責任ある研究行為について

責任ある研究行為について/Responsible Conduct of Research
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Shihoko ODO (Member ID: 1806421)
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責任ある研究行為について
<教材提供>
文部科学省事業
CITI Japan プロジェクト
目次
はじめに
研究を実施する上でのルール
ケーススタディー
職能集団の自律規範
政府による規制
米国の場合
わが国の場合
研究機関の規制
研究者個人の責任
参考文献
クイズ
責任ある研究行為について
はじめに
P 1/9
すべての科学研究に当てはまる「普遍的な」方法はありません。「これこそ責任ある研究行為」
といえる具体的な方法は研究の領域ごとに、あるいは、個々の研究室によっても異なるもので
す。とはいえ、実際の場で「責任ある研究行為はどのような方法か」と考える際には、すべての
研究者が共通して持つべき価値観というものがあります。それは次の観点を含んでいます。
正直さ: 情報を正直に伝え、誠心誠意を尽くす。
正確さ: 得られた所見を誤りなく正確に伝える。
効果的に: 資源を無駄なく有効に使う。
客観的に: 事実をそのまま表現して、バイアスを含めない。
責任ある研究行為の最も基本的な要素は、上記のような価値観に基づいて研究の品格を確
保しようとする揺るぎない意思です。以下では法律に基づく規制、行政的倫理指針、学会の指針
など、学問領域で一般に受け入れられている基準について解説します。
責任ある研究行為について
研究を実施する上でのルール
P 2/9
社会一般の人たちや、研究に携わる人たち自身は「研究者は各種の規則や一般に認められ
ている基準を守りながら研究を進めているものである」と考えています。責任ある研究行為と
は、社会の期待から外れることなく行う研究行為です。
ところが、社会からの研究に対する期待は一様なものではなく、 責任ある研究行為の意味は
必ずしも明確ではありません。 この点で、責任感の
ある研究者を目指すことは、優良ドライバーを目指
すこととは異なります。ドライバーについては、交通
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法規や運転手マニュアルといったものがありますか
ら、優良ドライバーがどのようなものであるかは明
確です。ドライバーの場合は交通法規に関する知
識や運転技術について必ず試験を受け、そこで初
めて運転が許可されます。その後も、道路標識や
信号を通じて、ドライバーとして果たすべき責任を
提示され続けます。また、その運転マナーは監視され、違反が見つかるとそれなりの処罰を受け
ることになります。
これに対し、責任ある研究行為は、ドライバーのように明確ではありません。研究行為のある
側面は法令や研究機関内の規則によって守るべき義務として定義されていたり、また、ある側面
は義務ほどではありませんが守ることが推奨されるルールあるいはガイドラインとして示されたり
しています。その一方、明文化されてはいないまでも、大多数の研究者が踏襲しているやり方
が、責任ある研究行為として見なされている場合もあります。こういったものは、それぞれの研究
指導者の理解、価値観によって次世代へ受け継がれることとなります。 その場合には、研究者
がそれに関する知識を持っているか否かを問われ
ることはなく、研究者の行動についても監視するシ
ステムはなく、逸脱した行為に対する処罰の内容は
まちまちです。研究者の多くが責任ある行動を取ろ
うとしているとはいえ、どういう行動が責任ある研究
行為であるのかを知り、そしてルールに反するかも
しれない場面で、どのように対処すべきかといった
判断ができる能力を備えることが必要です。そのた
めにはある程度の学習の機会を持たなければなり
ません。
本単元は責任ある研究行為の根拠となり得る次の4種のルールについて解説します。
職能団体の行動規範
政府による規制
施設内ルール
個人の信条
責任ある研究行為について
ケーススタディー
P 3/9
研究成果の発表は科学者の重要な活動です。日本学術会議は声明「科学者の行動規範」(説
明と公開)の中で、以下のように述べています[1]。
「科学者は、自らが携わる研究の意義と役割を公開して積極的に説明し、その研究が人
間、社会、環境に及ぼし得る影響や起こし得る変化を評価し、その結果を中立性・客観性
をもって公表すると共に、社会との建設的な対話を築くように努める」
一方、文部科学省も「研究活動の不正行為に関する特別委員会報告書」を平成18年に
発表し、研究成果の公表方法の倫理面について次のような見解を示しています[2]。
「研究成果の発表とは、研究活動によって得られた成果を、客観的で検証可能なデー
タ・資料を提示しつつ、研究者コミュニティーに向かって公開し、その内容について吟
味・批判を受けることである」(研究成果の発表)
「不正行為とは、……研究者コミュニティーの正常な科学的コミュニケーションを妨げ
る行為に他ならない」(不正行為とは何か)
研究結果が発表されると、他の研究者は、再現実験を行うなどして、その研究方法によっ
て同様な結果が得られるかを確認します。この確認作業によって、研究成果が研究者コミュ
ニティーの共有財産となることを促進し、社会への還元を促すことにもなるのです。次の
ケーススタディーはこれに関係する倫理的問題ですが、読者はまずこのケーススタディーを
読んで、研究発表の倫理性の問題を考えてみてください。
K教授の研究室の大学院生、A子さんは
つい最近、インパクトファクターの大変高い
専門誌に提出していた論文について専門誌
より、「条件付きでアクセプトする」という返
事を受け取りました。その条件の1つに、
「誌上のスペースを節約するためにリサー
チ・メソッドに関する記述を大幅に削減せよ」
というものがありました。しかし、削減してし
まうと、他の研究者が、A子さんの論文に基
づいて再現実験を行うことはまず不可能となります。K教授に相談したところ、「条件通
りに大幅削減をするように」ということでした。もし、他の研究者が実験方法について詳
しい情報を求めてきた場合にはいつでも提供できるはずだというのです。ただ、A子さ
んは研究方法についての記載が不十分だと、再現実験をしようとする他の研究者に無
駄な時間と研究費を使わせることになり得るのではないか、と懸念しています。
A子さんは、専門誌の条件通りに記述の大幅削減をすべきでしょうか?
A子さんの「他の研究者への不十分な情報提供」に対する懸念は当を得て
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いますか?
誌上のスペースを節約するというのは、研究方法に関する詳細な記述を犠
牲にするための十分な理由となり得るでしょうか?
責任ある研究行為という観点から、こういった問題に関して正しい判断を得
るためにはどのようにすればよいでしょうか?
