アジア視点の 国際生態リスクマネジメント

VOL.186
Public Relations Magazine
横浜国立大学
広報誌
特集
YOKOHAMA NATIONAL UNIVERSITY
横浜国大の
[ 第 1 回 研究最前線]
アジア視点の
国際生態リスクマネジメント
アジア視点の3つの意味
アジア視点を世界に説く人材を育てる
ー先端的教育・研究を実践 ー 環境情報研究院の研究
[ 研究室探訪]
武岡則男 准教授( 経済学部 経済システム学科 )
清田友則 准教授( 教育人間科学部 マルチメディア文化課程 )
馬場俊彦 教授( 工学研究院 知的構造の創生部門 )
[ 研究施設・センター紹介]
企業・地域との架け橋
「企業成長戦略研究センター 」
横浜国立大学
2008年、YNUの年間テーマは
横浜国大の
大学の主な使命は
「 研究 」と
「 教育 」です。本号では、横浜国立大学にお
ける人文・社会・自然科学研究の最前線の一端をご紹介します。最前線の
研究とは、その対象が新しいものとは限らないでしょう。よく知られた古
典に、斬新な解釈の光をあてた研究に、若き日の私はワクワクしたことが
ありました。優れた研究は学生を魅了し、教育をより充実させるにちがい
ありません。横浜国立大学が
「 実践性 」
「 先進性 」
「 開放性 」
「 国際性 」に富
んだ研究で満ち溢れることをご期待ください。
横浜国立大学広報誌
CON T EN TS
02
VOL.186
Public Relations Magazine
特集 横浜国大の研究力。
[ 第 1 回 研究最前線]
アジア視点の国際生態リスクマネジメント
アジア視点の3つの意味
アジア視点を世界に説く人材を育てる
ー先端的教育・研究を実践ー 環境情報研究院の研究
01 YNU
06
[ 研究室探訪]
09
[ 研究施設・センター紹介]
武岡則男 准教授( 経済学部 経済システム学科 )
清田友則 准教授( 教育人間科学部 マルチメディア文化課程 )
馬場俊彦 教授( 工学研究院 知的構造の創生部門 )
企業・地域との架け橋「企業成長戦略研究センター 」
12
TREND! YNU
13
主なメディア掲載情報
( 2008 年 4 月- 8月)
特集
特集 横浜国大の
[ 第1回 研究最前線]
21世紀 COEからグローバルCOEプログラムへ
アジア視点の
国際生態リスクマネジメント
「21世紀における日本を代表する大学」
を意味するとも言えるのがCOEプログラムです。
横浜国立大学では、21世紀COEプログラムに続いて、グローバルCOEも採択
(2件)
されています。
その中から今回は「アジア視点の国際生態リスクマネジメント グローバルCOEプログラム」のリーダー、
松田裕之教授にお話を伺いました。
松田裕之/生態リスクグローバルCOE プログラムリーダー
聞き手= COE リサーチアシスタント/深澤圭太、秋田鉄也、太田藍乃
アジア視点の3つの意味
のが現状です。その中で、我々は三つの点に注目して取り
—— まず、グローバル COE とはどのようなプログラム
一つめは
「 リスク 」という言葉です。これは、私の前任者
なのでしょうか。
である中西準子教授らを始めとして、ずっと培ってきた本
組んでいます。
学の伝統です。その中で私たちが 21 世紀 COE を引き継ぐ
松田 2002 年 より、文部科学省 が 日本 の 各分野 におけ
ときに考えたのは、欧米だけではなくアジアの視点を取り
る 研究教育拠点 を 約 30 選定 し 盛 り 立 てていく
“ 21 世紀
入れることです。アジアはこれから経済発展しながら、同
COE( Center Of Excellence )プログラム ”の募集を開始
時 に 様々 な 環境問題 と 共存 しなければならないため、今
しました。本学 では、環境情報 から
「 生物・生態環境リス
後環境が問題になるのはアジアだと思われます。更に、ア
クマネジメント 」
( リーダー:環境情報研究院 浦野紘平教
ジアの 環境問題 の 影響 は 日本 にも 跳 ね 返 ってきます。こ
授/現 同研究院特任教授 )と、工学から「 情報通信技術に
の COE は、アジア 視点 で 生態 リスクを 考 えていこうとい
基づく未来社会基盤創生 」
( リーダー:工学研究院 河野
うものです。
隆二教授 )が採択されました。
2007 年からは採択件数を減らし、より国際的な教育研
究拠点 として 募集 が 始 まったのが
“ グローバル COE ”で
す。本学 からは、21 世紀 COE からの 流 れを 汲 んだ 本 プロ
グラムと、工学からも採択されました。
—— 本学で採択されているグローバル COE プログラム
のうち、松田教授がリーダーの「アジア視点の国際生態リ
スクマネジメント」の特色を教えてください。
松田 昨年度、
「 生態 」をテーマ名に掲げた全国で唯一の
グローバル COE です。今年度 はもう 一 つ 採択 されました
が、生態学分野 で 採択 されるプログラムは 非常 に 少 ない
本学の環境保全林と松田教授
宮脇昭、青木淳一、中西準子、浦野紘平ら先代の学統をひきつぐ
YNU 02
二つめは「 予防的順応的管理 」というものです。気候変
十分で、第 3 の道を考えていきたい。すなわち経済発展し
動問題などに見られるように、特にヨーロッパでは、よく
ながら、これから環境政策を議論しなければならないアジ
わかっていないことでも 早 め 早 めの 対策 を 取 ろうという
アにおいて、予防的順応的管理に基づく持続可能なモデル
予防原則をとります。一方、アメリカにおいては、どちら
