中国ビジネスニュース - 公益財団法人かがわ産業支援財団

2015 年 1 月(第 31 号)
中国ビジネスニュース
編集:香川県上海ビジネスサポーター
川田真理子
今月の注目トピックス
■ 日本と中国における日本製品販売を取り巻く温度差
新年、明けましておめでとうございます。2014 年は急速な円安傾向により、輸出や海外市場において販路を持つ
企業にとっては大きな追い風が吹いた反面、輸入ビジネスや輸入原料を必要とする企業にとっては厳しい一年と
なりました。そのため円安による日本経済と企業への影響については、色々な見方がありますが、観光誘致の面
では、この円安基調と昨年 10 月 1 日から実施されている消費税免税措置が影響して、2014 年の訪日外国人は前
年比約 30%増の 1300 万人に達すると見込まれ、小売市場を活性化させていることは確実です。日本政府観光局
(JNTO)の昨年 1 月から 11 月末までの統計調査によると、 訪日外国人の中でも、中国人客の増加率は前年比で
80%以上と、他国に比べても群を抜いいます。
余談ですが、この時期、中国に出張される方に注意が必要なのは、安易に中国人の方に日本のお土産リクエス
トを安易に尋ねない方が懸命です。ご周知のとおり、中国において正規ルートで輸入された日本商品は関税や増
値税がかけられ、こと上海においては、家賃や販売店に支払うコミッションが高いこともあり、販売価格は最低でも
日本の数倍になります。そのため、できるだけ安く手に入れようと、多くの中国人が国内外のネットショッピングサ
イトで個人輸入したり、海外旅行の際に購入するか海外旅行に行く友人知人に頼むのです。そこで、中国の方に
日本のお土産は何がよいかと聞くと、予想以上の量と価格の頼まれ事をされます。直接の友人だけでなく、友人
の家族・親戚・同僚を取りまとめて頼んでくることもよくあることで、数十万円のブランドバッグや単価は安くても数
十ケース頼まれることも全く珍しくありません。日本の高島屋では、昨年 4 月からの消費税増税によって前年比売
上が低迷していた状況を、10 月からの消費税免税措置で前年比より売上が増加したと報道されているように、ここ
数年の日本の消費市場は中国人旅行客に期待するところがますます大きくなっています。
一方、中国国内における日本製品の販売には、上述のとおり、様々な障壁があるため、とりわけ中小企業の
方々は苦戦しています。先月半ばに、上海高島屋で開催した「四国・中国物産展」で販売されている商品も必要コ
ストを考えれば納得の価格ではあるものの、日本人の筆者から見ると破格の高さ。物産展期間中、何度か足を運
んだ際に、商品を購入している客層はやはり中国人でした。出展した企業に中国での小売展開について伺ってみ
ると、企業の多くが値下げ努力をしていて、日本よりも卸値を下げているという企業もいました。中国では、一方で
大量かつ安価な国内メーカーに対抗しつつ、もう一方では、非正規ルートで仕入れた輸入品をネットなどで販売す
ることが横行しているため、日本の中小企業にとって中国の小売ビジネス環境は厳しいことも事実です。
そんな中、好調な兆しが見えてきたという声もあります。今回物産展に出展したこんにゃく麺を販売する企業は、
手軽さとこんにゃくの健康効果を PR し続けて今年から中国での売上が安定し始めたそうです。また調味料を販売
している企業は、今回が初出展だったが、久光百貨やシティースーパーなどの有名小売業者からオファーを頂き
商談すると同時に、中国での商標権取得のための準備を進めているそうです。
中国人の間での日本製品人気は言うまでもありませんが、中国での販売を取り巻く環境を了解した上で、取り組
まなければ、期待はずれだと感じる場合があるかもしれません。
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2015 年 1 月(第 31 号)
政策・経済トピックス
【新政策動向】
■外資に高齢者施設設立を奨励
商務部と民政部は外資の高齢者施設設立を奨励する公告を公布した。外資に対し、中国企業同様の税優遇策や
費用減免策を実施する。
■預金保険制度を導入へ
中国人民銀行は 11 月 30 日、預金保険条例のパブリックコメントを始めた。金融自由化が進む中、金融機関が破
綻した場合に備え、預金者保護の体制を確立する。銀行が破綻した場合、最大 50 万元(約 970 万円)まで払い戻
す。
■民間参入奨励産業 7 分野を発表
