2.7.4.2.1.4 その他の重要な有害事象 2.7.4.2.1.4.1 有害事象による減量

2.7.4.2 有害事象
ジェノトロピン
2.7.4.2.1.4
Page 111
その他の重要な有害事象
2.7.4.2.1.4.1
有害事象による減量,一時中止および中止
本項では,有害事象による治験薬の減量,一時中止および中止について検討を行った。
2.7.4.2.1.4.1.1
075 試験
治験薬の投与中止に至った有害事象(有害事象として報告された臨床検査値異常も含む)は GT
群で 37 例中 2 例(5.4%)に 5 件であり,その事象は難聴,筋脱力,思考異常,精神病性うつ病
および浮腫であった。これらのうち難聴と浮腫は治験薬との因果関係が否定できないと判断され
た。浮腫による中止例は 15 日目に減量したものの,回復しなかったため中止に至った。
治験薬の減量に至った有害事象は 3 例(8.1%)に 4 件認められ,いずれも GT 群であり治験薬
との因果関係は否定できないと判断された。いずれの事象も回復している。
一時中止に至った有害事象は 5 例に 6 件認められ,そのうち 3 例は P 群であった。重症度が高
度であった腹痛のみ治験薬との因果関係が否定できないと判断された。いずれの事象も回復して
いる。
表 18
有害事象による減量,一時中止および中止症例一覧表(075 試験)
投与
被験者 性別
投与量 a)
期間 b)
識別 年齢
(mg/日)
コード (歳)
(日間)
女
0.500
01-01
168
38
[ 0.0025 ]
02-05
04-03
05-03
06-03
06-05
07-01
12-01
15-01
女
30
男
39
0.800
[ 0.0117 ]
0.800
[ 0.0121 ]
126
発現日 c) 消失日 c) 因果
(日目) (日目) 関係 d)
有害事象
(WHO-ART)
重症度
筋(肉)痛
中等度
29
85
有
胃腸炎
高度
127
132
無
難聴
筋脱力
思考異常
精神病性うつ病
高度
高度
高度
軽度
128
140
140
140
223
223
223
223
有
無
無
無
関節痛
軽度
106
190
有
緊張亢進
軽度
106
134
有
161
女
42
女
32
女
56
0.900
[ 0.0115 ]
168
腱鞘炎
中等度
113
193
有
プラセボ
168
腹痛
高度
71
85
有
プラセボ
168
発疹
軽度
11
36
無
女
26
上気道感染
軽度
73
85
無
プラセボ
167
上気道感染
軽度
108
113
無
女
39
男
64
0.200
[ 0.0025 ]
0.200
[ 0.0029 ]
175
胃炎
中等度
19
22
無
21
浮腫*
中等度
1
36
有
処置および
その期間 c)
(日目)
減量(0.2 mg/日)
(57〜112)
一時中止
(127〜140)
中止
(140)
減量(0.4 mg/日)
(106〜126)
減量(0.2mg/日)
(127〜162)
減量(0.4mg/日)
(106〜126)
減量(0.2 mg/日)
(127〜162)
減量(0.3 mg/日)
(144〜168)
一時中止
(71〜73)
一時中止
(12〜12)
一時中止
(73〜75)
一時中止
(108)
一時中止
(20〜21)
中止*
(21)
転帰
回復
回復
未回復
未回復
未回復
未回復
回復
回復
回復
回復
回復
回復
回復
回復
回復
a)有害事象発現時の投与量または直近の投与量,[ ]内は 1 日あたりの投与量を直近の来院時に測定した体重
で除して算出した(単位;mg/kg/日)
,b)075 試験の投与期間, c)投与開始日を 1 日目として算出,
d)無:因果関係なし 有:因果関係が否定できない *15 日目に減量(0.100mg/日)
,最終的に中止
一部引用:075 試験総括報告書 別添 7 表 1-1,1-2
2.7.4.2 有害事象
ジェノトロピン
2.7.4.2.1.4.1.2
Page 112
076 試験
治験薬の投与中止に至った有害事象(有害事象として報告された臨床検査値異常も含む)は,
