Ⅱ.「国際気候チャンピオン」について 1. 13 カ国の代表がロンドンと神戸に集結 ■英国を含む 13 カ国で選出された気候チャンピオンの代表による国際会議を開催こうした「気候チャンピオン」の活動は全世界に拡がっています。2008 年は、13 カ国（ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、メキシコ、ロシア、南アフリカ、アメリカ、英国、日本）において、各国独自の方法で「気候チャンピオン」を選出しました。気候チャンピオンたちは、高い問題意識を持って気候変動の実態を伝える活動を行いますが、さらにそれぞれの国を代表する「国際気候チャンピオン」が各国から 3 人ずつ選ばれています。日本では 10 人の気候チャンピオンの中から、神奈川県在住の藤原沙来（ふじわらさき）さん、沖縄県在住の上原汐璃（うえはらしおり）さん、石川県在住の菅野洋（かんのよう）さんの 3 人を日本代表としました。国際気候チャンピオンたちは、3 月 24 日から 3 月 30 日まで、ロンドンで「国際気候チャンピオン会議」を行いました。同会議では、5 月に神戸で開催される G8 環境大臣会合に、「神戸チャレンジ」と名づけた提言（大臣たちへのお願いと若い世代からの約束）を行うため、気候変動や解決策について意見を交わし、3 パターンの草案を自分たちの言葉で作成しました。そして、英国の環境・食糧・農村地域大臣であるヒラリー・ベン氏を訪問して、それらの草案を披露しました。写真 6）グループディスカッションの結果を発表する国際気候チャンピオンたち。右はじ・日本の菅野洋さん。写真 7）ヒラリー・ベン環境相（中央）に「神戸チャレンジ」の草案を披露。左・日本の上原汐璃さん、右・英国のステファニー･リンチさん。 3 ■G8 環境大臣会合への提言を目指してさらに帰国した国際チャンピオンたちは、自国の気候チャンピオンたちにロンドンで話し合われた内容を報告して意見を求めたり、自国の若者たちからさらに多くの意見をもらえるよう努力します。そして再び 5 月 18 日から 5 月 25 日まで、国際気候チャンピオン 39 人は、G８環境大臣会合にあわせて、神戸に集まります。彼らは神戸まつりで“気候変動に関するブース”を運営したり、気候変動対策に取り組んでいる企業・団体を訪問する一方、5 月 22 日から開催される「こども環境サミット in KOBE」にも参加します。そして、さまざまな意見を反映しながらメッセージをひとつにまとめ、 5 月 24 日、活動の集大成となる G8 環境大臣会合への提言を行います。写真 8）英国の首相官邸を訪問した国際気候チャンピオンたちとヒラリー・ベン環境相カーボンオフセッティングで二酸化炭素排出量を相殺気候チャンピオンプロジェクトでは、日本と海外を問わず、チャンピオンたちが移動手段として飛行機を使う機会が少なからずあります。そこでブリティッシュ・カウンシルは、気候チャンピオンたちのすべての飛行機移動に関して、カーボンオフセッティング（炭素を排出した量と同等の社会貢献を行って相殺すること）を行います。そのため、イギリスのオフセッティング団体「PURE（公認慈善事業として、英国政府の適正実施基準に則って活動をしている）」を通してインドにある Malavalli Biomass Power Plant のプロジェクトに参加し、産業廃棄物のリサイクルやバイオマスの活用によって、電気や熱などのエネルギーを作り出しています。同プロジェクトは国連にも認定されており、京都議定書の「CDM（Clean Development Mechanism）」の厳しい基準で「ゴールドスタンダード（GR）」を取得しています。 4 2. 国際気候チャンピオンメンバー一覧国名前読み方性別 GUILHERME DE SIQUEIRA PASTORE ギレム・ディ・シキィラ・パストレ男 ANTONIO VOGACIANO BARBOSA MOTA FILHO アントニオ・ヴォルガシアノ・バルボサ・モタ・フィヨ男 LAILA HELENA SOARES ライラ・エレナ・ソアレス女 MEAGAN MCKEEN メーガン・マックイーン女 CAROLINE JO キャロライン・ジョー女 6 KATIE SKYVINGTON ケイティー・スカイヴィントン女 7 DING YINGHAN　丁英瀚　ディン・インガン男 WANG YIJIE　王艺捷ワン・イジィ男 KURT CHAN YUK-PUI　陳旭培カート・チャン・ユク-プイ男 BAPTISTE SALMERON バチスタ・サルメロン男 AUDE DAMY オード・ダミィ女 QUENTIN CORNET クエンティン・コルネ男 LARISSA BAUMANN ラリッサ・バウマン女 1 Brazil 2 3 4 Canada 5 China 8 9 