を構築する必要がある、と私達は考えています。
かと言えば順応的管理をとります。これは、とりあえずわ
そして、世界の中で日本がこれからどういった環境政策
からないことはやってみて、結果に応じてフィードバック
をとっていくのか。それは、端的 にいえば、日本 はアジア
するという管理方策です。
においてどういった役割を果たしていくのかということで
このように、欧米の取り組みはかなり違うように見え、
す。そのためのいわばモデルというか、考え方を我々が少
我々はこれらを統合した方法を選ばなければならないと
しでも提案できれば、この COE は成功と言えるでしょう。
考えています。
「 予防的順応的管理 」とは、予防原則で一
度規制したものでも後から検証にかけ、この検証のプログ
—— アジアで持続可能なモデルを構築していくという
ラムを具体的に作るべきであるという考え方で、これを進
目標の中で、どんな困難が想定されますか。
めることにより、良い方向へ向かうと考えています。
三 つめは「 共同管理
( co-management )
」というもので
松田 困難というよりはむしろ我々だからできる、と思っ
す。ヨーロッパやアメリカは、法制度でいかに規制をするか
ています。技術の問題、政治的理念の問題、地域の人々と
ということに主眼が置かれていますが、日本には、法律が
実際に合意形成を図るという、いわば社会の問題、これら
定まる前に自主的に業界や当事者間で規制する仕組みが
を同時に行わない限りはどんな技術も実現しないのです
あり、例えば漁業であれば漁業協同組合主体で管理が行わ
が、こういった考え方を我々は既に提案しています。それ
れています。そこで我々は、共同管理を生かすための法制
は 21 世紀 COE の 時 に 提案 した 合意形成 の 手続 きの 基本
度という観点から取り組むことが大切だと考えています。
形のなかで、科学者とステークホルダーとの関わり方につ
いて言及したものです。
—— この COE で掲げるアジア視点とは、具体的にどの
具体的には、価値判断は地元の人が決め、彼らがやりた
ような視点なのでしょうか。
いことがどの程度現実的でどんな問題点があるのか、そし
てそれを 分析 することが 科学者 の 役目 だ、という 指針 で
松田 アジアが今後発展していく中でリスクをゼロにす
す。このような関わり方ができれば、本学の COE グループ
るのではなく、環境へのリスクがあることを承知しながら
だからこそアジアで 持続可能 なモデルを 構築 できるだろ
そのリスクと経済発展の調和を図っていく、という視点で
う、と 期待 しています。これは、アジアであろうが 日本 の
すが、裏を返せば実は日本は世界でどういった位置づけに
どこかの地域であろうが重要な点です。
なるのか、ということを問わなければなりません。国内の
環境政策を見ていると、アメリカ的
( 順応的)
かヨーロッパ
—— このCOEのこれまでの成果について教えてください。
的
( 予防的)
かと問われる政策が非常に多く見られます。
例えば、遺伝子組み換え作物であれば、市民の側はヨー
松田 この COE で、社会を変えつつあるものはいくつか
ロッパ 的 に 厳 しくしよう、政府側 はアメリカ 的 にもう
ありますが、ここでは二つ紹介します。
ちょっと導入しよう、もしくはそのどちらにするかといっ
一 つは 気候変動問題 です。ゴア 前米副大統領「 不都合
た議論になっていることが多々あります。実はどちらも不
な真実 」にあるように、これから大変なことが起こる、何
アライグマの分布拡大予測
GCOE に お い て は、外 来 生 物
侵入 リスクの 将来予測 にも 取
り組んでいる
左図:2004 年 のアライグマ 分
布域
右図:2034 年の予測分布域
03 YNU
特集
が何でも温室効果ガス排出削減を第一の至上目的として
対策を取るべきだ、という世論が非常に強まりましたが、
少しずつ変わってきています。
私達がまず考えるのは、気候変動そのもののリアリティ
を冷静に見つめてきちんと社会に発信していくこと、そして
「 悔いの無い政策」
です。
温室効果ガスによって気温が何度上昇するからどうしよ
うか、というような議論が先走っている気がします。気候
変動対策は必要ないということではなく、省エネルギー・
省資源というのは気温の上昇に関係なく重要なことです。
つまり、気候変動そのものが問題ではなく、生態系サービ
スや、洪水の発生・感染性などをトータルに見て、実際に人
間にどういった影響が出るのかを総合的に判断し、減らす
ことを考えるべきです。
尾瀬国立公園
( 撮影 : 浦田悦子氏)
地元の関係者が自主管理の道筋を考え、実践している地域である
例えば、温暖化による食料不足が進行し、餓死者が増え
知床は日本で初めて、世界遺産の登録地として海が加え
るという予測がありますが、温暖化対策のために食料を作
られましたが、そこでは普通に沿岸漁業が行われているた
る農地を減らしてバイオ燃料を作ることは本末転倒です。
めに問題になりました。しかし日本の沿岸漁業は、自然豊
それによって得られるバイオ燃料は石油の代替資源として
かな知床のような海において、共同管理に委ねることで大
は極々わずかなので、食料を作ったほうがいい。そういった
変うまくいっている側面があります。これも世界遺産の報
当たり前の計算が成り立たないような社会情勢になりかけ
告書を通して、共同管理によるボトムアップの取り組みを
ています。
国際的に発信することが可能になってきました。
このような問題はきちんと分析し、人間の幸せが損なわ
