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とりまとめ - 内閣府 沖縄総合事務局

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参考資料4
沖縄地域における観光立国の実現に向けた官民懇話会
とりまとめ
平成 22 年 8 月
内閣府沖縄総合事務局
0
はじめに
○
国と併行し地域ブロックレベルでも民間部門の関係者の生の声を捉えることとすると
ともに、沖縄総合事務局では各省の出先機関が集合しているという性格からその総合力
を発揮して対応すべく、本年 1 月より、沖縄総合事務局全幹部(部長以上)と経済界、
沖縄県等が1回/月程度の頻度で一堂に会する会合を、「沖縄地域における観光立国の
実現に向けた官民懇話会」
(沖縄観光官民懇話会)として立ち上げ。(別添1参照)
○
各部の所掌において、観光振興の観点からクリティカルと考えられるテーマを取り上
げ、専門家等(ゲスト)を招き、情報の収集・共有や意見交換を重ねてきたところ。準
○
これまで取り上げたテーマ及びゲストは次の通り。
テーマ
旅行・ホテル業の現状等
ゲスト
・沖縄ツーリスト㈱社長;東良和氏
・㈱かりゆし社長;平良朝敬氏
地域資源の活用
・沖縄エステ・スパ協同組合理事長;新城恵子氏
・那覇市国際通り商店街振興組合連合会副理事長;高良邦弘氏
都市と農山漁村の共生・
・NPO法人国頭ツーリズム協会国頭村環境教育センター統括部長;鷲田晋氏
対流
・東村観光推進協議会会長;港川實登氏
・伊江島観光協会会長;山城克己氏
・美ぎ島グリーン・ツーリズム研究会会長;津嘉山千代氏
観光振興に向けた社会資
・(財)海洋博覧会記念公園管理財団常務理事兼本部長;花城良廣氏
本整備
・ナハ・シーパラダイス協議会副代表;宮里由紀子氏
・豊見城市商工観光課長(道の駅「豊崎」駅長);長嶺直氏
医療観光の方向性
・医療法人タピック理事長;宮里好一氏
・(社)久米島町観光協会食物アレルギー対策委員会委員長;平良博一氏
クルーズ推進と港湾整備
・㈱JTB沖縄社長;菊知良明氏
ホテル等宿泊施設の設備
・沖縄振興開発金融公庫審査役兼信用リスク管理統括室長;具志堅忠昭氏
投資動向等
先島観光の現状・課題
・(社)宮古島観光協会会長;豊見山健児氏
・(社)石垣市観光協会会長;宮平康弘氏
○
ここに、各会合において収集・共有した情報、意見等をもとに、沖縄総合事務局とし
て、今後の沖縄観光のあり方、具体的方策などを考えるに当たってポイントになるので
はないかと共有した問題意識や方向性、沖縄観光の振興のあり方についての基本的な考
え方や当面の手立てなどを、現時点において整理した。
併せて、民間部門の関係者からの具体的な要望を整理した。
1
1.準備段階的・前提的な問題意識の共有
さしあたって、少なくとも次のような点に、不十分さ、改善の余地などがみられるの
ではないかとの認識を共有。
○売り込み(沖縄の魅力・商品価値)
・外国への認知・マーケティング(ショッピング、サイクリング等)
・MICEへの意識(国際会議の活用、イベントづくり等)
○受け入れ(おもてなし)
・標識・サイン(カーナビを含む)
・人材育成
・地域ごとの独自色
・雨天の過ごし方
・二千円札の活用
・利用しやすい航空ダイヤ
・空港等での両替
・国際線ターミナル
2.今後を見据えた問題認識や方向性の共有
ゲストにおける取組み(以下の囲い内に記載)などをもとに、概ね次のような問題意
識や方向性、その前提となる背景や理由を共有。
(1)総論
○
沖縄観光は、今、転換期にさしかかっているのではないか
・入域観光客数は過去最高を連続し続け、リピーター割合も 8 割に届こうとしている
が、一人当たり消費額が落ちてきている。固定的な層をおさえる一方で、新規を含
