1 - CEMA: 日本塗装機械工業会

第15回 CEMA技術シンポジウム開催にあたり
塗装産業の未来を見つめて
Part-2
< 新時代を切り拓く高機能塗装・塗料の最前線 >
今回で15回目を迎えるCEMA技術シンポジウムの開催にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
CEMAは、日本塗装機械工業会という名称ではありますが、塗装機械を中心に広く塗装産業全般にわたる事柄
を取り扱い、日本の塗装産業界の発展に寄与する事を目的に過去38年間にわたって多くの活動を展開してきて
おります。その中で、このCEMA技術シンポジウムは時代の流れを的確に捉え、時宜にあったテーマのもとに
少しでも皆様方のお役に立てるような形で現在まで継続した活動を続け、それも今回で15回目を迎えることに
なりました。
今回は従来の良き伝統を踏襲しつつも、新しい試みとして、東京・大阪の2会場を結んだサテライト形式での
同時開催、また水平的な展開として普段から親しいお付き合いのある日本工業塗装協同組合連合会、国際工業塗
装高度化推進会議をはじめ、今回は日本塗料工業会、日本パウダーコーティング協同組合および表面技術協会の
各団体さまからも協賛をいただき、ご講演をお願いしております。
CEMAの幅広い活動がさらに広がるものになればと期待しております。
これまで同様、今後とも皆さまからのご支援・ご鞭撻をお願い申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。
CEMA会長 木下真生
【 FINISHING 】
広告一覧
工塗連
IEC
JAPCA
アオイ工販
旭サナック
アネスト岩田
コーティングサービス
オーウェル
桂精機
タクボ
エンジニアリング
テクノ電気工業
ミトミ技研
クレムリン・レクソン
サメス
東和酵素
明治機械製作所
三恵
日本
パーカライジング
アースクリーン
テクノ
遠藤製作所
岡久
サービスエース
ジムクレイン
大気社
日本ピーシーエス
ランズバーグ・インダストリー
白電工熱
ランテック
パーカー
エンジニアリング
ヲサメ工業
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[厚生労働省]
中央職業能力開発協会
中央技能検定委員
都道府県職業能力開発協会
都道府県検定委員
職業能力開発専門調査委員
[経済産業省]
[環境省]
関東経済産業局
全国中小企業団体中央会
VOC排出抑制検討会
VOC排出抑制検討会
全国環境保全推進連合会
化学工業会
産業と環境の会
産業環境管理協会
[関係団体]
製販装連絡会
一社)日本塗料工業会
一社)日本塗装工業会
日本塗料商業組合
日本塗装機械工業会
日本塗装技術協会
日本パウダーコーティング協同組合
全国塗装年金基金
地方独立行政法人
[構成会員]
東京工業塗装協同組合
神奈川県工業塗装協同組合
埼玉工業塗装協同組合
愛知県工業塗装協同組合
関西工業塗装協同組合
九州工業塗装協同組合
賛助・個人会員
東京都立産業技術研究センター
工塗連は皆様とともに工業塗装の発展・ネットワーク作りに鋭意努力いたします
日本工業塗装協同組合連合会
JAPAN INDUSTRIAL COATINGS ASSOCIATION
会長 川西 克司
東京工業塗装協同組合
神奈川県工業塗装協同組合
埼玉工業塗装協同組合
愛知県工業塗装協同組合
関西工業塗装協同組合
九州工業塗装協同組合
理事長
理事長
理事長
理事長
理事長
理事長
林
堀切
高橋
田邉
細川
稲田
正明
義昭
正
哲郎
吉男
義美
事務局:〒108-0014 東京都港区芝5丁目31番15号YCCビル9F
電話(03)6809-5318 FAX(03)6809-5368
コミュニケーションカンパ
パニー
お か き ゅ う
地球の
地球
地
地方
方か
から世
世界
界へ
へ
~
~モノ創り
りの町か
からの挑戦
戦~
・設備》
《工場・
各種塗料の
の調色・販売
メーカー
ー認定調色工場
塗装関連設
設備施工
プレゼン
ンテーションルー
ーム
塗装関連薬
薬品販売
塗装機器
器メンテナンス場
場
工場資材・
・消耗品販売
展示会イ
イベントスペース
ス
エコ設備・
・技術導入支援
講習会セ
セミナースペース
ス
専門講習会
会・実演会運営企
企画
大型危険
険物倉庫
協力
提案
塗料
技術
設備
各種塗装
装に関するソ
ソリューション
ンは当社にお
おまかせくださ
さい
《事業内容
容》
《取得資格
格・免許等》
毒劇物一般販売
売業登録
毒劇物取扱
扱資格者・危険物取扱主任
任者・有機溶剤取扱責任者
者
産業廃棄物収集
集運搬業許可
消防設備士
士・調色技能士
特別管理産業廃
廃棄物収集運搬業許可
建設業許可
可一般工事(塗装工事業/機
機械機器設置工事業)
消防用設備業点
点検表示登録会員
医薬品販売
売許可 三保第 2 号・薬局
局開設許可 三保第 216 号
消火器リサイク
クル推進センター 特定窓
窓口
管理医療機
機器販売業 三保 144 号・
・麻薬小売業者
農薬販売届受理
理通知書 病防第 194 号
計量器販売
売等事業登録
株式
式会社
岡
岡久
URL: www.ok
kaq.co.jp
新潟県三条
条市井戸場 568-4
5
T:0256-33-5
5000 F:0256-33-5005
Mail: info@o
okaq.co.jp
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tel. 0256-33-0456
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ISO 9001、ISO 14001審査登録
製品紹介
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テクノ電気工業株式会社
・高圧トランス
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3Dカメラによる立体形状認識で最適塗装を実現
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塗装品質の向上と人的ミスや補正作業の低減
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高度な塗装管理システム構築への応用
無限の宇宙のように広がる幅広い応用範囲
TEL:045-785-6421
FAX:045-785-6517
社長 木下 真生
ランズバーグ事業部 斉藤隆久
プログラム
09:00~09:55
受付
10:00~10:05
開会の挨拶
基調講演
特別協賛:日本塗料工業会
日本塗装機械工業会 会長
木下 真生
(JPMA)
塗料・塗装産業の社会資本長寿命化への貢献
日本塗料工業会
奴間 伸茂
11:00~12:00
● インクジェット塗装の最前線
タクボエンジニアリング㈱
佐々木栄治
上村 一之
12:00~12:50
昼 食 (50分)
特別協賛:日本パウダーコーティング協同組合 (JAPCA)
● 新意匠粉体塗装『ジオメトリック・パウダー』
理想科学工業㈱
10:05~11:00
一般講演
12:50~13:40
13:40~14:30
(SFJ)
● 航空機部品の表面処理・塗装
14:30~14:40
休 憩 (10分)
㈱カドワキカラーワークス
㈱山王
三馬 秀利
門脇 正樹
高橋 大
旭金属工業㈱
辻本 克也
㈱ディライト
新日本空調㈱
東京ガスケミカル㈱
毛利 昌康
岡本 隆太
望月 徳三
特別協賛:表面技術協会
14:40~16:10
特別協賛:国際塗装会議 (IPCO)
● 塗装の最新テクノロジー (3テーマ)
① 電着塗装シミュレーション技術
② 浮遊粒子の可視化技術
③ 自然に優しい洗浄技術
特別協賛:日本工業塗装協同組合連合会
(工塗連)
16:10~16:50
● 工業塗装の最前線
坂井技術事務所
坂井 秀也
16:50~16:55
閉会の挨拶
シンポジウム実行委員長
多田 洋一
CEMA会員リスト
特別協賛:
1. 塗料・塗装産業の
社会資本長寿命化への貢献
日本塗料工業会
奴間 伸茂
塗装産業の未来を見つめて
Part2
新時代を切り拓く高機能塗装・塗料の最前線
基調講演
塗料・塗装産業の
社会資本長寿命化への貢献
日本塗料工業会
奴間 伸茂
2014年9月23日 CEMA 第15回 技術シンポジウム
塗装産業の未来を見つめて Part2
新時代を切り拓く高機能塗装・塗料の最前線
塗料・塗装産業の
社会資本長寿命化への貢献
一般社団法人 日本塗料工業会 常務理事
ぬ
ま
のぶ しげ
奴間 伸 茂
《本資料の内容》
1.塗料産業の現状
・塗料生産量の推移 ・塗料の需要構成 ・塗料産業の特質 ・塗料は技術の塊
・社会資本の保全に関わる普及活動 ・社会資本長寿命化への貢献は塗料産業の使命
2.道路橋の老朽化と施策の変遷
・道路橋の老朽化の現状 ・「道路構造物の管理・更新のあり方提言」 ・「道路橋の予防保全に向けた提言」
・「道路の老朽化対策の本格実施に関する提言」
3.鋼橋における塗り替え塗装の課題
・マンパワーの不足 ・素地調整の問題点 ・現場塗装の問題点 ・塗り替え塗装促進上の問題点
・塗料に関する具体的な課題と現状
【提言】 「新時代を切り拓く高機能塗装・塗料開発のあり方」
費者と向き合った高付加価値品の開発」「社
会資本長寿命化への貢献」および「新市場の
はじめに
創出」が必要であることを強調した。
2014年4月16日,国土交通省のホームペー
ジに社会資本整備審議会道路分科会の「道路
の老朽化対策の本格実施に関する提言」が公
1)
開された 。その第Ⅰ章の見出しが,「最後
の警告―今すぐ本格的なメンテナンスに舵を
切れ」というセンセーショナルなものであっ
た。この提言についてはあとで触れるが,
「今
すぐ本格的なメンテナンスに舵を切らなけれ
ば,近い将来,橋梁の崩落など人命や社会シ
ステムに関わる致命的な事態を招くであろ
う」という強い警告に心を打たれた。
「化学経済」2013年7月号で私は「塗料
産業の現状と課題」と題し,
①塗料工業の歴史,②塗料技術の進歩,
③日本の塗料工業の現状,④世界経済の動向
と塗料市場,⑤日本の塗料工業の課題,につ
2)
いて概説した 。その中で,日本の塗料工業
の課題として,
「内需の拡大」と「海外展開」
をあげ,
「内需の拡大」を達成するために,
「消
本稿では,冒頭の警告に敬意を持って応え
る意味で「塗料・塗装産業の社会資本長寿命
化への貢献」について詳しく述べたい。
国交省が所管する社会資本の種類を表1に
表1 国土交通省が所管する社会資本の種類
分 野
道 路
治 河 川
水 砂 防
下 水 道
港 湾
公営住宅
公 園
海 岸
空 港
航路標識
官庁施設
説 明
道路法第2条第1項に規定する道路
河川法第3条第1項に規定する河川
砂防法第1条に規定する砂防設備
下水道法第2条第3号に規定する公共下
水道,第4号に規定する流域下水道及び
第5号に規定する都市下水道
港湾法第2条第5項に規定する港湾施設
公営住宅法第2条第2号に規定する公営住宅
都市公園法第2条第1項に規定する都市
公園及び都市公園に準じて設置される
特定地区公園(カントリーパーク)
海岸法第2条第1項に規定する海岸保全施設
空港法第2条,空港法附則第2条第1項に
規定する空港
航路標識法第1条第2項に規定する航路
標識
官公庁施設の建設等に関する法律に基
づき設備される合同庁舎,税務署等
一般社団法人 日本塗料工業会 奴間伸茂
無断転載・使用を禁じます 2014年9月23日 CEMA 第15回 技術シンポジウム
て述べる。
示す。塗料は表1のいずれの分野においても
使用されているが,今回は「道路」,とりわ
1 - 1 塗料生産量の推移
け「道路橋」を中心に取り上げ,国民の日々
の安全安心・快適な生活と我が国経済の発展
を支える社会資本をさび,腐食,劣化から守