れない政策が必要です。そこに警鐘を鳴らしていくことは、
アジア視点を世界に説く人材を育てる
この COE で当初から取り組んでおり、我々の訴えることが
マスコミにも取り上げられつつある、といった段階にあり
――この COE が目指すゴールとは何でしょうか。
ます。
もう一つの成果は、二つの自然公園での取り組みです。
松田 21 世紀 COE は研究主体でしたが、グローバル COE
尾瀬国立公園と知床世界遺産は、どちらも国だけが管理し
は教育主体です。つまり、国際的に活躍する若い人材を育
ているものではなく、地元の関係者が自主的な共同管理の
てることがグローバル COE のゴールなのです。そういう
道筋を考えて実践しています。
意味では、個々のプロジェクトはそれぞれ予算を取ってど
先日、尾瀬の国立公園で環境省主催の国際シンポジウム
んどんやっていってもらえればいいわけで、その中で人材
があり、我々のメンバーである国際社会科学研究科加藤峰
を育てていく仕組みを大学に作っていく、ということが非
夫教授がコーディネーターを務めました。そこで外国の方
常に重要です。
から
「 このような取り組みは非常に重要だから、国際的に
そのために、私たちは国立環境研究所と連携しており、
しっかり発信すべきだ 」
という意見がありました。
国立環境研究所の中で手がけている最先端の研究、例え
知床における野生生物管理
左図:知床岬 に 自然
定着したエゾシカ
( 岡田秀明氏撮影)
右図:北海道 のトド
駆除数および被害額
の推移
エゾシカやトドの 絶
滅リスクと植生や漁
業への被害の双方を
低減するリスク管理
が急務
YNU 04
特集
ば 気候変動問題 や 外来種問題 などに 関 するものとタイ
人材の育成にとって重要だと思っています。
アップしながら、学生 にも 刺激 を 与 える 方法 を 考 えてい
ます。
—— 本日はありがとうございました。
また、リスクを全て避けるのではなく、実際の危険性と
その対応策・政策を見極める科学的リテラシーを育てるこ
とも重要です。単に警鐘を鳴らすだけの人材を育てようと
するものではありません。
横浜国立大学グローバル COE ホームページ
http://gcoe.eis.ynu.ac.jp/index.html
—— どのようにして人材を育成していきますか。
松田 この COE では、COE フェローやリサーチアシスタ
ントの学生に自由に研究してほしいと考えていますので、
彼 らの 自主的 な 取 り 組 みというものを 重視 したい。これ
は他の研究プロジェクトと大きく違う点です。とは言って
も、生態リスクという広いテーマがあるわけですから、そ
の中で自分の研究がどう位置づけられるかを文章化する
生態リスクグローバルCOE プログラムリーダー
環境情報研究院 教授
能力 を 身 につけてもらい、きちんと 自分達 の 研究成果 を
松田裕之
挙げてほしいです。
まつだ ひろゆき
1957 年生まれ。理論生態学者。生態
更に重視したいのが、国際的な交渉力の育成です。例え
系管理、保全生態学の分野では第一
ばシンポジウムで企画を組みたい、そのために外国から人
人者。主な著書に
『「 共生 」
とは何か 』
を呼びたい、ということをできるだけ支援していきます。
( 現代書館)
、
『 環境生態学序説 』
、
『ゼ
ロからわかる生態学 』
、
『 生態リスク学
というのは、シンポジウムや雑誌の特集などを自由に組ん
入門 (
』 以上共立出版)など。
でいくのは大変重要なことだと考えており、それを私の指
[email protected]
示通りではなく、自分の頭で考え、作り出していくことが
–先端的教育・研究を実践 –
環境情報研究院の研究
環境情報研究院長 有馬 眞
環境情報研究院は、環境問題領域と先端的な情報
度)である。このプログラムは評価の高い成果を挙げ、
科学領域との融合的先端学際分野での実践的な研究
発展的 にグローバル COE プログラム
「 アジア 視点 の
を 推進 することを 目的 としており、社会的 ニーズが
国際生態 リスクマネジメント 」教育研究拠点形成事
時間とともに大きく変化する流動性の高い分野を対
業( 2007 ~ 2011 年度 )へと 継承 された。この 拠点形
象 としている 点 に 特徴 がある。本研究院 における 研
成事業に対して人的資源、研究費、研究スペースなど
究は、個々の教員の創造性に基づき研究室単位で行
を集中投資し研究支援を行なっている。
われる 基礎的 な 研究 と、複数 の 教員 からなる 研究 グ
ループによる 計画的 な 研究 を 基本 としており、大規
環境情報研究院長
模な戦略的プロジェクトに発展する芽を育成するた
有馬 眞
めに、9 件の
「 基軸プロジェクト 」を認定し予算の重点
的配分を行っている。
本研究院 には、これまでに 伝統的 に 強 い 研究 グ
ループがいくつか存在し、実績をあげてきた。その内
の 一 つが、21 世紀 COE プログラム「 生物・生態環境
リスクマネジメント」拠点形成事業
( 2002 ~2006 年
05 YNU
ありま まこと
1948年生まれの地球科学研究者。カナダ、
インド、アフリカなど大陸地域の地質学的研
究を行なっている。主な著書に、
『 岩波講座・
地球惑星科学・地球進化論
( 共著 )(
』岩
波書店 )
、
『 新しい 地 球 史( 共 著 )』
、
『伊
豆・小笠原弧の衝突・海から生まれた神奈川
( 共著)(
』 以上有隣堂 )
など。
[email protected]
研 究 室 探 訪
第 1 回
Laboratory visit.