国務院は 11 月 26 日、生態系・環境保護、農業水利、市政インフラ、交通、エネルギー施設、情報・衛星施設、社
会事業の7分野で、民間資本の参入を奨励する方針を表した。各分野で市場独占を排除し、市場参入基準を引き
下げる。
■医薬品価格規制 開放へ
国家発展改革委員会などは、医薬品価格改革を推進するための意見募集案を公布した。医薬品価格の上限規
制を完全撤廃し、政府が定める小売価格と出荷価格の上限を 2015 年1月1日付で撤廃する事を明らかにした。
11 月 25 日から2日間で、全国8カ所の医薬品業界団体から意見を募った。
■外国人短期滞在業務 手続き変更
人力資源社会保障部、外交部、公安部、文化部は、「外国人が入国し短期業務任務遂行に関する処理手順(試
行)」を公布した。2015 年 1 月 1 日に施行される。外国人の短期(90 日以内)業務に関する手続きが変わる。
■長江経済ベルトなどで通関一体化
税関は「長江経済ベルト税関区域における通関一体化改革拡大に関する公告」を公布した。南昌市、武漢市、長
沙市、重慶市、成都市、貴陽市、昆明市において 12 月1日より通関一体化を実施した。
■上海自由貿易試験区の税金申告、通関等に改革
上海税関は『中国(上海)自由貿易試験区において「自主税金申告、自主通関、自動審査、重点会計監査」改革項
目試行展開に関する公告』を公布した。2014 年 12 月5日より施行。企業が税関・企業共有プラットフォームの事前
入力利用者側端末にログインし、通関書類データを申告、税金申告を行い、税関情報システムは企業が申告した
データの審査を行うという流れ。まずは「分割輸送、集中申告」輸入業務に限り適用される。
■外資銀行 市場参入を緩和
国務院は『「外資銀行管理条例」の改正に関する決定」』を公布した。外資銀行の市場参入を緩和する。外資独資
銀行、中外合弁銀行の中国国内で設立した支店に対し、本店が無償提供する運営資金の最低限度額を規制しな
い。また、中国国内で初めての支店設立の際に、駐在員事務所が設立済みであることを条件としない。2015 年1
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月1日より施行する。
■炭素排出権取引に新規定
国家発展改革委員会は「炭素排出権取引管理暫定弁法」を公布した。炭素排出割当額の管理、排出権取引、検
査・割当額の精算、監督管理、法律責任などについて規定した。
【経済・産業】
■景況感指数 8カ月ぶりの低水準
国家統計局と中国物流購入聯合会が1日に発表した 11 月製造業購買担当者指数(PMI)は 50.3 だった。前月
比 0.5 ポイント下落で、8カ月ぶりの低水準となった。
■HSBCのPMI 横ばい
英系金融大手HSBCが1日発表した 11 月の中国製造業購買担当者指数(PMI)の確定値は 50.0 と、11 月速
報値から横ばいだった。10 月確定値の 50.4 から 0.4 ポイント鈍化し、今年5月以来6カ月ぶりの低水準を記録
した。
■広州モーターショー閉幕
広州市で 11 月 20 日から開催されていたモーターショー、第 12 回中国(広州)国際汽車展覧会が 29 日に閉幕し
た。来場者は前年比 10.5%増の延べ 63 万 5,271 人。出展企業は 830 社、出展された車両は 1,095 台だった。
また今年は第1回エコカー展示会も同時開催された。
■新車販売 2.3%増
中国汽車工業協会によると、11 月の新車販売台数は前年同月比 2.3%増の 209 万 900 台だった。伸び率は今年
最低。1~11 月の累計販売台数は前年同期比 6.1%増の 2,107 万台だった。
■輸出 8カ月連続プラス
中国税関総署によると、11 月の米ドルベースでの輸出は前年同月比 4.7%増と、8カ月連続で前年の水準を上回
った。米国向けなどを中心に堅調に推移した。一方、輸入は 6.7%減。
■海外旅行 1億人突破
中国国家観光局によると、中国本土から海外(香港、マカオ、台湾を含む)を訪れた中国人旅行者数が、11 月末
までに延べ1億人を超えた。通年では前年比 18%増の1億 1,600 万人に達する見通し。日本への旅行者数は通年
で 250 万人前後になるとみられる。同局によると、2013 年の中国本土から海外への旅行者数は延べ 9819 万人。
国別(香港等を除く)では1位が韓国で 425 万人。2位がタイで 401 万人。
■主要 70 都市住宅価格 上昇なし
