Ⅰ.新エネルギー導入の必要性 1-1 新エネルギービジョン策定の背景 1.エネルギー問題と地球温暖化問題 私たちの生活は、石油や石炭等の化石燃料をエネルギーとして使用することで成り立っ ています。日常生活はもちろん、産業活動を営むうえでも、こうしたエネルギーを使用す ることで、現在の豊かな暮らしが形づくられてきました。 一方、産業革命以後、急速に世界のエネルギー需要が増加し、経済成長を追い求めてき た結果、私たちの生活に直接的な影響を及ぼす深刻な問題が発生しました。 その1つがエネルギー問題です。化石燃料の埋蔵量には限りがあり、現状のペースで進 めば、石油はあと 41 年で、天然ガスも 63 年で枯渇すると予測されています。しかし、急 激な発展を遂げているアジアをはじめとして世界のエネルギー需要量は伸び続けています。 もう1つが地球温暖化問題です。化 ■図表 1-1-1 化石燃料等の可採年数 石燃料の燃焼により二酸化炭素(CO 2) を中心とした温室効果ガスが大量に発 生し、地球の表面を覆ってしまうこと 石炭 147 で、本来宇宙に放射されるはずの太陽 エネルギーが地球上に閉じ込められ、 ウラン 85 結果として地表温度が上昇しています。 地球上の平均気温が上昇することで、 63 天然ガス 災害の激甚化や感染症の拡大、食糧生 石油 産の減少等の事態が発生することも予 41 測されており、地球温暖化対策は全世 0 界が迅速に対応しなければならない問 20 40 60 80 100 120 140 資料:BP[出典:BP統計2007、IEA「URANIUM2005」] 統計 2007、IEA「URANIUM2005」 160 (年) 題となっています。 ■図表 1-1-2 地球温暖化のメカニズム 【温室効果ガスが過剰な状態】 【正常な状態】 温室効果ガスが 増えると・・・ 適度な温室効果ガスが太陽エネルギ ーを地上へ反射し、地表温度は 15℃ 前後に保たれます。 過剰な温室効果ガスが熱の宇宙放射 を妨げ、地上へ反射する熱量が多く なり、地表温度が上昇します。 1 2.地球温暖化がもたらす影響 気候変動に関わる全種類の科学上の最新知見を評価するため、世界気象機関(WMO)と国 連環境計画(UNEP)との協力により組織された「気候変動に関する政府間パネル(IPCC) 」 は、2007 年に第 4 次評価報告書をとりまとめました。 その中では、地球の気候システムが温暖化に向かっていることに疑う余地がないこと、 20 世紀半ば以降の世界平均気温の上昇は、その大部分は人為的な要因によるものである可 能性が非常に高いことを指摘しています。また、21 世紀末には地球の平均気温は 1.8℃~ 4.0℃上昇するとの予測がされています。 地球温暖化の影響は、平均気温の上昇だけにとどまりません。海水の熱膨張や氷河の融 解等により海面が上昇することによる島や砂浜の沈没、生態系の変化、災害の甚大化、感 染症の拡大など、私たちの生活に直接的な影響を及ぼす可能性もあります。 本市においても、既に気温の上昇傾向が現れています。2007 年の本市の年平均地上気温 の平年差は+1.2℃で、1968 年以降では 3 番目に高い数値となりました。1980 年代の後半 から、平年差が年平均気温を上回る年が増加しており、平年差の 5 年移動平均でも明らか な気温の上昇傾向が見て取れます。 本市における近年 40 年間(1968~2007 年)の平年差の 5 年移動平均を見ると、1.2℃上 昇しています。全国平均の 1.1℃(1898 年~2007 年)とは観測年数が違いますので直接比 較はできませんが、同様な傾向になっています。 (℃) ■図表 1-1-3 廿日市市における年平均気温平年差の推移 2.0 1.5 +0.7℃ 1.0 0.5 0.0 -0.5 -0.5℃ 平年差 平年差の 5 年移動平均 平年差の 5 年移動平均の近似曲線 -1.0 1968 1969 1970 1971 1972 1973 1974 1975 1976 1977 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 -1.5 (年) 資料:廿日市市データより作成(気温観測地点は廿日市消防署) 注)平年差…年平均気温から平年値を差し引いたもの 平年値…1971~2000 年の平均値 2 3.