ニュースレター - コーチ・エィ

ニュースレター
2010.4 Vol.7
特集
株式会社コーチ・エィ
〒102-0074
東京都千代田区九段南 2-1-30
イタリア文化会館ビル 10 階
TEL 03-3237-8815 FAX 03-3237-8817
http://www.coachA.com/
グローバル人材育成とコーチング
グローバル企業の「現地化」を人材開発面でサポート
∼日本の「人材開発力」を世界に発信∼
国内需要が低迷する中、多くの日系多国籍企業が海外ビジネスを強化し、「人材の現地化」を推進しています。一方で、現地ではマ
ネジメントの面でさまざまな課題が表出しています。コーチAでは、ニューヨーク支社開設を皮切りに海外拠点を増設し、人材開発
の側面から日系企業をサポートしてまいります。
2 月のニューヨーク支社開設にあたり、アメリカでの「グローバル人材育成」と、コーチング事情について、弊社代表取締役会長の
伊藤守が現地メディアやニューヨーク商工会議所主催の講演でお話した内容をお届けします。
講演
コーチ・エィ 代表取締役会長 伊藤守
コーチAでは、数年前から海外事業をスタートしている。
ニューヨーク支社開設をはじめ、いま海外ビジネスを強化す
る意図は何か。会長の伊藤守が、日本企業、人と組織の活
性化に対する思いを語った。
グローバル人事部が期待するコーチングによる
「グローバル人材」のサポート
国内の需要増が期待できない中、多くの企業が収益の半分
以上を国外に求めて海外に出るスピードを急速に高めていま
す。
そうした中、M&A や事業投資による海外進出が増え、グロー
バルで活躍する人材にはより高度なビジネス対応力が要求さ
れています。
同時に、日本人の支社長の下に現地スタッフを採用し、日本
(本社)の方針に合わせて仕事をすればいい時代は終わり、
現地スタッフの育成やマネジメントにも長けていることが求
められています。
パフォーマンスを発揮できない名プレーヤー
このような環境で、国内では名プレーヤーだった社員が駐在
先で壁にぶつかり、期待されたパフォーマンスを発揮できな
いケースが多発しているのが現状です。
仕事面での高度な技術だけでなく、部下マネジメント、そし
て組織マネジメントの知識・スキルも必要とされるグローバ
ル人材。日系企業のグローバル人事部は、グローバルで活
躍する人材のパフォーマンス強化にむけて、これまで以上に
コーチングによるサポートに期待を寄せています。
い とう まもる
伊藤 守
株式会社コーチ・エィ、株式会社コーチ・
トゥエンティワン代表取締役。ほかに株
式会社キャッチボール・トゥエンティワ
ン・コンサルティング、株式会社ディス
カヴァー・トゥエンティワンの代表取締
役会長を兼務。日本における最初の国
際コーチ連盟マスター認定コーチ。企
業・経営者団体での講演、エグゼクティ
ブコーチなどを手がける。著書多数。
コーチングは、変化への対応能力を高める
「チェンジマネジメント」
なぜいま、グローバル人材の育成にコーチングが期待され
ているのでしょうか。
それは、コーチングのプロセスそのものが、変化への適応
能力を高める「チェンジマネジメント」だからではないでしょ
うか。
ビジネス環境が急激に変化するいま、グローバル人材に最
も必要なのは、
「どんな変化にも適応できる能力」
といえます。
グローバルで活躍する人材が日々直面している変化には、
・職場環境の変化
・役職の変化
・業務の変化
など、さまざまな要素があります。
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コーチングでは、そのような外的要因とパーソナル要因を、
アセスメントやリサーチを駆使しながら客観的にとらえ、グ
ローバル人材が直面するさまざまな変化に適応しながらパ
フォーマンスを高めるためのサポートをしていきます。
アメリカ企業で浸透しているコーチング
アメリカのコーチング市場は、日本に比べて歴史もあり、非
常に大きく既に成熟しているといえます。日本では依然、
「コー
チングとは何か?」が話題になることもありますが、アメリカ
では、「どのような場で、どのように使うか」が着目されてい
ます。また、ビジネスコーチの数も、日本の 1000 人― 2000
人に比べ、その 10 倍のコーチがいると思われます。
企業規模でも、ボーイング、IBM、P&G などは、100 人単位
