リチウムイ オン電池中 のニッケル - Nickel Institute

ニッケル触媒を利
用した水素の製造
ニッ ケ ルとそ の 用 途 の 情 報 誌
ニッケルと単結晶
超電導ワイヤー
技術革新特集
リチウムイ
オン電池中
のニッケル
ニッケル誌第28巻第2号(2013年6月号)
廃水処理と金属の
回収
ステンレス鋼の歴史 4
アメリカの参入
前号(第28巻第1号)ではヨーロッパにおけるステンレス鋼
の初期の発展を見てきたが、米国の冶金技術者たちもまた
クロム合金鋼の実験に取り組んでいた。Elwood Haynes
はこのうちの一人であり、彼の主な関心は自分の自動車を
改良することであった。優れた発明家のHaynesは固く耐
摩耗性のある合金とスパークプラグ用に適した合金に集
中し研究した。彼は、
コバルト、
クロム、炭素、モリブデン、
タ
ングステンとニッケルを含む初期のステライト系合金の開
発に成功した。
1911年と1912年、彼は焼入れ性のあるクロム鋼の耐食
性を調べる実験をした。
これらの合金の硬さは彼の車には
十分ではなかったが、彼は食卓食器類やその他の工業用
の用途の可能性に気づいていた。1914年4月、
クロム含有
量が4-50%の焼入性(マルテンサイト)鋼の特許を申請し
たが、1917年までこの申請は認められなかった。
しかしな
がらこの特許は以前英国人の冶金技術者Harry Brearley
が取得したものと対立した。HaynesとBrealeyは法廷闘争
ではなく、共同所有の会社、The American Stainless Steel
Company (ASSC)を設立した。ASSCは両方の特許を所有
し、様々なスチール生産者にステンレス鋼の鋼種を作るラ
イセンスを与えた。
アガラフォールにあるElectro Metallurgical Companyでこ
うした合金を生産したことであった。
ス テン レ ス 鋼 の 実 験 をし た そ の 他 の アメリカ 人 に
は、Ludlum Steel Co.副社長のP.A.E. Armstrongがい
た。Armstrongは、1914年に第一次世界大戦で彼の研究
が中断されるまでクロム―シリコンステンレス鋼を実験し
た。1918年に実験を再開し、
この合金の特許を取得した。
この合金の一部とその用途はBrearley-Haynesの特許と
重複するものであったが、Ludlum SteelはASSCからライセ
ンスを求めなかった。
そこでASSCはLudlumを特許侵害で
訴え、Ludlumは食卓食器類の生産に使われたステンレス
鋼に対するロイヤリティを支払うように命じられた(排気バ
ルブのような、その他のステンレス合金はASSCのロイヤリ
ティの対象ではなかった)。
1918年までにはBethelehem Steel やCarpenter Steelと
いった米国の生産者はライセンスを購入し、
ステンレス鋼
の生産に対し15%のロイヤリティを払っていた。ASSCは
1930年代に解散するまで会社の所有者に相当な額の配
当金を支払った。Haynesは1925年に亡くなるまでステン
レス鋼の発見者は自分であり、Brearleyではないと断固と
して主張した。
1920年代、米国とカナダでステンレス鋼の使用が急速に
増加した。食卓食器類やキッチン用品だけでなく食品加
工、輸送及び外科用インプラントにさえも使用された。
ある
新聞のレポートによれば、1920年代の終わりまでには米
国の大手の35の会社がステンレス鋼を生産していた。米
国の1929年のステンレス鋼の総生産量は53,293トンで
あった。翌年、ニューヨーク市で象徴的なクライスラービル
が完成した。18-8(鋼種302、UNS30200)ステンレス鋼
で被覆された同ビルは、ニッケル含有合金の耐久性のシ
ンボルとしていまなお全世界が見ている。
一部の歴史学者は、他に二人のアメリカ人、Frederick
BecketとChristian
Dantsizenがステンレス鋼の発見を
主張できた考えている。Christian Dantsizenは、General
Electricにいて電球用の引き込み線に初めて使用された
低炭素非焼入性クロム含有ステンレス鋼の分野で重要な
仕事をした。Becketの主な貢献は、ニューヨーク州のナイ
ステンレス鋼の使用は急速に成長し続けている。発見から
100年後の2012年、世界の生産量を3,540万トンと推測
された。
この100年にわたり社会に非常に役立ったステン
レス鋼の特性は、次の100年でもステンレス鋼を多くの用
途向けに選定される材料にしていくであろう。
Elwood Haynes
Frederick Becket
Christian Dantsizen
P.A.E. Armstrong
Iconic Chrysler Building
ニッケル誌第28巻第2号(2013年6月号)
ニッケルとその用途の情報誌
発行:ニッケル協会
PRESS PHOTO BASF
プレジデント:Dr. Kevin Bradley
編集発行人:Stephanie Dunn
[email protected]
デザイン: Constructive Communications, Design
住所:
Nickel Institute
Nickel Institute
Eighth Floor
Avenue des Arts 13-14
Brussels 1210, Belgium
Tel. 32 2 290 3200
[email protected]
r BASF NCMリチウムイオン陰極材料2200X。写真の陰極材料は、ニッケル
塩、コバルト塩及びマンガン塩から沈殿した小さなミクロンサイズの球体で
できている。繊細なスポンジ状の構造とより広い表面積のおかげで、この微
細な構造の球体はリチウムイオンをより高速で放出できる。
本誌は読者への一般情報提供を目的としており、
しかる
べき助言を確保せずして、いかなる特定の目的あるい
は用途のために使用もしくは依拠されるべきではない。
本誌は専門的に見て正確であると信じられるものであ
るが、ニッケル協会とその会員、
スタッフ及びコンサルタ
ントはあらゆる一般的な、
もしくは特定の目的のための
適合性について、何ら表明もしくは保証するものではな
く、
また本書に示されている情報に関して、いかなる種
類の義務もしくは責任を負うものではない。
ISSN 0829-8351
印刷:カナダ。再生紙使用。
表紙:BASF NCM Li-Ion陰極材料2200x
写真:BASF社報道写真
われわれは、
この一年間、
ステンレス鋼100年を祝ってきた。
ステンレス鋼誕生100年
の最後の章が反対側のページにのっている。次の100年間で社会がニッケルをどのよ
うに使用するか、予想されるいくつかを考えてみる時期である。
ニッケル含有ステンレス鋼が非常に重要な建設材料であることに変わりなく、
これは
すべてよく知られた理由のためである。つまり、延性、靭性、強度、溶接性、酸やその他
の腐食性化学物質に対する耐食性そして洗浄性はすべて今後も大きな需要があろ
う。そこでニッケル誌の本号では、我々の身近にある2つの例:ハイウエイの防音パネ
ル(13ページ)とマンホール用の安全格子(12ページ)を挙げている。
これらの例は、ニ
ッケル含有材料が我々の日常生活の質の向上に役立っていることを思い出させる。
しかしながら、ニッケルの他の特性―一部はよく知られているが、現在開発中のその
他の特性は、ニッケルを効率の良い、持続可能な社会にとってますます不可欠なもの
にするであろうという強力な証拠がある。社会は、やがて出番が来て利用されることに
なるであろう、そうした特性やその他の技術革新を助長し発展させる必要がある。
目次
焦点
編集者記 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3
特集
BioteQ社の廃水処理技術 . . . . . . 4, 5
リチウムイオン電池の中のニッケル . . 8, 9
新たな電池技術 . . . . . . . . . . . . . . . 10
ニッケルと科学
炭素捕捉とウニ. . . . . . . . . . . . . . . . . 6
可能な技術革新
光による水素製造. . . . . . . . . . . . . . . 7
ヒッグス粒子の探索. . . . . . . . . . . . 11
注目される用途
Caliber safety grille . . . . . . . . . . .
