のページに新しく制作しました「ほうろうパンフレット」

琺
瑯
一般社団法人日本琺瑯工業会
ほ
う
ろ
う
ほうろう(琺瑯)とは
ほうろうの歴史
古代エジプト、
ツタンカーメン王の黄金マスクが実はほうろうの最初
期のものと言われています。
これ以外にも紀元前から金属質にエナ
メル質ガラスを加工したものが作られており、金属とガラスを結びつ
ける技術を持っていたことが証明されています。
エジプトで生まれた
ほうろうはその後、世界中へと伝播します。6世紀ビザンチン帝国で
花開き11世 紀フランク王国に移り大輪の花を咲かせます。一方シ
ルクロードを旅して隋に伝わったほうろうは隋から朝鮮半島を経て東
の果て日本にも上陸します。
日本に姿を現わしたのは飛鳥時代。
正倉院の十二陵鏡は奈良時代の作
品と言われています。江戸時代には
桂離宮のふすまの引手などにも使わ
れ、刀のツバ、印籠にまで用いられる
ようになりました。
しかし、依然、世界
中で美的な工芸品としてのみ扱わ
れ、実用品として使用されたのは近
代になってからのことで、実用化の第
一歩はイギリス、鉄のサビ止めとして
応用されたのが始まりです。
その後、
大量生産方式の確立などにより、実用品として次々と生産されるよう
になったのです。
日本においての実用品化は明治時代で1866年に桑名の大鍋屋広
瀬与左衛門が鋳鉄ほうろう鍋をつくったのが最初で、
その後には陸
海軍の食器として使われるまでになりました。
創成期のころは粗悪品もあり、ほうろうといえば“はげ易い”
という
イメージが残ってしまいましたが、現在では衝撃に対する強度が
増し品質も格段に進歩しました。その為、今では活躍分野を広め、
鍋や浴槽はもとより、
タンク、化学機器、燃焼機器、建材、医療器具
など、
たくさんの分野で使われています。
1
ほうろう(琺瑯)の定義
ほうろうとは金属表面に強固なガラス層(膜)
を被覆した複合材料。
ガラスの化学的安定性、装飾性等と金属の高強度、加工性などの
良い点を組み合わせています。
ほうろう(琺瑯)の構成
鋼板ほうろうは、鋼板の上にガラス層があり、下釉層と上釉層の二層
で構成されています。下釉は金属との密着を目的としたガラスで、上
釉は化学的性質、耐熱性や装飾性などの目的機能に合致した組成
のガラスです。
また、製造の工程では、あらかじめこれらのガラスを
別々に溶解したのち粉末にし、金属表面に塗布した後、加熱再溶融し
てつくります。
この時溶融したガラスと金属表面で反応が起こり、界面
が凹凸状になることがガラス層と金属(鉄)
を強固に密着できる理由
です。
また、焼成温度は800∼850℃、焼成時間は5∼10分と陶磁器
等に比べ、比較的低温で非常に短時間でつくりだせる特徴をもって
います。
ほうろう(琺瑯)に使用する金属の種類と用途
ほうろうにつかわれる金属は焼成温度で溶けたり、急激にさびたり、
ガスを多量に発生したり、変形をおこしたりしないもので、溶接など加
工性の良いものが選ばれます。
現在使用されている金属の大部分は鉄で、
ほうろう用の鋼板です。
一方、浴槽や鍋等では、鋳鉄がつかわれています。
また、
アルミや銅
がつかわれることもあり、鋼板にアルミ等をメッキしたものも用いられ
ています。
金、銀、銅等を使った工芸品ほうろうを
『七宝(しっぽう)』、化学工業用の
ほうろうを
『グラスライニング』
と 呼んで区別することがあります。
金属の種類
鉄系
ほ
う
ろ
う
︵
琺
瑯
︶
と
は
用 途
ほうろう素地の大部分を占める。
ほうろう用鋼板
鍋、
システムキッチン等の台所家庭用品、
レンジ、
ストーブ等の燃焼器具部品 ※家庭用品品質表示及び
JIS規格に基づく鋼板を使用
外壁、
サニタリー用品等の住宅建材 化学反応器、
