UN-CEFACT IPR 問題特別チーム報告書

国連CEFACT1
知的財産権および関連問題に関する特命調査チーム
報告書
2008年3月14日
スイス、ジュネーブ
特命調査チームメンバー
Jeffrey Kovar
Bart Schermer
Co-Chairs
Philippe Baechtold
Michael Bechauf
Bill Coats
Virginia Cram-Martos
Eduardo Gutentag
Bill Luddy
Pamela Samuelson
Pat Toufar
Thomas Vinje
Members
1
United Nations Centre for Trade Facilitation and Electronic Business (UN/CEFACT
1
1. 問題の既往と概要
急速な発展を遂げつつある、現下の情報通信技術(ICT)の商業利用環境に於いて
オープン且つ共通化された標準の存在意義は、かって無い程にその必要性を増して
います。その一方で、急速に進む情報通信分野の技術革新は、こうした標準の開発
過程を複雑で手間のかかる物にしています。
情報通信技術の革新を進める人々やそれを取り巻く投資家は、標準の開発に参画す
ると同時に、彼ら自身の発明、著作、およびその商標を、国内および国際的法制度
が規定する知的財産権保護制度によって、その権利の確保を図らねばなりません。
今日、総ての標準開発組織・団体は、参加メンバーが、明確に示された知的財産権
に関する基本原則に則って協働する事で、成果物としての諸標準が、合理的な条件
で総ての(潜在的)利用者やシステム導入者に供用される事の重要性を認識してい
ます。
同時に、これら標準化開発組織への参加メンバーは、当該組織の行動規範が、
(そ
れを遵守していれば)参加メンバーが透明性と公正を保持した合理的活動を遂行し
ている事を担保するものである事を期待しています。
市場競争において競合する企業間で、常にお互いに全幅の信頼を持つ事は出来ませ
ん。しかしながら、その活動の場が、公平であり、且つその成果物が、法的係争や、
不用意に、又は意図をもって仕掛けられた知的所有権侵害問題に陥る心配が無いと
保証されるならば、例え競業企業同士であっても(標準化の)協同作業について合
意を形成する事が出来ます。公的組織やNPOから標準開発組織へ参加するメンバー
も、当該組織の支援者への説明責任上、上記の保証を必要とします。
上記に鑑み、国連CEFACTは、2006年5月の総会で、知的財産権(以下、知財権
と略す)に関する基本原則 (IPR Policy) 2定め、それに副って公開開発手順の改訂
3
(2007年5月)と行動規範の制定4(2006年5月)を行いました。
世界の殆どの標準開発組織では、知財権のライセンス供与に関する共通要件とし
て、RAND、即ち「合理的、且つ無差別:“reasonable
and non-discriminatory”」
(にライセンスを供与する)、あるいはFRAND 、即ち「公正、合理的、且つ無差
別:“fair,
reasonable and non-discriminatory”」(にライセンスを供与する)
を執っておりますが、国連CEFACTは、厳密な(知財権の)権利放棄 (waiver) 原則、
即ち、標準開発作業に参加するメンバーは全員、自己が保持する知財権の内、当該
標準の導入に必須となる知財権に関し、当該標準の将来的ユーザーに対してそれを
http://www.unece.org/cefact/cf_plenary/plenary06/trd_cf_06_11e.pdf
http://www.unece.org/cefact/cf_plenary/plenary07/trd_R650_Rev4_A1E.pdf
手順(ODP)は、しばしば“R650.”と呼ばれます。
4 http://www.unece.org/cefact/cf_plenary/plenary06/trd_r650_rev4_a2e.pdf
2
3
2
公開開発
放棄したと見なすと規定しています。
このルールでは、仮に、あるメンバーが当該知財権の放棄に不服の場合は、標準
開発作業の過程においてその旨を宣言しなければなりません。そうした宣言が為さ
れた場合は、当該知財権の利用を避けて目的とする開発を遂行する事が可能となり
ます。
こうした国際連合の基本方針の下、総ての国連CEFACT活動の成果物は、無償で
全世界の利用者に供与されます。
昨年、国連CEFACT標準に密接な関わりを持つとみなされる特定の特許が某メン
バーによって取得された、乃至は特許の申請が為された事実が判明。 それに対し
て、国連CEFACTの標準的とされる開発手順、およびその知財権に関する「基本方
針」の施行に照らしていくつかの疑問が提起されました。
その中でも特記されるべきものは、
9
その特許を侵犯する事無くしてその標準の導入を不可能にする様な内容の特
許を、開発参加メンバーが(国連CEFACTの基本原則 (IPR Policy)上)取得す
る事が出来るのかという点、
9
開発に参加している他のメンバーが寄与・貢献した情報を含む内容の特許を取
得する事が出来るのか
9
国連CEFACTのリーダー達と事務局は、タイムリーに疑義を払拭し、自分たち、
あるいは国連CEFACTの組織自体が、不適切な外部からの干渉を受けていると
か、組織内部でお手盛りをしていると見なされる事を防ぐ為に、追加的措置を
講じるべきか
という問題でした。
これに応える為、国連CEFACTビューロー(理事会に相当)は、知財権問題調査
特別チーム(以下「特別チーム」と略す)を編成し、上記疑問などの調査行い、報
告行うことを求めました。
当該チームのメンバーは、国連CEFACTに参加している民間、および政府関係の