このコーナーでは、経済学部・教育人間科学部・工学研究院の研究室における
最前線の研究と学生の活動の様子を、学生の取材によりお伝えします。
僕達はどうやって意思決定をしているのか
武岡則男 准教授( 経済学部 経済システム学科
File :001
専門:理論経済学)
聞き手:白川智広
( 経済学部経済システム学科 4 年)
ト・デザインの 重要 な 参考 となるで
しょう。
—— 英語は重要でしょうか。
りできるとよいですね。
—— 高校生・大学生に対して一言。
皆 さんの 今 までの 勉強 は、基礎的
経済学は世界中で研究されていま
な 知識 を 覚 えることが 中心 だったと
すので、自分 の 研究 を 伝 えるために
思 いますが、大学 は 基本原理 を 学 ぶ
は、英語 で 論文 を 書 き、発表 するこ
ところです。基本原理 は 即役立 つス
とが必要です。一部の分野を除いて、
キルではありませんが、しっかり学び
基本的に経済学を勉強するには英語
修得すれば陳腐化せずにどんな場面
は 必須 です。また 私 の 研究分野 では
でも活かせます。そして経済学はその
ほとんどが英語の文献です。
基本原理がしっかりしている学問で
英語は博士を得た米国ニューヨーク
す。来年以降開講されるゼミでも、こ
州のロチェスター大学で主に勉強しま
うした 基本原理 を 身 につけてくださ
した。日本人など英語を外国語として
(武岡先生のゼミは来年度から開講)
い。
個人単位でみた不確実性と異時点
使う人には不利な部分がありますが、
また、経済学 の 基礎理論 を 理解 し
間 の 制約 のもとで、どういうプラン
英語が基本である以上、割り切って英
た 上 で、自分 で 考 える 力 を 身 につけ
を立てればいいのか研究しています。
語と付き合おうと思いました。
てほしいと 思 います。教育的 な 立場
インタビューを受けている武岡准教授
—— こんにちは、先生の研究につい
て教えてください。
世 の 中 は 不確実性
( 今後 どうなるか
分からない状況)
や異時点間
( 現在と
未来 のように 時間 を 考慮 した 状況 )
—— 今後の研究目標を教えてくだ
さい。
での 意思決定 で 満 ち 溢 れています。
現在の研究は個人の意思決定に関
その中で個人がどのように意思決定
するものですが、個人 が 複数集 まっ
するかを 考 えることは、経済学 はも
た 際 にどのような 現象 が 起 こるかを
ちろん、社会学 や 心理学 とも 関連 し
説明 するゲーム 理論 につなげていこ
て重要なテーマです。
うと 思 います。ゲーム 理論 を 応用 し
私 の 現在 の 研究 では、理性 と 欲望
た現実の制度設計の問題にも、意思
の両面を持つような個人の意思決定
決定理論 の 知見 を 反映 させること
プロセスと選択行動を数理モデルを
で、より 妥当 な 制度設計 ができると
用 いて 説明 しようとしています。こ
思います。
のような 研究 は、個人 にとって 望 ま
また経済実験を行って、自分の理
しい 政策 とは 何 かを 考 えたり、企業
論 の 当 てはまりを 検証 したり、実験
におけるマーケティング、マーケッ
結果 を 理論 にフィードバックさせた
からは、そのような 学生 を 育成 する
ことで社会貢献できると思います。
—— 本日はありがとうございました。
武岡教官室でインタビュー中に盛り上がる武
岡先生、マッコーレー先生
( YNU 編集委員 )
、
白川さん
YNU 06
学生との対話を通じて現代文化の精神分析を
File :002
清田友則 准教授( 教育人間科学部 マルチメディア文化課程 専門:文化政治批評、精神分析)
聞き手:臼井美恵
( 環境情報学府 博士課程後期 1 年)
清田ゼミでは幅広
い社会的テーマを
とりあげ、各自 の 考
えをぶつけあって
議 論 し て い く。先
生と学生の対話の
キャッチボールは
実 に 軽妙 で、アット
ホームな雰囲気だ
私はあまり特定分野の研究という
ことにとらわれずに、浅く広く追求す
る、という考え方です。いわば教養教
育 をベースにした 敷居 の 低 さが、私
の研究スタイルといえます。別の言い
方をすれば、専門に逃げこむことで一
種 の 安心感 はあるけれど、果 たして
それでいいのか。専門性を身にまとっ
てはいるが、本質的 に 何 もない 自分
に気づくことにはならないか。
私の研究は絶え間ない自分に対す
る教育でもあり、それが結局、社会に
対 する 視座 にもつながるものと 思 い
ます。
―― 研究室の活動についてお聞かせ
大変人気のあるゼミだと聞きました
—— 今後の研究目標をお聞かせく
くだ さい。
が、このゼミが学生を惹きつける理
ださい。
研究というより、もっと広くとらえ
由とは何でしょうか。
臨床というよりも文化面での精神
ていいですね。大学ではあまりやらな
それは、ひとえにマルチメディア
分析について研究したいと考えてい
い 批評 を 行 っています。対話 を 通 じ
文化課程の学生の特徴といえるので
ます。自分 にとっても 非常 に 身近 な
て学生の考えを知ることが大事だと
はないでしょうか。
問題 を 取 り 上 げて、今後 も 研究 した
思 っていますので、学生 が 関心 ある
社会に直結する実践的な課程とは
いですね。特に性的風俗の問題は、文
テーマを 自 ら 追求 していくことを 私
異なり、大学を卒業して就職、という
化のレベルで一種の共有化がなされ
のゼミでは奨励し、日常的な方法論と
流れの将来像が描けない学生が多い
ているようですが、わからないことが
して取り入れています。
と 言 えます。大学 では 自 らの 可能性
多 いと 思 うので、今後 の 研究目標 と
を 模索 しているように 感 じられます
いえます。
―― 具体的に学生が関心を持って
いるテーマをお聞かせください。
が、就職 することはあまりかっこよ
くない、でもせざるを得ない。それを
オタク文化から最近起きた社会的
どう 見 つけていくか。自分 のライフ
な 事件 など、多岐 にわたる 幅広 い 分
スタイルを 築 く 不器用 さがあるので
野 から 出 てきます。テレビに 出演 し
はないでしょうか。
ている 芸能人 の 話 から
「 なぜこの 芸
また、対人関係も同じです。内気で
能人はこういうことをしているのか 」
コミュニケーションが 苦手、といっ
