社内公用語と機械翻訳

社内公用語と機械翻訳
-英語公用語化で情報を歪めるな-
成田 一
大阪大学大学院言語文化研究科教授 PROFILE
英日対照構造論、機械翻訳、言語計画専攻。著書『名詞』( 研究社 )、『こうすれば使える機械翻訳』( バベルプレス )、『日本
語の名詞修飾表現』( くろしお出版 )、『ことばは生きている』(人文書院)、『パソコン翻訳の世界』( 講談社 )、『私のおす
すめパソコンソフト』( 岩波書店 )、『英語リフレッシュ講座』(大阪大学出版会)のほか論文、新聞や専門誌、雑誌の記事多数。
●●●●●●●●●●●●●●●●●● 1
社内公用語を英語に?
●●●●●●●●●●●●●●●●●●
はしないのだ。
それに英語が世界の共通語であると言っても、アフリ
カやアジアの旧植民地2 でかつ多民族多言語であること
楽天、ユニクロが 2012 年を目処に「英語を社内公
から、英語が多民族間の通用語として行政や生活に根付
用語化する」と発表した。グローバル化に伴う海外展開
いている地域と日本、韓国、(長期に植民地化された香
を睨んで、「社内の会議、文書に英語を使う」というの
港を除く)中国、ベトナム、タイなど、英語があくまで
だ。残念ながら、TV の報道番組のキャスターや新聞の
も外国語としての地位しか占めない国々では全く事情が
社説なども、これが日本の企業が世界を相手に事業展開
違う。
するにあたって目指すべき方向ではないかとする見解が
たとえば、日本企業の海外展開において今後最も重
多い。どうも「グローバル化と言語の関係」を勘違いし
要になっていくと考えられるのが中国だが、現地の工場
ているのではないだろうか。「英語を使うこと=グロー
や企業では、日本からの派遣社員も現地社員との討議や
バル化」ではない。
打ち合わせには中国語を使うか通訳を介して日本語を使
(英米の旧植民地など)海外で英語を共通語とするの
う。英語の入る余地はない。
が現実的な地域もあるが、国内の本社は別だ。楽天、ユ
日本国内で働く外国人の構成から見ても、英語以外の
ニクロは役員に外国人はいないし、一般社員も欧米人は
言語が圧倒的に優勢だ 3。「漢字や名詞句の内部構造が
少ないのに、全ての会議を英語でするのは、活発な意見
日本語に近い」中国語や「文法・
(漢字由来の)語彙が日
のやり取りや内容の掘り下げが難しいなど、弊害が大き
本語に酷似する」韓国語を母語とする社員からすると、
い。多くの国々(27 カ国)から成る欧州連合 (EU) で
日本語が社内公用語である方が言語習得・習熟の容易さ
も、自国の社員同士の会議や打ち合わせにおいて外国語
と通用度という面で遥かに現実的なのである。このよう
で討議する企業はない。外国人がいるときだけ、通じる
に、「グローバル化=英語使用」でないことは明らかな
言語に切り替えるのだ。欧州連合の場合、「母語以外に
のだが、「英語を社内公用語化する」という企業の社長
二つの外国語を習得させる」とする言語政策があり、第
一外国語に英語を選ぶのが一般的だ1。このため、国際
会議では英語を共通語として使えるが、議事の文書は加
盟国の言語(EU の 23 公用語)に翻訳される。発言も
母語で構わない。英語や仏語、独語、西語など主要言語
に通訳される。行政も企業も、共通語だからといって、
(楽天のように)「英語でのみ文書を残す」という選択
262
25th ANNIVERSARY
1 第二外国語には母語に近く習得の容易な親族語か経済的に有
利な仏語や独語など大国の言語が選ばれる傾向にあり、少数
民族の言語が他民族に選ばれることは少ないのが実態だ。
2 南アフリカやインドのように多民族・多文化・多言語の国
においては、国内の民族間の共通語が英語であり、相互の
意思疎通に英語を使うことが不可欠である。
3 南米からの日系労働者は英語ではなくスペイン・ポルトガ
ル語(どちらも方言関係の言語差しかない)だ。
日本人が英語を使う場合には、リアルタイムの脳内処
より日本語に習熟している」実情への認識を欠いた短絡
理において、チャーチルやこのスウェーデン人議員より
的な発想と理念しか持たないのであろうか。
遥かに不利な状況に置かれる。フランス語は語順や文構
寄稿集 機械翻訳技術の向上
はそうした(欧米系以外の)外国人を含む社員が「英語
5
造さらには(歴史的経緯から)高級語彙のほとんどが英
脳における思考と言語
語と同じであり、スウェーデン語は近い親族関係なので
「ネイティブが交じる会議は英語にする」というの
語順や文構造のほかに基本語彙が英語に関連する。この
も、合理的なようで、実は問題がある。脳の思考活動は
ため、脳内における処理方向も一緒なので、言語処理の
ワーキング・メモリー(作業記憶) の機能によって遂
負荷が少ない。これに対し、日本語は英語とは基本成分
行されるが、複雑な内容になると、日本人は(母語とか
の語順が逆で文構造も全く違う。処理方向も反対なので
け離れた特徴を持つ外国語の聴取・理解や発話における
脳内処理に負荷が大きくかかるのだ。
4
文構成など)言語処理に脳の作業記憶の多くが占有さ
英語にある程度習熟していると、職場での「日常的
れ、(論点を分析し対案を提示するなど)論理的な思考
なやりとり」では、相手の話した英語はそのまま理解で
への割り当てがあまりできなくなる。会議でも英語を聴