め旅行者への訴求力が失われてきてはいないか(沖縄離れが進んできているとはい
えないか)といった懸念がある。新たな需要開拓や滞在日数を延ばすための、新た
な魅力づくりや発掘が必要。
・観光資源の豊富さに比して、外国人観光客の来訪数が少なすぎないか。経済発展の
著しい中国、韓国等からの誘客をより一層推進していくことにより、現在数%の割
合しかいない外国人観光客をもっと伸ばすことができる可能性がある。
○
新たな視点での方向付けが必要な時期に来ているのではないか
・独自色を出し他地域との差別化を図るために、沖縄が優越的に持つ「ソフト」にも
っと注目すべき。文化・芸能、健康・長寿・食など沖縄ならではのソフト面に注目
2
できるのではないか。世界遺産・歴史遺産・文化財、舞台芸術、スポーツ・音楽、
医療・リハビリなどをより効果的に活用することができれば、もう一泊の滞在やひ
いては長期滞在にもつなげられるのではないか。
・大口の新規需要は外国人にあると考えられるが、具体的には中国を始め東アジアの
富裕層というターゲットを意識する必要がある。
「青い空・青い海・白い砂浜」とい
うイメージは東アジア市場ではライバルが少なくないことや、必ずしも沖縄の個性
が必要とされない場合があることにも留意すべき(例えば、沖縄の地において、
「日
本」でショッピングがしたいといったニーズに応えられるか等)。真の自己掘り下げ
とそれに基づくプレイアップにより、沖縄の競争力を磨き上げることが必要。
・ビザ緩和によるさらなる誘客への期待が大きい中国へのセールスは、各省ごとにと
いったようなきめ細かさが必要。中国は広く、地域ごとに訴求ポイントは異なる。
地域の需要にかなった対応が必要。
○
地域や分野で芽生えてきている元気のある取組みを敏感に感知し、持続可能なものと
なるよう中核的な母体(いわゆる観光地域づくりプラットフォーム)へと引き上げて
いくことが重要
・いわゆるニューツーリズム(エコ、グリーン、バリアフリー等)の分野など、沖縄
の特性を活かした元気ある取組みが光り出している。頑張っている・頑張ろうとし
ている人や組織の取組みが「魅力」となり地域への吸引力となるところ、このよう
な取組みを持続可能なものへと応援するのが観光行政であり、ヒト・モノ・情報の
交流を促進し、街づくり・賑わいづくりといった地域振興に寄与するものである。
このような意義への理解を広く浸透させ、地域や分野における「やる気」の波及・
うねりをつくり出していくことが大切。
・行政による具体的な支援の方法については、各種の制約要因はあろうが、少なくと
も情報の提供・発信面や中核人材の育成面が考えられる。ことに情報の提供・発信
機能はより効果的に活用していくことが可能ではないか。
3
(2)各論
<観光産業関係>
○
旅行業について
∼
リーディング産業との自負のもと、真剣な努力が必要
・移輸出のリーディング産業としての観光は、下請型ではなく地元が主導権を握る地
域主導型観光を目指すとともに、観光ロジスティクス(商品の流通、在庫管理、リ
スク軽減等)を強化する必要がある。すなわち、本土の消費者に対し手取り足取り
世話をして、クルマや電車では行けない離島県に足を運ばせる取組み(人材育成を
含む)で、いわば島国日本が強化しているインバウンド(外客誘致)施策の縮図的
な実践が求められている。
○
県内ホテルについて
∼
全国トップクラス、二分化の傾向、需要バランス崩れず
・県内のホテルは、実質客室単価、販売可能客室一室当たり客室売上げなどの全国ラ
ンキングで上位を占めるほどで、全国トップクラスといえる。
・リゾートホテルの超高級化(ラグジュアリーホテル)とシティホテルのスリム化・
絞込みが進み(ビジネスホテル(さらには宿泊特化型ホテル))、二分化されていく
傾向。
・近年の旅行構造の変化(フロー消費者をストック消費者(*)が上回るなど)を背
