こうしたことは、イスラム教徒にとっては、当たり前のことで す。なぜなら、イスラムの教えによれば、他の宗教の者に、イス ラム教徒の考え方を強制することは禁じられているからです。 聖クルアーンはこう言っています: "宗教には強制があってはならない。正に正しい道は迷誤から明 らかに(分別)されている。それで邪神を退けてアッラーを信仰 このような態度は、マーティン・ルサー・キング牧師が述 べた、次のような態度と同じです。 "我々は、現代において、悪しき人々の憎しみに満ちた言葉 や行動を懺悔しなければならないだけではなく、善き人々 が、何かを強く求めながら沈黙していることについても、懺 悔しなければならないのである。" する者は,決して壊れることのない,堅固な取っ手を握った者で スラムの考え方によれば、神はあらゆるものを調和した ある。アッラーは全聴にして全知であられる。 "[クルアーン(2 状態で創造しており、イスラム教徒には、この調和を維持す 章256節)] るために積極的に行動する義務があります。とはいえ、いか イスラム 偉大なる統一者: にその理由が正当なものであろうと、聖クルアーンによれ ば、罪のないものを殺害することは、決して許されません。 戦闘のためのドグマとはまったく異なり、イスラムとは、生活 市民を恐怖に陥れることをジハードと呼ぶことは絶対にでき の仕方を意味し、これは人種や民族の違いを超越しています。聖 ないし、このような行為はイスラムの教えとまったく相容れ クルアーンは、我々の出自が同じであるということを、繰り返し ないのです。 思い起こさせています。: "人びとよ,われは一人の男と一人の女からあなたがたを創り, 種族と部族に分けた。これはあなたがたを,互いに知り合うよう にさせるためである。アッラーの御許で最も貴い者は,あなたが たの中最も主を畏れる者である。本当にアッラーは,全知にして 凡ゆることに通暁なされる。"[クルアーン(49章13節)] イスラムはテロをどのよ つまり、イスラムを世界で最も早く成長した宗教としたもの は、この教えの、このような普遍性なのです。現代は、紛争が満 うに見なしているのです ち溢れ、人類の間には深い分裂の溝あり、世界は、個人や国家に か? うな中で、イスラムとは、未来への希望を指し示す、灯台のとも イスラムの考え方によれば、神はあらゆるものを調和し た状態で創造しており、イスラム教徒には、この調和を維持 するために積極的に行動する義務があります。とはいえ、い かにその理由が正当なものであろうと、聖クルアーンによれ ば、罪のないものを殺害することは、決して許されません。 市民を恐怖に陥れることをジハードと呼ぶことは絶対にでき ないし、このような行為はイスラムの教えとまったく相容れ ないのです。 寛容の歴史: よって行なわれるテロリズムの脅威にさらされています。このよ し火なのです。 イスラム教徒が他人に改宗を強制したという作り話は、 西洋の学者でさえ否認しています。著名な歴史家の De Lacy O'Leary は次のように書きました: " Conveying Islamic message society 狂信的なイスラム教徒という伝説、つまり、世界を席巻 [1] Saheeh Al-Bukhari (ブハイリのサヒーフ)の伝承 し、征服された諸民族に剣を突きつけてイスラムを強制した P.o.box 834- Alex- Egypt [2] Saheeh Muslim (サヒーフ・ムスリム)の伝承 というという話は、歴史家が繰り返してきた、もっとも幻想 www.islamic-message.net [3] Abu-Dawood (サヒーフ・ダウード)の伝承 E-Mail: [email protected] Tel: 0127431558 [4] Islam at Crossroads, London、1923年、8ページ。 的で、ばかげた作り話のひとつであることは、いまや歴史上 明らかだ。" [3] イスラム教徒は、およそ800年にわたってスペインを 戦争の場合でも、イスラムは、戦場において、敵であって 世界中で十億人以上、アメリカだけで七百万人が信じているイ も、敬意を持って扱うように教えています。また、イスラム スラムの信仰が、罪のない人々の殺害を擁護することなど、あり は、敵対する国の戦闘員と非戦闘員を明確に区別しています。 えるのでしょうか。イスラムという言葉は、それ自体「平和」、 女性、幼児、高齢者、障害者などの場合は非戦闘員と見なさ あるいは「アッラーへの服従」を意味のですが、そのイスラム 現在の社会の最も際立った特徴は、私たちの社会に暴力が れ、彼らと争うべきではないと言います。 が、信者に破滅と殺害を奨励することができるでしょうか。その 満ち溢れているということです。スーパーで爆発する爆弾の ようなことがそれはありえるでしょうか。 