タンク等の工業機器
鋳鉄 主に鋳物浴槽、鍋 ステンレス 家庭用品、機械部品、耐熱機器等
Alメッキ鋼板(アルミナイズド鋼板) 建材、
ホワイトボード等
アルミニウム
鍋など台所家庭用品
金・銀・銅
水道メーターの文字盤や工芸品、宝飾品(七宝)
ほうろうの製造プロセス
素地成型加工工程
前処理工程
素地金属をプレスや溶接などにより
製品の形にする工程である。
素地成型品を脱脂、酸洗等で
表面処理する。
鋼板の
切断
丸抜き
溶接
絞り
検査
縁切り
縁曲げ
脱脂
水洗
ニッケル
処理
くすり掛け工程
焼成工程
珪石や長石などを原料として溶解した、
ガラス
(フ
品物を下釉、上釉、絵付けの
順にその都度乾燥・焼成する。
焼成条件は800∼850℃。
リット)
に粘土や調整剤と水を混ぜ、粉砕してつくった
ほうろう釉薬(くすり)
を金属素地に塗布する工程
である。
たらし掛け、
スプレー掛け等の方法がある。
酸洗
湯洗
配合・混合(珪石、
長石、金属酸化物等)
中和処理
乾燥
釉薬配合(フリット、
粘土、調整剤、水等)
製
品
と
し
て
完
成
フリット作成
(溶解・急冷)
粉砕
ほうろう
釉薬
2
ほうろう(琺瑯)の強み
鉄とガラス。全く違う2つの素材を結合させたほうろうは、
それぞれの良い面が活かされ、長所もひろがります。硬くて丈夫な鉄と美しくて、
耐食性(腐食に強いこと)耐摩耗性(すりへらないこと)非吸着性(においがつかないこと)
に秀でたガラスの両者の持てるすばらしい力を
フルに結集したのがこのほうろうなのです。
ですから、
『ほうろうでなくては』
という用途もいっぱい!ほうろうの優れた特長がさまざまな分野で
活躍しています。
耐熱・保温性
耐食・耐酸
金属の素地をガラス質で覆っているため、耐熱性が高く、保温性に優れています。
熱の伝わり方がゆっくりなのでお料理もふっくら仕上がります。冷却性も高く、保存に適しています。
ほうろうは、酸、塩分に対して強い耐久性を持っています。
貯蔵や醸造用に使われるタンク類。
ほうろうは化学薬品などの製造時に使われ、耐薬品性に優れています。
ガラス質に着色ができるので美しい色あいと光沢を楽しめるほうろうは、
美しい色あい
キッチンや浴槽、建物の外壁や看板にも多く使用されています。
紀元前につくられたツタンカーメン王の黄金マスクでもおわかりのように、
ほうろうは永い年月がたっても色が
変わりません。
カタチがあるかぎり、美しい色あいが楽しめます。
ほうろうは表面がガラスなので、表面がとてもなめらかで非吸着性に優れています。
非吸着
ガラス質は中性、
かつ不活性。中の内容物と化学反応を起こすことがありません。
硬度が高く、
キズや汚れがつきにくいため、雑菌が繁殖しにくく清潔に保てます。
洗いやすくお手入れがしやすいのも特長です。
耐久・耐摩耗性
3
ほうろうは金属の表面にガラスを化学的、物理的に結合させており、鉄とガラスとの密着度は極めて高く、
その耐久性も折り紙つきです。
ほうろうは極めて硬く、耐摩耗性も高く、浴槽や建材の他、家庭用品にも向いています。
ほ
う
ろ
う
︵
琺
瑯
︶
の
強
み
夏 梅 美 智 子 先 生 の“ ほうろうの 強 み”を生 かした 賢 い 使 いこなし術
ほうろう容器
保存から調理までをこなす、機能性がお気に入り。
シンプルで実用的なほうろう容 器は様々なシーンで大 活 躍 。ほうろう材 質のすぐれた
機能性を熟知し、使いこなしテクニックをマスター。
● 漬けもの容器にも最適。
梅干しや漬物づくりなどはもちろん、
マリネ料 理 、魚の昆 布じめなどの漬
けおき用の容器にもぴったりです。ま
ほうろう鍋
幅広いジャンルの料理に大活躍です。