世界・日本の地球温暖化防止に向けた取り組み 1980 年代から 1990 年代にかけて、エネルギー問題や地球温暖化問題について、世界レ ベルでの議論が活発に行われるようになりました。国連では、1988 年に気候変動に関わる 全ての種類の科学上の最新知見を評価するため「気候変動に関する政府間パネル(IPCC) 」 を設置しました。また、こうした科学的な知見の充実を踏まえ、1994 年 3 月には気候変動 枠組条約を成立・発効させています。 1997 年に京都で開催された第 3 回気候変動枠組条約締約国会議(COP3)では、締約国と オブザーバーを含めた 161 カ国の政府代表団や NGO 等が参加し、温室効果ガス増加の原因 を作った先進国が協力してその削減についての目標を設定した「京都議定書」が採択され ました。 この中で日本は、温室効果ガスの排出量を 2008 年から 2012 年の第1約束期間の平均値 で、1990 年比 6%削減することを世界に約束しました。また、2005 年 2 月の京都議定書の 発効を受け、同年 4 月、京都議定書目標達成計画が策定されました。この 2008 年 3 月に、 目標達成計画は改訂され、不足削減量を解消するための追加施策として新エネルギー対策 の推進などが盛り込まれています。 既に 2008 年から京都議定書の約束達成期間に突入しています。しかしながら、日本の温 室効果ガス排出量は 2006 年度に約 13.4 億トンになっています。京都議定書の約束基準年 である 1990 年の排出量から約 6.2%増加しており、目標達成は決して容易ではありません。 現在、京都議定書後の地球温暖化防止に向けた国際的な動きについての議論が交わされ ており、2008 年 7 月の北海道洞爺湖サミットでは、 「G8 は、2050 年までに世界全体の排出 量の少なくとも 50%削減を達成する目標を、気候変動枠組条約のすべての締約国と共有し、 採択することを求める」ことが合意されました。 ■図表 1-1-4 日本の温室効果ガス排出量の推移 (100 万 t-CO2) 1,400 ( 単 位 1,200 百 万 ト 1,000 ン C O 800 2 換 算 SF6 SF6 PFCs PFCS HFCs HFCS N2O N2O CH4 CH4 CO2 CO2 ) 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 1999 1998 1997 1996 1995 1994 1993 1992 1991 1990 京都議定書 の基準年 0 600 (年度) 資料:温室効果ガスインベントリオフィス 「日本の温室効果ガス排出量」 3 ■図表 1-1-5 エネルギー・地球温暖化問題に関する世界の動き 年 世 界 1972 ローマクラブ 「成長の限界」を発表 1973 第一次オイルショック 1974 国際エネルギー機構 IEA 設置 IPCC 気候変動枠組条約 ムーンライト計画 第二次オイルショック 代替エネルギー導入法 NEDO 設立/NEF 設立 1980 1985 国連環境計画 UNEP によ りフィラハ会議開催 1988 トロント会議(気候変動に UNEP と WMO により、 関する国際会議)開催 IPCC 設立 第一次評価報告書 1990 1992 本 サンシャイン計画 1978 1979 日 国連環境開発会議(地球サ ミット:リオデジャネイロ) 地球温暖化防止行動計画 気候変動枠組条約採択 1993 気候変動枠組条約発効 1994 第二次評価報告書 1995 第 1 回締約国会議 (COP1:ベルリン) 1996 第 2 回締約国会議 (COP2:ジュネーブ) 1997 第 3 回締約国会議 (COP3:京都) 1998 第 4 回締約国会議 (COP4:ブエノスアイレス) 1999 第 5 回締約国会議 (COP5:ボン) 2000 第 6 回締約国会議 (COP6:ハーグ) 第三次評価報告書 2001 ニューサンシャイン計画 エネルギー需要機構高度化法 省エネ・リサイクル支援法 新エネルギー導入大網 閣議決定 新エネルギー法 第 7 回締約国会議 (COP7:マラケシュ) 2002 第 8 回締約国会議 (COP8:デリー) 京都議定書受諾を閣議決定 2003 第 9 回締約国会議 (COP9:ミラノ) RPS法 2004 第 10 回締約国会議 (COP10:ブエノスアイレス) 2005 京都議定書の発効 第 11 回締約国会議 (COP11:モントリオール) 京都議定書目標達成計画 閣議決定 第 12 回締約国会議 (COP12:ナイロビ) 2006 2007 ハイリンゲンダムサミット 第四次評価報告書 2008 北海道洞爺湖サミット 第 13 回締約国会議 (COP13:バリ島) 第 14 回締約国会議 (COP14:ポズナニ) 資料:新エネガイドブック 2008(NEDO) 4 4.