メンバー、著名な学識経験者、国連本部および国連CEFACT以外の標準開発組織か
らの代表者で構成された。
特別チームは、その発足に当たって、その「基本方針」を下記の通り明示しまし
た:
9
調査は、一般的な視野から行う。
9
即ち、全参加メンバーおよび全標準開発組織に関わる問題を絞り込み、特定の
個人、企業・組織、あるいは特許権に関する疑義の究明を行うものではない事。
3
特別チームは、2007年9月にストックホルムで開催された国連CEFACT会期中の
知財権セミナーを開催し、その活動を開始した。当該セミナーにおいては、多数の
質問が口頭や書面で寄せられ、活発な質疑が交わされました。
本報告書は、特別チームによって行われた分析、調査の結論、および勧告を報告
するものである5。又、付属文書には、特定の当該問題に関する質問への回答を記
しました。
2. 特別チームによる結論と勧告
特別チームは、国連CEFACTの知的財産権に関する基本原則 (IPR Policy) (以下、
「基本原則」と略す」は適切、かつ効果的であり、標準開発組織に求められる防御
を満足させており、且つ国連CEFACTとしての組織要件にそったものであると考え
ます。
2.1.
特別チームは、下記を国連 CEFACT に対して勧告します:
¾
行動規範を全参加メンバーに適用し、且つ国連CEFACTの重要活動分野、特に
ワーキンググループ議長、およびその他指導的立場の人々の責任・義務に関し
て、その行動規範を重点的に徹底する事。
¾
基本原則が制定される以前に公開・発行された標準等については、洗い直しを
行い、必要ならば改訂し再発行を行い、基本原則の徹底を図る事。
¾
基本原則と行動規範を国連CEFACTフォーラム開催の都度、周知徹底する事。
¾
基本原則を敷衍させる為の追加的なガイドラインの公布を検討する事。
¾
公開開発手順を改訂し、どの開発段階で、当該開発に関わる知財権の公表、お
よび当該知財権の放棄を基本原則に則って行うのかを明確化する事。
¾
常任知財権特命チームを設け、知財権に関する継続的な質問・疑問の検討が出
来る様にすると共に、招聘した専門家と国連CEFACT参加メンバーとの間、そ
うした問題についての討議の場を設営する事。
¾
国連CEFACTビューロー(理事会)用に、知財権に関する照会や疑義の審議を
タイムリーに処理する為のガイドラインを整備する事。
¾
参加メンバー間の知財権に関する法的争いの解決手段についての情報提供を
行う事を検討する事。
5
本報告書中の見解は、総て特別チームの独自ものであり、国連、あるいは国連加盟国、国連
CEFACT 参加メンバーの個々人、および組織の見解を示すものではない。
4
3. 背景説明:標準開発に係わる込み入った法律論的諸問題
国連CEFACTの標準開発作業で起きた知財権とその管理問題を正しく理解する
には、その背景にある複雑で曖昧さを払拭出来ない法体系というものの存在を理解
しなければなりません。
国連CEFACT、並びにその他の標準開発組織による標準の制定は国際的な場で行
われます。しかしながら、殆どの知財権は各国の法制度、司法、および行政でそれ
ぞれ個別に規定され管理されています。
更に加えて問題は、種々の知財権の中で、特に特許権はそれが顕著ですが、知的
財産権に関する国内法をどの様にコンピュータビジネスの標準に適用するかに関
しては、国毎にその差異が大きいという点が問題を複雑にしています。
第一点として、国連CEFACTの標準仕様として開発された電子商取引のビジネス
プロセスは、一般的に(アメリカ合衆国をその顕著な例外として)特許として認め
られません。しかしながら、それら標準仕様を使って作られた適用物(ソフト)に
ついては特許が認められる場合があります。尚、合衆国では、ビジネスプロセスそ
れ自体が特許取得が可能であるという事実も銘記されねばなりません。
ビジネスプロセス自体を特許として認めるべきか否かの論議が諸国で戦わされ
ている中で、こうしたビジネスプロセスの技術革新を志す個人や企業は、それぞれ
が事業を営む国や地域の法体系を熟知した上で、標準化開発組織に参画しなければ
なりません。
第二点は、特許制度によって発明の保護を受ける目的で、特許申請を行うための
基準が国によって大きく異なるという点です。
多くの国の特許制度においては、先願主義が採用されており、且つ、特許申請は
実際の発明者に限定されていません。しかし、上述の通り、ビジネスプロセス特許
の申請が普及し、特許管理当局が定常的にそれらビジネスプロセス特許を認定して
いる合衆国においては、発明者自身の特許申請が義務付けられています。
従って、米国では、標準開発組織の参加メンバーが、仲間の発明を特許として申
請したり、当該組織の外部の人間が、当該組織に代わって発明を特許として申請し
たりすることは出来ません。それに反して、自分の発明では無い事を知りつつ特許
申請行う行為は詐欺罪を構成します6。その様な不実の特許申請書類を幇助した弁
護士は罰せられます。合衆国以外でも、他人の発明を特許申請する事を規制してい
る国がかなり存在します。
6
アメリカ合衆国法律第1001号 第18条
5
最後になりますが、ある特許申請が新規の発明であるか否かの判定を行う事が出
来るのはそれぞれの国の特許管理当局か、法廷のみであり、国連CEFACTは、法的
にも、技術論的にも(関係する)ある特許申請が新規の発明であるか否かの判定を
行う事が出来る組織ではあり得ません。
現実問題として、国連CEFACTの知財権の基本原則における権利放棄方式は、国
連CEFACT自体が、知財権に関わる法的係争に巻き込まれる事無く、国連CEFACT
の標準を世界各国で自由に使える様にするために編み出されたものです。
4. 国連 CEFACT の知財権に関する基本原則
当該原則はどの様に機能するのか?