といった 疑問 をゼミのなかで 議論 す
た、いわば勝ち組になれないと考えて
ることもあり、主 にテレビを 中心 と
いる人が多いように思います。ただ、
した 素材 から 関心 テーマを 見 つけて
学生 としてのコミュニケーション 能
いることが多いように思います。
力はあるといえますので、本人達の思
—— テレビというメディアを通し
いただき、ありがとうございました。
い込みが強いのかもしれません。
て現代の問題を発掘し、研究してい
—— 先生ご自身の研究分野につい
るということですね。先生のゼミは
てお聞かせください。
07 YNU
—— 本日はお忙しい中、時間を割いて
インタビューを受ける清田准教授
研 究 室 探 訪
結晶で光を操る – 光を止める、閉じ込める、光の不可能を可能にする–
馬場俊彦 教授( 工学研究院 知的構造の創生部門
File :003
専門:光エレクトロニクス )
聞き手:井上尚子
( 工学府電気電子ネットワークコース 博士課程後期 3 年 )
—— 先生がこの分野に惹きつけら
—— 「 スローライト 」という論文を
れるのは、どんなところですか。
Nature Photonics 誌 に 書 か れ た そ
やはりレーザです。そもそも自然界
うですが、これは何ですか。
にはない 光 ですから、私 が 学生 の 頃
その 名 の 通 り
「 遅 い 光 」です。光 は
はなかなか 目 にすることができませ
1 秒間に地球を 7.5 回まわるほど速い
んでした。
のですが、最近、私の研究室とスタン
レーザで興奮させられるのは「
、し
フォード 大学 が 光
( 正確 には 情報 を
きい 値 」と 呼 ばれるパワーを 与 える
運ぶ光 )を遅くする方法を見つけて、
と、弱い光が突然、何桁も強い光にな
実験 でもできるようになりました。
るところです。就職した頃、面発光型
もし 光速 を 自由 に 変 えられれば、次
というレーザを研究しましたが、これ
世代の情報ネットワークや計算機で
は 動作 が 難 しいため、世界中 が 競争
必須といわれる光信号のメモリーを
していました。そのしきい値を最初に
作 ることができます。それに SF 的 な
超えることができたのですが、このと
魅力もあります。夜空の星を眺めて、
後多くの機関が取り組んで理論も作
きは 感動 しました。強 くなった 光 を
「 あれは何億年も昔の光を見ている 」
り 方 も 確立 され、さまざまに 光 を 操
見 ると、人生 の 大 きな 山 を 越 えたよ
と言いますよね。光を止めるというの
れるようになりました。前述 の 二 つ
うな気分になるんです。
は、過去 の 時間 を 蓄 め 込 むタイムカ
のほかに、負の屈折現象も話題です。
プセルを作るのと同じなのです。
透明人間 ができるかもしれないんで
—— では、いまでもレーザを研究さ
れているのですか。
私の研究室では世界で最も小さな
—— 先生の研究室はフォトニック
結晶で有名だと伺っていましたが。
馬場教授の論文が掲載された Nature
Photonics 2008年8月号。先生のオリ
ジナルイラストも採用されました
すよ。
—— 最後に、どのように研究室を運
営し、
学生を教育しているのですか。
レーザを 研究 して、最小記録 をずっ
実 は、ナノレーザやスローライト
と 保持 しています。現在 の 最小 レー
は、フォトニック結晶のおかげで可能
最初 は 設備 が 全 くなく、テーマも
ザは 砂粒 どころか、細胞 や 細菌 より
になりました。フォトニック結晶は微
含 めて 白紙 のスタートでした。それ
も 小 さくなり、ナノレーザと 呼 ばれ
細な周期をもつモザイク構造です。15
でフォトニック結晶を始めましたが、
ています。バイオセンサーとして 利
年前に研究を始めたときはほとんど
この 分野 も 生 まれたばかりで、研究
用しようと考えています。
手 さぐり 状態 だったのですが、その
室 の 歩 みとうまくマッチしたと 思 い
科 学 雑 誌「 日 経 サ
イエンス 」とニッポ
ン放送
「 中川翔子の
ギザサイエンス 」で
紹介された学生と
研究室の様子
ます。それに、今までの概念を変える
ような、ビックリするようなことがで
きる点が魅力です。
学生 も 鋭 くて、必要 だけどつまら
ない 研究 にはなかなか 興味 を 示 しま
せん。自分 が 本気 で 面白 いと 思 うも
のに、素直に共感してくれます。みん
なが 共通 の 目標 をもって、現場 で 協
力して取り組む瞬間が一番の教育に
なると感じます。
—— 本日はどうもありがとうござい
ました。
YNU 08
研究施設・センター紹介
国際性・実践性を重視した研究を推進するために
企業・地域との架け橋
「企業成長戦略研究センター」
横浜国立大学には、産業界・官界・学界が協力し、新しい企業成長戦略を
国際的かつ実践的に研究する「企業成長戦略研究センター」があります。
センター長の山倉健嗣先生にお話を伺いました。
聞き手=早川沙希
( 経営学部 4 年)
環境情報 といった 様々 な 分野 の 研究者 が、個人 としてで
はなく、チームとして 協力 するという 全学的 な 態勢 をと
り、国際性・実践性を重視した研究を推進しています。こ
うしたセンターは我が国では初めての試みです。
—— センターはどのような組織で運営されていますか。
山倉 企業成長戦略研究センターには 3 つの部門が設け
られています。
「 新企業のスタートアップと成長部門 」で
は、主 に 日本 のベンチャー 企業 の 起業 から 倒産 に 至 るま
でのイノベーションとファイナンスについて 研究 してい
ます。
「 既存企業の成長戦略部門 」では、大企業の成長の
促進戦略について、そして
「 企業成長とマクロ経済成長部
門 」では、企業成長とマクロ経済成長の関連・相互作用に
ついて研究を行っています。
山倉健嗣 企業成長戦略研究センター長
新しい成長戦略を構想し
実現するために
これらの 研究 は、産官学 が 一体 となってプロジェクト
ベースで進められており、2008 年度は 7 つの研究プロジェ
クトが設置されています。それぞれの研究プロジェクトに
は 大学院生 も 参加 しており、大学院教育 と 深 く 結 びつい
ています。これは、企業・組織の調査、研究を希望する大
学院生にとって、外部からの刺激を受け、最新の現実を踏