広島県の地球環境問題(地球温暖化防止)に向けた取り組み 広島県では、地球環境問題への対策として、1993 年に「エコネット 21 ひろしま(広島 県地球環境保全行動計画) 」を策定し、県民、事業者、行政が一体となり、地球環境保全に 取り組んでいくための基本的な方向や各主体の行動原則などを提案しています。 その後、広島県環境基本条例の施行、環境基本計画の策定、地球温暖化防止地域計画の 策定などを経て、地球温暖化防止に向けた取り組みを積極的に推進しています。 ■図表 1-1-6 地球環境保全に関する広島県の動き 事 年 項 地球環境問題対策協議会 地球環境対策を総合的かつ計画的に進めるため、庁内に協議会を設置 地球環境対策室の設置 地球環境対策を総合的かつ計画的に進めるため、全庁組織である地球 温暖化対策室を設置 エコネット 21 ひろしま 地球環境保全に向けて県民、事業者、行政が一体となって、取り組む 基本的な方向や各主体の行動原則を提案した県地球環境保全行動計画 1995 広島県環境基本条例の施行 環境保全に関する基本理念 1997 広島県環境基本計画の策定 広島県環境基本条例に基づき、環境関係施策の総合的かつ計画的な推 進を図るために策定 1998 エコオフィスプランの策定 県自ら事業者・消費者として事務事業の執行に際し、環境に配慮した率 先行動を推進するために策定 1999 オフィスコスト削減対策推 進会議の設置 全庁的な内部管理費の節減(省エネ)対策を推進するために設置 広島県地球温暖化対策実行 計画の策定 県が率先して効果的な地球温暖化対策を推進するための実行計画を策 定 広島県地球温暖化防止活動 推進センターの指定 地球温暖化対策法に基づき、地球温暖化対策に関する普及啓発や地域 活動の促進等を図るセンターを指定 広島県グリーン購入方針の 策定 環境への負荷の少ない物品等の購入を率先的に取り組むために策定 広島県環境基本計画の全面 改訂 新たな環境問題に的確に対応するため、1997 年に策定した計画を全面 改訂 広島県生活環境の保全等に 関する条例の改訂 新たな環境問題に広範に取り組むため、自主的な取組手法を導入した 広島県公害防止条例を全面改訂 広島県地球温暖化防止地域 計画の策定 県民、事業者、行政等の各主体が総合的に温室効果ガスの削減に取り 組むため、県全域を対象とした計画を策定 1991 1993 2000 2001 2003 2004 資料:広島県地球温暖化対策防止地域計画 5 1-2 新エネルギーへの期待 エネルギー問題と地球温暖化問題を解決する対策として世界各国で取り組まれているの が、 「エネルギー消費の削減」と「非化石エネルギー導入の推進」です。その取り組みにお いては、新エネルギーの利用が不可欠な要素として位置づけられています。 1.新エネルギーとは 日本における新エネルギーとは、 「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法(新エ ネ法)」において、次のように定義されています。 この法律において「新エネルギー利用等」とは、石油代替エネルギーの開発及び 導入の促進に関する法律第二条に規定する石油代替エネルギーを製造し、若しくは 発生させ、又は利用すること及び電気を変換して得られる動力を利用することのう ち、経済性の面における制約から普及が十分でないものであって、その促進を図る ことが石油代替エネルギーの導入を図るため特に必要なものとして政令で定める ものをいう。 代表的な新エネルギーとしては、太陽光、風力、バイオマスなどが挙げられますが、い ずれも枯渇の心配がなく、二酸化炭素の排出が少ないという特徴を有しています。さらに は、化石燃料への依存も減らすことができ、石油等多くを輸入に頼っている日本では有益 なエネルギーとなります。 一方、コスト面ではまだ高価なものが多く、普及のためには、より一層の技術開発や導 入促進政策が必要となっています。 2.