路側防音壁 . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
形状記憶合金 . . . . . . . . . . . . . . . . .
超電導ワイヤー. . . . . . . . . . . . . . . .
ニッケルと技術革新
12
13
14
15
UNS details. . . . . . . . . . . . . . . . . . . 14
Web links . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 15
Nickel Magazine App . . . . . . . . . . 16
ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池はお馴染みである。
しかし、
「ニッケル」の
名前は電池化学から消えつつあり、一部の人は、
リチウムイオン化合物がニッケルに
とって代わったという結論を出すかもしれない。
そうではない。
オフピーク時再生可能
力のある蓄電池がより一層重要になるので、ニッケルは依然として多くの日々進歩す
るバッテリーの核心を占めている(8ページ)。
開発の最も初期の段階にあり、それにもかかわらず基本的な点で興奮するのは、10ペ
ージで論じられているニッケルベースの3次元バッテリーである。技術論文の指導的
執筆者であるJames Pikulは、
「新しく実現可能な技術であり、過去の技術の漸進的な
改善ではない。
」
と説明する。
従来とは異なる革新的な用途にニッケルが使用されていることから、次の100年には
何があるかを洞察できる。非炭素をベースとする燃料? ニッケルはすでに水素経済
の発展を助けている(7ページ)。送電時の電気の損失を減らす超電導性? ニッケル
は超電導体の商業化段階に向けて小さいが重要な役割を果している(15ページ)。
要は、今までになく、電磁気学、形状記憶及びその他のニッケルの特性が開拓されて
おり、現在、出てきている用途は革新的なものであるということである。
さらにニッケル
は持続可能な未来のために必要とされる新しい、驚くべきテクノロジーを可能にしつ
つある。
ニッケル誌編集者
Stephanie Dunn
ニッケル誌第28巻第2号(2013年6月号)
焦点 3
BioteQ社:
廃棄物からニッケルを回収
廃水処理の環境保全コストを軽減
革新的な廃水処理技術は、鉱山の排液に
含まれる溶解金属を除去するだけでな
く、それらの金属の回収も行っている。そ
うした設備には高い費用対効果と信頼で
きる性能を実現するため、ニッケル含有
ステンレス鋼が使用されている。
BioteQ Environmental Technologiesは、
鉱山操業やその他の工業で排出される
溶解金属や硫酸塩で汚染された廃水の
処理を専門としている。同社の設備と技
術は、安心して環境へ放出できる清浄な
水だけでなく、販売可能な副産物をもも
たらしている。
カナダ の バ ンクー バ ー を 拠 点とする
BioteQは、廃水問題に取り組む世界各国
の企業に対し要求に応じた独自の処理
技術を提供している。
カナダ、米国、中国、
メキシコ、豪州の鉱山で同社の設備が導
入されている。
BioSulphide®及びChemSulphide®の沈
殿処理方法はBioteQの基幹技術であり、
この技術を金属回収のためのイオン交換
と組み合わせて、要求に応じて廃水中の
溶解金属を選択的に除去し回収すること
ができる。
「こうした処理により、鉱山の廃水からニ
ッケル等の溶解金属が除去され、販売可
能な製品として回収されます。」
とBioteQ
の社長兼最高技術責任者であるDavid
Kratochvilは言う。
「不純物を含まない固
形の金属硫酸塩を生成できるように、適
v 処理設備には高い費用対効果と信頼でき
る性能を実現するためニッケル含有ステ
ンレス鋼が使用されている。.
4 特集
ニッケル誌第28巻第2号(2013年6月号)
切な試薬を選定し反応条件を調整するこ
とで、処理が可能になります。こうした固
形物は従来の固液分離処理によって簡
単に脱水できるため、
この付加価値の高
接、製錬所や精錬所に販売することがで
きます。」
廃水から回収される対象金属の一つでも
あるニッケルは、結果的にこの処理技術
自体において重要な役割を演じることに
もなる。
「これらの優れた点が結集することで、
廃水処理のライフサイクルコストを削減
することができます。」
とKratochvilは断言
し、さらに次のように語る。
「 従来の廃水
処理技術では、様々な金属が混在する廃
水からニッケル等の金属を回収できませ
r これまで様々な金属が混在する廃水流か
らニッケル等の金属を回収する水処理技
術は存在しなかった。
は、一つのニッケル鉱山から年間およそ
14,000kgのニッケルと一つの銅鉱山か
ん。ほとんどの場合、従来の技術では有毒
ら年間100万kgの銅の範囲である。
「ニッケル等の金属が含まれる廃水の多
または有害な廃泥が生成されるため、追
くには腐食性があります。」
とKratochvil
加処理や費用のかかる処分が必要にな
BioteQの処理技術は、新規操業、操業中
は 説 明 する。
「ChemSulphideや
ります。」
BioSulphideの化学反応装置の条件にも
よりますが、用いられるステンレス鋼の合
金は、確実にプラントの機械稼働率を高
くし、設備の耐用年数を長くすることが要
求されます。
これらの要件は、弊社水処理
プラントの設備仕様を策定する際の重要
な検討事項です。」
最終的な材料選択は実際のプラントの条
件や廃水の組成によるものの、高い耐食
性を有することで知られるニッケル含有
ステンレス鋼の使用がしばしば不可欠で
ある。
Kratochvilは、自社の技術が従来の処理
方法よりも優れていると確信している。そ
の優れた点には、廃水から高純度の生成
物が確実に得られる回収金属の選択性
及び回収された溶解金属から利益を創
及び閉鎖後における鉱山の廃液処理に
関する環境規制に見合った鉱山坑廃水
広範な開発
処理に利用できる。
一方、BioteQはこの他にも、イオン交換と
Kratochvilは、操業以来、溶解ニッケルを
Chem-Sulphide®を組み合わせた技術を
年平均12,000kg回収しているカナダの
はじめ、画期的な処理技術の開発に力を
ニッケル鉱山にあるChemSulphideプラ
入れている。技術をこのように組み合わ
ントを例に挙げ、
「ニッケルは、鉱山で生
せる利点は、廃水処理プラントの「環境保
産された硫化ニッケル精鉱の中に混ざっ
