労働法ニュースレター

労働法ニュースレター
目
次
(2015 年 11 月 3 日発行)
アラート:解雇補償金(transitievergoeding)の金額調整と 2015 年 SER 合併に関する行動規範...2
(2015 年 10 月 12 日発行)
アラート:「老齢年金受給資格年齢に到達した労働者の雇用継続に関する法案」が通過...........3
1
アラート:解雇補償金(transitievergoeding)の金額調整と 2015 年 SER 合
併に関する行動規範
2015 年 11 月 3 日
幣事務所では、常に変わりつつ労務に関わる最新ニュースをお届けしています。このアラートでは、
いわゆる解雇補償金(transitievergoeding、以下「解雇補償金」といいます)の最高限度額の調整
と、社会経済評議会(Sociaal-Economische Raad、以下「SER」といいます)による合併に関す
る行動規範の改定についてお知らせします。
解雇補償金の最高限度額の調整
民法第 7 巻 673 条 2 項の定めによると、現在の解雇補償金の最高限度額は原則として EUR75,000
ですが、これは毎年 1 月 1 日、賃金変動率の変更に伴い変更されます。2016 年 1 月 1 日より、解雇
補償金の最高限度額は原則として EUR76,000 となります。
SER の合併に関する行動規範の改定
2015 年 10 月 1 日より、「SER による企業合併に関する行動規範の改訂版」が施行されました。
2000 年以降の社会状況の変化に対応するために、今回の改訂となりました。
合併に関する行動規範は、合併(計画)時の、従業員保護に重点を置いています。この行動規範は、
合併が計画されている段階に、労働組合に対して合併計画を知らせなければなりません。労働組合が
計画中の企業合併に十分な影響力を行使できるタイミングをもって、知らせなければなりません。
合併に関する行動規範は、原則として、①オランダに所在する企業が合併の対象となっており、且つ
当該企業において 50 人以上の従業員が勤務している場合、又は②ある企業の一部の事業が合併の対
象となっており、且つ当該事業においてオランダ国内で 50 人以上の従業員が勤務している場合にお
いて適用されます(例外あり)。
2015 年 10 月 1 日より行動規範の適用範囲が拡大されました。具体的には、政府機関、非営利団体
(介護や保育関係等)、会計士、弁護士、建築士、都市建築士、エンジニアコンサルティング等の業
種にも、行動規範が適用されるようになりました。
また、新たに調停を申し立てる権利が盛り込まれました。これまでは行動規範の遵守に関して異議が
ある場合、合併の当事者あるいは労働組合は仲裁委員会における手続きを直接始めるしかありません
でしたが、今回の改定により、新たに調停を申し立てることができるようになりました。
上記内容に関するご質問がございましたら、Japan Desk までお問い合わせ下さい。
2
アラート:「老齢年金受給資格年齢に到達した労働者の雇用継続に関する法案」が通過
発行:2015 年 10 月 12 日(月)
2016 年 1 月 1 日より、「老齢年金(以下:AOW)受給年齢到達後の労働に関する法(de Wet
werken na de AOW-gerechtigde leeftijd)」が施行されます。本法案は使用者にとって、AOW
受給年齢に到達した労働者の雇用継続を容易にすると見込まれています。下記に、本法案の重要なポ
イントをまとめました。
病中のAOW受給資格年齢到達労働者への影響
病中労働者への給料支払い継続義務の軽減
基本的に、使用者は病中の労働者に対し、104 週間の給料支払い継続義務があります。「AOW受給
年齢到達後の労働に関する法」の施行により、AOW受給年齢に到達した病中の労働者は、13 週間
のみ給料の支給を受ける権利があるとなります。さらに、本法施行後の評価を経て、給料支払い継続
義務期間は、2018 年以降さらに短縮され、6 週間になる可能性があります。よって、AOW受給年
齢到達労働者への使用者の給料支払い継続義務による負担がかなり軽減されます。
解雇禁止に関する緩和
給料支払い継続義務の軽減と平行して、病中のAOW受給年齢到達労働者に関する重要な変更があり
ます。現行法では、「病気になってから 104 週間の間は解雇できない」という規定があります。
2016 年 1 月 1 日以降、「AOW受給年齢到達後の労働に関する法」の導入により、病中のAOW受
給年齢到達者の解雇禁止期間は、病気となってから 6 週間と短縮されます。
復職プログラム義務の軽減
病中の AOW 受給年齢到達労働者への、復職プログラムに関する使用者の義務も軽減されます。
2016 年 1 月 1 日以降、別の使用者にて、病中のAOW受給年齢到達労働者に適している職があるか
を探す義務がなくなります。また、AOW 受給年齢到達労働者に関してはその復職に関するアクショ
ンプランを作成する義務もなくなります。
チェーンルール
法改正により 2015 年 7 月 1 日以降、有期雇用契約の締結は最大 3 回、そしてその期間は合計 24 ヶ
月まで可能と、変更になりました。4 回目の雇用契約締結時、あるいは、雇用契約期間が合計で 24
ヶ月以上になった(途中 6 ヶ月以下の中断期間は合算)時点で、無期雇用契約に移行します。「AO
W受給年齢到達後の労働に関する法」の法案によると、2016 年 1 月 1 日より、AOW受給年齢到達
労働者は、6 回目の有期雇用契約の締結時、あるいは雇用契約期間が 48 ヶ月以上になった時点で、
無期雇用契約に移行します。また、使用者が解雇通知を行うことにより雇用契約を解約する場合に遵
守しゅべき解約通知期間は 1 ヶ月になります。
最低労働賃金及び労働時間の調整
現時点では、「最低賃金及び最低休暇手当に関する法(de wet minimumloon en
minimumvakantietoeslag)」は、AOW受給年齢到達労働者には適用されません。本法案に伴っ
て、AOW受給資格者も、法定最低労働賃金をもらう権利が発生します。さらに 2016 年 1 月 1 日よ
り、AOW受給年齢到達労働者は、「労働時間調整法(de Wet aanpassing arbeidsduur)」の対
象外となります。
結論としては、上記に挙げた改正にともない、使用者にとって、AOW受給年齢到達労働者を雇用し
続けることが容易になり、またその費用が軽減されることになります。
この法案に関してご質問がある方、またこの法案が貴社においてどのような影響をもたらすのかをお
調べされたい方は、Japan Desk までお問い合わせ下さい。
3