で社内コーチを有しているようです。このように、アメリカの
企業内でのコーチングニーズは既に高く、日系企業の環境と
比べても導入格差は非常に大きいのではないでしょうか。
したら 全体 が良くなるのか」という価値観が定着してきて
いるように思います。
メンバーそれぞれのパフォーマンスが発揮できるようなタレ
ントマネジメントができるリーダー、それはサッカーでいうと、
ハットトリックができるスーパー・ストライカーではなく、パ
スもゴールもできるが、「全体を見ながら」チームメンバー
にスルーパスを打てる人。つまり、全体を見ながらパスを打
てる、 場を俯瞰して全体が読めるようなリーダー といえる
かもしれません。
これはまさに、従来の自動車からエコカーに乗り換えかえる
ほどの大きな価値観の変化といえるでしょう。そして、実はそ
ういうリーダーの あり方 が、トータル的には生産性にも大
きく影響していくのだと私は思っています。私たちは、このよ
うなリーダーをアメリカでも浸透させたいと思っています。
米国の日系企業が抱える人材不足の問題
このたびのニューヨーク支社開設にあたり、「景気が後退して
いる上に、コーチング市場が成熟しているアメリカになぜ今、
支店を開くのか?」とよく聞かれます。弊社では、既に数年
前から化粧品や船舶、商社などの日系企業にエグゼクティブ
コーチを中心としたコーチングプログラムの導入を進め、極
めて大きな手ごたえを感じていました。
そして今、リーマン危機を乗り越えたグローバル企業が、米
国での M&A や事業強化をはかるケースが増えています。日
系企業でも、製薬会社をはじめ、次世代エネルギーや環境、
IT、通信業界などが果敢にマーケットへのリーチを進めてい
る印象があります。
「セルフマネジメント」と「部下マネジメント」を
カバーする日本型コーチング
一方で、「経営のグローバル化」に対応できる人材が不足し
ていることや、日米の経営トップ間におけるスタッフ育成に関
する意識格差の表面化など、企業が進める「現地化」には
課題が山積しているのが実情です。
このようなリーダーを開発するために、私たちはコーチング
で「セルフマネジメント」と「部下マネジメント」の二つの
側面をカバーします。リーダーシップを開発するとき、ともす
ると「セルフマネジメント」に偏ってしまう傾向があります。
世界に提唱したい
しかし、グローバル規模でビジネスを展開できる人材の育成
には、自分のキャリアや、どういう能力を身につけるかといっ
たケイパビリティーを扱うだけでは事足りません。
全体を俯瞰する
日本型リーダーシップ
そもそも、リーダーシップに対する考え方は、アメリカ人と日
本人の間で大きく違うのではないでしょうか。弊社では、多
くの外資系企業の日本人社長をコーチしていますが、本社が
彼らに求めているのは、往々にして「強いリーダーシップ」
です。
アメリカ型の価値観が崩れていると言っては過言かもしれま
せんが、アメリカでは、 いま求められているリーダー像 が
大きく揺れているように思います。
一方で、日本はバブル以降大きく変わったように思います。
「フォロワーをぐいぐい引っ張る」とか、「自分だけが良くなり
たい」といったがむしゃらな成功イメージが影を潜め、「どう
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「現地化」を推進するには、
この先 10 年を見据えた現地スタッ
フの育成も視野にいれて戦略的に部下のマネジメントをでき
るための技術・知識が必要です。
アセスメントとリサーチに基づいたコーチング
「セルフマネジメント」と「部下マネジメント」の両側面を強
化するために、弊社では、アセスメントやリサーチに基づい
たコーチングを提唱しています。コミュニケーションやリー
ダーとしての資質などに関する 個人 に視点をおいたアセ
スメント、
さらには、
その人が属する 組織 のコミュニケーショ
ン状態を測るリサーチなども完備しています。
さまざまなアセスメントやリサーチを通して、自分自身や他
者への理解を深め、コーチングで扱うテーマを明確にします。
また、コーチング後にも同様のアセスメントを実施し、効果
測定をすることで確実に成果・実績につなげます。
最近、原宿を歩いていても思いますが、若者のファッション
なども、もっと海外でビジネス化できると思う分野です。モノ
も教育も、日本にはもっと世界に打っていけるものがある。