全コスト」
と全体的な操業コストを低減で
た鉱山汚染水から回収されます。この手
きる点にある。
「廃水処理にイオン交換樹
法により、
プラントはきれいな水と硫化ニ
脂を使用することで、
さらなる発展への新
ッケルのみを生成し、それ以外の廃棄物
たな機会が開かれます。」
とKratochvilは
や副産物は生成されません。」
と語る。
言う。
さらに、中国のイオン交換プラント―ここ
BioteQの技術は、鉱山・鉱物処理産業全
では従来の石灰中和方式のプラントの上
体で広く利用されているが、現在、製錬・
流にある様々な金属が混在する酸性の
精製作業において新たな用途が見出さ
れている。この処理技術は柔軟性に富
み、大規模な展開が可能である。
坑廃水からニッケルが回収されている―
の例を挙げ、
「このケースでは、かつては
廃棄物となるしかなかった金属を回収す
出できること、廃水処理の副産物である
同 社 は これ まで 、世 界 1 5 カ 所 で 2 5
ることで、持続可能性が向上し、同時に鉱
廃泥を除去または削減できること等があ
~1,200m3/時の処理能力を持つ水処理
山の廃泥生成量が減少しています。」
と述
る。
プラントの設計を行った。金属の回収量
べている。
ニッケル誌第28巻第2号(2013年6月号)
PHOTOS COURTESY OF BIOTEQ
い精鉱を金属小売業者に、あるいは直
Ni
特集 5
ニッケル・ナノ粒子を触媒として用いた
CO2ガスの回収方法が、ひょんなことか
ら英国ニューキャッスル大学の研究者ら
によって見つけられたようである。
化 学工学・先 端 材 料 学 科 の G a u r a v
BhaduriとLidija Šillerは、毒性マーカー
としてウニ胚を研究している際に、ウニの外骨格に含まれ
るニッケルイオンと炭酸カルシウムとの間に相関関係があ
ることを発見した。
「画像処理技術を駆使して、ウニ胚を構成するすべての化
学元素をマッピングしたところ、ニッケルは炭酸カルシウ
ムの成長と相関があることが分かりました。」とŠillerは言
う。Šillerらは、ニッケルを触媒としてウニが自身の殻を作
っているのではないかと考え、ニッケル・ナノ粒子を含有す
る水からCO2ガスの気泡を出させることによって、このよう
な触媒作用を再現しようと試みた結果、予想通りCO2は水
から完全に取り除かれた。
Šillerのチームでは現在、発電所やその他の産業から排
出される二酸化炭素を回収する最適な濃度を見出すため、
水中における異なるニッケル・ナノ粒子濃度の研究を進め
てきた。10~40ppmの濃度で実験を行った結果、30ppm
が最も効率が高いであろうと結論づけた。
「二酸化炭素の回収にニッケルを使用することの利点は、
他の方法よりもコストが低く、単純な磁気分離を使用して
上:ウニとウニの化学元素分布
ニッケルが回収再利用できるという点です。」とŠillerは言 v 左
r 上
:研究者Gaurav Bhaduriと Lidija Šiller博士
う。
炭素脱水酵素という酵素を使って炭酸塩鉱物中のCO2を
分離・貯留する方法は、大気中のCO2濃度を低減できる可
能性があると長年考えられてきた。しかし、この方法は高
コストでpH依存性がある上、CO2を炭酸に変える過程は律
速段階である。ニッケル・ナノ粒子を使用すれば、低コスト
かつpHに依存しない方法で、常温・常圧のもと触媒作用を
発生させることができる。
B h a d u r iとŠ i l l e r の 研 究 は、C a t a l y s i s S c i e n c e &
Technology(触媒科学技術)で略述されており、彼らの論
文へのアクセス数は、2013年2月に同誌データベースで最
多となった。
r 水中のウニ
とたびCO2が炭酸に変換されれば、不溶性のニッケル・ナノ
粒子は磁気分離によって除去され、炭酸は塩基性のマグネ
シウムまたはカルシウムを含むケイ酸塩岩と結合し、不溶
性の炭酸化合物を生成する。これらの炭酸塩物質は建築
用石材として使用でき、ニッケルは繰り返し再利用できる。
産業界では、現在、主に溶媒を使用して廃ガスに含まれる
CO2を吸収し、加熱することでその溶媒から分離除去した
CO2を最終的に地中の油井や造岩層に注入するという方
法で炭素を隔離している。しかし、この処理方法はエネル
ギー効率が低い上、常に漏出の危険がある。
Šillerは、この方法はプラントや工場からの排出ガスをニッ
ケル・ナノ粒子を含有する水または他の溶液を通して流す この構想を次の段階へと進め、この処理方法を試験プラン
Ni
ことにより、産業規模で機能させることができると言う。ひ トで実証することが、Šillerの目下の課題である。
6 ニッケルと科学
ニッケル誌第28巻第2号(2013年6月号)
ISTOCK PHOTO © DEREK HOLZAPFEL
NEWCASTLE UNIVERSITY SCHOOL OF CHEMICAL ENGINEERING AND ADVANCED MATERIALS
ニッケル・ナノ粒子が大気中のCO2
除去の低コスト化の鍵を握る
r 右上:強い蛍光を発する様々なサイズの
CdSeコロイドナノ結晶(量子ドット)
を入れたガ
ラスビン。緑から赤の量子ドットに向かうほどナ
ノ粒子サイズは倍加する。
v ) 左上:ニッケル触媒(青)はCdSe量子ドット
ナノ結晶から電子を受け取り、続いて水素(白)
を生成する。
水素は、技術的・経済的課題がある
ものの、クリーンな二酸化炭素を排
出しないエネルギー源であると長年
考えられてきた。現在ロチェスター
大学の研究者らによって開発されて
きた光を用いた水素燃料製造の改良
プロセスは、こうした水素への期待
に応えるものとして役立つ可能性が
ある。
の高価な金属から作られる触媒が主
に使われてきました。しかし、鉄や
コバルト、ニッケルのように豊富に
存在し、低コストで毒性の低い金属
を使用すれば、このプロセスはずっ
と持続可能性を増します。」と本研
究チームの主要メンバーである化学
科教授Patrick Hollandは説明する。
同研究者であるTodd Krauss教授か
ら、有機染料の代わりに吸光剤として
ナノ粒子を使用することを勧められ、
同じニッケル含有触媒を使用したとこ
ろ実にうまく機能しました。」
「しかし、念のため、各構成要素を
除外したシステムで水素製造ができ
るかどうか、一連の重要な対照実験
を行いました。これらの実験の一つ
では、(硝酸ニッケル等の)単純な
ニッケル塩を触媒として使用しまし
たが、意外にもそれらは良い具合に
ニッケルは他の金属よりも機能性が 機能することがわかりました。」
