[特別展] 人間国宝 「三浦小平二の世界」 青磁以前の作品、青磁の世界、画家・三浦小平二 報道関係資料 □展覧会の概要 この展覧会は、佐渡が生んだ重要無形文化財技術保持者(人間国宝)・故三浦小平二(みう らこへいじ)先生の作品を紹介するものです。このたび、奥様の三浦竹子様からのご厚意で、 先生の作品 30 点が佐渡市へ寄贈されました。これら作品は、先生の陶芸生活の初期のものか ら現在までのもので、青磁や陶板、軸装の絵画など大変貴重なものばかりです。今回の展示で は、これらの作品を、「青磁以前の作品」、「青磁の世界」、「画家・三浦小平二」にわけて展示し ます。 三浦小平二先生は昭和 8 年(1933)3 月 21 日、佐渡・相川に生まれ、昭和 30 年(1955)東京 芸術大学彫刻科を卒業後、父・三浦小平と加藤土師萌(はじめ)氏に師事し、陶芸の道に入り ました。焼しめ、鉄絵、釣窯など多様な作風を経て、佐渡の土を素地に用いた青磁にたどり着 きます。昭和 51 年(1976)には日本伝統工芸展文部大臣賞、日本陶磁協会賞を受賞するなど 注目を集め、その頃旅したシルクロード取材を通じて青磁に色絵を施すという独自の表現と技 法を確立されます。その後小平二先生は陶芸界の中心的な存在として活躍され、平成 8 年 (1996)には、紫綬褒章、平成 9 年(1997)には青磁の分野では初めて重要無形文化財技術保 持者に認定されました。 平成 18 年(2006)『三浦小平二展:「作陶 50 年」人間国宝』が東京日本橋三越(5 月)と新潟 三越(9 月)で開催され、新潟での展覧会から帰京された 10 月 3 日、急性心筋梗塞で急逝されま した。享年 73 歳でした。本展を通じて三浦小平二の世界である「青磁のわざと美」を堪能してい ただければ幸いです。 □基本情報 会期及び会場、開館時間、観覧料等 ※本展は巡回いたします。 平成 20 年1月1日(火)~3月 30 日(日) [佐渡博物館]佐渡市八幡 2041 電話(0259-52-2447) 開館時間:8時 30 分~午後 4 時 入館料:大人 700 円 高校生 500 円 中学生 400 円 小学生 200 円 (団体割引あり) 休館日:無休 平成 20 年4月 10 日(木)~5月 31 日(土) [両津郷土博物館]佐渡市秋津 1596 電話(0259-23-2100) 開館時間:9 時~午後 4 時 30 分 入館料:大人 300 円 小・中学生 100 円 (団体割引あり) 休館日:期間中は無休 平成 20 年6月 24 日(火)~8月 17 日(日) [相川郷土博物館]佐渡市相川坂下町 20 電話(0259-74-4312) 開館時間:8 時 30 分~午後 5 時 入館料:大人 300 円 中学生 200 円 小学生 100 円 (団体割引あり) 休館日:期間中は無休 主催:佐渡市 後援:(財)佐渡博物館 (※各会場への交通案内は、佐渡伝統文化研究所ホームページから「関連施設」をご覧下さ い。) □展示品 三浦小平二先生の陶芸生活の初期のものから現在までのもので、「青磁以前の作品」、「青 磁の世界」、「画家・三浦小平二」にわけて全 30 点。他の関係資料など。 (作品番号)(作品名) (制作年) (寸法㎝) 青磁以前の作品 1 陶板「仏手」 1960 31.0×22.5 2 天目大花瓶 1961 φ24.0×h.36.5 3 そば釉大花瓶 1961 φ22.0×h.45.0 4 紅志野角皿 1962 h.4.5×17.5 5 釣窯鉢 1967 φ24.0×h.10.0 6 釣窯急須 1973 φ10.0×h.11.5 7 染付小陶板「佐渡の冬」 1974 17.5×11.5 8 染付小陶板「佐渡の冬」 1974 17.5×11.5 9 染付小陶板「佐渡の冬」 1974 17.5×11.5 10 黄瀬戸片口鉢「ほうづき文」 1974 φ18.5×h.10.3 11 鉄絵皿「灯台」 1975 φ30.5×h.5.5 12 青磁キャンドルスタンド 1976 φ12.0×h.5.5 13 青磁キャンドルスタンド 1976 φ6.5×h.21.0 青磁の世界 14 青磁花瓶 トルコ文 15 青磁紫江釉「大鉢」 「豊穣の女神」1989 1989 φ7.5×h.23.5 φ29.5×h.18.0 16 青磁豆彩茶わん「カシミール少女文」1989 φ10.0×h.9.0 17 青磁飾り壺「客家」 1991 φ20.5×h.23.3 18 青磁蓋物「桂林」 2003 φ23.5×h.22.0 19 青磁小皿 2006 