資料4 METI 経済産業省 消費生活用製品安全法の PSC制度について 平成20年12月2日 消費者安全に関する検討委員会 製品WG 経済産業省 商務流通グループ 製品安全課 消費生活用製品安全法の体系 製品出荷時 製品使用時 製品欠陥 経年劣化 事前規制 ①対象製品の指定、届出 ②製品の技術基準 ③製品への表示(PSCマーク) ④技術基準違反等の場合の 表示禁止命令、危害防止命 令等 経年劣化対策 (長期使用製品安全点検制度等) 消費者への情報提供・保守 サポートの義務づけ 事故発生時 事故拡大 重大事故の国への報告・公表 義務、危害防止命令 消費生活用製品安全法を改正。 2009年4月1日から施行。 消費生活用製品安全法 2007 年5月より開始。 1 事前規制の概要 ¾ 消費生活用製品のうち、一般消費者の生命又は身体に対して特に危害を及ぼ すおそれが多いもの等について品目を指定し、品目ごとに技術基準を定めて いる。 ○技術基準適合義務 届出を行った製造・輸入事業者は、製品が技術基準に適合することを確認しなければ ならず、その検査記録を保存しなければならない。特定製品は自己適合確認で足りるが、 特別特定製品については登録検査機関による適合性検査を受けなければならない。 ○PSCマークの表示 技術基準にかかる義務を履行した製造・輸入事業者は、PSCマークを表示することがで きる。PSCマークがない製品は流通してはならない。 特定製品 特別特定製品 2 製品出荷後の行政措置 ¾ 製品出荷後の措置として、以下のような行政措置を行うことができる。 ○報告徴収・立入検査 事業者等に業務の状況を報告させたり、事務所、工場、店舗等に立ち入り、製品、書類 等の検査・質問を実施 ○改善命令 技術基準不適合等の場合に、事業者に対して業務の方法の改善を命令 ○表示の禁止 重大な基準不適合、適合性未確認、改善命令違反等の場合に、当該製品の型式の製 品について一定期間表示を禁止 ○危害防止命令 表示のない規制対象製品の販売、重大な技術基準不適合等の場合に、当該製品の回 収等の必要な措置を命令 3 指定製品の規制内容 ¾ 現在、6製品(平成21年4月に3製品の追加を施行予定)を指定し、各品 目について技術基準を策定。 区分 特定製品 特別特定製品 施行 製品名 主な規制内容等 昭50 家庭用の圧力なべ及び圧力がま 圧力がかかった状態で蓋が外れない、使用時の取っての温度 昭50 乗車用ヘルメット 強度の強化 昭51 登山用ロープ 落下衝撃応力及びせん断衝撃力の強化 平21 石油給湯器 空だき防止装置の義務化、一酸化炭素濃度基準値遵守 平21 石油ふろがま 空だき防止装置の義務化、一酸化炭素濃度基準値遵守等 平21 石油ストーブ 不完全燃焼防止装置及び給油時消火装置の義務化、一酸化 炭素濃度基準値遵守 昭51 乳幼児用ベッド 乳幼児の手足が挟まれにくい構造、枠の強度の強化 平13 携帯用レーザー応用装置 レーザー光の強さを規制(クラス1,クラス2) 平15 浴槽用温水循環器 吸入口に毛髪が吸い込む力を規制 は平成21年4月施行予定 4 指定品目の追加・技術基準改正のプロセス① 通常の流れ 平成○年 1 2 3 事 前 評 価 書 パ ブ リ R I A 作 成 ・ 審 査 ク コ メ ン ト 9 10 W T O / T B T 通 報 11 消 費 経 済 審 議 会 製 品 安 全 部 会 の 答 申 平成○年 1 2 3 12 〃 〃 へ の パ ブ リ ッ 消 安 法 施 行 令 ・ 技 術 基 準 省 令 ︶ ︶ 技 術 基 準 省 令 改 正 省 内 審 査 開 始 消 費 経 済 審 議 会 製 品 安 全 部 会 へ の 諮 問 ︵ 技 術 基 準 改 正 内 閣 法 制 局 審 査 開 始 ︶ 消 安 法 施 行 令 改 正 省 内 審 査 開 始 8 ッ 特 定 製 品 追 加 7 ︵ 中 古 事 業 者 を 含 む 専 門 家 等 を 含 め た 技 術 基 準 原 案 の 検 討 ︵ そ の 他 関 係 機 関 へ の ヒ ア リ ン グ ︶ 6 ︵ 販 売 事 業 者 等 へ の ヒ ア リ ン グ ︶ 製 品 事 業 者 等 へ の ヒ ア リ ン グ 5 ︵ 事 故 情 報 に 基 づ き 検 討 開 始 4 ク コ メ ン ト 報 告 消 安 法 施 行 令 閣 議 決 定 消 安 法 施 行 令 公 布 技 術 基 準 省 令 公 布 4 5 6 7 8 9 10 11 12 消 安 法 施 行 令 施 行 技 術 基 準 省 令 施 行 必要に応じて 経過措置期間を 設置 関係者への周知活動 技術基準案の検討 技術基準の検討 5 指定品目の追加・技術基準改正のプロセス② ¾ 実効性のある技術基準を策定するため、製品に対する技術的検討及び製造・ 流通過程を踏まえた調整が必要。 ○事故情報等の分析・評価 ・製品事故やヒヤリ・ハット情報から原因を究明し、技術基準を義務づけることによって 事故リスクの低減が図られるか。 ○製造・輸入業者とのヒアリング ・中小企業者も含めた事業者が技術的に製品改良が可能か。 ・製品改良に向けた生産ラインの対応期間はどれくらいか。 ○販売業者等とのヒアリング ・消費者に大幅な価格転嫁や製品流通量減少による価格高騰を招かないか。 ・流通過程での既存製品の在庫状況はどうか。 ・中古製品の流通にどのような影響があるか。 ○他関係機関とのヒアリング ・技術基準に対応した検査機器又は検査機関の整備状況はどうか。 ・JIS等により標準規格、試験方法が整備されているか。 ○WTO/TBT通報 ・国際規格との整合性はどのように整理するのか。 ・輸入製品において参入規制になっていないか。 6 石油燃焼機器の品目指定・技術基準策定① ¾ 事故情報等から原因分析を行い、規制の実施について評価を行う。 1.石油燃焼機器(石油給湯機、石油ふろがま、石油ストーブ) については、これまで法律等による規制はなく、安全性の 確保については、メーカー等の自主的な取り組みに任され ていた。 2.石油燃焼機器に関する事故は、平成14から18年度の 5年間で1,217件発生しており、うち火災が1,069件と 全体の87.8%を占め、死亡者は148名となっている。 3.事故の原因は、製品の欠陥や不具合によるものもあるが、 消費者の誤使用や不注意によるものも多い。 (空だき・灯油タンクのふたの締め忘れ等) 事故の原因分析 石油給湯機 製品欠陥 34% 不明 29% 空だき 1% 経年劣化等 21% 設置不良 2% 周囲の可燃物 3% 煙突 8% 石油ふろがま 空だき 19% 不明 37% 特定製品への指定 消火せずに給油 1% 煙突 3% 設置不良 5% 周囲の可燃物 11% 石油ストーブ 不明 22% 洗濯物 20% その他 12% フタの締め忘れ 16% 製品欠陥 0% 事故の未然防止 空だき 経年劣化等 周囲の可燃物 設置不良 煙突 消火せずに給油 その他 不明 経年劣化等 13% その他 11% 【技術基準の作成】 ①製品自体の安全性の向上 ②消費者の誤使用や不注意を招きやすい 構造や機能に対し、安全基準を設ける 製品欠陥 経年劣化等 煙突 周囲の可燃物 設置不良 空だき その他 不明 その他 2% ワンタッチフタ 1% 経年劣化等 1% 周囲の可燃物 16% ガソリン誤給油 天板上で煮炊き 消火せずに給油 1% 4% 7% 洗濯物 フタの締め忘れ 周囲の可燃物 ガソリン誤給油 消火せずに給油 天板上で煮炊き 経年劣化等 ワンタッチフタ 製品欠陥 その他 不明 (平成14年度∼平成18年度 NITEの事故情報より) 7 石油燃焼機器の品目指定・技術基準策定② ¾ 製品に対して技術的検討を行い、事故リスクを低減させる技術基準を策定。 〔石油給湯機〕 ・ ・ 空だきによる火災事故の防止のため、空だき防止装置を義務化 一酸化炭素中毒による事故の防止のため、排気ガスの一酸化炭素濃度基準を強化 〔石油ふろがま〕 ・ ・ 空だきによる火災事故の防止のため、空だき防止装置を義務化 一酸化炭素中毒による事故の防止のため、排気ガスの一酸化炭素濃度基準を強化 〔石油ストーブ〕 ・ 一酸化炭素中毒による事故の防止のため、一酸化炭素濃度基準の強化(対流用送風機を有するものに ついては、不完全燃焼防止装置の義務化) ・ 一酸化炭素中毒による事故の防止のため、不完全燃焼防止装置に不完全燃焼通知機能及び再点火防 止機能を義務化 ・ カートリッジ式灯油タンクのキャップの締め忘れによる火災事故の防止のため、締まったことの確認 ができる仕様(音、目視や感触で判断できる)の義務化(強制通気形開放式、自然通気形開放式) ・ カートリッジ式タンクを有するものの火災事故の防止のため、本体から引き抜いたときに、自動的に 消火する機能(給油時消火装置)を義務化 石油給湯機 石油ふろがま 石油ストーブ※ 石油ファンヒーター※ ※石油ストーブに分類 8 石油燃焼機器の品目指定・技術基準策定③ ¾ 製造・輸入業者の製品改良への対応期間や市場における流通状況を踏まえ、 施行日及び経過措置を規定。 