Science誌の掲載論文が概略を述べ 高く、プラチナのような他の触媒よ 「つまり、様々なニッケル源を使用し
ているように、不可欠な構成要素は、 り も は る か に 安 価 で あ る こ と か ても、このシステムは同じように上手
太陽光、ナノ結晶、そして安価なニ ら、Holland教授らは、自身の研究 く機能するということです。これは、
ッケル触媒の3つである。本研究は、 においてニッケルを触媒に使った研 ナノ粒子の外側にある硫黄含有成分が
太陽エネルギーシステム、特に光吸 究について論文を発表した。(プラ 剥がれて、ニッケルに付着したためで
収化合物を数十年来研究している チナ触媒は、通常ニッケル触媒の あると我々は理解しました。そのため、
ナノ粒子から剥がれた硫黄含有成分に
Richard Eisenberg教授が先頭に立っ 1,000倍以上のコストがかかる。)
よるニッケルの置換が可能である限り、
て指導中である。
ニッケルの役割
ニッケルに何が起きようと問題ではあ
反応過程
「多種多様な鉄、コバルト、ニッケ りません。」
ナノ結晶(基本的には微細な塊状の ルの化合物をスクリーニングした結 チームの研究を商業利用に移すには
果、ニッケルを触媒として使用する
半導体物質)として知られる結晶構
を決めました。」とHolland教授は まだ数年かかるが、効率的で費用対
造を持つ粒子は、光の光子を吸収し
ニッケル誌に語っている。「これら 効果に優れた光による水素製造シス
電子を励起させる。励起した電子は
最初にスクリーニングしたものの中 テムは、エネルギー分野以外でも役
ナノ粒子を離れ、ニッケルイオン
で、いくつかのコバルト含有化合物 立つであろうとHolland教授は指摘
(触媒)へ飛び移る。電子が2個揃う
及びニッケル含有化合物が機能しま する。「また、医薬品や肥料も大量
と水からの陽子2個と結合し、水素
した。我々は初期の研究で、吸光剤 の水素を必要とするため、これらの
分子が形成される。
が有機染料の場合、ある特定のニッ 業界にも恩恵があるでしょう。」
「太陽光による水素製造法を改良す ケル含有化合物が水素の製造に最適 本研究プロジェクトの一部は米国エネル
Ni
るこれまでの試みでは、プラチナ等 であると発表しました。その後、共 ギー省から資金提供を受けている。
ニッケル誌第28巻第2号(2013年6月号)
可能な技術革新 7
IMAGE BY UNIVERSITY OF ROCHESTER
IMAGE BY ADAM FENSTER/UNIVERSITY OF ROCHESTER
光による水素製造:ニッケル触媒を利用
してより高効率かつ低コストに
充電池
最新のリチウムイオン電池でニッケルは重要な役割を果たす
今日および近未来の電気自動車や電子機器の電源供給に
しのぎが削られる中、ニッケルは、次世代の充電式リチウ
ムイオン電池に不可欠な構成要素となりつつある。
より低温、より安全に
カナダ、ハリファックスにあるダルハウジー大学化学物理
学科の先端材料担当教授のJeff Dahnは、ニッケルベース
現在、ニッケル水素電池は、成長するハイブリッド車市場 の正極が持つ安全性の利点を強調する。彼は、
リチウムイ
を席巻している他、消費者からは家庭用充電池として選ば オン電池のサイズが大きいほど、過熱のリスクが高くなる
れ続けている。
しかし、ニッケルを用いた最も有望なバッテ 点を指摘する。
これは、高温になるとリチウムイオン電池の
リー技術は、おそらくリチウムイオン電池の容量、耐久性、 物質が不安定となり、可燃性の電解液の中に酸素を放出
安全性を高める画期的な正極材であろう。
する可能性があるからである。
NCMあるいはNMC(頭文字を入れ替え可能なこの名称 「熱せられたガソリンの中で酸素が泡立つようなもので
は、ニッケル、
コバルト、マンガン酸化物の存在を示してい す。」
とDahnは説明する。
「これは望ましいものではないの
る)
と呼ばれるこの材料は、
リチウムイオン電池に通常用 で、
[調節可能な温度で]酸素の放出が最も少ない負極材
いられるコバルト酸リチウムの代用として10年前に導入さ 料を選択することが肝心です。」
また、NCMは「コバルト酸
れた。
この切り替えのきっかけの一つとなったのはコスト リチウムに比べ、酸素が放出され始める温度に対する
『熱
であった。
コバルトはニッケルに比べ希少で、大抵は非常 的な余裕』があります。
」
という。
に高価であることがその理由である。
Dahnは、新型機ボーイング787ドリームライナーで過熱・
また、NCMの化学的性質を利用したリチウムイオン電池 引火したリチウムイオン電池を含む電気的な問題が多発
は、エネルギー密度が高い。すなわち、重量または体積あ し、今年初め一時的に飛行禁止になったことを指摘する。
たりの電池が蓄電可能とするエネルギー量が多い。
「エネ コバルト酸リチウム電池を航空機の電子機器ベイに使用
ルギー密度が高いほど、電池の小型化、軽量化が可能にな したのは、
「あまり良い選択ではなかったのではないかと
ります。」
と、
シカゴ近郊にある米エネルギー省アルゴンヌ
国立研究所の材料科学者でリチウムイオン電池を専門と
するDaniel Abrahamは言う。
「これは、世界最速で成長する正極です」
と、BASF Battery
Materials ‒ Ovonicの副社長兼業務執行取締役である
Michael Fetcenkoは断言する。BASFでは3種類のNCM正
極材を生産しており、
このうち全体の3分の1から2分の1
の正極材にニッケルが使用されている。同社はアルゴン
ヌ国立研究所で開発されたNCMを生産する権利を得て
おり、 Abrahamら研究者はその性能の向上に取り組ん
でいる。
「この電池の長寿命化、コスト削減、安全特性の
向上を目指して、化学的性質を細かく調整しています。」
と
Abrahamは言う。
8 特集
IMAGE COURTESY OF ARGONNE NATIONAL
LABORATORY.
ニッケルは、電池が充電や放電をする際に電子の減少あ
るいは増加を埋め合わせることによって、エネルギー密度
を増大させる極めて重要な役割を担う。
「ニッケルの酸化
状態は可逆的に変化します。そして、
このニッケルの可逆
的な性質によって、電池のセルが何千回と
『循環』
します。
」
とAbrahamは説明する。
また、マンガン(一部の電池はア
ルミニウム)
を添加することによって、内部の化学的性質の
安定性と安全性を改善するとも言う。
r リチウムイオン電池分野の研究に携わるアルゴンヌ国立
研究所の主幹研究員Daniel Abraham.