新エネルギーが果たす役割 新エネルギーの導入によって、石油や石炭等の化石燃料の消費が軽減され、それらを使 用することによって排出されていた二酸化炭素の排出量を削減し、地球温暖化防止への実 質的な貢献を果たすことができます。化石燃料の消費が軽減されることで、光熱水費等の 削減も可能です。 また、新エネルギーの導入は、地域に存在するエネルギーを資源として再生することで もあり、化石燃料消費削減による環境貢献のみならず、多面的な効果を検討することによ り、地域の自立やエネルギー自給率を向上させることも可能であり、多彩な地域づくりを 展開するための鍵としての活用も期待されます。 ■図表 1-1-7 新エネルギーの果たす役割 化石燃料消費の軽減 新エネルギーの導入 地域の自立 地球温暖化防止への貢献 新エネルギーを 活かした地域づくり エネルギー自給率向上 光熱水費等の削減 地域資源の有効活用 6 産業振興・ 雇用促進 3.新エネルギーの分類 2008 年 1 月に、最近の新エネルギー利用等をめぐる経済的社会的環境の変化を踏まえ、 「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法施行令の一部を改正する政令」が決定さ れ(2008 年 4 月より施行)、世界標準を考慮して、新エネルギーの定義が変更されていま す。 再生資源を原材料とする燃料の製造、再生資源を原材料とする燃料等の熱利用および発 電利用、天然ガス自動車、メタノール自動車、電気自動車、燃料電池が新エネルギーの定 義より削除され、一方で、地熱発電(より温度の低い蒸気でも発電できるバイナリ方式の ものに限る)、未利用水力を利用する水力発電(1,000kW 以下のものに限る)が新エネル ギーに追加され、下図に示すように、新エネルギーは再生可能エネルギーのうち、特に導 入を促進すべきエネルギー源として整理されました。 一方で、今回新エネルギーの定義から削除されたエネルギーについては、技術革新の進 捗や社会の需要の変化等に応じて、「革新的なエネルギー高度利用技術」として普及促進 を図ることとされています。 本計画の策定にあたっては、法律で定義された新エネルギーに加え、革新的なエネルギ ー高度利用技術のほか、廃棄物エネルギー(廃棄物燃料製造、廃棄物発電・熱利用)につ いても検討の対象とします。 ■図表 1-1-8 新エネルギーの分類 11 5 1 6 2 12 7 3 8 13 4 9 14 10 資料:新エネガイドブック 2008(NEDO) ※上記に加え、15 廃棄物エネルギー(廃棄物燃料製造、廃棄物発電・熱利用)を検討します。 7 4.新エネルギーの種類 【熱利用分野】 1 太陽熱利用 集熱器 家の屋根等に設置した太陽熱温水器で温水をつくり、お風呂 や給湯に使います。また、強制循環器等を使用するシステムで は、温水を循環させて床暖房にも利用できます。 イラスト:財団法人新エネルギー財団(NEF)HP 2 バイオマス熱利用 バイオマス資源 加 工 森林資源 間伐材 廃材等 農作物 7 バイオマス発電 燃 焼 発 電 間伐材等植物そのものや動物の排泄物を燃料として 利用し、電気や熱をつくります。 熱利用 アルコール 製造 イラスト:財団法人新エネルギー財団(NEF)HP 【2-1 チップボイラー】 木材を細かく砕いた 【2-2 ペレットストーブ】 木を粉末にして水 「チップ」を燃料とし 分を飛ばし、円柱状に たボイラーで、給湯や 圧縮して固めた「ペレ 暖房に活用できます。 ット」を燃料としたス トーブです。 写真:岩手・木質バイオマス 研究会 HP 写真:岩手・木質バイオマス 研究会 HP 3 温度差熱利用 夏は冷房 ヒートポンプ 熱交換器 冬は暖房 外気との 温度差を利用 海や川の水温は、夏も冬もあまり変化がなく、外気との温度 差があります。これを「温度差エネルギー」といい、ヒートポ ンプや熱交換器を使って、冷暖房等に利用できます。 また、工場や変電所等から排出される熱も外気との温度差が あるので利用できます。 イラスト:財団法人新エネルギー財団(NEF)HP 4 雪氷熱利用 冬に雪や冷気を利用してつくった氷を夏まで貯蔵・保存 し、その冷熱エネルギーを冷房や農作物等の保存に利用しま す。 イラスト:財団法人新エネルギー財団(NEF)HP 8 【発電分野】 (※バイオマス発電の説明は熱利用分野に記載) 5 太陽光発電 太陽の「光エネルギー」を直接「電気エネルギー」に変換 する発電方式。