ℓ硫酸の㎖
a :0.05モル/ℓ硫酸の使用㎖
f :0.05モル/ℓ硫酸の力価
b :0.1モル/ℓ水酸化カリウムの滴定㎖
1
f :0.1モル/ℓ水酸化カリウムの力価
162 × A
No.1
て粘度値とする。
次の式によってエーテル化度を算出する。
試料無水物
(g)
(rpm)
60回転
(rpm) 30回転
ローターNo.、回転数によって右表の係数を乗じ
これを冷却し、フェノールフタレイン指示薬を加えて、過剰の酸を0.1モル/ℓ水酸化カリウムで逆滴定して、
− アルカリ度
(または+酸度)
ローター
あるいは60rpm)。
500㎖ビーカーに移し、水を約250㎖、さらにピペットで0.05モル/ℓ硫酸35㎖を加えて30分間煮沸する。
af − bf 1
粘度 = 読取り目盛 × 係数(mPa・s)
の 目 盛 りを 読 み 取 る( 回 転 数 は 3 0 r p m 、
試料
(無水物)
0.5∼0.7gを精密にはかり、ろ紙に包んで磁製ルツボ中で灰化する。冷却したのち、これを
A=
= 所要水
(g)
162 :グルコースのMW
80 :CH 2COONa-HのMW
6
pH
試料の無水物換算1gを秤取し、水 ※ 99㎖を加えてよくかきまぜ、均等な糊状となるまで放置し、ガラス電
極を備えたpHメーターにて測る。
(温度は25℃とする)
※イオン交換法による純水を使用し、かつ使用に先立ち水中に溶解しているCO2ガスを駆逐するため5∼10分間アルカリを溶出し
ない容器にて煮沸し、再びガスを吸収しないようにして冷却したもので、比抵抗2×104Ωm
(25℃)
以上のものを用いる。
4 アルカリ度または酸度
試料
(無水物)
約1gを300㎖三角フラスコに精密にはかりとり、水を約200㎖加えて溶かす。
これに0.05モル/ℓ硫酸5㎖をピペットで加え、10分間煮沸したのち冷却して、フェノールフタレイン指示薬を
加え、0.1モル/ℓ水酸化カリウムで滴定する
(S㎖)
。同時に空試験を行い
(B㎖)
、次の式によって算出する。
アルカリ度=
(B − S)
f
試料無水物
(g)
( f : 0.1モル/ℓ 水酸化カリウムの力価 )
なお
(B − S)
f 値が
(−)
のときにはアルカリ度を酸度と読み変える。
19
So d iu m Carboxymethyl Cellulose
S odium Ca rboxyme thyl Ce llulose
20
食品への表示方法
CMCの公的規格および基準
CMCの公的規格および基準には食品添加物公定書、日本薬局方、飼料添加物および医薬部外品原料規格
平成元年11月28日付厚生省令第48号による食品添加物の表示方法では、カルボキシメチルセルロース
があります。参考としてFCCの規格も含め、これらの規格および基準を次に示します。
ナトリウムは用途名として、その使用目的に沿った
「増粘剤」
「安定剤」
または
「ゲル化剤」
を用いるか、または、
従来から使用されてきた
「糊料」
と表示する。一方物質名として、カルボキシメチルセルロースナトリウム
規格・基準
項目
名
称
別
名
という品名、もしくは、簡略名であるCMCかCMC-Naを用途名に併用する必要があります。
食品添加物公定書
第8版(2007)
日本薬局方
第16改正(2012)
カルボキシメチル
セルロースナトリウム
カルメロース
ナトリウム
Sodium
Carboxymethyl
Cellulose
Carmellose Sodium
繊維素グリコール酸
ナトリウム
カルボキシメチル
セルロースナトリウム
飼料添加物
医薬部外品原料規格
(2006)
カルボキシメチル
カルボキシメチル
セルロースナトリウム セルロースナトリウム
−
Sodium
Carboxymethyl
Cellulose
FCC8th Ed.
(2012)
Cellulose Gum
Sodium
Carboxymethyl
Cellulose
CMC
Modifid Cellulose
表示例1
安定剤として使用した場合 : 安定剤
(CMC)
表示例2
増粘剤として使用した場合 : 増粘剤
(CMC-Na)
食品の使用基準
セロゲン
(カルボキシメチルセルロースナトリウム)の使用量は、食品の2.0%以下でなければならない。
ただし、セロゲン
(カルボキシメチルセルロースナトリウム)
をカルボキシメチルセルロースカルシウム、
白色∼淡黄色の粉末
または粒状若しくは
繊維状で、においがない
白色∼帯黄白色の
粉末または粒で、
味はない
確 認 試 験
適
適
適
適
適
透
−
適
−
適
−
pH6.5∼8.5
性
状
明
液
度
白色∼類白色の粉末、 白色∼類白色の粉末、
白色∼帯黄色の粉末
粒または繊維状で、
粒または繊維状で、
または顆粒
においがない
においがない
性
pH6.0∼8.5
pH6.0∼8.0
pH6.0∼8.5
フェノールフタレイン
で淡紅色を呈しない
デンプングリコール酸ナトリウムおよびメチルセルロースの1種以上と併用する場合にあっては、それ
ぞれの使用量の和が食品の2.0%以下でなければならない。
荷姿
各品種共 紙袋入 20kg詰
塩
化
物
Clとして0.64%以下
Clとして0.640%以下
Clとして0.64%以下
Clとして0.64%以下
−
硫
酸
塩
SO4として0.96%以下
SO4として0.960%以下
SO4として0.96%以下
SO4として0.96%以下
−
−
0.5%以下
−
1.5%以下
−
As2O3として4µg/g以下
As2O3として10ppm以下
As2O3として4ppm以下
As2O3として2ppm以下
−
属 Pbとして2.0µg/g以下
Pbとして20ppm以下
Pbとして20ppm以下
Pbとして20ppm以下
Pb 3mg/kg以下
一般工業用
ケ イ 酸 塩
ヒ
重
素
金
で ん ぷ ん
−
青色を呈しない
−
−
−
乾 燥 減 量
12.0%以下
10.0%以下
12.0%以下
10.0%以下
10.0%以下
ナトリウム含量
−
6.5∼8.5%
−
−
12.4%以下
純
分
−
−
−
−
99.5%∼100.5%※
エーテル 化 度
−
−
−
−
0.2∼1.50
粘
−
−
−
−
2%水溶液25mPa・s以上
度
※純分(%)=100%−(食塩%+グリコール酸ナトリウム%)
21
So d iu m Carboxymethyl Cellulose
食品用
飼料用
局方
お願い
❶この資料に記載しているデータは、当社の実験的試験資料に基づくものですが、実際の現場使用結果を
保証するものではありません。現場でのご使用にあたっては事前に使用条件、使用方法およびこれらの
条件下での効果をご確認ください。
❷記載内容は、新しい知見などにより、改正されることがあります。
S odium Ca rboxyme thyl Ce llulose
22
本社・研究所
機能化学品事業部 機能化学品営業部
東京本社
〒
-
東京都中央区京橋 - (八重洲口大栄ビル 階)
-
-
-
-
-
-
博多駅前第 ビル
1401150S10N