中国国家統計局による 11 月の主要 70 都市の新築住宅価格動向によると、前月比で 67 都市が下落し、3都市が
横ばいとなった。前月同様値上がりした都市はない。最大の値下がり幅は 1.4%と、前月より 0.2 ポイント縮小し
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た。
■中国製造業景況感 悪化
英金融大手HSBCによると、中国の 12 月の製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は 49.5 となり、11 月確報
値(50.0)より 0.5 ポイント低下した。好不況の判断の境目となる 50 を5月以来7カ月ぶりに下回った。
■来年の成長 7.0%前後
中国社会科学院は「経済青書」を発表した。それによると 2015 年の国内総生産(GDP)の実質成長率が 7.0%前
後になると予測した。14 年は 7.3%と、成長率が前年に比べ 0.4 ポイント鈍化すると予測した。
■テレビ市場、大幅減に
今年の中国のカラーテレビ市場は 30 年来の大幅なマイナス成長になる見通し。中国電機大手のTCL集団の李東
生董事長が産業界の経営者が集まる会合で明らかにした。
■小米 家電に出資
中国スマートフォン(スマホ)大手の「北京小米科技」(シャオミ)と、家電大手「美的集団」(広東省)が資本業務提
携を結んだ。小米が美的に 12 億 6,555 万元(約 240 億円)を出資する。スマホの技術と家電製品の技術を融合し、
両製品を通信で結んだ新商品などを開発する。電子商取引でも連携し、販売拡大でも合意した。
■GDP規模を 3.4%上方修正
国家統計局は、2013 年の名目国内総生産(GDP)の規模を 3.4%上方修正し、58 兆 8019 億元(約 1123 兆円)と
した。企業の実態を調べる「経済センサス」の最新結果を反映した。同局は 13 年以前のGDPのデータも修正する
が「14 年の実質GDP成長率は基本的に影響を受けない」としている。
■地方政府傘下の投資会社 債務残高 140 兆円
中国審計署によると、2013 年6月末の地方政府傘下の投資会社「融資平台」の債務残高は約6兆
9700 億元(約 140 兆円)だった。10 年末の調査より4割増えた。地方政府はこのうち 71%に当たる
約5兆元に明確な償還責任を負い、残る 29%は危機時には救済する可能性がある債務としてい
る。
【日系・外資企業動向】
■エーザイ 蘇州に中国統括会社を設立
エーザイは 江蘇省蘇州市に中国事業統括会社の「衛材(中国)投資」を設立した。蘇州の子会社「衛材(中国)
薬業」と「衛材(蘇州)貿易」の事業統括を行う。エーザイのシンガポール子会社「 Eisai Asia Regional Services 」
の全額出資。資本金は 3,000 万米ドル。
■みずほ銀行 恵州市の開発区と覚書締結
みずほ銀行と中国現地法人のみずほ銀行(中国)は、広東省恵州市の恵州仲ガイ(りっしんべんに豈)ハイテク
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産業開発区、恵州大亜湾経済技術開発区と、それぞれ業務協力覚書を締結した。両開発区への日系企業の進
出支援体制を強化する。
■良品計画 12 月に 12 店舗を新設
生活雑貨店「無印良品」を展開する良品計画は、12 月に中国で 12 店舗を新設する。成都で開店する「無印良
品 成都太古里」は世界旗艦店で売り場面積は 662 坪。中国初出店の飲食店「Cafe & MealMUJI」を併設する。
良品計画が中国で展開する店舗数は 11 月末時点で 117 店舗。16 年末までには 200 店舗まで増やす計画。
■トヨタ 新車販売 2.9%増
トヨタ自動車の 11 月の中国新車販売台数は、前年同月比 2.9%増の9万 2,300 台だった。4カ月連続のプラス。
ただ伸び幅は直近2カ月の 20%台から鈍化した。
■日産自 新車販売 11.8%減
日産自動車の 11 月の中国新車販売台数は前年同月比 11.8%減の 11 万 6,200 台だった。前月比では 11.3%増
となったが、マイナスは5カ月連続。
■三菱自動車・スズキ 新車販売が好調
11 月の三菱自動車の中国新車販売台数は、前年同月比 11.6%増の 8,245 台で 11 カ月連続のプラスとなった。