—— 企業成長戦略研究センターの設立目的をお聞かせ
まえた研究ができるという意味で非常に魅力的であり、他
ください。
ではあまりみられない特徴といえます。
こうした研究者と大学院生という内部でのコラボレー
山倉 私たちは現在、高齢化の進展やグローバリゼーショ
ション、そして学外と大学という外部とのコラボレーショ
ンの展開など、従来とは異なる環境変化に直面し、新しい
ンを 通 じて、企業成長戦略研究 センターは 研究成果 を 社
成長戦略を構想し実現することが求められています。そこ
会 に 発信 しています。このような 産学官連携 の 取 り 組 み
で企業成長に基づく、新しい経済成長戦略に関する研究
は、メディアでもしばしば取り上げられました。
を推進したいと考え、2007 年 6 月に企業成長戦略研究セ
ンターを設立しました。
—— 学外に向けてどのような活動を行っていますか。
そして、経済学・経営学分野の研究者を中心に、工学・
09 YNU
センターの組織図
2008 年度 研究プロジェクト
プロジェクト名 学長
産学連携推進本部
産学連携
部門
知的財産
部門
プロジェクト
研究推進部門
企業成長戦略研究センター
教員選考委員会
センター長
新企業の
スタートアップと成長
部 門
既存企業の
成長戦略
部 門
運営委員会
企業成長と
マクロ経済成長
部 門
コーディネーター 「 企業変革と企業成長 」
山倉健嗣
「 通商・投資協定の企業活動に
及ぼす影響についての調査研究 」
柳 赫秀
「 経済統合のもとでの
イノベーション・システムと企業成長 」
植村博恭
「 製造企業の製品・技術・生産戦略 」
松井美樹
「 企業成長にとってのイノベーションと
ファイナンスの役割に関する経済分析」
秋山太郎
「 日欧企業の在中国子会社
コントロールシステムの比較研究 」
中村博之
「 持続可能な開発と企業成長戦略 」
小池 治
山倉 シンポジウム、セミナー、ワークショップなどさま
い」
という参加者の要望に、今後対応したいと考えていま
ざまな活動を実施していますが、特徴的な活動は、みなと
す。また、
「 先生方の研究成果を聞きたい 」という声もあっ
みらいで開催している
「 みなとみらい産官学ラウンドテー
たため、研究成果の発表も積極的に行っていきたいと思っ
ブル 」です。センター 設立以来、2008 年 8 月 までに 3 回実
ています。
施しました。
ラウンドテーブルは、産業界・官界・学界 が 協力 して、
—— 学外の方からは、企業成長戦略研究センターに対し
企業成長戦略に関する「 知の交流・蓄積・創造・還流の場 」
てどのような期待がよせられていますか。
となることを目指しています。これまでにキヤノン・日産
自動車・東芝 といった 神奈川・横浜 に 関係 の 深 い 大企業
山倉 「 みなとみらい産官学ラウンドテーブル 」など、オー
を取り上げており、前回
( 7 月 16 日開催 )は民間企業・業
プンな形での交流の場は既に設置されていますが、7 ~ 10
界団体・NPO・本学関係者など約 80 名の参加がありまし
人程度で行う研究会をつくってほしいという学外からの
た。参加 された 方々 からは、
「 現場 の 方 の 生 の 声 を 聞 けて
声があります。深いディスカッションができるような、小
よかった 」、
「 交流会の場で意見交換ができ有意義であっ
規模な研究会をつくることも考えています。
た」
などのよい評価をいただきました。
そうした研究会の開催にあたっては、テーマの選び方な
一方 、
「 企業の方の講演と質疑応答の時間を設けるだけ
ど難しい点もありますが、研究者・参加者が高い意識を共
でなく、講演後に研究者の学術的なコメントを残してほし
有 し 研究 を 行 うことができれば、企業成長戦略研究 セン
みなとみらい産官学ラウンドテーブル
官 界 産業界
みなとみらい産官学
ラウンドテーブル
学 界
第3回みなとみらい産官学ラウンドテーブル
YNU 10
研究施設・センター紹介
テーマをしぼった濃密な研究会も並行して実施していき
みなとみらい産官学ラウンドテーブル
●第1回/2008 年1月25日
たいと考えています。
—— 本日はありがとうございました。
「 キヤノンの成長戦略」
キヤノン㈱企画本部副本部長/鵜川浩氏
●第 2 回/2008 年 4月17日
「 日産自動車の成長戦略」
横浜国立大学経営学部/ダニエル・ヘラー准教授
横浜国立大学大学院国際社会科学研究科/
真鍋誠司准教授
●第 3 回/2008 年 7月16日
「 東芝の成長戦略」
㈱東芝経営企画部長/豊原正恭氏
●第 4 回/2008 年10月14日
「 コマツの成長戦略/建機ビジネスのグローバル展開」
コマツ 常務執行役員/日置政克氏
※今後の開催情報はセンターホームページをご覧ください。
ターがさらに 意味 のあるものになるのではないかと 期待
しています。
また、参加者の方々から様々な相談・質問を受けること
も多いため、アドバイザーとしての機能・コンサルティン
グの機能も今後充実させていきたいと考えています。
企業 の 方 からすると、大学 のどこに 相談 を 持 ちかけれ
ばよいかわからないことがあるかと思います。企業経営に
企業成長戦略研究センターのある社会科学系総合研究棟Ⅰ
関 わる 案件 であれば、企業成長戦略研究 センターへ 電話
( 045-339-3593 )か メ ー ル
( [email protected] )で ご
連絡をいただければと思います。
—— センター長としての今後の抱負をお聞かせくださ
い。
山倉 先 ほども 申 しましたが、企業成長戦略研究 セン
ターが企業・地域など外部との架け橋
( ゲートキーパー )
の役割を担っていきたいと考えています。
一方、これまで、学外向けの活動を重視し、学内への紹
介をあまり行ってきませんでしたので、今後は学外の人を
お招きし、学内・学生向けにも企業成長戦略についての講
演会を開催していきたいと思っています。そして、大学院
生の教育という内部でのコラボレーションを可能とする
プロジェクトを増やし、その内容を充実させていきたいと
考えています。
また、現在行 っているオープンなセミナーと 同時 に、
11 YNU
企業成長戦略研究センターのホームページ http://www2.igss.ynu.ac.jp/cseg/
TREND!