景に、リーマンショック等後の回復傾向、新規開業ホテルの計画動向などを安全サ
イドに踏まえるとしても、県内ホテルの採算ラインは維持され、当面、ホテル需給
バランスは崩れないと推計。
*
フロー消費者
;お金に余裕が出たら旅行、時間が取れたら旅行
ストック消費者;旅行に行くお金はある、旅行に行く時間はある
・一流ホテルのホテルマンといったあこがれや希望の対象としての定着を通じて、県
内の雇用につながることを大いに期待。一方で、知識、技術等の能力面や沖縄社会
における職業意識面から、地元採用には厳しい現実があり、実際には、本土出身者
の幹部への採用が多くなる等の傾向にあり、雇用のミスマッチを解消すべく、地元
における人材育成が肝要となっている。
4
<観光資源関係>
∼
ニューツーリズム系、伝統系
○「エステ・スパ」について
∼
沖縄観光の新たな方向付けを与えうる有力要素
・沖縄県エステティック・スパ協同組合は、安全性の確保・クオリティの維持・
向上、人材育成の必要性などの要請から、平成 20 年 6 月に設立。現在、さら
に、施設認証制度の創設等を通じて、沖縄ブランド(ハワイ、タイ等の先進地
にも肩を並べる世界水準のトップブランド)の構築を推進中。
*エステティック;肌や身体を健康的に美しい状態に保持、保護するためのサービス
*スパ;健康と美の維持・回復・増進を目的として、温浴・水浴をベースに総合的なサービスを提供
するもの
*両者の違い;水を使った施術が行われるか否かという点にある。エステティックは、スパにおいて
提供されるサービスの大きな柱の一つとして位置づけることができる。
・近年、リゾートホテルやシティホテル等ではエステティック・スパ機能を持つ施設
が増えており、それを目的とする観光客も見られるようになっている。沖縄は国内
ではエステティック・スパの先進地としての評価が浸透しつつあり、東南アジアか
らも注目を集めるなど、これからも成長が期待される。
・沖縄で強化すべきと考えられる「ウェルネス産業」
(健康サービス産業・健康バイオ
産業を包括した産業)の一つの重要な要素。
・シニア、スポーツ選手、外国人等を対象に、スパはもちろん、リハビリ、高度医療
などを含めた健康志向ニーズを総合的に捉える「健康保養型観光」として沖縄観光
を打ち出せるのではないか。
○久米島のバリアフリーツーリズムについて
∼
バリアフリーで久米島色を構築中、
プラットフォームの好事例
・
(社)久米島町観光協会は、久米島を目的地化するために、旅行弱者のハードル
を取り除くこと(久米島なら旅行に行ける)、地元ならではの地域資源に根ざす
こととして、協会を中心に、ホテル、病院等地域関係者が連携し一体となり、
国や県の事業を活用して平成 19 年度から食物アレルギー対応と高齢者対応に
ついて取組みを開始。今年から旅行会社による商品化を実現。
・専門医の視察、アレルギー学会での報告、久米島での勉強会の開催など来島需
要の広がりが生まれている。
・ホテルシェフが作る見た目も味も満足のアレルギー対応食、食物アレルギーの基礎
力を持つ「久米島コンシェルジュ」による事前相談、万一に備えた公立久米島病院・
救急隊との連携、知的好奇心をくすぐるスローツーリズム(水陸両用車いす等でハ
テの浜も満喫可能)といった各方面の関係者の一体化がポイント。
5
○医療観光について
∼
沖縄においてはリハビリテーション主体のウェルネスツー
リズムが有望
・医療法人タピックは、ユインチホテル南城を核とした沖縄・アジアリハビリテ
ーションセンター計画を、南城市や県の協力のもと進行中。昨年度、中国との
芸術交流事業の一環として、検診等を試みた。
・スポーツ選手もリハビリやトレーニングで多く来ていることからもわかるよう
に、スポーツ観光への広がりも期待できる。