71 例中 3 例(4.2%)に 5 件認められた。内訳は関節痛,頭蓋咽頭腫〔症例報告書の記載:頭蓋咽
頭腫嚢胞内用液の増大〕および続発性癌〔症例報告書の記載:腫瘍の再発(頚髄)〕であり,いず
れも治験薬との因果関係を否定できないと判断された。
治験薬の減量に至った有害事象は 8 例(11.3%)17 件に認められ,いずれも治験薬との因果関
係は否定できないと判断された。被験者識別コード 01-02 に認められた筋(肉)痛は 075 試験時
に発現し,076 試験期間に治験薬の減量を行った。一時中止に至った有害事象は 13 例(18.3%)
20 件に認められた。被験者識別コード 09-02 に認められた上気道感染は 075 試験時に発現し,076
試験期間に投与を一時中止した。
表 19
有害事象による減量,一時中止および中止症例一覧表(076 試験)
投与
被験者 性別
処置および
発現日 c) 消失日 c) 因果
投与量 a)
有害事象名
重症度
期間 b)
識別 年齢
その期間 c)
転帰
d)
(WHO-ART)
(mg/日)
(日目) (日目) 関係
コード (歳)
(日間)
(日目)
GT/GT 群
0.2
340
関節炎
軽度
24
494
有 一時中止(29〜49) 未回復 f)
女 [0.0024]
01-01
38
傾眠
軽度
117
144
有 減量(0.3 mg/日)
回復
0.500
340
[0.0059]
(117〜283)
不整脈
軽度
102
144
有
回復
AST(GOT)上昇 中等度
117
173
有
回復
男
0.300
一時中止
02-02
348
23
[0.0054]
(145〜172)
ALT(GPT)上昇 中等度
117
173
有
回復
減量(0.4 mg/日)
0.800
(-56〜-36)
回復
関節痛
軽度
-56
29
有
[0.0121]
減量(0.2mg/日)
04-03
(-35〜112)
0.200
減量(0.1 mg/日)
関節痛
軽度
57
141
有
回復
[0.0030]
(113〜307)
0.2
減量(0.1 mg/日)
緊張亢進
軽度
57
364
有
回復
[0.0030]
(113〜307)
男
関節痛
307
39
0.1
(症例報告書の記
軽度
285
392
有
回復
[0.0015]
載:左母指基節
関節痛)
中止
関節痛
(308)
0.1
(症例報告書の記 軽度
285
336
有
回復
[0.0015]
載:左 MP 関節痛)
関節痛
0.1
回復
285
336
有
(症例報告書の記 軽度
[0.0015]
載:左 CM 関節痛)
女
0.200
中止
05-03
175
頭蓋咽頭腫
軽度
176
372
有
回復
42 [ 0.0027 ]
(176)
一時中止(144〜
女
0.4
頭痛
軽度
142
526
無
未回復 f)
06-02
350
147)
28 [0.056]
上気道感染
中等度
62
113
無 一時中止(63〜63) 回復
0.9
上気道感染
軽度
-11
29
無 一時中止(1〜1)
回復
[0.0118]
貧血
軽度
141
337
有
回復
(項目:赤血球数)
09-02 女 31
336
減量(0.2 mg/日)
0.3
貧血
(141〜336)
軽度
141
337
有
回復
[0.0040]
(項目:ヘモグロビン)
貧血
軽度
141
428
有
回復
(項目:ヘマトクリット)
次ページに続く
2.7.4.2 有害事象
ジェノトロピン
投与
被験者 性別
投与量 a)
有害事象名
期間 b)
識別 年齢
(WHO-ART)
(mg/日)
コード (歳)
(日間)
女
0.200
343
消化不良
12-01
39 [ 0.0025]
男
0.2
14-11
336
結腸憩室炎
60 [0.0033]
17-02
17-06
重症度
Page 113
発現日 c) 消失日 c) 因果
(日目) (日目) 関係 d)
軽度
1
36
有
高度
20
48
無
白血球増多(症)
軽度
53
183
有
疲労
軽度
98
116
無
男
31
0.100
[ 0.0021 ]
346
男
43
0.400
[ 0.0050 ]
332
感情不安定
思考異常
軽度
軽度
116
116
151
176