国連CEFACTの知財権に関する基本原則の遵守は、全参加メンバーの義務です
参加するメンバーは、当該活動へ参加する前には必ず、個々人毎に、書面(電子的媒体
を含む)によって、基本原則に従う事を誓約しなければなりません。
この基本原則は、それらメンバーの派遣元である企業、国家、およびそれ以外の組織
体にも適用されます。
国連CEFACTに招聘された専門家もその参加にあたっては、事前に基本原則に従う
事を承諾する事を求められます。
この「基本原則」は、国連CEFACTフォーラムの常設グループに参加するメンバー
が保有するありとあらゆる“必須知財権”に関し、当該常設グループが開発した標準仕
様を実際に導入しようとした時にそれら知財権に対する権利侵害を必然的に引き起こ
す場合に適用されます。又、その適用は、当該開発の開発期間中、あるいは成果物の導
入過程において、当該知財権が認知されていたか否に係わらず行われます。上述の適用
原則は、国連CEFACTが行う標準開発プロセスに関する、全技術仕様書(ドラフト版、
正式版共に)ビジネス標準、勧告ドラフト、および正式勧告を含む、あらゆる正式文書、
および当該ドラフトに適用されます7。
この承諾行為によって、国連CEFACTへの参加メンバーは、国連CEFACTが開発公
開した標準仕様を実際に利用しようとしている全世界の組織に対して、該当する“必須
知財権”を放棄する事になります。この放棄については、何時までに放棄をすべきかと
いう期限は無く、当該権利放棄は無期限です。
しかしながら、当該権利放棄によってその知財権についての所有権が喪失する事はあ
りません。従って、参加メンバーは、国連CEFACTが開発公開した標準仕様を実際に
利用しようとするケースでは無い事例において、当該知財権の侵害に対して、訴訟など
7
「基本原則」第 8 項 ECE/TRADE/CEFACT/2006/11 (2006 年 5 月 17 日制定)
6
の法的手段に訴える権利を失う事はありません。
同様にして、この権利放棄は、第三者が、当該知財権について、国連CEFACTが開
発公開した標準仕様の実利用が当該第三者が保有する知財権の侵害に当たるという主
張を行った場合に、当該知財権を法的に防御する事を妨げません。
もし、参加メンバーが、上述の権利放棄に不服な場合は、基本原則に定められた通り、
標準開発作業過程のある適切な段階で、.国連CEFACTのフォーラム管理グループ(以
下、FMGと略す)とその議長に対して、書面をもって当該知財権を公表し不服を申し
立てねばなりません。
この知財権を公表による不服申し立てが行われ、権利放棄の効力停止が行われた場合
は、.国連CEFACT総会ビューロー(理事会)は、知財権に関する顧問団 (Intellectual
Property Advisory Group:以下IPAGと略す)を招集し、当該標準仕様の開発が、問題
となる「必須知財権」に抵触する事を避けられるかを審議、判定する事を求めます。
IPAGは下記の結論の何れかを出します:
¾
当該標準仕様の開発は問題となる知財権に抵触しない。
¾
FMGは、当該標準仕様の設計変更により当該知財権への抵触を回避する対策を
講じる。
¾
FMGは、当該標準仕様の開発を打ち切る。
¾
FMGは、当該標準仕様を廃止する。
¾
上記以外の適切な解決策の提示。
上記による解決策の合議に当たっては、「国際連合(傘下の諸機関を含む)は、その
活動の成果物を無償で一般に供用することが出来る」という要件に対する配慮が求めら
れます。
上述の問題解決プロセスについては、下記の2つの特色に着目する事が有益です:
9
ある参加メンバーが「必須知財権」の特許を所持しているか、あるいはそれを取
得する意志があり、且つ当該知財権が、国連CEFACT標準仕様に利用される場合
には当該知財権を放棄する意志を持つ場合は、.国連CEFACTに対して、当該特
許を取得している旨や、取得の意図を持っている事を告知する必要は無いという
点。この場合、国連CEFACT標準仕様を実際に利用する者は、知財権に係わる法
的紛争からは逃れる事が出来ます。なぜならば、「基本方針」が定める知財権の
権利放棄は、自動的に国連CEFACT標準仕様に内包される知財権を、標準仕様の
利用者が自由に使用する事を許諾することになるからです。
9
ある.国連CEFACT参加メンバーが配布した、当人が「必須知財権」を保持して
いるという情報自体は、それのみでは.国連CEFACTが制定した「基本方針」に
定める(知財権の)公開とは認定されません。参加メンバーは必ず、「基本方針」
が定めた通りに、指定された人々に対して詳細情報を提示しなければなりません。
7
「基本方針」は充分妥当なものか?