気持ちよく料理ができるほうろう鍋は我が家の定番調理道具です。お手入
れしながら丁寧に愛着を持って使い続けています。
● 冷蔵、冷凍保存用の容器に最適。
● 普段のごはんからおもてなし料理まで幅広く対応。
食 材や料 理を選ばない点が保 存 容 器として
最適です。冷蔵はもちろん冷凍まで対応でき
家 庭 料 理の人 気の煮 物や肉、野 菜の煮 込み料 理 、シチューなどが得 意な
鍋です。また、調理した料理を鍋中で味を浸透させることもでき、鍋ごと冷
るのもうれしいです。重ね収納できるので、冷
蔵庫もすっきり整理できます。
蔵 庫 保 存もできます。そのすぐれた機 能 性は忙しい家 庭でしっかり役に
立ってくれます。
● オーブン調理も得意。
● 耐酸性のほうろう鍋は人気のジャム作りや酢料理に最適。
人気のグラタンやキッシュなどのオーブン料理
にも力を発揮します。下準備→オーブン料理
→そのまま食卓へ直行。保存容器としても調
季節の果物で作るおうちジャム作りには欠かせない道具で柑橘類の収穫
の 頃 には 、ほうろう鍋 がフル
回転します。
また健康効果
理道具としても、そしてお菓子作りにも活躍し
てくれます。
が 高い注目の調 味 料 、
酢 を使った料 理 にも
よく使用しています。
●シンプ ルで 美し
た、キムチなどの色やにおいも移りに
くく、容器からのにおいもれが少ない
い光 沢 感は 食 卓を
ので安心して使えます。
華やかに演出。
夏梅 美 智子
身近な食材で簡単に作れて、おいしい家庭料理が定評の人気の料理研究家。
レ
パートリーは幅広く、和洋中からエスニックなどおいしさのこつを取り入れたアレン
ジレシピが幅広い年代層に支持されています。NHKのきょうの料理、雑誌、書籍、広
告などで活躍。
「 野菜の発酵パワーで元気! 健康! 水キムチ」
「 作りおきの便利帳 」
(ともに主婦の友社)
など著書も多数。
風合いのあるほうろう鍋
は鍋ごと食 卓に出しても
とってもおしゃれで 、食 卓
を囲むごちそう料理の鍋とし
ておすすめです。
4
広がるほうろうの世界[1]
(株)大宮ホ−ロ−製作所
燃焼機器用品 建材パネル
花村ホ−ロ−工業(株)
内外装パネル 白板・カラーボード 看板他
5
野田琺瑯(株)
家庭用器物(容器・ケトル・鍋 他)
富士琺瑯工業(株)
家庭用器物(ほうろう鍋)
大和重工(株)
リンナイ(株)
鋳物浴槽
大阪マリオット都ホテル
広
が
る
ほ
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ろ
う
の
世
界
[
1
]
燃焼機器用品(ほうろうトップガスレンジ)
©Osaka Marriott Miyako Hotel
春日井化工(株)
燃焼機器用品(石油ストーブ ほうろう天板・ほうろうグリル)
日東エナメル工業(株)
家庭用器物(ほうろう容器類)
6
広がるほうろうの世界[2]
タカラスタンダード(株)
ホーローシステムキッチン
ホーロー洗面台
阪和ホ−ロ−
(株)
日本建業(株)
システムバス
熱交換器用エレメント
太洋住研ホ−ロ−
(株)
燃焼機器用品
IHクッキングヒーター部品
写真提供 : パナソニック
(株)
7
(株)原田琺瑯製作所
広
が
る
ほ
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ろ
う
の
世
界
[
2
]
JFEスチール
(株)
看板・標識
(株)LIXILサンウエーブ製作所 桐生工場
流し台(ほうろう流し台)
各種鉄鋼(ほうろう用冷延鋼板ロール巻)
日本フリット
(株)
ほうろう建材
ホワイトボード
8
広がるほうろうの世界[3]
東罐マテリアル・テクノロジー(株)
(トマテック)
原料調合物を溶融してガラス化した後、
