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水温計測ロガー選定時の検討事項

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データロガー
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水温計測ロガー選定時の検討事項
河川、湖沼、海洋に関連した研究者や資源管理者にとって水温の変化を長期間に亘り観測する必要はしば
しばあります。さんご礁白化現象の研究、工業・工場が湖沼へ与える温度負荷の評価、魚体数のモデリン
グあるいは海洋技術の開発など用途は違っても、ユーザにとって正確で信頼のおけるデータを確実に取得
せねばなりません。
近年において、ほとんどの研究者は従来人の手に頼っていたデータ収集を電子機器としての水温ロガーに
委ねています。最新の水温ロガーは小型、堅牢、低価格で操作も非常に簡単になっています。水温ロガー
は温度センサー、メモリーおよび電源バッテリーを一体内蔵した構造になっており、ユーザが指定した計
測記録間隔で何ヶ月もの間無人で運用が出来、収集したデータはメモリーにデジタル形式で蓄積されます。
またロガーは温度変動の大きな環境や急流、しけや嵐の中でも使用できるよう設計されています。
本書は水温計測についての一般的情報と水温計測データロガーを選定するときの一助となるよう作成され
ました。また使用フィールドにおける運用上のヒントも記述しました。
観測機器としてのデータロガー
最近ではほとんどの研究者は水温モニターにデータロガーを使っています。水温ロガーはマイクロプロセ
ッサー、高精度温度センサーおよびバッテリーをハウジング内に一体化した低価格な計測デバイスです。
使用が容易で長期間水中で使用できるよう完全防水構造で堅牢に設計されています。サイズは一般的には
直径がタバコサイズから500円玉位の超小型です。最新モデルのロガーでは測定範囲は、プラスティッ
クハウジング型で0℃∼50℃、ステンレスハウジング型で0℃∼125℃などがあります。ロガーはユ
ーザの指定した計測記録間隔で何ヶ月もの間連続記録ができ、記録したデータはデジタル形式でメモリー
に蓄積されます。データロガーは1日24時間、1週間7日ベースで休むことなくデータを連続記録しま
すので従来の計測方法によるさまざまな煩わしさから研究者を解放します。一般的に水温ロガーは低価格
ですので多地点で同時に水温観測が行えます。
また水温ロガーはデータの文書化を飛躍的に簡略化できます。手作業で観測時間と計測値を記録する代わ
りに、ユーザは単にロガーからデータをパソコンに回収し、後はマウスをクリックするだけで詳細グラフ
や数表を作成できチャートは書類として簡単にプリントアウトできます。またデータは必要に応じて他の
プログラムに簡単にエキスポートできます。
水温データロガーの使用
ロガーの操作手順は製造者によってさまざまですが、主な作業プロセスはほぼ同じで三段階から構成され
ます:①ロガーの使用条件設定と計測開始 ②フィールドでの設置運用 ③データの回収と分析
使用条件設定と計測開始
通常ロガーはPCに接続して(ケーブルまたはベースステーションを経由)いくつかの使用条件の設定を
行います。
・ 計測記録間隔 – これはロガーにどの程度の頻度で測定した水温データを記録させるかの設定です。こ
の記録間隔とロガーのメモリー容量によって1回の運用でロガーが連続記録できる期間が決定されま
す。
・ ロガーの計測開始時間 – これは記録を即時に開始するか記録開始を予約した日時に指定するかの設定
です。
条件設定が完了すればソフト上のスタートボタンを押すだけで計測開始の準備終了です。
運用
水温ロガーの運用にはいくつかのステップがあります。観測場所の選定、ロガーの設置、ロガー設置場所
の記録、回収などが含まれます。
・ 観測場所の選定 – これはある特定の水域を想定して説明します。岩の下など水が混ざり合う場所を選