日本の塗料メーカーの国内生産量,海外生
産量および合計生産量を図1に示す。
る塗料の社会への貢献について改めて述べて
みたい。もちろん,国民の生活と経済の発展
を支えている施設は公共施設に限らない。塗
戦後,順調に成長を続けてきた塗料生産
量 は,1990年 の220万1000ト ン を ピ ー ク
にバブル崩壊とともに減少傾向が始まり,
料は公共施設だけではなく,民間の施設,個
人の家,財産をさび,腐食,劣化から将来に
わたって守り続ける。したがって,本稿の表
題を「未来を支える塗料産業」とした。
なお,本誌2013年7月号で触れなかった
塗料産業界,
とりわけ日本塗料工業会(以下,
日塗工)の特質についても述べる。
2002年 と2003年 は180万 ト ン を 割 り 込 ん
だ。2004年以降は回復の兆しを見せ,2006
年は195万トンを上回ったが,2008年秋の
リーマンショックに端を発する世界同時不
況の影響で2009年は31年ぶりに150万トン
を下回った。2010年は160万トンまで回復
し,東日本大震災の影響を受け2011年は再
び減少したが,2012年は161万3000トン,
2013年は160万5000トンと震災前の水準に
戻った。
日本の塗料メーカーの海外生産に関し,
2013年の調査では,海外進出企業数は33社,
進出先国数は26カ国,現地企業数は169社と
1.塗料産業の現状
塗料産業は未来を支えることができるのか
を考察する前に,まず塗料産業の現状につい
(1,000トン)
4,000
3,500
合計生産数量
3,000
東日本大震災
リーマンショック
生産数量
2,500
2,000
1,500
国内生産数量
1,000
海外生産数量
500
0
1990 96
97
98
99
00
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12(年)
図1 日本の塗料メーカーの国内生産量,海外生産量および合計生産量の推移(暦年)
(注)1.海外生産数量は現地企業の生産数量の
2.進出先国数および現地企業数の集計の中には,一部生産量の報告のない企業も含まれる
一般社団法人 日本塗料工業会 奴間伸茂
無断転載・使用を禁じます 2014年9月23日 CEMA 第15回 技術シンポジウム
なっている。2012年は33社,23カ国,167
社であった。2013年の生産数量は223万
6000トンで前年比12.3%増加した。
東南アジア,中国,インド,韓国,台湾な
どで183万トンと全体の92.2%を占
め,183万トンのうち中国が52.6%を占める。
リーマンショックの影響も国内生産量に比べ
軽微であった。
海外生産量は2010年に国内生産量を抜き,
合計生産量は2013年に384万4100トンと
表2 塗料の分野別需要量と金額の構成比
(2012年度)
(単位:%)
需要産業区分
需要量
建 物
28.1(27)
建築資材
5.5(5.4)
構 造 物
5.2(5.0)
船 舶
8.1(8.8)
道路車両(新車)
15.0(14.8)
道路車両(補修)
2.9(3.0)
電気機械
3.1(3.1)
機 械
4.5(4.6)
金属製品
5.8(6.6)
木工製品
1.5(1.5)
家 庭 用
2.1(2.2)
路面表示
5.0(5.3)
輸 出
5.0(5.5)
そ の 他
8.2(7.2)
(注)カッコ内は2011年度
需要金額
25.5(23.8)
5.2(4.9)
6.3(5.8)
6.5(7.1)
16.4(17.0)
4.9(4.8)
4.0(4.2)
5.8(5.7)
6.3(7.4)
1.8(1.8)
3.2(3.2)
1.6(1.6)
6.6(7.1)
5.9(5.6)
なり,前年と比較して6.6%増加した。
1 - 2 塗料の需要構成
3)
国内の塗料需要の構成を表2に示す 。需
要分野別では建物用と建築資材用を合わせ
た建築分野が最大の需要分野となり,全需
要に対し数量で33.6%,金額で30.7%を占
める。道路車両には新車用と補修用があり,
この2つを合わせると数量で17.9%,金額で
21.3%を占める。家庭用の数量は2.1%で,
欧米と比較して我が国ではわずかな量でしか
ない。
輸出用は数量で5%だが,自動車,船舶,
電気機械などの輸出製品に塗装された塗料
(間接輸出)を加えるとその比率は大きく高
まる。
先に示した表1の社会資本に塗装される塗
料は,構造物用,建物用,建築資材用が中心
となる。
需要産業区分の具体例を表3に示す。表2,
表3から分かるように,塗料は社会資本を含
め,あらゆる産業に使用されている。
1 - 3 塗料産業の特質
日塗工の正会員は96社である(2014年4
表3 需要産業区分の具体例
需要産業区分
建 物
建築資材
構 造 物
船 舶
道路車両(新車)
道路車両(補修)
電気機械
機 械
金属製品
木工製品
家 庭 用
路面表示
輸 出
そ の 他
具 体 例
ビル,戸建住宅,集合住宅,工場建屋,病院,学校,
ガソリンスタンド等の現場塗装用(新設・改修を含む)
各種建築用資材の工場塗装用(サッシ,建具,各種ボード,無機建材等を含む。PCMは除く)
橋梁,土木(コンクリート防食を含む),
プラント,海洋構造物,水門,鉄塔,大型パイプ,
プール等の新設・補修
船舶の新造,補修(積込み用を含む)
(造船所の陸機部門及び製鉄所向けのショッププライマーを除く)
乗用車,
トラック,バス,
オートバイ
(部品を含む)
同上の補修,塗り替え
家庭電気,重電機,電子機械,事務用機械,通信機,計測器,冷凍機,照明器具,
自動販売機,
コンピュー
ター関連機器等(部品を含む)
産業機械,農業機械,建設機械,鉄道車両,航空機等(部品を含む)
PCM,金属家具,
コンテナー,
ガードレール,
自転車部材,
フェンス,食缶,
ドラム缶,18リットル缶,ボンベ,
ガス器具,石油ストーブ等
合板(建物の現場施工用を除く)
,家具,楽器等
家庭用品品質表示法に基づく表示をした塗料
トラフィックペイント
塗料として輸出されるもの(プラント輸出の一部として輸出されるものは除く)
皮革,紙用を含む
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無断転載・使用を禁じます 2014年9月23日 CEMA 第15回 技術シンポジウム
月1日現在)
。正会員会社の規模別構成比率,
および正会員会社の会社設立から現在に至る
24%
100人以下
図2 日塗工正会員会社の規模別構成比率
(注)2010年度のデータ使用
25
平均年齢:70歳
20
社 数
15
図4 日本全国の業種別企業平均年齢
(出所)帝国データバンク調査(2013)4)
あらゆる産業分野に塗料を送り届けている。
いずれの正会員会社も経営基盤はしっかりし
ており(日塗工は毎年,塗料製造業実態調査
を実施,財務に関する事項も調査を行ってい
5)
る ),社会資本長寿命化を支える底力を
十分に持っていると言える。
1 - 4 塗料は技術の塊
(1)日本の特許第一号は塗料
刀の鞘の塗師の家に生まれた芸術家であり
技術者であった堀田瑞松氏(1837~1916)
が1885(明治18)年7月1日に出願,8月14
日に取得した「堀田式錆止塗料及ビ其塗法」
(漆を主成分とする船底塗料)が日本の特許
第一号である。堀田氏は実験を繰り返して海
軍の船で実船テストに成功し,1890年,日
本海軍が正式採用した。翌1891年に米国特
許局長が日本特許局長に特許権譲渡の打診を
行ったことから分かるように,世界的な評価
6)
を得た特許であった 。堀田氏が起こした塗
料会社は日本化工塗料株式会社として存続し
ている。
日塗工は毎年,特許庁と会員会社の知財担
当者との意見交換の場を持ち,知的財産の創
10
5
0
45.4
製造業
300人以下
41.4
小売業
36%
28%
卸売業
12%
運輸・通信業
50人以下
全 体
300人超
建設業
以上も4社健在である。
「平均年齢」は70歳
である。日本全国の企業の「平均年齢」が
35.6歳,製造業に限定しても45.4歳である
(図4)ことを考えると,日塗工正会員会社
がいかに長寿であるかがわかる。
日塗工正会員各社は長寿であるだけに,各
社固有の技術の蓄積および得意分野を持ち,
不動産業
近くが従業員300人以下の中堅・中小企業か
らなる。そして,図3の正会員会社の「年齢」
分布は60代,80代にピークがあり,100歳
サービス業
までの年数(人間に喩えて「年齢」とした)
の分布を図2と図3に示す(2013年4月調査)。
図2から分かるように,正会員会社の9割
(歳)
50
45
39.6
40
34.4 35.6 35.6
35
31.6
30 26.8
25
0
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100(歳代)
以上
図3 日塗工正会員会社の年齢分布
出,活用にも力を入れている。
日塗工の技術委員会では,
「原材料便覧(第
9版)」,
「塗装・塗料ハンドブック(改訂版)」,
「重防食塗料ガイドブック(第4版)」など,
一般社団法人 日本塗料工業会 奴間伸茂
無断転載・使用を禁じます 2014年9月23日 CEMA 第15回 技術シンポジウム
会員の塗料の研究・開発,設計,製品展開,
塗装ラインの管理等に不可欠な情報をまとめ
7)
た刊行物を発行,会員外にも頒布している 。
会員各社も技術成果,新製品情報を公開し,
の第10回塗装工事までの間,4年から6年ご
とに全面的な塗り替え塗装を実施してきてい
る。この塗り替え塗装仕様の基本的な考え方
は,素地金属の防錆上の観点から,下地処理
と補修塗りは既存塗膜の劣化部のみにとど
め,健全部はそのまま塗装下地として生かし,
その上に中塗りおよび上塗りを全面塗装する
システムの採用である。
切磋琢磨し,塗料産業界の技術進歩に努めて
いる。
「塗料の研究」
(関西ペイント,年1回
8)
「テクノコスモス」
(日
発行,
最新刊155号) ,
9)
「DNT
本ペイント,不定期刊,最新刊22号) ,
コーティング技報」
(大日本塗料,年1回発行, 東京タワーの建設時および塗り替え塗装に
10)
最新刊13号) 等を参照していただきたい。 採用されてきた「フタル酸樹脂系塗装システ
ム」は現在の建築塗装では汎用グレードに位
(2)
「変化」し続けられたことが「長寿」を
置する。しかし,55年経過した今日でも健
可能にした
塗料産業は,
高分子化学,無機化学,光科学, 全な状態で機能を保持できているのは,計画
的な維持管理の実施が大きく寄与している
レオロジー,表面科学,生産技術,塗装技術,
ものと思われる。他にも,兵庫県香住町の
IT 技術等あらゆる科学・技術の進歩を取り入
余部鉄橋は1912(明治45)年3月に開通し,
れ塗料の技術を「変化」させ続けてきた。そ
2012年7月に運用終了したが,約100年にわ
の技術を用いて,塗料産業は,「市場の求め
たって山陰本線の鉄道橋として運用されてき
る品質」に応え,塗料を塗料組成物,塗膜構
た(現在は2代目として PC 橋が共用されて
成(多層膜を構成する各層にそれぞれ異なる
いる)。これらの事例が物語っている計画的
機能を持たせる),塗装方法,乾燥方法,環
な維持保全の重要性は,鋼構造物や一般建築
境対応手法等,様々な面から,たゆまず「変
物の耐久設計に大いに役立つと考える。
化」させ続けてきた。
「重防食塗料ガイドブック」の発行,
「重
こういった変化できる能力が塗料産業の長 (2)
13)
防食塗料セミナー」の開催
寿を可能にしたものと考える。詳細は「塗料
11)
前述した日塗工の「重防食塗料ガイドブッ
技術発展の系統化調査」 を参照いただき
たい。
ク」は第3版発行(2007年)から年月が経
過し現状と合致しない内容が増加したため,
1 - 5 社会資本の保全に関わる普及活動
改訂の必要性が高まり,JIS 規格,塗装仕様,
日塗工は塗料に関わる様々な普及活動を