Is it Adequate?
.国連CEFACTが定めた、(知財権の)権利放棄をベースとする「基本方針」は、世界の
殆どの標準開発組織が執っているところの、使用権のライセンス供与を義務付ける方式
とは異なります。しかし、国連CEFACTの「基本方針」は、当該組織とその参加メンバ
ーのニーズにきちんと合うように出来ております。
その理由の第一は、国連CEFACTはその参加企業・メンバーが、国連CEFACTの標準
仕様に関わる、知財権のライセンス供与義務を正しく履行しているかを監督する要員を
持たず、またそのスキルも無いこと。
第二に、国連CEFACT以外の標準化組織が執るライセンス供与をベースとする知財権
についての基本規定では、合理的な範囲ではライセンスの有償供与を認めている事が多
いという事。ところが、国連CEFACTの標準仕様は無償供与が原則です。国際連合の一
組織として、国連が定めた厳格な基本ポリシーに従い、国連CEFACTの標準仕様は、全
世界のユーザーに対して、無償で供用しなければなりません。この大原則に例外はあり
ません。
更に言うと、国連CEFACTの「基本方針」は、その運用が簡単であり、また結果が明
確である点において、他の標準開発組織の知財権ポリシーに勝っています。この有利性
は下記の様なケースで明らかになります:
例として、未公開の知財権に関するクレーム、商標、或いは創作が、参加メンバー、あ
るいはその所属企業に帰属する事が、明らかになった場合、国連CEFACTの「基本方針」
の下では、当該知財権の適用対象となるライセンスを探しだしたり、ライセンス条件を
調査したり、当該知財権が当該国の法規に照らして合法であるかを調べ、最終的には当
該標準仕様の実際の利用が、知財権を侵害しているか否かについての法的決着を付ける
必要はありません。なぜならば、「基本方針」が規定する権利放棄によって、当該標準
仕様の実際の利用を無償で行うことを妨げる事は出来ないからです。
しかしながら、国連CEFACTの「基本方針」の適用範囲は、他の標準化組織のそれよ
りも狭く、標準技術仕様に必須な知財権に摘要されるに止まります。「必須」とされな
い知財権に対してもこの基本方針を適用する事が望ましいとしても、それら必須ではな
い知財権の範囲を定義する事は難しいが故に、そうした摘要範囲の拡大は出来ないと考
えられます。
何をもって「必須」であるかを判定することについては、ICT技術の専門家と法律の
専門家による詳細な分析に基づく、法理論的な結論が求められます。
特定の標準技術仕様の利用に関しては、「基本方針」の適用範囲に関わる疑問が出る
余地があります。例えば、ある標準技術仕様の特定の利用方法、あるいは応用が特許権
侵害で訴えられる場合などです。
8
いずれにせよ、ある標準技術仕様の特定の利用方法、あるいは応用が欲せられるか否
かにかかわらず、当該知財権を使わないでも、国連CEFACTのある標準技術仕様を実際
に利用出来る場合には、(それは必須では無いとの解釈によって)「基本方針」の規定
する権利放棄は当該知財権には適用されません。こうした事例は、標準開発というもの
の本質的から来るものであり、国連CEFACTのみならず、他の標準化組織においても起
きる事です。
一方において、標準仕様の利用者は、当該標準仕様の開発メンバーから特許侵害で訴
えられる事を免れる事を強く求めます。
片や、標準仕様の開発というものは、商用ソフトを含む新規の応用技術の基礎技術を
確立する事が目的です。故に、ソフトウェア企業や、その他の発明者は、標準に基づき、
技術革新を推し進める途を追求し、同時に、国々で異なる適用法に照らし合わせつつ、
彼らの知的財産権の保全を図ります。
こうした現実のせめぎ合いの中、参加メンバーあるいはその所属組織が帰属する国家
の知財権に関わる法制度で認められるのであれば、国連CEFACTの「基本方針」は、参
加メンバーが (標準技術仕様に)「必須な知財権」や、そうではない知財権に関する
特許を、当該開発の過程、あるいはその完成後を問わず、取得する事を妨げません。
標準技術仕様に関する知財権については、その開発に貢献した者、および標準技術仕
様とその実用の間のギャップを橋渡しする様な革新技術や、新たな応用技術を開発した
者がその権利保全を主張する事は当然と言えます。
技術革新の競争原理と、それに起因する商売上の優位性、および特許申請者の要件を
定める各国の法制度の相違はある種の緊張を生みますが、特に、ある参加メンバーが特
許の取得において、有利なポジションにある時はその緊張が強まります。
9
国連CEFACTが本問題を見極めるにあたっては、知財権に関わる「基本方針」が合理的
に適用出来る領域外の問題、即ち、行動規範についても考察する事が必要である。
行動規範
CODE OF CONDUCT
行動規範の適用範囲とその施行
Scope and Application
国連CEFACTの行動規範は、特命調査チームの聴取時に提起された下記の懸念
解消する。具体的には、本件においては、下記の様な声がビューロー(理事会)に寄
せられた:
「国連CEFACTの経営管理に関する中立性、統一性、および客観性を含む、高いレ
ベルの正当性遵守(を求める)」
「国連CEFACTの会議および、組織内コミュニケーションに於ける、個々の企業、