・アジアでは検診、治療、美容整形等のメディカルツーリズムの発展が著しいが、脳
卒中等のリハビリテーション目的のツアーは極小。
・アジア各国はリハビリテーションシステムが未整備であるが、日本はリハビリ医療
が世界一。沖縄はその中でもトップ3の整備地域。競争力を考えたとき、リハビリ
に最適な温暖な気候、地域の理解、アジアとの距離的・心理的近接性などが沖縄の
優越性。
・リハビリの特性から、滞在期間も長くなることが見込まれるとともに、若年労働者
を中心とした雇用創出にもつながる。また、多種多様な生物資源(ウコン等薬草類)
を基にした新医療産業の創出等への可能性を秘め、県政にかなう。
・観光という広がりのある産業に医療が加わることで医療の新しい形を作ることにな
るが、このような取組みは医療側から踏み出すことが適当。雇用創出等を理解材料
に、前向きな気持ちのある医療関係者から取り組んでいけばよい。また、医療業界
と観光業界を結びつける接点の役割を担うコーディネーターが求められている。
○「やんばる」について
∼
沖縄観光の新たな方向付けとして貴重な領域
・NPO法人国頭ツーリズム協会は、平成 19 年 7 月にオープンした「やんばる
学びの森」
(*)の運営を国頭村から受託。学校、学生、指導員等のための環境
教育プログラムを提供するなど地域における環境教育・学習に関わる事業を行
っている。
*
貴重な自然環境を守りながら、豊かな自然の恩恵の仕組みを学び、持続可能な地域とくらしのための
知恵と技術と行動力を育んでいくための環境学習拠点として、トレッキングやカヌーなどの活動を行う
施設
・東村観光推進協議会(平成 17 年設立)は、グリーンツーリズム等を推進中。
ことに、修学旅行生徒の農泊は、年間 5,000 人の受け入れを目標に、農業をお
ろそかにしないこと、本物の農業を体験させることを中心とした身の丈にあっ
た取組みとしている。
・沖縄の従来からのイメージである「海」とは対極の「山」、あるいは「森」、
「森林浴」、
6
「野鳥等の希少生物」などをアピールすることは、沖縄観光に幅を持たせられるの
ではないか。
・自然環境保護や農家体験といった「学習」と結び付けられる有力な資源で、本物の
エコツーリズム・グリーンツーリズムとして一定以上のニーズが期待できる。
・キャパシティに応じた持続性のある観光振興、地域と共生する身の丈の取組みのリ
ーディングケースとして打ち出せるのではないか。
・那覇空港から離れた地理的に不利な条件にある地域の振興につながる。
○「民泊」、「農家民宿」について
∼
モデルとして展開させることが肝要
・
(社)伊江島観光協会は、平成 15 年から民泊事業を開始。修学旅行の新形態と
して定着してきている。最近は需要がとても多く、学校数にして受け入れ可能
な校数の 2 倍ほどに上っており、断らざるを得ない状況になっている。
・農家民宿津嘉山荘(宮古島市)は、早くから体験型ツーリズムを手がけている
が、最近は、待っているだけでお客さんが来る時代は過ぎたと実感している。
情報発信力を工夫するなど顧客獲得努力がますます重要になっている。
・離島振興を期せるひとつの有力な手段。修学旅行先として人気の「離島」ニーズを
汲み残すことのないように、ネットワークづくりなど県をあげての取組みが必要。
・お客は主体的につかみにいかなければならない。自らの、あるいは連携しての情報
発信など顧客獲得努力がますます重要。
○「首里城・美ら海水族館」について
∼
発展の方向性は地域との連携・共生
・
(財)海洋博覧会記念公園管理財団は、観光振興(誘客宣伝、イベントづくり等)、
地域振興(北部地域観光情報支援サイトの運営、地産品の販売促進等)、及び産
業振興(亜熱帯性動植物・首里城に関する調査研究・結果の活用等)に関する
事業を行い、国営公園の管理運営を通した地域連携に努めている。更なる取組