場合、また飛行機がハイジャックされ、政治的な目的を達成 預言者ムハンマドは、軍人に、女性や子供[1]の殺害を禁じ ました。また、次のような助言をしました:「切断してはいけ ない。裏切ってはいけない。極端なことをしてはいけない。幼 児を殺してはいけない。」[2] さらに、預言者ムハンマドは火で処刑することを禁止しま した。[3] このように、非戦闘員は、その国がイスラムの国と戦争し ている場合も、生命の安全が保障されているのです。 ジハード: 西洋では、イスラムは、誤解されている場合が一般的です が、イスラムの考えを示す言葉の中で「ジハード」という言葉 ほど、拒絶反応を呼び起こす言葉はないでしょう。 人命の神聖さ: 聖クルアーンはこう言っています: "…また,アッラーが神聖化された生命を,法と正義のため以外 イスラムはテロリズムをどのように見なして のために、何の罪もない乗客が人質にとられる場合のよう に、我々は、民族集団(セクト)が恣意的に取り扱われた り、罪のない人の命が失われたりすることが、普通におきる 時代に生きています。 には殺害してはならない。このようにかれは命じられた。恐らく このように満ち溢れている暴力は境界を知らないという特 あなたがたは理解するであろう。 "[クルアーン(6章151節)] 徴を持っています。「テロリズム」というのは社会の安全や イスラムではすべての生命を聖なるものだと見なしています。 しかし、人間の生命には、特別な地位が認められています。人間 にとって、なによりも優先する、最も重要な人権は、生きる権利 です。 聖クルアーンはこう言っています: 平和などの最も大きな障壁の一つと見なされています。しか し、このテロリズムという概念が普通に使われるようになっ たのは、わずか数十年前のことに過ぎません。そしてこの新 しい言葉は、残念なことに、テロリズムの定義を特定のグ ループ、あるいは、一定の人によって企てられたものだけに 制限して使われています。しかし、テロリズムというのは、 "…人を殺した者,地上で悪を働いたという理由もなく人を殺す 全世界が関心を持っているものであり、さまざまな形で現れ このジハードという言葉については、イスラム教徒に関し 者は,全人類を殺したのと同じである。人の生命を救う者は,全 るものなのです。 て、人々に剣を突きつけて屈服を強いるといった、奇妙な暴力 人類の生命を救ったのと同じである(と定めた)。"[クルアーン 的なイメージを喚起するという、おろかなことが続いていま (5章32節)] す。 このような事実に反する作り話が、十字軍前後の、不信の数 世紀にわたって、信じられていました。 そして、このようなイメージは、今日でも生き残っている のです。 このジハードという名詞の語根は、「ジャハダ」であり、 これは、奮闘努力するという意味です。したがって、ジハード は、文字通り、奮闘努力をするという行為を意味します。預言 者ムハンマド(P.B.U.H)によると、最大のジハードは、悪い誘 いに対する、自分自身との戦いであるそうです。つまり、ジ ハードは、第一義的には、徳のある人間であることと、人生の すべての面において神に従うことについての、個人の内面にお テロの実行者は、どんな決まった形にも当てはまりませ ん。人間の命など安いものだと信じ、人間の命を消耗品だと クルアーンは、不正にわずか一人の人間の命を奪うことでさ 考えるような力を持っている人々は、われわれの社会の各層 え、全人類を殺すに等しいとしていますが、一人の人間の命の価 に現れています。欲求不満の抱えた従業員が同僚を冷酷に殺 値は、これほどに重いものなのです。それゆえ、クルアーンは、 すといった形で現れることもあれば、占領地の抑圧された市 殺人の禁止を明言しています。 民が、自分の怒りを発散するために、罪のない子供の乗った 正義を実現するために、国の命令により、犯罪者の命を奪うこ バスを爆破するといった形で現れることもあります。 とは、法の支配、平和、そして社会の安全を守るための要件で 我々の怒りや憎悪を掻き立てる人々はテロリストなので す。しかし、他の人間の生命と平和に対する権利を尊重しなかっ す。皮肉な存在は、自分の地位を守るために、人々の間にあ たことを理由に、ある個人の生命に対する権利を剥奪するかどう る古臭い民族的な敵意を利用する政治家たちです。しかし、 かを決めることができるのは、適切で、そのような判断をする資 都市全体の絨毯爆撃を命じる国家元首や、制裁という違法な 格と能力のある裁判所だけです。 武器を行使することにより、何百人もの市民を絞め殺す高尚 戦争の倫理 な理事会が、人道に反する罪で処罰されることなど、めった にありません。
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