ニッケル誌第28巻第2号(2013年6月号)
思います。
もっと安全な材料が存在しますし、それらを選択
することもできたでしょう。
」
と述べている。
しかし、
このような不具合はめったにない。
また、軽くてエ
ネルギー出力が高いリチウムイオン電池は、
ノートパソコ
ン、携帯電話、電動工具といった持ち運び可能な機器用に
選定される。
「重量が重視される用途では、
リチウムが支配
的です。
」
とFetcenkoもしぶしぶながら認めている。
踏みとどまるニッケル水素電池
しかし、ニッケル水素電池は、他の用途で引けを取らない
能力を発揮している。BASFは、
ミシガン州を拠点とする、
汎用のニッケル水素充電池を発明したOvonic Battery
Companyを2012年に買収したことにより、今やニッケル
水素電池技術の分野で世界のリーダーとなっている。
単三、単四サイズのニッケル水素電池は、依然として使い
捨て電池の代わりを求める消費者に選ばれており、年間お
よそ10億個を売り上げている。
また、備え付けタイプのニ
ッケル水素電池についても、BASFは明るい未来を展望し
ている。太陽エネルギーや風力から発電される電気を蓄
電する二次電源設備や「スマートグリッド」の設計に関して
は、重量は問題ではない。
さらに、ニッケル水素電池は、ハイブリッド車の電力供給に
使用される電池の主力である。低コストで長寿命な上、過
充電等の酷使に耐える能力があることから、ニッケル水素
電池ユニットは、ハイブリッド車のトップメーカーであるト
ヨタやホンダが好んで採用している。
また、電気だけが推
進源ではないことから、電池の大きさや重量が必ずしも問
題になる訳ではない。
えたリチウムイオン電池は、その高いエネルギー密度と軽
さから、電力供給源として選ばれるのは当然である。エネ
ルギー密度が高いことですべての電気自動車が必要とす
る走行距離が増すからである。
ダルハウジーの研究室でNCM技術の改良を続けるDahn
は、
リチウムイオン電池の製造に必要とされるNCMの量
は、2020年までに4倍の年間10万トンになると予測する。
ニッケルはおそらく、その全体の約3分の1を占めることに
なり、そのほとんどは自動車産業で利用される。
ニッケル水素電池またはNCMを正極とするリチウムイオ
ン電池を電力供給源とするハイブリッド車への転換によ
り、ニッケルが引き続きこの分野で重要な役割を果たすこ
とは確実である。BASFのFetcenkoは、
「どちらの化学的性
質が使用されるにしても、
これらの電池へのニッケルの利
用は増える一方でしょう。
」
と言う。
10ページの次の記事では、
リチウムイオン電池の化学的
性質におけるニッケルの役割について、
この市場での重要
な新技術と共に掘り下げている。
Ni
s「高エネルギーリチウムイオン電池」プロジェクトの一環とし
て、BASFは次世代のリチウムイオン電池の研究を実施している。そ
のねらいは、電気自動車に利用できるよう電池のエネルギー密度を
大幅に増加させることにある。
こうした圧力により、電気のみを動力源とする自動車の需
要も高まると予想される。
また、ニッケルベースの正極を備
s ニッケル水素電池は、水酸化ニッケルの正極、水素吸蔵合金の負
極、水酸化カリウム(KOH)の電解液から構成される。ニッケル水素電
池は、その低いコストや高い信頼性と耐久性から、従来のハイブリッ
ド車を手頃な価格で大量生産するのに理想的である。
IMAGE COURTESY OF TOYOTA
PRESS PHOTO BASF
s 多チャンネル・テストシステムで、様々な試験用リチウムイ
オン電池の放電容量をテストする化学研究室の技術者
Christian Saffert
PRESS PHOTO BASF”
ハイブリッド車は、1990年代後半に登場して以来、600万
台以上が販売されている。政府や消費者が燃費のより良
い車を求めることで、自動車市場におけるハイブリッド車
のシェアは確実に拡大するとFetcenkoは言う。
ニッケル誌第28巻第2号(2013年6月号)
特集 9
未来の電力 パラダイムを打破
前の記事(P.8~9)
で述べたように、ほとん
どの種類の電池は、組成にニッケルが含
まれ電池反応に関与していれば、名称に
ニッケルの文字が入る。例えばニッケル・
カドミウム、ニッケル亜鉛、ニッケル水素な
どである。
しかし
「リチウムイオン電池」が
登場したことで、ニッケルはまだ使われて
いるのかと疑問を持つ人が多いかもしれ
ない。
もちろん使われている。
「リチウムイオン」
とは関連する電池化学
を有する一群の電池を表わす総称であ
る。
この電池化学は比較的新しく、すでに
商業的な成功を収めている。
リチウムイオ
ン電池の多くはリチウムだけでなくニッケ
ルも
(またマンガンやコバルトも)使用して
いる。
次世代
現 在 市 販されて いる電 池 の 電 池 化 学
は、20年前の電池に比べて飛躍的な進歩
を遂げた
(鉛蓄電池でさえ大きく改良され
た)が、今やそれ以上に劇的な改善が進
みつつある。
例えば、あらゆる容量の蓄電システムに劇
的な改善を求める要求が広がりつつあり、
商業的に採算の合う優れた電池技術が市
場に参入すれば、
こうした要求はさらに増
すばかりである。様々なアイデアや技術の
競争は激しく、未来の社会に電気を供給
するのはどんな技術なのか、あるいはどう
いった技術の組み合わせになるのか、見
当もつかない。
しかし大学の研究室から有力な手掛かり
が提示されている。以下に記すのは、実験
用の電池がどのように製造されており、何
らかの形で未来の電池に用いられる材料
は何かを示唆する代表的な例である。
「これは電池についての全く新しい発想
です。」
とKing教授は言う。
「この電池は、
こ
れまで誰もが考えたよりも多くの電気を供
給することができます。
コンピュータの思
考部位は[この数年で]
より小型化しまし
たが、電池は遅れを取っていました。
この
マイクロ技術が完成すれば何もかもが変
わるはずです。
」
ニッケルの役割
このマイクロ電池の構造において、ニッケ
ルの存在がなぜ際立っているのかを問わ
れたBraun教授は、
「ニッケルは容易に手
に入る使い慣れた材料で比較的安価であ
り、3D構造内の電気めっきが容易です。
し
高出力リチウムイオンマイクロ電池
かもニッケルは酸化に対して比較的安定
William King教授とPaul Braun教授が率 しており、
この点が製造プロセスで必要と
いるイリノイ大学の研究チームは最近、 されるステップに役立ちます。
またニッケ
驚くべき高性能を示すマイクロ電池につ ルは電池の電圧域において電気化学的に
いて記述した論文をオンラインの学術誌 安定しています。
」
と答えた。
Nature Communicationsに発表した(縮
「今では従来の枠にとらわれずに発想す
尺と構造の詳細については略図を参照)
。ポイントは内部の3Dマイクロ構造であ ることが可能になりました。」論文の第一
Pikulはウェブサイト
り、そこでは正極と負極がマイクロスケー 著者であるJames
ルで統合されている。設計と試験はなお TechCrunchのインタビューでこう述べて
「これは新たな実現可能な技術の一
継続中であるが、現在までの研究は、
この いる。
これは過去の技術の段階的な改
電池はセンサーや無線信号に従来の30 つです。
倍の電気を供給することが可能であり、 善ではありません。エネルギー源という一
こ
そうなればセンサーの大きさを現在の 般的なパラダイムを打破するものです。
30分の1にできる可能性があることを示 の技術があれば、従来とは違う全く新しい
ことが実現できます。
」
唆している。
またこの電池は、現在製品化されている
電池の比較可能な技術に比べ、千倍の速
さで充電を行うことができる。
この電池はリチウムイオン電池と名付け
られるかもしれないが、ニッケルなしでは
Ni
実現しなかったであろう。
1「相互嵌合の3D共連続ナノポーラス電極による高出力リチウムイオンマイクロ電池」James H. Pikul、Hui Gang Zhang、Jiung
Cho、Paul V. Braun、William P. King、Nature Communications 4、Article number:1732 doi:10.1038/ncomms2747
1.