き、即座に英語で応えられる。思考過程でも日本語は介
き取ったり発話を構成する作業 に気を取られ、討議の
在しない。ところが、そうした人でも、会議などの場で、
中身をじっくり考えることができない。
相手の英語の内容に論理的に反論しようとして「複雑な
5
一方、母語であれば、聴取や発話構成などの言語処理
内容を英語で話そうとする」と、一旦は「内容を整理・
は意識下でほぼ自動的に行われ、ワーキング・メモリー
概念化する際に日本語が介在し、それを踏まえ英語の発
にはあまり負荷がかからないので、余裕を持って思考に
話構成に取り掛かる」という二段階ステップを踏むこと
振り向けられる。このため、英語を母語とするネイティ
が多い。いきなり「英語で概念化し英語の発話を構成す
ブ主導の討議になってしまう危険性が高いのだ。実際、
る」という直接的なルートになりにくいのだ。帰国子女
「国際会議で頻繁に発言し精神的に有利な立場で交渉を
などを除いて、会議などにおける込み入った内容の討議
進める」という報告もある。
において「英語で考えて英語で意見を述べる」域に達し
英国の宰相チャーチルは首脳会談では英語を通した。
ている日本人が果たしてどれだけいるのだろうか。
フランス語は堪能だったが、「フランス語を使うとフラ
英語を使えるのは企業戦士の武器になるかもしれない
ンス人もどきの思考回路になり相手のペースに巻き込ま
が、英語と親戚の北欧語を母語とし、かつ英語に堪能な
れてしまう」らしい。欧州議会のスウェーデン人議員も
場合でも、英語で討議するとなると本当に言いたいこと
「英語で話すと、思うように言葉が使いこなせないせい
が言えないという現実がある。英語とは真逆の処理構造
で、本来自分が言いたかったことではなく、自分の英語
の日本語を母語とする日本人にとって、英語が超えがた
で表現できることしか言えない」と述べている。
い言語の壁になり、リアルタイムでの実務交渉では極め
て大きなハンディを背負うことを軽視してはならない。
4 ワーキング・メモリー(作業記憶)は長期記憶の情報にア
クセスしながら情報の分析・整理・統合を行うが、リアル
タイムの処理の時間(15 秒以内)と容量(数字で 7、文
字で 6、単語で 5)には厳しい制約がある。
5 英語の発話を構成する際には、概念の構成だけでなく、動詞
が that 節を取るのか if 節か、to 不定詞か、動名詞かな
ど構文情報を考えながら、概念を言語表現に実現する作業
を行う。名詞や形容詞の語彙選択もある。日本人はこうし
た作業を意識的に行わなければならない。
6 重要会議は同時通訳設備のある部屋で開かれる。
英語を使うことで思考力が弱まり、実務に支障をきたす
のであれば、通訳を使えば良いのだ。
米露、日韓など二国間首脳会談は必ず通訳を付ける。
国連総会でも演説は自国語で行い、同時通訳が6公用語
(英・仏・西・露・中・アラビア語)に通訳する。欧州
6
連合の閣僚級会議 には通訳が介在し議事録も 23 の公
用語に翻訳される。加盟地域の民族の言語を尊重すると
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263
いう大義だけでなく、使用言語により不利を被る事態を
という理念の下にあっても、23 公用語全てについて、
回避する(母語使用を保障する)「言語権」のためでも
通訳を行うことは通訳者の養成・確保の面でも、翻訳の
ある。「英語を社内公用語化する」という企業には「グ
精度の面でも困難がある8。そこで、現実的な方策とし
ローバル化を履き違えるな!」と言いたい。
て、欧州議会などの重要会議では完全な通訳態勢をとる
にしても、専門部会についてはそこに参加する上級公務
情報の正確な共有
員に高度な英語力を義務付け、「発言は自国語で行う権
「情報を正確に共有する」という問題も重要だ。母語
利を保障するが、主要言語以外での委員の発言は主要言
ならば可能になる深い内容の討議が、外国語を使ったの
語(英仏独語)への通訳によって理解する」ような「通
では困難であり誤解を生み易い。日本の会社で外国語を
訳の機能的差別化」が提案されている。(これは外国語
公用語にすると、多くの社員の間で「情報が正確に共有
の理解力と発話力には通常隔たりがあることを踏まえた
できない」恐れがある。外国語の習熟レベルによって、
もので、主要言語以外の言語を母語とする委員が言語的
情報格差(ないし情報歪曲)が起こり得るのだ。日本企
な負担なく意見を述べられるように配慮したものであ
業の社員の英語力からすると、オーラルな実務英語だけ
る。)
でなく、文書の英語にしても正確に理解されるとは限ら
ない。
また、同じ欧州の言語でも、南欧では仏語、北・中欧
では独語、東欧では露語の影響力が大きく、地域内での
テレビのニュース番組で放映された楽天本社の英会話
言語的な関係も濃密で方言程度の差異しかない。こうし
の授業では、ネイティブの “What do you do?”(「業
た欧州諸言語の地域的特性に基づき、「会議の開催され
務内容は何ですか」)という問いに対して、“I’m …”
る地域の言語を優先言語とする」という提案もある。た
で少し間を置いて“businessman! ”と力んでズレた
とえば、北海油田の採掘についての会議であれば、北欧
