不動産市場動向 - 谷澤総合鑑定所

不動産市場動向
RealEstate Market Status
2015 Spring
1
■ 不動産天気予報 ①
◆概況
全用途ベースでの2014年12月末時点の天気は「晴れ時々くもり」、2015年上期と2015年下期は、ともに「晴れ時々くもり」となり、晴れ模様
が続く予報となった。
用途別では、オフィスが2015年以降も堅調な賃貸マーケットを反映し「晴れ時々くもり」となる予報。賃貸住宅・物流施設も2015年以降「晴
れ時々くもり」が続く予報である。商業施設は、現在は消費税の影響で短期的なマイナスだが、「晴れ時々くもり」に好転する予報となった。
◆「ティーマックス不動産天気予報」とは
J-REIT保有不動産から基準不動産(今回調査は250物件)を抽出し、各物件の現在~6ヵ月後、7ヵ月後~12ヵ月後のNOIを予測し、中長
期的に安定的と見込まれる基準NOIとの乖離を天気図に見立てて不動産市況の見通しを定性的に表現するもの。今回は2014年12月末
時点の天気と、2015年上期(2015年1月~6月)、2015年下期(2015年7月~12月)の天気予報を公表する。
(出典) ㈱ティーマックス
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2
■ 不動産天気予報 ②
<用途別概況>
◆オフィス
2014年12月末時点の天気は「晴れ時々くもり」となり、2015年上期以降も「晴れ時々くもり」の予報となった。
オフィスでは稼働率が先行指標となり賃料よりも先に反応するが、稼働率と賃料との関係はエリアによって状況が異なっている。
主要エリアでみると、大手町・丸の内・有楽町エリアにおいては、2015年に約9.5万坪の新規供給があり、2016年以降も引き続き新規供給が見込ま
れるものの、当エリアは集約移転などのニーズが高いため、需給バランスは引き続き逼迫すると予想される。
地方主要都市では、名古屋駅前では2015年に大型ビル2棟の竣工により延約10万坪の供給があることから、一時的に需給バランスが緩む可能性
がある。大阪駅周辺では空室率が改善し増床・拠点集約などの前向きな要因での移転ニーズが多く、一部では募集賃料を値上げする動きがみら
れた。
J-REITにおけるオフィス(全エリア)の実績稼働率(2014年12月末)は、97%と高稼働が続いている。エリアごとに状況は異なるものの、新規賃料の
上昇により賃料ギャップ(新規賃料と稼働賃料との乖離)は解消しつつあり、2015年以降はNOIが改善する見込みである。
◆レジデンス
2014年12月末時点の天気は「晴れ時々くもり」となり、2015年上期以降も「晴れ時々くもり」の予報となった。
国土交通省の住宅着工統計資料によると、2014年の貸家着工数は36.2万戸で増加傾向にあるものの、過去10年平均の貸家着工数38.9万戸に比
べるとまだ少なく、賃貸マーケットへの影響は限定的とみられる。Jリートにおける賃貸住宅(全エリア)の稼働率をみても、96%と高稼働を維持して
おり、継続賃料も安定している。今後もこうした傾向が続き、NOIは安定的に推移する見通しである。
◆商業施設
2014年12月末時点の天気は「くもり」となったが、2015年上期以降は「晴れ時々くもり」の予報となった。
経済産業省の商業販売統計によると、2014年の百貨店売上高は6.8兆円(前年比+1.6%)、スーパー13.3兆円(前年比+2.4%)、コンビニエンスス
トア10.4兆円(前年比+5.6%)となり、いずれの業種も前年比プラスとなっている。個人消費の回復や円安による訪日外国人客の消費増加が国内
消費を下支えする効果をもたらしている。Jリートにおける商業施設(全エリア)の稼働率は良好であり、賃料も安定的に推移すると考えられる。
◆物流施設
2014年12月末時点の天気は「晴れ時々くもり」となり、2015年上期以降も「晴れ時々くもり」の予報となった。