責任ある研究行為について
職能集団の自律規範
P 4/9
第二次世界大戦前、欧米において、研究者は教師、医
師、技術者である場合を除き、概して社会との接点がありま
せんでした。研究者は社会から支援を受けることなく、また
社会は研究者に見返りを期待しませんでした。しかし現在で
は、社会は研究と研究者に大きなかかわりを持つようになっ
ています。一方、他の先進諸国と比べて、わが国の一般国
民は科学研究に関する興味と理解が比較的低いというデー
タがあります。研究者はとかく一般国民からは遠い距離にあ
る存在で、その研究内容についてもあまり興味が持たれる
ことはなかったようです。山中伸弥教授のiPS細胞樹立によ
るノーベル賞受賞のニュースが一時の打ち上げ花火に止まるのか、それとも1949年の湯川秀樹
博士のノーベル物理学賞受賞以来の、「敬するが近付こうとしない」これまでのわが国の傾向の
一大転機となるのかは、未だ分からないところです。
その一方、「3.11東日本大震災」とそれに続く「福島原子力発電所事故」は、それまで比較的
高かったわが国の人々の科学者への信頼を低下させたように見えます。国民の間には科学者
の信頼性に対する危惧が生じ、わが国の科学技術の行方を専門家である科学者に委ねること
への疑念すら生じています。
研究の目標は、既存の知識の中に感じた疑問点を拾い上げ、それに対して科学的な実験を
行い、その結果を踏まえて新たな知見を得る、というものです。以前は社会が研究内容をチェッ
クできる態勢が取られていれば、研究者を正直にさせておくことができると考えられてきました。
こう考えているうちは自制のためのルールといったものは特に必要と見なされません。これまで
は、こういった考えで、研究者の行動規範作りにブレーキが掛けられてきました。研究者には生
物学者、物理学者、化学者がいて、さらに生物学、物理学、生化学、分子生物学などといった細
分化された領域の研究に携わっていますが、いずれの領域においても研究者の行動のすべて
に対して、倫理面をカバーするガイドラインは作成されていません。倫理綱領などが作成されて
はいるものの、理念・概念といった抽象的なもので、現場で生じる複雑な状況に対応した具体的
な指針を含んではいませんでしたが、最近では研究者の倫理についての危機感が高まり、米国
科学アカデミーなどが出す報告書、提言や日本学術会議の「科学者の行動規範」は研究者の行
動に関する理念を示すとともに、具体的な内容に踏み込んでいます。こうした提言などにも記さ
れているように、科学者は個人として、あるいはコミュニティーとして自律的に振る舞うよう求
められていることを忘れてはなりません。
これらは行動規範を学ぶ上で適切な入口となるものです。わが国の研究者コミュニティーはこ
れらを基準とすることが求められています。
最近では、例えばヒトゲノム解析という領域に関して、学会や業界団体が自ら守るべき倫理指
針を作成するようになってきました。ヒトゲノムに関する研究や実用化が進み、こうした専門家に
よる団体によって自律的に指針を作成する機運が醸成されてきたといえるでしょう。近い将来、ヒ
トゲノムに関する研究者だけではなく、科学技術と社会との関係を研究している研究者、人文・
社会科学者、患者などが集まり、社会からの信頼を得て、政府主導の倫理指針に一方的に頼る
ことなく、自律的なルールの策定や運用なども行われるようになるのではないかと期待されま
す。
次に、米国科学アカデミーの報告書(1995年)と日本学術会議の声明(平成25年)の総論部分
を紹介しておきます。
National Academy of Sciences, On Being a Scientist (1995)
米国科学アカデミー:科学者であることについて
これは米国科学アカデミーが大学院生や若い科学者向けに研究倫理についてまとめた小冊
子で、わが国でも翻訳が出版されています[3]。
科学的研究という事業は、他の人類の営みと同様に、信頼を土台としています。科学者は他
の科学者からの報告には信ぴょう性があるものと見なしていますし、一般社会も科学者からの報
告はバイアスなく誠実に行った研究の成果であると見なしています。この社会から受け続ける信
頼と、そこに育まれてきた社会との繋がりがあればこそ、これまで、科学研究は空前の成果を挙
げてきたのです。そしてこの信頼を維持するには、研究社会そのものが責任ある研究行為の精
神を、身をもって実践し、次世代へ受け継いでいくことが不可欠であり、また唯一の方法です。
日本学術会議:声明 「科学者の行動規範」(平成25年)
最先端の研究を行っている科学者によるデータのねつ造などの研究不正が行われたことが数
多く報じられ、科学や科学者への信頼が落ちていくことへの危機感から、科学者の代表である日
本学術会議は、パブリック・オピニオンを求め、平成18(2006)年の「日本学術会議:声明 科学
者の行動規範について」を改訂して、次のような科学者の行動規範に関する声明を平成
25(2013)年に発表しました。
「科学は、合理と実証を旨として営々と築かれる知識の体系であり、人類が共有するかけがえ
のない資産でもある。また、科学研究は、人類が未踏の領域に果敢に挑戦して新たな知識を生
み出す行為といえる。
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一方、科学と科学研究は社会と共に、そして社会のためにある。したがって、科学の自由と科
学者の主体的な判断に基づく研究活動は、社会からの信頼と負託を前提として、初めて社会的
認知を得る。ここでいう『科学者』とは、所属する機関に関わらず、人文・社会科学から自然科学
までを包含するすべての学術分野において、新たな知識を生み出す活動、あるいは科学的な知
識の利活用に従事する研究者、専門職業者を意味する。
このような知的活動を担う科学者は、学問の自由の
下に、特定の権威や利害から独立して自らの専門的な
判断により真理を探究するという権利を享受すると共
に、専門家として社会の負託に応える重大な責務を有
する。特に、科学活動とその成果が広大で深遠な影響
を人類に与える現代において、社会は科学者が常に倫
理的な判断と行動を為すことを求めている。また、政策
や世論の形成過程で科学が果たすべき役割に対する
社会的要請も存在する。」
以上の基本的認識の下に、科学者が社会からの信
頼と負託を得て、主体的かつ自律的に科学研究を進
め、科学の健全な発展を促すため、科学者個人の自律性に依拠する、すべての学術分野に共
通する必要最小限の行動規範として「科学者の行動規範」が策定されています。その内容は、科
学者の基本的責任、科学者の姿勢、社会の中の科学者、社会的期待に応える研究、説明と公
開、科学研究の利用がとりうる正と負の両方向性、研究活動、研究環境の整備及び教育啓発
の徹底、研究対象となる人や動物への配慮、他者との関係、社会との対話、政策立案・決定
者に対する科学的助言、法令の遵守、差別の排除、利益相反に及んでいます。
この日本学術会議の声明は日本学術会議のホームページから入手できます。
責任ある研究行為について
政府による規制
P 5/9
わが国は、諸外国、特に米国のやり方を参考にしつつ、政府による科学者の規制を行ってき
ましたが、米国とは異なる独自の歴史を持っています。米国では議会で成立した法律を中心とし
た規制となっていますが、わが国では行政府による指針が大きな役割を果たしています。ここ
で、米国における展開を概観し、次いで、これと対比しながらわが国における規制の概要を解説
することにします。
責任ある研究行為について
P 6/9
米国の場合
議会・政府
第二次世界大戦を過ぎた頃から、米国社会の研究に対する支援が増加するに従い、 研究の
あり方についての関心が高まりました。当初は研究
の対象となる人と動物の扱いについて懸念の声が
上がりましたが、そのうち研究の場でのミスコンダクト
が焦点となっていきました。しかし、研究者コミュニ
ティーにはこれらの懸念に十分に応える姿勢が見え
なかったために、政府は規制に踏み切りました。政
府による規制の動きは、通常、国会の場で始まりま
す。問題が見つかると国会は聴聞会を開いて状況を
詳らかにして後、その防止を目的として新たな法令を
定めます。今日、人および動物を対象とした研究、お
よび研究上のミスコンダクトを規制する根拠は議会
審議を経て成立した法律です[4,5,6]。
重要なことは、これらの法令によって、連邦政府の支給する研究助成金を受給する研究者を
管轄する権限が政府に与えられているということです。連邦議会は問題が生じた際に処置する
権限を持っており、全般的な到達目標を提示することが一般的です。しかし議会は詳細に言及
することはほとんどなく、法令の執行にかかわる実務は連邦政府直轄の担当部署に任されてい
ます。担当部署は議会が提示する方向性をくみ取って、規則(ルール)、方針、指針といったもの
を定めます。
政府機関が議会の示す方向性を規則にする際、Federal Administrative Procedure Actに準
拠して行わなければなりません。これはその名の通り、新たな規則を定めるに当たっての手順を
規定しているもので、その中でパブリックコメントを求めることを定めています。そのため、法令の
制定に至る各段階はわが国の「官報」に当たるFederal Registerに掲示されることになります。こ
の過程を過ぎて最終的なものが決まると、これをCode of Federal Regulationの一部として加