有
有
336 e)
筋(肉)痛
中等度
-18
117
有
335
筋脱力
軽度
18
21
有
336
膿瘍
中等度
30
113
無
336
筋(肉)痛
浮腫
軽度
軽度
69
96
253
295
有
有
336
知覚減退
中等度
51
337
有
上気道感染
軽度
114
134
無
上気道感染
軽度
180
183
無
疲労
軽度
298
337
無
腹痛
軽度
333
334
無
70
続発性癌
高度
71
214
有
273
上気道感染
軽度
110
120
無
346
胃潰瘍
中等度
121
540
無
340
上気道感染
喘息
軽度
軽度
332
335
341
341
無
無
γ-GTP 上昇
軽度
30
401
有
AST(GOT)上昇
ALT(GPT)上昇
軽度
軽度
142
142
261
261
有
有
処置および
その期間 c)
(日目)
一時中止
(2〜3)
一時中止
(20〜48)
一時中止
(81〜84)
一時中止
(100〜100)
減量(0.3 mg/日)
(116〜150)
転帰
回復
回復
回復
回復
回復
回復
P/GT 群
01-02
02-04
05-01
06-03
06-05
男
プラセボ
32
女
0.100
27 [ 0.0023 ]
男
0.3
31 [0.0034]
女
0.3
32 [0.0051]
女
0.2
56 [0.0029]
14-09
男
23
0.2
[0.0035]
0.2
[0.0034]
0.2
[0.0034]
0.2
[0.0034]
0.100
[ 0.0024 ]
17-01
男
23
0.200
[ 0.0031 ]
07-01
17-03
18-02
19-04
女
26
男
0.3
60 [0.0039]
男
0.5
18 [0.0062]
0.2
女 [0.0030]
26
0.6
[0.0088]
336
337
減量(0.4 mg/日)
回復
(86〜336)
一時中止
回復
(20〜22)
一時中止
回復
(6 日間 g))
回復
減量(0.2 mg/日)
(134〜336)
回復
減量(0.2 mg/日)
(85〜140)
回復
(211〜336)
一時中止
回復
(114〜118)
一時中止
回復
(180〜183)
一時中止
回復
(298〜298)
一時中止
回復
(333〜334)
中止
後遺症を
(71)
残し回復
一時中止
(111〜113)
回復
(117〜119)
一時中止
回復
(121〜121)
一時中止
回復
(7 日間 g))
回復
減量(0.5 mg/日)
(177〜337)
未回復 f)
回復
回復
a)有害事象発現時の投与量または発現直近の投与量,[ ]内は 1 日あたりの投与量を直近の来院時に測定した
体重で除して算出した(単位;mg/kg/日), b)076 試験の投与期間
c)076 試験の投与開始日を 1 日目として算出,d)無:因果関係なし 有:因果関係が否定できない
e) 075 試験にてプラセボ服薬期間中(076 試験にてジェノトロピンの初回投与を受ける 18 日前)に「筋(肉)
痛」を発現した。本事象が未回復のまま 076 試験に参加し,ジェノトロピンを 0.3mg/日で開始し,投与 4 週後
から 0.6mg/日に増量した。投与後 86 日に 075 試験で発症した筋(肉)痛が悪化したため 0.4mg/日まで減量し,
試験終了(336 日目)まで 0.4mg/日の用量を継続した。
f) 未回復であった症例はいずれも慢性化・安定した,g) 一時中止した日数のみ報告された
一部引用:076 試験総括報告書 別添 3.7.1 表 1.1.1,1.1.2,2.1.1,2.1.2
2.7.4.2.1.5
器官別または症候群別有害事象の解析
本項ではジェノトロピンの投与と特に関連する器官別および症候群別の安全性について検討し
た。検討項目は発現頻度の高かった器官別分類,体液貯留,糖質代謝,腫瘍,痙攣および心血管
系の事象とした。体液貯留は AGHD に対する GH 治療で最も頻度の高い副作用であること,糖質
2.7.4.2 有害事象
ジェノトロピン
Page 114
代謝は成長ホルモンの抗インスリン作用に関連するため,腫瘍,痙攣および心血管系の事象は