φ13.0×h.4.5 20 青磁小皿 2006 φ12.0×h.3.5 画家・三浦小平二 21 軸装「カッパドキアにて 1989 φ29.4 22 軸装「ダンガウラ・タルー」 1993 φ29.0 23 リトグラフ「トルコにて お使いに」 1998 38.0×25.0 24 リトグラフ「トルコにて 水汲み」 1998 38.0×25.0 1998 38.0×25.0 26 リトグラフ「カッパドキアにて オリーブ畠へ」 1998 38.0×25.0 27 リトグラフ「アフガンにて 1998 38.0×25.0 2006 32.0×41.0 2006 32.0×41.0 30 木版画「アフガニスタンにて ヘラートへの道」 2006 41.0×32.0 母と子」 25 リトグラフ「イエメンにて 28 木版画「イエメンにて 29 木版画「カメルーンにて バザールへ」 リンゴ売り」 仲良し」 大地の少年」 □展覧会のみどころ ・佐渡市へ寄贈された作品の全てを初公開いたします。 ・これらの作品は、三浦小平二先生の初期から晩年までを網羅した作品群です。 (三浦小平二先生は、無名異焼の技法から始め、中国の南宗官窯(なんそうかん)の青磁を目 指しながら、佐渡の無名異土を素地にし、青磁の釉薬をかけるという、独自の技法を開拓しま した。また、青磁と色絵を併用する技法は至難の技といわれていますが、この技法で制作され た作品も数多くあります。) 「文化庁 文化遺産オンライン」より 青磁は,中国で生まれ発達した,東洋独特の陶芸技法である。還元焔焼成による,素地と釉薬 に含まれる微量の鉄分の働きで,青磁色が得られる。中国では,3世紀,漢末三国時代から本格 的に焼造され,宋時代に隆盛期を迎えた。その製品は我が国にも数多く請来されて,日本の文化 に大きな影響を及ぼした。我が国では,江戸時代初期に肥前地方で制作が開始された。近代以降 においても,青磁技法を駆使する多くの陶芸家による作陶活動が行われており,歴史的にも芸術 的にも価値の高い工芸技術である。 (文化遺産オンライン:青磁)http://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=81353 □三浦小平二年譜 1933 年(昭和 8) 新潟県佐渡無名異焼、三浦小平の長男として生まれる(3 月 21 日)。祖父は三代・三浦常山。 1951 年(昭和 26) 東京芸術大学彫刻科(平櫛教室)に入学。 1953 年(昭和 28) 高田直彦と陶磁器研究会(陶研)をつくり、加藤土師萌に師事し、芸大最初の窯を築く。 1961 年(昭和 36) 五味竹子と結婚。 1962 年(昭和 37) 第 10 回現代日本陶芸展において朝日新聞社賞受賞。 1967 年(昭和 42) 第 7 回伝統工芸新作展において優秀賞受賞「釣窯花瓶」。 1968 年(昭和 43) 第 1 回個展、日本橋三越。 1969 年(昭和 44) 中近東、東アフリカに旅す。 1970 年(昭和 45) マサイをテーマに第 2 回個展、日本橋三越。日本工芸会正会員となる。 1972 年(昭和 47) 故宮博物院にて青磁、赤絵を学ぶ。 1973 年(昭和 48) 父小平死亡により佐渡小平窯を継ぐ。 1976 年(昭和 51) 青磁をテーマに第 5 回個展。日本橋三越。アフガニスタン、パキスタンに旅す。青磁大鉢を出 品し、第 23 回日本伝統工芸展において文部大臣賞受賞、文化庁買上。 1977 年(昭和 52) 51 年度日本陶磁協会賞受賞。個展、大阪高島屋。 1978 年(昭和 53) アフガニスタンをテーマに第 6 回個展、日本橋三越。中国、モンゴルに旅す。 新潟日報社主催「三浦常山、小平、小平二展」大和新潟店。 新潟県立近代美術館、敦井美 術館買上。 1979 年(昭和 54) 華南、華中に旅す。個展、大阪高島屋。 1980 年(昭和 55) モンゴル、中国をテーマに第 7 回個展、日本橋三越。天山北路に旅す。 1981 年(昭和 56) 「堀柳女、三浦小平二、形色展」名古屋松坂屋。長江を下る。 毎日新聞社主催「日本陶芸展」推薦招待出品。以降隔年出品。 1982 年(昭和 57) 第 8 回個展、日本橋三越。インド、ラジャスタンに旅す。 1983 年(昭和 58) 国際交流基金主催「カナダ巡回日本陶芸展」招待出品。 今日の日本陶芸(菊池コレクショ ン)、スミソニアン国立博物館、ワシントン、ヴィクトリア&アルバート博物館、ロンドン、招待出 品。渡米。個展、大阪高島屋。華北、景徳鎮に旅す。 