え、政府の正式な規制となります。
政府のポリシーとガイドライン
以上の規則は法律的な効力を持つもので、わが国流に表現すれば「法令」に該当します。こ
れとは別に、政府機関はその業務の一環として方針(Policy)を定めることができます。その例と
して、National Institute of Health(NIH)は研究助成金を配分する際のルールを定めています。
また、このルールは研究費が有効に無駄なく使われるよう、時勢に即して改定されます。この
ルール改定の一環としてNIHは1989年に研究者育成のための公的資金の条件に責任ある研究
行為に関する教育を含めることを義務化し、さらに2000年には、臨床研究に携わる研究者など
に人を対象とした研究に関する倫理教育を義務付けたのです。これは、研究の対象となる被験
者の保護政策を推進するに当たっては教育と訓練に重点が置かれるべきであり、研究機関がそ
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の所属研究者および機関内倫理審査委員会(Institutional Review Board, IRB)の委員を監督
する責務があることを改めて認識させたものです。
政府機関はまた指針も出しますが、指針は「奨励する」ものであり、それに対する違反は特別
な処分の対象とはなりません。研究機関内でミスコンダクトの問題が持ち上がった際に、その機
関がとるべき対処の方法について、連邦厚生省に設置された連邦研究公正局(Office of
Research Integrity, ORI)はガイドラインとして“Model Policy and Procedures for Responding
to Allegations of Scientific Misconduct”(ミスコンダクトの訴えに対する対処方法について)を発
表しています。 これは道筋を提示するもので、研究
機関を拘束するものではありません[7]。
研究にかかわる規則、方針、指針(Regulation,
Policy, Guideline)といったものがたくさんある今日
の米国の状況では、かえって混乱を招くのではない
か、という批判もあります。
責任ある研究行為について
P 7/9
わが国の場合
(1) ライフサイエンス分野におけるルール
指針による規制
わが国で、政府による生命科学分野における研究活動に対する最初の規制は1979年の「組
換えDNA実験指針」(科学技術庁)です。放射性物質の
取り扱いなどについての法令による規制はさらにさかの
ぼります。DNA組換え実験に関する指針は法令ではな
く、米国NIHの指針にならった強制力のないものでした。
この指針は環境保護の観点から遺伝子工学によるバイ
オハザードを防止するため、封じ込めの手続きを規定し
たもので、この規定を作成する際に取られた手法、すな
わち行政と研究者との話し合いを通じて研究の規制を行
う手法は、その後の各領域における規制に引き継がれ
ています。平成5(1993)年の「行政手続法」は米国の
Federal Administrative Procedure Actを参考にしたも
のですが、やはり「意見公募手続」の制度を導入し、これ
らの指針の制定・改正についても、米国の規則と同様に
パブリックコメントを求めることが通例になっています。
米国など多くの国で早くから問題とされてきた、人を対象とした研究に関しては以下の4つの
指針で規制しています。
遺伝子治療臨床研究に関する指針
(平成14年告示、20年改正、文部科学省・厚生労働省。遺伝子治療指針)
ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針
(平成13年告示、25年改正、文部科学省・厚生労働省・経済産業省。ゲノム指針)
臨床研究に関する倫理指針
(平成15年告示、20年改正、厚生労働省。臨床研究指針)
ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針
(平成18年告示、22年改正、厚生労働省。ヒト幹指針)
さらに研究目的でのヒト受精胚の作成および使用については以下の倫理指針で規制していま
す。
ヒトES細胞の樹立及び使用に関する指針
(平成13年告示、文部科学省)
現在は平成21年に改正され「ヒトES細胞の樹立及び分配に関する指針」と「ヒトES細
胞の使用に関する指針」に分かれている。
ヒト受精胚の作成を行う生殖補助医療研究に関する倫理指針
(平成22年告示、文部科学省・厚生労働省)
これらの倫理指針に共通して要件とされていることは次の4点です。
1) 研究に参加し、情報や試料を提供する患者や一般の人たちの保護。
2) インフォームド・コンセントの取得。
3) 個人情報の保護。
4) 機関内倫理審査委員会(IRB)による審査。
倫理指針は行政指導の一種であり、関係す
る研究者や研究機関が自主的に順守すること
が期待されているものであり、刑罰などの制裁
に裏打ちされた強制力はありません[8]。言い
換えれば、刑罰による制裁などによって強制
的に守らせるほどではないが、科学者が順守
することが求められる研究活動に関するルー
ルであるともいえます。ただし、指針に違反し
た場合には、行政指導によってではなく、法律
によって研究費補助金の返還が求められた
り、新たな研究費補助金申請ができなくなったり、あるいは所属の研究機関から処分されること
があり[9]、実際に違反した研究者はその後研究を継続することが困難になるなど、倫理指針は、
実際にわが国の研究者にとっては十分な強制力を持ったものであるといえるでしょう。
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実験動物については、平成17(2005)年、いわゆる3R(Refinement:できる限り動物に苦痛を
与えないこと、Replacement:できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用すること、
Reduction:できる限りその利用に供される動物の数を少なくすること)を新たに規定した「動物
の愛護及び管理に関する法律」に基づき、平成18年に以下のものが定められました。これらに
は、実験動物の使用、その適正な飼育・保管について基準が設けられています。
実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準(環境省)
研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針(文部科学省)
厚生労働省の所管する実施機関における動物実験等の実施に関する基本指針(厚
生労働省)
法律による規制
わが国でも法律による研究の規制が行われているものもあります。その1つが、クローン・キメ
ラ・ハイブリッド個体の産生に結び付く研究の規制を目的とした平成12(2000)年の「ヒトに関する
クローン技術等の規制に関する法律」(クローン技術規制法)およびその委任命令である平成
13(2001)年の「特定胚の取扱いに関する指針」(特定胚指針)です。
また、国際条約である生物多様性条約の付属議定書であるカルタヘナ議定書を批准する際
に日本の国内法として制定された「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性
の確保に関する法律」(平成15年施行、平成19年改正。通称「カルタヘナ法」)は遺伝子組換え
技術を規制するもので、研究の他、事業における同技術を規制しています。同法では、遺伝子
組換え生物などを封じ込める措置をしない環境中で利用する第1種使用と、封じ込め措置をして
利用する第2種使用に分けて規制をしています。それまで後者の部分を規定していた行政指針
である「組換えDNA実験指針」は廃止され、一部の違反行為については、罰則も設けられまし
た。
(2) 研究不正についてのルール
この点に関して、文部科学省の科学技術・学術審議会は特別委員会を設置し、平成18年に報
告書をとりまとめています[2]。
その中で、不正行為を、「研究者倫理に背馳し、研究活動や研究成果の発表の本質ないし本
来の趣旨を歪め、研究者コミュニティーの正常な科学的コミュニケーションを妨げる行為に他な
らない。具体的には、得られたデータや結果の捏造、改ざん、及び他者の研究成果等の盗用な
どが代表例である」とした上で、研究機関などに対して、不正行為の告発を受けた場合の窓口の
設置、調査手続き、研究費の返還の取り扱い、その後の措置などについてのガイドラインを提示
しました。
責任ある研究行為について
研究機関の規制
P 8/9
人や動物を対象とする研究を行う場
合、大学や研究所などの研究機関にお
いて研究に関する審査委員会を設置す
ることが、多くの倫理指針によって求め
られています。また、研究機関は、予算
の適正な執行と管理が求められるとと
もに、利益相反やミスコンダクトに関し
て調査する手順も設定しておくことも求
められています。さらに、研究の安全性
のためのルールが守られ、危険物が法
令をはじめとする規定に沿って研究に
使用されていくよう、監督しなければなりません。
さらには、人や動物実験に当たる研究者、および研究費補助金のもとで指導を受ける者に対
して適切な学習の機会を設ける必要があります。これらの義務を果たすために研究施設は多く
の場合、研究支援課といった業務を担当する部署を設置して職員を配置し、一定のルールを設