それを十分アピールできていないのではないでしょうか。
場を俯瞰して全体が読めるリーダー は、このような「リサー
チ → コーチング → リサーチ」という一連のプロセスを通じ
てこそ開発できるものであり、グローバルで活躍できる人材
を日系企業から数多く輩出していきたいと考えています。
私たちが目指しているのは、グローバル人材の育成を通して、
究極的には「日本が誇る技術やソフトを海外でセールスする
人、組織、企業をコーチすること」ともいえます。 アジアでもコーチング事業を強化
「グローバル人材の育成」=
「日本をセールスする人と組織をコーチすること」
最後になりますが、私たちの活動は、究極的には「日本を世
界にアピールすること」だと思っています。
日本の企業は、世界に誇るべき技術をもっています。ですが、
残念ながらそれを海外で十分にアピールし、売り込む力が不
足しているように思います。
モノづくりの世界だけではありません。GE が経営全体のプロ
セス改革につかったシックス・シグマの手法は、もともと日
本の製造業で行われている QC サークル活動を参考にしたも
のでした。
1990 年代後半になって日本にも 紹介され ましたが、QC サー
クルの時点できちんと商品化していたら逆輸入するようなこと
はなかったのではないかと思います。
今回、ニューヨークに支社を開設しコーチが駐在することで、
これまで以上に企業のご担当者様と共に組織に適したプログ
ラムを構築できる環境が整いました。
日・英 2 カ国語によるエグゼクティブコーチングと、日本人
駐在員、現地スタッフのパフォーマンス向上を目的としたプ
ログラムを軸に、組織風土の醸成やグローバル人材開発の
お手伝いを促進してまいります。
また、日本の企業の多くはいま、アジアに注目しています。
私どもの国内のお客さまも、アジアでの事業強化を図るケー
スが急増しています。そうした企業を国内の支援にとどまら
ず、アジア地域でもサポートさせていただくために、今後、
アジアのハブである上海やシンガポールでも拠点を開設して
いきます。
組織全体を変革する
リサーチベースのコーチング
事前リサーチ
コーチング
事後リサーチ
本人と組織の現状把握と
テーマ特定
組織を巻き込み行動を促すことによる、
影響力の向上
明確な成果測定
・アセスメント
・アンケート
テーマの特定
・インタビュー
コーチング・セッション
テーマ特定
・インタビュー
・アセスメント
・アンケート
実践行動
上司、部下、その他ステークホルダー
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ニューヨーク便り
【ニューヨーク支社 所在地】
coachA co., ltd.(USA)
∼在米日系企業が抱える「現地社員の人材活用」の課題∼
245 Park Avenue, Suite 2420 New York, NY 10167
TEL: +1-212-672-1833
大橋 洋幸
CFO 兼 coach A Co., Ltd.(USA) 取締役副社長 エグゼクティブコーチ
青山学院大学大学院経済学研究科修士課程修了。税理士法人中央青山(現、税理士法人プライスウォーターハウスクーパース)東京事
務所に入社後、税務マネージャーとして外資系企業の税務コンサルティング及び M&A に係る企業評価・税務監査等の職務に従事。米国
サンフランシスコ事務所に赴任。在米日系企業を対象に海外進出支援、財務及び税務に係るコンサルティングサービスを行う。帰国後、
コー
チ・エィ入社。2010 年 2 月よりニューヨーク支社駐在。
ニューヨーク支社開設にあたり、ニューヨーク州及びニュージャージ州にあ
「優秀な人材の定着化」については、やる気の高い現地社員を日本本社に
る電機、化粧品、IT関連企業など、100 名を越える現地日系企業のトップ
派遣し、本社の規模を肌で感じさせて会社へのロイヤルティを高めるなど、
エグゼクティブの方にお会いしてきました。
優秀な人材が定着する環境を整える努力をしている企業もあります。
厳しい経済環境の中、多くの方が本社が提示する高い数値目標を限られた
「マネジメント社員のリーダーシップ開発」は、日本人駐在員が、日本国内
任務期間で達成すべく日々頭を抱えています。そして、この状況打破にむけ
で求められるよりも高いレベルでの「部下マネジメント」を身につける必要
