Microsoft SharePoint Portal Server 用エージェント

WHITE PAPER
Microsoft SharePoint Portal Server 2003 のデータ保護
VERITAS Backup Exec™ 10 for Windows Servers
Microsoft SharePoint Portal Server 用エージェント
目次
概要.........................................................................................................................................................................3
製品の特長 ..............................................................................................................................................................3
SharePoint Portal Server のしくみ...........................................................................................................................4
コンセプト..............................................................................................................................................................4
標準的なファーム構成 ..........................................................................................................................................4
データ保護計画の作成 .............................................................................................................................................5
Backup Exec 10 の構成 ......................................................................................................................................5
Backup Exec 10 メディアサーバー....................................................................................................................5
Backup Exec 10 メディアセット..........................................................................................................................5
Backup Exec 10 リモート エージェント...............................................................................................................6
保護対象サーバーに対する Intelligent Disaster Recovery オプションの構成 ....................................................6
選択リスト、ポリシー、およびジョブの再利用 ......................................................................................................6
監視とレポート生成 ...........................................................................................................................................6
SPS 環境における Backup Exec のライセンス .....................................................................................................7
バックアップとリストア: MSDE と SQL Server 2000 ..............................................................................................8
SPS 環境全体のバックアップ ...................................................................................................................................8
SharePoint 構成情報とコンテンツ データベースのバックアップ/リストア .....................................................................9
データベースのバックアップ...................................................................................................................................9