水急冷やロール急冷で破砕したもの )
フリット
( ハースデザインズ
(株)
家庭用器物 日用品
9
アイチセラテック(株)
耐火物製造 工業炉設計製造(ほうろう焼成炉)
その他
理化学用品 工芸ほうろう
ほうろう(琺瑯)の安全と基準
安全への取組
IH 調理器用なべ、
ケトル、
ポットのIH認定マーク制度
最近ではIH調理器(電磁調理器)が普及し、多くの一般家庭でも使用される
ようになってきました。ほうろうはガス調理器だけでなく、IH調理器でも最適な
材質として幅広く利用されています。
(一社)日本琺瑯工業会では、消費者の皆様に、
より安全により安心してご使用
いただくため、使用鋼板(鉄板)の厚さ、底の形状・湾曲、耐熱、耐衝撃性等の基
準として、
日本工業標準調査会(J
IS規格)
および製品安全協会(SG基準)
を順
守し、
さらに(一社)日本琺瑯工業会独自においても認定マーク制度(右図参照)
を設け、品質の向上に努めています。
鍋、
ケトル・ポット等、加熱調理品の認定マークにはIH機器メーカーの製造する
200V用・100V用に合わせ、200V・
IH認定マークと100V・IH認定マークの
2種類と容器等の非加熱品ではほうろうJIS規格基準をクリアした製品のSマー
ク1種類があります。
ほうろうに係わるJ
IS規格
天ぷら用以外のもの
天ぷら用のもの
加熱した状態での内側への湾曲
測定温度
測定温度
湾曲量1.5㎜以下
湾曲率0.6%以下
一般財団法人製品安全協会ホームページ
100V用
200±5℃
規定値
湾曲量1.5㎜以下
湾曲率0.35%以下
http://www.sg-mark.org/index.html
(一社)
(一社)
試験内容
鍋
ケトル及びポット
1.0ミリ以上
0.8ミリ以上
0.8ミリ以上
0.7ミリ以上
常温で1.5ミリ以下
常温で2.0ミリ以下
( )
SG基準の”冷えた状態で
の内側への湾曲”
と同意
底の中心部分での内側への湾曲寸法をディプスゲージ等で測定する。
3.底の内側への湾曲寸法
200V用、100V用共
冷えた状態での内側への湾曲
23±5℃
試験項目
200V用
SG基準の例
100V IH認定マーク
(一社)日本琺瑯工業会 認定マークに基づくIH調理器用器物の品質基準
2.底部の凹み寸法
http://www.jisc.go.jp/index.html
200V IH認定マーク
鍋、ケトル及びポットを対象に、
IH調理器のトッププレートに接する面の直径が12cm以上26cm以下のものに適用する。
100V用
JIS G 3133 ほうろう用脱炭鋼板
規定値
(一社)
200V用
JIS R 4301 ほうろう製品の品質試験方法
調理器具の種類
Sマーク
1.使用鋼板の板厚
JIS S 3012 家庭用ほうろう器物
日本工業標準調査会ホームページ
工業会でマークの認定の際、会員から品質及びPL保険の責任について保証させて
いますので、
このマークの有無を調理器のお買い求めの目安として下さい。
油を入れてIHの最高出力で220度まで
加熱し、200度に下がったとき、底の内側
への湾曲寸法が1.5ミリ以下であること。
水を入れて沸騰したとき、底の内側への
湾曲寸法が1.5ミリ以下であること。
4.底の耐熱衝撃性
IH調理器で出力を調整して、5分以内の空だきにより、底の中心部附近の温度が150度に
なるまで加熱した後、15度から20度の水を満水になるよう一気にいれて急冷する。
この熱衝撃を10回連続して行い、底の内側への湾曲寸法が前記2の数値に適合すること。
また、琺瑯層にひび割れ、
はく離のないこと。
5.なべ底部の琺瑯層の
耐熱性 200V用
