富山県経済・文化調査団 訪米概要報告 - 映像・音声で知る富山県 とやま

富山県経済・文化調査団
訪米概要報告
5月14日(水)~5月19日(月)
富 山 県
富山県経済・文化調査団の活動結果について
1
日 程
知事日程
5月14日(水)
〈1日目〉
場
所 等
・富山きときと空港→羽田空港
・成田空港→JFK空港
○ニューヨーク富山県人会との交流会
日本クラブ
【ニューヨーク泊】
5月15日(木)
〈2日目〉
・ラガーディア空港→マイアミ空港
○ロイヤル・カリビアン・クルーズ社訪問
同左
○シルバーシー・クルーズ社訪問
同左
・フォートローダーデール空港→ラガーディア空港
【ニューヨーク泊】
5月16日(金)
〈3日目〉
【その他団員】
○WAZAショップ視察
○ニューヨーク日本商工会
議所訪問
○メトロポリタン美術館視察
○ジェトロ・ニューヨーク事務所訪問
同左
○在ニューヨーク日本国総領事・大使との昼食会
大使公邸
○アート&デザインミュージアム訪問
同左
○とやま伝統工芸PR展示会オープニング
大西ギャラリー
【ニューヨーク泊】
5月17日(土)
〈4日目〉
○グッゲンハイム美術館視察
同左
○ジョーン・マービス・ギャラリー訪問
同左
○WAZAショップ視察
同左(紀伊國屋書店内)
○ニューヨーク近代美術館(MoMA)視察
同左
・JFK空港→
5月18日(日)
・→成田空港
〈5日目〉
5月19日(月)
〈6日目〉
【東京泊】
・羽田空港→富山きときと空港
富山県経済・文化調査団名簿
名誉団長
団
長
石井 隆一
髙木 繁雄
中井 敏郎
梅田ひろ美
氏
氏
氏
氏
富山県知事
富山商工会議所会頭
東亜薬品㈱ 代表取締役社長
㈱ユニゾーン 代表取締役会長
秘 書 長
随
員
佐野究一郎
雪山 行二
布野 浩久
宮崎 一郎
太田 浩男
氏
氏
氏
氏
氏
荻布
彦
氏
中川美彩緒
杉原 英樹
氏
氏
富山県商工労働部長
富山県立近代美術館館長
富山県知事政策局秘書課長
富山県商工労働部経営支援課長
富山県土木部港湾課
環日本海拠点港推進班長
富山県観光・地域振興局観光課
国際観光班長
富山県水墨美術館主幹
富山県商工労働部経営支援課
地域産業係長
室
川淵
氏
氏
報
道
尚志
満
㈱北日本新聞社政治部長
富山新聞社政治部長
(計
14名)
とやま伝統工芸PR展示会オープニングの参加作家
大澤 光民
般若
保
釋永由紀夫
氏(高岡銅器/金工/人間国宝)
氏(高岡銅器/金工)
氏(越中瀬戸焼/陶芸)
(計
3名)
5月14日(水)ニューヨーク
(1)ニューヨーク富山県人会との交流会
ア 日 時:5月14日(水)20:00~22:00
イ 場 所:日本クラブ
計41名参加
ウ 参加者:県経済・文化調査団ほか 計13名
エ 相手方:土肥信一会長ほか
計28名
オ 内容要旨
○ニューヨーク富山県人会の皆さんと親しく懇談しました。会長の土肥信一氏(高岡市
ご出身)は、元メトロポリタン美術館の学芸員で、現在も画家として創作活動を続け、
日米文化交流にも尽力されています。
○最初に、土肥会長の開会の挨拶、
○次に、富山県知事(名誉団長)の挨拶、
○高木団長の挨拶 と続き、
○土肥会長から石井知事に土肥会長の絵画の目録が贈呈されました。
○石井知事から土肥会長に、とやま伝統工芸PR展示会の開催などについてのご尽力及
び絵画の寄贈に対し、感謝状を贈呈しました。
○懇談に入った後、適宜、自己紹介が行われ、画家・彫刻家の吉野美奈子さん、文化庁
の新進芸術家海外研修生である松理沙さんなどにニューヨークでの近況を報告して
いただきました。
○富山県の特産品(氷見うどんなど)が当たる抽選会「ラッキードロー」もありました。