シングル サインオン サービス データベース ........................................................................................................10
SPS 2001 エージェント .......................................................................................................................................10
バックアップデータからのリストア ............................................................................................................................11
データベースサーバー ........................................................................................................................................11
リダイレクト型リストアの実行 ...............................................................................................................................11
同じデータベースサーバーへのリストア ...............................................................................................................11
ディザスタ リカバリ .................................................................................................................................................11
シングル サインオン サービス データベース ........................................................................................................13
まとめ ....................................................................................................................................................................13
2
概要
SharePoint Portal Server (SPS) 2003 は第二世代の文書管理/共同プロジェクト
管理/イントラネット サイト管理製品であり、Windows サーバーの拡張性と柔軟性
を向上させます。SPS を導入することにより、社内イントラネット上の情報の体系
化、共有、検索、および公開が容易になります。また、SPS は Microsoft Office や
Web 開発ツールとシームレスに統合します。
このホワイト ペーパーでは、Backup Exec 10 for Windows Servers とオプション
の SPS エージェントを使用して、Windows Server 2003 上で動作する SPS
2003 と Windows SharePoint Services のデータを完全に保護する方法につい
て、詳しく説明します。
主な効果
• Microsoft SharePoint
Portal Server 2003 お
よびサーバー ファームを
サポート。
• 完全自動化。
• SPS 2003 の必要コンポー
ネントすべてを完全に保
護し、リストアとディザスタ
リカバリを可能にする。
また、そのための作業を
簡素化。
SPS 2003 および Windows SharePoint Services のリリース以降、製品のアー
キテクチャが大幅に変更されたため、データの表示とバックアップに関して新しい
手法が必要になりました。このアーキテクチャは、旧バージョンの SharePoint と異
なっているというだけではありません。サーバー間でデータを自在に受け渡しでき
るようにするため、かなり複雑になっています。サーバー ファーム内のサーバー間で自在にデータを交換できるように
なった場合、それに伴ってデータのバックアップ方法、および、ユーザーがバックアップ/リストア手法を選択する方法が
変わります。ユーザーは、サーバーやサーバー ファームの構成を詳しく知らなくてもバックアップ/リストアできる手法を
望んでいます。
製品の特長
新機能である SPS エージェントは、SPS 環境を完全に保護するための作業を自動化するものです。SPS 2003 を保
護するには、Backup Exec メディアサーバーと SPS エージェントを使用する必要があります。SPS エージェントには、
サーバー 1 台の構成または小規模サーバー ファーム構成で必要となるリモート エージェントが含まれています。
SPS エージェントを利用すれば、第 1 に、SQL データベース、文書ライブラリ、インデックス データベース、および一部
のメタデータをバックアップ/リストアできます。第 2 に、サーバー 1 台構成の SPS 環境を拡張して大規模なサーバー
ファーム環境にすることができます。サーバー ファームを構築すれば、SPS のさまざまな構成要素を社内の多数の
サーバーに分散できます (各サーバーはサーバー ファームの構成要素です)。第 3 に、サーバー ファームに属してい
ない社内サーバーからサーバー ファームをブラウズできます。
3
SharePoint Portal Server のしくみ
コンセプト