答えをするなど、国際ビジネス英語力テスト TOEIC の
語を優先し、地中海の漁業に関する会議では南欧語を優
成績 が 450 点(ごく初歩的な最低限の会話力)も疑
先するのである。
7
わしいレベルの簡単なやりとりに終始している。とても
社長の掲げる英語社内公用語化の目標年度 2012 年ま
現実的な社内公用語化を
でにオーラルな英語で実務ができるようになる見込みは
仏ルノーと提携した日産自動車も既に英語を社内公
ない。楽天では、毎日、英語で朝会をしているというこ
用語化し、社長や役員に外国人のいる役員会議は英語だ
とだが、どこまで社長の話の内容が伝わっているのだろ
が、社内の日本人社員同士の会議や打ち合わせは日本語
うか。
だ。現実路線なのである。キャノンやソニーのように、
欧州連合における多言語・複言語主義と言語権の保障
外資が 50%前後で役員にもネイティブが多い場合に
は、会議が英語でも合理的であると言えるだろうが、発
7 TOEIC の成績(990 点満点)と英語でのコミュニケー
ション能力の関係だが、英語が苦手な大卒者は 300 点に
満たない。大卒新入社員の平均が 450 点- 470 点(英
検準 2 級下位)で「会話が最低限できる」、600 点(英
検準 2 級- 2 級)までが「基本的な会話ができる」、
730 点(英検 2 級上位)までが「限られた範囲で業務が
できる」、860 点(英検準 1 級‐1 級)までが「ほぼど
の業務もできる素地がある」という評価だ。
8 主要言語間の通訳でない場合は、「ブリッジ通訳」ないし
「リレー通訳」を行う。たとえば、ギリシャ語を英訳して
からデンマーク語に訳すという方式だ。
264
25th ANNIVERSARY
言の公平性を図ろうとすれば、通訳を介するという対処
もある。
楽天やユニクロでは、外国人がいないのに役員会を英
語でしているが、英語に堪能な社長の独壇場で、ほかの
役員は大方がまともに反対意見も出せないのではないだ
ろうか。ほかの会議も英語で行うというが、社員の英語
力を考慮すると不見識極まりない方針であり滑稽ですら
ある。楽天の社長は、自身だけでなく母親も米国の小学
外国語、32 年から部長級への昇進に 2 外国語の習得
ブ並みに話せ英語で思考できるが、社員はそこまで恵ま
を条件とすると発表したが、英語公用語化は考えていな
れていない。(日本の大卒新入社員平均の)450 点未
い。世界 28 の国・地域での事業展開に対応できる人材
満の社員も少なくない実情を考慮しない社長の個人的な
を育てることが目標だ。英語だけでも実務レベルの実力
思い込みが、「自由闊達な議論をなくする」ことが危惧
をつけるのは日本語母語話者にとって困難なのに、もう
される。
一つの外国語10 となると過重な負担になり、本来の業
寄稿集 機械翻訳技術の向上
校で英語を習得したという恵まれた環境に育ちネイティ
5
務に支障がでる恐れがある。
英語力と就職・昇任
「母語との言語差が極めて大きいことで、相当努力
実務をこなすレベルの英語力を昇進の条件にした場
しても英語の運用力が伸びない」という日本人が背負う
合、『仕事はできるが英語ができない』人よりも『仕事
ハンディを考慮すると、「世界を相手にする企業は社員
はできないが英語はできる』人が社内で高い地位に就く
が英語を話さなければならない」といった短絡的な信条
ことになる可能性は否定できない。
に振り回されるのではなく、「適材適所」ということを
TOEIC テストの昇進基準はパナソニック:550 点、
念頭に、「社員の能力を最大限に生かす職場環境を整え
ソニー:650 点だが、これで実務ができるわけではな
る」ことが企業の発展につながる。英語運用力は海外企
い。一般に日本企業の採用時の基準は 600 点− 700
業との折衝を担当する部門の社員に求めれば良いこと
点(英検 2 級相当)が多い9。だが、少なくとも 800
で、商品設計やデザイン、経理や広報、ユーザ・サポー
点(英検準1級、TOEFL570 点相当)程度ないとネイ
トなど、英語を使わないで済む部門の社員には英語学習
ティブを相手に実務的な討議はできないとされる。当
の負担を押し付けるべきではない。むしろ、そうした負
然、国際広報や貿易などを担当する部門ではこれより高
担がストレスを引き起こしたり、本務に集中する時間と
い基準になる。韓国の総合電気産業サムスンと LG は入
気持ちの余裕を失くすることにつながるとしたら、社員
社時の平均が 900 点(英検準1級上位−英検 1 級、
のやる気と業績の低下を招くのではないだろうか。
TOEFL620 点相当)で足切りが 800 点だ。実務には
このレベルが必要という認識なのだ。
教育行政の誤謬
自動車部品メーカ「ユーシン」が海外生産を視野に、
英語運用力を過度に重視する企業の勘違いは、文科
「英語での交渉力」を条件に社長を公募しメディアでも
省の教育行政の誤謬と軌を一にする。「英語の使える日
注目されているが、社内に英語力のある幹部がいないこ
本人の育成」構想に沿って、文法や読解が大幅に削減さ
とが公募のきっかけであったとされる。しかし、英語が
れ、オーラル・コミュニケーション偏重への流れが進み、
堪能だからといって経営手腕を期待することはできな
昨年には、高校の学習指導要領で「授業は英語で行う」