LCC(ライフサイクルコスト)等を中心に全
行っており,このうち社会資本の保全に関わ
面的に見直した。
るものを紹介する。
第4版の構成は以下のように,社会資本の
(1)社 会資本の長寿命化への塗料の貢献に
維持管理に大いに役立つものである。
ついて発信
◦塗料概論(鉄の腐食,各種防食方法,塗料
日塗工では毎年12月に東京,大阪で「塗
による防食)
料産業フォーラム」を開催している。2013
年度は竹中工務店技術研究所の大澤悟氏に
「東京タワーの55年間に渡る塗装による維持
12)
管理」について講演いただいた 。
東京タワーは1958年の竣工以来,2013年
◦塗料各論(20の各種塗料),塗装仕様(橋
梁,タンク,水門,鋼管,鉄骨,プラント,
鋼製煙突,亜鉛めっき鋼,耐候性,特殊部,
提案型仕様)
◦鋼橋塗装の LCC
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速な進展が現実のものとなる。塗料産業にお
いても,従来の延長線上で頑張っているだけ
◦技術データ(各種塗料の塗り重ね可否,塗
料の安全・衛生等16項目)
◦塗料の問題点(無機ジンクリッチペイント
の割れ,フタル酸樹脂塗料の暗所やけ等
では国内市場は縮小していく一方である。
国内の需要を拡大していくためには以下の
3つの課題を達成していかなければならない
18項目)
なお,本ガイドブックの普及を目的として
「重防食塗料セミナー」を開催し,国交省の
ことを本誌2013年7月号で強調したが,今
もその考えに変わりはない。
◦消費者と向き合った高付加価値品の開発
◦社会資本長寿命化への貢献
◦新市場の創出
担当官には「社会資本整備の現状と維持管理
の最近の動向」
について講演していただいた。
1 - 6 社会資本長寿命化への貢献は塗料産
業の使命
特に,冒頭紹介した国交省の社会資本整備
審議会道路分科会の「道路の老朽化対策の本
格実施に関する提言」の第Ⅰ章「最後の警告
―今すぐ本格的なメンテナンスに舵を切れ」
を読み,「社会資本長寿命化への貢献」は喫
緊の課題であると改めて強調したい。
2010年に日本の塗料メーカーの海外生産量
は国内生産量を抜きその後も毎年8~13%伸び
ている。『化学経済』2014年5月号のトップ
インタビューで関西ペイント社長の石野博氏
は,「塗料産業はグローバルにみれば一大
14)
成長産業である」 と述べている。その通り
2.道路橋の老朽化と施策の変遷
であり日本の塗料産業は海外展開を一層推進
しなくてはならない。この海外展開について
は,別の機会に述べることにしたい。 2 - 1 道路橋の老朽化の現状
日本の人口の推移(実績値および推計値)
を図5に示す
15)
。人口減少と少子高齢化の急
実績値
(国勢調査等)
(万人)
14,000
日本における建設年度別の橋梁数を図6に
2012年推計値
(日本の将来推計人口)
12,806万人
生産年齢人口(15~64歳)割合
11,662
12,000
10,000
8,000
6,000
15~64歳人口
8,674
63.8%
(2010)
3,685
23.0%
(2010)
6,773
65歳以上人口
3,464
生産年齢
人口割合50.9%
高齢化率39.9%
高齢化率(65歳以上人口割合)
4,000
2,000
0
合計特殊出生率
14歳以下人口
1950
60
1.39
(2010)
70
80
90
00
10
1,204
20
30
4,418
合計特殊
出生率1.35
791
40
50
2060(年)
図5 日本の人口の推移(実績値および推計値)
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(橋)
14,000
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
0
1920 25
30
35
棒グラフ下から
40
45
50
高速道路会社
55
国
60
65
都道府県
70
75
政令市
80
85
市区町村
90
95
00
05
10
(年度)
図6 日本における建設年度別橋梁数
(注)この他,古い橋梁など記録が確認できない建設年度不明橋梁が約 30 万橋ある。2011 ~ 2012 年度はデータなし
高速道路会社
2%
国
4%
市区町村
68%
橋梁
(2m以上)
約70万橋
都道府県
19%
政令市
7%
図7 道路管理者別ごとの橋梁数
16)
示す 。我が国には長さ2m 以上の道路橋は
全国に約70万橋存在する。このうちの7割以
上となる約50万橋が市町村道にあり,大部
分は地方公共団体が管理するものである(図
16)
7) 。高度経済成長期以降に集中的に整備
された橋梁は,今後急速に高齢化する。建設
後50年が経過する橋梁(2m 以上)の割合は
2013年に18%であったが,2023年は43%,
2033年には67%になると見込まれている
16)
(図8) 。
1964年の東京オリンピックや1970年の大
阪万博などに間に合わせるため,緊急的に整
備された箇所や,沿岸部,水中部など立地環
境の厳しい場所などでは,近年,一部の施設
で老朽化による変状が顕在化している。また,
地方公共団体が管理する橋梁では,老朽化の
進行等により,通行止めや車両重量等の通行
規制を実施している橋梁数は2008年に977
橋であったが,2013年には2104橋と5年間
で2倍以上に増加している。
一方で,適時適切な補修・補強により,建
設後80年を経過しても大きな損傷なく使用
1)
されている橋梁も多く存在する 。
次節以降に,国交省の最近10年間の道路
の老朽化対策に関する提言等を順を追って概
説する。
2 - 2 「道路構造物の管理・更新のあり方提言」
2003年4月,国交省の道路構造物の今後
の管理・更新等のあり方に関する検討委員会
が「道路構造物の管理 ・ 更新のあり方提言」
17)
を発表した(本文全49ページ) 。この提
言では,これまでの道路管理に関して,以下
のような反省点が挙げられている。
◦道路の新設に力点がおかれ,将来を見通し
た長期的な観点から予算配分が行われてき
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現在
(2013年)
50年経過橋梁
(約71,000橋)
10年後
50年経過橋梁
(2023年) (約171,000橋)
20年後
50年経過橋梁
(2033年) (約267,000橋)
18%
43%
67%
図8 50年経過橋梁数の割合の推移
(注)建設年度不明を除く
たとは言い難かった。
◦劣化が顕著に現れている箇所において対症
療法的に修繕するのが一般的であった。
◦点検要領の作成,データベースの構築,技
術開発の推進などが個別に行われてきたも
のの,全体を俯瞰した枠組み,総合的なマ
ネジメントシステムの構築については検討
が遅れていた。
◦国民に対して,道路施設の機能低下がもた
らす問題が自分たちの問題であるというこ
とや,道路管理を怠ると将来の国民的損失
につながるということを分かりやすく説明
し,理解を得る努力が十分になされてきた
とは言い難かった。
◦貴重な社会資本を次世代に継承するための
適切な維持管理を怠ると,これまでの努力
が灰燼(かいじん)に帰すことが十分認識
されていなかった。
◦点検,診断,補修などを含む道路管理業務
全般に対して,妥当な対価が支払われてこ
なかった面があり,そのために高い社会的
評価が十分に得られていなかった。
以上の反省点に立って,道路構造物の高齢
化が集中的に進む中で以下の提言がなされ
た。
①アセットマネジメント導入による総合的な
マネジメントシステムの導入
②ライフサイクルコストを考慮する設計・施
工法の確立
③構造物の総合的なマネジメントに寄与する
点検システムの構築
④将来予測と日常点検による管理体制の構築
⑤技術開発と専門技術者の養成
2 - 3 「道路橋の予防保全に向けた提言」
2008年5月16日,国交省の道路橋の予防
保全に向けた有識者会議が「道路橋の予防保
全に向けた提言」を発表した(本文全4ペー
18)
ジ) 。この提言に至る背景を紹介する。
昭和30年代に始まる高度成長期を中心に
して大量に建設され,我が国の経済成長と国
民生活の向上に大きな役割を果たしてきた日
本の道路橋は建設後40~50年が経過するこ
とになり,劣化損傷が多発する危険性が高
まっていた(2008年当時)。
一方,兵庫県南部地震に起因した阪神・淡
路大震災(1995年)などの大規模な地震被
害を教訓にした耐震性強化や,物流効率化(車
両の大型化)のための設計自動車荷重引き上
げへの対応など,道路橋に要求される性能は
ますます高まるばかりであった。
道路橋を取り巻くこのような環境の中,提
言発表前年の2007年には6月に木曽川大橋
のトラス斜材の腐食による破断(図919)),8
月には秋田の本庄大橋のトラス斜材破断と
いった重大事故につながりかねない損傷が,
国交省が管理する道路橋において発生した。
海外においても,2007年8月に米国ミネソ
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方策が提言された。なお,道路橋はすべての
国民の貴重な共有財産であり,これを将来世
代へ引き継いでいくために,きめ細かい手入
れが大事である。このことが広く国民に理解
されるよう努めていくことはこの提言の大前
提であるとしている。
①点検の制度化:すべての道路橋で点検を実
施
②点 検および診断の信頼性確保:技術基準,
斜材の破断部
図9 木曽川大橋のトラス斜材の破断
タ州の鋼トラス橋が供用中に突然崩壊し,多
数の死傷者を出す重大事故が発生した。比較
的充実した定期点検が行われていた米国での
惨事は,補修補強の遅れが致命的な事態を招
くことを示唆した。
危機感をつのらせた国交省は2007年10月
に「道路橋の予防保全に向けた有識者会議」
を設置し,4回にわたる審議を経てこの提言
をまとめた。この提言では,我が国の道路橋
保全の実態に関し,以下のように多くの問題
を抱えていることが記されている。
◦点検,診断,補修補強の信頼性が十分に確
保されていない。
◦高度な専門知識を必要とする損傷事例に対
応する体制(技術拠点や人材)が整備され
ていない。
◦市区町村では約9割の自治体が定期的な道
路橋点検を実施していない。
このような状況の中,道路橋の予防保全(早
期発見・早期対策で国民の安全安心とネット
ワークの信頼性を確保するとともに,ライフ
サイクルコストの最小化と構造物の長寿命化
を図ること)の実現のために,以下の5つの
資格制度,人材育成を充実
③技術開発の推進:信頼性を高め,負担(労
力,コスト)を軽減する技術開発を推進
④技 術拠点の整備:損傷事例の集積と発信,
高度な専門技術者の育成
⑤データベースの構築と活用:効率的な維持
管理とマネジメントサイクルの確立
この提言を境に,道路橋の予防保全は以下
20)
のように大きく変わったと言われている 。
◦橋梁点検が全国的になり,点検者の熟度が
向上したことから信頼できるデータが様々
に整ってきた。
◦腐食についても,全国の橋梁点検から新し
い知見が得られた。
◦独立行政法人土木研究所に設置された構造
物メンテナンス研究センター(CAESAR)
における実橋梁を対象とした臨床研究事例
も蓄積され,腐食事例がいくつも取り上げ
られている。
国交省自体でも,例えば四国地方整備局に
おいて,道路橋塗装の計画や設計に関する体
21)
系的な調査が行われている 。四国地方整備
局は,国道11路線および四国横断自動車道
の総延長1318.2km を管理しており,「橋梁
長寿命化修繕計画」は,四国管内の橋長2m
以上の2100箇所を対象にした。計画期間は
5年間である。
重要なネットワークとなる直轄国道の安全
性・信頼性を確保していくため,定期点検に
より橋梁の状態を把握し,損傷が顕在化する