なべ底を上にしてその上部に厚さ1ミリから3ミリ程度の板ガラス(ソーダ石灰ガラス製)を
のせる。
そしてあらかじめ500度に余熱した加熱器(炉)に試料を入れる。
500度のまま30分間保持し、常温まで冷した後板ガラスを取り除くとき、板ガラスが容易に
なべから離脱でき、
かつ琺瑯層に融け跡のないこと。
6.上記の基準以外
密着性、耐熱水性、耐酸性、取っ手取付強度等、当該製品ごとにJ
I
S S 3012
(家庭用ほうろう器物) の該当基準を準用する。
10
広
が
る
ほ
う
ろ
う
の
世
界
[
3
]
・
安
全
と
基
準
ほうろう(琺瑯)の Q&A
Q
ほうろうは、鉄の上にガラス質を焼き付けたもの、
ということですが、
ガラスと鉄はどのように結びついているのですか?
A
焼成時の温度は800∼850度ほどの高温です。
その高温で鉄面は
酸化し、微細な凸凹面となります。
この凸凹面にガラス質が密着し
結びつきます。
泡
(イラスト参照)鉄とガラスの境界面では
層
上釉
鉄原子とガラス中の硅素原子の化学的
層
写真
下釉
な結合も生まれ、極めて強い密着力を
発揮します。
板)
素地(
鋼
●ほうろうの断面模式図
Q
ほうろうを使う上で気をつけなければいけない点はどんなことですか?
A
衝撃や落下があると、表面のガラス質にヒビ割れや破損が生じます。
金属製のタワシや、研磨剤の使用はお避けください。火にかけて
使うものについては、空だきをしないように注意してください。
Q
ほうろうをきれいに保つにはどのようなことに気をつければいいですか?
A
表面がガラス質ですので、本来は汚れが落としやすい材質です。
中性洗剤と、傷の付かないスポンジで洗い、水分を拭き取ってくだ
さい。乾燥させることがサビの防止につながります。
アルカリ性洗剤(食器洗浄機専用洗剤等)や塩素系漂白剤は、
ほうろうの表面のツヤを損ない劣化を早めることもあります。
又、
アルミ製、
ステンレス製の調理器具(お玉、ヘラ等)
を使用して
いてグレー色の線がほうろうに付くことがあります。
これはアルミ、
ステンレスなどの金属がほうろうより硬度が低い為
(下記硬度の比較表参照)、
その金属が削れてほうろうに付着して
しまうからです。
調理器具(お玉、ヘラ等)は木製やシリコン製の調理器具を使う
ことをお勧めいたします。
硬度の比較表
柔らかい
Q
使用できる熱源はなんですか?
A
Q
ほうろうが欠けたり、剥がれたりしてしまうと、有害なものが出るので
しょうか?
A
11
ガス火・IH電磁調理器・オーブンなどで使用できます。電子レンジ
には使えません。尚、IH電磁調理器については、製品の仕様ごとに
使用の可・不可がありますので、
( 一社)日本琺瑯工業会の定める
安全マークをご確認ください。
(P.10参照)
ほうろうの表面が剥がれても、素地が鉄ですので有害物質が発生
することはありません。化学変化を起こすこともなく、
サビたとしても
鉄サビですのでご安心いただけます。
硬い
モース硬度
基準鉱物
1
タルク
木
2
石膏
人間の爪
3
方解石
亜鉛・アルミニウム・銅・FRP
4
ホタル石
鉄・ステンレス
5
リン灰石
6
正長石
7
石英
8
トパーズ
9
コランダム
10
ダイヤモンド
身近な物質の例
ほうろう、石、
ガラス
水晶
ルビー・サファイア
◆モース硬度とは・・・ドイツの鉱物学者フリードリヒ・モースによって考案された硬度を示す基準のことです。
ダイヤモンドなどの10種類の天然石を選び、硬さの順位をつけ、各々の鉱物で硬さの分からない物質の
表面を引っ掻いて、傷がつくかどうかでその物質の硬さを判定します。
Q
ほうろうのケトルを使っていると、お湯が七色に見えたり、白い粉状の
ものが出てくることがあります。
どうしてでしょうか?