い。欧州人と違い、日本人で英語での交渉に長けた人材
という基本方針が示された。ところが、「授業は英語で」
は、稀少な存在だ。海外との交渉に当たっては、英語で
という意見は中央教育審議会の外国語専門部会の議事録
あれ中国語であれ、通訳を介するのが基本だ。いわば通
には記載がない。委員間で討議もされていないのに、文
訳に社長の座を与えるようなことは本末転倒な措置であ
科省の役人が勝手に仕立てた方針なのだが、学校現場で
る。
はこの方針を巡り混迷を深めている。
日本電産は平成 27 年から課長代理以上への昇進に1
どの教師にも英語で授業ができるのかと言うと、指示
9 600 点 - 富 士 通、NEC, 三 井 物 産、 住 友 商 事、 丸 紅、
700 点-旭化成、ブリジストン、キリンビール、東京電
力、伊藤忠商事、730 点-日本 IBM 次長、三菱商事課長
10 日本人でも、英語に習熟していれば、フランス語など近
似言語の習得は比較的に容易だ。また、日本語に酷似する
韓国語は短期間で習得できる。
YEAR BOOK 2O1O
265
や質問、そしてコミュニケーション科目の教科書に出て
いる場面ごとの定型的な表現を英語で言うことができた
としても、英文の内容や背景文化や社会制度などの解説
2
機械翻訳の有効活用
や表現の文法説明を生徒に分かるような英語でできると
社員は母語で情報を正確に把握するという原則で、日
は考えにくい 。また、仮に教師が英語で説明したとし
本語の文書やメールは英語や韓国語、中国語などに翻訳
ても、その英語を聴き取り理解する生徒は何人いるのだ
して外国人社員に周知するのが良いが、その時に機械翻
ろうか。日本の平均的な公立高校の生徒の英語力を考慮
訳ソフトを利用することが翻訳の時間と費用負担を抑え
すると、落伍する生徒が満ち溢れる事態が想定される。
るのに有効だ。「専門用語などの訳語の信頼度が高くな
ゆとり教育を推進した文科省の役人は学力低下の責任を
るほか、訳語に揺れを生じない」という統一性の確保が
取らないままに私大の教授に天下りしたが、「英語で授
でき、処理速度が速い点でもメリットがある。翻訳ソフ
業」を方針とした役人も責任を取るとは思えない。
トで粗訳を行い、翻訳部門の翻訳者が仕上げをするとい
11
オーラル・コミュニケーション偏重の学習指導要領の
う工程になる。
下で3年間学習した最初の高校生がセンター試験を受験
ただし、日本の上場企業で働く一般業務の韓国人、中
した 97 年には、成績が偏差値換算で 10 点急落(吉村
国人に関しては、日本語能力検定試験で 1 級ないし 2
ほか 2004)し、中学生も高校入学時の成績が 95 年
級の保持者が多いので、文書の翻訳の必要はない。翻訳
から 11 年間で7点低下(斉田ほか 2003, 2006)し
ソフトを使うとすれば、一般に日本語力の低い欧米人や
た、との研究報告もある。
(IT など)技術系のインド人などが対象になるだろう。
日本語とかけ離れた言語的な特徴を持つ英語習得に
海外支社からの文書やメールでの連絡を日本の本社で
は、文を構成し理解する仕組みとしての文法は不可欠で
日本語に改めて情報共有を図る際にも、機械翻訳の利用
あり、これが英語運用力の基盤となる。これが脆弱なま
が時間と経費の削減に不可欠となる。日本にいる外国人
までは「読み書く」どころか「聴き話す」能力も育つは
社員の場合は、日本語と外国語の文書を対訳形式で提示
ずがない。文法を疎かにし発音教育を怠ってきた近年の
することが、意味の確認だけでなく日本語習得にも好影
英語教育は英語力の急激な下降をもたらした。発音のメ
響を及ぼすだろう。
カニズムを理解・体得
12
させることで、聴き話す能力
は飛躍的に向上する。経済界や世間の声に惑わされず、
言語教育の原点に返って、基盤能力を育てる英語教育が
望まれる。
通訳システム
会議に通訳システムが利用できれば英語での会議も問
題なさそうだが、現在開発されている通訳ソフトは、①
(旅行先での買い物など)特定の場面で使う表現の「用
例データ」を利用し(日付や固有名詞などの)可変部分
を変数として処理する機能と②汎用性はあるが、もとも
と「書き言葉用の文法規則」により翻訳する仕組みだ。
11 外国語教育をその言語で行う欧米でさえ、文法など複雑
な内容の説明は母語で行うのが原則である。
12 英語は、個々の音声が日本語と大きく異なるだけでなく、
他の欧州諸語にも見られないほど発音がダイナミックに変
化する。このため、そのメカニズムを説明し、自動的に発
音できるまで訓練しなければならないが、オーラル・コミュ
ニケーションを偏重しながら、教職課程において「音声学」
の取得が義務付けられていない。
266
25th ANNIVERSARY
ある程度までは口語に特有な「つなぎ言葉」や文末表現
の文法を組み込むことにより「話し言葉用の文法規則」
に改変して翻訳精度を上げている。
しかし、音声認識が 95%以上できたとしても、翻訳
処理そのものは、認識対象となる発話に「言い淀み」
や「言い間違い」を随所に含むことから、英日翻訳で
寄稿集 機械翻訳技術の向上
85%前後、日英翻訳だと省略が多いこともありせいぜ
い 75%前後に留まり、なかなか実務には使えない。た
① I saw a girl [with a telescope].