組織、あるいは提携先の営業支援を避ける(べきである)」
「関係参加組織が、自由に情報や通信記録にアクセス出来る権利を尊重(すべきで
ある)」
「合法的な知財権を尊重し、他の参加メンバーの著作などや、他組織からの貢献を
盗用する事を抑止(すべきである)」
「広く一般に受け入れられている礼儀・礼節のしきたりの中で、(組織内)コミュ
ニケーションを営む(べきである)」
ビューロ(理事会)メンバーとしての職責に対して、個人的、職能的、あるいは経
済的・金銭的利害関係の相克の有無を告知する事を参加メンバーは求められ、且つ、
当該利害関係が告知された案件に関する議事については、退席する事を要求されます。
しかしながら、現状では、行動規範は全参加メンバーには施行されておらず、更に
言えば、役職者(常設グループ議長は含まれない)に対して施行されておりません。
行動規範は、国連CEFACTの正副議長、FMGの正副議長、および欧州経済委員会事
務局の代表で構成されるビューロ(理事会)の手続規約の一部としての位置付けです。
行動規範は、ビューロメンバーに対して、「国連CEFACTフォーラム参加メンバー
に対して、当該行動規範を守る事を推奨する」事を要求しているものの、直接的には
行動規範を国連CEFACTフォーラム参加メンバーに適用する事を規定してはおりま
せん。
これに鑑み、特命調査チームは、国連CEFACTが可及的速やかに、行動規範を全参
加メンバーに適用する為の措置を執る事を勧告します。この措置は、全参加メンバー
の国連CEFACTに対する信頼を維持する為に必須と考えます。知財権についての「基
本方針」のみでは、そうした信頼を醸成する事が充分に出来るとは考えられません。
10
善良なる実践にむけての活動レベルの向上
Strengthening Good Practices
特命調査チームは、ビューロは、組織内に於ける信頼関係を増進する為に、行動
規範の内容を強化する方策の検討に入る事を勧告します。具体例を挙げると、特命
調査チームがその聴取で、懸念を抱いた、ある参加メンバーの発言では、ある参加
者は、その地位を利して、ある標準開発を、既に知財権の確保が出来ている特定の
適用技術の価値を高める方向に誘導する事が出来ている。従って、行動規範は、標
準仕様の開発メンバー、少なくとも役職者は、彼らが知っている必須の知財権を他
のメンバーに知らせる事を規定するべきであるとの事でした。
「基本方針」によって、その規定に従い権利放棄が為されれば、開発された標準
仕様の自由な実使用が妨げられる事はありませんが、参加メンバー間における相互
信頼を増進する方策としては、透明性の拡大が望ましいと考えられます。
行動規範を遵守しない事に対する結果責任についても明確に規定する事を勧
告します。行動規範に対する背反について、法的措置を講じる事は有り得ませんが、
繰り返されるとか、重大な違反については、国連CEFACTにおける責任的地位を辞
任する事を要請するとか、各国の代表団に対して当該メンバーを参加メンバーから
外す事を正式に要請するなどの措置が執れる様にする事を勧告します。
特命調査チームは、ビューロに対して、国連CEFACTのリーダー、あるいは一般
参加メンバーが、行動規範に違反した事に対する訴えを、公平で、時期を逸する事
無く、透明な方法で対処するための特別指針を作成する事を勧告します。
また、ビューロが、知財権に関係する問題を継続的に考査すると共に、外部の
専門家と常設組織メンバーとの討議の場を必要に応じて設営する目的で、常設の知
財権管理特命チームという様な、常任の組織を設立する事を勧告します。当該常設
組織は、ビューロに対して報告を行い、それに基づき、ビューロは、参加メンバー
間で起きる得る法的紛争を解決する手段として、必要があれば任意調停あるいは仲
裁を行う可能性に関する情報を参加メンバーに提供する検討を行う事を検討して
も良いのではと特命調査チームは考えます。
本件の検討に当たっては、世界知的所有権機関8 (WIPO)の調停・仲裁センター9を
含む知財権に関する公式機関が手本となります。WIPOのセンターでは、調停、仲
8
特許・商標などの工業所有権の保護に関するパリ条約、及び文学・美術作品の保護に関する
ベルヌ条約の事務局を前身とし、1970 年に発効した条約により設立された。1974 年に国連第
14 番目の専門機関となった。 加盟国は 183 カ国(2006 年 7 月現在)
9 WIPO 調停・仲裁センターで取り扱った調停・仲裁件数の最新情報と、処理事例は、下記の
Web で参照出来ます: http://www.wipo.int/amc/en/center/caseload.html
11
裁、および専門家による裁定事例を解説しています10。
ある参加メンバーは、国連CEFACT参加メンバーである特定の企業、組織で働く
職員が複数の常設グループの議長となり当該企業や組織が、不当な影響力を行使し
ている事に対する懸念を表明した。
国連CEFACTは、その規定を改定し、同組織の重要な7つの職位、即ち、総会議
長、FMG議長、および5つの常設グループの議長については、一つの企業、組織か
らは同時には一人の議長のみしか選出出来ない様にする事を勧告する。
知財権についての「基本方針」と行動規範の施行について
改善の余地はあるか?