eコマース市場の拡大に伴い需要は旺盛であり、足元における大型物流施設の空室率は低位で推移している。今後、内陸部において大型の供給
が計画されており、一時的な空室率の悪化が懸念されるものの、旺盛な需要を背景とし、次第に回復に向かう可能性が高い。Jリートにおける物流
施設(全エリア)の稼働率も良好であることから、賃料も安定的に推移する見通しである。
(出典) ㈱ティーマックス
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■ 不動産天気予報 ③
調査概要
「ティーマックス不動産天気予報」は、①J-REITが保有する不動産から基準不動産を抽出、②基準不動産について2014年12月末時点を起点に、2015年上期(1月~6
月)の6ヵ月間の予測NOI、2015年下期(7月~12月)の6ヵ月間の予測NOIを査定し、中長期的に安定的と見込まれる基準NOIとの乖離率を求め、③指定セグメント毎
に集計した乖離率を天気に見立てることで天気予報図として表し、④これを6ヵ月ごとに更新するものである。
①基準不動産の用途は、オフィス,レジデンス,商業施設,物流施設で合計250物件
選定基準は主要エリアに配慮し、オフィスは、大~中規模ビルを中心とし、主にマルチテナントビル。レジデンスは、ワンルームとファミリータイプからそれぞれ抽
出し高級賃貸物件もカバー。商業施設は、NOI・賃料等の開示情報がある物件。物流施設は、NOI・賃料等の開示情報がある物件。
②現在を起点とし1~6ヵ月後、7~12ヵ月後の予測NOIを査定
予測NOI(Net Operating Income)は賃貸事業収益から賃貸事業費用(減価償却費,capex等は含まない)を控除した純収益を指す。本調査では、投資法人が発
表している決算短信等で公表された実績値を参考に、市場賃料・空室率の査定値、テナント入退去の最新ニュース、独自調査したテナント需給動向等を反映し、
現在を起点にした6ヵ月間ごとの予測NOIを査定する。
③天気予報図の表示ルール
天気予報図は、基準不動産ごとに直近の実績NOI(±0)、1~6ヵ月後の予測NOI(+6)、7~12ヵ月後の予測NOI(+7~12)と基準NOIとの乖離率を指定セグメント
別に集計する。
天気予報図
(出典) ㈱ティーマックス
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4
■【オフィス】都心部オフィスゾーンにおける
平均募集賃料と空室率との関係
丸ノ内・大手町・有楽町
賃料 UP
空室率 UP
賃 料
高
空室率 UP
賃料 DOWN
左記グラフは、平均募集賃料と空室率の関係を示したグラフである。
空室率が高くなると、賃料は低くなり、空室率が改善し始めると、徐々に
賃料が回復していくサイクルが確認できる。
空室率
高
空室率
低
空室率 DOWN
賃料 UP
賃 料
低
賃料 DOWN
空室率 DOWN
主要5区
賃料 UP
空室率 UP
賃 料
高
空室率
高
空室率
低
空室率 DOWN
賃料 UP
空室率 UP
賃料 DOWN
賃 料
低
賃料 DOWN
空室率 DOWN
◆丸の内・大手町・有楽町エリア
大型ビルの空室消化がみ、稼働率が改善傾向にあるなか、フリーレ
ント期間の短縮傾向が認められるほか、既存テナントについても一
部で賃料増額改定の動きが見られるなど、賃料は回復・上昇傾向
にある。但し、他のエリアにおける大型ビルの相次ぐ竣工に加え、
高水準の賃料負担が可能なテナントが限られていることから、空室
率低下のペースに比して、賃料上昇のスピードが鈍い点が指摘され
る。
◆主要5区
大型ビルのみならず中規模ビルについても、好業績や採用増を背
景とした館内増床や面積拡張を伴う移転需要、新設需要を中心とし
て空室の消化が進んでおり、空室率は顕著な低下傾向を示してい