SPS 2003 を配備した場合、Active Directory ドメインの中に 1 台または複数台のサーバー、あるいはサーバー ファーム
が属します。SPS 2003 の構成要素は、Microsoft Desktop Engine (MSDE) または Microsoft SQL Server のインス
タンス、Web ストア、インデックス データベース、検索サービス、ジョブ サービス、構成データベース、サイト データベース、
プロファイル データベース、および SPS 2001 旧形式文書ライブラリ (オプション) です。
各種の SPS 2003 構成の内容をよく理解できるようにするため、このホワイト ペーパーでは、次の 4 種類の構成を基
準構成として使用します。
標準的なファーム構成
• サーバー 1 台構成: MSDE データベースまたは SQL Server 2000 データベースを含むすべての SPS 構成要
素が、1 台のサーバー上でホスティングされます。
4
•
小規模サーバー ファーム: SQL Server 2000 データベース以外の SPS 構成要素が 1 台のサーバー上でホス
ティングされます。SQL Server 2000 データベースは、別のサーバーにインストールされます。
•
中規模サーバー ファーム: インデックス管理/ジョブ サーバー、SQL Server 2000 データベース サーバー、およ
び 検索コンポーネントが有効になっているフロントエンド Web サーバーが、それぞれ 1 台以上存在します。
•
大規模サーバー ファーム: フロントエンド Web サーバーと検索サーバーがそれぞれ 2 台以上存在します。ま
た、インデックス サーバーが 1 台以上存在し、そのうちの 1 台は ジョブ サーバーです。さらに、SQL Server
2000 データベース サーバーが 1 台以上存在します。
データ保護計画の作成
適切なツールやプロセスを利用しない場合、社内の文書の共有、公開、アクセス制御の各作業に時間がかかり、データ
の喪失、上書き、重複、配置場所ミスなどが発生しやすくなります。SPS 2003 ではこれらの問題が解決されています
が、十分な機能を持つデータ保護ツールを備えていないので、拡張性、操作性、およびディザスタ リカバリの信頼性の
点でまだ問題があります。適切なデータ保護計画を立てない場合、社内の文書とデータに対するリスクが高まります。
なぜなら、SPS 環境 にはデータ保護の枠組みも復旧プロセスも特に定義されていないからです。したがって SPS
2003 を使用している企業では、十分な機能を備えた SPS 2003 用データ保護製品を調査検討して導入することが不
可欠です。
企業が SPS 2003 を導入した場合、「SPS 2003 に格納される重要なデータを効率的に保護するにはどうすればよい
か」という問題が発生します。このホワイト ペーパーでは、このシンプルでありながら重要な質問に答えます。また、
SPS 2003 サーバー上のデータをバックアップ、リストア、および複製するためのツール、プロセス、および計画につい
て説明します。各企業は、導入した SPS 環境の規模、基盤、および種類に応じて、ツールの最適な組み合わせを決め
る必要があります。SPS データの保護に関するニーズを判断する際、次の点を検討する必要があります。
• バックアップ処理を SPS 2003 の運用中に実行するか、それとも運用時間外に実行するか。
• バックアップ処理をすべて中央サーバー上で実行するか、それともバックアップ処理を複数のサーバーに分散す
るか。
• バックアップデータをテープに保存するか、それともディスクに保存するか。
• バックアップ処理を個別に実行するか、それとも、VERITAS File System および他の保護対象リソース バックアップ
ツール (Exchange、SQL Server、Domino など) と組み合わせて実行するか。
• SPS 2003 のバックアップ処理の実行頻度はどのくらいか。
• 破損したファイルや誤削除したファイルをどのように復旧するか。
• サーバー 1 台構成の場合と SPS 2003 サーバー ファームの場合とでは、SPS 2003 の保護方法がどのように
異なるか。
• SPS 2003 のデータ保護作業を自動化および簡素化するためのツールにはどのようなものがあるか。
• データが壊滅的な被害を受けた場合、迅速かつ確実に復旧するにはどのような手順を実行すればよいか。
Backup Exec 10 の構成
Backup Exec 10 メディアサーバー
SPS 2003 のデータ保護計画を実行に移す前に、Backup Exec 10 メディア サーバーをインストールおよび構成してお
く必要があります。インストール作業と構成作業については、『VERITAS Backup Exec 10 for Windows Servers 管理
者ガイド』を参照してください。なお、メディアサーバーに対して次のオプションのライセンスを取得しておく必要がありま
す。
• Intelligent Disaster Recovery オプション (データ保護計画の中で、このオプションを利用することに決めた場合)
• SPS エージェント
Backup Exec 10 メディアセット
メディアサーバーを稼動可能な状態にしたあと、メディア管理計画に従って、SPS 2003 サーバー用のメディアセットを
定義できます。メディアセットとはメディアのグループのことであり、テープのセットやディスク上のバックアップ先フォルダ
のセットなどがそれに該当します。このメディアセットにバックアップデータが保存されます。メディアセットを定義すること
により、第 1 に、上書き禁止期間や追記期間を設定できます。上書き禁止期間とは、データを保持すべき期間のことで
あり、この期間中はデータを上書きできません。追記期間とは、データをメディアに追記できる期間です。第 2 に、バック
アップジョブ保持ポリシーをカスタマイズできます。第 3 に、Backup Exec メディアカタログ内の SPS バックアップ エントリ
を簡単に表示できます。なぜなら、エントリはメディアセットごとにグループ化されているからです。