10 11 France 12 13 Germany GREGOR MÜNCH グレゴール・ムンヒ男 15 DOMINIK FRANKEN ドミニク・フランケン男 16 NIDHI PATEL ニディ・パテル女 KARAN SEHGAL カラン・セーガル男 JASWANTH MADHAVAN ジャスワン・マダヴァン男 IRENE SANNA アイリーン・サンナ女 ELSA PISANU エルサ・ピサヌ女 21 VIRGINIA LEDDA ヴァージニア・レッダ女 22 NAYELI BELEM REYES SANTIAGO ナイエリ・ベレム・レイス・センティアゴ女 JOSÉ ISRAEL GONZÁLEZ BRAN ホセ・イスラエル・ゴンサレス・ブラン男 ANGEL MIGUEL FLORES エンジェル・ミゲル・フロレス男 14 17 India 18 19 20 23 Italy Mexico 24 25 26 Russia 27 28 29 SA 30 31 32 USA 33 34 35 UK DIMITRIY CHECHIN ディミトリ・チェチン男 SVETLANA TKACHUK シルエットラーナ・トカチョク女 KATE MELNIK ケイト・メルニク女 ZANELLE VAN ZYL ザネル・ヴァン・ジル女 JONATHAN GEORGE ジョナサン・ジョージ男 ZAID PHILANDER ゼイ・フィランダー男 REBECCA CHAN レベッカ・チャン女 MARVIN SALAZAR マーヴィン・サレイザー男 SOPHIA ANGELIS ソフィア・アンジェリス女 STEPHANIE LYNCH ステファニー・リンチ女 JORDAN STEPHENS ジョーダン・スティーヴァンズ男 36 JAMES FLETCHER ジェームス・フレッチャー男 44 SHIORI UEHRA 上原汐璃うえはらしおり女 YO KANNO 菅野洋かんのよう男 SAKI FUJIWARA 藤原沙来ふじわらさき女 45 46 Japan ＊詳しいプロフィールは http://www.britishcouncil.or.jp/climatechampions/profile_world.htm をご参照ください。 5 3. 神戸での活動スケジュール期日 5 月 18 日（日）内容・「第 38 回神戸まつり」で、国際気候チャンピオンおよび日本の気候チャンピオンによる「気候変動に関するブース」を運営場所：おまつり広場、時間：11：30～16：00 5 月 19 日（月）・京都議定書採択の地、京都を観光 5 月 20 日（火）・気候変動対策に取り組んでいる企業・団体を訪問する eco 視察＜訪問先＞兵庫県立コウノトリの郷公園+カネカソーラーテック、JR 西日本+シャープ、 JR 西日本+三菱電機、JR 西日本+厳島神社、積水ハウス、関西電力 5 月 21 日（水）・「神戸チャレンジ」のまとめ・「子ども環境サミット in KOBE」ウエルカムパーティーに参加 5 月 22 日（木）・「子ども環境サミット in KOBE」開会式に参加・「神戸チャレンジ」の最終まとめ 5 月 23 日（金）・日本の気候チャンピオンの母校、神戸県立葺合高等学校を訪問・「子ども環境サミット in KOBE」で、国際気候チャンピオンによるプレゼンテーション・「子ども環境サミット in KOBE」ガラパーティーに参加 5 月 24 日（土）・「子ども環境サミット in KOBE」閉会式に参加・「子ども環境サミット in KOBE」で「神戸チャレンジ」を発表・活動の集大成として G8 環境大臣会合へ「神戸チャレンジ」を提言 5 月 25 日（日）・解散、帰国ブリティッシュ・カウンシルについてブリティッシュ・カウンシルは、1934 年に設立された英国の公的な国際文化交流機関です。総裁にはエリザベス二世女王陛下が就任し、世界 100 カ国以上で英国と諸外国の文化交流活動を推進しています。日本では 50 年以上の歴史を誇り、東京・大阪センターを拠点に、英国留学、英語教育、英国文化の分野で幅広い活動と情報発信を行っています。ウェブサイト： www.britishcouncil.or.jp ◆ ブリティッシュ・カウンシルは、気候変動が地球の未来に多大なる影響を与える重大な課題であることを受け、イギリス国内で絶大な影響力を発揮した気候チャンピオンのイニシアチブを今年からグローバル展開しました。世界中に点在するオフィスを活用し、世界各国で気候変動問題に取り組む若者たちをサポートしています。意見があっても発信する手立てを持たない次世代を担う子どもたちの声が聞いてもらえる場を作り、気候変動に対する世界的な意識の向上を目標に掲げ、来年 2009 年には、さらに気候チャンピオンを増員し、より多くの国と連携することを目指しています。 6