海外安全対策情報(2015年4月~6月) 1 治安情勢及び一般犯罪の傾向 (1)路上犯罪への注意 ルーマニアではスリ,ひったくり,置き引き,車上狙い等の他人の財産窃取を目的 とした路上犯罪が目立っており,殺人や強盗等の凶悪犯罪も散見されます。 こうした中,ルーマニア警察庁の発表によると,2014 年の犯罪発生件数は,路上 犯罪対策や組織犯罪対策を徹底した結果,2013 年比2.5%減少の約 64 万件とな り,3年連続での減少となりました。中でも殺人や強盗などの凶悪事件を含め,日常 生活の身近で起きうる路上犯罪が減少し,治安情勢に好転の兆しが見受けられます。 しかし,ルーマニアの人口から見た犯罪被害率は約3%であり,日本の同比率が 1%強であることを考えると,外出時には常に防犯意識を高く持ち,警察が犯罪多発 地帯として警戒を強めるブカレスト市内の旧市街,及び地下鉄,バス,トラム等の公 共交通機関では犯罪に巻き込まれないよう特に注意が必要です。 多くの邦人が生活するブカレスト市でも車上狙いや強盗など,多くの罪種で減少傾 向が見られますが,スリ被害は 10%以上も増加しておりますので,外出時の貴重品 の管理には十分留意してください。 (2)夏休みに入るこれからの時期,プロの窃盗集団の動きが活発化 期間中、観光ツアー参加者が,ブカレストのレストランで,椅子の下に置いていた カバンを盗まれるという窃盗事件が発生しました。 今後夏休み時期に入り,多くの観光客が市街地や観光地に訪れる中で、常習窃盗犯 やスリ集団の動きも活発化し,この種の犯罪被害も増加すると思われます。お手回り の貴重品等の取扱いには十分気をつけ,犯罪被害に遭わないよう注意してください。 2 殺人・強盗等凶悪犯罪の傾向 各種報道等から,期間中未遂も含め殺人約30件,強盗約15件といった凶悪事件が 確認されており,その多くがナイフ等凶器を使用した犯罪です。 在留邦人が被害に遭う可能性の高い凶悪犯罪事例としては,夜間・深夜帯において一 人歩きの人物を狙い貴金属や現金等の所持品を盗むひったくりや強盗事件が挙げられる ほか,飲食店でのトラブルや交通上のトラブルに巻き込まれて傷害事件等の被害者とな る可能性も考えられます(別添「重大犯罪等事例」を参照)。 3 テロ・爆弾事件発生状況 当該事件の発生は認知しておりませんが,関連事案として,ブカレストの裁判所が, 4月,外国資本企業の従業員であるチュニジア人1人を含む外国人6人をイスラム過激 派組織とつながりのある人物として入国禁止を決定し,6月にはイスラム過激派組織と つながりのあるチュニジア人学生2人の国外退去,入国禁止を決定しました。 4 誘拐・脅迫事件発生状況 当該事件の発生は認知しておりません。 5 日本企業の安全に関する諸問題 特段の問題点は報告されていません。(了) 重大犯罪等事例(2015 年4~6月) N0 日付 場所 1 1 Apr Ilfov 県 2 1 Apr 3 1 Apr Olt 県 Bucharest 市 4 3 Apr Caracal 市 5 3 Apr Slatina 市 6 4 Apr Galati 県 7 5 Apr Cluj 市 8 8 Apr 9 9 Apr 10 13 Apr 11 12 Apr Vrancea 県 12 17 Apr Vaslui 県 13 22 Apr Satu Mare 市 14 23 Apr Bistrita 市 15 28 Apr Piatra Neamt 市 16 7 May Arges 県 17 10 May Bacau 県 18 14 May Vrancea 県 19 15 May Pitesti 市 20 15 May Bucharest 21 16 May Salaj 県 22 17 May Bucharest 23 24 17 May 19 May Vrancea 県 Vrancea 県 25 24 May Bucharest 26 29 May Timis 県 Bucharest 市 Ploiesti 市 Constanta 県 事件 外国人宅を対象に、警察官を騙って強盗を繰り返した5人に対し、家 宅捜索が行われた。 41 歳男性が、離婚を求めた 29 歳妻を包丁で殺害した。 