広州汽車集団との合弁会社「広汽三菱汽車」が生産する多目的スポーツ車(SUV)が好調だった。
スズキの同新車販売台数は、前年同月比 11.5%増の2万 2,587 台で9カ月連続のプラス。中型の多目的スポー
ツ車(SUV)「SX4 Sクロス」が販売を押し上げた。
■ホンダ 新車販売 12%減
ホンダの 11 月の中国新車販売台数は、前年同月比 12.1%減の7万 2,973 台だった。5カ月連続のマイナス。前
月比では 3.1%増となった。
■ホンダ 中国で調査リコール 55 万台
ホンダはタカタ製エアバッグの不具合問題を巡り、中国でも原因究明を目的とした自主回収である調査リコール
(回収・無償修理)を実施する。対象はタカタ製運転席用エアバッグを搭載した 2003~07 年モデルなど2車種。対
象台数は 55 万 3264 台。
■ヨーカドー北京西直門店 閉店
イトーヨーカ堂が運営する「イトーヨーカドー華堂商城西直門店」が 11 月 30 日で閉店となった。売上の低迷が主な
理由。同市内で今年閉店するのは3店舗目。
■キリン堂HD 日系企業買収
ドラッグストアチェーンのキリン堂ホールディングスは、香港子会社であるビューネット・コーポレーションを通じ、
雑貨販売や通信販売などを手掛けるスタイリングライフ・ホールディングス(SLH)の全額出資子会社「美悉商貿
(上海)」の全株式を買収する。中国市場でSLH傘下の化粧品ブランドの拡販を狙う。株式取得は 12 月中旬と
なる予定。
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■JSR ディスプレイ材料製造合弁会社を設立
JSR は台湾の化学大手「長春石油化学」(長春石化)と、中国常熟市でディスプレイ材料の製造を行う合弁会社
「捷時雅精細化工(常熟)」を設立する。資本金は 2,000 万米ドル、出資比率は JSR51%、長春石化 49%。液晶デ
ィスプレイ(LCD)用材料である着色レジスト・感光性スペーサー・保護膜等の生産を行う。
■鴻池運輸 最新の定温物流センター稼働
鴻池運輸の中国現地法人「鴻池亜細亜物流(江蘇)」は、中国江蘇省常熟市に最新鋭物流センター「「常熟定温
物流センター」を竣工、稼働した。防塵対策など繊細な取り扱いが必要なフッ素化学製品、ファインケミカル製品、
エンプラ樹脂、電子部品などハイテク商品の保管が可能。化学品・医薬品・自動車関連・半導体製品を取り扱う。
■昇降機各社 新工場や販売拠点増設
国内昇降機メーカーが中国事業を拡大する。
フジテックは中国のエレベーター工場の生産能力を、来年までに年2万5千台に増やす。三菱電機は 20 年をめど
に年間生産能力を 20%増の 10 万台に引き上げる検討に入った。日立製作所はサービス体制を拡充し、販売サ
ービス拠点を増やす。業務提携するビル管理会社なども増やし、内陸部を中心に拠点網を広げる。
■富士ゼロックス 中国向け低価格複合機を発売
富士ゼロックスは中国市場向け低価格複合機を発売した。A3サイズの用紙まで対応可能なモノクロ複合機。コ
ピー、プリント、スキャンの各機能を兼ね備えながら、価格は 3000 元(約6万円)台。主に中小企業に売り込む。
■ガンホー 「パズドラ」を中国で配信へ
ガンホー・オンライン・エンターテイメントは、中国のインターネットサービス大手「騰訊控股(テンセント)」と提携す
る。2015 年にもガンホーの人気スマートフォン(スマホ)ゲーム「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ)を中国で配信す
る。テンセントのサービスを生かす仕様にパズドラを作り直す。
■日立 産業機器販売子会社設立
日立製作所は中国南部で産業機器事業を拡大するため、香港に子会社を設立した。工場やビル、配電設備向け
のインバーターや空気圧縮機、変圧器などを販売する。
■カシオ計算機 高級腕時計販売
カシオ計算機は6日から中国で高級腕時計の発売を開始した。価格は1万 4990 元(約 29 万円)から。機械式風
のデザインを採用しながら、世界どこにいても正確な時刻を表示する機能を備える。スイス勢に対抗する。
■アビタス 中国人留学生向けに予備校
国際資格取得スクール大手のアビタスは 2015 年1月、中国人留学生向けに日本の大学進学のための予備校
「思得学園(シーダム)」を開く。日本語学校と組み合わせ、中国の若者が日本で語学習得と大学受験対策を並
行してできるようにする。