みとして、北部地域との連携強化やMICE誘致を検討している。
・水族館等の施設では、展示の充実と魅力の向上、サービスの向上、誘客活動の
展開などが恒常的な課題。
・沖縄観光の定番スポットの地位は確立されているが、水族館以外は素通りされると
いった批判的フレーズに向き合い、立地する地域全体が潤えるような、地域との連
携による面的発展を期せるような取組みが求められている。
・展示の工夫などの不断の努力により、持続的な魅力発信をしていくことが重要。
7
○「国際通り」について
∼
沖縄観光のメインストリートを維持・発展させる必要
・那覇市国際通り商店街振興組合連合会は、那覇市国際通り県庁駅前商店街振興
組合、那覇市国際中央通商店街振興組合、那覇市国際大通り商店街振興組合及
び那覇市国際蔡温橋通り商店街振興組合の四組合で構成されている。
・近年の郊外型大型店舗の進出及びモータリゼーションの発達により消費者離れ
等が深刻な問題となっている。このような状況の改善に向けて、「人に優しい
街・歩いて楽しい街」とのコンセプトを掲げ、歩行者天国導入推進事業(国際
通りトランジットマイル事業)(平成 13 年度から取り組み、平成 19 年度から
本格実施)、国際通り推奨店制度導入事業(平成 17 年3月∼)等、各種事業に
取り組んでいる。
・トランジットモール化を始めこれまで各種の取組みを行ってきてはいるものの、さ
らなる検討が必要。本土資本と同じような土産物屋が並ぶ。
・地元県民こそが散策するような「通り」が目指すべき方向。
・国際通り背後の奥行きをもっと活用し、回遊性のある散策動線を打ち出すことも一
案。
・クルーズ船が着岸する旅客船バースからのアクセスの良さを最大限活用すべき。
○先島観光について
∼
沖縄本島とは違う観光地として区別して対応すべき、宮古と
八重山は対立関係にはない、各々積極的な取組みを展開中
・
(社)宮古島観光協会では、宮古島市等と協力しながら、宮古島独自の新規イ
ベントを積極的に創出し、スポーツアイランド(大会、イベント等)、エコア
イランド(学習観光・産業観光)といった宮古島観光のアイデンティティを
形成中。
・最近では、青年部による吉本興業等への働きかけにより、TV番組制作等を
通じた絶大な発信力を獲得。
・(社)石垣市観光協会では、新石垣空港開港(平成 24 年度末)に向けて、観
光基本計画をまとめたところ(本年 7 月)。2020 年の目標として、100 万人
(観光客数)、650 億円(消費額)、60%(リピータ率)を掲げた。
・今後、観光インフラとして、ゴルフ場、国際会議場、人工ビーチ等の整備に、
また、外客受け入れ体制として、外国語ガイド育成、標識設置、受入機関の
連絡調整等に積極的に取り組む。とりわけ、新石垣空港建設のため、現在、
石垣島になくなってしまったゴルフ場の整備は誘客の観点から悲願。
・宮古島観光の現状は、観光客数・消費額とも右肩上がりで推移してきたが、観光客
数が 40 万人に届いた平成 17 年をピークに減少傾向。スポーツ大会やイベント、音
8
楽フェスティバル、伝統行事など、島民とのふれあいの中、年間を通じて観光交流
事業に取り組んでいる。
・八重山観光の現状は、観光地満足度では日本一とされているが(日経リサーチ)、観
光消費額がピーク時(平成 11 年)の 7 割程度になり、観光客数も 80 万人になかな
か届かないなど、低迷が長引いている。最近では主に台湾クルーズ船・チャーター
便により支えられている。需給のギャップが狭まらず、最近では、航空運賃と宿泊
のみの低価格商品が多く流通しており、観光による消費額の低下が懸念される。
・本土からの旅行商品の値段については、沖縄本島は 5 万円/人を切る程度であるの
に対し、先島は 7∼8 万円/人程度かかる。そのため、海外旅行との競争との観点