けています。これらは、研究機関がその責務を具体的かつ明確に示す手段として存在するわけ
ですから、責任ある研究行為を行う上で、必要な助言を得るための重要な情報源となります。研
究機関が設定するルールは、その責務を漏れなく果たすことを目指しているため詳細なものとな
ることがあります。例えば、研究機関では責任ある研究行為を逸脱するミスコンダクトについて、
国の定義よりもより詳細にどのようなものが含まれるかを提示し、故意によるルール違反とはど
のような性格のものか、どのような行為が機密保持違反と見なされるか、そしてミスコンダクトを
発見した場合に報告義務を怠ることもミスコンダクトである、としています。また、ほとんどの施設
では、国が定める以上に人を対象とした研究に対して審査を厳しくしています。
責任ある研究行為について
研究者個人の責任
P 9/9
規則を順守する姿勢は責任ある研究行為を実践していく上で重要ですが、それだけでは2つ
の面で限界があります。規則を順守するだけで「責任ある研究行為」ができるということはありま
せん。このことは、最後に強調しておかなくてはなりません。
まず1つは、規則というのは、往々にして最低限の態度を規定したものであり、理想に向けた
ものではないという点です。例えば、道路交通法はある区間で最高時速100kmと定めますが、そ
の中の一部の場所ではむしろ80kmまでに抑えておいた方がよい場合があるでしょう。人を対象
とした研究では、ある一定のルールを厳守することが要求されますが、時には、それ以上の制限
下で研究を進めなければならない状況が生まれます。つまり、責任ある研究行為は単に規則
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に従うということではありません。
2つめは、規則は研究の中でしばしば持ち上がる個人的な利益相反や倫理的ジレンマを解決
する手段とはならない、という点です。科学専門誌
は、オーサーに値する貢献をしていない者を著者と
して掲載することを禁じていますが、そのルールは、
もし、あなたの将来に影響力ある人物がそれに該当
する場合にどうすべきかについて答えを示していま
せん。そもそも規則とは、人や動物を対象とした研究
で直面する複雑な問題や利益相反問題をどのよう
に倫理的に対処していくか、というような知恵を与え
てくれるものではありません。研究者は倫理的なジ
レンマに出会うのが普通で、そのジレンマを認識し、
解決する知恵を備える必要があるのです。
ですから、責任ある研究行為を行っていくためには規則順守に加えて、研究者自身の正しい
判断能力と、正しくありたいという誠実な心が不可欠なのです。抄録の提出期限に間に合わ
せるために、足りないデータを実際に実験せずに加えたり、読んでもいない文献を引用したりす
る手があります。公表すべきデータの公表を控えたり、実験方法の鍵となる部分を、競争に勝つ
ために隠したりという手もあります。また、自分の仕事を重視して、学生やメンターに対する責務
を後回しにしたりといったことなど、これらは研究者として正しい行為といえるでしょうか。
研究者の責務という点で、大変難しい判断を迫られる状況に陥った場合、そこでの判断に対
する結果は、結局のところ研究者であるあなた自身に降り掛かってくるものです。もし、あなたの
行動が研究者として責任ある研究行為であるか否かを迷った場合、助けとなるシンプルな自分
への設問があります。あなたがこれから行おうとする行為は翌日の新聞の一面を占めることにな
ることを想像してみてください。あなたの行動が同僚・友人・家族に知れることになっても心の平
和を保てるのであれば、それは責任ある研究行為なのです。もちろん、その行動をとる前に、あ
なたが研究者として「責任ある研究行為」が何であるかを十分理解している、という条件が付くこ
とはいうまでもありません。
議論のためのクエスチョン
研究は「プロフェッション」といえるのでしょうか? もしそうなら、どういう意味において
そうなのでしょうか?
どういう機会に、研究者は「責任ある研究行為」について学ぶことになるのでしょう
か?
研究者はどのような方法によって「責任ある研究行為」を学ぶべきなのでしょうか?
研究者の責任ある研究態度に影響を与えるファクターには、どのようなものがあるで
しょうか?
研究者の誠実さを監視できる方法がありますか?
自己規制は誠実さを確保するという点で有効だと思いますか?
責任ある研究行為について
参考文献
[1] 日本学術会議 声明「科学者の行動規範」(平成25年改訂版)
[2] 文部科学省研究活動の不正行為に関する特別委員会「研究活動の不正行為への対応ガ
イドラインについて」(平成18年)
ただし研究活動の不正行為への対応のガイドラインは、平成25年~26年にかけて見直
しが進んでいます。
[3] 米国科学アカデミー編・池内了訳「科学者をめざす君たちへ 科学者の責任ある行動と
は」〔第3版〕(化学同人)
[4] Animal Welfare Act (1966)
[5] National Research Act (1974)
[6] Health Research Extension Act (1985)
[7] ニコラス・H・ステネック(山崎茂明訳)「ORI 研究倫理入門―責任ある研究者になるため
に」(丸善株式会社)
[8] 行政手続法32条2項
[9] 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律17条、18条
この単元はNicholas H. Steneck氏による著作およびCITIによる査読を経て作成された “Introduction to the Responsible Conduct of Research” を骨格として、わが国の法令・指針
その他に沿って作成された教材です。
CITI Japanプロジェクトのメンバーおよび、本教材作成にご協力いただいた方々のお名前は、
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Responsible Conduct of Research
< Material provided by >
MEXT Project
CITI Japan Project
Contents
Introduction
The Rules of the Road for Research
Case Study
Professional Self-regulation
Government Regulations
In the US
In Japan
Institutional Policies
Personal Responsibility
References
Quizzes
Responsible Conduct of Research
Introduction
P 1/9
There is no universal method that applies to all scientific investigations. Specific
practices that can be considered as exactly the responsible conduct of research vary
from discipline to discipline and even from laboratory to laboratory. There are, however,
some important shared values that bind all researchers together when seeking for
the responsible conduct of research for the actual situation, in terms of:
Honesty: conveying information truthfully and honoring commitments.
Accuracy: reporting findings precisely and taking care to avoid errors.
Efficiency: using resources wisely and avoiding waste.
Objectivity: letting the facts speak for themselves and avoiding improper bias.
At the very least, the essence of responsible research is a commitment to these important
values that define what is meant by integrity in research. The following sections will
discuss generally-accepted standards in the academic domain, ranging from formal
regulations to common practices, such as regulations based on statutes and instruments
thereof or administrative guidelines or other rules based on informal guidelines set out by
academic societies.
