近紫外光により暖色系白色発光する LED照明用ガラス D照明用ガラス 東京理科大学・基礎工学部・材料工学科 教授 安盛敦雄 October 5, 2010 at JST新技術説明会 照明用光源の開発 次世代の光源 現在の主要な光源 高い発光効率> 高い発光効率 高 発光効 >蛍光 蛍光灯 長寿命> 長寿命 >蛍光灯 高い発光効率> 高い発光効率 高 発光効率>白熱電球 熱電球 微量水銀の含有 白色 LED 蛍光灯 光源 白熱電球 蛍光灯 白色LED 白色 LED 寿命 1 6倍以上 40∼ 40 ∼100 100倍 倍 発光効率 1 4∼5倍 6∼8倍 価格 1 11倍 11 倍 25倍 25 倍 朝日新聞(7/10, 2010) 白色LED照明技術の全て(2009) 小型・薄型 小型・ 薄型・・軽量化が可能 回路・・構造が単純 回路 構造が単純、 、耐衝撃性が高い 2 October 5, 2010 at JST新技術説明会 代表的な白色LED 代表的な白色 LEDの構造 の構造 ワンチップ・ ワン 蛍光体方式 青色&黄色光の混色 青色LED 青色 LED ・青色LED+蛍光体 ・青色LED +蛍光体1 1種類 ・ 作製過程が比較的容易 疑似白色光 ○ 高発光効率 ○ 低コスト YAG:Ce)) +有機樹脂バインダー 黄色蛍光体 (YAG:Ce ワンチップ・ マルチチ 蛍光体方式 マルチLED方式 3 赤色&青色&青色光の混色 青色LED 青色LED 近紫外LED 近紫外 LED ・青色LED ・青色 LED+蛍光体 +蛍光体3 3種類 白色光 (2~ ~3種類 種類)) +有機樹脂バインダー RGB蛍光体 (2 有機樹脂バインダ ○ 高演色性 ○ 均一配向 赤色&青色&青色光の混色 赤色LED 赤色LED 緑色LED 緑色 LED 青色LED 青色 LED 疑似白色光 ・ 3色LED LEDの使用 の使用 ・ 構造はシンプル ○ 高発光効率 October 5, 2010 at JST新技術説明会 従来技術の問題点Ⅰ 従来技術の問題点 Ⅰ ワンチップ・ ワン 蛍光体方式 青色&黄色光の混色 青色LED 青色 LED 疑似白色光 YAG:Ce)) +有機樹脂バインダー 黄色蛍光体 (YAG:Ce ワンチップ・ マルチチ 蛍光体方式 マルチLED方式 4 青色LED 青色LED 近紫外LED 近紫外 LED ・青白色の光 (低色温度 低色温度× ×、演色性 、演色性× ×) ・低い耐熱性 (高輝度 高輝度LED LEDの使用 の使用× ×) 赤色&青色&青色光の混色 ・ 複数蛍光体の分散・調整 (均質性 均質性× ×、光散乱 、光散乱× ×) 白色光 ・低い耐熱性・耐紫外光性 (高輝度 高輝度LED LEDの使用 の使用× ×) (2~ ~3種類 種類)) +有機樹脂バインダー RGB蛍光体 (2 有機樹脂バインダ 赤色&青色&青色光の混色 赤色LED 赤色LED 緑色LED 緑色 LED 青色LED 青色 LED 疑似白色光 ・LED LEDの の配置、小型化 (配色性 配色性× ×、演色性× 演色性×) October 5, 2010 at JST新技術説明会 従来技術の問題点Ⅱ 従来技術の問題点 Ⅱ 例) ワンチップ・ワン蛍光体型白色LED ワンチップ・ワン蛍光体型白色 プ LED 白色光 黄色蛍光体 有機樹脂 (YAG::Ce3+) (YAG 青色LED 青色 LED (470nm) 近紫外LEDの低価格化 近紫外LED の低価格化 光源として利用可能 発光スペクトル PL IIntensity ((a.u.) 構造 蛍光灯 白色LED 白色 LED Wavelength (nm) 演色性:赤色成分の不足 高輝度:耐熱性の向上が必要 近紫外LED 近紫外 LEDにより発光する無機バルク蛍光体の導入 により発光する無機バルク蛍光体の導入 5 October 5, 2010 at JST新技術説明会 蛍光体の選択 蛍光体 母体材料 発光中心 希土類元素 ( ff-f または f-d 遷移 遷移)) 比較的シャープな発光、高い発光効率 遷移金属 ( dd-d または d-s 遷移 遷移)) 比較的ブロードな発光、低い発光効率 結晶+有機樹脂 高い発光効率 光散乱・低い耐熱性 散 ガラス 低い発光効率 高い透過性・耐熱性 白色LED 白色 LED用蛍光体 用蛍光体 一般照明への 