等から、より高い価値が要求される。また、沖縄本島は都市型の観光も含まれ、例
えば、カジノが期待されてもよいかもしれないが、先島はあくまで自然と人情が中
心。パンフレットなどではしっかり区別されるべき。
・一方、宮古と八重山では、航空運賃や空港使用料等のあり方、環境保全のあり方、
海洋レジャーの安全確保など、共同して取り組むことが効果的な課題も多い。互い
にとってよい存在との認識が大切。
9
<観光インフラ等関係>
○沖縄発着のクルーズの可能性について
∼
クルーズの潜在力に注目するとともに、
「沖縄」を組み込む努力が必要
・㈱JTB沖縄は、今年度、大改装されたばかりの「にっぽん丸」
(商船三井客
船㈱)
(2 万トンクラス、定員 500 人規模の小型客船)を使用した沖縄発着の
クルーズ商品をつくり、チャレンジすることにした。
・ハワイ等の島嶼エリアでは島々をめぐるクルーズがあるので、沖縄にも本島
発着のクルーズがあってよいものとの思いからスタートし、沖縄の広さを感
じてもらえるような商品にした。主として本土客を対象にしているが、発売
開始まもない時点から、企業の報奨旅行など引き合いがよい。
・クルーズは、時間と金のある層を対象としたものと考えられる傾向があるが、昨今
は、カジュアルクラスの利用がほとんどであり、フライアンドクルーズも一般的と
なっている。クルーズ人口は、ここ数年、日本人海外旅行者が減少傾向にあるのに
反して増加傾向。ことに、外国船社利用のシェアは大きく、右肩上がりの傾向にあ
る。
・外航クルーズ船のデスティネーションの 5 割以上がアジアで、アジアエリアの乗客
数は高い伸び率で増え続けている。
○「那覇港ウォーターフロント」について
∼
着々と整備が進捗し、状況が大きく変
わろうとしているのでここを活用しな
い手はない
・ナハ・シーパラダイス協議会設立の背景は、ウォーターフロントエリアの賑わ
いを創出するため、イベントやエリアの管理運営等を実施する横断的組織を設
立し、地域の再生を図ること。
・趣旨を引き継いで平成 21 年 4 月に設立した同協会は、現在まで、みなとまち
づくりを担う人材育成や魅力発信・交流事業などとして、クルーズ船内での伝
統芸能披露、歓迎セレモニーや学校との交流、体験学習会の開催、地域資源散
策マップづくりなどを行っている。
・後背地と連携した街づくりという観点から、
「賑わい」を積極的に創出していくこと
が必要。
・大型クルーズ船が入港できる旅客船バースができ、ターミナル等の整備が進行する
中、街の中心部に近いという例の少ないアドバンテージを有効活用すべき。
10
○本部港国際観光港計画について
∼
沖縄北部地域は国際的なクルーズの拠点とし
ての高いポテンシャルを有している
・沖縄北部地域の振興を図るべく、その拠点港である本部港を活用した観光振興計画
を検討してきた本部港観光振興協議会(観光関係の有識者や地元関係者等がメンバ
ーで委員長は小濱哲横浜商科大学教授)は、現在整備中の本部港に大型クルーズ船
が 4 隻着岸できる岸壁 2 箇所(計 4 バース)などを新たに整備する本部港国際観港
の整備構想を本年 4 月までにまとめている。
○「道路」について
∼
新たな動線や拠点の有意な対応・活用を図ることが必要
・道の駅「豊崎」は平成 20 年 12 月に県内 6 番目の道の駅としてオープン。情報
ステーションとJAおきなわ食菜館菜々色畑から構成。
・道路利用者のための「休憩機能」に加え、道路利用者や地域住民のための「情
報発信機能」、道の駅をきっかけに地域が手を結び合う「地域連携機能」、隣接
するレンタカーステーションと一体となって、交通や観光の拠点としての機能
を果たしている。
・道の駅は、地域情報の発信、地域産品の提供などを通じた地域と観光客との接点と