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前の軽微な段階で対応を行う予防的な補修お
よび計画的な架替えを着実に進めるための長
寿命化修繕計画を策定し,これにより,橋梁
の長寿命化と橋梁の修繕・架替えに係る費用
の縮減を図ることを目標とした。
予防保全の管理イメージを図10に示す。
図中,C 判定とは,速やかに補修を行う必要
があるレベルを示す。現状(事後保全管理か
ら予防保全管理への移行期)においても,予
防保全管理の段階においても,損傷対策とし
ての防食塗料による塗り替え塗装は不可欠で
ある。
国交省では,2013年を「社会資本メンテ
ナンス元年」として,インフラの老朽化対策
についての,総合的・横断的な取り組みを推
進している。
事後保全管理
2 - 4 「道路の老朽化対策の本格実施に関
する提言」
2014年4月14日,国交省の社会資本整備
審議会道路分科会が「道路の老朽化対策の
1)
本格実施に関する提言」 を発表した(本文
12ページ)。その第Ⅰ章の見出しが,「最後
の警告-今すぐ本格的なメンテナンスに舵を
切れ」というものであった。
社会資本整備審議会は,2002年以降,高
度成長期に一斉に建設された道路ストックが
高齢化し,一斉に修繕やつくり直しが発生す
る問題について「今後適切な投資を行い修繕
を行わなければ,近い将来大きな負担が生じ
る」と繰り返し警告してきた。
しかし,2005年の道路関係四公団民営化
現状(移行期)
予防保全管理
定期点検(2巡目)
劣化度
予防保全限界
補修
定期点検(1巡目)
事後保全限界
5年以内に補修
移行期にあっては,
最低でも事後保全
限界を下回らない
環境改善(劣化原因の排除)により,
損傷の進行を緩和
更新限界
②移行期(要対策-C判定)
①事後保全(要対策)の損傷
対策:部材の当て板補修・支承取り替え 対策:部分塗り替え・清掃
経過年数
③予防保全(要対策)の損傷
対策:部分塗り替え・漏水対策
図10 予防保全の管理イメージ
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に際しては高速道路の管理費が約30%削減
され,2009年の事業仕分けでは直轄国道の
維持管理費を10~20%削減することが結論
とされた。社会資本整備審議会は「社会全体
がインフラのメンテナンスに関心を示さない
まま,時間が過ぎていった。国民も,管理責
任のある地方自治体の長も,まだ橋はずっと
このままであると思っているのだろうか」と
問題を投げかけ,前述の厳しい警告を発して
いる。
2012年の中央自動車道笹子トンネルの天
井落下事故を,今が国土を維持し,国民の生
活基盤を守るために行動を起こす最後の機会
であるとの警鐘と捉え,一刻も早く本格的な
メンテナンス体制を構築しなければならない
と筆者も考える。是非とも読者の皆さんもこ
の提言を読んで,危機感を共有していただき
たい。
3.鋼橋における塗り替え塗装の課題
前章で,道路橋の老朽化の現状と老朽化対
策の変遷について概説した。一般社団法人日
本橋梁・鋼構造物塗装技術協会(橋塗協)技
22)
術主幹の中野正氏の技術解説 および中野
氏の司会による発注側,受注側,そして塗料
を供給する塗料メーカーのメンバーによる座
23)
談会 において,鋼橋における塗り替え塗
装の課題が良くまとめられている。是非参考
にしていただきたいので,その一部を以下に
紹介する。
3 - 1 マンパワーの不足
の十分に受注しきれない状況となっている。
受注側からは,「年間を通じて仕事量,発
注量の平準化」が切実な要求として出されて
いる
23)
。発注の平準化がなされれば,マン
パワーも集めることができ,教育,技術の伝
承も確実に行われ人を育てることが可能にな
る。
3 - 2 素地調整の問題点
防食性に大きく寄与するブラスト処理につ
いても問題が提起されている。ブラスト処理
は,処理後戻り錆防止のために4時間以内に
ジンクリッチペイントを塗装するよう規定さ
24)
れているが(Rc-Ⅰ塗装系 ,表4),現場で
の施工作業(ブラスト,環境浄化,排砂,清
掃,検査)においては,作業能率の点から課
題も多くあり,受注者からは改善が望まれて
いる。
ブラスト処理作業は一般的にオープンブラ
ストが多く適用されているが,飛散や騒音等
の対策が不可欠である。周辺環境対策が軽減
できるブラスト法として,バキュームブラス
ト,湿粒ブラスト,循環式ブラスト等が試行
されているが,施工能率や施工コスト等から
22)
幅広い普及に至っていない 。
3 - 3 現場塗装の問題点
Rc-Ⅰ塗装系の施工上の特徴として,スプ
レー塗装による塗膜品質の確保および塗装作
業の効率化があり,従来の刷毛塗りやロー
ラー塗装に比べ,平滑で均一な塗膜形成がで
き,約4倍以上の面積の塗装が可能になる。
しかし,スプレー塗装においてもミストの飛
散があるため,ブラスト作業同様に周辺環境
非常に切実な問題は受注側のマンパワーの
不足である。長期にわたるデフレ,仕分け等
対策が不可欠である。この対策を軽減する方
策として,静電式の高塗着スプレー塗装が適
により仕事が少ない時期が長期間続いたため
マンパワーを削減せざるを得なかった。その
ため,昨年度,工事量は多くなっているもの
用されており,その効果が確かめられている。
このように,付加価値がある新技術の適用に
当たっては,発注者サイドとしても既往の単
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表4 Rc-Ⅰ塗装系
塗装工程
素地調整
下 塗 り
下 塗 り
下 塗 り
中 塗 り
上 塗 り
塗 料 名
使用量(g/m2)
1種
有機ジンクリッチペイント
600
弱溶剤型変性エポキシ樹脂塗料下塗り
240
弱溶剤型変性エポキシ樹脂塗料下塗り
240
弱溶剤型フッ素樹脂塗料用中塗り
170
弱溶剤型フッ素樹脂塗料上塗り
140
価基準ではない実情に即した積算を検討する
22)
ことが望まれる 。
道路橋と同じく大型構造物である鉄道鋼橋
梁においても,未だ作業者による刷毛やロー
ラーによる塗装が行われている。鉄道鋼橋梁
の塗り替えは鉄道運休中の夜間に実施される
ことが多く,過酷な環境下での作業となる。
これらの問題を解決するために,鉄道鋼橋梁
における高所で狭い作業足場内にて自動塗装
を行える新規な塗装システム(①塗料の飛散
を抑えた塗装ガン,②小型軽量な塗料供給ユ
ニット,③補強材や添接部など凹凸面に対し
ての移動が容易な駆動装置からなる)が塗料
メーカーによって開発され,実用性も発注者
側,受注者側,工業計器メーカーと共に評価
25)
されている 。
3 - 4 塗り替え塗装促進上の問題点
鋼橋の劣化損傷は特定部位に生じること
が,これまでの調査や経験等で判明している
(漏水の多い桁端部,支承部周辺,通気性の
悪い連結部,泥・埃の堆積しやすい下フラン
ジ上面等)
。
維持補修費を低減する方策として,著しい
腐食劣化や損傷がある桁端部や支承部等の特
定部位だけを Rc-Ⅰ塗装系で塗り替え塗装す
26)
る塗装要領案がある 。この運用によって財
政的な負担が軽減され,地方自治体等での塗
り替え塗装が促進される。しかし問題点もあ
り,この方法で塗り替え施工した場合,施工
対象箇所の散在による足場防護工の盛り替え
作業の増加や,限られた狭い施工場所でのブ
塗装間隔
4時間以内
1~10日
1~10日
1~10日
1~10日
1~10日
ラスト処理,スプレー塗装の施工時間の増加
や著しい積層錆,孔食部に対する処理時間の
増加等があり,全面塗り替え塗装施工の歩掛
27)
では対応できないことが試算されている 。
適用にあたっては発注者と受注者の協議が必
要である。
3 - 5 塗料に関する具体的な課題と現状
塗料に関する具体的な課題としては以下の
23)
ような諸点が挙げられている 。重防食塗料
を扱う塗料メーカーは,これまでもこのよう
な課題を達成しつつ,市場の要求,社会イン
フラの維持保全の主体である発注者,塗り替
え塗装を実際に行う受注者の要求に応えてき
たが,より高度な要求に応えることができる
よう,重防食塗料の研究・開発・設計を推進
していかなければならない。
3 - 5 - 1 施工現場で使い易い塗料の設計
◦1回でより厚く塗装できるような省工程を
実現する塗料の設計
◦施工幅の広い塗料の設計。例えば0℃前後
といった低温環境でも問題なく施工できる
塗料の設計。規格では5℃以上とか10℃以
上というような施工環境が規定されていて
も,それを下回る過酷な環境で施工される
場合がある。そのような環境でも乾燥硬化
する塗料の開発も行われている。
◦腐食劣化しやすい端部,すなわちフランジ
のエッジやボルトのエッジ部分といった部
位にも一度に厚い塗膜を塗り付けられる塗
料が,塗り替え塗装における品質安定化に
寄与できる。そのために塗料の粘性構造を
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コントロールした塗料の開発,実用化が進
められてきた。
3 - 5 - 2 より高耐久性のある塗料の設計
◦厚膜塗装できる高耐久性塗料,例えば厚膜
型のフッ素樹脂塗料の実用化も進めてき
た。
3 - 5 - 3 環境負荷の低減
◦鉛 フリー化については,日塗工では1996
年7月,理事会の決議によって,
「安全・
は,性能適合を提示した提案形式で導入を
図ることとなる。
3 - 5 - 5 実 際環境により一層相関性のあ
る促進試験方法の確立
◦性 能規定化が成り立つためにも必要であ
る。
おわりに
環境を配慮して塗料の鉛リスクリダクショ
ンを進めることを宣言する」旨を公表し,
会員各社に周知徹底した。これを受け,会
員各社は鉛,クロムフリー化に取り組み,
例えば塗料中の鉛化合物使用量は1992年
度の93%減となっており,さらに2015年
度計画で削減する見込みである。引き続き
廃絶を目指している。
◦V
OC 削減の観点から,水系塗料の開発,
普及にも力を入れているが,まだ標準的な
仕様として打ち出せていない。今後さらに
完成度を高めてゆく。
3 - 5 - 4 従来にない新機能塗料の開発
◦トンネル内部用としては主流となっている
無機塗料では非常に硬い塗膜が得られる
が,それゆえ塗膜ワレに対する配慮が必要
である。取り扱いが難しく,例えば湿度が
高い環境,漏水部分に塗装すると剥離して
しまう。橋梁等複雑な形状をした構造物の
場合,鋼板端部やボルト部のエッジや L 型
のコーナー内側等では膜厚勾配ができ,塗
膜応力のかかり方によっては塗膜ワレが生
じる懸念がある。鋼橋への導入には克服し
なければならない技術課題があるが,無機
の特徴である耐候性の高さを活かすべく硬
いがゆえの脆さを補う樹脂との複合化など
各社実用化を進めている。
◦なお,新しく開発された塗料に規格・規定
等が存在すれば円滑に市場に導入できる
が,そのような規格・規定等がない場合に
「最後の警告」。この言葉を国民一人ひとり
は,それぞれの立場で真摯に受け止めなけれ
ばならない。「最後の警告」を受け,社会資
本のメンテナンスに不可欠な塗料(社会資本
を含め全国の腐食対策費の60%弱を表面塗
28)
装が占める )を生産し,安定に社会に供
給する塗料産業に長年携わってきた一人とし
て,まず,塗料産業の現状・特質・ポテンシャ
ルを振り返った。次に,道路橋を中心とした
社会資本の実態を概観し,老朽化に対する施
策の最近10年間の変遷を追った。そして最
後に,鋼橋における塗り替え塗装の課題,塗
料メーカーに対する課題をまとめた。その中
で,「塗料・塗装産業の社会資本長寿命化へ
の貢献」すなわち,国民の日々の安全安心,
快適な生活を未来永劫にわたって支える社会
資本,我が国の経済の限りない発展を支える
社会資本をさび,腐食,劣化から守ることこ
そ塗料・塗装産業の使命の大きな柱であるこ
とを改めて自覚した。
国民の日々の安全安心,
快適な生活を支え,
我が国の経済の発展を支えている施設は公共