般照明への 実用化 構造の単純化 コストの削減 発光中心 : 遷移金属イオン, 遷移金属イオン RGB蛍光体 遷移金属イオン,RGB RGB蛍光体 母体材料 : ケイ酸塩 or ホウ酸塩ガラス 銅イオンクラスタ+分相ガラス 6 October 5, 2010 at JST新技術説明会 ガラス中の銅イオンによる光学特性 酸化雰囲気 Cu2+ イオン 還元雰囲気 Cu+ イオン Cu+-Cu+ クラスタ Cu0 コロイド 銅イオンの 価数 母ガラス 電子遷移等 dd d-d s-d d s-p SPR 着色状態 発光挙動 吸収波長 青色 なし 700-800nm 無色 青色 <350nm 無色 黄色 300-400nm 赤色 なし 500-600nm ガラス中でのCu ガラス中での Cu+-Cu+ クラスタの形成 1. Cu2+ イオンと還元剤が互いに近接していること ガラスの分相の利用 2. Cu+ イオン同士が互いに近接している イオン同士が互いに近接していること と 還元剤SnO 還元剤 SnO (Sn2+→Sn Sn4+ ) 3. 還元過剰による 還元過剰によるCu Cu0 コロイドの生成が無いこと 7 October 5, 2010 at JST新技術説明会 Cu+-Cu+クラスタを含有するガラス アルカリホウケイ酸塩系分相ガラス 8 白色蛍光灯照明下 UV 光 (365nm) (365nm)照射下 照射下 無色・透明 黄色発光・透明 October 5, 2010 at JST新技術説明会 ガラスの分相現象 均一液相 バイノーダル領域 スピノーダル領域 T1 温度 度 液相+固相 核生成−成長機構 Solid S1 S2 スピノーダル分解機構 T2 準安定不混和領域 組成 組成 作製方法 性質 9 : SiO2, B2O3, & P2O5 系酸化物ガラス カルコゲナイド、フッ化物ガラス : ガラス転移点 Tg 以上での熱処理 ((ex. +50℃ +50℃) : 光散乱,化学耐久性 October 5, 2010 at JST新技術説明会 分相を用いている実用ガラス Na2O-B2O3-SiO2 系状態図 Vycor ガラス (Corning, 1939) 1939) 9Na2O-26B2O3-65SiO2 (mass%) Pyrex ガラス (Corning, 1915) 1915) Na2O-B2O3 rich 相 4Na2O-2Al2O3-13B2O3-81SiO2 (mass%) SiO2 rich 相 選択溶解 (HCl) HCl) from Doremus, “Glass Science”, 1973 2-3nm Na2O-B2O3 rich 相 10 高化学耐久性 SiO2rich 多孔質ガラス 多孔質ガラスの物性 細孔半径 :数 nm - m 比表面積 :<数百 m2/g 応用 :フィルター,担体 焼結(1000 焼結( 1000℃ ℃) 96% SiO2 ガラス October 5, 2010 at JST新技術説明会 ガラスの分相によるCu ガラスの分相による Cu+-Cu+クラスタの形成 均質ガラス Cu+-Cu+ クラスタ Cu+ イオン C +-Cu Cu C + クラスタ クラスタの形成 の形成 高濃度Cu 高濃度 Cu イオンが必要 Cu0 コロイドの生成 Cu0 コロイド 分相ガラス (ソーダホウケイ酸塩系) Na2O-B2O3 リッチ相 Cu+-Cu+ クラスタ クラスタの形成 の形成 C +-Cu Cu C + クラスタ 低濃度Cu 低濃度 Cu イオンで可能 SiO2 リッチ相 11 (Na2O-B2O3 リッチ相中) 1. Cu2+ イオンが還元剤( イオンが還元剤(SnO 剤(SnO)に近接 ))に近接 近接 2. Cu+ イオンが相互に近接 イオンが相互に近接.. October 5, 2010 at JST新技術説明会 アルカリホウケイ酸塩系ガラスの作製 SiO2 H3BO3 R2CO3 Al2O3 20 Cu2O SnO 40 乾式混合 60 1500℃ 1500℃ 60 min 試料 12 分相領域 40 20 20 60 80 40 SiO2 ガラス組成 (mol%) 急冷 研磨加工 60 80 バッチ 溶融 80 評価方法 紫外--可視分光光度計 : 透過率 紫外 蛍光分光光度計 : 励起・発光スペクトル