る。かかる空室消化を受け、平均募集賃料も上昇傾向にて推移して
いるが、賃料上昇のスピードは鈍い。
(出典) 各種公表データ等をもとに
(株)谷澤総合鑑定所作成
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5
■【オフィス】MAP’s [有効坪単価]都心主要3区S・Aクラス
MAP’s
万円/坪
(平成27年4月1日時点)
1,6 00
◆総括
キャップレートの低下傾向及び賃料
の改善傾向により、有効坪単価水
準は全体的に上昇することとなった。
1,4 00
1,2 00
1,0 00
80 0
◆千代田区
「東京駅周辺」エリアは中央値1,230
万円/坪となった。
1230
60 0
770
690
40 0
800
670
660
630
700
650
410
420
480
日
本
橋
兜
町
・
茅
場
町
・
新
川
日
本
橋
人小
形舟
町町
・ ・
堀大
留伝
町馬
・ 町
富 ・
沢小
町伝
馬
町
・
築
地
・
新
富
・
八
丁
堀
770
730
660
700
470
20 0
◆中央区
「八重洲・京橋・日本橋」は中央値
800万円/坪となった。
0
東
京
駅
周
辺
神
田
・
秋
葉
原
・
御
茶
ノ
水
周
辺
四
ツ
谷
・
市
ヶ
谷
駅
周
辺
飯
田
橋
・
水
道
橋
霞
ヶ
関
・
永
田
町
・
平
河
町
八
重
洲
・
京
橋
・
日
本
橋
銀
座
日
本
橋
本
町
・
室
町
・
本
石
町
新
橋
・
虎
ノ
門
赤
坂
六
本
木
浜
松
町
周
辺
芝
・
三
田
・
田
町
青
山
◆港区
「赤坂」エリアについては770万円/
坪、「六本木」エリアは730万円/坪、
「青山」エリアについては700万円/
坪となった。
千代田区
中央区
港区
中央値
※オフィスエリアごとに複数のビルを抽出し、有効坪単価を算出。これを集計し
てエリアの中央値と、最大値・最小値を査定。
※坪単価は各物件の賃料・キャップレートを想定の上査定。年2回更新。
(出典) ㈱ティーマックス
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6
■【レジデンス】エリア別の賃料単価及び稼働率の推移
都心5区
賃料(円/坪)
稼働率(%)
地方5都市
賃料(円/坪)
稼働率(%)
100
13,976
15,000
100
15,000
96.9
95.2
10,000
10,000
7,362 95
95
5,000
5,000
都心5区の賃料単価
地方5都市の賃料単価
都心5区の稼働率
地方5都市の稼働率
14下
14上
13下
13上
12下
12上
11下
11上
10下
10上
09下
09上
08下
08上
07下
07上
06下
06上
05上
90
05下
0
14下
14上
13下
13上
12下
12上
11下
11上
10下
10上
09下
09上
08下
08上
07下
07上
06下
06上
05下
90
05上
0
◆ 都心5区の稼働率を見ると、14年下期も95%を上回り、高稼働が続いている。実績賃料は、12年上期以降は14,000円/坪程度の水
準で概ね横ばいとなっている。
◆ 地方5都市(札幌・仙台・名古屋・大阪・福岡)の稼働率は、14年下期も96.9%と高い水準にある。賃料単価は06年下期ごろから変
動が少なく、非常に安定的な推移を示している。
注1) 2014年12月31日までのデータ
注2) 賃料収入,賃貸可能戸数,稼働率が判明している物件が集計対象
注3) 追加取得,一部売却された物件等については、サンプルから除外
(出典) J-REIT公表資料を基に
㈱ティーマックス作成
©2014 The Tanizawa Sogo Appraisal Co.,Ltd. All Rights Reserved.