10 特集
r マイクロ電池の製造と設計 1
リチウムイオン電池の電極はより合わ
されており、そのため体積に比べて表
面積が著しく大きい。半分同士(負極
と正極)
が近接しているため、
イオンと
電子が移動しなければならない距離
が著しく短縮され、その結果、高速な
充放電サイクルを可能にしている。
これらのすべてを実現したのがポリス
チレン球から成る格子であり、ポリス
チレン球の隙間をニッケルが埋めて
いる。ポリスチレン球を溶解させると
3Dの金属骨格が残り、
そこにニッケル
錫合金を加えて負極を生成し、一方で
オキシ水酸化マンガンを加えて正極
を生成する。
こうして生成したガラス
基板上の電池を、300℃に加熱した溶
融リチウム塩に浸漬する。
これにより
オキシ水酸化マンガンがリチオ化酸
化マンガン、すなわち正極内でのエネ
ルギー貯蔵に用いる物質に転換する。
電流試験用電池内の電解質は液体で
ある。
研究者らは固体の電解質でも良
い性能を発揮できるかを次の研究課
題にしている。
この研究プロジェクトに対しては、全米
科学財団と米空軍科学研究局が資金援助
を行っている。
ニッケル誌第28巻第2号(2013年6月号)
PHOTOGRAPHS BY SHAI GILL
壮大な疑問に対する壮大な答え
ニッケル含有ステンレス鋼は超低温でもヒッグス粒子の探索を可能にする性能を発揮する。
ついに正式発表になった。科学者たちはビッグバンや宇宙 ヒッグス粒子の検出を可能にした。
の起源を説明づける素粒子物理学理論で予測されていた 加速器の建設に用いられる材料の選択は、大気圏外の空
物質、すなわちヒッグス粒子を発見した。
間温度よりも低いマイナス271.3℃まで磁石を冷却する必
この捕捉困難な粒子の発見には、多大な時間、資源、創意 要がある超電導状態の実現に大きく依存している。こうし
工夫をつぎ込む必要があった。まず、CERNとして知られて た超低温を維持するため、加速器は液体ヘリウムを分配す
いる欧州合同原子核研究機構の技術者たちが20億米ドル る全長120kmの配管系に接続されている。
を投じて、世界最大規模の粒子加速器を設計し、スイスと
このような厳しい環境に耐えられるニッケル含有ステンレ
フランスの国境にまたがる山中に建設した。次に科学者た
ス鋼は、磁石にもヘリウムの分配にも重要な役割を果た
ちはこの27kmのトンネルの中で、高速の粒子ビームを一定
している。磁石にはマンガンニッケルステンレス鋼である
のコースに維持する特殊なステンレス鋼合金を用いて一連
Nirosta® 4375(EN 1.4375)が約860トン用いられてい
の実験を実施した。最後にデータ管理者が何兆回もの亜
原子衝突のデータを選別し、2012年中頃に発見された粒 る。ヘリウムを磁石に分配する配管系には、Ty pe 304L
(UNS S30403)とほぼ同一なクロムニッケルステンレス鋼
子が本当にヒッグス粒子なのかどうかを判別した。
EN 1.4307が450トン用いられている。
この探索が始まってから5年が経過した現在でさえ、CERN
は所属の科学者たちが発見したものが、素粒子物理学で このEN 1.4375合金は超低温にも、また磁石内でかかるき
最も一般的な理論である「標準モデル」のヒッグス粒子で わめて強い力にも耐える強靭性を持つと同時に、透磁率が
あるのか、それとも他の理論が予測したまた別のヒッグス 非常に低いためステンレス鋼自体が磁化することを防いで
粒子であるのか確証を持てていない。宇宙の他のすべて いる。さらにこのクロムニッケルステンレス鋼は耐温度性が
の粒子に質量を与えているとされるこの最も重要な粒子の あり、配管が脆化しないことを保証している。
今回得られた特性及びその他の諸特性を解明するために
は、なお実験と結果の再現が必要である。
こうした実験は大型ハドロン衝突型加速器(LHC)内部で
行われている。そこでは陽子が光速に近い速度で反対方
向に移動し、ビッグバン直後に存在した状態を再現してい
る。粒子ビームは別々の真空管内を移動し、電磁石で維持
されている強い磁界によって加速器リングの周囲に誘導さ
れる。CERNの科学者たちは陽子同士を衝突させることで
ニッケル誌第28巻第2号(2013年6月号)
LHCは、技術者たちがこの粒子加速器の能力を最大限発
揮させるため、2015年まで停止中である。エネルギーレベ
ルをもっと上げることができれば衝突数が増え、測定の精
度をさらに高めることが可能になるであろう。この改良作
業中に少数の磁石(15の双極子と3つの四極子)を交換す
る予定であるが、LHCの構成、材料、構成部品に変更はな
い、とCERNの技術部門責任者Frederick Bordryは述べて
Ni
いる。
NICKEL 可能な技術革新 11
ニュージーランドでの安全
ニッケル含有ステンレス鋼の強度、耐久性及び汎用性が保証され
ているため、この強力な金属には多種多様な用途があるが、救命
より重要な用途はない。
2009年、ニュージーランドのオークランドで幼児が行方不明に
なった。一週間後、この2歳の幼児は、
マンホールの蓋が少し前
の嵐で取り外されていた地下の排水溝で溺れているのが発見さ
れた。
特に浸蝕性の強い環境では、安全格
子にニッケル含有316系ステンレス
鋼が用いられる。
r The Caliber Safety Grilleは、マンホールの蓋がなくなった場合
の怪我や死亡事故を防止するためマンホールに据え付けるように
設計されている。
Maskellはこの問題をじっくり考えたが、
「ある朝、解決方法が頭
に浮かんで目を覚ました。」という。
その解決方法は、事実、驚くほど簡単で、それはマンホールの蓋
の下のしかるべき場所に簡単に素早くボルトで留めることができ
る危険防止用格子を設計することであった。Maskellの設計はマ
ンホールを完全に閉じた状態に支障をきたすことがなく、ドライ
バーや歩行者にも危険性はない。その上、その格子の撤去と再設
置は一分とかからず、においも漏れない。
Maskellは、エンジニアを雇って試作品を製造し、その後、自分の
発明を「Caliber Safety Grille」と名付けて特許を取得した。
この円形の装置は、互いに溶接された8ミリの棒鋼で作られた
150ミリ角のメッシュでできている。これらは地中でも長持ちする
よう軟鋼あるいは溶融亜鉛めっき鋼が用いられる。さらに沿岸地
域あるいは酸性の水や腐食性廃棄物があるような、特に浸蝕性
の強い環境においてはニッケル含有のSUS316や304が用いられ
る。
ステンレス鋼製格子の利点には高強度、耐久性、低メンテナス及
び使いやすさがある。また3種類の材料のものはすべてその大き
さに関係なく、新しいまたは既存のマンホールの蓋に据え付ける
ことができる。
何千という排水溝を安全格子に合わせる必要がある。したがっ
て、設置が簡単で維持に手間がかからないという要求は市議
会の支持が非常に得られやすい。この装置はすでにニュージー
ランドの最大都市であるオークランドの市議会が実施する主要
12 注目される用途
r ダクタイル鉄製Korum枠に取り付けられた安全格子
安全プログラムの一部であり、ステンレス鋼製の格子を設置中
である。
「The Caliber Safety Grille」は子供の死により開発が促された。
その子供は戻ってはこないが、少なくともそのような命にかかわ
る幼児の事故が再び起きるのは防げるであろう。
Ni
ニッケル誌第28巻第2号(2013年6月号)
PHOTOS COURTESY OF KEVIN MASKELL
この死亡事故は地方の建設業者であり2人の子供の父親である
Kevin Maskellを非常に悩ませ彼は幼児がマンホールから滑り落
ちることが再び起きないようにできることは何でもしなければな
らないと感じた。
ISTOCK PHOTO @
防音対策