だし、場面・状況によっては、それに対応する表現も対
→ J’ai vu une fille [avec un telescope].
訳データに豊富に含まれるので、そのまま使える訳文に
→ 「[ 望遠鏡で ] 女の子を見た」
なることも少なくない。
「[ 望遠鏡を持った ] 女の子を見た」
5
② 「可愛い女性の靴」
翻訳精度と文脈処理
翻訳ソフトの精度は、一義的には、①「文法・語彙に
→ 「可愛い女性」「可愛い靴」
③ 「[ きれいな瞳 ] の女性」
用例データを加えたシステム」による言語処理能力で決
まる。だが、言語差が大きい場合には、修飾関係の曖昧
①の場合のどちらになるかは確率的には 50% だ。②
さを解消する②「文脈処理機能」がなければ、適切な翻
の場合、工学的には修飾語に近い名詞を被修飾語と選ぶ
訳ができない。
「近接原則」を設定できるが、統計的には 65%ほどの
日本語では「文脈上同一指示の要素が現れる場合、こ
正解にしかならない。一方、③の場合は言語的な条件で
れを削除する」という談話上の任意規則があるため、原
修飾関係が決定できる。「身体の一部」は誰もが持つも
文に主語や目的語などの主要成分が欠落したものが多く
のであり、その弁別的な特徴の記述が不可欠だ。「瞳の
含まれ、「文脈情報から欠落成分を復元する」仕組みを
女性」では意味がないため「きれいな」は「女性」では
持たない機械翻訳では、適切な英文に翻訳できない。こ
なく「瞳」を修飾すると決定できるのだ。
れに対し、英文では「文脈上同一指示の要素が現れる場
合、これを(削除するのではなく)代名詞に換える」と
ただし、分野によっては、ある種の構文が、特定の修
飾関係になるというケースもある。具体例を見よう。
いう談話上の規則がある。このため、翻訳対象の文に主
語や目的語などの主要成分の欠落が見られない。欠落成
[化学論文の例]
分を復元する必要がない点で、英日翻訳は日英翻訳より
翻訳率が 5 〜 10%高くなる。
ただ、英日翻訳にしても日英翻訳にしても、文脈情
Water crystallizes to form snow.
結晶化の結果、雪が形成される
報を活用する仕組みがないことから、翻訳精度の壁は残
る。それは修飾関係が曖昧な構造を文脈に沿った適切な
関係に翻訳する保障がないことだ。
化学論文では、不定詞表現は 80% 以上の確率で「結
ただし、文書の種類にもよるが、日英翻訳は 82 〜
果」の表現となる。そういうものを組み合わせていく
86%程度の精度に留まるので、翻訳対象言語に精通す
と、本格的な知識処理システム、文脈情報処理機構がな
るスタッフによる修正が不可欠だ。これは翻訳が語彙や
くても、ある程度まで多義性の問題を克服出来るだろ
構造の言語処理だけでなく、文脈に応じた語義や修飾関
う。これは英語と日本語のように大きな言語差がある場
係の選択という知識処理に依存する面があるためだ。
合は問題になる部分だが、英語⇔欧州言語、日本語⇔韓
たとえば、下記の例では、英文の前置詞句が動詞か名
詞のどちらを修飾するか決定しないと日本語への翻訳は
国語のような極めて近い言葉の場合には、曖昧なままで
翻訳が成立するので問題にならない。
成立しない。しかし、フランス語への翻訳ならば、どち
曖昧性の解釈は読者やユーザーがやればいいことで、
らか選ぶ必要はなく、英文と同じ曖昧性のある文に翻訳
(①のように)英語の原文が曖昧でも、フランス語にその
すれば良い。
まま曖昧さを持たせて訳して構わない。それで翻訳が成立
YEAR BOOK 2O1O
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する。ところが、日本語に訳すには、修飾関係を決定しな
で多義文になっていたとしても、翻訳文はその多義を維
いと訳そのものが出せない。それが言語差の大きい場合と
持している。どの意味かの判断は読み手がするのである。
小さい場合の機械翻訳における大きな違いなのだ。
英欧翻訳 英語と欧州主要語(フランス語、スペイン
語、ドイツ語、ロシア語)との間の翻訳も、言語的な近
完成度の高い翻訳ソフト
さから、実用的な精度になっている。文書の分野や文体
近似言語間の翻訳は精度が高い。これは対象となる言
にもよるが、英仏翻訳、英西翻訳が 93%〜 98%、英
語が、①文法構造だけでなく語彙面でも共通性が認めら
独翻訳が 90%〜 95%、英露翻訳が 85%〜 90%程
れるなど、高い精度の言語処理が設定できるほか、②文
度の精度がある13。これだけ高い翻訳精度だと、翻訳者
を構成する要素間に修飾関係の曖昧性がある場合でも、
が文脈を考慮して、若干の手直しを施すことで済むこと
要素の配列などが同じことから、その曖昧性を引き継い
から、多言語への翻訳が必要な欧州連合における翻訳業
だまま、翻訳が成立するためである。
務では、機械翻訳を第一工程に入れている。
日韓翻訳 日韓翻訳は 95%以上の精度になるので、へ
なお、欧州諸語と日本語との翻訳ソフトは開発されて
たな翻訳者の訳より精度が高いという評価もある。これ
いないが、欧州諸語から一旦英語に翻訳してから日本語
だけ精度が高いと、メール通信に日韓翻訳ソフトを介在
に翻訳する(ないしはその逆の)工程の翻訳を行えば、
させれば、日本語のメールを送るのに数秒遅れで韓国語
言語対にもよるが、欧日方向で 75 〜 85%、日欧方向
のメールに変換されて相手に届く。リアルタイムの翻訳
で 65 〜 75%ほどの精度の訳文が期待できる。こうし