びます。水かさが減少しても水中に留まることや漂流物の衝撃から保護できることなども考慮すべき
です。
・ ロガーの固定 – データロガー固定する方法はいろいろあります。あるユーザではセメントブロックや
レンガにナイロンコードを使って固定したり、また別のユーザは川底や海岸線に鉄筋を打ち込みその
鉄杭にロガーを結びつけたりしています。水深の深い場所では通常ロガーは係留ロープやサンドスク
リューアンカーにプラスチックケーブルタイを使って固定しています(特別な環境域に対しては別途
下記の囲い込み内ヒントを参照ください)。いずれの場合もユーザは自然によるダメージや流出、およ
び人為的ないたずらなどから必要に応じてロガーを保護することやカモフラージュすることが必要で
す。また運用中にデータを途中回収する必要がある場合にはロガーを取り外し易い方法を考慮したほ
うが良いでしょう。
・ ロガーの設置場所の記録 – 水温計測データロガーをうまく回収するには各々のロガーを設置した場所
を記録に残しておくことが大切です。これはロガーの運用を複数の人が行う場合、特に重要です。場
所の記録方法は観測場所の写真を撮ることや GPS を使って地図上にマークしておくこととノートに
場所の覚えを記述することの少なくとも2つの方法を推奨します。万一何かの事情で流出したときの
ためにロガーに 返還先 を記したラベルを付けておくのも良い方法かもしれません。
観測フィールドから:水温計測ロガー設置上のヒント
ロガーは世界中でさまざまなフィールド、条件で使用されています。以下に使用した研究者の経験から特
別な環境におけるロガーの設置方法につき考慮すべき点を記述します。
河川での設置
河川の条件は年間を通して日々ベースで変化します。ロガーは常に水中に保たれるよう十分深く設置すべ
きです。設置場所を選定する場合、支流からの流れ込み、人間活動が発生する熱影響(入口の上流、下流
での測定)、遮光(日差し強い場所では日射熱の影響を少なくするため白色ブーツの取り付けの必要性)を
考慮すべきです。岩だった河川での取り付けや回収には、岩の移動などに庭作業用具が役立ちます。
海洋および湖沼での設置
データロガーを深い場所に取り付けるときは、波浪、海流、嵐の対策が重要です。あるユーザは固い地盤
にサンドスクリューや鉄杭を打ち込み係留ラインにロガーをうまく固定しています。また、あるユーザは
ロガーをサンドスクリューや鉄杭自体にケーブルタイで固定しています。ただし、この場合は万一ケーブ
ルタイが緩んだときのために複数のケーブルタイで固定することを推奨しています。海中での使用環境で
は海洋微生物の付着を防ぐためのテープ保護や取り除くための道具があれば便利です。また荒海ではロガ
ーの一端を止めるのではなく全体を固定したほうがよいでしょう。
干潟環境では水没と空気曝露が交互に起こり、温度変動も非常に大きくなります。従って固定用資材もそ
のような環境に耐えるものでなければなりません。エポキシコーティング資材はこのような環境に適して
います。
利水域での設置
商業用やリクリエーションの目的で多くの人が利用する水域では対策が必要です。ボートや釣りなどの障
害に加えて人為的な破壊やいたずらも起こり得ます。カモフラージュが必要かもしれません、例えば岩陰
に埋めたり、ロガーをブーツで隠したり、釣り用金網エサかごに入れたりするのも一方法かもしれません。
ロガーにプロジェクト名と宛名を記したラベルを付けて研究目的であることを知らせるのも有効かもしれ
ません。
ヒント
・ ロガーの取り付け手順の事前検討:湖や山の急流での作業に影響する要因など
・ 測定の確実性の確保(嵐や洪水による紛失)と測定の質向上の観点から観測地点1箇所につ
き複数のロガーの設置を検討
・ 取り付け金具に注意:金属製クリップなどは海水での腐食で紛失の危険
・ 取り付け作業は単独よりも複数で実行したほうが効率的:特に第三者による作業のときや
草木の繁茂地帯や水底が岩場などでの作業において
取り付け・回収作業に便利な道具
・取り付け手順書: フィールドでの手順修正はメモ書き
