Ⅰ 基 本 1 計画改定の背景 2 計画の概要 的 な 考 え 方 Ⅰ 基本的な考え方 Ⅰ 基 1 本 的 な 考 え 方 計画改定の背景 食生活の変化や運動不足などによる生活習慣病 (用語解説) の増加、人口の高齢化に伴う 寝たきりや認知症等による介護を必要とする人の増加など、健康を取り巻く状況が変容 する中、国では発病を予防する「一次予防」に重点を置いた「21 世紀における国民健康 づくり運動(健康日本21) 」を平成 12 年 3 月に策定しました。目黒区においては、こ の「健康日本21」を踏まえた地方計画として、『健康寿命の延長』を大目標に掲げた 「健康めぐろ21」を平成 13 年 2 月に策定し、以後平成 22 年度までの 10 年間、健康 づくり運動を推進してきました。 「健康めぐろ21」 (平成 13∼22 年度)の計画期間中、様々な健康分野に関する法整 備が行われ、健康づくり施策を取り巻く状況は大きく変化しました。平成 19 年に施行 された「がん対策基本法」により、予防から治療及び療養生活の質の向上にいたるまで の総合的ながん対策が推進され、医療制度改革関連法の施行に伴い、基本健康診査に替 わり平成 20 年 4 月からメタボリックシンドロー ム(用語解説)の概念を導入した特定健康診 査 (用語解説)及び特定保健指導 (用語解説) が開始されるなど、生活習慣病対策 や健康づくり の推進体制は大幅に変わってきています。 また、食の大切さに対する意識の希薄化や食習慣の乱れなど、健康づくりの基本であ る「食」に関する様々な問題が顕在化していることを受け、平成 17 年 7 月に「食育基 本法」が施行され、平成 18 年 3 月に国民運動としての「食育推進基本計画」が策定さ れました。食に関する問題は個人だけではなく、社会全体で考える必要があるとし、 「食 育基本法」には個人の取り組みとあわせて、地方公共団体の責務も規定されました。 このような健康施策を取り巻く法整備の状況や社会情勢の変化に呼応し、新たな健康 課題に対応するため、 「健康めぐろ21」を改定します。 2 計画の概要 (1)改定の考え方 前計画では、 「健康面で、より質の高い生活をより長く過ごせるようにする 」ことに 重点を置き、心身ともに自立して生活できる「健康寿命の延長」を大目標に掲げました。 この大目標を達成するため、 「生活習慣病の予防」、「安全で健康的な生活環境の確保」、 「健康づくりの支援」という 3 つの中目標を設定し、健康づくりの推進に努めました。 これらの目標は、社会的情勢などが大きく変化しようとも、目黒区において達成すべき 継続的な目標であり、区民一人ひとりの健康づくりの意識を高め、行動の変容を促すた めに長期的に取り組むべき目標であると考えられます。したがって、本計画においても、 これらの目標を踏襲し、施策の展開を図るものとします。 また、 「食育基本法」の施行を受け、食習慣の乱れからくる健康課題などに対応する ため、栄養・食生活の改善に対する取り組みを強化しつつ、中目標として、長く私たち の健康を支えてきた日本の食文化の継承や食の安全・安心の確保といった観点から「食 育の推進」を新たに加え、より広い見地から健康づくりの推進を図るものとします。 -1- Ⅰ 基本的な考え方 健康づくりは生涯を通じて行うものであり、介護予防とも密接にかかわります。高齢 者の生きがいある生活や人生の支援をするために「介護保険事業計画 」に掲げた介護予 防事業との連携を図るものとします。 行動目標については、平成 21 年 7 月に区民 3,000 人に対し「健康づくり調査」を実 施し、区民意識の現状を把握・分析の上、前計画の達成度の評価を行いました。改定に あたっては、調査結果から見た数値的な改善の要否、事業継続の必要性、国・都の計画 の改定状況、及び社会情勢の変化を考慮し必要な見直しを行いました。行動目標に対す る施策目標についても、行動目標の到達度を基に見直しを行い、計画に反映いたしまし た。 (※「健康づくり調査」については P29、前計画の評価については P45 参照) (2)主な改定内容 ア 食育(用語解説) の推進 「食育」とは、 『 「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を 実践することができる人を育てる』ことをいいます。また、単なる栄養教育でなく、楽 しさ・おいしさなど心の視点、伝統料理や郷土料理など文化的な視点、食品の廃棄など 環境からの視点、自然の産物・生への感謝の気持ちなど命の視点とその範囲は広く、取 り組み方向は多岐に渡ります。 本計画では、健康づくり施策を中心に、取り組み方向「1-1 栄養・食生活の改善」 において、バランスの良い食事方法や不規則な生活習慣からくる健康影響などについて の情報発信に努め、区民一人ひとりの食に関する正しい知識を育み、健全な食習慣を実 践する力を身に付けられるよう、食育の推進に取り組みます。 