が実現するのだ。一旦日韓翻訳ソフトで韓国語に翻訳
た中間言語を介在させた翻訳を「ブリッジ翻訳」ないし
したものを韓日翻訳ソフトで日本語に翻訳し(「逆翻
「リレー翻訳」と言う。
訳」)、原文の日本語と対照すると韓国語が分からなく
ても誤訳部分が発見できる。
欧州諸国の言語は、(インドにまで及ぶ)印欧語族
という大きな言語グループに属し、(ドイツ語などを含
もっとも、韓国語訳が正しいのに、韓日逆翻訳に際
む)ゲルマン語派、(フランス語などを含む)ロマンス
して、韓訳に含まれる同音異義語の機械的な選択によっ
語派、(ロシア語などを含む)スラブ語派に大別される。
て誤訳が起こる場合もある。入力文の語彙が表音文字の
同じ語派の言語差は方言レベルに留まり、相互に意思疎
ハングルで記されているため、漢語をベースにした語彙
通ができることが多い。
の多い韓国語には同音異義語が多く含まれ、正しく元の
英語は本来ゲルマン語派で名詞や動詞の活用が複雑
語彙に翻訳される確率が、ハングルの表す音に対応する
だったが、14 世紀にはそうした活用を失い、文法関係
異義語の数だけ減少する、ということだ。これは表音文
を語順で表すようになった。また、11 世紀にはフラン
字ハングルのみだと同音異義語の場合、「更新」か「行
ス北部を領有する土候にイギリス軍が敗れ、フランス語
進」あるいは「交信」なのかが自動的には分からないた
を公用語とするノルマン王朝が三百年も続いたことか
めだ。このため、韓日翻訳は日韓翻訳より 5 〜 10%ほ
ら、(2 音節までの)基本語彙を除く(3 音節以上の)
ど精度が下がる。
難しい単語はフランス語から大量に借用された。統語構
日韓翻訳ならば、「漢字仮名混じり」で入力した段階
造面での影響も無視できない。歴史的な言語変容の経緯
で同音異義が解消されている。人間の判断で同音異義を
から、現代の英語はドイツ語よりフランス語に近い特徴
解消しているのである。日韓・韓日翻訳の精度が高いの
を持っており、機械翻訳の精度にも反映されている。
は、実際の形態は違うにしても、文法構造の 95%が同
じで、語彙も(日常語は違うが)漢語に由来するものが
多いからだ。このため、文成分間の修飾関係が仮に曖昧
268
25th ANNIVERSARY
13 語彙、文法、構造のどこにどの程度の重み付けをして評
価するかによって、翻訳精度は違ってくる。
日本人にとっては、日本語と英語、韓国語、中国語間
の翻訳が実務的には重要だ。翻訳ソフトの精度について
漁船衝突事件」に関する記事の一つの「英文(A)」と
その和訳に(構造処理能力を検証するために)「関係節」
(「連体修飾節」)を一つ加えた「和文(B)」だ。
は、韓国語はそのまま社内文書には使えるが、英語は若
まず「英文(A)」だが、この構造は、関係節を含む
干の手直しが必要で、中国語は(日本語に近い内部構造
主語名詞句に述部①と②が続く形式だ。文脈的な意味を
をとる)名詞句などを除けば実務にはほとんど利用でき
考えなければ、②が①の内部の why 節の中の第二述部
ないレベルだ。
という解析の可能性もある。そう解析したのが、「The
「ある言語形式がない言語からある言語への翻訳」で
翻訳」だ。「コリャ英和!」は主語名詞句に述部①と②
は、その形式の翻訳が難しい。例えば、「冠詞」のない
が続くと文脈的にも正しく解析している。英欧翻訳で
言語からある言語への翻訳では、「関係節や前置詞句の
は、英語と同じ配列のため、どちらにも解釈できる訳文
修飾を受ける名詞に定冠詞を付ける」など、ほぼ適切な
になっている。敢えて言えば、原文では①と②が完了形
翻訳を生む条件設定が可能だが、そうした修飾を受けな
なので、(その時制を踏まえ、)訳文でもそうなってい
い名詞でも、文脈・状況上は定冠詞になる場合もあるし、
れば、適切な翻訳になっていると評価できる。仏訳でも
不定冠詞でなければならない場合もある。こうした言語
完了形だが、露訳はこれとは違う過去形に相当する時制
形式の適切な選択には文脈・状況を考慮できる知識情報
形式であり、②がどちらの構造に解析されたかは分から
システムが必要だが、それが見込めない現状では、人間
ない。ただ、原文と同じ構造関係に正しく解析された可
が編集するしかない。ただし、これは読み手が判断すれ
能性は否定できない。
ば、意味は取れるので、社内文書であれば、不備なまま
でも構わないだろう。
5
語彙面では shipments を「出荷(行為)」ではなく
「荷物、積荷」(cargos)に、rare-earth の earth を「土
なお、言語対によっては、文中の成分の欠落や同音異
地」(ground) や「世界」(monde, world) に訳す例が
義語の関係で、「翻訳方向」により翻訳精度に差が生じ
あるが、rare-earth は専門用語としての「稀土類」の
る。たとえば、英日翻訳より日英翻訳が、日韓翻訳より
ことで、専門語辞書が組み込まれていれば、正しく翻訳
韓日翻訳が5〜 10%ほど下がる。しかし、欧州語間の
される。また、「船長」を「キャプテン」と訳すのは許
翻訳であれば、翻訳精度が極めて高いだけでなく、翻訳
容されるが、「解放」を「リリース」に訳すのは不適切
方向による差もほとんどない。
だ。その意味では日本語に定着していない。
ただし、欧州言語であっても、時制体系は、(ゲルマ
次 に、「 和 文(B)」 だ が、[ な ぜ 船 長 を 解 放 し
ン、ロマンス、スラブなど)三大語派間だけでなく同じ