耐食性と魅力的な仕上げの組み合わせによって、ステンレス鋼は路側防音壁にうって
つけの選択肢となっている。
PHOTO COURTESY OF EMPIRE ACOUSTICAL SYSTEMS
ISTOCK PHOTO © MICHAEL DELEON
現代の生活において過度の騒音は日常的な問題であり、高速道
路は最も騒がしいところのひとつである。幸いなことに、高速道路
の騒音低減システムの多くでニッケル含有ステンレス鋼の利用
が始まりつつある。
Empire Acoustical Systems(EAS)はこの用途に特化した企業で
ある。同社は、交通量の多い道路の脇に設置する防音壁用の「吸
音パネル」を製造している。
この防音パネルは、騒音を吸収する
高密度のロックウールを多孔表面シート内に収めたものである。
その外側のシェルは厚さ0.8~1.5mmの亜鉛メッキ鋼または
Type 304(UNS S30400)
ステンレス鋼で作られている。
この防音壁が、交通によって発生する過剰な騒音から近隣の家
庭や企業を守っている。
r Empire Acoustical Systemsの多孔消音パネルは、16ゲージお
よび22ゲージ(1.6mmおよび0.8mm)の冷間成形鋼板で製造され
る。滑らかな仕上げと防食性とが評価され、顧客の多くが外板には
Type 304ステンレス鋼を希望する。
「ほとんどのお客様は弊社の粉体塗装された亜鉛メッキ製品を
注文します。」とE ASのマーケティングコンサルタントである かにせよある程度の風化作用は生じる。実際、路側に設置した設
Carina Gonetは話す。
(粉体塗装とは、静電気と熱を組み合わせ 備にとって最大の懸念は、凍結防止塩による腐食である。
て利用する塗装法である。)
「しかし仕上げのオプションとして、弊
「率直に言えば、Type 304は屋外用途においては腐食による汚
社からステンレス鋼もお勧めします。高速道路の防音壁用パネル
れが発生します。」
と、建築におけるステンレス鋼利用の国際的
だけでなく、
ドアや門扉から暖房、換気、空調のためのエンクロー
専門家であり、ニッケル協会の顧問を務めるCatherine Houska
ジャーに至るまで、弊社のすべての製品でステンレス鋼を提案し
は述べる。
「高速道路の凍結防止塩の飛沫帯は通常およそ50フ
ています。
」
ィートです。
これは高い塩分暴露帯であり、
また塩化ナトリウムよ
「ステンレス鋼は仕上げが美しいばかりでなく、塩水噴霧のある り塩化カルシウムが多用される傾向にあり、後者は氷点より高い
場所や何らかの金属劣化が懸念される場所で仕事をするお客様 温度で湿度45%になると腐食性が強まります。
」
にとってもう一段の保護作用が得られます。
ステンレス鋼を指定
EASのプロジェクトコーディネーターであるTina Andersonは、バ
するお客様は、代替製品よりも高い製品保証のついた強く魅力
ージニア州の路側帯に設置した亜鉛メッキスチールパネルの一
的な製品を望まれます。
こうしたお客様にとって強度と魅力的な
部に、塩の飛沫を受けた結果、最近になって腐食の徴候が現れ
外観は重要なファクターです。
」
たことを振り返る。
「このケースで弊社からの是正案は、亜鉛メッ
EASのウェブサイトによると、同社の一連のステンレス鋼製品は キパネルをステンレス鋼パネルに交換することでした。完全に防
「[亜鉛メッキ製品]
と同等の最適な吸音性能を提供し、
しかも 食できるわけではありませんが、
ステンレス鋼パネルの方がはる
最高水準の耐久性を備えています。
」
かに防食性に優れているからです。
」
沿道の防音壁は、製品寿命を通じて事実上メンテナンス不要な たとえステンレス鋼であっても腐食によるある程度の汚れは避け
設計である。亜鉛メッキのスチールパネルは用途によっては防食 られないが、Houskaが指摘するように、壁が主要な風向に向い
のために粉体塗装を施すこともある。
ていれば、光輝焼鈍仕上げもしくは同様な仕上げを施している
この防音壁は特殊設計のため、固定具の必要がなく、そのためド 場合、雨が汚れを十分に洗い落とすと考えられる。
リル穴から錆が発生するリスクを軽減している。
「固定具がない
Type 304ステンレス鋼がどれだけ長く使用に耐えられるか、
ある
ため、何かがどこかにたまるといったことがなく、腐食の発生が抑
いは塩の飛沫が最も激しい場所にType 316L(S31603)などの
えられます。
」
とGonetは言う。
高合金を用いるべきかどうかは、時間が経たなければ答えの出
とはいえ、パネルは屋外で使用している以上、時間が経てばわず ない問題である。
Ni
ニッケル誌第28巻第2号(2013年6月号)
注目される用途 13
単結晶形状記憶合金
ニッケルを限界まで機能させる
ニッケルチタン合金Nit inol™をはじめとする形状記憶合金
度域(-270℃~+250℃)、小さい荷重ヒステリシス、100%再
(SMA)は、アクチュエーターなどの用途に用いる材料としてよ
現可能で完全な形状回復などがそれである。
く知られている。カリフォルニア州サンラファエルにあるTiNi
Martynov博士は、TiNi
Aerospaceは最近、新しい種類のニッケル含有SMAを開発し
AerospaceでSCSMA結晶成長装置の
設計と開発を推進した中心人物であり、
この装置で同社製のア
た。
これは銅、アルミニウム、ニッケルでできた単結晶形状記憶
クチュエーターMini-Frangibolt®に用いるSCSMAロッドを製
合金(SCSMA)である。従来のSMAに比べ様々な特性が大幅に
造している。このアクチュエーターは完全にリセット可能であ
改善し、理論的限界に近づいている。
り、数百万回には及ばぬまでも、数百回のサイクルで機能する
SCSMAは、半導体産業でシリコンブール(単結晶インゴット)の
ことができる。
製造に使われているのと同様な方法を用い、融液から単結晶と
重要な特徴
して「成長」する。SCSMA材料は棒状に製造するのが一般的で
あるが、断面はソリッド、中空、平板、楕円など様々である(写真
SCSMAの潜在的用途は無数にある。熱アクチュエーターで
参照)。
この材料はその後、研削、機械加工、放電加工など一般
は、SCSMAが低温状態(マルテンサイト)にある場合、最大9%
的な製造法により他の形状に成形することができる。
まで変形可能であり、温度がオーステナイト遷移点を越えて上
PHOTO COURTESY OF TINI AEROSPACEI
昇すると完全に回復する。
このプロセスにより、回復力、すなわ
「SCSMAは、チタンとニッケルでできた市販のSMAに比べ大
ち応力を最大で600メガパスカ
幅に優れた性能を発揮します。」
ル加えることのできる強力なアク
とTiNi Aerospaceの材料科学担
当 取 締 役であるVa l e r y
チュエーターが生まれる。
Martynov博士は言う。SCSMAも
SCSMAは超弾性スプリングにも用
SMA同様、遷移温度まで加熱す
いることができる。高温状態(オー
るか負荷重を除去するかのどち
ステナイト)にあるSCSMAは独特
らかで、既定の形状に戻すことが
な応力歪みプロファイルを示す。
できる。
弾性限界が0.5%未満であるステ
ただしSCSMAにはSMAに勝る大
ンレス鋼やベリリウム銅といった
きな長所がある。Martynov博士
従来のスプリング材料に比べる
によれば、著しく大きい歪み回復
と、SCSMAは20倍以上も弾性が
( 3 % に対しマイナス9 % )、真 の
一 定 力たわみ、より広 い 遷 移 温
ニッケル含有SMA。銅、アルミニウム、ニッケルでできた
単結晶形状記憶合金(SCSMA)
高く、9%を超える変形から完全に
回復することができる。
Ni
UNSの詳細 本誌で示されているニッケル含有合金及びステンレス鋼の化学的組成(重量パーセント)
UNS No.