○交流会の締めくくりとして、「ふるさとの空」を今回の調査団と県人会の皆様と全員
で合唱しました。富山県各地の豊かで美しい自然や、伝統文化などが盛り込まれてい
る歌を合唱するうちに、ふるさと富山に思いを寄せ、涙する県人もおられました。
○最後は、県人会の皆様と調査団の皆様で記念撮影を行いました。
土肥会長の開会挨拶
石井知事の挨拶
高木団長の挨拶
土肥会長への感謝状贈呈
土肥会長からの一言
「ふるさとの空」を全員で合唱
全員で記念撮影
5月15日(木)マイアミ
(1)ロイヤル・カリビアン・クルーズ社訪問
ア 日 時:5月15日(木)14:30~15:15
イ 場 所:マイアミ市 ロイヤル・カリビアン・クルーズ社(以下「ロイヤル
社」)
ウ 参加者:石井知事、佐野商工労働部長、布野秘書課長、荻布観光課班長、
太田港湾課班長
エ 相手方:ファン・トレスカストロ副社長(入港計画担当)
ミゲル・レイナ部長(ポートビジネス担当)
マーク・ミラー課長(運行計画担当)
ポール・ラフリン課長補佐(寄港地観光担当)
オ 内容要旨
○石井知事から、昨年9月の「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ(13万8千ト
ン)」寄港に対し感謝の気持ちを伝えるとともに、伏木富山港は、現在、フ
リーダム級(15万4千トン)の寄港が可能なように整備済であることを説
明しました。また、来年6月からアジア配船される「クァンタム・オブ・ザ・
シーズ(16万8千トン)」の伏木富山港寄港を是非実現して欲しいこと、
そのために、クァンタム級に関する情報を早めにいただき、寄港に必要な整
備のための準備にとりかかりたいことを表明しました。
〇ロイヤル社からは、ボイジャー寄港時の乗船客アンケート結果として伏木富
山港は全体的に評価が高かったとの説明がありました。具体的には、港の清
潔さや地元の歓迎体制について評価が高かった反面、シャトルバスやタクシ
ーを使った観光地までのアクセスなどについてやや評価が低かったと説明
がありました。これに対し、石井知事からは、観光地までのアクセスについ
て関係者と問題点を検討し、今年4月の11万6千トンのクルーズ客船の寄
港時にはスムーズに対応できたと説明を行いました。
〇ロイヤル社から、新しく開業するアウトレットモールは、中国の乗船客はも
ちろん、日本や欧米の乗船客にとっても大変魅力的な施設になるとの評価を
いただきました。
〇ロイヤル社から、万葉ふ頭は貨物船も使用しているが、乗船客の利便性を考
えるとトイレや売店などを有する専用のターミナルがあればさらに良いと
の意見がありました。石井知事からは、現状では仮設で対応しているが、今
後、ターミナルの整備についても検討していきたい。そのためにも、寄港回
数を相当程度増やしていただくことが是非必要であるとお話、要望しました。
(2)シルバーシー・クルーズ社訪問
ア 日 時:5月15日(木)16:30~17:00
イ 場 所:フォートローダーデール市 シルバーシー・クルーズ社(以下「シ
ルバー社」
ウ 参加者:石井知事、佐野商工労働部長、布野秘書課長、荻布観光課班長、
太田港湾課班長
エ 相手方:マリー・ショー・ディラニー部長(寄港地観光担当)
マイケル・パウルス部長(運行計画担当)
オ 内容要旨
○石井知事から、2万トン級のラグジュアリー船(高級、探求・体験型客船)
を運航するシルバー社の寄港計画作成にあたり、これまでの北極海や太平洋
の離島を巡るクルーズだけでなく、日本列島を一周するクルーズも企画され
ていると伺っているが、その際には、太平洋側だけでなく、日本海側にも寄
港していただきたいと要請しました。シルバー社からは、現在、2016年
の寄港計画を検討中であり、ウラジオストクなどの環日本海諸国の港と、日