た か ] を「 コ リ ャ 英 和!」 は [why I released the
語派内の言語であっても、対応関係が取りにくいものも
captain] に、「The 翻訳」は [why the captain was
あり、文脈によっても微妙な意味・用法のズレが生じる。
released] に訳しているが、機械翻訳の言語処理として
機械翻訳の文法システムにおいては、時制体系の対応は
は、主語がない場合、総称代名詞 we, you を補うとか、
固定的に設定せざるを得ないことから、言語間の「時制
受動文にするという設定がある。主文の主語と一致しな
と用法」の違いが大きくなればなるほど、どうしても原
い代名詞(I)を入れるよりは、適切な訳文を生む可能
文とはぴったりフィットしない感のある訳文になること
性が高い。
が少なくない。人間の手直しが必要な側面であろう。
寄稿集 機械翻訳技術の向上
多言語翻訳
機械翻訳の訳例に「逆翻訳」を添えたのは、原文の翻
訳精度が大体分かるというだけでなく、逆翻訳に使われて
多言語翻訳例の分析
次頁の例文は New York Times の「尖閣諸島沖中国
いる構文構造を分析することにより、欧文訳において原文
の構造がどのように解析・処理されたかが推測できるため
YEAR BOOK 2O1O
269
である。つまり、逆翻訳には欧文訳の構造が反映されてい
singular-tierra].
ると仮定できるのだ。逆翻訳により原文の翻訳精度は若干
西 訳 逆 翻 訳 The Japanese officials ① [have not
下がるが、それを基に最初の翻訳の精度が、その外国語が
said little on [why they loosed the captain]] and
分からなくても、ほぼ判断できるという意味で、翻訳に逆
② [not to have linked their launching directly to
翻訳を併記することは、有益な評価法になる。
the restriction on singular remittances-earth.
独 訳 Japanische Beamte
① [haben bisschen
New York Times の記事の翻訳
darauf
sie
(A)Japanese officials
freiliesen]] und
① [have said little on
[why they released the captain]] and
② [have
direkt
gesagt,
mit
der
[warum
den
Käpitan
② [seine Freilassung nicht
Beschrankung
auf
Selten-
not linked his release directly to the restriction
Erdesendungen verbunden haben].
on rare-earth shipments].
独 訳 逆 翻 訳 Japanese Beamte
正訳 日本政府関係者は、① [[ なぜ船長を解放したか ]
after it [why they freed the captain]] and
についてほとんど語らず ]、② [ 彼の解放を希土類の出
[didn't connect his/its release directly with the
荷に対する制限に直接結びつけていません ]。
limitation on rare-earth-programs].
① [said little
②
露訳 Японские должностныелица ①[сказал
「The 翻訳」
инемного,отом[почемуониосвобождаликап
和訳 日本人政府関係者は、なぜそれらが キャプテン
итана]]и ②[несвязалиеговыпускнепосредс
を解放したか、彼の リリース を希土類元素の出荷に
твенносограничениемнаредко-земныеотгр
対する制限に直接リンクしていないかについてほとんど
узки].
言っていません。
露訳逆翻訳 Japanese officials ① [said a little,
「コリャ英和!」、「PRO2010」
of [why they released captain]] and ② [did not
和訳 (彼・それ)らがなぜ キャプテン を解放した
connect his issue directly with limitation to
かについて、日本の当局者がほとんど話さないで、そし
seldom- ground shipment].
て彼の リリース を直接希土類出荷台数の上の制限に
New York Times の記事(関係節付)和文
リンクしませんでした。
① [ont dit
(B)[ 昨日記者会見した ] 日本政府関係者は、① [[ な
peu sur [pourquoi ils ont libéré le capitaine]]
ぜ船長を解放したか ] についてほとんど語らず ]、② [ 彼
et
の解放を希土類の出荷に対する制限に直接結びつけてい
仏 訳 Les fonctionnaires japonais
② [n'ont pas lié directement sa parution a la
restriction sur les cargaisons de rare- monde ].