施設だけに限らない。塗料は公共施設だけで
はなく,民間の施設,個人の家,財産を錆,
腐食,劣化から将来にわたって守り続ける。
塗料メーカー・塗装各社は,互いに切磋
琢磨し,「社会資本長寿命化を支える塗料・
塗装産業」の名に恥じない活動を持続してい
かなくてはならない。関係各位のご指導,ご
協力を引き続きお願いする。
一般社団法人 日本塗料工業会 奴間伸茂
無断転載・使用を禁じます 2014年9月23日 CEMA 第15回 技術シンポジウム
<参考文献>
1) 国 交 省 ホ ー ム ペ ー ジ; 道 路 の 老 朽 化 対 策 http://www.mlit.go.jp/road/sisaku/yobohozen/
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会「道路の老朽化対策の本格実施に関する提言」
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2) 化 学 工 業 日 報 社『 化 学 経 済 』2013年7月 号,
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4) 帝 国 デ ー タ バ ン ク レ ポ ー ト「 特 別 企 画:
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11)大沼清利「塗料技術発展の系統化調査」国立
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12)大澤悟「東京タワーの55年間に渡る塗装によ
る維持管理-塗料の社会資本の長寿命化への貢
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14)化学工業日報社『化学経済』2014年5月号
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社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人
口(2012年1月推計): 出生中位・死亡中位推計」
(各年10月1日現在人口),厚生労働省「人口動
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17)国交省の道路構造物の今後の管理・更新等のあ
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18)道路橋の予防保全に向けた有識者会議「道路
橋の予防保全に向けた提言」2008年5月16日,
国 交 省 ホ ー ム ペ ー ジ http://www.mlit.go.jp/
road/sisaku/yobohozen/yobo1_2.pdf
19)国交省資料「鋼橋(上部構造)の損傷事例」
http://www.mlit.go.jp/road/sisaku/yobohozen/
yobo3_1_1.pdf
20)片脇清士「鋼道路橋の腐食と対策(その1)-
第1回 腐食の現状-」防錆管理,2014-5
21)四国地方整備局「橋梁の長寿命化修繕計画」
2014 年 1 月 http://www.skr.mlit.go.jp/road/
hozen/H25chojumyouka_plan.pdf
22)中野正「総論:鋼道路橋の維持管理と塗替え
塗装の現状と課題」塗装技術,2014年1月号,
pp104-108
23)座談会「鋼橋における塗替え塗装の現状と課題」
塗装技術,2014年1月号,pp109-125
24)公益社団法人日本道路協会「鋼道路橋防食便覧」
(2014年3月)
25)市川昭人,中岡豊人,竹内徹「鉄道鋼橋りょう
塗替え塗装における塗装の自動化に関する検
討」塗装工学,Vol.49No.1,pp17-23(2014)
26)国交省道路局国道・防災課事務連絡「鋼道路橋
の部分塗替え塗装要領(案)
」2009
27)中野正,大桑洋,槌谷幹義,手塚眞,冨田博
幸,石川文雄「部分塗替え塗装における経済
性の検討」日本橋梁・鋼構造物塗装技術協会,
Structure Painting,Vol.41,p.24(2013)
28)腐食コスト調査委員会「わが国の腐食コスト」
材料と環境,
Vol.50,
No.11,
pp490-512(2001)
☆ ☆
☆
一般社団法人 日本塗料工業会 奴間伸茂
無断転載・使用を禁じます 2014年9月23日 CEMA 第15回 技術シンポジウム
【提言】「新時代を切り拓く高機能塗装・塗料開発のあり方」
1.日本の塗料・塗装産業の技術力を業界の総力を挙げて向上させる。
・ライバル同士切磋琢磨して各々の技術力を強化する。 ・自社の足りないところを互いに補完し合う連携の構築。
・業界の各構成員が力を合わせて共通の課題に取り組む。 例)日塗工 技術委員会 重防食塗料部会の活動(右図→)
他に水性重防食塗料塗装システムの標準仕様化等
2.異部門、異業種間の協業の推進
・基礎原料メーカー、樹脂メーカー、塗料メーカー、
塗装機器メーカー、ユーザーさらに大学、公的研究機関 との共同研究により革新的塗料・塗装技術を創出する。
例1)市川昭人,中岡豊人,竹内徹「鉄道鋼橋りょう塗替
え塗装における塗装の自動化に関する検討」塗装工
学,Vol.49No.1,pp17-23(2014)
竹内徹「橋りょう鋼構造物におけるマルチノズル
近接霧化塗装システムの開発」Structure Painting
-橋梁・鋼構造物塗装-2014Vol.42(橋塗協)
☆塗装技術開発部門~塗料開発部門~ユーザーの
連携例
16ノズルの塗装ヘッド外観図 塗装ガン駆動用X-Yロボット外観図
上部の骨格にCFRPを採用したBMWi3
例2)国家プロジェクト「革新炭素繊維基盤技術開発」
東大、産総研、東レ、帝人、三菱レイヨンが
生産性10倍、製造用電力代1/2でクルマ等に使え る炭素繊維量産を目指す。
例3)対応の早い外国勢! BMWは炭素繊維メーカーと
合弁で炭素繊維の生産に乗り出した上に車の生産工
程を一新した。BMWi3(右写真→)
「塗料・塗装産業の社会資本長寿命化への貢献」すなわち,国民の日々の安全安心,快適な
生活を未来永劫にわたって支える社会資本,我が国の経済の限りない発展を支える社会資本
をさび,腐食,劣化から守ることこそ塗料・塗装産業の使命の大きな柱であることを忘れず
に、新時代を切り拓く高機能塗装・塗料の創出に邁進しましょう!
一般社団法人 日本塗料工業会 奴間伸茂
無断転載・使用を禁じます 塗装産業の未来を見つめて
Part2
新時代を切り拓く高機能塗装・塗料の最前線
一般講演
インクジェット塗装の最前線
タクボエンジニアリング株式会社
佐々木 栄治
上村 一之
インクジェット塗装最前線(技術編)
タクボエンジニアリング株式会社
1.
上村 一之
はじめに
スプレー塗装でのコーティング剤消費削減を目的として始まったインクジェット研
究開発は、射出成形機とのインライン化を提唱する東芝機械エンジニアリング(株)
(弊
社ビジネスパートナー)との共同加飾事業へと大きく変換した。
多様なマーケットからの様々な要望に対応するなかで、特に既存の塗装や他の印刷
技術に対する「吐出の代替手段」のみに焦点を合わせ過ぎると、必ず前者との慎重な
比較論に陥る。最初から技術的に乖離しているケースを除き、概ね代替可能でもその
比較部分に厳しく拘るあまり、意思決定が中断するケースもある。その結果、本来の
恩恵受けるべき価値創出の機会損失が生じることも学んだ。
そのような過程で掴んだインクジェットの取り組み方のひとつとして有効なのが
「インクジェットの優位性に焦点を合わせた新しいモノづくりと製品全体の最適化」
である。
インクジェット固有の優位性は、ソフト上でのデジタル操作と液体のドット制御の
リンクにより、多彩でオンデマンドな表現が可能であること、他技術との合わせこみ
で保護層の確保・ビジブルな表現の多様化が可能であること、省マスキングなどの運
用性にある。弱点は、液体の飛距離や液体組成の制限、隠ぺい性、スループットなど。
既存システムによるコモディティー化から抜け出し、少量多品種の高付加価値製品
に到達させたいと多くの要望を頂く。それならばインクジェットが持つ利点が最終的
な製品・製造メリットで表現できるように、成形品や表面処理構造、デザインも歩み
寄り、ヘッド技術、材料(色・コーティング・粒径分布)技術、ロボットを含めたシ
ステム技術と統合・補完し全体でモノづくりしていくことである。弱点部分は周辺技
術で最小化していく。
これは一見遠回りに見えるが、実はその幾重の作業がレイヤー技術となって製品と
して統合された時に、最終的には真似されにくい各企業固有の新しい製品技術と価値
が出来上がる。
そのような取り組みなかで技術面では、昨今特にコーティングの対象成形品におい
て形状が複雑系から平面系、或は緩やかな曲面系に推移していること、今まで難しか
った機能性が高い UV コーティング材料の開発並びに溶剤系含有(制限有)UV ベー
スでのヘッド吐出とコーティング化が見えてきたこと、多層加飾構造や非極性素材に
対する密着物性を支援するデジタル工法が見いだせてきたこと、多関節ロボットとイ
ンクジェットヘッドの組み合わせに可能性が見えてきたこと等により、徐々に市場へ
の導入を始めている。
本論ではその主だった開発部分を本年 2014 年5月に行われた東芝機械ソリューシ
ョンフェアでの出展事例を使って紹介していく。
2.
最新インクジェットシステム
2.1 デジタル加飾がシステムとして目指すところ
弊社が目指すインクジェットシステムの構造は、加飾技術(=デジタル加飾)と
モーションコントロール・ロボット技術による統合、並びに塗膜機能に関わる物性
をデジタルで支援するといった新しい技術の両軸である。(図−1)
ロボット・
モーションコントロールとの
統合
システムとしての
デジタル加飾
物性×デジタル
(塗膜機能を補強する機構)
図―1
加飾システムの指向性
2.2 物性×デジタル
開発過程であるため紹介は別途機会に譲るが、目的は UV インクによる最適な塗
膜をつくるための支援機能である。デジタル制御により可能となる機能でシステム
に搭載される。(図―2)
これにより、非極性物質への密着性、隠ぺい性、レベリング、或はシャープさ、
多層構造の密着最適化などの補完(支援)が行われ、かつ高速サイクル下で作用す
る。
図―2
塗膜機能を支援する機能を持つシステム
2.3 ロボット・モーションコントロールとの統合
緩やかな曲面を含んだ平面への加飾並びにトップコーティングと円形胴体への
コーディング(文字や QR 情報)を加飾した例を示す。(図―3)
初期では、平面のみでの加飾だったものが、図の通りの技術推移を示す。
2.3.1
緩やかな平面への加飾(ワークモーションコントロール)
緩やかな曲面を持つ平面加飾は、主にワーク側のモーションコントロールとヘ
ッドからの液滴の着弾位置の調整、分割画像との合わせこみの技術によるもので
ある。(約 10μm∼42μm レベル)
特に分割面と分割面の境目の接続が極めて難しい。人の目では判別できないよ
うな視覚的に緩和させるような画像を創ることで、ほとんど自然な境目に近づけ
るようにした。トップコーティングは UV 硬化(高圧水銀ランプ)を使用。
2.3.2
曲面へのコーディング(多関節ロボット+インクジェットヘッド)
多関節ロボット化の手始めに、胴体部へのコーディングを行った。
従来のインクジェットヘッドでは、ヘッドを水平方向に動かすことはあっても、
頻繁に斜めに傾けて吐出すると、圧力差の変動がインクの吐出不良を引き起こす
ため、水平方向或は低角度で固定化されての吐出であった。
本機はインクを循環させ圧力差をコントロールさせつつ、液体吐出の内部制御
(ノウハウ)を行うことで、多関節ロボットにインクジェットヘッドを装着して
の吐出が可能となった。期間開催中、一度もトラブルは起きなかった。
図―3
3.