本海側の港を含めたルートについても検討しているとの発言がありました。
○クルーズ客船寄港時のもてなしでは、観光案内所や無料のWIFIスポット
の設置を評価していただくとともに、花火の打ち上げなど出港セレモニーの
手厚さも素晴らしいと評価いただきました。
〇立山黒部アルペンルートの雪の大谷や世界遺産五箇山合掌造り集落ととも
に、ユネスコの世界無形文化遺産への登録を目指している高岡御車山祭、城
端曳山祭及び魚津たてもん祭や、日本屈指の祭りであるおわら風の盆、2年
前にフランス・リヨンの祭りに参加した福野夜高祭などについて、大変興味
を示していただきました。
〇高岡銅器、五箇山和紙、城端の織物などの伝統工芸について、高い技術の製
作過程を間近で体験できるツアーの企画は非常に面白いと評価いただきま
した。
〇石井知事から、出張で不在であった、アジア太平洋地区配船責任者のダリウ
ス・メータ副社長に宛てて、伏木富山港や背後観光地への視察を要請する親
書を手交しました。
ロイヤル・カリビアン・クルーズ社
シルバーシー・クルーズ社
5月15日(木)ニューヨーク
(1)WAZAショップ視察
ア 日 時:5月15日(木)10:00~10:40
イ 場 所:WAZAショップ(紀伊國屋2階)
ウ 参加者:県経済・文化調査団
高木団長、中井、梅田、雪山、宮崎、中川
エ 同 行:土肥信一会長、小川北陸銀行ニューヨーク駐在員事務所長
計8名
オ 内容要旨
○15坪程度のスペースに日本の 10 社の伝統的工芸品の技術を現代の生活に
アレンジした商品を展示販売しており、富山県からは、能作、天野漆器の商
品が展示されていました。
○能作はもちろん、天野漆器の螺鈿ガラスが最近よく売れているとのことです。
WAZA ショップで富山の工芸品を視察
※ 石井知事は、この日はマイアミに出張中のため、5月 17 日に視察されました。
(詳細は、5月 17 日の報告書にあり)
(2)ニューヨーク日本商工会議所訪問
ア 日 時:5月15日(木)11:00~11:45
イ 場 所:日本クラブビル6階
ウ 参加者:県経済・文化調査団
高木団長、中井、梅田、雪山、宮崎、中川
エ 同 行:土肥信一会長、小川北陸銀行ニューヨーク駐在員事務所長
計8名
オ 相手方:長谷川俊也副会頭(ノムラ・ホールディング・アメリカ Co-CEO)、
佐藤元広事務局長
カ 内容要旨
○長谷川副会長や、佐藤事務局長からは、「富山県高岡市出身の高峰譲吉さん
のご尽力なければニューヨーク日本商工会議所がなかった。富山県とは歴史
的にもゆかりがある。」とのコメントありました。
○これに対し、高木団長からは、
「明治初期には、金沢市は人口全国4位、富山
市は全国9位を誇っていたが、それから国策で太平洋側の人口が増え、北陸
の地位が相対的に低下した。海外展開する企業を支援するとともに、県内産
業の振興も図り、格差の解消と、富山県の発展に協力していきたい。」との挨
拶がありました。
○また、ニューヨーク日本商工会議所側から、同事務所が実施している教師を
日本に派遣するJCCIプログラムにより、富山県(4年前の石井知事のニ
ューヨーク訪問の際に狩野専務理事(当時)に要請し、2年前に実現)を含
め、日本各地にホームスティしてきた教師のアンケートによると、
「東京より
も、富山県黒部市の『自然、緑、海の蒼さ』が印象的だった」とのコメント
があり、富山県の自然の豊かさなどをニューヨークの教師も実感している。
PRすれば富山もニューヨーカーに受けると思うとの発言がありました。
ニューヨーク日本商工会議所
(3)メトロポリタン美術館訪問
ア 日 時:5月15日(木)13:30~15:00
イ 場 所:メトロポリタン美術館