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Backup Exec 10 リモート エージェント
ジョブを作成する前に、バックアップ対象の各 SPS 2003 サーバーに Windows サーバー用のリモート エージェントを
インストールしておく必要があります。
保護対象サーバーに対する Intelligent Disaster Recovery オプションの構成
データ保護計画の中でいずれかのサーバーに対して Intelligent Disaster Recovery (IDR) オプションを使用すること
に決めた場合、それらのサーバーに対する IDR ブート用復旧イメージを作成して CD に焼く必要があります。サーバー
の復旧イメージとブート用 CD を作成する前に、SPS エージェントを使用して、それらのサーバーの初期フルバックアップ
処理を実行する必要があります。バックアップ対象には、すべてのボリューム、システム状態、SPS、および SQL
Server 2000 インスタンスまたは MSDE インスタンスを含めます。IDR 復旧データを構成および保守する手順につい
ては、『VERITAS Backup Exec 10 for Windows Servers 管理者ガイド』を参照してください。
選択リスト、ポリシー、およびジョブの再利用
Backup Exec 10 メディアサーバー間で、選択リスト、ポリシー、およびジョブをコピーできます。コピーするには、次の手順
を実行します。この手順は選択リストをコピーするものですが、ポリシーおよびジョブをコピーする手順もこれと同じです。
1. Backup Exec 10 Administration を起動します。
2. 「Job Setup」ウィンドウを開きます。
3. 別のメディアサーバーにコピーしたい選択リストを右クリックします。
4. 「Copy...」を選択します。
5. 「Copy Selection List」ウィンドウがポップアップ表示されるので、「Copy to other media servers」を選択し、
「Add」をクリックします。
6. 「Add Server」ウィンドウがポップアップ表示されるので、コピー先メディアサーバー名とログオン アカウント情報
を入力し、「OK」をクリックします。
7. 他のメディアサーバーにもコピーする場合は、ステップ 6 を繰り返します。
8. 「OK」をクリックしてコピーを開始します。
監視とレポート生成
バックアップジョブを定期的に監視することは、バックアップ管理者にとって重要な作業です。SPS 2003 サーバーの
バックアップジョブが何らかの理由で失敗した場合、そのサーバーを最新の状態に戻せません。このため、SPS 管理者
はバックアップジョブのステータスを監視する必要があります。
Backup Exec 10 には、Microsoft Operations Manager (MOM) と組み合わせて使用するための無料の管理ツール
が付属しています。この管理ツールは、Backup Exec for Windows Servers の稼動状況とアベイラビリティを監視する
ものです。このツールを利用すれば、重大な事態が発生した場合にそのことが検出および警告され、自動的に対処さ
れるので、サービス停止につながりそうな問題を特定して解決することができます。これにより、サービスが停止される事
態を回避できます。この管理ツールは http://seer.support.veritas.com/docs/272197.htm でダウンロードできます。
また、Backup Exec 10 には、保護対象のサーバー、メディア、および装置に関する詳細情報を示すためのレポートが
40 種類以上用意されています。これらのレポートのほとんどを生成する際、フィルタリング パラメータの役割を果たす
設定情報や、レポートに表示したい期間を指定できます。これにより、SPS 2003 サーバーの稼動状況レポートを作成
できます。新規レポート生成処理をすぐに実行して表示することも、レポート生成ジョブを実行してレポート データをジョブ
履歴に保存しておくこともできます。また、各レポートに関する全般的なプロパティを表示できます。
Backup Exec 10 では、レポート生成処理を指定時刻に実行するように、または繰り返し実行するようにスケジューリング
できます。生成されたレポートは電子メールで配布できます。これにより、SPS 2003 サーバーのデータ保護ステータス
を示すレポートをスケジューリングして実行することができます。また、生成されたレポートを、SPS 2003 サーバーの保
守担当者全員に配布できます。
レポートの生成には Crystal Reports が使用されます。生成されたレポートは、HTML 形式で表示および印刷できま
す。Backup Exec によって Adobe® Acrobat Reader が検出された場合は、PDF 形式で表示されます。Adobe
Acrobat Reader は無料であり、http://www.adobe.com/acrobat でダウンロードできます。
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Backup Exec 10 レポートの例を次に示します。バックアップ管理者および SPS 管理者は、これらのレポートを利用す
ることにより、SPS 2003 サーバーのデータ保護ステータスを効率的に監視できます。
• Backup Job Success Rate ― 選択したサーバー上で実行されたジョブの成功率
• Backup Resource Success Rate ― 選択したサーバー上のリソースごとの成功率
• Backup Set Details by Resource ― 選択したサーバーからバックアップされた各リソースの詳細情報
• Backup Sets by Media Set ― 選択したメディアセットに保存されたすべてのバックアップ セットに関する詳細
情報
• Failed Backup Jobs ― 選択したサーバーに対してユーザー定義期間中に実行されたバックアップジョブのう
ち、失敗したジョブの一覧
• Media Set ― ユーザーが選択したメディアセット グループに対して使用されたメディアの一覧