Are There Areas for Improvement?
国連CEFACTの「基本方針」が制定された2006年5月依然に開発・公開された国
連CEFACTの標準技術仕様は、「基本方針」の対象から外れている。これら「基本
方針」前の標準技術仕様についても、当該標準を実用に供しようとしているユーザ
ーに対して知財権侵害のクレームが参加メンバーから提起されない様にする為、国
連CEFACTは「基本方針」が適用されない標準技術仕様を特定し、更には、その中
で最も重要なものは、適用対象となる措置を執るべきである。そのためには、当該
標準を再発行する手続きを執る必要がある。この見直しにおいては、FMGは、ある
標準技術仕様が、一般の標準技術仕様を実装する手段として、最も実用性を持ち、
且つ広い範囲で使われるものとして仕様の機能拡張が行われているか否かの検証
を行うべきである。国連CEFACTは、法規ワーキンググループを必要に応じて招集
し、特命調査チームとビューロが行う、上記の見直しを支援させるべきです。
特命調査チームは、その調査を通じて、また2007年9月のストックホルムフォー
ラムにおける公開セミナーにおける討議への参加によって、「基本方針」に署名し
た国連CEFACT参加メンバーの中には、その「基本方針」を良く理解していなかっ
たり、それが実際にどう機能するかを理解していない者がいる事に気がつきました。
従って、国連CEFACTフォーラムにおいては、毎回、リーダーと一般参加者を対
象に、知財権についての追加的な情報提供と、説明会や勉強会を開催する事が有益
WIPO の仲裁および簡易仲裁ルールは下記の Web で参照出来ます:
http://www.wipo.int/amc/en/arbitration/rules/ 又、WIPO の調停ルールは下記の Web で
参照出来ます:http://www.wipo.int/amc/en/mediation/rules/
WIPO の新専門家裁定ルールは下記の Web で参照出来ます:
http://www.wipo.int/amc/en/expertdetermination/rules/index.html.
専門家裁定は、ある技術が、ある標準の一部であるか否かを巡る紛争の解決には特に適切
と考えられます。
10
12
と考えます。
「基本方針」の制定が、公開開発手順 (ODP)の制定の後に行われた為、ODPには、
「基本方針」に関する特段の参照が有りません。特に、(標準技術仕様の開発の)
必須知財権に関する告知を行うべき開発工程中の節目が、ODPが規定するどのステ
ップ中にあるかが示されていない点は問題です。従って、国連CEFACTはODPを改
訂し、どの節目までにどの様にして「基本方針」に規定された必須知財権に関する
告知を行うべきかを明確化し、併せて「基本方針」に規定するそれ以外の手続き上
の特定ポイントを明示すべきです。
次に求められるステップ
特命調査チームは、ビューロに対して下記の事項を、特命調査チームと法規グループと
協調しつつ可及的速やかに実施する事を勧告します:
*
行動規範の適用対象を国連CEFACTの全参加メンバーに拡大し、それと同時に、「基
本方針」のみでは適切な組織的透明性を確保できない領域に対して行動規範による規定
を拡大する事に的を絞り、善良なる実践にむけての活動レベル向上と組織の透明性を改
善する為の方策を検討する事。
*国連CEFACTの規約と善良なる実践にむけての活動の下での、一般参加メンバーとリ
ーダーの行動に対する嫌疑に対して、タイムリー、且つ効果的に対処する為に必要な国
連CEFACTの組織管理能力の向上を実現する方策を吟味する事。
*
特命調査チームの諸勧告について、それらが実際の改善に結実するように如何に実
行するかを熟慮する事。
13
付属文書
ANNEX
特命調査チームへの質問状に対する回答
I. IP LAW
1. What is the relationship between a person named on a patent and the
person’s employer with respect to patent ownership? Who owns the
patent? How is this determined? Does ownership imply that an
individual invented every aspect of the patent?