また、中目標「Ⅳ 食育の推進」において、食をより深く知り、食への感謝の心を養 い、栄養バランスに優れた『日本型食生活』に代表される食文化の継承のため、食に関 する様々な取り組みを実施します。さらに、より効果的に推進するため、ライフステー ジ(対象)を乳幼児、小中学生、一般区民(高校生以降)に区分し、それぞれの時期に 適した施策の展開を図ります。 ライフステージ (対象) 施策の展開 生涯にわたる健康づくりの基礎となる生活習慣を確立する最も重要 乳幼児 な時期です。主に保護者及び保育園などに対し、基礎的な食習慣を習 得できるよう、支援や指導を行っていきます。 食に関する知識を高め、興味や関心を高めていく時期です。学校教 育などを通じて食に関する深い知識を習得できるよう、教育の充実を 小中学生 図ります。 また、区立小・中学校では、平成 22 年度に策定した「学校における 食育指針」を基に、各学校での食育の取り組み状況を確認しながら、 目標達成に向けてレベルアップを図っていきます。 一般区民 (高校生以降) 世代により食育へのかかわりは変化しますが、概ね青年期、壮年期・ 中年期、高齢期を対象にした施策の展開を図ります。 青年期は自己管理のもと、健全な食生活を実践し習慣化することが 重要であり、壮年期・中年期は自身の健全な食生活を実践するととも に、家庭において子どもたちに食事の基礎的な知識を教えるなど重要 -2- Ⅰ 基本的な考え方 な役割を担います。また、高齢期は加齢に伴う身体の変化・体力の低 下などから、自分の体にあった食の選択が必要となります。 それぞれの世代で健やかで豊かな生活を実現できるように、幅広い 情報提供に努めるとともに、各世代にあった支援を行います。 イ 受動喫煙 (用語解説) 防止対策 平成 22 年 2 月厚生労働省健康局通知 「受動喫煙防止対策について」(平成 22 年 2 月 25 日付け健発 0225 第 2 号)により、「①多数の者が利用する公共的な空間については、 原則として全面禁煙であるべきである」、 「②全面禁煙が極めて困難な場合等においては、 当面、施設の態様や利用者のニーズに応じた適切な受動喫煙防止対策を進めることとす る」、という基本的方向性が示されました。本区においても、庁舎等区立施設はもとよ り、区内の事業所団体と協力した受動喫煙防止対策が喫緊の課題となっていることから 、 その強化を図ります。 ウ メタボリックシンドローム 対策 国では平成 19 年 4 月の「健康日本21」中間評価の結果を受けて、メタボリックシ ンドロームに関する新たな目標指数を追加し、その取り組みを強化しました。また、平 成 24 年度までを計画期間とする「東京都健康推進プラン21新後期 5 か年戦略」でも メタボリックシンドローム 対策を重点課題と位置づけ、達成目標などを明確にしました。 本区においても、 「生活習慣病の予防」にメタボリックシンドローム 対策を新たに追 加し、予防重視の生活習慣病対策をより一層強化します。 (3)計画の位置づけ 本計画は、区の長期計画(基本構想、基本計画、実施計画)の補助計画で、個別の事 業、取り組み、目標を示したものです。 区の長期計画をはじめ、保健・福祉の分野別の具体的な施策を掲げた「目黒区保健医 療福祉計画・介護保険事業計画」と整合性を図りました。 なお、この計画の具体化は、 「目黒区実施計画 」又は各年度で予算措置を講じて実施 するものとします 。 (4)計画期間 平成 23 年度から平成 27 年度までの 5 か年とします。ただし、計画期間中に社会情勢 の変化などが生じた場合には、必要な見直しを行うこととします。 (5)推進体制 「健康めぐろ21」は区民の健康水準を高めるために、区民が主体的に健康づくりに 取り組んでいけるよう支援する行動計画です。この計画を総合的、効果的に推進するた めには、区民と区が協力・協働して事業を進めることと合わせて、行政内部の健康づく り推進体制をさらに強化していくことが必要です。また、国や都、関係機関等と連携し て健康づくり施策をさらに展開していきます。 -3- Ⅰ 基本的な考え方 ア 区と区民・団体等の推進体制 区は地域保健協議会、地域福祉審議会に情報提供を行いながら、広く区民、関係機 関・団体、区が協力・協働して健康づくりを推進します。 イ 行政内部の推進体制 「健康めぐろ21」を実効性のあるものとするために、保健、福祉、国民健康保険、 スポーツ振興、社会教育、地域振興、都市整備、環境清掃等の関連所管課で構成する 健康づくり担当者会議において、全庁的な連携や調整を図り、効果的な健康づくり施 策を推進します。 ウ 国や都、民間事業者との連携 健康づくりを推進するためには、国や都、民間事業者と役割を分担し連携すること が不可欠です。特に区内事業所等においては「健康めぐろ21」の理解を求め、区民・ 民間事業者と連携して事業を進めていくことが重要です。 -4-
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