して賑わいの場・地域活力の元となっている。レンタカー等自動車利用がほとんど
の沖縄の観光スタイルでは大変な吸引力を有する。案内表示は重要。
・沈埋トンネルの開通等那覇空港周辺の道路整備が逐次完了していくが、新たな動線
が観光客等に有効に活用されるような取組みが必要。また、高速道路の無料化への
十分な対策も重要。
・空港から那覇市街(明治橋)までの道路での植栽の工夫等による南国ムードづくり
など、観光客のもてなしを意識した演出や景観づくりが重要。
○「二千円札」について
∼
全国レベルでの流通促進で、観光振興への貢献を期待
・2000 年 7 月に九州・沖縄サミットが開催されたことを機に、二千円札が発行され
て、今年は 10 周年を迎える。
・図柄に守礼門を用いた二千円札は「沖縄観光大使」。全国での流通促進により、沖縄
の経済振興(観光)への貢献が期待される。
11
3.今後の沖縄観光の振興のあり方について
(1)基本的な考え方
滞在日数・観光消費額の増加(沖縄に、長く居てもらう、海外を含め富裕層に来て
もらう、繰り返し来てもらう)を図るため、特に、
①時宜にかなった独自色の発揮
(ウェルネス産業が支える健康保養型観光の推進、歴史文化芸能資源やIT
技術の最大活用、環境に配慮した地域づくりなど)
②リピート・宿泊インセンティヴの強化
(周年・記念、ナイトカルチャー等の活用による効果的なMICE(スポー
ツ、音楽、国際会議等の大会・イベント)づくり)
③着地型旅行商品づくりを持続可能にする組織体の形成
(地域公社、NPO等を核とする「観光地域づくりプラットフォーム」づく
り)
④外国人観光客の積極的誘致
(特にクルーズ船対応と中国人観光客の誘致)
に力を入れ、地域競争力をつける。
これにより、経済情勢や不測の事態に一喜一憂しない、島嶼県を支えきる強い(=
持続可能な)沖縄観光を実現する。
12
(2)当面の手立て(本年度に内閣府沖縄総合事務局が関わる主なもの)
上記の基本的な考え方を踏まえて、以下のような事業等を実施していくことにより、
ゲストをはじめやる気のある、がんばっている主体の前向きな取組みと連携して、情
報発信力の強化等の支援を行っていく。
○地域観光マーケティング促進事業(観光庁(継続))
○VJC地方連携事業(観光庁(継続))
③
④
○外国人旅行者向けニューツーリズム等のコンテンツ充実に向けた情報収集・発信(観
光庁)(Visit Japan Year 秋キャンペーン(平成 22 年度)での海外発信)
○沖縄感性・文化産業の構築に向けた基礎調査(内閣府)
○沖縄感性・文化産業研究会(経済産業省)
①
○沖縄ウェルネス産業研究会(経済産業省)
①
④
①
○沖縄観光力強化事業(内閣府本府補助事業(平成 22 年度沖縄特別振興対策調整費))
・緊急プロモーション事業
④
・元気プロジェクト(新たな魅力創出・IT連携受入体制整備)
○沖縄全域観光案内サイン整備事業
④
○エコリゾートアイランド沖縄推進事業
○若年層市場開拓事業
①、②、③
①
②、③
○医療ツーリズム促進事業
①
○文化資源活用型観光戦略モデル構築事業(内閣府本府補助事業)②
・文化資源を活用した地域イベントの事業化支援
13
経済界等民間からの国への主な具体的要望について
○
那覇空港公租公課(着陸料、航行援助施設利用料、航空機燃料税)の軽減措置の延
長と貨物機及び国際線旅客機にも適用拡大
○
中国から沖縄への個人観光ビザの撤廃(離島県である沖縄を全国に先駆けたモデル
地区に)
○
休暇取得の分散化及び連続休暇制度の創設(離島県である沖縄を全国に先駆けたモ
デル地区に)
○
クルーズ船のCIQ検査の時間短縮
○
旅行消費促進減税制度の創設
○
インバウンドの強化
○
外国語ガイドの育成
14
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