システムの規模と発電量は単純に比例の関係 であり、設置する場所の広さに合わせて自由に規模を決める ことができます。家庭でも使用することができ、発電した電 気が余れば電力会社に売ることもできます。 太陽電池 モジュール 分電盤 インバータ イラスト:財団法人新エネルギー財団(NEF)HP 6 風力発電 大型風車 ハイブリッド型風車 「風の力」で風車をまわし、その回転運動を発電機 に伝えて「電気」をつくります。 8 中小水力発電 落下する水で水車を 回転させ発電します。 水車 今まで未利用だった中小規模の河川や農業用水 などを水力発電に利用します。 新エネ法の改正により、未利用水力を利用する 1,000kW 以下の水力発電が新たに新エネルギーと して追加されました。 イラスト:新エネルギーガイドブック 2008(NEDO)HP を参考に作成 9 地熱発電 媒体タービン 発電機 媒体(気体) 蒸発器 熱水 凝縮器 冷却塔 冷却水 ポンプ 生産井 還元井 マグマの熱で過熱された高温の熱水や蒸気から得られ るエネルギーを地熱エネルギーといいます。この蒸気を 利用してタービンを回し、電気を起こす方法が一般的な 利用方法となります。化石燃料によらない発電方式であ り、枯渇することがないため、半永久的な供給が期待で きます。 媒体フィードポンプ 媒体(液体) イラスト:新エネルギーガイドブック 2008(NEDO)HP 10 バイオマス燃料製造 液体燃料 固体燃料 木くずから木質系固形燃料をつくった り、さとうきびからメタノールをつくった り、家畜の糞尿等からバイオガスをつくり ます。 気体燃料 イラスト:財団法人新エネルギー財団(NEF)HP 9 10-1 BDF(バイオディーゼル燃料) 廃食油回収 天ぷらを揚げた後の油 ディーゼル車 農耕車など BDF(バイオディーゼル燃料)は、植物 油脂や動物油脂などの再生可能な資源か らつくられる軽油代替燃料です。 家庭から出る天ぷらを揚げた後の油な どを利用することができます。 BDF精製機 イラスト:まちなかに油田をつくろう会 HP を参考に作成 【革新的なエネルギー高度利用技術】 11 ヒートポンプ(高効率給湯器など) 大気中の熱を圧縮機(コンプレッサ)を 利用して効率よく汲み上げ、冷却や加熱を 行うシステムです。エコキュートなどの高 効率給湯器にはこのシステムが採用され ています。 イラスト:5 分でわかる最新の科学技術(内閣府)HP 【11-1 エコキュート】 ヒートポンプにより大気中か ら熱エネルギーを奪ってお湯を 沸かす給湯器です。従来の給湯 器に比べて必要な電気エネルギ ーは 3 分の 1 程度になります。 イラスト:新エネガイドブック 2008(NEDO)HP 【11-2 エコジョーズ】 従来、給湯器上部から空気中に放出していた約 200℃の排気熱を再利用。もう一度有効な熱エネルギ ーに変換します。 イラスト:広島ガス HP 10 12 天然ガスコージェネレーション 【12-1 エコウィル】 天然ガスを燃料として発電機で電気をつく ると同時に廃熱を「熱交換機」で温水にしたり、 「廃熱回収ボイラー」で蒸気と温水にして利用 するものです。 家庭用のガスコージェネレーションシステ ムです。ガスを利用して給湯や暖房などの熱、 照明などの電気といった複数のエネルギーを 作り出すことができます。 イラスト:財団法人新エネルギー財団(NEF)HP イラスト:広島ガス HP 13 燃料電池 酸素と水素を科学的に反応させて電気をつくりま す。燃料となる水素は、天然ガスやメタノールを改質 して製造するのが一般的です。 イラスト:財団法人新エネルギー財団(NEF)HP 14 クリーンエネルギー自動車 二酸化炭素や窒素酸化物、硫黄酸化物等の排出 が、従来の自動車と比較して少なく、環境負荷の 小さい自動車のことです。 天然ガス・メタノール・電気自動車等、石油に 変わる燃料を用いるものや、複数の動力源を用い ることにより燃費を向上させるハイブリッド自 動車などがあります。 イラスト:財団法人新エネルギー財団(NEF)HP 15-1 廃棄物エネルギー(廃棄物燃料製造) 15-2 廃棄物エネルギー(廃棄物発電・熱利用) 廃棄物発電とは廃棄物を燃料とする発 電方式で、廃棄熱利用とは、廃棄物を焼却 する時の熱を温水や地域冷暖房等の熱源 として利用する方法です。 燃えるごみを乾燥させて粉砕し、成型機で 圧縮した固形の燃料「RDF」を製造すること や、廃プラスチック油化のことです。 