AGHD の原疾患と予後に関連するため検討することとした。
2.7.4.2.1.5.1
有害事象の器官別大分類
075 試験と 076 試験を通算した期間において実薬を投与された集団における発現頻度の高かっ
た器官別大分類は,呼吸器系障害 45 例(61.6%)
,精神障害 36 例(49.3%)
,筋・骨格系障害 31
例(42.5%),一般的全身障害 33 例(45.2%)および消化管障害 30 例(41.1%)であった。その
うち治験薬との因果関係が否定できないと判断されたものはそれぞ 3 例(4.1%),14 例(19.2%)
,
17 例(23.3%)
,18 例(24.7%)および 8 例(11.0%)であった(2.7.4.2.1.1 表 6 参照)
。
2.7.4.2.1.5.2
体液貯留
AGHD 患者では細胞外液が減少しており,成長ホルモンの補充は細胞外液を貯留する方向に作
用するため,体液貯留関連の有害事象はこの正常化の過程における過剰反応と考えられる。AGHD
患者の初期用量として高用量を設定した場合に GH の水分代謝に対する影響により水分貯留によ
る浮腫などの副作用が発現することが知られている。国内試験において体液貯留に関連した有害
事象で高頻度に認められたものには,関節痛,緊張亢進,筋(肉)痛,および浮腫があった。
そこで,米国申請資料である安全性統合概要を参考に 075 試験,076 試験で認められた関節痛,
筋(肉)痛,腱炎,腱鞘炎,緊張亢進,知覚減退,異常感覚,顔面浮腫および浮腫の有害事象を
体液貯留関連有害事象と定義し,総発現頻度を各試験の群別に集計し表 20 表 21 に示した。
なお,本項の 076 試験の有害事象の集計では,076 試験移行時に既に発現していた有害事象は
加算せず,076 試験移行後に発現した事象のみ対象とした。
表 20
国内試験で発生した体液貯留に関連した有害事象の発現頻度
因果関係を問わない
試験名
075
076
表 21
群
発現例数
GT 群(症例数:37)
16
P 群(症例数:36)
5
11
GT/GT 群(症例数:35)
11
P/GT 群(症例数:36)
発現件数
24
9
21
24
発現頻度(%)
43.2
13.9
31.4
30.6
国内試験で発生した体液貯留に関連した有害事象の発現頻度
因果関係を否定できない
試験名
075
076
群
GT 群(症例数:37)
P 群(症例数:36)
GT/GT 群(症例数:35)
P/GT 群(症例数:36)
発現例数
15
3
9
6
発現件数
22
7
17
19
発現頻度(%)
40.5
8.3
25.7
16.7
075 試験の体液貯留関連有害事象は P 群において 5 例(13.9%)9 件認められたのに対し,GT
群において 16 例(43.2%)24 件に認められた。GT 群において治験薬との因果関係を否定できな
いと判断されたものは 15 例(40.5%)22 件であった。なお,075 試験では盲検性を保持するため
2.7.4.2 有害事象
ジェノトロピン
Page 115
に血中 IGF-1 値による GH 投与量の用量調節は行わず,強制的に GH 投与量を漸増するスケジュ
ールであった。
投与量は投与開始 4 週間では 0.003mg/kg/日,投与 4 週間から 8 週後では 0.006mg/kg/
日,投与 8 週から投与 24 週後では 0.012mg/kg/日であった。
一方 076 試験においては,
初期投与量として 0.003 mg/kg/日を 8 週間投与後,
個々の患者ごとに,
血中 IGF-1 値が性別・年齢別基準内に収まるように治験責任(分担)医師の判断で適宜増減した。
076 試験からジェノトロピンを投与開始したのは P/GT 群であり,GT/GT 群は 075 試験においても
ジェノトロピンを投与されていた群である。体液貯留関連有害事象は GT/GT 群においては 11 例
(31.4%)に 21 件発現し,そのうち治験薬との因果関係が否定できないと判断されたものは 9 例
(25.7%)17 件であった。また P/GT 群においては 11 例(30.6%)に 24 件発現し,そのうち治験