Answers to these questions should be sought in the patent law of the
country in which the patent application was filed. In many cases, while
the named individual is the owner of the patent, where that individual
has developed the patent as part of his employment, it is typically
assigned to that employer under an employment agreement.
Ownership of a patent provides protection to those aspects of it that
are explicitly included in the “claims” stated in the final grant of the
patent. How far those “claims” reach, in terms of covering similar
implementation of processes or inventions, is a matter that depends to a
large extent on national law. These legal determinations are ones that
experts make based on knowledge of the law and relevant factors.
2. Would it be possible for a UN/CEFACT participant to take information
from UN/CEFACT work and use it as the basis of a patent application?
Yes, but this does not mean the patent is valid. Resolving disputes
over who the actual inventor is and whether the patent is valid would
be handled differently under different legal systems. See pages 5-6.
3. What is the significance of a copyright statement? What does it mean?
A copyright statement serves to alert the reader to the fact that the
originator of the work considers it to be copyrighted. The actual
existence and scope of that copyright, however, will depend on national
and international law. The right itself is not affected by the presence or
absence
of the statement.
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4. Does the IPR Policy or Open Development Process prohibit a participant
from submitting a contribution with the name of his or her company or
organization on the page?
No. Acceptance of the contribution in no way means that the
UN/CEFACT Standard would have to continue to show the origin of the
contribution. Nor does the participant’s name or a copyright statement
on the submission constitute disclosure of IPR as defined in the IPR
Policy. The requirements for a valid disclosure are set out in section 4
of the Policy.
5. Does the IPR policy protect anyone from a lawsuit? Does it protect
anyone from losing a lawsuit?
The IPR Policy does not protect anyone from a lawsuit or guarantee
the outcome of any process in national courts. However, where
application of the UN/CEFACT IPR Policy leads under its specific
terms to waiver of the right to enforce essential IPR, the waiver should
be enforceable in national courts. By increasing the predictability of
the outcome of any lawsuit, the UN/CEFACT IPR policy – like that of
other SDOs – should reduce the incentive of parties to pursue legal
action.
6. Is a participant that has waived its IPR prevented from defending itself,
including by counter-claiming, if a third party challenges the participant’s
implementation of the Specification, claiming the participant has infringed
the third party’s IPR?
No. The IPR Policy is clear that participants are free to defend their
IPR rights in such circumstances.
7. Are there any online resources for the beginner on IP law?
Yes, they are numerous. The World Intellectual Property
Organization (WIPO) provides general IP law information on its
website (http://www.wipo.int/about-ip/en/). For patents, in particular,
one can start with WIPO’s “Patentscope”
(http://www.wipo.int/patentscope/en/patents.html). A random sample
from a commercial search engine also found the following web links
and a reference book. No representation is made about the accuracy or
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reliability of information contained in these sites. As mentioned above,
the law can vary considerably from jurisdiction to jurisdiction.
http://www.cric.or.jp/cric_e/beginner/begin.html
http://www.ipo.gov.uk/whatis.htm
http://www.ige.ch/E/marke/m1.shtm
http://www.ige.ch/E/patent/p1.shtm
Nolo's Patents for Beginners, by David Pressman and Richard Stim
II. UN/CEFACT IPR POLICY
1. What if I contribute to a project and a patent is applied for on this
work by another participant?
If another participant files an application or patents your contribution
to a UN/CEFACT Specification, he must disclose that patent in a timely
fashion and remove it from the standard, or the right to assert the
patent against implementation of the Specification will be waived. Use
of that patent outside the Specification will not be subject to the waiver.
However, if you believe that you are the lawful inventor and the
application is false or the patent wrongfully obtained, you are
responsible for taking the necessary steps under relevant national law
to protect your rights in your invention or innovation.
2. How would a patent taken out by another participant affect my ability
to implement?
If that patent is subject to waiver under the IPR Policy it will have no
effect on the ability to implement the Specification. If it has been disclosed
in a timely fashion for purposes of preventing waiver, steps will be needed
to
remove it from the Specification. See page 7.
3. How will participants be guaranteed that the project work they
contribute will be publicly available free of charge?
It is a fundamental UN Policy that UN/CEFACT Specifications must
be made available by the UN free of charge.
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4. What processes are in place to prevent work items from being
undertaken primarily to advance the interests of one organization?
The UN/CEFACT management structure, the Open Development
Process, and review and approval of all work by the Member States
sitting in the UN/CEFACT Plenary session, all aim to produce
Specifications that meet the best interests of the United Nations and not
the interests of any one organization or company.
5. Does the IPR policy affect the underlying ownership of IPR contributed
during the creation of standards?
No.
6. Does the IPR policy apply retroactively to work in the Permanent
Groups?
Not at this stage. This is, however, the subject of one of the
recommendations of the Task Team. See page 12.
