当院消化器内科における臨床研究での患者さんの診療に関する記録の利用について小腸癌における病理標本の免疫組織学的な調査について 1 . はじめに当院消化器内科では、小腸癌の患者さんを対象に全国の主要な病院が協力した、｢切除不能・再発小腸癌に対するオキサリプラチン併用フルオロウラシル持続静注/アイソボリン療法(mFOLFOX6)に関する第二相試験｣に登録、化学療法を行いました。その対象患者さんに対して、「小腸癌の免疫病理学的検査検討による化学療法の治療感受性・予後に関する後向き解析調査」を実施しています。この文書は、研究の目的、内容、注意点などについて説明したものです。 2 . 小腸癌に対する抗がん剤治療及び免疫組織学的検討について小腸癌に対する抗がん剤治療として定まったものはありませんが、我々は｢切除不能・再発小腸癌に対するオキサリプラチン併用フルオロウラシル持続静注/アイソボリン療法(mFOLFOX6)に関する第二相試験｣を行うことによって、標準治療の確立に取り組んできております。ただ小腸は十二指腸、空腸、回腸と多くの臓器からなっており、また免疫組織学的にも大腸癌類似のものとそれ以外のものがあるという報告もあり、小腸癌自体が免疫組織学的にどのような癌に類似するのかを明らかにしていく必要があります。 3 . 本研究が疫学（えきがく）研究であることある病気の診断・治療等の医療行為について、その方法の有効性・安全性を評価するために診療情報を収集・集計しておこなう研究を「疫学研究」といいます。本研究では、小腸癌患者における病理検体を用いた免疫組織学的検査についての疫学研究をおこなうことにより、その頻度、治療効果や予後との関連を検討することを目的としています。なお、この疫学研究は、研究代表施設である京都大学の倫理審査委員会の承認後に、神戸市立医療センター中央市民病院の倫理委員会の承認を得た上で行う研究です。 4 . 本研究における調査内容・目的今回の調査では、以下の項目を調査します。＜調査項目＞ 1. 患者さんの基本情報（身長、体重、病変の部位、組織型など） 2. 病理検体による免疫組織学的情報（免疫染色による各因子発現の有無など） 3. 治療効果と予後（CT等にて評価した治療効果と予後） 5 . 本研究に参加された場合に予想される利益と不利益 (1) 予想される利益本研究は、診療を行った後に行われる研究ですので、参加することによる直接的な利益はありません。ただし、本研究成果により小腸癌治療における新たな考察が得られることにより、今後同様な患者さんにより有益な化学療法を行うことが可能となると考えられます。 1 (2) 予想される不利益本研究は、日常診療を行った後に行われる研究ですので、参加することによる直接的な不利益はありません。 6 . 費用について本研究に参加することで、新たに発生する自己負担はありません。また、謝礼金などもありません。 7 . 本研究に参加されない場合でも不利益を受けないこと本研究に参加されない場合でも、通常の診療に影響を及ぼすことはなく、いかなる不利益も受けることはありません。 8 . 本研究に参加された場合でも、随時これを撤回できること本研究は参加される患者さんの自発的意思を尊重して行われますので、一度同意いただき参加された後でも、いつでも参加の同意を撤回することができます。 9 . 個人情報の保護について患者個人情報は厳重に管理され、データも匿名化されます。よって、本研究の結果は学術雑誌などで発表されますが、個人を特定される情報が漏れることはありません。また、研究終了後も試料やデータは施錠がされる場所・部屋にて厳重に保管され、倫理委員会に承認を得たうえで新たな研究に利用される可能性があります。 1 0 . 質問の自由本研究に関することでご不明な点・疑問点などがあれば、いつでも説明を受けることができます。担当医にお聞きになりにくいことや本研究の責任者に直接質問されたいことがある場合は、下記の研究代表者または研究事務局にお問い合わせ下さい。当院における連絡先：神戸市立医療センター中央市民病院【研究責任者】実務担当者：消化器内科（部長）猪熊哲朗腫瘍内科（医長）藤田幹夫〒650-0047 神戸市中央区港島南町 2 丁目 1-1 TEL:078-302-4321、FAX:078-302-2487 【研究代表者】京都大学医学部附属病院武藤学（むとうがん薬物治療科まなぶ）〒606-8507 京都府京都市左京区聖護院川原町 54 TEL: 075-751-4592 2 【研究事務局】京都大学医学部附属病院堀松高博（ほりまつ臨床研究総合センター開発企画部たかひろ） TEL: 075-751-3518 京都大学医学部附属病院船越太郎（ふなこしがん薬物治療科たろう） TEL: 075-751-4592 3