A
Q
水中に含まれる蒸発残留物(珪酸、酸化カルシウム、酸化マグネシ
ウム)
が濃縮され、高温水中で反応し、珪酸マグネシウムとしてガラ
ス面に付着して薄い膜をつくり、反射して七色に見えることがあり
ます。
また、蓄積し、
白く層状に付着したものが剥離して沈殿すること
があります。
お湯を沸かす用途のみでも、中性洗剤とスポンジを使って洗いお手
入れすることが防止になります。
Q
ほうろう建材について教えてください。
A
ほうろうの耐候性は耐酸性の良いうわぐすりを使用した場合、
20年 間の暴 露 試 験に合 格するという国内公 共 機 関 報 告や、
30年間にも合 格するという米 国 標 準 局 の 報 告 があるくらい
優れた特性を持っています。そのため国内外で内装・外装建材
パネルとして広く活躍しています。各種建材の特性を比較する
と次の様になります。
耐候性
表面
硬度
耐火性
ほうろう
◎
◎
◎
○
◎
△
△
タイル
◎
◎
◎
×
○
×
◎
アルミ
△
×
×
○
△
◎
◎
結晶化ガラス
◎
◎
○
×
×
○
△
フッ素樹脂塗装
◎
×
△
○
◎
○
△
ALC
○
○
◎
×
×
△
◎
PC
○
○
◎
△
×
×
◎
ステンレス
◎
○
◎
○
×
△
△
ほうろう鍋を焦がしてしまったのですが、お手入れ方法はありますか?
A
焦げ付きを金属たわしや金属のヘラ等で無理に取ろうとすると、
ガラス質の損傷につながります。重曹を使って落とす下記の方法
がおすすめです。
① 焦がした鍋にぬるま湯を入れます。
② 大さじ1の重曹と、食用油を少量入れます。
③ 鍋を火にかけ、沸騰したら火を止め数時間放置します。
④ 冷めたら中のものを捨て、
スポンジで洗います。
ひどい焦げ付きの場合は、①∼④を繰り返し試してください。
デザイン
施工性
着色性 重 量
の自由度
(含工期)
品 目
◎ ○ △ ×
良・・・・・・・・・・・不 良
硬い・・・・・・軟らかい
軽い・・・・・・・・・重い
*表の出典は
「ほうろう技術ガイドブック」
です
12
ほ
う
ろ
う
︵
琺
瑯
︶
の
Q
&
A
日本琺瑯工業会の紹介
ごあいさつ
当工業会はほうろう製品の生産技術、品質、性能の維持向上と製品の流通及び消費に
1976
S51年
1978
S53年
第二次オイルショック(円高)
1983
S58年
ほうろう器物のアメリカ輸出が盛ん最大(70億円)
1984
S59年
ほうろう器物安全マーク制度の改正を新安全品質基準で実施
実施事業(1)
1985
S60年 「ほうろう鉄器製造業の経営戦略化ビジョン」策定し発表
安全対策事業として、
ほうろう器物(なべ、やかん、容器等)の品質及び安全性について、
1989
H01年 ホーローフェアー開催(焼成実演、新宿3月、三越8月、光が丘9月)
当工業会が中心となって安全対策や品質表示に関する施策を行います。
1991
H03年
バブル景気の崩壊
具体的には、安全マーク並びにIH認定マーク制度の普及と推進を行います。
2002
H14年
安全マーク制度の改正を実施。ほうろう器物IH認定マーク制度開始(IH調理器用品質基準制定)
2004
H16年 ほう素ふっ素排水規制強化、暫定排水基準適用業種の認定を受ける
2007
H19年 ほう素ふっ素暫定排水基準適用業種の指定継続
2010
H22年 ほう素ふっ素暫定排水基準適用業種の指定継続
2012
H24年
公益法人改革により4月1日に一般社団法人日本琺瑯工業会に移行登記
2014
H26年
事務所移転(墨田区→荒川区)
関して健全な発展を目指す事業を行い、
ほうろう産業の高度化と国民生活の文化的
向上に寄与するための施策を進めています。
また、
当工業会は日本のほうろう工業に