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■米カリフォルニア州 中国の大気汚染対策を支援
米カリフォルニア州は大気汚染対策で中国政府と協力する。微小粒子状物質「PM2.5」の自動車排出ガス基準
や、大気汚染の測定技術などを同州が提供し、省エネ技術や排出量取引、低炭素都市の取り組みについても支
援する。
■住友理工 無錫に新工場完成
住友理工株式会社は、無錫市で自動車用防振ゴム製造・販売子会社「安維斯(無錫)橡膠减震器有限公司
(Anvis Wuxi 社)」の事務所の増築と新工場の設立が終了し、完成祝いの式典を行った。
■GM 重慶の新工場稼働
米ゼネラル・モーターズの中国合弁「上汽GM五菱汽車」は、重慶市に年産 40 万台の生産能力を持つ新工場を
稼働した。需要が拡大する内陸部への供給拠点とする。投資額は 66 億元。
■仏アコー ホテルに出資
フランスのホテル大手アコーは、華住酒店集団と資本・事業提携する。アコーが華住の株式 10%を取得し、華住
がアコーの一部ブランドでフランチャイジーとなる。
■米ブラウンフォーマン 五糧液集団と商品開発
ウイスキー「ジャックダニエル」を傘下に持つ米蒸留酒大手ブラウンフォーマンは、白酒の製造大手五糧液集団
(高級蒸留酒)と商品開発で協力する合意文書に調印した。
■日立オムロン 韓国企業と子会社を中国で提訴
日立製作所子会社「日立オムロンターミナルソリューションズ」は、韓国の現金自動預払機(ATM)を製造・販売
する「ノーチラス・ヒョーソン」(NH)と同社の中国生産子会社「北京暁星電脳技術」が、日立オムロンの特許を侵
害しているとして北京中級人民法院に両社を提訴した。NH社製ATMの中国国内での販売差し止めや損害賠償
などを求めている。特許侵害があったのは、「紙幣還流機構」というATMの主要システム。
■ソニー・コンピュータエンタテインメント PS4を販売
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は、同社の据置型ゲーム機「PlayStation 4(PS4)」(CUH-1000 シリ
ーズ)と、携帯型ゲーム機「PlayStation Vita(PS Vita)」(PCH-2000 シリーズ)を 2015 年 1 月 11 日から中国で販
売開始する。同時に、PS4 や PS Vita に向けた専用周辺機器も発売する。また、中国市場での「PlayStation」ビジ
ネスの展開に合わせて、70 以上のソフトウエアメーカーが PlayStation 向けソフトを提供する予定。
■日本アニメーション ちびまる子ちゃんを即日無料配信
アニメ制作大手「日本アニメーション」は 28 日から、中国の動画配信サイトを通じてアニメ「ちびまる子ちゃん」の
即日配信を始める。日本でのテレビ放送終了から約1時間後に中国語の字幕版を無料で配信し、海賊版の流通
防止を狙う。
■三菱重工業 合弁会社の生産体制を整備
三菱重工業と大連冷凍機股份有限公司(DRC)とのターボ冷凍機専業合弁会社「菱重冰山制冷(大連)有限公
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司」は、生産体制を整備した。中国国内における販売・サービスは、中国での冷熱事業の販売およびアフターサ
ービスを統括する「三菱重工空調系統(上海)有限公司」が担当する。中国全土をカバーする販売網を活用して
拡販に取り組み、東南アジアなどを中心とする中国周辺地域にも販売する。
■ルネサス 人民元を一括管理
ルネサスエレクトロニクスは、中国と日本間で人民元を融通し合う資金一括管理制度を導入した。「中国(上海)
自由貿易試験区」における規制緩和を利用する。「資金プーリング」と呼ぶ仕組みで、みずほ銀行が管理する。子
会社間で偏在する資金の過不足を調整することでグループ全体の資金を有効活用することができるメリットがあ
る。
■日通 日通奨学金を設立
日本通運の中国現地法人「日通国際物流(中国)」が、北京物資学院物流学院において「日通奨学金」を設立し
た。日通奨学金は、物流業界でグローバルに活躍できる人材の育成を、産学連携で目指す。
■ジョリビー ダンキンドーナツ
フィリピンのファストフード最大手「ジョリビー・フーズ」は中国に「ダンキンドーナツ」を今後 20 年で 1459 店以上出
店する。ジョリビーの海外子会社「ジョリビー・ワールドワイド」と、香港とシンガポールに拠点を置く投資会社RRJ