ウ 参加者:県経済・文化調査団
高木団長、中井、梅田、雪山、宮崎、中川
エ 同 行:土肥信一会長、小川北陸銀行ニューヨーク駐在員事務所長
計 8名
オ 内容要旨
○土肥元学芸員の案内・説明により効率的に見所の視察を行い、活発な情報・
意見交換を行いました。
○増築を重ねた広大な施設に、大量の作品や資料が展示され、多数の入場者で
混雑して繁華街のように混雑していました。館内ガイド(表示や印刷物)が
用意され、多様なガイドツアー(職員又はボランティア)が定期的に行われ
ています。
○展示室は全体に明るく(外光も利用)開放的な印象。照明等設備は旧式。
○ショップの広さ、商品の多様さは圧巻で、大変賑わっていました。
○カフェ・レストランは、会員専用も含め複数ありました。
○教育部門だけで 100 名のスタッフが雇用されています。
○海外からのお客から、修学旅行まであらゆる層を受け入れる姿勢は、規模の
違いはあるものの、本県の美術館等の施設の運営・企画面に活かすことが可
能と思われます。
メトロポリタン美術館
5月16日(金)ニューヨーク
(1)ジェトロニューヨーク事務所(櫻井所長)訪問
ア 日 時:5月15日(木)10:00~10:40
イ 場 所:ジェトロニューヨーク事務所
ウ 参加者:県経済・文化調査団
石井知事、中井社長、梅田会長、雪山館長、布野課長、宮崎課長、
太田班長、荻布班長 計8名
エ 相手方:櫻井事務所長、河田次長、岸本課長、宮崎課長、秋山課長、大島課
長
オ 内容要旨
○冬の悪天候による一時的な景気の停滞があったものの、自動車販売の増加、
シェール革命、人口増等により景気拡大が続く最近の米国の経済状況につい
て説明がありました。
○富裕層が多いので、クオリティが高く、長持ちするものが受けるとのアドバ
イスがありました。
○富山の工芸品をノースカロライナ州知事のお土産に持って行ったら、大変喜
ばれた。富山のものを含め、日本にはクオリティの高い工芸品があることは
かなり知られている。
○米国のライフスタイルに合ったものとするために、「NY NOW」など各
種展示会にジェトロが設置するブースに出展してほしいと要請があった。米
国では国土が広いので、サプライヤーがバイヤーを回るという飛び込み営業
というのは効率的でなく、年何回かの展示会での受発注の比重が高い。1年
目で、現地の反応を踏まえ改善して、2年目に再度出展すると結構売れるよ
うになるとのことで、継続的な出展のアドバイスをいただきました。
ジェトロニューヨーク事務所訪問
(2)在ニューヨーク日本国総領事館 草賀総領事(大使)との昼食会
ア 日 時:5月16日(金)12:00~13:30
イ 場 所:総領事・大使公邸
ウ 参加者:県経済・文化調査団
石井知事、中井社長、梅田会長、大澤・般若・釋永(作家)、佐野部
長、雪山館長、宮崎課長
エ 同 行:土肥信一会長
計10名
オ 相手方:草賀大使・総領事(以下「大使」という。)、同夫人、岩井首席領事、
平島領事
カ 内容要旨
○草賀大使からは、ニューヨーク総領事の役割としては、日本とニューヨーク
の距離を縮める役割を担っており、富山県から富山の工芸品をはじめ日本を
PRするために来ていただけることは有難い。ニューヨークは、米国の経
済・文化の中心都市であり、各界のトップが集っているので、ここでPRを
行うことは非常に有意義とのコメントがありました。
○石井知事からは、昼食会にお招きいただいたことに対する感謝を伝えるとと
もに、昼食会に同席している3名の作家の紹介と富山県の伝統工芸、特に高
岡銅器は、1870 年代から 1930 年代にかけて、パリ万博、シカゴ万博、フィ
ラデルフィア万博などに積極的に参加し高い評価を得ていた歴史があるこ