Responsible Conduct of Research
The Rules of the Road for Research
P 2/9
The public and those involved in research expect “researchers to follow many rules and
commonly accepted practices as they go about their work advancing knowledge and
putting knowledge to work”. Responsible conduct in research is conduct that meets this
expectation from society.
However, society's expectations for the responsible conduct of research are complex and
not always well defined. Becoming a
responsible researcher is not like becoming a
responsible driver. Responsible driving is
clearly defined through laws and written down
in drivers' manuals. Before individuals are
allowed to drive, they are tested on both their
knowledge of the rules of the road and their
skills. Then, licensed drivers are constantly
reminded of their responsibilities by signs,
traffic signals, and road markings. They also know that their behavior as drivers is
monitored and that there are specific penalties for improper behavior.
Guidance for the responsible conduct of research is not this well organized. Some
responsible practices are defined through law and institutional policies that must be
followed. Others are set out in non-binding codes and guidelines that should be followed.
Still other responsible practices are commonly accepted by most researchers but not
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written down. Instead, they are transmitted informally through mentoring, based on the
understandings and values of each mentor. This situation is further complicated by the
fact that researchers are not routinely tested on their knowledge of responsible practices
or licensed. Moreover, their behavior as researchers is inconsistently monitored and the
penalties for irresponsible behavior vary
considerably. Researchers do, of course, care
deeply about responsible behavior in research
and pay a great deal of attention to best
research practices. The fact remains, however,
that it can take some effort to find out what
these practices are and how to act when their
behavior might be conflicting with some of the
complex rules for responsible practice. To this
end, learning opportunities must be provided to
the researchers.
This module describes four categories of rules that can be the sources of rules for the
responsible conduct of research:
Codes of conduct set out by professional groups.
Government regulations.
Institutional policies.
Personal convictions.
Responsible Conduct of Research
Case Study
P 3/9
Publishing research results is an important activity for researchers. Science Council of
Japan (SCJ) states in its “Statement: Code of Conduct for Scientists” as follows:[1]
“Scientists shall strive to disclose and actively explain the roles and significance of
their own research, evaluate the possible effects of their research on people, society
and the environment as well as the changes that their research might engender,
neutrally and objectively disclose the results of this evaluation, and build a
constructive dialog with society.” (Accountability and Disclosure)
Also, the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology (MEXT)
published “A Report of the Special Committee on Misconduct in Research Activities” in
2006 and comments on the ethical aspect of publication methods for research results as
follows:[2]
“Publishing research results means disclosing results obtained through research
activities to the community of researchers while providing objective and verifiable
data and materials so that the contents thereof can be reviewed and evaluated.”
(Publishing Research Results)
“Misconduct is ... exactly the act of impeding healthy scientific communication
among researchers in the scientific community.” (What is misconduct?)
Once research results are published, other researchers perform necessary verifications to
confirm that the same results can be obtained by the same method. This verification
process is essential for research results to be shared among researchers as the
community’s common assets and further to be shared with the entire society. The
following Case Study presents an ethical issue relating to this aspect. The readers
should read the Case Study first and then consider ethical issues in the publication of
research.
Ms. A, a graduate student in Dr. K's laboratory,
has just had a manuscript accepted for
publication in a prestigious research journal,
conditional on a few important changes. Most
importantly, the editor has requested that she
significantly shorten the methods section to save
space. If she makes the requested changes,
other researchers may not be able to replicate her
work. Asked about the situation, Dr. K
recommends that Ms. A go ahead with the changes. After all, if other researchers want
more information they can always get in touch. She remains concerned that an
inadequate explanation of her methods could lead other researchers to waste time and
valuable research dollars attempting to replicate her work.
Should Ms. A shorten the descriptions as requested by the journal?
Is Ms. A’s concern about providing inadequate information to colleagues
adequate?
Is reducing detail in methods sections a reasonable way to go about saving
valuable space in journals?
How can Ms. A get definitive answers to these and other questions about the
responsible conduct of research?
Responsible Conduct of Research
Professional Self-regulation
P 4/9
Prior to World War II, in Europe and in the U.S., society
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provided little public support for research and did not
expect much from researchers in return. Researchers
were more or less left alone to run their own affairs,
except when they assumed other roles, as teachers,
physicians, or engineers. But things have been
changed these days. The society has been
communicating a lot with researchers. However, some
studies show that the general public in Japan do not
have so much interest and understanding on scientific
research compared to those in other developed countries. Members of the general public
usually see researchers as if they are in a different world, which seems to have
contributed to their lack of interest in the contents of research. The media enthusiastically
reported the news that the Novel Prize was awarded to Dr. Shinya Yamanaka for his
achievement of establishing iPS cells. We are not sure whether the enthusiasm will have
enough power to change the Japanese people’s attitude of “respecting scientists and
keeping a distance from them” since Dr. Hideki Yukawa’s Nobel Prize in Physics in 1949
or will fade out in a matter of time.
On the other hand, it appears that the “3.11 Great East Japan Earthquake” and the
subsequent “Fukushima nuclear power plant accident” decreased confidence in
scientists among the general public in Japan, which was relatively high before then.
Some people now have a doubt about credibility of researchers, and even doubts
adequacy of laying the future of science and technology in Japan on the hands of
scientists, although they are the experts in this field.
Since the goal of research is to advance knowledge through critical inquiry and scientific
experimentation, it has commonly been assumed that the normal checking that goes on
in testing new ideas is sufficient to keep researchers honest. Based on this assumption,
research arguably does not need specific rules for self-regulation. Until recently, because
of such an attitude, formulation of professional self-regulation for researchers did not
progress. They are biologists, chemists, and physicists, increasingly working in
specialized areas, such as biophysics, biochemistry, molecular biology, and so on.
However, the societies that represent fields of study for the most part have not developed
comprehensive guidelines for responsible research practices. Many do have codes of
ethics, but most codes of ethics are simply general statements about ideals and do not
contain the specific guidance researchers need to work responsibly in complex research
settings. But these days, due to the widespread sense of crisis regarding scientists’
ethics, reports and statements published by the National Academy of Sciences and so on
and the “Code of Conduct for Scientists” of the Science Council of Japan (SCJ) describe
their attitudes to the conduct of scientists with specific details. It is important to remember
that, as shown by these statements, researchers are demanded to behave
autonomously as individuals or as a part of the scientific community.
When applicable, the guidance provided by professional societies is a good place to
begin learning about responsible research practices. Scientific community in Japan is
demanded to take it as the standard practice.
In recent years, regarding specific research areas such as human genome analysis,
academic societies and business communities have voluntarily started formulating ethical
guidelines that their members should comply with. It can be said that, because of the
progress of studies and practical use relating to human genome, societies consisting of
specialists have become matured enough to autonomously formulate their internal
guidelines. In the near future, it is expected that, not only researchers in the human
genome area, but also those in more extended area such as those studying the
relationship between scientific technologies and the society, those in arts and social
sciences, and even their patients, etc. will get together to formulate and implement
autonomous rules based on the public trust, without depending on the government-led
ethical guidelines.
Next, in the following, we will overview the general sections of a report published by the
National Academy of Sciences in the U.S. (1995) and a statement of the Science Council
of Japan (SCJ) (2013).