おける工業規格や環境規制等について、各省庁と交渉出来る唯一の代表団体です。
実施事業(2)
ほうろう産業の高度化、経営革新事業として、定期的な技術講演会の開催、環境問題
への対策と活動、
ほうろうの規格策定に関する活動、並びに技術開発への対応を実施
します。
また、
これらの情報を広く一般にも公開していきます。
ほうろうに関するご質問等はメールにてお問い合せください。
今後とも一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
名
設
所 在
T E
F A
Ema
称
立
地
L
X
il
一般社団法人 日本琺瑯工業会
昭和51年8月28日
〒116-0002 東京都荒川区荒川7丁目20-1 イーストヒル町屋205号
03-3623-2989
03-6806-5601
[email protected]
会 員
正 会 員 (琺瑯製造メーカ) 13社
賛 助 会員 (工業会の事業に賛同する者) 7社
事 務 局 東京都荒川区荒川7丁目20-1 イーストヒル町屋205号
事 務 局 長 1名
委 員 会 技術委員会・苦情処理委員会
部
会 器物部会・浴槽部会
13
日本琺瑯工業会のあゆみ
日本琺瑯工業連合会を基盤にして社団法人として日本琺瑯工業会が発足
日本琺瑯工業会 組織図
委
員
会
総 会
会
長
副
会
長
理
事
長
監
事
専
務
理
事
部
会
事
務
局
技 術 委員会
J I S 改 正 委員会
苦情処理委員会
排 水 処 理 委員会
器物部会
技 術 講 演 会・研 究
浴槽部会
外部試験委託
安全対策事業
正 会 員
会社名 (株)大宮ホ−ロ−製作所
代表者
大宮 哲夫
住 所 〒329-0102 栃木県下都賀郡野木町大字潤島20-5
T E L
F A X
0280-55-2211 0280-57-3346
取扱商品 燃焼機器用品 建材パネル
代表者
野田 浩一
住 所 〒136-0073東京都江東区北砂3-22-22
F A X
03-3640-5511 03-3640-5507
代表者
花村 光夫
住 所 〒342-0035 埼玉県吉川市高久1-39-2
T E L
取扱商品 内外装パネル 白板・カラーボード 看板他
代表者
秋山 陽子
F A X
03-3851-7241 03-3861-7989
取扱商品 家庭用器物
会社名 大和重工
(株)
代表者
田中 保昭
F A X
082-814-2101 082-814-2109
取扱商品 鋳物浴槽
会社名 リンナイ(株)
生産技術部長 長谷川 光宏
取扱商品 燃焼機器用品
(厨房機器、温水器機、暖房機器他)
代表者
光森 英治
住 所 〒486-0917 愛知県春日井市美濃町3-236
T E L
F A X
0568-31-8821 0568-31-8816
取扱商品 燃焼機器用品 石油ストーブ部品
代表者
渡辺 岳夫
T E L
F A X
06-6962-6000 06-6961-9249
F A X
03-3597-3877 03-3597-3035
会社名 (株)LIXILサンウエーブ製作所 桐生工場 代表者
T E L
会社名 日本建業
(株)
会社名 日本フリット
(株)
代表者
岡野 正三
代表者
高野 幸雄
T E L
代表者
渡辺 紀雄
会社名 東罐マテリアル・テクノロジー(株)(トマテック)
代表者
渡辺 祐登
T E L
F A X
06-6456-0001 06-6456-0021
代表者
会社名 (株)
森本製作所
代表者
森本 武章
住 所 〒544-0021 大阪市生野区勝山南1-17-41
T E L
F A X
06-6731-2451 06-6731-2454
取扱商品 素地・厨房用 プレス製品
原田 康幸
F A X