• Overnight Summary ― 選択したサーバーに対して 24 時間以内に実行されたバックアップジョブの一覧
• Policy Jobs by Resource Summary ― 選択したサーバー上で、ユーザー定義期間中にポリシー定義による
ジョブを使ってバックアップされた、各リソースの詳細情報
• Policy Jobs Summary ― 選択したポリシーに基づいて指定期間中に実行されたバックアップジョブ
• Policy Protected Resources ― 選択したサーバーに対するリソースの一覧、および、それらのリソースに割り
当てられたポリシーとテンプレート
• Problem Files ― 選択したサーバーに対するバックアップ処理で問題が発生したファイルのリソース別一覧
• Resource Backup Policy Performance ― 選択したサーバーに対してユーザー定義期間中にポリシーに基づ
いて実行されたバックアップジョブの成功率
• Resource Risk Assessment ― 選択したサーバーに対するバックアップジョブのうち、最後に失敗したジョブで
バックアップ対象となっていたリソースの一覧
• Restore Set Details by Resource ― 選択したサーバーに対するユーザー定義期間中のリソース別リストア詳
細情報
レポートを表示したりレポートの実行をスケジューリングしたりするには、Backup Exec 10 を起動して「レポート」タブを
クリックします。次に、一覧表示されたレポートのいずれかを右クリックすると、実行とスケジューリングに関するオプション
が表示されます。
SPS 環境における Backup Exec のライセンス
SPS エージェントは、1 つの SQL データベース インスタンスを保護するコンポーネントと、スタンドアロンの SPS サー
バーにインストールされる Windows サーバー用リモート エージェント (CAL) で構成されています。
最もシンプルな構成では、SPS 2003 を 1 台のサーバーにインストールします。SPS サーバーは、Microsoft Windows
Server 2003 上で動作する、SharePoint アプリケーションと MSDE データベースまたは SQL Server 2000 データベース
で構成されています。Backup Exec の SPS エージェントには、この構成を保護するために必要なコンポーネントがす
べて含まれています。
小規模サーバー ファームは、2 台のサーバーで構成されています。(1) SPS 2003 を実行する Windows Server 2003
サーバー 1 台、および (2) SQL Server 2000 を実行する Windows Server 2000 または Windows Server 2003 サー
バー 1 台の構成です。この小規模サーバー ファーム構成を保護するには、SPS ライセンス 1 個とリモート エージェント
が必要です。
中規模/大規模サーバー ファームの最小構成は、(1) SPS 2003 を実行する Windows Server 2003 サーバー 1 台、
(2) SQL Server 2000 を実行する Windows Server 2000 または Windows Server 2003 サーバーが 1 台以上、(3)
Web サーバーが 1 台以上、(4) ジョブ サーバーが 1 台以上、(5) 検索用サーバーが 1 台以上です。これらの中規模/
大規模サーバー ファーム構成を完全に保護するには、(1) SPS 2003 エージェント 1 個、(2) 2 台目以降の SQL
Server 2000 サーバー 1 台ごとに SQL Server エージェント 1 個、(3) 1 台目の SPS サーバー以外のサーバー 1 台
ごとにリモート エージェント 1 個が必要です。
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インデックス管理/
ジョブ サーバー
フロントエンド Web
サーバー× 2
SQL Server 2000/
検索サーバー× 2
SPS サーバー
この例の場合、必要なライセンスは次のとおりです。
• SPS エージェント× 1
• 2 個目の SQL Server 2000 データベース インスタンス用の SQL Server エージェント× 1
• リモート エージェント× 5
注: 複数の SPS ファームが 1 つの SQL Server データベースを共有している場合、ファームごとに SharePoint
Server エージェント ライセンスが必要です。
バックアップとリストア: MSDE と SQL Server 2000
小規模な SPS 構成の場合、管理者は、高機能な SQL Server 2000 データベースではなくデフォルトの MSDE データ
ベースを使用することができます。MSDE データベースを使用している場合、デフォルトの復旧モデルは "Simple" にな
ります。この場合、データベース バックアップと差分バックアップだけが可能です。SQL Server 2000 データベースを使
用している場合は、デフォルトの復旧モデルは "Full" になります。この場合、データベース バックアップ、差分バックアップ、
およびログ使用型バックアップが可能です。ログ使用型バックアップを選択した場合、各種のバックアップ方式を適用す
る際に、復旧モデル設定においてデータベース構成も選択する必要があります。こうすることにより、データを確実に
バックアップできます。Microsoft SQL Server Enterprise Manager を利用できる場合、この設定は MSDE に対しても
SQL Server 2000 に対しても構成できます。
注: トランザクションのバックアップとリストアに対してログ使用型バックアップを利用する場合、SQL サーバーを適切に
構成する必要があります。ログ使用型バックアップを利用できるのは、SPS 2003 を トランザクション ログ バックアップ
用に構成した場合です。
SPS 環境全体のバックアップ