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■【レジデンス】タイプ別の賃料単価及び稼働率の推移
ワンルーム
賃料(円/坪)
稼働率(%)
高級賃貸
賃料(円/坪)
稼働率(%)
100
100
96.4
15,000
15,000
12,856
95
95
11,566
10,000
93.9
10,000
90
5,000
85
ワンルームの賃料単価
90
5,000
85
高級賃貸の賃料単価
ワンルームの稼働率
高級賃貸の稼働率
0
14下
14上
13下
13上
12下
12上
11下
11上
10下
10上
09下
09上
08下
08上
07下
07上
06下
06上
80
05下
14下
14上
13下
13上
12下
12上
11下
11上
10下
10上
09下
09上
08下
08上
07下
07上
06下
06上
05下
05上
80
05上
0
◆ ワンルームの稼働率は、10年上期以降、95%を超える高い水準で推移し、14年下期も96.4%となった。実績賃料の変化幅は
小さく、14年下期も安定的に推移している。
◆ 高級賃貸の稼働率は、08年上期にピークアウトして以降、一時80%台中盤まで低下したが、徐々に回復し、14下期は93.9%と
なった。実績賃料は、12,856円/坪と14下期で若干低下しており、調整されることとなった。
注1) 2014年12月31日までのデータ
注2) 賃料収入,賃貸可能戸数,稼働率が判明している物件が集計対象
注3) 追加取得,一部売却された物件等については、サンプルから除外
(出典) J-REIT公表資料を基に
㈱ティーマックス作成
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8
■【オフィス&レジデンス】賃料単価・稼働率の比較
オフィス
賃料(円/坪)
稼働率(%)
100
20,000
賃貸住宅
賃料(円/坪)
稼働率(%)
100
20,000
16,278
15,000
15,000
96.5
95
10,000
95
10,000
11,037
5,000
オフィスの賃料単価
レジデンスの賃料単価
レジデンスの稼働率
オフィスの稼働率
14下
14上
13下
13上
12下
12上
11下
11上
10下
10上
09下
09上
08下
08上
07下
07上
05上
14下
14上
13下
13上
12下
12上
11下
11上
10下
10上
09下
09上
08下
08上
07下
07上
06下
05下
06上
05上
04下
04上
03下
90
06下
0
90
05下
0
06上
5,000
96.1
◆ オフィスの稼働率は、10年下期で底打ちし、14年下期では96.5%まで上昇した。実績賃料は09年上期から連続して低下が続いて
いたが、14年下期はやや上昇し、回復の兆しがみられた。
◆ 賃貸住宅の稼働率は、14年下期も96.1%と11年下期以降は95%を超える高い水準で推移している。実績賃料は横ばいが続き、
安定的な状況にある。
注1) 2014年12月31日までのデータ
注2) 賃料収入,賃貸可能戸数,稼働率が判明している物件が集計対象
注3) 追加取得,一部売却された物件等については、サンプルから除外
(出典) J-REIT公表資料を基に
㈱ティーマックス作成
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■ 不動産流動性 ①J-REIT不動産取引件数、DI(%)の関係
250
15
売却件数
取得件数
DI(ポイント)
200
6
1
3
4
8
8
8
-7
-10
-11
-12
-14
-16
100
-11
-6
-11
1 1
-5
-6
-5
-20
-16
50
-2 -1
-2
-4
-16
-21
-25
-21
-3
-9 -9
-12
-14
-9
-20
-21
10
6
4 4
4
6
-3
150
9 9 10
9 10
-24
-29
-32
0
3Q4Q1Q2Q3Q4Q1Q2Q3Q4Q1Q2Q3Q4Q1Q2Q3Q4Q1Q2Q3Q4Q1Q2Q3Q4Q1Q2Q3Q4Q1Q2Q3Q4Q1Q2Q3Q4Q1Q2Q3Q4Q1Q2Q3Q4Q1Q2Q3Q4Q1Q2Q3Q4Q1Q
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014 2015
◆ 日銀が発表している金融機関の不動産向け貸出態度(DI)は、2014年第4四半期で+10、2015年第1四半期で+15となり、 J-REIT創設
以降の最高値を記録した。
◆ 2014年のJ-REITによる不動産取引件数は、第3四半期に若干低水準となったものの、IPOやPOの増加により、2013年に続き高水準と
なった。2015年第1四半期の取引件数は190件となっており、2007年第1四半期と同水準となっている。
(出典) 取引件数 : ㈱ティーマックス
DI(%) : 日銀短観
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10
■ 不動産流動性 ②不動産流動性指数
800.0
拡大期
流動性高い・拡大期
724.9
2011.3.11東日本大震災
600.0
585.6
流動性低い・回復期
400.0
641.6
※不動産市場の流動性を指数化したグ