平成19年 4月 事故情報等に基づき検討開始 12月10日 消費者経済審議会製品安全部会への諮問 12月25日 消安法施行令案 パブリックコメント実施 平成20年 3月14日 3月21日 3月25日 3月26日 消費者経済審議会製品安全部会の答申 消安法施行令 閣議決定 技術基準省令案 パブリックコメント実施 消安法施行令 公布 7月23日 技術基準省令 公布 平成21年 4月 1日 消安法施行令・技術基準省令 施行 平成23年 3月31日 販売に関する経過措置終了 9 今後の検討について ¾ 高齢者における事故が発生しているハンドル形電動車いすについて、指定製 品として指定すべく、消費経済審議会に諮問を行っている。 (平成20年6月24日諮問。平成21年3月答申予定。) 検討における主な関係者 <製造、販売メーカー等> ・電動車いす安全普及協会 ・電動車いす製造メーカー ・日本福祉用具 ・生活支援用具協会 ・(社)日本福祉用具供給協会 ・レンタル事業者 <政府関係機関> ・警察庁(道路交通法) ・厚生労働省 (障害者自立支援法、介護福祉法) ・国土交通省(バリアフリー) ・経済産業省(JIS 等) ・(独)製品評価技術基盤機構 (事故情報、調査報告書 ・(独)国民生活センター (調査報告書 <使用者等> ・ケアマネージャー ・ソーシャルワーカー ・社会福祉法人 日本身体障害者団体連合会 等) 等) 検討のポイント ・速度制限 ・安定性 ・安全装置 等 10 (参考) 技術基準の具体例(携帯用レーザー応用装置) 経済産業省関係特定製品の技術上の基準等に関する省令 (昭和49条3月5日通商産業省令第18号)(抄) (具体例) ・携帯用レーザー応用装置(レーザー光(可視光線に限る。)を外部に照射して文字又は図形を表示することを目的として設計した ものに限る。以下「携帯用レーザー応用装置」という。) 1(1) 次に掲げる要件のいずれにも該当するもの(外形上玩具として使用されることが明らかなものを除く。)にあっては、日 本 工業規格C6802(1998) レーザ製品の安全基準3.15クラス1レーザ製品又は3.16クラス2レーザ製品であること。ただし、単 3形電池の体積の2倍を超える体積を有する電池を使用する場合には、③及び④の規定は、適用しない。 ①全長が8センチメートル以上であること。 ②質量(使用する電池の質量を含む。)が40グラム以上であること。 ③使用する電池の形状が単3形、単4形又は単5 形であること。 ④使用する電池の数が2個以上であること。 ⑤通電状態にあることを確認できる機能を有すること。 (2) (1) のもの以外のものにあっては、日本工業規格C6802(1998)レーザ製品の安全基準3.15クラス1レーザ製品(その放出 持続時間が9.3e)時間基準3)を満たすものに限る。)であること。 2 出力安定化回路を有すること。 3 スイッチの通電状態を維持する機能を有さないこと。 4(1) 届出事業者の氏名又は名称及び国内登録検査機関又は外国登録検査機関の氏名又は名称が容易に消えない方法に より表示されていること。ただし、届出事業者の氏名又は名称及び国内登録検査機関又は外国登録検査機関の氏名又は 名称は、経済産業大臣の承認を受けた略称若しくは記号又は経済産業大臣に届け出た登録商標をもって代えることがで きる。 (2) レーザー光をのぞきこまないこと、レーザー光を人に向けないこと(日本工業規格C6802(1998)レーザ製品の安全基準 3.15クラス1レーザ製品(その放出持続時間が9.3e)時間基準3)を満たすものに限る。)のうち、カメラにおいてその焦 点を自動的に調節することを目的とした装置の部品であつて、レーザー光を連続して照射する時間が3秒未満であるものを除 く。)、1(1) のものにあっては子供に使わせないことその他の安全に使用する上で必要となる使用上の注意事項の表示が、 容易に消えない方法により適切に付されていること。 ※クラス1 クラス2 λ=400∼500nm、t=104∼3× 104s の時 λ=550∼700nm、t=104∼3× 104s の時 λ=400∼700nm、t≧0.25s の時 390nW以下 12.3μnW以下 1mW以下 11
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