と、パリ万博などの際には、高岡出身の林忠正が大きな役割を果たしたこと
などについての説明を行いました。
○こうした歴史も踏まえて、あらためて高岡銅器や越中瀬戸焼などの魅力を積
極的に世界に発信したいと考え、(伝統工芸PR展示会を)まずはニューヨ
ークで開催することにした。ご多忙の中、草賀大使ご夫妻に、夕方の展示会
にご臨席いただけるとのことで大変有難いとお礼を申し上げました。
○草賀大使ご夫妻には、夕方の伝統工芸PR展示会にご出席され、祝辞をいた
だきました。
大使公邸での歓談・昼食会
(3)アート&デザインミュージアム訪問
ア 日 時:5月16日(金)14:00~16:30
イ 場 所:アート&デザインミュージアム
ウ 参加者:県経済・文化調査団
石井知事、中井社長、梅田会長、大澤・般若・釋永(作家)、佐野部
長、雪山館長、宮崎課長、中川課長
エ 同 行:土肥信一会長
計 11名
オ 相手方:グレン・アダムソン館長、バーバラ・トンバー顧問(グローバルリ
ーダーシップ委員会理事・会長)、ローリー・スミス主任学芸員、
ローン・ラバコ学芸員
カ 内容要旨
○グレン・アダムソン館長からアート&デザインミュージアムの説明の後、ロ
ーン・ラバコ学芸員から館内を案内していただきました。
○石井知事からは、ニューヨークには、メトロポリタン美術館、ニューヨーク
近代美術館など、現代のデザインなどを扱う著名な優れた美術館があるが、
その中でアート&デザイン美術館を創設した理由、目的や、活動運営費の確
保などの状況等について伺いました。
○グレン・アダムソン館長からは、
①同美術館の旧名は「アメリカン・クラフト・ミュージアム」であったが、
クラフト分野の外にある絵画、彫刻、ファッションなど全ての表現形式
を盛り込む活動を目指すため、
「アート&デザインミュージアム」と改称
したこと、
②展示する分野を増やすだけでなく、深く掘り下げることにも心がけ、製
作過程にも注目しているとのことです。すなわち来館者が様々な体験を
通じて創作のプロセスに触れられるよう6階フロアのオープンスタジオ
のように、ガラス張りで製作過程も見せるような仕掛けを工夫している
こと、
③同美術館の入館者数:1 日400~600人(イベント開催時は千人以
上)、年間約1200件のツアーガイド、ワークショップ等のプログラム
を実施しており、プログラムが豊富にあること、活動資金については、
5%~20%が公的資金で、残りは個人の寄付、企業スポンサー、入場
料収入、レストラン収入、基金繰入の順で多いこと等を伺いました。
個人や企業からの支援が多いことについては、税制の違いなどもありますが、
米国では芸術に対する国民の理解度が高いと感じました。
○石井知事から、富山県の3人の作家の作品をはじめ、伝統工芸の紹介や県立
近代美術館の移転新築の考え方等について説明し、それらの参考とさせてい
ただくため、訪問したこと等を説明しました。
○その後、アート&デザイン美術館の視察を行いましたが、伝統的な仕事から、
最先端のデジタル技術まで、片足は過去(根源)に、もう一方の足は未来(新
しい技法)に置く活動をしており、その考え方、活動状況は、富山県の新美
術館にとっても参考になったと感じています。
○企画展「Out of hand」では、3Dプリンターで創りあげたオブジェなど
を見学しました。3Dプリンターが出てきて、デザインなどの創作の可能性
が広がったと感じられました。
石井知事から富山県の伝統工芸品の
特色、移転新築する県立近代美術館
のコンセプト、整備運営の考え方等
について説明
ミュージアム視察
(4)とやま伝統工芸PR展示会
ア 日 時:5月16日(金)18:30~20:30
イ 場 所:大西ギャラリー