曲面加飾・トップコーティングと曲面コーディング
インライン加飾システム
東芝機械エンジニアリングと共同で、システム構成として提唱するインライン加飾
システムについて紹介する。
射出成形からインクジェットによる UV 加飾、UV トップコーティング、組み立て
までをライン化し内製化することで、総合消費エネルギーの削減、成形直後の成形品
への液体塗布・UV 硬化によるゴミブツの削減、視える化、総合的な製品デザインの
実現を図る。工程間はロボットで行う。2012 年~2014 年までの開発推移を示す。
(図−4)
最新の 2014 年の特徴としては、多関節ロボットとインクジェット、緩やかな曲面
加飾、非極性素材(密着しない)PP に対しての加飾であり、PP の表面改質のための
プラズマ処理もインライン化している部分である。
図―4
インライン加飾システムの開発推移
実際のインライン加飾システムの外観を示す。(図―5)
図―5
インライン加飾システム外観
インライン加飾システムのデモ・プロダクトの推移を示す。(図―6)
2012 年は高速に動く平面体の凸凹への正確な着弾(内部の鏡スパッタ)を実証し、
2013 年は矩形体スマフォカバーの前後左右側面の加飾(内部スパッタリング)、2014
年は PP 素材に対する加飾で平面曲面と曲面のコーディング(円筒形プロダクト)で
ある。平面⇒矩形体⇒曲面、ABS・PC⇒PP と技術的難易度が上方推移していること
がわかる。
図−6
インライン加飾システムのデモ・プロダクト推移
2014 年のインライン加飾システムの拡大図を示す。(図―7)
東芝機械ソリューションフェア出展
図―7
2014 年インライン加飾システム
4.
新 UV トップコーティングの開発
UV トップコーティング剤の開発は、インクメーカー、塗料メーカーと共同で行っ
ている。エンジニアリングメーカーがなぜ UV コーティング剤(インク・塗料)の開
発を行うのかを問われることがある。
理由は、欲しい塗膜性能が出るインクジェット UV コーティング剤が世の中(国内)
に無い事、インクジェットヘッドはその機械構造上、スプレーの様に大概の塗料やイ
ンクを飛ばせるものではないこと、ヘッド側のユニバーサルな耐塗料用改造は極めて
コストが高く現実的でないこと、ヘッドと物性的(粘度や表面張力、接液試験)に適
合したインクであっても、それは吐出させることに問題が無いインクというだけであ
って、製品を創れるインクとは別の話である。顧客環境に適合し継続的に運用できる
には、システムとインクが一体となった検証作業が必要である。それならば自分たち
で作っていくしかないということで、メーカーの協力を得ながら開発を始めた。
検証内容と改造内容の具体例は、秘匿技術事項が絡むため述べられないが、弊社が
特に力を入れているのは、顧客が求める要求環境下(前後工程とのインターフェース
環境、生産性、低環境負荷、人体安全、ゴミブツ)を想定しながら、塗膜性能を発現
させるためのコーティング剤側とシステム側の統合である。コーティング剤が想定プ
ロセスに合うように修正、試作、検証を繰り返しながら、システム側からの改良で最
適化していく。
4.1 UV トップコーティングの構成
弊社の UV トップコーティング剤は主にふたつの構成となる。(図―8)
無機有機と溶剤で構成されるハイブリットコーティング剤、モノマーだけで構成
される無溶剤型の樹脂コーティング剤である。どちらも、機能、環境と運用に違い
があり、マーケットとの適合をみながら提供していく。
図―8
新 UV トップコーティング
4.2 UV トップコーティングの種類
UV トップコーティング剤の塗膜機能性と導入容易性を示す。(図―9)
A−2、B−2を標準品とし、マーケットとの対応でカスタマイズ(A−1、B−1)
が可能。
4.2.1
無機有機ハイブリットコーティング
無機有機ハイブリットコーティング(A―1、A−2)の共通特徴は、耐傷性がか
なり高いこと、温度変化に対する硬さの変化が少ないことにある。
組成の適正分散とインクジェットの耐性に配慮した溶剤種類の選別と含有%を
できるだけ少なくしながら、インクジェットではできなかった溶剤使用による吐
出とコーティングが可能となった。UV 硬化前にセッティングプロセス(55℃、
5分間)が必要となる。
4.2.2
樹脂コーティング
モノマーのみの樹脂コーティング(B−1,B―2)の特徴は、無溶剤であること。
そのため IR の設備が不要で、塗布後はそのまま(レベリング時間考慮)、UV 硬
化プロセスへ移行できる。ゴミを巻き込む機会が減り、プロセスも簡素化する。
架橋密度を変えることで、密着性や割れ対策の調整が可能。人体への安全性に
配慮した(原材料レベルでの皮膚刺激性や感さ性)組成構造になっている。
新UVクリア
トップコーティング
機
能
性
A-1
機能版(カスタマイズ)
・耐候性付与
・ワークとの密着調整
・耐傷性維持
無機有機ハイブリット
重要
マーケットとの
マッチングに
注意を払う
B-1
機能版(カスタマイズ)
・耐候性付与
・ワークとの密着調整
・くぎ打ちでひび割れにくい(軟)
モノマー(無溶剤)
A-2
基本版
・薄膜(耐傷性)5∼25μm
・温度による硬度変化少ない
・やや艶
・硬度 素材+1∼2ランク上
B-2
基本版
・厚膜(高級感)30∼40μm
・低皮膚感さ・低刺激性
・艶あり
・硬度 素材∼+1ランク上
導入容易性(良)
(IR、小型ブース、溶剤含有)
図―9
(IR不要,ブース不要 一部局排 無溶剤)
UV トップコーティング剤機能性 VS 導入容易性
4.2.3
有機無機ハイブリットコーティングの塗膜特性
有機無機ハイブリットコーティング(A−2)の塗膜性能の一部を示す。
基材 ABS(硬度 F)の場合;
硬度:鉛筆3H(25μm 膜厚)、
耐摩擦性:#000で1kg*20往復で傷なし、
クロスカット:剥離無し
表面機能:撥水性
他の機能は現在評価中。
4.2.3
樹脂コーティングの塗膜特性
樹脂コーティングの塗膜特性の一部を示す。
基材 ABS(硬度 F)の場合;
硬度:鉛筆硬度 H
耐摩耗:100 往復摩耗後(消しゴム)、下地露出無
高温多湿密着性:クロスカットテープ(65℃95%*24 時間)全面剥離無
耐アルコール:綿棒 15 回擦り、表面状態異常無
耐水性:40℃温水*240 時間
全面剥離無
耐湿性:50℃*98%*240 時間
全面剥離無
付着性:1 ㎜碁盤目セロテープ剥離試験
耐汗性:高温多湿(65℃95%24 時間)
5.
全面剥離無
変色無
海外のインラインシステム例
図―10
成形機とインクジェット間のハンドリングロボット
図−11
6.
インラインシステムのインクジェット
インクジェットシステムに関わる技術構造と役割
以下にインクジェットシステムに関わる技術構造を示す。(図―12)
大きくわけると各論の技術は4構造で構成され、さらにユーザーの工程に入れるため
の技術も必要となる。弊社は加飾技術開発と材料開発を中心に、東芝機械エンジニア
リングはシステム構築を中心に連携を取りながら行っている。しかしながら実際の作
業はかなりお互いオーバーラップしながらセットで行っている。
これら各専門性に加え、エンジニアリングとしての総合技術が必要なため、我々の
ようなところがその役割を担っていくものと自覚している。
弊社と東芝機械エンジニアリングだけではなく、ヘッドメーカー、UV メーカー、
インクメーカー、塗料メーカー、システムインテグレーションメーカー等との技術提
携により推進している。そしてなにより、顧客の協力を得ながらの構築である。
図―12
技術構成
7.