薬との因果関係が否定できないと判断されたものは 6 例(16.7%)19 件であった。
体液貯留関連有害事象のうち中等度のものは,075 試験において 5 例 5 件に認められ,その有
害事象名は筋(肉)痛,腱炎,腱鞘炎,知覚減退および浮腫であった。076 試験においては 3 例 3
件に認められ,有害事象名は筋(肉)痛,腱炎,腱鞘炎であった。その他の有害事象はすべて軽
度であった。
実薬群を試験間で比較した場合,075 試験の GT 群で観察された発現頻度は,076 試験の GT/GT
群および P/GT 群のいずれの群よりも高かった。
体液貯留に関する有害事象が原因で投与を中止した患者は 075 試験において 1 例(有害事象名:
浮腫)が観察された。この症例は浮腫発現後治験薬を減量したものの,回復しなかったため中止
に至った。中止例以外には,治験薬の減量が必要となった症例が 075 試験の GT 群において 3 例,
076 試験においても 2 例観察された。
次に国内 2 試験期間中に観察された体液貯留関連有害事象の経時的発現件数を表 22 に示した。
体液貯留関連の有害事象はジェノトロピン投与 0〜24 週では 45 件,24〜48 週では 22 件,48〜72
週では 6 件と経時的に減少していることが認められた。
表 22
075/076 試験での体液貯留関連有害事象経時的発現件数
ジェノトロピン投与
開始からの経過週数
症例数
有害事象発現件数
体液貯留関連有害事象
浮腫
関節痛
緊張亢進
筋(肉)痛
知覚減退
腱鞘炎
腱炎
異常感覚
顔面浮腫
0〜24 週
24〜48 週
48〜72 週
73
349
件数
45
11
11
8
7
3
1
1
2
1
68
255
件数
22
8
6
2
4
1
1
0
0
0
35
69
件数
6
0
3
2
1
0
0
0
0
0
引用:076 試験総括報告書 表 12.2.1
2.7.4.2 有害事象
ジェノトロピン
2.7.4.2.1.5.3
Page 116
糖質代謝
検討された糖質代謝に関連する臨床検査項目は,糖化ヘモグロビン含量(HbA1c%)および尿糖
であった。
尿糖に関する有害事象は報告されなかった。HbA1c 上昇が 1 例(被験者識別コード 14-04)に
075 試験および 076 試験を通じて観察され,有害事象名は糖尿病悪化(WHO-ART)であった。こ
の症例は 075 試験では GT 群,076 試験では GT/GT 群であった。この被験者は高度の肥満(BMI:
31.9)であり,ベースライン値は正常上限値の 5.8%であった。075 試験では基準範囲上限値の 5.8%
からジェノトロピン投与後 6.1〜6.6%に上昇し,異常変動と判定された。076 試験では 5.5〜6.1%
で推移した(表 23)
。
表 23 HbA1c%の推移(被験者識別コード 14-04)
ジェノトロピン
投与期間
0
4週
8週
12 週
24 週
36 週
48 週
60 週
72 週
HbA1c(%)
(基準値:4.3%〜5.8%)
5.8
6.1
6.4
6.6
6.1
5.5
5.6
5.7
6.1
引用:075 試験総括報告書 別添 7 表 4-1,076 試験総括報告書 別添 3.7.1 表 2.1.1
この事象は治験薬との因果関係が否定できないと判断された。重症度は軽度であった。
次に,075 試験の GT 群および P 群の 1 例ごとの推移を図 1,図 2 に示した。報告された 1 例
以外は正常範囲で推移した。
なお,国内試験においては糖尿病患者は除外とされており,また治験中に糖尿病を発現した被
験者はなかった。
GT 群
HbA1C (%)
8
P群
HbA1C (%)
8
6
6
4
4
2
2
投与開始時
4 週後
8 週後
12 週後
24 週後
投与開始時
観察時期
図 1
GT 群における HbA1c(%)の推移
2.7.4.2.1.5.4
4 週後
8 週後
12 週後
24 週後
観察時期
図 2
P 群における HbA1c(%)の推移
腫瘍
076 試験においては,続発性癌〔症例報告書の記載:腫瘍の再発(頚髄)
〕および頭蓋咽頭腫〔症
例報告書の記載:頭蓋咽頭腫嚢胞内容液の増大〕が認められ,重篤な有害事象として報告された。