ラフであり、不動産の取引動向等をも
とに、㈱ティーマックスが独自に作成
※基準時点(2003年5月)=100
※指数値が高い(低い)
⇒流動性が高い(低い)
◆ 不動産流動性指数は2007年末~2008
*年初頭をピークに急低下、 2009年後半
*にかけて最悪期を迎えた。
200.0
2007年サブプライム問題
0.0
◆ 2011年3月11日の東日本大震災の影
響で一時的に不動産取引が見送られた
ことにより、不動産流動性指数は下落基
調となっていた。
◆ 2012年から回復基調にて推移し、2013
年12月に過去最高値(724.9)を記録した。
注) 2015年3月までのデータ
◆ 2014年には取引件数が一時鈍化した
ことにより流動性に低下傾向がみられた。
しかしながら、足元においては、取引件
数は再び増加し、流動性指数の改善が
みられている。
((出典) ㈱ティーマックス
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11
■ 東証REIT指数・ICRの推移
3000
7.5
7
2500
2000
6
1500
5.5
ICR
東証REIT指数
6.5
5
1000
4.5
東証REIT
オフィス指数
ICR(オフィス)
500
東証REIT
住宅指数
ICR(住宅)
東証REIT
商業・物流等指数
ICR(その他)
4
3.5
2015/2
2015/3
2014/12
2014/10
2014/8
2014/6
2014/4
2014/2
2013/12
2013/8
2013/10
2013/6
2013/4
2013/2
2012/12
2012/10
2012/8
2012/6
2012/4
2012/2
2011/12
2011/10
2011/8
2011/6
2011/4
2011/2
2010/12
2010/8
2010/10
2010/6
2010/4
2010/2
0
※ICR:Implied Cap Rate
◆ 2011年3月の震災以降、緩やかに下落していたJ-REIT投資口価格は、2012年後半、「アベノミクス効果」に
※ICR=個別物件の期待NOI
より上昇トレンドに転じた。2013年中は一時的に下落する場面もみられたが、2013年9月以降は東京オリン
÷投資法人のEV
ピック決定の効果もあり再び上昇トレンドとなり、2014年10月には日銀の追加緩和を受けて更なる上昇をみ
せた。
※EV:Enterprise Value
◆ インプライドキャップレートも、J-REIT投資口価格の上昇を受けて、改善が続き低い水準を維持している。
※EV=ネット負債+投資口時価総額
全ての用途についてインプライドキャップレートの低下がみられているが、特にオフィス銘柄の水準は低く
3.5%に迫っている。
(出典) 東証REIT指数 : 東京証券取引所
ICR : ㈱ティーマックスによる査定
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12
■各用途別・エリア別 鑑定CAPレートの推移
オフィスの利回り推移(J-REIT/地域別)
(%)
7.0
全国平均
6.5
東京23区
6.0
主要5区
札幌
5.5
仙台
5.0
名古屋
4.5
大阪
福岡
4.0
レジデンスの利回り推移(J-REIT/地域別)
7.0
6.5
全国平均
東京23区
(%)
主要5区
6.0
5.5
札幌
仙台
名古屋
5.0
4.5
◆オフィスの利回り推移
各エリアの利回り水準は、リーマン
ショック以降、11年上期頃まで、上
昇又は横ばい傾向にて推移してい
たが、11年以降は低下局面に移行
した。
直近においてもその傾向は継続し
ており、特に東京23区・主要5区に
ついて低下幅が大きくなっている。
大阪
◆レジデンスの利回り推移
各エリアの利回り水準は、10年上
期をピークに、その後は、全体とし
て低下傾向にある。
近時においては、過熱感も窺える
取引状況のもとで、より高い利回り
を求めて地方物件の取引も活況を
呈しており、利回り水準は全国的
に低下傾向が継続している。
福岡
(出典) J-REIT公表資料を基に
㈱ティーマックス作成
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13
商業施設の利回り推移(J-REIT/地域別)
(%)
7.0
全国平均
6.5
東京23区
6.0
主要5区
札幌
5.5
仙台
5.0
名古屋
4.5
大阪
4.0
福岡
◆商業施設の利回り推移
近時、東京23区・主要5区を中心に
利回りは低下傾向にある。
また、長期空室が続いていた物件
についてもテナントが成約して稼働
状況が改善するなど、売買対象と
なる物件が少ない中で、市況は過
熱した状況が継続している。
物流施設の利回り推移(J-REIT/地域別)
6.0
(%)
全国平均
5.5
首都圏
京阪神
◆物流施設の利回り推移
テナントの賃貸形式等を背景に、
他の用途に比し、利回りは安定し
た推移を辿っていたが、近時利回
りは急低下している。
REITの相次ぐ新規上場や大手不
動産会社の新規参入等により市場
に厚みが増しており、物流投資市
場は新たな局面に入ったといえる。
5.0
(出典) J-REIT公表資料を基に
㈱ティーマックス作成
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