終わりに
塗装の研究開発として始まったインクジェット開発は、引き合い先は必ずしも塗装
の課題解決だけではなく、印刷技術(スクリーンやパッド、各フィルムや真空を使っ
た転写)からの代替え、更に新たな製品づくりとして活用したいといったものがある。
単に従来技術の置き換えによるコスト削減のみを目的にしたところは、初期投資(設
備)も厳しい傾向にあり、コスト競争で疲弊する恐れがあるため対応が慎重にならざ
るを得ない。そのような時は、すべてを変換するのではなくミニマムなインクジェッ
トにより 1~2工程減らすことや、従来技術と合わせこむことでの新しい製品化の模索
を提案している。そちらのほうが商品のグレードはあがるし喜ばれる。
他方、版印刷と同等の外観を求められるときがある。アナログ印刷とドット制御(デ
ジタル)の違いである。ドット制御により、版、洗浄、在庫からの解放と自在性が可
能になった恩恵があるのだが、それでも版同等に拘る場合は、残念ながらお断わりし
ている。欧米ではこのあたりの切り替えが早く、デジタル化が進んでいるらしい。
ところでインクジェットという言葉が与える印象は、家庭用やオフィス用のプリン
ターのイメージが先行しているとよく耳にする。その分野におけるプリンターメーカ
ー各社のあまりにも高い技術と完成度のため、工業系においては、既に出来上がった
技術として簡単にインクを乗せ換えれば装置化ができるものと捉えられてしまうこと
が多い。多分筆者もインクジェットを知らなければ同じ印象は持っただろう。
しかしこれは実際にやってみると、全く違った構造になっていた。そもそも、着弾
させる相手(素材や形状)が全く異なる。出力原理は同じでも、活用用途が違えば材
料も形式もエネルギーも速度も求められる品質も大きく変わってくる。そうなると違
うものとして造ることになる。
誤解を恐れずに言えば、どの分野の内燃機関であるエンジンは原理的には同じでも、
使う場所や使用目的で明らかに変わってくるのと同じである。工業系には工業系の向
かい方がある。
まだまだ見落としているものがたくさんある。現場で創発することも大事だが、大
局的に周囲をみることも大事だ。地球上には、優秀な技術があふれている。知らない
か、気が付かないでいることが多い。ご協力いただいている大勢の方々に感謝しなが
ら、今後も追及していきたい。
本論が皆様の新しい製品価値を生むきっかけになれば幸いである。
参考文献
Digital Printing for curved plastic parts
"InkBOT process" by Arbug and FRT Robotik
Plastix world November 2012
特別協賛:
3. 新意匠粉体塗装
『ジオメトリック・パウダー』
理想科学工業㈱
㈱カドワキカラーワークス
㈱山王
三馬 秀利
門脇 正樹
高橋 大
特別協賛:
4. 航空機部品の表面処理・塗装
旭金属工業㈱
辻本 克也
塗装産業の未来を見つめて
Part2
新時代を切り拓く高機能塗装・塗料の最前線
一般講演
新意匠粉体塗装
『ジオメトリック・パウダー』
理想科学工業株式会社
株式会社門脇カラーワークス
株式会社山王
三馬 秀利
門脇 正樹
高橋 大
新意匠粉体塗装「ジオメトリック・パウダー」
理想科学工業㈱プリントクリエイト事業部 田中 繁樹
株式会社カドワキカラーワークス 芳賀 友晴
株式会社三王 高橋 大
はじめに
今回ご紹介する技法は、理想科学工業(株)が、あるきっかけで粉体塗装と出会う事で発案
された、異業種間のコラボレーションです。
理想科学工業(株)のデジタルスクリーン製版機「ゴッコプロ」と、(株)三王のお手軽粉体塗
装キット「コナールショット&チョコナ」を使用することで、テキスタイル的なデザインや幾何学
模様などの複雑な絵柄をパソコン上で自由に作成し、その版を介して粉体塗装することによ
り、“オール粉体塗装”として新たな意匠を創造します。
常に粉体塗装の高意匠性にチャレンジし続ける株式会社カドワキカラーワークスでこの技
法をトライし、試行錯誤の上、独自の技術とセンスで新たな意匠を探ってもらいました。
Ⅰ
イントロダクション
乳剤製版方式と異なる点
■環境に優しい
■大掛かりな周辺設備不要(露光機・暗室・乾燥機等)
■スピード製版(製版プロセスの短縮)
■専任オペレーター不要
■置版(製版済み枠を取っておくこと)不要
■製版コスト削減
Ⅰ−1)スクリーン印刷とは
「シルクスクリーン印刷」は古くから行なわれてきた孔版印刷方法の1つで、広
い分野で利用されています。紙製品、布製品、木製品、プラスチック製品、金属
製品など、「水と空気以外」はすべて材質、形を問わず印刷対象となります。シル
クは昔に使われていた名残ですのでゲンダイでは単に「スクリーン印刷」という
呼称が一般的です。
「スクリーン印刷」では乳剤を使用した版「乳剤版」を使用します。「紗を張る
工程」、「乳剤を塗布する工程」、「フイルム作成」、「露光工程」、そして最
後に「洗浄」工程などが必要とされます。工程が複雑な分、仕上げまでに熟練し
た職人の技術と納期が必要となります。
スクリーン製版の課題
<低コスト・短納期への要求>
小ロット多品種化が加速する市場環境の中、スクリーン印刷においてもリードタ
イムの短縮と低コスト化が求められています。
<環境への配慮>
薬品などを使用しない製版設備がもとめられています。
Ⅰ−2)RISO デジタル製版とは
① 基本原理
感熱デジタル製版はサーマルヘッドの熱でマスターのフィルムに直接穿孔させ
る方式のため非常にシンプル従来の写真製版は化学薬品を使う方式(ケミカル
プロセス)のため工程が複雑
GOCCOPRO100
製版プロセスを大幅に簡略化
乳剤製版方式に比べ、設備や工程を大幅にカット
製版工程約3時間がわずか100秒
乳剤など薬品は必要なし
暗室などの設備も必要なし
水を一切使用しない完全ドライ製版方式なので環境にやさしい
「感熱デジタル製版」はサーマルヘッドの熱でマスターのフィルムに直接穿させ
る方式のため非常にシンプル
Ⅱ
GOCCOPRO100 の特徴
製版スピード わずか105秒
Ⅱ−1)
① 簡易操作
・ページプリンター同様、出力指示をかけるだけの簡易操作
・高度な技術の習得は不要
② 製版工程を大幅に短縮
・GP100 は印刷開始までのリードタイムが 7 分
・乳剤版は印刷開始までのリードタイムが180分
・外注(乳剤版)は印刷開始までのリードタイムが2日
③ 製版コストが外注乳剤版の1/5以下だから、小ロットで優位
④ 完全ドライ方式⇒薬品・排水の処理がない
Ⅱ−2 基本スペック
① 主な仕様
解像度
製版スピード
製版サイズ
画像処理
対応 OS
大きさ
消費電力
600dpi
105秒
最大800×240mm(印刷可能範囲)
最適化された階調処理
Microsoft®
Windows® 8(32-bit/64-bit)
、Windows® 7(32-bit/64-bit)
、
®
、Windows Vista®(32-bit/64-bit)
Windows XP(32-bit)
Mac OS®X(別売ネットワークカード必要)
v10.4,v10.5,v10.6,v10.7,v10.8 ,v10.9
665幅×680奥×735高
約200W
② デジタルならではの画像処理
・網点(角度と線数)/誤差拡散を選択可能
・プリンタドライバで簡単に設定出来る
③ 代表的な製版・印刷エリアの目安
・厚枠96使用時(240mm×800mm)
・厚枠53使用時(240mm×430mm)
・厚枠42使用時(240mm×320mm)
④ 対応アプリケーション
OS上で動作するアプリケーションが使用可能
・専用のアプリケーションが不要
・ただし、ワープロなどの文書作成用ソフトは不適
・画像データがPDF形式ならアクロバットリーダーで出力可能
Ⅱ−3 RISOデジタルマスター
① 素材と構造(乳剤版との比較)
乳剤膜は膜厚が可変、RISOデジタルスクリーンマスターはフイルム厚が
1.2ミクロン(70P、120P,180ASHQ,200Pの場合)
。
接着構造が主ですが180ASHQのみ熱溶融一体構造。
② 種類とスペック
70メッシュ、120メッシュ、200メッシュ、180メッシュの4種類
それぞれの厚さは約120ミクロン、90ミクロン、90ミクロン、70ミ
クロン。
Ⅲ
異業種間でのコラボレーションによる新しい提案
《デジタルスクリーン製版+粉体塗料》
= 環境に優しいデジタルスクリーン製版+環境に優しい粉体塗料
三大特徴
=①オリジナルデザインからのオンデマンド塗装が可能
=②溶剤使用が不要
=③幾何学模様付けも簡単
Ⅳ
カドワキによるグラフィカルなパウダーコーティングの技法
量産塗装に於いて、粉体塗装は、基本的には単色のベタ塗りがメインとなっています。
そのような中で、これまでカドワキでは、お客様のニーズにお応えすべく、耐熱カッティングシ
ートによるロゴ入れから始まり、マスキングシートによる多層レイヤーでの塗り分けを屈指する
ことで複雑に進化をとげ、グラフィカルなカスタムパウダーコーティングを実現してきました。
ただしカッティングシートによる塗り分けは、シートの不要部分の除去の煩雑さから、細かい
文字、図柄、連続した模様などには限界はあります。
Ⅴ デジタル製版機を用いたシルク版での絵柄付け
① PC上で模様の絵柄を作成
② デジタル製版機「ゴッコプロ」でスクリーンの版を作成
撮影:OGBSマガジン
③ 作成したスクリーン版を介して粉体塗装により模様つけ
撮影:OGBSマガジン
粉体塗装済みベース板
(アルミパネル)
スクリーン版セット
パウダーコート
スクリーン版取外し
④ 焼付け(180℃20分)
撮影:OGBSマガジン
⑤ 完成
Ⅵ 作例紹介
本技法は、柄付けが粉であるが故、文字やロゴの様な見切りのはっきりした物については、
あまり得意ではない。
逆に、これまで不可能であった幾何学模様、不規則なパターン、木目や布生地の織り柄模
様、テキスタイル柄、グラフィックデザイン、写真など、これまでカッティングシートでは表現し
きれなかった複雑なデザインや図柄に対して有効である。また、これまでのカッティグシート
や塗り分けの技法と組み合わせて、新たな意匠が生まれる可能性もある。
Ⅶ 「ジオメトリックパウダー」の可能性
1. 絵柄全てパウダーコーティングで構築できるため、高耐候ポリエステル粉体塗料や、
フッ素粉体塗料など樹脂の選択により、屋外仕様での高耐久高意匠パネルが製作でき
ます。
2. 内装分野においても、百貨店の店舗や間仕切り、壁面、ドア、什器など、不燃指定や防
火対策など有利な、金属パネル+パウダーコートとして高意匠性の模様が提供できます。
3. 生産工程に於いて自動化を構築すれば、プレコートメタルや、タイル状製品などもできる
かもしれません。
商業施設での壁面装飾パネル、素材の例
ジャパンショップより
Ⅷ 今後の課題
1.シルク版が追従しないので三次曲面は難しい→曲面追従フィルム?