7. When does the IPR policy waiver apply -- is it only when the standard
is published or is it applicable prior to that?
The IPR Policy specifies certain milestones in the Open Development
Process after which the waiver would apply to draft as well as final
Specifications.
8. TBG groups are using tools, developing add-ons and developing their
own tools. Is there a risk that what they have done will be limited in use
due to any patents?
UN/CEFACT cannot prevent non-participant outside parties from
attempting to claim IPR in tools and other add-ons developed by
permanent groups. As for patents taken out by other participants, the
IPR Policy only applies to Specifications and may not cover some tools
(e.g., those that are not “formal documents and drafts that are
materially involved in the Specification development process”).
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9. Should participants be able to patent their contributions to standards
as a defensive measure against third parties not covered by the IPR policy?
Yes. In some cases this might be desirable for preventing outside
parties from preventing the free implementation of some standards.
10. Is it possible to identify what patents are essential for implementing a
standard?
Yes, but this is a highly specialized exercise. It would be necessary to
analyze the claims in the published patent in relation to the
implementation of the Specification. As an example, the Arbitration and
Mediation Centre of WIPO has a procedure called “expert
determination” that could possibly be used for this purpose.
11. How can governments ensure that their interests in trade and customs
measures will not be compromised by IPR rights derived from participation
with private parties in UN/CEFACT working groups?
Governments that are full participants in the standards development
process are treated the same as all other participants. Their right to
implement is protected by the IPR Policy and its waiver. At the same
time,
any IPR owned by governments that is contributed to the development
of
UN/CEFACT Specifications will be subject to the same benefits and
limitations as those of private individuals and companies. The
government
must weigh the benefits of participating in an SDO with all known risks,
whether they be large or small.
12. Can the waiver terms under the IPR policy be modified?
No.
13. For the purpose of allowing a Participant to engage in litigation to
defend its IPR, there is an exception to the waiver obligation (paragraph 17
of the IPR Policy). Could this clause be construed to consequently release
other Participants from their waivers in order to bring an action against that
Participant?
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No. The purpose of the waiver undertaking in the IPR policy is to
ensure that a Specification can always be implemented without cost or
licensing obligation. The exception in paragraph 17 must be narrowly
construed.
III. CODE OF CONDUCT
1. Does the Code of Conduct for the UN/CEFACT Bureau apply to all
UN/CEFACT participants?
No; not at this time. The Task Team recommends that it be strengthened
and extended to all participants, including all leadership.
2. What are the rules and process for addressing questions related to
conflict of interest?
The Code of Conduct establishes the rules but not a mechanism for
considering questions about implementation. The Task Team
recommends
that a mechanism be established to do so.
3. Do disclosure requirements in the IPR Policy and Code of Conduct
apply to all elected officials?
The disclosure requirements under the IPR Policy apply to all
participants, including elected officials. The disclosure requirements in
theCode of Conduct do not (see answer to question 1 in this section).
4. Does UN/CEFACT have any constraints on how users implement the
standards and what claims they can make about being UN/CEFACT
compliant?
No. The question of what constitutes being “UN/CEFACT
Compliant” is something currently under study.
5. Has the Code of Conduct ever been breached?
No process exists to consider and make such a determination.
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6. What is the best way to raise and address questions about specific
conflicts of interest?
The Task Team recommends that a fair, effective, and transparent
mechanism be established to consider such questions.
7. Can neutral examples be drawn up to provide guidance for application
of the IPR policy and Code of Conduct?
Yes, this could be done if participants thought it would be useful.
IV. USE OF STANDARDS
1. Can national standards organizations, intergovernmental organizations,
associations, companies, or business sectors that adopt UN/CEFACT
Specifications republish them? Can they sell them as part of other products
or packages provided to users? Can they develop implementation
guidelines?
Yes. They can republish UN/CEFACT Specifications. They can also
charge for the value they have added to their publication. This added
value may take many different forms, including translation into a
national language, implementation guidelines, explanatory material,
implementation software, additional specifications, etc. In all such
publications acknowledgement must be given to UN/CEFACT as the
source of the Specification. Attribution to UN/CEFACT as the origin of
a Specification should always be clear and unambiguous. If
participants believe that It would be useful, attribution guidelines could
be developed.
2. Is there any group in UN/CEFACT that can provide advice on
whether or not a patent is waived under the IPR Policy?
The Task Team recommends that a fair, effective, and transparent
mechanism be established under a standing IPR Task Team to consider
such questions and provide advice to Forum Groups and the Bureau.
However, it should be clearly stated that such advice could not be
considered definitive or legally binding. If legal disputes arise between
participants, they may be encouraged to seek the services of an outside
expert determination, such as that provided by WIPO’s Arbitration and
Mediation Centre. See discussion
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3. Will UN/CEFACT identify all specifications that are covered by the
current IPR policy, and suggest the re-issuance of standards that are not
covered, where that would be useful?
The Task Team has recommended that this be done. See page 12.
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