National Academy of Sciences, On Being a Scientist (1995)
The booklet published by the National Academy of Sciences is for graduate students and
young scientists to develop better understanding of research ethics. A Japanese
translation has also been published.[3]
The scientific research enterprise, like other human activities, is built on a foundation of
trust. Scientists trust that the results reported by others are valid. Society trusts that the
results of research reflect an honest attempt by scientists to describe the world
accurately and without bias. The level of trust that has characterized science and its
relationship with society has contributed to a period of unparalleled scientific productivity.
But this trust will endure only if the scientific community devotes itself to exemplifying and
transmitting the values associated with ethical, responsible scientific conduct.
Science Council of Japan (SCJ): the Statement: Code of Conduct for Scientists (2013)
SCJ is gravely concerned about the media coverage of frequent occurrences of
misconduct such as data fabrication by scientists who undertake leading research in
Japan and is keenly aware of its responsibility to prevent undermining the public trust
toward science and sciences. SCJ as the representative of scientists gathered opinions
from the public and has revised the “Science Council of Japan: The Statement on the
Code of Conduct for Scientists" of October 2006 and has announced the statement
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regarding code of conduct for scientists in 2013 as follows:
“Science is a system of knowledge based on the principles of reason and empirical
proof that is assiduously built up over time, and constitutes an irreplaceable common
asset of all humanity. Scientific research is an act that creates new knowledge by
boldly pursuing the challenges of unknown fields.
Science and scientific research exist both with
and for society. Therefore, research activities
based on scientific freedom and the subjective
judgment of scientists only gain social
recognition once they are premised upon public
trust and the mandate of the people. Here, the
word “scientists” refers to researchers and
specialists engaged in activities that create new
knowledge, or in the use and application of
scientific knowledge, in all academic fields
ranging from humanities and social sciences to
natural sciences, regardless of which institution they belong to.
While scientists engaged in such intellectual activities enjoy the prerogative to pursue
truth under academic freedom based on their own expert judgments, independent of
the interests of specific authorities or organizations, as experts they also bear a grave
responsibility to respond to the mandate given to them by society at large. Especially
in the modern world, where scientific activities and their results exert a vast and
profound influence on all humanity, society demands that scientists always make
ethical judgments and engage in ethical actions. There are also societal demands for
the role that should be played by science in the development process for policy and
public opinion.”
Acknowledging the above as the fundamental understanding, the “Code of Conduct for
Scientists” based on the autonomy of scientists has been formulated as minimum
requirements common to all academic disciplines, in order for scientists to gain the public
trust and the mandate of the people, advance independent and autonomous scientific
research and promote the healthy development of science. The contents include Basic
Responsibilities of Scientists, Attitude of Scientists, Scientists in Society, Research that
Answers to Social Wishes, Accountability and Disclosure, Dual Use of Scientific
Research Outcomes, Research Activities, Establishing Sound Research Environments
and Thorough Educational Enlightenment, Consideration for Human and Animal
Research Subjects, Relations with Others, Dialogue with Society, Scientific Advice to
Policy Planners and Decision Makers, Compliance with Laws and Regulations, Rejection
of Discrimination and Avoiding Conflicts of Interest.
The statement of the Council is accessible from the website of the Science Council of
Japan.
Responsible Conduct of Research
Government Regulations
P 5/9
In Japan, the conduct of scientists has been regulated by the government, in a
framework that has been developed referring to the regulations in other countries, in
particular, the U.S. But the history of regulations in Japan is unique. In the U.S., the core
of government regulations is legislation, but, in Japan, administrative guidelines play an
important role. In the following, we will outline the development in the U.S., and then,
discuss the government regulations in Japan, comparing with those of the U.S.
Responsible Conduct of Research
P 6/9
In the U.S.
Congress and Federal Government
Public support for research grew after World War II, the public, through its elected
officials, became more interested in the way research is practiced. Over time, concerns
began to surface about some of these practices,
focusing initially on the use of animals and
humans in research and later on research
misconduct. When it appeared that the research
community was not doing enough to address
these concerns, government turned to
regulation. Government regulations usually
begin in Congress. When a potential problem is
identified, Congress calls hearings to learn more
about the problem and then passes legislation to
fix it. All of the today’s regulations covering the
use of humans and animals in research as well as research misconduct stem from acts
passed by Congress.[4,5,6]
What matters is that these and other research-related acts give the Federal Government
the authority to regulate the research it funds. Along with the authority to address
problems, Congress is the authority to respond
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to a problem and usually provides guidance on
general objectives, but it seldom drafts detailed
regulations. This job falls to the Federal
agencies in the Executive Branch of government,
which are responsible for carrying out the law.
Federal agencies translate Congressional
directives into regulations (also called rules),
policies, and guidelines.
When Federal agencies translate Congressional directives into regulations, they must
follow provisions set out in the Federal Administrative Procedure Act. As its name implies,
this act establishes procedures for developing new regulations, including steps for
getting public input. Each step before establishing a new regulation must be published in
the Federal Register, which corresponds to the “Kanpo” (Official Journal) in Japan. After
it is adopted upon completion of all these processes, the final regulation is incorporated
into the Code of Federal Regulations and becomes official government regulatory policy
that must be followed.
Agency policies and guidelines:
The regulations explained above are legally binding provisions, which correspond to
“Hou-rei” (statutes and their instruments) in Japan. Executive Branch agencies have the
authority to issue some policies as part of their normal operation. The National Institutes
of Health (NIH), for example, has the authority to establish policies for grant awards.
From time to time, it changes these policies to assure that its research funds are spent
wisely and responsibly. It is in this capacity that NIH added in 1989 “Training Grant
Requirement", a new requirement for grant applicants to receive training for responsible
research conduct, and further in 2000, NIH has mandated researchers who involve in
clinical research to receive "Required Education in the Protection of Human Research
Participants". These new requirements reminded research institutions that education and
training should be emphasized in order to promote policies for protecting human research
subject and that they have the responsibility for supervising their researchers and
members of the Institutional Review Board (IRB).
Federal agencies also issue guidelines, which recommend but do not require a particular
course of action. To help research institutions handle allegations of research misconduct
Office of Research Integrity (ORI), which is established in the US Department of Health &
Human Services, issued as guidelines a “Model Policy and Procedures for Responding to
Allegations of Scientific Misconduct”. In this case, the model policy is intended to provide
guidance and does not impose binding requirements on institutions.[7]
There is such a criticism that the plethora of Federal regulations, policies, and guidelines
that affect research can be confusing instead of guiding.
Responsible Conduct of Research
P 7/9
In Japan
(1) Rules in the life science area:
Regulations by Guidelines:
The first government regulations on research activities in the life science area started in
1979, by the “Guidelines on Recombinant DNA Experiment” (issued by Science and
Technology Agency). However, regulations on the handling of radioactive materials, etc.
are even older. These Guidelines were non-binding, as they were not legislation, and
were developed referring to the NIH Guidelines in the U.S. These Guidelines set forth
containment procedures for the prevention of
biohazard resulted from the conduct of genetic
engineering, from the standpoint of environmental
protection. The method taken in the process of
developing these Guidelines, which includes
discussion between administrative offices and
researchers in the process of developing rules for
research conduct, has also been implemented in
other governmental regulations in various areas
developed thereafter. The “Administrative
Procedure Act” of 1993 was developed referring to
the U.S. Federal Administrative Procedure Act, and
it stipulates the process of “public comment” before
establishing a new regulation. In the process of
establishing or revising these Guidelines, public inputs are obtained before finalizing,
similarly to the establishment and revision of the U.S. federal regulations.