24 歳男性が、ブカレストの射撃場で 56 歳のインストラクターを射殺 し、直後に自殺した。 47 歳警備員の遺体が、職場の工事現場で発見された。被疑者は、被 害者の車で逃走した模様である。 職場を解雇された 42 歳男性が、社長の妻 37 歳をナイフで殺害し た。 27 歳男性が、早朝、老夫婦宅に侵入し、暴行の上数百レイを強取し て逃走した。 駅付近において携帯電話で通話中の女性が、41 歳男性に突然顔を殴 られて携帯電話を強取された。 路上駐車車両のトランクに入っていたスーツケースから、シリア人男 性の遺体が発見された。後日同男性の妻と同妻の恋人が逮捕された。 21 歳と 18 歳男性が、教会から帰宅中の 81 歳女性に強盗を働いた。 2人の男性が、深夜、強盗目的で民家に侵入、住人に暴行した上、馬 と馬車を強取して逃走した。 22 歳男性が、夜、民家に侵入して物色していたところ、住人である 64 歳男性と鉢合わせ、同男性を暴行の上殺害し、放火までしようと して逃走した。 路上でサッカーをしていた 26 歳と 23 歳の男性が喧嘩となり、23 歳 男性が一旦帰宅してナイフを持ち出し、26 歳男性を殺害した。 43 歳男性が民家に侵入し、64 歳女性に金銭の場所を聞きながら暴行 し、殺害した。 バーの警備員が、店内で発生していた喧嘩の当事者である 51 歳男性 を殴打。帰宅した同男性が、翌朝自宅で遺体となって発見された。 夜、路上で夫婦喧嘩が発生し、夫の 24 歳男性が妻をナイフで刺し、 重傷を負わせた。 35 歳男性が、facebook で知り合った若い女性をナイフで数箇所切り つけ、重傷を負わせた。 40 歳女性が、同居中の 35 歳男性をナイフで殺害した。 28 歳男性が、民家に侵入して 68 歳女性に性的暴行をした容疑で逮捕 された。 何者かが民家に侵入し、夫婦2人を鉄棒で殴って、数千ユーロ及び数 千レイを強取した。 36 歳男性が、夜、旧市街で女性に声をかけたところ、同女性と共に いた男性からナイフで刺された。 21 歳男性が、夜、路上で男性から数レイ入りの財布を強取した。 50 歳男性が、朝、金銭を巡るトラブルから、地下鉄の駅構内におい てナイフで刺されて殺害された。 43 歳男性が、民家に押し入り、女性に暴行の上金銭を強取した。 72 歳男性が、夫婦喧嘩の末、61 歳妻を電気コードで絞め殺した。 ブルガリア人男性3人が、ATMにスキミング装置を設置してカード データを窃取し、後にカードのコピーを作って金銭を窃取した疑いで 逮捕された。 17 歳男性が、恋人である 17 歳女性の首と背中をナイフで刺し、重傷 備考 強盗 殺人 殺人 殺人 殺人 強盗 強盗 殺人 強盗 強盗 殺人 放火未 遂 殺人 殺人 傷害 致死 殺人 未遂 殺人 未遂 殺人 強姦 強盗 殺人 未遂 強盗 殺人 強盗 殺人 窃盗 殺人 を負わせた。 37 歳と 19 歳男性が民家に侵入し、80 代の夫婦に暴行の上金銭を要 求し、携帯電話を強取した。 夫婦喧嘩の末、夫が母親を守ろうとした 25 歳息子をナイフで刺して 殺害した。 隣人同士がフェンスの位置について喧嘩となり、一方(67 歳)がも う一方(75 歳)の頭を斧で数回殴打した。 5 月 29 日~6 月 10 日の間、路上で6人の女性が身につけていた金の ネックレスをひったくったとして、27 歳男性が逮捕された。 16 歳の若者2人が、歩行中の 61 歳女性の携帯電話と数十レイが入っ ていたバックをひったくった。 84 歳女性が、朝、性的暴行を受けた上で殺害された。被疑者は、殺 人罪で無期懲役の判決を受けていたが、最近釈放されていた。 未遂 27 6 Jun Braila 県 28 9 Jun Gorj 県 29 9 Jun Bacau 県 30 10 Jun 31 16 Jun 32 22 Jun Braila 市 33 29 Jun Arad 県 48 歳男性が、同居の女性をナイフで切りつけて重傷を負わせた。 殺人 未遂 34 30 Jun Bistrita Nasaud 県 17 歳女性が、2人の男性から性的暴行を受けたとして警察に被害届 を提出。 強姦 Baia Mare 市 Hunedoara 県 強盗 殺人 殺人 未遂 窃盗 窃盗 殺人
© Copyright 2024 Paperzz