2.シルク版のサイズが限られる→大判製版機の可能性?。
3.フィルムを固定するジグを工夫する余地がある。
Ⅸ おわりに
お手軽な粉体ガン「コナールショット」と、お手軽なデジタル製版機「ゴッコプロ」を用いること
で、塗装業界のみならず、印刷など他業界への粉体塗装のアプローチとして展開が期待で
きます。溶剤を使わないデジタル製版機と粉体塗装のコンビネーションは、これからの時代に
向けて、環境に優しいだけではなく、性能を備えた新しい意匠として可能性を秘めていると思
います。
今回は、印刷業界に対してのお手軽な粉体塗装という意図もあり、三王のパウダーガン「コ
ナールショット」を利用していますが、もちろん通常のコロナガン、トリボガンでも塗布は可能で
す(特性が若干変わる)。
この技法の具体的な適用用途に関してはまだ未開であり、今後さらに定量的な検証も必要
ですが、べた塗り→塗り分け→絵柄付けというデザイン性の広がりから、「ジオメトリックパウダ
ー」を一つの技法の例とすることで、パウダーコートの可能性がさらに発展し、かつ新たなヒン
トが見いだすきっかけになっていただければ幸甚です。
以上
塗装産業の未来を見つめて
Part2
新時代を切り拓く高機能塗装・塗料の最前線
一般講演
航空機部品の表面処理・塗装
旭金属工業株式会社
辻本 克也
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特別協賛:
5. 塗装の最新テクノロジー (3テーマ)
① 電着塗装シミュレーション技術
㈱ディライト
毛利 昌康
② 浮遊粒子の可視化技術
新日本空調㈱
岡本 隆太
③ 自然に優しい洗浄技術
東京ガスケミカル㈱
望月 徳三
坂井技術事務所
坂井 秀也
特別協賛:
6. 工業塗装の最前線
塗装産業の未来を見つめて
Part2
新時代を切り拓く高機能塗装・塗料の最前線
一般講演
塗装の最新テクノロジー
① 電着塗装シミュレーション技術
株式会社ディライト
毛利 昌康
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塗装産業の未来を見つめて
Part2
新時代を切り拓く高機能塗装・塗料の最前線
一般講演
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塗装産業の未来を見つめて
Part2
新時代を切り拓く高機能塗装・塗料の最前線
一般講演
塗装の最新テクノロジー
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塗装産業の未来を見つめて
Part2
新時代を切り拓く高機能塗装・塗料の最前線
一般講演
工業塗装の最前線
坂井技術事務所
坂井 秀也
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
文部科学省法定登録 REG.25938
坂井技術士事務所
坂井 秀也
[email protected]
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
工業塗装の最前線
日本工業塗装協同組合連合会 技術顧問
坂井技術士事務所
坂井 秀也
1.はじめに
全国的な塗装業の組織は,1963 年に結集した 22 団体の「全国塗装協会」に始まり、
「金
属塗装工の技能検定」がスタートしました。
1969 年には、商品分類表に「金属塗装業」が記載され,業種指定の効果を得て,昭和
47 年には金属塗装設備の耐用年数 11 年の表面処理関係(脱脂または洗浄設備及び水洗塗
装装置)を 7 年に短縮しています。
その後,1975 年に「日本金属塗装協同組合連合会」として再出発し,
「全日本金属塗装
振興展」を開催し、塗装技能の人材育成事業を展開しました。
1985 年には,被塗物の多様化に伴い現在の「日本工業塗装協同組合連合会」に改称し,
金属塗装設備の「その他の設備」の耐用年数 11 年を9年に短縮できました。
このように,塗装専業の共有課題について常に率先して取り組み,関係省庁の指導を受
けて,法改正等の業界浸透も実施しております。1990 年からは、月刊誌「工塗連ニュース」
を自主出版し,塗装業界リーダーの「製昄装連絡会」にも加わり,毎年の「全国大会」な
ど業界交流や活きた情報提供活動を実施しています。
そして、塗装業界の直面する課題である「VOC 排出抑制自主行動計画」を継続するとと
もに、塗装の付加価値を高め、海外と戦える企業体質と企業体力を構築するために、塗装
の技術技能向上を図る教育事業を行っています。
近年では,2007 年に貴会と「工業塗装高度化協議会」を発足し,先進的な実務探求を軸
に活動を展開するとともに,念願であった会員加入活動の成果として「九州地区」の参加
を得られたことは周知の通りであり、今後さらなる全国展開を推進してまいります。
2.ものづくりの中での工業塗装の役割
ものづくりにおいて,バルクとしての素材価値とともに、表面の特性や機能など表面の
受け持つ力は大きな存在です。社会資本財をはじめ生活消費品に至るまで,何らかの表面
処理が施されていることに「気づき」
、その表面効果を確認することが多いと思います。
道路や橋梁などの経年劣化や疲労による脆性破壊など社会資本財の老朽化対策は、社会
インフラに対する点検診断のメンテナンスサイクルにあり、高齢化社会問題のように緊急
課題であります。工業塗装においても、その関連資材部品への対応をされている専業もあ
り、確実なプロセスや作業の理解と実行がおこなわれています。
また一方,ものづくりの海外生産により製作現場を海外に移していくと、国外で製造技
術が育ち,国内から製作技術の発想や技能ノウハウが抜けてしまう「製造業の空洞化現象」
が表面化しています。このような系列取引崩壊からの方向転換として,これからは自社の
特異性ある要素技術をベースとした持続競争力を高め,オープンマーケットでいかに稼げ
るかが,工業塗装においても避けられない課題であり、その展開は海外や異分野に波及し
ております。そして、次世代のものづくりの現場では,
「コスト削減」
「設備や作業方法の
開発」
「生産力強化」
「品質向上」などの洗い直しを行い、競争力のある受け入れ体制やプ
ロセス整備が求められています。
この流れの中でも、新分野や新用途における技術開発の高度化に立ち向かうニュー製造
業の変身が日本の成長戦略分野として評価され,基盤技術の位置づけを高める可能性を充
分に秘めており、その優位性をアピールできるものとして、表面処理技術の存在が見直さ
れています。
この変化する傾向は、専業の新しい取り組みとして,研究開発を基本として「既存技術
をブラッシュアップして改善改良を進め新しい価値を提案する課題解決型企業」,
「自社の
技術を活かして新分野へ参入する高感度型企業」、
「自社で最終製品を創り上げて直接の収
益を生もうとする企画デザイン型企業」などがあり,新たなベンチャー企業や高度化専門
企業として評価されています。
ものづくりの基盤技術としてようやく取り上げられた「塗装に係る技術」も、
「表面処理
技術」の中で揉まれることとなり、
「なぜ塗装なのか?」を訴えられる研究開発課題を追求
する姿勢が要求されます。
バルク材だけでは達成し得ない表面特性として、耐食性・機械的強度・熱的安定性・化
学的安定性・電気特性・磁気特性・トライボロジ特性・光学的特性・美観などを膜形成や
改質層形成によって達成できる表面処理は必要不可欠な役割を担っています。
表面処理においても,塗装の三大機能である「超寿命性の下地保護」
「高意匠性の美装」
「多種多様な表面特性」は、生活に密着浸透していますし,
「再生機能」も活かした循環効
果も持ち得ています。
工業塗装の現場では,多種多様な被塗物の材質と形状・大きさ,塗膜形成手段の塗装方
法や硬化方法、要求表面基準の安定性など塗膜形成プロセスに対し奮闘されていますが,
ものづくりの中で高度化を図るには「なぜの事象解析や分析」が基本であり,学術や工学
をベースとした取り組みを行うことが前提となります。ここに,工業塗装の専業メリット
の存在があり,それを高めるには関連団体の横断的な協力姿勢の構築が必要視されます。
3. 工業塗装の直面する課題
2012 年に起きた印刷工場での胆管ガン発症により、揮発性のある物質を取り扱う事業所
に「化学物質のリスクマネジメント(リスク評価義務)」が、2016 年 6 月までに義務化さ
れます。
このリスク評価は,SDS に記載されている物質の持つ有害性と曝露量が対象であり、工
業塗装高度化協議会安全委員会が取り組んだ厚生労働省の「塗装作業におけるリスクアセ
スメントのすすめ方」や厚生労働省 WEB「職場の安全」の「コントロール・バンディン
グ」で取り組むことができます。
従業員に健康被害が起きると,企業の社会的責任が問われ,業界のイメージダウンにも
波及するため,事前の予防対策が基本と言えます。その対策技術として、持ち込まない・
発生させない・除去する(保護する)ことなどがとりあげられております。当会の VOC
削減活動も自主的な取り組み目標は達成しましたが,当会外での事業所データは非常に少
なく、工業塗装業界としてのカバー率評価は低迷している状況です。
今後も起こりえる新たな法規制や法改正への業界対応には,この業界カバー率が重要で
あり,約 88%のアウトサイダーへの加入促進が当会の着手課題です。
環境課題は,地球規模の自然破壊問題から限界エネルギー問題など,誰もが危惧してい
るものであり,その環境阻害因子を取り扱う立場からは「安全・安心」と「循環再生」へ
の転換を作業場から取り入れなければなりません。まずは、塗装作業者への健康保持にあ
り、塗装材料の無害化、工場周辺への配慮なども対象にしなければなりません。
しかしながら,多くの塗装専業は受託加工がほとんどであり,その要求品質確保のため
工業塗装事業所の約 80%が溶剤系の VOC 含有塗装材料の指定を受けており,工業塗装事
業所の約 70%が噴霧塗装手段を用いており,それぞれの環境に影響していることからも、
その代替対応や事後処理に苦慮されている現実があります。
そして、変わり続けるシビアな要求品質や処理対応のスピード化をクリヤーするために,
「うちしかできない」作業能力や受入設備能力の高度化と柔軟性を高めて、差別化を図る
ことも求められています。
一方においては,貴会も取り組まれている「高塗着率の向上」は生産効率面だけでなく
大きな環境改善テーマであります。多くの産業の中でも「使える」原材料の無効化率が非
常に大きいため、塗装からの代替事例がこの「ムダ」と「有害な化学物質や危険物」にあ
ることもあり、環境適応型塗料類の開発と高効率な塗装方式の発現が期待されています。
このように期待されている塗装技術の課題は多く,
「次世代塗料の開発」「環境適応型
塗装の定着化」
「長期重防蝕の促進」
「塗装作業の合理化」
「塗装環境の整備」を取り組む課
題として取り上げさせていただきました。
4. 生き残りを図る挑戦例
20 世紀に夢であったものが実現する姿が見え始めている 21 世紀の今は,企業変身にと
って絶好の舞台でしょう。
「新分野への挑戦」や「新技術の研究開発」などの IT 情報がタ
イムリーに入手され,取り組めるテーマの選択と集中に注視されている方は多いと思いま
す。
産業競争力強化法に基づく特定ものづくり基盤技術による「サポーティング・インダス
トリー」や「ものづくり補助金」にチャレンジされている塗装企業の存在は増えており,
貴会への持ち込みも多い状況と言えます。
受託加工業の「いつまでもあると思うな、親企業と融資」から飛び出し,不利な取引は
大坦に捨て去る判断をし、初めてのお客様を一生の顧客にできるよう、限られた資源を活
かして新しい技術分野を切り開く姿勢で、
「専業メリット」と「人財発掘」を実現されてい
る企業もあります。
「技術の向上は,人材育成次第」と言われるように,
「教育」が注視されております。同
業であり競争相手でもある塗装実務研修などの習得教育も大切な事業ですが,異分野や異
業種からなる「個の集団化」による自分発見は大きな「気づき」となり、企業の姿を変え
ています。
「フロンティアすみだ塾」も 100 名以上の参加メンバーとなり,小規模事業所
などの後継者にとって、この新たなつながりによる独創性や協調性を活かした参加効果が
育ち,若者が入社しています。このように、ひとづくりとして、「知恵の出せる人」
「品質
を作り込める人」
「原価のわかる人」を「遊び車」のような存在として配置することで,観
察や感化力の育成をおこない、キーマンとしての熟成に取り組まれています。また、技術
開発や新規事業化を進める上では,多岐にわたる技術分野を理解し,活用できる能力を育
てることであり,その才能を発揮できる企業内環境を作るとともに,
「場」を持つことも重
要な条件になります。
また、作業現場においても,ロボットや自動機器を器用にこなすなど、技能と周辺技術
の合わせ技を持った作業者が多く見られますように、
「塗装の基礎」を熟知したうえでのノ
ウハウ展開が「特異性ある技術」を生み出しています。
そして、
「研究開発向け」に挑戦する工業塗装事業所も増えてきましたが,「環境・エネ
ルギー」
「健康・医療」
「航空・宇宙」などの成長分野へのトライは少なく,
「一般型」や「小
規模事業所向け」の新設備機器や新たなプロセスの採用などが多く見られます。前処理で
は溶剤系からドライ処理へ,塗装では溶剤系から粉体や水系へ,乾燥では電磁波の熱から
光エネルギーへの転換などが取り上げられており,変化への動きは出ています。
従来の塗装用途と異なる「研究開発向け」の塗装技術のように,工業塗装においても「主
役」となる用途開発が生まれてくることに期待しています。
5. おわりに
最近の技術動向には,ものづくりが創る人も作る人も造る人も同じテーブルにいる状況
が見られます。製造業支援施設に,デザイナーやアーティストが見学にきており,3D プ
リンターから工作機械や精密測定機器までを入念に見て、利用を希望される方も出ていま
す。新たな構想のアイディアと超精密な製作や違体験な用途開発などを,産学官(公)金な
どの異分野による結集力で取り組まれている姿を見る機会が増えており,学際や業際から
得られる成果として確認されています。
このような流れの中で,
塗装はより良い接点を有しており,
いずれの対象物にも適応し,
色彩や加飾などの共通根も存在します。また、ハイクラスな乗用車のスペックに塗装色ご
とのプライスもあり,購入時の選択条件にもなるなど,ガソリンから電気や水素に変わっ
ても,車体や部品の塗装は続くでしょうが、塗装方法は変わるかもしれません。
このような時代背景を的確につかみ未来を予測することが、企業の成長やサバイバルに
不可欠であり,常に新鮮な同期発信からの情報収集とその情報の本質を知り選択すること
を最優先にしなければなりません。そしてこれからは、異分野のプロセス導入と創造性を
活かしたプロセス・プロダクトイノベーションが強力な武器になります。
このシンポジウムでの最新技術情報は,まさに最前線情報であり,これらをいかに自社
向けにアレンジして自社の基軸とするかがサバイバル条件となりますし,
「組織も個の集団」
であるように、業界の結集度が高ければ業種の存在も高く評価されるため,組織の再構築
も重要な課題として必要視されています。
以上
【 FINISHING 】
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第 15 回 CEMA 技術シンポジウム講演要旨集
発行日 2014年 10 月 23日
発行 日本塗装機械工業会
〒162-0815 東京都新宿区矢来町3番地 塗料報知新聞社内
TEL 03-5579-2511
FAX 03-3260-6116
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