C
Co
Cr
Cu
Fe
H
Mn
Mo
N
Nb
Ni
O
P
S
Si
Ti
EN 1.4307
p. 11
0.030
max.
-
17.519.5
-
-
-
2.00
max.
-
0.11
max.
-
8.0010.5
-
0.045
max.
0.015
max.
1.00
max.
-
EN 1.4375
p. 11
0.040
max.
-
19.0021.00
-
-
-
8.0010.0
-
0.300.45
-
6.008.00
-
0.045
max.
0.015
max.
1.00
max.
-
N01555
p. 14
0.07
max.
0.05
max.
0.01
max.
0.01
max.
0.05
max.
0.005
max.
-
-
-
0.025
max.
54.0057.00
0.05
max.
-
-
-
rem
S30200
p. 2
0.15
max.
-
17.0019.00
-
-
-
2.00
max.
-
-
-
8.0010.00
-
0.045
max.
0.030
max.
1.00
max.
-
S30400
p. 12, 13
0.08
max.
-
18.0020.00
-
-
-
2.00
max.
-
-
-
8.0010.50
-
0.045
max.
0.030
max.
1.00
max.
-
S30403
p. 11
0.030
max.
-
18.0020.00
-
-
-
2.00
max.
-
-
-
8.0012.00
-
0.045
max.
0.030
max.
1.00
max.
-
S31600
p. 12
0.08
max.
-
16.0018.00
-
-
-
2.00
max.
2.003.00
-
-
10.0014.00
-
0.045
max.
0.030
max.
1.00
max.
-
S31603
p. 13
0.030
max.
-
16.0018.00
-
-
-
2.00
max.
2.003.00
-
-
10.0014.00
-
0.045
max.
0.030
max.
1.00
max.
-
14 注目される用途
ニッケル誌第28巻第2号(2013年6月号)
鉄ベース超電導ワイヤーを利用した記録的性能
の実現 基板の核となるニッケルタングステン合金
十分な長さと柔軟性を持つ超電導ワイヤ
くつかの利点があり、その中で最も有意義
るとニッケルはさらに強度が増すと同時に
ーを商業用途での利用が十分可能な費
なのは、他の超電導材料よりも高い温度
非磁性になる。非磁性であることは、超電
用で製造することは、
「ミッション・イン
において、きわめて強い磁場内で非常に高
導ワイヤーで交流損失を減らすのに必要
ポッシブル」とも言うべき科学的難題で
い電流を伝導できる点である。また製造
なきわめて重要な特性である。ニッケルク
あった。
がずっと容易で安価であり、加工中に壊れ
ロム合金とニッケルクロムタングステン合
その課題を一言で表すと、
「柔軟性に富み
にくい。鉄ベースの超電導層は、酸化セリ
金も、強度と非磁性が同様であるため、用
ウムを使用する下部のセラミック層とはわ
いることができる。
単結晶を、金物屋で買える銅程度の価格
ずかに異なる組成を必要とする。
超電導体は無抵抗の地中送電線路や環
性能水準で製造すること」であったとテネ
超電導層はR A BiT S(Rolling-A ssisted
境に安全な小型変圧器など、様々な重要
シー州にある米国エネルギー省オークリ
Biaxially Textured Substrate)の上に沈
用途に利用することができる。
「米国での
ッジ国立研究所の科学者、Amit Goyal博
着させる。基層は厚さわずか75ミクロン
銅線またはアルミ線による送電のロスは、
士は言う。
「ほとんどの科学者は、それは
のニッケルタングステン合金であり、これ
アフリカ大陸全体の電力消費量を上回り
空を欲しがるようなもので、できるわけが
を圧延し柔軟なテープ状にする。このベ
ます。」とGoyal博士は言う。
ないと言っていたでしょう。」
ース上にセラミックの薄層と最後に超電
超電導技術は船舶、航空機、宇宙船など
研究に20年以上を要したものの、Goyal博
導材料の薄層とを沈着させる。この沈着
1kmの長さを持つセラミック超電導体の
士率いるチームが開発した画期的な基板
技術は、1kmの長さを持つ単結晶状の柔
軟な超電導ワイヤーの開発に結実した。
層は、下部にある金属の原子配列すなわ
ち構造を模倣しており、超電導体が機能
するために必要な単結晶の原子配列を実
で使用するエネルギー効率の高い発電
機の製造にも利用可能である。沖合の風
力タービンに、超電導構成部品で製造し
た発電 機と送電ケーブルを組み合わせ
もともとこの超電導層はYBCO(イットリウ
現している。
ム・バリウム・銅酸化物)超電導体をベー
この基板のベース金属の選択においては、
がある。
スにしたものである。今年初め、ブルック
ニッケルが銅、鉄、アルミニウムに勝った、
ヘブン国立研究所はGoyal博士の基板を
とGoyal博士は言う。その理由は「ニッケ
Goyal博士は述べる。
「ニッケルは、多くの
利用した鉄ベースの超電導層に関する実
ルの方が銅よりも強く、耐酸化性が優れて
験を報告した。鉄ベースの超電導層にはい
いる」からである。タングステンを添加す
s 米国エネルギー省オークリッジ国立研究所の科学者、Amit Goyal博士が、超電導ワイヤー
の製造に用いるニッケルタングステン基板のサンプルを手にしているところ。
れば、系統の効率を倍加できる可能 性
大規模用途に利用可能な長い単結晶超電
導ワイヤーの製造を可能にしつつありま
す。その市場は数十億ドル規模です。」
Ni
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ニッケル誌第28巻第2号(2013年6月号)
注目される用途 15
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