ローカル サーバーに SPS コンポーネントがインストールされている場合、ファイル選択ビューのローカル選択ノードで、
「Microsoft SharePoint Resources」ノードを選択します。このノードには、そのサーバーにインストールされている
SharePoint コンポーネント、およびサーバー ファーム上に存在するすべてのコンポーネントが一覧表示されます。ただ
し、このノードで選択できるのはローカル コンポーネントだけです。SharePoint 構成の中にリモート選択ノードが含まれ
ている場合、リモート選択ノードの下に SPS ファーム ノードが追加表示されます。これらの SPS ファーム ノードは手動
または自動で追加できます。これらのノードを手動で追加するには、コンテキスト メニューで「Add Server Farms」を選
択します。ノードを自動的に追加するには、サーバー ファームに属しているフロントエンド Web サーバーを探します。サー
バー ファーム全体を自動選択して、SPS 環境内のサーバーとコンポーネントを丸ごとバックアップすることもできます。
8
SharePoint 構成情報とコンテンツ データベースのバックアップ/リストア
SPS 2003 では、サーバーとサイトの構成情報はすべて構成データベースに格納され、サイトのコンテンツはすべて
コンテンツ データベースに格納されます。サーバーまたはサーバー ファームのすべての SPS 2003 情報を個別にリス
トアしたい場合は、フルバックアップ時に SPS エージェントを使用してこれらのデータベースをバックアップする必要が
あります。サーバー ファームを構成すると、SPS エージェントとフロントエンド Web サーバーとの間で通信が行われま
す。その Web サーバーから、すべてのデータベースまたはサーバー (あるいはその両方) が照会され、バックアップに
必要なデータが収集されます。フロントエンド Web サーバーでは、ファーム内のすべての SPS から情報が収集される
ので、管理者はベスト プラクティスに従って、Web サーバー上で IDR オプションを利用し、Web サーバーの大規模障
害時にこれらのサーバーを再構築できるようにします。
データベースのバックアップ
SPS 2003 用のデータベースは通常、デフォルトのインスタンスまたは SPS 固有のインスタンスで生成されます。一般
的なデータベース名は、ポータル名の先頭の 8 文字 (スペースは除去) の後ろに 1 桁の増分値を付加し、さらにその
後に_PROF、_SITE、_SERV のいずれかを付加したものです。たとえば、ポータル名が Portal Name である場合、
データベース名は PortalNaX_YYYY となります。PortalNa はポータル名の先頭の 8 文字、X は先頭の 8 文字が同じ
場合に加算される数値、Y は生成されるデータベースの種類です。ポータル名が Team Portal である場合、次の名前
のデータベースが生成されます。
• TeamPort1_PROF
• TeamPort1_SITE
• TeamPort1_SERV
構成データベース名は、SPS 2003 のインストール後に決まります。デフォルトの構成データベース名は
SPS01_Config_db です。詳細については、システム管理者に問い合わせるか、SPS のマニュアルを参照してください。
次の 2 つのコンポーネントは相互関係があるので、一緒にバックアップする必要があります。これにより、データベース
間の同期をとることができます。この例では、ポータル名を Team Portal としています。
サイト データベースとプロファイル データベースは、必ず一緒にバックアップする必要があります。たとえば、次の 2 つ
のデータベースは一緒にバックアップします。
• TeamPort1_PROF
• TeamPort1_SITE
• SharePoint ポータル サイトをバックアップするには、サイト データベース、プロファイル データベース、およびサー
バー データベースをバックアップする必要があります。たとえば、次のデータベースをバックアップします。
• TeamPort1_PROF
• TeamPort1_SITE
• TeamPort1_SERV
注: プロファイル データベースをバックアップする際、サイト データベースが存在しているか、またはサイト データベース
をリストアしておく必要があります。サイト データベースとプロファイル データベースは、必ず一緒にバックアップします。
• 構成データベースをバックアップする場合、プロファイル データベース、サイト データベース、およびサーバー デー
タベースを同時にバックアップする必要があります。この 3 つのデータベースをリストアすると、SPS 2003 サーバー
またはサーバー ファームが、バックアップ時と同じ状態に戻ります (これは、構成データベースが元に戻るからで
す)。ただし、構成データベースを個別にリストアし、他のデータベースをリストアしなかった場合、問題が発生する可
能性があります。構成情報が失われた場合、SPS 2003 サーバーまたはサーバー ファームに障害が発生してデータ
が喪失するおそれがあります。SPS 2003 サーバーまたはサーバー ファームを完全にリストアするには、すべての
データベースをバックアップする際に構成データベースをバックアップ対象に含めます。たとえば、構成データベース
を完全にリストアするには、次のデータベースをバックアップする必要があります。
• TeamPort1_PROF
• TeamPort1_SITE
• TeamPort1_SERV
• SPS01_Config_db
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• これらのコンポーネントが互いに別々のサーバー上に存在する場合、それぞれのコンポーネントに対するバックアップ
セットが生成されます。リストア処理のベスト プラクティスは、1 つのジョブの中ですべてのバックアップ セットを選択
し、リストア時、すべてのデータベースのリストアが完了した後にデータベースを利用可能状態に戻すことです。リス
トアが完了したデータベースから順に利用可能状態に戻すのではありません。リストアが完了したデータベースを自