ュース
横浜国大最新ニ
このコーナーでは、
最近開催したイベントの紹介など、
大学の動向がわかる最新情報をお伝えします。
今回は、5月27日
( 火 )に開催した国際シンポジウム
「アフリカの開発と女子教育」及び 8月1日
( 金)
・2日
( 土 )に開催した
「オープンキャンパス」についてご紹介します。
国際シンポジウム 「 アフリカの開発と女子教育−
就学率の向上を目指して 」を開催
第 4 回アフリカ開発会議 ( TICAD Ⅳ )の関連イベントとして国際シンポジウ
ム 「 アフリカの 開発 と 女子教育-就学率 の 向上 を 目指 して 」 を 本学 と 文部科
学省の主催により、横浜市で開催しました。本シンポジウムはアフリカにおけ
る女子の就学及び修学を阻害する要因を分析し、万人のための教育
( EFA )や
国連ミレニアム開発目標( MDGs )に沿って、教育を受けるための環境づくり、
教育の質の向上、女性が力をつけることの重要性について議論し、問題解決の
方策を探ることを目的に開催されました。
上/サーリーフ大
統領、パネリスト
ら全員による記念
撮影 下/聴衆か
ら多くの建設的な
提案 もあり、大盛
況のうちに終了
シンポジウムには池坊文部科学副大臣、リベリア共和国エレン・ジョンソン
=サーリーフ大統領をはじめ、著名な有識者、NGO、市民及び学生など計 403
名が参加し、討論しました。最終的にアフリカ諸国及び日本を含む国際社会が
今後のアフリカにおける女子の就学率向上を目指すため、教育の男女格差是
正に向けてどのように財源を確保し、取組みを推進すべきかについての提案が
なされました。
年々、盛況に!
横浜国大オープンキャンパス 2008
本学のオープンキャンパスはすでに 20 年近い歴史があります。開始当初よ
り、高校生にキャンパスの雰囲気を味わってもらうことと大学の授業を体験し
てもらうことを目的として、各学部・学科・課程コースごとに日常の授業を模
擬講義として実施してきました。ここ数年、この模擬講義が中心である事に変
わりはありませんが、高校生が興味を持ちそうなテーマに設定し、わかりやす
く講義を行うように工夫しています。また、入試・留学・就職相談コーナーや、
教員や現役学生による相談コーナーを設けており、毎年、大勢の高校生が列を
なしています。
本年は 8 月 1 日( 金 )
・2 日
( 土 )に開催し、少子化と言われている中でも年々
参加者が増え、2 日間で 11,064 人が来場しました( この 3 年間のオープンキャ
ンパス来場者の推移…06 年:9,169 人 → 07 年:9,650 人→ 08 年:11,064 人 )
。
そのほか、学生のサークル活動でも、オープンキャンパス時に独自の活動を
しています。硬式野球部 では
「 受験生 のための 硬式野球部主催 の 野球部案内
( 体験練習会含む )及び大学説明会 」を開催し、午前は体験練習会、午後は大学
上/現役学生による相談コーナーは常に人でいっぱ
い 下/硬式野球部による体験練習会の様子
説明会を実施し文武両道を目指す多くの高校生が参加しました。
YNU 12
主なメディア掲載情報( 2008年 4月_ 8月)
新聞
NEWS PAPER
● 今年度から、小 5 と中 2 全員を対象とした体力調査を実施。
「 運動能力が二局化してい
る今、複合的に分析せず、これまでの調査のように平均値を出し、それをもとに検討しても
( 4/2 朝日新聞)
無意味」
と教育人間科学部・海老原修教授。
● 横浜観光親善大使を務める教育人間科学部・副島優子さんが横浜高島屋で開催されて
( 4/5 毎日新聞)
いる
「 横浜のグッズフェア 」
を PR。
写真 A-1 /無人野菜直販所
「 産直市場」
● 地元農家が協力して、新鮮野菜を販売する無人野菜直販所
「 産直市場 」
がオープンし、
学生から好評を得ている。料理好きの來生副学長が、野菜を使って手軽にできる料理を紹
( 読売新聞・朝日新聞
〈 4/23 〉
・日本農業新聞
〈 4/23 〉
・神奈
介するレシピを作成し、配布する予定。
川新聞〈 5/1 〉
・日経新聞〈 5/9 〉
)※写真 A-1、2
● 緊急地震速報システムを附属の小中学校も含め 14 個所に設置。全学で一斉に導入した
国立大学は横浜国大が初めて。危険物の対処を早く行い、学内での火事や爆発を防ぎ、周
( 4/17 日刊工業新聞)
辺住民へも速報が届くようにし、安全な避難場所を提供する。
写真 A-2 /キスギ副学長 's かんたんイ
エイ イエイ レシピ②
● 環境情報研究院・近藤正幸教授/コラム「 ベトナムは、資金や技術が不足しているよう
で外国の企業や国際機関との産学官連携が多い。日本の大学も、外国と連携しグローバル
( 4/18
なマネジメントを習得し日本企業との連携に反映させるようになることが望まれる 」
日経産業新聞)
● 大学近くに支店のある手焼きせんべい専門店の協力を得て、横浜国大オリジナル「 横国
( 4/18 読売新聞)
※写真B
煎餅」
を販売。味は 4 種類で「
、 YNU 」
の文字が入っているのが特徴。
● TICAD Ⅳ関連イベント/横浜国大生が「 アフリカンスクール 2008 」
を企画。3 回目とな
( 4/27 朝日新聞)
る
「 給食の時間」
でセネガル料理作りに挑戦。親子連れ 25 人が参加した。
写真 B / 2 枚入 り 1 袋 100 円、箱詰 め
12 枚入り 650 円、20 枚入り 1,000 円
●「 千年 の 杜 づくり植樹祭 」 宮脇昭名誉教授 の 指導 により神社 の 氏子 や 一般公募 で 集
( 4/30 毎日新聞)
