書 アンダーソン･毛利･友常法律事務所 中国法令調査報告書 報告日：2007 年 6 月 21 日 管理番号：20070621-1 今回のご報告のポイント 本通知は、2007 年 7 月 1 日より、中国から輸出される商品について、その輸出に伴 う増値税の還付率を調整（取消、引下げ及び免税）することを規定したものである。 本通知により増値税の還付率が見直される品目は 2800 以上にのぼり、新聞等では過去 最大規模の見直しと報道されている。このうち、533 品目がそもそも増値税の還付を取 消す内容であり、またその他の部分も殆どが増値税の還付率の引下げとなっている。 増大する貿易黒字の解消と共に、資源･エネルギー関連製品の流出を防止することが主 眼に置かれているものと考えられる。なお、一部契約期間が長期なもの、又は造船等 早急な対応が困難な製品については、2007 年 7 月 20 日までに主管税務機関での報告・ 登記を行った上での過渡期間が設けられている。 １． 法令等の名称・番号 中国語名称： 関于調低部分商品出口退税率的通知 日本語訳： 一部商品の輸出還付税率引下げに関する通知 法令番号： 財税[2007]90 号 （ソース）財政部ウェブサイト ２． 公布した政府部門 財政部国家税務総局 ３． 発表日 2007.6.19 ４． 施行日 2007.7.1 ５． 分野 税法（関税法、輸出増値税還付関連法） ６． 概要・コメント 1 一. 本通知は、一部商品の輸出について増値税の還付率を調整するものである。本通知の 主な内容は以下のとおりである。 二. 以下の商品の輸出税還付を取消す (本通知一)。 1. 絶滅の危機に瀕している動物、植物及びその製品 2. 塩、ソルベント油、セメント、液化プロパン、液化石油ガス等の鉱産品 3. 肥料（既に税還付が取消された尿素及び燐酸水素二アンモニウムを除く。） 4. 塩素及び染料等の科学工業製品 5. 金属炭化物及び活性炭素製品 6. 皮革 7. 一部の木版及び使い捨て木製製品 8. 一般の普通炭素溶接パイプ製品（石油井鋼管を除く。） 9. 非合金アルミ製のポール等の簡単な非鉄金属加工製品 10. ブロック構造式の船舶及びエンジンの無い船舶 具体的な商品名称及び税則番号は以下のウェブサイトを参照されたい。 http://www.gov.cn/jingtai/20070620-3.xls 三. 以下の商品の輸出還付税率を引き下げる（本通知二）。 1. 植物油の輸出還付税率を 5％に引き下げる。 2. 一部の化学品の輸出還付税率を 9％又は 5％に引き下げる。 3. プラスチック、ゴム及びその製品の輸出還付税率を 5％に引き下げる。 4. 鞄の輸出還付税率を 11％に引下げ、その他の皮革･毛皮製品の輸出還付税率を 5％ に引き下げる。 5. 紙製品の輸出還付税率を 5％に引き下げる。 6. 被服の輸出還付税率を 11％に引き下げる。 7. 靴･帽子、雨傘、羽毛製品等の輸出還付税率を 11％に引き下げる。 8. 一部の石材、セラミック、ガラス、真珠、宝石、貴金属及びその製品の輸出還付 税率を 5％に引き下げる。 9. 一部の鋼鉄製品（石油井鋼管を除く。）の輸出還付税率を 5％に引き下げる。「財 政部･国家税務総局による海洋工事構築物への増値税還付の実施に関する通知」 （財税［2003］46 号）に規定する国内販売される海洋工事構造物は、なお元の還 付税率が執行される。 10. その他の卑金属及びその製品（既に輸出税還付が取り消し及び今回取り消される 商品及びアルミ箔、アルミ管、アルミ製の構造体を除く。）の輸出還付税率を 5％ に引き下げる。 11. 平削盤、スロッター、切断機、ブローチ盤の輸出還付税率を 11％に引き下げる。 ディーゼルエンジン、ポンプ、送風機、排気バルブ及び部品、回転炉、コークス 2 炉、ミシン、書類綴じ機、ゴルフ用カート、雪上車、自動二輪車、自転車、トレ ーラー、昇降機及びその部品、機関車、溶接機器等の輸出還付税率を 9％に引き 下げる。 12. 家具の輸出還付税率を 11％又は 9％に引き下げる。 13. 時計、玩具及びその他の雑項目製品の輸出還付税率を 11％に引き下げる。 14. 一部の木製製品の輸出還付税率を 5％に引き下げる。 15. ビスコース繊維の輸出還付税率を 5％に引き下げる。 具体的な商品名称及び税則番号は以下のウェブサイトを参照されたい。 http://www.gov.cn/jingtai/20070620-1.xls 四. 以下の商品を輸出免税に改める（本通知三） 。 落花生の実、油絵、装飾版、切手、収入印紙等 具体的な商品名称及び税則番号は以下のウェブサイトを参照されたい。 http://www.gov.cn/jingtai/20070620-2.xls 五. 執行時期（本通知四）。 以上の商品の輸出還付税率の調整は、2007 年 7 月 1 日より執行する。具体的な執行時 期については、税関の「輸出貨物報告表（輸出税還付用）」上に明記されている輸出 の日時を基準とする。 輸出企業が、2007 年 7 月 1 日以前において既に、輸出税還付の取り消された船舶の輸 出契約を締結し、2007 年 7 月 20 日以前に輸出契約（正本及び副本）を、輸出税還付 を主管する税務機関に持参して報告を登記したときは、なお元の輸出還付税率に基づ き執行を完了することを許可する。2007 年 7 月 20 日以前に報告手続を行わなかった ときは、全て輸出税還付取消に基づき執行する。 外国に対する工事を請負う性質を有する輸出企業が、2007 年 7 月 1 日以前において既 に落札した長期の対外請負工事又は既に締結した価格を変更できない長期の対外請 負工事契約に関する輸出設備及び建材は、一般に 2007 年 7 月 20 日以前に有効な落札 証明（正本及び副本）又は既に締結した長期の対外請負工事契約（正本及び副本）及 び工事概算明細書を、輸出税還付を主管する税務機関に持参して報告を行ったときは、 なお元の輸出還付税率に基づき執行を完了することを許可する。2007 年 7 月 20 日以 前に報告手続を行わなかったときは、全て輸出税還付取消に基づき執行する。 以上 3
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