ません ]。
仏訳逆翻訳 The Japanese civil servants ② [said
little on [reason they freed the captain]] and ②
「The 翻訳」
[didn't bind his/her/its release directly to the
The Japanese government officials [who gave
restriction on the cargos of rare- world .
an interview yesterday]
西訳 Los funcionarios japoneses
[why the captain was released]], and
① [no han
② [have
dicho little sobre [por qué soltaron al capitán]]
not connected his release to the restriction to
y
shipment of rare earth directly].
② [no haber vinculado su lanzamiento
directamente a la restriccion sobre remesas
270
① [hardly tell about
25th ANNIVERSARY
「J- 北京」
The Japanese government officials [who gave
漢訳 昨天举行了记者招待会的日本政府有关人员,
an interview yesterday]
为何解开船长关于鹰几乎不谈,到对稀土族的出货的
① [hardly tell about
[why I released the captain]], and ② [have not
限制直接没系结他的解放。
connected his release to the restriction to
漢訳逆翻訳 昨日記者会見に開催した日本政府の関係
shipment of rare earth directly].
者、どうして船長を解いてタカに関してほとんど話さな
韓訳 어제 기자 회견 한 일본정부 관계자는 , 왜선장을
いで、まばらなトゥー族の商品を出す制限に対してまで
해방했는가에 대하여 거의 이야기하지않고 , 그의 해방을
( へ ) 直接結んでいないで彼の解放を結ぶ。
寄稿集 機械翻訳技術の向上
「コリャ英和!」、「PRO2010」
5
희토류의 출하에 대하는 제한에 직접 결부시키지 않았
습니다 .
検証翻訳ソフト
韓訳逆翻訳 昨日の記者会見一つの日本政府関係者は ,
LogpVista「コリャ英和!一発翻訳 マルチリンガル
どうして船長を解放したかに対しほとんど話さないで ,
2011」(10 カ国語翻訳)、
彼の解放を希土類の出荷に対する制限に直接結付させな
「LogoVista PRO2010」(日英・英日翻訳)
かったです。
東芝ソリューション「The 翻訳 2009 プレミアム 特
漢訳 本政府相關人員,不幾乎談到有關為何解放了船
許エディション」(日英・英日翻訳)
長的事,在 [ 於 ] 對於稀土族的出貨他的解放的限制中沒
高電社「J-SeoulV8」(日韓・韓日翻訳)、
[ 不 ] 直接結合。
「J- 北京 V6」(日中・中日翻訳)
漢訳逆翻訳 記者会見昨日の日本政府の関係する人員
は、ない何故に関してキャプテンの事を解放するがほと
関連文献
んど語った、で [ で ] に対してまばらな土一族の出荷の
斉田智里ほか「高校入学時の英語能力値の年次推移」STEP
彼の解放の制限中ない y 直接に結合する。
BULLETIN 第 15 号、日本英語検定協会 2003
斉田智里「平成版学習指導要領ー外国語編ー教育効果の一
「J-Seoul」
検証」『教育心理学年報』第 45 集、日本教育心理学会 韓訳 일본정부관계자는 , 왜 선장을 풀었는지에대해서
2006
대부분 이야기하지 않고 , 그의 해방을희토류의 출하에
吉村宰ほか「大学入試センター試験既出問題を利用した共
대한 제한에 직접 결부시키고있지 않습니다 .
通受験者計画による英語学力の経年変化の調査」『日本テ
韓訳逆翻訳 日本政府関係者は、なぜ船長を解いたかに
スト学会誌』第1巻第1号 , 2004
対して大部分話さないで、彼の解放を稀土類の出荷に対
(本稿著者執筆分)(1997 以降のみ)
する制限に直接結びつけていません。
『パソコン翻訳の世界』講談社 1997.10
韓訳 어제 기자회견한 일본정부관계자는 , 왜선장을 풀
「 言 語 学 フ ロ ン テ ィ ア 」 月 刊『 言 語 』Vol.26, pp.114-
었는지에 대해서 대부분 이야기하지않고 , 그의 해방을
119 大修館書店 1997.4
희토류의 출하에 대한 제한에직접 결부시키고 있지 않습
「翻訳ソフトの実力評価」『情報処理学会研究報告』 98-
니다 .
NL-125, pp.123-130 情報処理学会[自然言語処理研究
韓訳逆翻訳 昨日記者会見した日本政府関係者は、なぜ
会]1998.5
船長を解いたかに対して大部分話さないで、彼の解放を
「機械翻訳はどこまで人間に迫れるか」『AI JAPAN』
稀土類の出荷に対する制限に直接結びつけていません。
pp.43-59 白夜書房 2000.1
「英日・日英機械翻訳の実力」『第6回年次大会発表論文集』
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pp.51-54 言語処理学会 2000.3
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ソフト」『日経 WebCOMPANY』pp.57-58 日経事業出
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「日本語編集の視座」(『Japio 2008 YEAR BOOK』)
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「今こそ機械翻訳を見直そう」(機械翻訳の薦め−その 3)
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「ブリッジ方式による多言語翻訳」(機械翻訳の薦め−そ
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「特許文の改善に向けて —特許文書の問題点—」『e とら
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「 特 許 文 の 現 代 化 と 機 械 翻 訳 」(『Japio 創 立 20 周 年
記念誌 特許情報活用の時代の検索と機械翻訳技術』)
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「 特 許 文 の 多 言 語 機 械 翻 訳 」(『Japio 2006 YEAR
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25th ANNIVERSARY
寄稿集 機械翻訳技術の向上
5
YEAR BOOK 2O1O
273