SEM 観察 : 分相組織 October 5, 2010 at JST新技術説明会 励起光に依存したガラスの発光色の変化 青色発光 (254nm 254nm励起) 励起) Li Na K Cu+ 孤立イオンによる発光 Cu+ イオン SiO2 リッチ相 13 黄色発光 (365nm 365nm励起) 励起) Li Na K Cu+-Cu+クラスタによる発光 Cu+-Cu+ クラスタ Na2O-B2O3 リッチ相 October 5, 2010 at JST新技術説明会 発光強度のガラス組成による変化 Na2O-B2O3-SiO2系 PL intensity (a. u. ) 800 Cu+-Cu+ 700 励起光の2次光 365nmx2=730nm 600 500 400 300 200 100 0 400 組成変化 14 500 600 Wavelength (nm) 700 800 励起波長 365nm 発光強度の大きな変化なし October 5, 2010 at JST新技術説明会 ガラス材料の発光色 y 蛍光発光色 0.8 0.6 5000K 0 4 0.4 色温度 8000K 0 2 0.2 2500 2000K 励起 254 nm 0 0 15 低い色温度の実現 励起365 nm 375 nm 385 nm 0.2 0.4 0.6 0.8 x October 5, 2010 at JST新技術説明会 新技術の特徴・従来技術との比較 近紫外LED+RGB蛍光体 近紫外LED+Cu 近紫外LED+ Cu+‐Cu+クラスタ 有機高分子樹脂 ケイ酸塩系無機ガラス ケイ酸塩系無機 ラ Cu+-Cu+ クラスタによる 発光 黄色発光 ・耐熱性・化学耐久性が低い 耐熱性 化学耐久性が低い ・発光色系の制御が可能 ・光散乱による光量の減少 ・作製に工夫 16 × ◎ × △ ・耐熱性・化学耐久性が高い 耐熱性 化学耐久性が高い ・暖色系の白色光 ・光多重散乱による強度向上 ・作製に工夫 ○ ○ ○ △ October 5, 2010 at JST新技術説明会 想定される用途・需要予測 世界市場予測 :4千億円 → 1兆円規模 期待される用途 一般照明 高演色性・高輝度が求められる分野 高演色性 高輝度が求められる分野 ○ (4千億円規模 ) 学習照明 ○ タスク照明 ◎ アクセント照明 ○ 階段灯 ○ 舞台照明 フラッシュライト ○ 医療・介護用照明 誘導灯 ○ バイオ用照明 交通信号灯 ◎ 自動車電装用 ◎ 自動車前照灯 ○ 液晶バックライト ◎ 美術照明 空間ディスプレイ照明 展示照明 本技術の活用分野 道路照明 実用化化 化 17 期待度 植物用照明 田口常正 編著, 「白色LED照明技術のすべて」 工業調査会(2009)より October 5, 2010 at JST新技術説明会 実用化に向けての課題と企業への期待 1. 材料設計 蛍光波長域・強度・演色性 耐熱性 熱膨張 機械強度 照明素子 近紫外LED 近紫外 LED 光学配置 配光性 接合性 東東東東京理科大学学学学 東 2. 作製プロセス 溶融・成形・加工 照明素子 組み立て方法 企業B 蛍光ガラス 企業A 蛍光ガラス 3. 照明素子の評価 量子効率 色温度・演色性 照明素子 発光効率 配光性 企業C CCCC 蛍光ガラス 企業D マーケットからの要望 18 October 5, 2010 at JST新技術説明会 本技術に関する知的財産権 発明の名称 : 発光ガラス及び当該発光ガラスを 備えた発光装置 出願番号 : 特願 特願2009 2009-247121 2009- 出願人 : 東京理科大学 発明者 : 安盛敦雄、岸 哲生、松井直子 19 October 5, 2010 at JST新技術説明会 お問い合わせ先 東京理科大学 科学技術交流センター(承認TLO) コーディネーター 田丸 威(たまる たけし) TEL FAX E-mail 20 03ー5225ー1365 03 5225 1365 03ー5228ー7924 [email protected] October 5, 2010 at JST新技術説明会 ご静聴ありがとうございました 21 October 5, 2010 at JST新技術説明会
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