ウ 参加者:県経済・文化調査団
石井知事、中井、梅田、大澤、般若、釋永、佐野部長、雪山館長、宮
崎課長、中川課長、太田班長、荻布班長、杉原係長、谷口主任(観光
課)
エ 同 行:土肥信一会長
計 15名
オ 内容要旨
○主催者挨拶として、石井知事から富山県の紹介と、本県伝統工芸品は、1
870年代から1930年代にかけて、高岡銅器がパリ万博、ロンドン万
博、シカゴ万博、フィラデルフィア万博などに積極的に出展され、高い評
価を得ていたことなど、長い歴史があること、最近、優れた作家が輩出し
ていることから、あらためて、世界の経済・文化の中心都市であるニュー
ヨークで、今回、展示会を開催することとしたことなどについて説明を行
いました。
○来賓挨拶として、草賀在ニューヨーク日本国総領事・大使及びアート・ア
ンド・デザイン美術館を運営するバーバラ・トンバー顧問(グローバルリ
ーダーシップ委員会理事・会長)から今回の展示会開催のお祝いの言葉を
いただきました。
○続いて、今回参加いただいた大澤光民氏、般若保氏、釋永由紀夫氏から、
それぞれの技術や特徴、製作への思いについて、来場者に向けてスピーチ
いただいたところ、来場の皆さんは熱心に聞き入っていました。
○オープニング後の作品鑑賞においては、草賀大使をはじめ、今回の展示会
のためにワシントンから来場されたシャーリー・ジョンソン氏(弁護士・
コレクター)や来場された大勢の皆さんと親しくお話させていただき、富
山の魅力及び3作家のアピールを行いました。来場された方からは、早く
も作品を購入したいとの希望も寄せられました。
○また、能作や天野漆器など県内の10事業者による商品コーナーにも多く
の来場者が集まり(約100名)、興味深く商品をご覧いただきました。
○なお、3作家の製作工程を約5分に編集したDVDを会場で流したところ、
多くの方が興味を持って観ていた。
○また、オープニング中は、ニューヨーカーに人気のユニオン・スクエア・
カフェの系列であるユニオン・スクエア・イベントのシェフにより、能作
及び釋永由紀夫氏の皿にオードブル等を盛り付け、来場者に振舞いました。
さらに、能作の酒器により、本県地酒を振舞ったところ、大好評でした。
○3名の作家の方々からは、各々、今回の視察や展示会ですごく刺激を受け
たので、この経験を必ず活かして次回の作品づくりに励みたいとのお話を
いただきました。
○なお、展示会場の一角に観光PRブースを設置したところ、多くの方が関
心を示され、特に雪の大谷のポスターを見て「信じられないくらい、すば
らしい光景だ。行ってみたい。」とコメントされる来場者もいらっしゃい
ました。
石井知事の挨拶
大澤光民氏からの説明
シャーリー・Z・ジョンソン氏(左)
バーバラさんの来賓祝辞
展示会式典の様子
石井知事:最後まで富山をPR
5月17日(土)ニューヨーク
(1)グッゲンハイム美術館視察
ア 日 時:5月17日(土)10:00~11:00
イ 場 所:グッゲンハイム美術館
ウ 参加者:県経済・文化調査団
石井知事、中井社長、梅田会長、佐野部長、雪山館長、布野、宮崎、
太田、荻布、中川 計10名
エ 同 行:土肥会長
オ 内容要旨
○建物は「かたつむり」の愛称を持つ、フランク・ロイド・ライトが設計した、
世界で最も有名な建築物の一つであり、最上階までエレベータで上がり、そ
こから螺旋状に降りながら作品を鑑賞するという設計になっています。近現
代美術専門の美術館です。土肥会長の説明で館内を案内していただきました。
○(館内は撮影禁止なので中の様子はここにはありませんが)展示の途中に、
映像コーナー、ライブラリー、休憩コーナーが設置されるなど、鑑賞者を飽
きさせない工夫が随所に見られるほか、(本県近代美術館と同様に、)市内の