動的に利用可能状態に戻さないようにリストア処理を構成する手順については、Backup Exec の管理者ガイドを参
照してください。
重要: リストア ジョブは慎重に実行してください。個別のデータベースをリストアする方法が便利なのは、バックアップ後
にサーバー ファームの構成 (例: サーバー名) が変更された場合だけです。構成データベースには、すべてのトポロジ
情報が格納されています。構成データベースと変更されたトポロジ情報をリストアしても、もう有効にはなりません。この
場合、構成データベースを新規に作成してトポロジ情報を再生成することを推奨します。
シングル サインオン サービス データベース
SPS ファームでシングル サインオン サービスを使用している場合、データベースと暗号キー管理情報をバックアップす
る必要があります。SPS エージェントを使用することにより、データベースを自動的にバックアップできます。暗号キー
管理情報は、SPS エージェントによって自動バックアップされます。シングル サインオン サービス データベースのデフォ
ルトの名前は SSO です。
SPS 2001 エージェント
Backup Exec 10 の SPS エージェントを利用すれば、SPS 2003 とともに SPS 2001 のインスタンスも保護できるの
で、古い SPS 2001 エージェントは必要ありません。
10
バックアップデータからのリストア
データベースサーバー
SQL データベースサーバー コンポーネントをリストアする方法は 2 つあります。一つは、データベースを別の SQL
サーバーにリダイレクトする方法です。これについては、「リダイレクト型リストアの実行」の項を参照してください。もう一
つは、バックアップ元サーバーにリストアする方法です。これについては、「同じデータベース サーバーへのリストア」の
項を参照してください。
リダイレクト型リストアの実行
同じサーバーへのリダイレクト型リストアを実行する場合、データベース名を変更する必要があります (一度に複数のデータ
ベース名を変更することはできません)。データベース名を変更したら、データがリストアされます。なお、サーバーを接
続し直す必要があります。
サーバーの役割によっては、データのリストアが実行されたことをサーバーに検出させ、サーバーのローカル キャッシュ
を最新の状態にする必要があります。サーバー ファームに個別のサーバーを追加する手順については、Backup Exec
10 の管理者ガイドを参照してください。
同じデータベースサーバーへのリストア
サーバーとサイトを定期的にバックアップしていれば、障害発生時にサーバーとサイトを元の状態に戻すことができま
す。データベース バックアップデータを使用してサーバーまたはサーバー ファームを復旧するには、次項で説明する手
順を実行します。
ディザスタ リカバリ
この項で説明する復旧シナリオでは、破損した MSDE データベースまたは SQL Server 2000 データベースの復旧、1
台のハード ディスク ドライブまたはサーバーの復旧または交換、および、サイトに大規模障害が発生した後の複数の
サーバーの復旧について説明します。データベースまたは 1 台のサーバーを復旧するだけなら簡単ですが、サイト全
体の障害を復旧するには複雑な手順を実行する必要があります。
リストア シナリオ 1
サーバーが 1 台で MSDE データベースを使用している構成
1. サーバーの IDR を実行します (重要なボリューム/リソースをリストアして再起動します)。
2. SQL インスタンスに対する残りの SQL データベースをリストアします。
3. SPS の StandAlone というレジストリ値を変更します (変更するには、SPS の管理ページで構成データベース
から切断する必要があります)。
1. レジストリ エディタを開き、「HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\SharePoint Portal
Server」に移動します。
2. 「StandAlone」というキーを探し、その値を 1 から 0 に変更します。
4. SPS の管理ページで構成データベースから切断します。
注: この時点で、StandAlone キーの値を 1 に戻すことができます。
5. SQL Enterprise Manager を使用して、破損している可能性のあるデータベースをすべて削除します。
注: MSDE には SQL Enterprise Manager が付属していないので、SQL Enterprise Manaer をインストールす
るか、またはコマンド ラインを使用してデータベースを削除する必要があります。
6. インデックス/検索 GUID フォルダを削除します (通常、構成データベースから切断すると、SPS によってコンテ
ンツが削除されます)。
7. WSS で仮想サーバーの範囲を縮小します (仮想サーバーから SharePoint を削除します)。
8. 構成データベースを同じ名前で同じ場所に再作成します。
9. トポロジを元と同じように構成します。
11
10. コンテンツ データベースサーバーとコンポーネント設定データベースサーバーが互いに異なるインスタンスにな
るように設定します。
11. ポータル データベースをすべて選択し、リストアします。
12. シングル サインオン サーバー データベースが存在する場合、選択してリストアします。
13. 文書ライブラリ ストアが存在する場合、選択してリストアします。
リストア シナリオ 2
サーバーが 1 台で SQL Server 2000 データベースを使用している構成
1. サーバーの IDR を実行します (重要なボリューム/リソースをリストアして再起動します)。
2. SQL インスタンスに対する残りの SQL データベースをリストアします。
3. SPS の管理ページで、構成データベースから切断します。
4. SQL Enterprise Manager を使用して、破損している可能性のあるデータベースをすべて削除します。
5. インデックス/検索 GUID フォルダを削除します (通常、構成データベースから切断すると、SPS によってコンテ