キャピタルの子会社「ジャスミン・アセット・ホールディングス」が合弁会社を設立する。投資額は最大3億ドル(約
360 億円)で、経営権の 60%は同社が持つ。
■仏ムートン・ロートシルト 販売攻勢
仏ボルドーの五大シャトーに数えられる「ムートン・ロートシルト」(羊が脚で立つロゴで有名)は、中国人がえとに
ちなんだ商品を好むため、ひつじ年の来年、中国で販売攻勢をかける。1月 30 日に香港のオークション、サザビ
ーズに歴代の希少ワインを出品し、競りにかける。2千万香港ドル(約3億円)の販売を目指す。
【人民元情報】
人民元市場レート(2014 年 12 月 25 日)
外貨名 100 日本円
中間値 5.1058 人民元
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2015 年 1 月(第 31 号)
【中国ビジネスワンポイントアドバイス】
環境保護法の改正ポイント
「中華人民共和国環境保護法(以下、「改正法」と略記)」が改正され、2015 年 1 月 1 日から実施されます。
この度の改正では、環境保護の主管部門に対して、大幅に裁量を拡大させ、強制執行や責任者の身柄拘束まで
も可能とし、処罰や過料についても厳罰化されています。日系メーカーにおいても、今回の改正のポイントを把握
するとともに、現状の製造環境を確認点検することが必要です。
企業に対する排出総量規制目標値の割り当て(改正法第 44 条)
国務院により決定された特殊汚染物質の排出総量規制目標値は、地方政府を通じて企業に対しても
割り当てられます。なお、目標値を超える場合、地方政府レベルで新規プロジェクトに対する審査・許可
が一時停止されます。
汚染物質排出許可管理制度の実施(改正法第 45 条)
「汚染物質排出許可証」の取得が義務付けられ、同許可証に記載された要求に従い、排出が許可さ
れます。
環境汚染公共モニタリング事前警報体制の確立(改正法第 47 条)
企業が突発的な事故発生時における応急対策措置を制定した上で、環境主管部門に届け出ておく必
要があります。そして、事故発生時には同措置に基づいて対応しなければなりません。その際には、住
民への通知と環境主管部門への報告が必要となります。
企業による情報公開(改正法第 55 条)
汚染物質排出企業が開示しなければならない情報:
汚染物質名称、排出方法、排出濃度、排出総量、排出状況と基準超過状況、
汚染防止及び改善のための施設とその稼働状況、など。
環境アセスメント報告書の作成過程に情報公開及び意見聴取の手続が必要(改定法第 56 条)
環境アセスメント報告書を主管部門に提出した後、主管部門は、国家機密と商業機密に関する事項を
除いて、その全文を公開した上で、社会からの意見を聴取しなければなりません。ただし、意見聴取に不
備が判明した場合の責任は企業にあると規定されており注意が必要です。
公益訴訟制度の確立(改定法第 58 条)
従来、環境汚染を発見した場合、一般市民においては、行政に苦情や通報することにとどまっていた
が、改定法により、一般市民でも民事訴訟により環境汚染行為停止と損害賠償請求ができるようになり
ます。
環境主管部門による強制執行も可能に(改正法第 6 章)
改定法では、環境主管部門により、違法な環境汚染も対する生産制限や停止命令が可能となった上、
汚染に関連する設備や施設の差し押さえなどの強制執行を可能とする職権も付与しています。また、事
故責任者を公安局によって最長 15 日間の身柄拘束をさせる可能性もあります。さらに、汚染物質排出に
伴う過料命令に従わない者に対しては、支払日までの日割り計算で過料算出される可能性もあります。
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2015 年 1 月(第 31 号)
【その他注意事項】
上海では、
「上海市大気汚染防治条例」が改正され、昨年 10 月 1 日から実施されています。この改正条
例に基づく罰金命令もニュースで報道されました。環境保護法の改正によって、更に上海での環境保護規
制及び監督が厳格化されることが考えられます。中国に自社の製造拠点がある企業はもちろんのこと、中
国に委託加工先などの取引先がいる場合においても、工場の使用設備や製造環境の現状を確認しておきま
しょう。
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