092-651-2347 092-651-3616
取扱商品 看板・標識
F A X
0569-23-5111 0569-23-5131
取扱商品 フリット
F A X
0857-23-0091 0857-27-4179
会社名 (株)原田琺瑯製作所
T E L
住 所 〒531-8526 大阪市北区大淀北2-1-27
住 所 〒680-0854 鳥取県鳥取市正蓮寺98-5
T E L
中野 弦一郎
取扱商品 フリット
F A X
072-484-1500 072-482-6135
会社名 太洋住研ホ−ロ−
(株)
代表者
住 所 〒475-0823 愛知県半田市港町4-5-5
F A X
072-872-1581 072-871-9295
住 所 〒590-0535 大阪府泉南市りんくう南浜2番19
T E L
市原 富士夫
F A X
0277-54-8193 0277-52-5076
取扱商品 流し台 燃焼機器用品
会社名 阪和ホ−ロ−
(株)
沖本 一生
住 所 〒100-0011 千代田区内幸町2-2-3日比谷国際ビル
T E L
取扱商品 ホーローシステムキッチン ホーロー壁装材 ホーロー洗面台
T E L
代表者
住 所 〒376-0011 群馬県桐生市相生町5-180
住 所 〒812-0053 福岡県福岡市東区箱崎6-11-33
F A X
0587-95-5421 0587-95-8469
会社名 春日井化工
(株)
会社名 タカラスタンダード(株)
会社名 JFEスチール
(株)
取扱商品 各種鉄鋼 非鉄金属
取扱商品 燃焼機器用品 IHクッキングヒーター部品
住 所 〒454-0802 愛知県名古屋市中区福住町2-26
T E L
F A X
0594-21-1331 0594-21-8464
取扱商品 燃焼機器用品 家庭用器物
住 所 〒731-0221 広島県広島市安佐北区可部1-21-23
T E L
住 所 〒511-0838 三重県桑名市大字和泉645 T E L
取扱商品 熱交換器用部品
住 所 〒111-0052 東京都台東区柳橋1-32-7 富士琺瑯工業(株)第2ビル4F
T E L
笠井 文喜
住 所 〒574-0053 大阪府大東市新田旭町2-3
F A X
048-982-3231 048-982-3232
会社名 富士琺瑯工業
(株)
代表者
住 所 〒536-8536 大阪市東区鴫野東1-2-1 取扱商品 家庭用器物 理化学用品 衛生用品
会社名 花村ホ−ロ−工業
(株)
会社名 日東エナメル工業
(株)
取扱商品 家庭用器物
会社名 野田琺瑯
(株)
T E L
賛 助 会 員
会社名 アイチセラテック(株)
代表者
二村 直志
住 所 〒444-0325 愛知県西尾市楠村町明神後2番
T E L
F A X
0563-59-6485 0563-59-3184
取扱商品 耐火物製造 工業炉設計製造
会社名 ハースデザインズ
(株)
代表者
高野 幸雄
住 所 〒590-0535 大阪府泉南市りんくう南浜2番19
T E L
F A X
072-485-3638 072-482-6135
取扱商品 家庭用器物 日用品
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日
本
琺
瑯
工
業
会
の
紹
介
一般社団法人日本琺瑯工業会
協賛:東部琺瑯協同組合
〒116-0002 東京都荒川区荒川7丁目20-1 イーストヒル町屋205号
TEL 03-3623-2989 FAX 03-6806-5601 Email [email protected]
http://www.horo.or.jp
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