まった 500 人が、神奈川県秦野の落合八幡神社に 6,000 本の苗木を植樹。
● 横浜国大と横浜 F・マリノスのように、大学とJクラブが業務提携をする動きが広がっ
ている。地域密着を掲げる J リーグと、成長著しいスポーツビジネスを新たな目玉にしたい
( 5/2 産経新聞)※写真 C
大学側の経営戦略が一致する形で、今後も広がりを見せそう。
● 平成 19 年度大学院工学府の修了生・松澤健さん、首都圏の JR 駅で流れる
「 発車メロ
写真 C /横浜 F・マリノス齋藤社長と学
長との業務調停
ディー 」 を耳コピしネット配信。多くの人がアクセスし「
、 楽譜がほしい 」
との声が殺到。楽
( 5/4 読売新聞)
譜 「 鉄のバイエル 」
の発行にいたった。
● ミャンマーのサイクロン被害/土木学会緊急調査団
( 工学研究院・柴山知也教授)
が現
地入り、柴山教授は
「 高潮の際に逃げ込める避難施設がなく、住民は逃げ場を失い被害が
( 5/10 読売新聞)
拡大した 」
と話す。
● 5 月 27 日に文部科学省と横浜国大の主催で、TICAD プレシンポジウム「 アフリカの開
( 5/21 読売新聞)※写真 D
発と女子教育ー就学率の向上を目指して 」
を開催。
● 四川大地震が起きた際に震源から 90km 離れてたところに滞在していた長島理事が
「滞
在する外国人の誘導が皆無の空港の混乱ぶりに驚く一方、首相の迅速な陣頭指揮ぶりに感
( 5/23 神奈川新聞)
銘を受けた。日本にとっても大きな課題である 」
とコメント。
13 YNU
写真D /リベリア共和国エレン・ジョン
ソン=サーリーフ大統領による基調講演
● 横浜国大教育人間科学部国際共生社会課程は、今年から、海外の高校卒業生を対象に
( 日刊工業新聞・神奈川
10 月入学制導入。国立大学で 10 月入学制度を導入したのは 5 番目。
新聞
〈 6/11 〉
・日経新聞
〈 6/11 〉
・読売新聞
〈 6/13 〉
・産経新聞
〈 6/18 〉
)
● 工学研究院・大野敏准教授と学生と藤野の町おこしグループが、地域貢献プロジェクト
して様々な活動を行った。その集大成として、国指定重要文化財などの建築様式、間取り
( 6/12 毎日新聞)
を解説した藤野の魅力が詰まった冊子を刊行。
※写真 E
● グローバル COE プログラムに未来のユビキタス医療の「情報通信による医工融合イノ
写真 E /刊行 された
「 藤野 の 魅力再発
見 vol.1 」
ベーション創生」
(リーダー:工学研究院・河野隆二教授)
が採択。会見した渡辺副学長が
「横
( 6/19 神奈川新聞)
浜を世界の医工学のメッカに 」
と意欲を見せた。
※写真 F
● 工学研究院・柴山知也教授 がミャンマー・サイクロンの 調査報告「 3m 以上 の 高潮が
襲ったと考えられる。バングラディッシュは学校施設などを高床式のシェルターにして避
( 6/30 読売新聞)
難体制を整えている。ミャンマーも進めるべきだ 」
● 経営学部・白井宏明教授 が 経営学を専攻 する学生 のために開発したビジネスゲーム
( 8/5 時事通信)
「 YBG 」
を導入した大学が、全国で 40 校に達した。
写真 F /拠点リーダー:河野隆二教授に
よる発表
( 記者懇談会において )
● 横浜国大は日産自動車や IHI などの民間企業と連携し、工学人材育成の連携を目的に、
( 8/15 日経新聞・日刊工業新聞 8/19 )
高校で特別授業を実施する。
テレビ・ラジオ
TELEVISION / RADIO
●「ワールドビジネスサテライト」
(テレビ東京 4/7OA)… 都市交通システムに関する特集コーナーでコメント/工学研究院・中村文
彦教授
●「その時歴史が動いた」
(NHK 総合 4/9OA)…フランス革命勃発時におけるハプスブルク帝国の政治・社会情勢が、 モーツァ
ルトならびに彼の最後のオペラである《魔笛》にどのような影響を与えたかについて、スタジオ・トーク及び取材協力/教育人間科学
部・小宮正安教授
●「ラジオビタミン」
(NHK ラジオ第一放送 5/28OA)… 無人野菜直販所「産直市場」
、
「イェイイェイレシピ」の紹介/來生新副
学長、学生数名
●「きょうの世界」
(NHK 5/29OA)… テーマ「気候変動最前線・
“2050 年までに半減”達成のカギは」に出演/経営学部・馬
奈木俊介准教授
●「サイエンス ZERO」
(NHK 教育テレビ 8/2OA)…テーマ「よみがえる三宅島の自然」にコメンテーターとして出演/環境情報研
究院・近藤正幸教授
●「夢企業探訪」
(ラジオ NIKKEI 第 1 放送 8/9OA)… 大学での研究とベンチャー会社の起業までの経緯、大学で事業を行うこと
の意義、などについてコメント/環境情報研究院・有澤博教授
公 開 情 報 に つ い て の お 知らせ
http://www.ynu.ac.jp/press/open/pdf/yakusyoku_kyuuyoH19.pdf
平成 19 年度の国立大学法人横浜国立大学の役職員の報酬・給与等については上記 URL からご確認いただけます。
問い合わせ先/横浜国立大学総務部人事・労務課給与認定係
( ☎ =045-339-3203 )
YNU 14
横浜国立大学広報誌 第186号
2008年10月25日発行
編集・発行
国立大学法人横浜国立大学広報委員会
〒240-8501 横浜市保土ヶ谷区常盤台 79 番 1 号
YNU 編集委員長
柴田裕通( 国際社会科学研究科)
お問い合わせ
横浜国立大学広報・渉外室
☎ 045-339-3016 / 5 045-339-3019
アートディレクション
YNU
16
神里僚子( 経営学部卒業生 )/ NEW FRIENDS