ンツが削除されます)。
6. WSS で仮想サーバーの範囲を縮小します (仮想サーバーから SharePoint を削除します)。
7. 構成データベースを同じ名前で同じ場所に再作成します。
8. トポロジを元と同じように構成します。
9. コンテンツ データベースサーバーとコンポーネント設定データベースサーバーが互いに異なるインスタンスにな
るように設定します。
10. ポータル データベースをすべて選択し、リストアします。
11. シングル サインオン サーバー データベースが存在する場合、選択してリストアします。
12. 文書ライブラリ ストアが存在する場合、選択してリストアします。
リストア シナリオ 3
小規模/中規模/大規模SPS サーバー ファーム内の個々のサーバー
検索サーバー (大規模ファーム)
1. サーバーの IDR を実行します (重要なボリューム/リソースをリストアして再起動します)。
2. この場合、検索サーバーから SPS 固有のデータはバックアップされていないので、必要な作業は、ポータル
サーバー検索サービスを再開することだけです。
インデックス サーバー/ジョブ サーバー (中規模/大規模ファーム)
1. サーバーの IDR を実行します (重要なボリューム/リソースをリストアして再起動します)。
2. インデックス GUID フォルダを削除します (この作業が必要かどうかは、構成によって異なります)。
3. このインデックス サーバーに関連付けられているインデックス データベースをすべて選択し、リストアします。
Web サーバー (中規模/大規模ファーム)
1. サーバーの IDR を実行します (重要なボリューム/リソースをリストアして再起動します)。
2. この場合、Web サーバーから SPS 固有のデータはバックアップされていないので、これ以上の作業は不要で
す。
文書ライブラリ サーバー (小規模/中規模/大規模ファーム)
1. サーバーの IDR を実行します (重要なボリューム/リソースをリストアして再起動します)。
2. ファームに対する文書ライブラリ ストアを選択してリストアします。
SQL サーバー (小規模/中規模/大規模ファーム)
1. サーバーの IDR を実行します (重要なボリューム/リソースをリストアして再起動します)。
2. SQL インスタンスに対する残りの SQL データベースをリストアします。
3. SPS の管理ページで、Web サーバー、インデックス サーバー、および検索サーバーの構成データベースから
切断します。
4. SQL Enterprise Manager を使用して、破損している可能性のあるデータベースをすべて削除します。
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インデックス サーバーおよび検索サーバーから GUID フォルダを削除します (通常、構成データベースから切
断すると、SPS によってコンテンツが削除されます)。
WSS で仮想サーバーの範囲を縮小します (仮想サーバーから SharePoint を削除します)。
いずれかのサーバーで、構成データベースを同じ名前で同じ場所に再作成します。
コンテンツ データベース サーバーとコンポーネント設定データベース サーバーが互いに異なるインスタンスに
なるように設定します。
残りの Web サーバー、インデックス サーバー、および検索サーバーから、再作成した構成データベースに接続
します。
トポロジを元と同じように構成します。
ポータル データベースとチーム データベースをすべて選択してリストアします (インデックス データベースは除
く)。このとき、すべてのポータル データベースとチーム データベースが正しい場所にリストアされたとしても、
「Microsoft SharePoint Portal ファームへリストアしたデータベースを接続中に、エラーが発生しました。ポータルは
リストアされませんでした。」というエラーが表示され、リストア処理が失敗します。
構成データベースを選択してリストアします。
注: 必要があれば、Web サーバー、インデックス サーバー、および検索サーバーから再接続します。
すべての仮想サーバーを拡張し、Web サーバー上の既存サイトに対応付けます。
すべてのセットに対するインデックス データベースを選択してリストアします。このとき、「SharePoint Portal の
サーバー ファームのトポロジをロックできません。」というエラーが表示され、リストア処理が失敗します。両方の
インデックス サーバーで、インデックス データベースごとにエラーが発生する場合もあれば、一方のインデックス
サーバーでのみ、インデックス データベースごとにエラーが発生することもあります。
インデックス/データベース リストア ジョブを再実行します。今度は成功します。
シングル サインオン サービス データベースが存在する場合は、選択してリストアします。
シングル サインオン サービス データベース
SPS ファームでシングル サインオン サービスを使用している場合、データベースと暗号キー管理情報をリストアする必
要があります。SPS エージェントを使用することにより、データベースと暗号キーをリストアできます。シングル サインオン
サービス データベースのデフォルトの名前は SSO です。この名前は、シングル サインオン サービスのセットアップ時
に変更できます。
まとめ
Backup Exec 10 for Windows Servers は、Microsoft Office SharePoint Portal Server (SPS) 2003 のデータ保護の
点で、業界最高レベルの製品です。SPS 2003 エージェントは、SPS 2003 構成と SPS 2001 構成をサポートしていま
す。このエージェントを利用することにより、個々のサーバーをリストアすることも、SPS ファーム全体をリストアすること
もできます。また、選択した構成内の個々のコンポーネントとデータベースをリストアすることもできます。
※ ベリタスソフトウェアの詳細な製品情報につきましては、弊社
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