・設置用資材: ケーブルタイ、ワイヤー、ケーブル、木杭、エポキシ塗料、ナイロンコード
・アンカー: ブロック、レンガ、潜水用重し、鉄筋、サンドスクリュー、木槌、ハンマー
・残骸除去道具: 斧、なた、熊手、くわ、ダイビングナイフ、ワイヤカッター、大はさみ
・測量フラッグ
・カメラ
・ラップトップコンピュータ
・データシャットル
・携帯型GPS
・時計
・地図、航空地図写真
・耐水性ノートブック
・ペン、鉛筆
・ボート、ゴムボート、フロート
・ゴム靴、ゴム長胴着、スキューバ、スノーケル
・個人用具: 防寒具、飲料水、日射対策具、虫除け、作業着、携帯電話、携帯ラジオ、食料
データ回収と分析
一定期間の観測が終了するとロガーの回収、データオフロードおよびデータの解析が次に必要なステップ
となります。
従来は水中での温度計測が終わるとロガーをPCの置いてある事務所まで持ち帰るかラップトップコンピ
ュータを観測現場まで持ち込みデータ回収を行っていました。この方法はPCが水濡れで故障を起こす
危険もあります。最近ではポケットサイズのデータシャットルを使用することでPC無しでデータを回収
することができ、PCの持ち運びの不便や故障の危険を防げます。
直接あるいはシャットル経由でデータをPCに回収できればソフトを使ってデータの分析ができます。一
般的にはロガーのアプリケーションソフトを使って観測期間中のグラフ化を簡単・迅速に実行できます。
ロガーの選択基準
水温計測用データロガーを評価する上での特徴、基準はいろいろあります。
第一に、厳しい環境の中で何年もの間使用に耐え得るような堅牢さとハウジングが完全密封された防水構
造となっているかが重要です。ロガーの温度範囲と使用可能水深をチェックすることと海水での使用を確
認しましょう。例えばステンレス製は海水で長期間使用すると腐食します。
次にフィールドでのデータをオフロードする方法にオプションはあるのかを確認しましょう。専用のデー
タシャトルは観測現場でのデータ回収をPCの水濡れ事故などを心配せずに実行できて便利です。光学式
データ通信方式のシャトルはロガーが濡れた状態でもオフロードができデータを安全に回収できます。
最後にデータロガーを操作するアプリケーションソフトは使用条件の設定、データの回収などの作業を簡
単・迅速に実行できなければなりません。同時に回収したデータのプロッティング性能や解析のためにデ
ータを Excel など他のプログラムに簡単にエキスポートできる能力も重要です。またそのソフトを動かす
プラットフォームを考慮する必要があります。すなわち Mac ユーザでは Mac 対応版が必要でしょう。
Windows 版と Mac 版の両方が必要になるかもしれません。
結論
水温観測の需要が年々増加している状況から、処理が速く、使い易く、低価格で、精度が高く、解析能力、
報告能力にすぐれた機器が要求されます。水温計測データロガーは研究者や水資源管理者のそのような要
求に応える機器と言えます。
オンセット コンピュータ社
オンセット社は 1981 年以来、小型、低価格、バッテリー式データロガーおよび組み込み型コントローラを
製造し、世界各国の 50,000 を超える顧客に対し 1,000,000 台以上の販売実績を持ちます。オンセット社の
製造するデータロガーおよび気象観測システムは温度、湿度、照度、電圧、その他さまざまなデータを取
得するために研究用、商業用、工業用、教育用など広範囲の用途で使用されています。
http://www.onsetcomp.com
日本輸入総販売元:パシコ貿易株式会社 http://www.pacico.co.jp
(注記)本書はオンセット コンピュータ社発行 DATA LOGGER GUIDE SERIES の”Underwater
Temperature Loggers – Considerations for Selection and Deployment”に基づいてパシコ貿易株式会社に
て翻訳したものです。
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