Human subject research, for which many countries including the U.S. were early to
address problems involved therein, the following four guidelines apply:
Guidelines for Gene-therapy Clinical Studies
(“Gene-therapy Guidelines”, 2002 Public Notice by MEXT/MHLW, as amended
in 2008)
Ethical Guidelines for Human
Genome/Gene Analysis
Research
(“Genome Guidelines”, 2001
Public Notice by MEXT/MHLW
/METI)
Ethical Guidelines for Clinical
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Studies
(“Clinical Studies
Guidelines”, 2003
Public Notice by MHLW, as amended in 2008)
Guidelines on Clinical Studies Using Human Stem Cells
(“Human Stem Guidelines”, 2006 Public Notice by MHLW, as amended in 2010)
In addition, the following Ethical Guidelines apply to the production and use of fertilized
embryo:
Guidelines on the Establishment and Use of Human Embryonic Stem (ES)
Cells
(2001 Public Notice by MEXT)
These Guidelines were revised in 2009 and were divided into two separate
Guidelines: “Guidelines on the Establishment and Derivation of Human
Embryonic Stem (ES) Cells” and “Guidelines on the Use of Human Embryonic
Stem (ES) Cells”.
Ethical Guidelines on Assisted Reproductive Technology Studies
Involving Production of Human Fertilized Embryo
(2010 Public Notice by MEXT/MHLW)
Following four requirements are set forth in all of these Ethical Guidelines:
1) Protecting patients and other people who participate in the research and provide
information and samples.
2) Obtaining informed consent.
3) Protecting personal information.
4) Review by the Institutional Review Board (IRB).
Ethical Guidelines are classified into the category of “administrative guidance (or legally
non-binding recommendation)” and lacks penalties such as penal codes.[8] The
researchers and institutions are expected to voluntarily follow provisions of Ethical
Guidelines. In other words, these are rules for research activities that scientists must
comply with but should not be forced by penalties. However, in some cases, researchers
who have failed to meet these Guidelines may be requested to return the research fund
by statutes instead of administrative guidance, or may not be permitted to apply for
future grants, or may be punished by their institution.[9] Therefore, if a researcher actually
violates Ethical Guidelines, it practically makes it difficult for him/her to continue the
research. It can be said that Ethical Guidelines are substantially binding for researchers
in Japan.
As for experimental animals, the following rules have been in force in 2006 based on the
“Act on Welfare and Management of Animals” as amended in 2005, which incorporated
new provisions regarding so-called “3R”, which include Refinement, i.e., minimizing pain,
Replacement, i.e., using an alternative method to the use of animal wherever applicable,
and Reduction, i.e., minimizing the number of animals for that use. All of these rules
provide standards for the use of experimental animals and appropriate breeding and
housing thereof:
Standards for Breeding and Housing of and Pain Alleviation for Experimental
Animals (Ministry of the Environment)
Basic Guidelines for Proper Conduct of Animal Experiment and Related
Activities in Academic Research Institutions (MEXT)
Basic Guidelines for Proper Conduct of Animal Experiment and Related
Activities in Academic Research Institutions Administered by MHLW (MHLW)
Regulations by Statutes:
Some of the research activities in Japan are regulated by statutes. An example of which
is the “Act on Regulation of Human Cloning Techniques” of 2000 (“Cloning Technique
Regulation Act”), which aims at regulating research that can lead to production of cloned,
chimeric or hybrid organisms, and the instruments delegated by said Act, the “Guidelines
on the Handling of Specific Embryo” of 2001 (“Specific Embryo Guidelines”).
In addition, the “Act on the Conservation and Sustainable Use of Biological Diversity
through Regulations on the Use of Living Modified Organisms” (2003, as amended in
2007; “Cartagena Act”), which was established as domestic provisions to enforce the
Cartagena Protocol, an annex to the international treaty “Convention on Biological
Diversity”, at the time of ratification, regulates genetic engineering both in research and
commercial settings. The Act controls activities by classifying the use into two categories;
Type I Use, which uses living modified organisms (LMOs) in the environment without
containment measures, and Type II Use, which uses LMOs with containment measures.
The “Recombinant DNA Experiment Guidelines”, which are administrative guidelines
formally applied to the latter, were abolished and penal codes have been added.
(2) Several rules for research misconduct:
In this regard, MEXT Council for Science and Technology has set out the Special
Committee on Research Activities and formulated a Report in 2006.[2]
The committee states in the report, research misconduct is “against ethics for scientists
and distorts the essence or whole idea of publication of research activities and results,
which is exactly the act of impeding healthy scientific communication among researchers
in the scientific community. Specifically, typical examples of such misconduct are
fabrication of obtained data or results, falsification and plagiarism of research results
of the others, etc.”, and further provides research institutions with guidelines on
procedures for dealing with misconduct, including establishment of a contact office in
case of allegations of research misconduct, investigation or review procedures,
procedures relating to reimbursement of research fund and subsequent measures.
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Responsible Conduct of Research
Institutional Policies
P 8/9
To conduct human and animal research, many ethical guidelines require research
institutions such as universities and research centers to establish an institutional review
board for research. Also, they must adequately implement and manage all research
budgets, and must have procedures for investigating and reporting conflicts of interest
and research misconduct. Further, they must supervise research conduct to ensure
compliance with research safety rules and adequate use of hazardous substances in
research in accordance with statutes, etc.
Furthermore, they must also provide
opportunities of training for
researchers who use animal or
human subjects in research and for
individuals trained under research
grants. To help manage their
responsibilities, most research
institutions have research offices
such as Research Support
Division and officers providing
services thereof and institutional
research policies. These instruments of the
institutions provide excellent sources of
guidance for responsible conduct in research,
since these are the products of the institution's
efforts to clarify its own responsibilities. In
addition, institutional policies are often more
detailed and comprehensive since they must
encompass the full panoply of institutional
responsibilities. So, for example, many research
institutions have more comprehensive definitions
of research misconduct than the national government to cover other practices that can
undermine the integrity of research, such as the deliberate violation of research
regulations, abuses of confidentiality, and even the failure to report misconduct. Most
also require institutional review for more human subjects research than is required by the
national government.
Responsible Conduct of Research
Personal Responsibility
P 9/9
Following the rules of the road for research is important for the responsible conduct of
research, but is has two important limitations. The responsible conduct of research
cannot be achieved simply by abide by the rules, which is the point to be emphasized
repeatedly.
First, rules generally set minimum standards for behavior rather than strive for the ideal.
The rules say that you can drive at 100 km per hour over a stretch of road, but there may
be times or circumstances when 80 km would be better. If you use human subjects in
research, you must follow specific rules, but there may be situations in which you should
strive for a higher standard of conduct. Responsible research requires more than
simply following rules.
Second, rules will not resolve some of the personal conflicts and moral dilemmas that
arise in research. Journals have rules against listing undeserving authors on papers
(individuals who have not made significant contributions to the research described in the
paper). These same rules do not tell you what to do if the undeserving author can have a
significant influence on your career. Rules also cannot replace the critical reasoning skills
needed to assess ethically controversial human or animal experiments or conflicts of
interest. Researchers will face ethical dilemmas in research. They should be able to
recognize these dilemmas and know how to resolve them.
The rules of the road for research therefore need to be supplemented with good
judgment and a strong sense of personal integrity. When meeting deadlines, you can
cut corners by filling in a few missing data points without actually running the
experiments or adding a few references to your notes that you have not read. You can
resist sharing data with colleagues or leave some information on method out of a
publication to slow down the competition. You can ignore your responsibilities to students
or a mentor in order to get your own work done. You can do all of these things and more,
but should you?