1984 年(昭和 59) 日本のやきもの「皿と鉢 100 展」招待出品。サントリー美術館。西武高輪会で個展。カシミー ル、ラダックに旅す。 1985 年(昭和 60) 皇太子浩宮殿下より留学記念として青磁花瓶がエリザベス女王陛下に贈られる。 日本のやきもの「色絵 100 展」招待出品、サントリー美術館。 第 32 回日本伝統工芸展、鑑査委員。(34、36、39、43 回) 第 9 回個展「佛への道、インドから日本」日本橋三越。 1986 年(昭和 61) 「青磁ろば飾り壺」ヴィクトリア&アルバート博物館買上。トルコに旅す。 「青磁色絵曼荼羅大皿」東京国立近代美術館買上。日本工芸会理事。 1987 年(昭和 62) 「青磁佛手飾り壺」「青磁曼荼羅大皿」国際交流基金買上。イエメン、アラブ共和国に旅す。 1990 年(平成 2) 東京芸術大学工芸科陶芸講座教授に就任。 パリ、ギメ国立東洋美術館で講演。テーマ「青磁、過去-現代の源泉」。 パリ、ニューヨークのギャラリーアーバンで個展。 日本経済新聞社主催帰朝記念「三浦小平二青磁展」日本橋三越。 1991 年(平成 3) 中国福建省、客家に旅す。北欧巡回「伝統工芸名品展」招待出品。 1992 年(平成 4) 「青磁牛車蓋物」スミソニアン国立博物館・サックラーギャラリー買上。 NHK主催、日本の陶芸「今」100 選展、パリ三越エトワール、招待出品。 佐渡郡相川町に「三浦小平二・小さな美術館」設立。 ソウル大学で講演。高島屋(東京、大阪、京都、横浜店)で「青詩展」開催。 西ネパールに旅す。 1993 年(平成 5) 平成 4 年度、日本陶磁協会「金賞」受賞。日本伝統工芸展、特待者になる。 新潟日報社主催「三浦小平二青磁展」新潟三越。 在仏日本大使館文化広報センターで講演。テーマ「青磁と私」。 「三浦小平二の世界展」パリ三越エトワール。 青磁飾り壺「牧童」パリ・ギメ国立美術館収蔵。 1994 年(平成 6) パリ帰国展、三越(日本橋・大阪・名古屋・札幌)で開催。 MOA美術館、岡田茂吉賞工芸「大賞」受賞。新潟日報「文化賞」受賞。 青磁飾り壺「仔象」東京国立近代美術館買上。北スペインに旅す。 1995 年(平成 7) カメルーンに旅す。 「ジャパニーズ・スタジオ クラフト展」ヴィクトリア&アルバート博物館に出席。 第 42 回日本伝統工芸展に於いて「保持者賞」受賞。 1996 年(平成 8) 「紫綬褒章」受賞。北欧 3 国に旅す。 1997 年(平成 9) 重要無形文化財「青磁」保持者(人間国宝)に認定される(6 月 6 日)。 第 44 回日本伝統工芸展鑑審査委員。 I.A.C(国際陶芸アカデミー)会員に推薦される。 1998 年(平成 10) 個展(人間国宝認定記念)日本橋三越。 高島屋(東京、横浜、大阪、京都)で人間国宝認定記念「三浦小平二青詩展」開催。 1999 年(平成 11) 東京芸術大学美術学部大学美術館主催「退官記念三浦小平二展」 2000 年(平成 12) 東京芸術大学名誉教授。文星芸術大学教授に就任。 2001 年(平成 13) 青磁飾り壺「光の杜」式年遷宮記念神宮美術館(伊勢)収蔵。 六葉会展、日本橋三越。 2002 年(平成 14) 佐賀県立有田窯業大学校で講演。テーマは「伝統工芸と現代陶芸について」。 「三浦小平二の知られざる世界展」。於:高萩大心苑 2003 年(平成 15) 「三浦小平二展(青磁の世界)」くにたち郷土文化館、雪梁舎美術館。(設立十周年記念)。 勲四等旭日小綬章を受章。 2004 年(平成 16) 個展佐渡市誕生によせて!「三浦小平二と小平窯展」新潟三越。 三浦小平二意匠「佐渡物語」として商標登録する。 2005 年(平成 17) 六葉会展、日本橋三越。人間国宝陶の美展、松坂屋本店。 二人の人間国宝展、つかもと記念美術館。文星芸術大学客員教授 ブリアート共和国(シベリア)に旅す。 2006 年(平成 18) 日本経済新聞社主催「作陶五十年展」日本橋三越、 新潟日報社・日本経済新聞社主催「作陶五十年展」新潟三越。 制度制定 50 年記念人間国宝展(NHK)。 10 月 3 日、東京国立市の自宅にて逝去、享年 73 歳。 □連絡先 佐渡市教育委員会 世界遺産・文化振興課 〒952-8501 新潟県佐渡市両津湊 198 TEL(0259-27-4170)FAX(0259-27-4184) ホームページ:http://www.city.sado.niigata.jp/sadobunka/denbun/
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