小学校とグッゲンハイム美術館との共同による子供たちの芸術活動も行われ
ており、新近代美術館の参考になったと感じています。
グッゲンハイム美術館
(2)ジョーン・マービス・ギャラリー訪問
ア 日 時:5月17日(土)11:20~11:45
イ 場 所:ジョーン・マービス・ギャラリー
ウ 参加者:県経済・文化調査団
石井知事、中井社長、梅田会長、佐野部長、雪山館長、布野、宮崎、
太田、荻布、中川 計10名
エ 同 行:土肥会長
オ 相手方:小澤氏(ジョーン・マービス・ギャラリーの日本人スタッフ)
カ 内容要旨
○屏風絵や陶芸作品など、日本の美術品を専門に扱う同ギャラリーを訪問しま
した。
○小澤氏から、ニューヨークのコレクターは、実用性よりも、造形性やオブジ
ェとして魅力のあるものを好むとの説明がありました。
○石井知事から、日本伝統工芸が世界で受け入れられるきっかけについて尋ね
たところ、「日本の作家にはもともと力量や技能が備わっているが、そこに
革新性や新しい造形力、自由な感覚といった魅力を付加すると欧米では喜ば
れる」との説明があました。
○また、土肥信一氏や、大西なな氏からも、日本の伝統工芸品は、用途を持っ
た日用品よりは、観賞用としての「現代美術作品」として製作されたものが
米国では評価を受けやすいとの助言もいただきました。
○今後、本県の伝統工芸品の海外展開を図る上で大いに参考になったと感じて
います。
ジョーン・マービス・ギャラリー
(3)WAZAショップ 視察
ア 日 時:5月17日(土)13:15~13:45
イ 場 所:WAZAショップ(紀伊國屋2階)
ウ 参加者:県経済・文化調査団
石井知事、布野、宮崎、太田、荻布 計5名
エ 同 行:土肥会長
オ 内容要旨
○富山県関係では、能作約 50 品、天野漆器約 50 品を販売しています。
○1 日あたりの購入者は、今の時期は 30 名程度、夏場になると、もう少し多い
とのことです。
○伝統工芸の技に現代的なデザイン感覚を取り入れたものがよく売れている
とのことです。
○新美術館のミュージアムショップでも、富山県の新たな優れた伝統工芸品の
うち一定のものを展示販売する必要があり、望ましいと感じました。
WAZAショップ視察
※ 高木団長、中井社長、梅田会長、雪山館長には、5月15日(木)
10:00~10:40に視察いただきました。
(4)ニューヨーク近代美術館(MoMA)視察
ア 日 時:5月17日(土)14:00~15:00
イ 場 所:ニューヨーク近代美術館(MoMA)
ウ 参加者:県経済・文化調査団
石井知事、中井社長、梅田会長、佐野部長、雪山館長、布野、宮崎、
太田、荻布、中川、杉原 計11名
エ 同 行:土肥会長、大西なな氏
オ 内容要旨
よしお
○世界最初で最大の近現代美術館であり、2004 年には日本人建築家の谷口吉生
氏によりリニューアルされています。土肥会長及び大西なな氏の説明で館内
を案内していただきました。
○かねて見たいと思っていたセザンヌや、本県近代美術館にもあるピカソ、ミ
ロ、ジャスパー・ジョーンズなどの作品を数多く見ることができ、有意義で
あった。
○展示作品数が多く、来館者はマップを片手に目当ての美術品を探すことを楽
しんでいました。また、家具や調度品、ポスター、装飾品など収集対象が広
く、時代の特徴を表すように複合的に展示されていました。
○中庭の庭園では、多くの緑とともに彫刻作品が展示されており、都会の真ん
中とは思えないような空間を演出していました。
○本県近代美術館とは規模が異なるので一概にはいえないが、環水公園内に設
置する新近代美術館の設置や、展示手法に大いに参考になったと感じていま
す。
ニューヨーク近代美術館視察