In the final analysis, whatever decision you make when you confront a difficult decision
about responsibility in research, you are the one who has to live with the consequences
of that decision. If you are uncertain whether a particular course of action is responsible,
subject it to one simple test. Imagine what you are preparing to do will be reported the
next day on the front page of your local newspaper. If you are comfortable having
colleagues, friends, and family know what you did, chances are you acted responsibly,
provided, of course, you also understand your responsibilities as a researcher.
Questions for discussion:
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Is research a profession? If yes, in what way?
How do researchers learn about the responsible conduct of research?
How should researchers learn about the responsible conduct of research?
What factors influence researchers' attitudes toward the responsible conduct of
research?
How is integrity in research monitored?
Is self-regulation of integrity in research effective?
Responsible Conduct of Research
References
[1] Science Council of Japan (SCJ), Statement: Code of Conduct for Scientists (as
revised in 2013)
[2] MEXT Council for Science and Technology Special Committee on Research
Activities: On Guidelines for Responding to Misconduct in Research Activities
(2006)
[3] Edited by National Academy of Sciences; Translated by Ryo Ikeuchi; On Being a
Scientist: A Guide to Responsible Conduct in Research, 3rd Edition, Kagakudoujin
[4] Animal Welfare Act (1966)
[5] National Research Act (1974)
[6] Health Research Extension Act (1985)
[7] Nicholas H. Steneck (translated by Shigeaki Yamazaki), ORI Introduction to the
Responsible Conduct of Research (Maruzen, Co., Ltd.)
[8] Administrative Procedure Act, Article 32(2)
[9] Act on Regulation of Execution of Budget Pertaining to Subsidies, etc., Articles 17
and 18
This module provided by CITI Japan Project has been prepared in accordance with the
legal provisions and guidelines in Japan, based on the work written by Mr. Nicholas H.
Steneck and the “Introduction to the Responsible Conduct of Research” developed by
CITI Program as its original work.
For specific names of members of the CITI Japan Project and experts who have
contributed to the preparation of this module please see the list.
English translation of this module has been prepared in cooperation with Takatony
Translation Center.
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責任ある研究行為について/Responsible Conduct of Research
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責任ある研究行為について/Responsible Conduct of Research クイズ/Quiz
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クが表示されます。
Question 1 複数選択肢/複数解答 - 正しい解答をすべて選択
人を対象とした研究に関するわが国の指針のいずれにも共通してみられる要件はどれか。該当するものをすべて選んでください。
Which of the following is the requirement set forth in all of the Guidelines on human subject research in Japan? Choose all applicable answers.
機関内倫理審査委員会(IRB)による審査。
Review by the Institutional Review Board (IRB).
情報の公開。
Disclosing information.
研究に参加し、情報や試料を提供する患者や一般の人たちの保護。
Protecting patients and other people who participate in the research and provide information and samples.
インフォームド・コンセントの取得。
Obtaining informed consent.
Question 2 複数選択肢/複数解答 - 正しい解答をすべて選択
人を対象とした研究に関するわが国の指針はどれか。該当するものをすべて選んでください。
Which of the following is Guidelines on human subject research in Japan? Choose all applicable answers.
人を対象とする医学系研究に関する倫理指針
Ethical Guidelines for Medical and Health Research Involving Human Subjects.
ヒトES細胞の樹立及び分配に関する指針、ヒトES細胞の使用に関する指針
Guidelines on the Establishment and Derivation of Human Embryonic Stem (ES) Cells , Guidelines on the Use of Human Embryonic Stem (ES) Cells.
ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針
Ethical Guidelines for Human Genome/Gene Analysis Research.
遺伝子治療臨床研究に関する指針
Guidelines for Gene-therapy Clinical Studies.
ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針
Guidelines on Clinical Studies Using Human Stem Cells.
Question 3 複数選択肢/単数解答 - 1つの解答のみ選択
日本学術会議が平成25年に科学者の行動規範に関して出した声明の内容に含まれていないのはどれか。1つ選んでください。
Which of the following is NOT included in the statement regarding Code of Conducts for Scientists published by the Science Council of Japan in 2013? Choose
only one answer.
研究成果の利用が常に社会に正の結果をもたらす点。
Bringing only positive results to society by the use of research results.
パブリックに対する説明と公開の義務。
Duties of accountability and disclosure to the public.
政策の立案に当たって、助言を提供する責任。
Responsibility for providing a scientific advice to policy planners.
研究対象となる人や動物への配慮の必要性。
Consideration for human and animal research subjects.
研究者間の教育・啓発の義務。
Duties of education and enlightenment among researchers.
Question 4 複数選択肢/複数解答 - 正しい解答をすべて選択
「責任ある研究行為」の土台となるルールはどれか。該当するものをすべて選んでください。
Which of the following is the rules that are the foundation on which “responsible conduct of research” is built? Choose all applicable answers.
政府による規制。
Government regulations.
職能団体の行動規範。
Codes of conduct set out by professional groups.
古くからの慣習。
Ancient customs.
個人の信条。
Personal convictions.
施設内ルール。
Institutional policies.
Question 5 複数選択肢/複数解答 - 正しい解答をすべて選択
すべての研究者が共通して持つべき価値観はどれか。該当するものをすべて選んでください。
Which of the following is an important shared value that binds all researchers together? Choose all applicable answers.
客観的であること。
Objectivity.
正確さ。
Accuracy.
正直さ。
Honesty.
効果的であること。
Efficiency.
先端的であること。
Ambition.
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2015/06/04 13:40
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Obtaining informed consent.
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Review by the Institutional Review Board (IRB).
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Which of the following is the rules that are the foundation on which “responsible conduct of research” is built? Choose all applicable answers.
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Research results can be used in both ways: they can be used in a manner that is beneficial to society (e.g., curing disease) as well as detrimental
(e.g., biological weapons). Having said that, it is not always easy to evaluate precisely how positive or negative an impact particular research results
have had on society.
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Correct Answer: Bringing only positive results to society by the use of research results.
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Your answer: Responsibility for providing a scientific advice to policy planners.
Which of the following is NOT included in the statement regarding Code of Conducts for Scientists published by the Science Council of Japan in 2013? Choose only one
answer.
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Question 3: ᪥ᮏᏛ⾡఍㆟䛜ᖹᡂ25ᖺ䛻⛉Ꮫ⪅䛾⾜ືつ⠊䛻㛵䛧䛶ฟ䛧䛯ኌ᫂䛾ෆᐜ䛻ྵ䜎䜜䛶䛔
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Points Earned:
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Correct Answer:
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Your answer:
Which of the following is Guidelines on human subject research in Japan? Choose all applicable answers.
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Comment: Four requirements are set forth in all of the Guidelines on human subject research in Japan, one of which is protecting personal information.
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Protecting patients and other people who participate in the research and provide information and samples.
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Review by the Institutional Review Board (IRB).
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Shihoko ODO (Member ID: 1806421)
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Question 5: 䛩䜉䛶䛾◊✲⪅䛜ඹ㏻䛧䛶ᣢ䛴䜉䛝౯್ほ䛿䛹䜜䛛䚹ヱᙜ䛩䜛䜒䛾䜢䛩䜉䛶㑅䜣䛷䛟䛰䛥䛔䚹
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