てトップエグゼクティブの方が着目しているのが「現地社員の人材活用」
です。
があります。とくに、日本でマネジメントを経験しないまま赴任する若手駐
在員は、着任直後から次のような問題に直面しています。
ある製薬会社の方は、「M&Aで急激に増えた現地社員をマネジメントしな
ければならなくなった。しかし、駐在員である日本人管理職の多くはどうし
・言葉の壁により、部下とのコミュニケーションが絶対的に不足している
たらいいのか戸惑っている。」とお話されていました。
・細かい指示を出さなくても意を汲み取って動いてくれるという誤解から
現地採用社員の傾向
・契約内の仕事をやり遂げることで高評価を得ることを望む社員が多く、
現地採用社員は、「キャリア志向の高い人材」と「安定志向の強い人材」が
される
ミスコミュニケーションが生じる
契約内容を理解せずに契約外の仕事を依頼し、後で未払給与を請求
顕著に分かれるようです。
前者の場合、日系企業での経験をメジャー企業に転職するためのステップ
エグゼクティブ・コーチングを軸とした組織変革
アップととらえ、長く定着しない傾向があります。一方後者は、キャリアアッ
私がお会いしたトップエグゼクティブの方々の多くは、「業績の向上、さらに
プを求めず与えられた仕事を淡々とこなし、ある程度の給与アップだけを望
はその業績を上げ続けるためには、日本人駐在員と現地社員の区別無く、
むケースや、最後のキャリアとして日系企業に 安住の地 を求めるエグゼ
誰が、何を、どのように行動変容をすればよいのかを見つけ出すことが問題
クティブなどが該当します。
解決の突破口になるのではないか」と語っています。
こうした状況に追い打ちをかけるのが、日本人駐在員のマネジメント不足か
■リサーチベースのコーチング
ら生じる次のような組織環境です。
コーチAが提唱する「リサーチベースのコーチング」は、360 度フィードバッ
ク、職場環境リサーチ、ステークホルダーへのインタビュー、アセスメント
・組織変革を本気で起こすにも、日本本社の指示や承認待ちで
時間がかかる
をエグゼクティブ・コーチングと平行して実施することで、業績向上に向け
た組織全体の活性化をサポートすることが可能となります。
・現地で決めたことが本社の意向で簡単にひっくり返される
・上司である日本人駐在員が変わるたびに、方針が変更になる
■実践型のコーチング
組織の中核となるディレクターやマネージャーのパフォーマンス向上では、
日本人駐在員に求められるマネジメント力
「セルフマネジメント」
と
「部下マネジメント」の両立に主眼をおきます。コミュ
ニケーションの考え方を学ぶと同時に現場レベルで「自分たちがどのような
このような背景から、「現地社員の人材活用」の点で日系企業が取り組むべ
行動や姿勢をとればいいか」を学び、実践する機会をコーチングの中で提
き課題は、次の 2 点であることが予想されます。
供していきます。
10 年先を見据えた人材開発のサポート
1.優秀な人材の定着化
2.マネジメント社員のリーダーシップ開発
コーチAは、英語を母国語とするコーチやニューヨーク駐在スタッフの増強、
プログラムの充実化をはかり、グローバルで日系企業が生き残るために必
須となる この先 10 年を見据えた マネジメント、現地スタッフの育成分野
におけるサポート体制を強化してまいります。
会社概要
人と組織の可能性を開く
コーチ A は、プロフェッショナルコーチが集まる日本最大のコーチング
ファームです。エグゼクティブコーチングを中核に据えながら、企業理念
の浸透や組織風土改革、ダイバーシティー推進といったクライアント企業
それぞれのコミュニケーション戦略を、テーラーメイドにデザインしてい
きます。
Copyright © 2010 coachA co.,ltd All rights reserved.
社 名 ・・・・・・・・・・ 株式会社コーチ・エィ
設 立 ・・・・・・・・・・ 2001 年 10 月
資本金・・・・・・・・・・ 1 億円
代表取締役会長・・・伊藤 守
取締役社長・・・・・・・ 鈴木 義幸
事業内容 ・ ・・・ ・ ・・・ 企業に対するコーチング・プログラムの提供 及び
コンサルティング・サービス
所在地 ・・・・・・ ・・・ ・ 千代田区九段南 2-1-30 イタリア文化会館ビル 10 階
U R L ・・・・・・・・・・ http://www.coachA.com/