イラスト:財団法人新エネルギー財団(NEF)HP イラスト:財団法人新エネルギー財団(NEF)HP ※ 2008 年 4 月 1 日の政令改正によって、廃棄物燃料製造、廃棄物発電・熱利用は新エネルギーの定義か らはずれましたが、本市では RDF(ごみ固形燃料)製造施設を所有しているため、検討の対象に含めました。 11 1-3 新エネルギービジョン策定の目的 1.ビジョン策定の目的 地球温暖化防止の推進が世界的要請として求められる中、本市では、1999 年度に策定し た「廿日市市環境基本計画」に基づき、市民・事業者・行政の主体別に様々な重点施策を 実施し、環境保全施策を展開してきました。 現在、本市では、 「廿日市市環境基本計画」を見直し、広域合併によって加わった 4 地域 を盛り込んだ新たな「廿日市市環境基本計画」を 2007 年度と 2008 年度の 2 か年計画によ る改訂作業を進めているところです。 その一環として、2007 年度には、省資源・省エネルギー、地球温暖化対策および環境保 全活動をより効果的に展開するため、 「廿日市市・地域省エネルギービジョン」を策定しま した。 こうした取り組みをさらに推進するため、本市の地域特性を活かしたまちづくりを進め るとともに、地球温暖化対策、エネルギーの安定供給、循環型社会の構築など、地域性を 考慮したエネルギー施策の展開が求められています。そこで、地域特性を活かした新エネ ルギー導入の具体的検討や、新エネルギー・未利用エネルギーの利活用を推進することを 目的として「廿日市市・地域新エネルギービジョン」を策定し、 「廿日市市環境基本計画」 におけるエネルギー部門の個別計画として反映させます。 具体的には、本市のエネルギー特性を把握したうえで、市民・事業者・行政などにおけ る、より具体的な新エネルギーに関する行動指針を明示することにより、目標達成に向け た推進体制を構築します。 最終的には、本ビジョンとその後の実践活動が十分かつ有効に機能し、全市的に環境に 対する意識が高まり、新エネルギービジョンを端緒とした環境全般に対する保全活動に発 展していくことをめざします。 2.ビジョンの実施期間 本ビジョンは、改訂中の廿日市市環境基本計画、2007 年度に策定した廿日市市・地域省 エネルギービジョンとの整合を図り、基準年度を 2006 年度、中間目標年度を 2014 年度、 目標年度を 2019 年度とします。 ■図表 1-1-9 廿日市市環境関連計画の実施期間 年度 環境基本計画 省エネルギービジョン 2006 2007 基 準 年 度 策定 2008 2009 2019 策定 開始 策定 開始 2012 2014 新エネルギービジョン 開始 目標年度 中間目標年度 中間目標年度 目 標 年 度 12 3.ビジョンの位置づけ 現在、廿日市市におけるまちづくりの最上位計画として位置づけられる、 「第 5 次廿日市 市総合計画」を策定中です。本市では、地球温暖化問題を解決すべき重要な課題と捉えて おり、総合計画の中にもこうした課題解決に向けたまちづくりの方向性を盛り込む予定で す。また、総合計画に掲げる環境施策の方向性を明確化するものとして、現在、廿日市市 環境基本計画を改訂中です。 今回策定する廿日市市・地域新エネルギービジョンは、この改訂環境基本計画を、新エ ネルギー施策推進の面から具体化するための計画として位置づけます。2007 年度に策定し た廿日市市・地域省エネルギービジョンも、同様の位置づけとなります。 本ビジョンは、同時策定中の第 5 次廿日市市総合計画、改訂環境基本計画との整合を図 りつつ、本市における新エネルギーによる地球環境保全をより具体的に推進するための計 画として、策定します。 ■図表 1-1-10 廿日市市・地域新エネルギービジョンの位置付け 1993 年度 第 3 次廿日市市総合計画 1999 年度 現行環境基本計画 2000 年度 第 4 次廿日市市総合計画 2007 年度 省エネルギービジョン 2008 年度 2008 年度 2008 年度 改訂環境基本計画 第 5 次廿日市市総合計画 新エネルギービジョン 環境施策におけるエネルギ ー面からの具体化 最上位計画における環境施 策の位置付けの明確化 実効性の高い廿日市市環境施策の推進 13 14
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