標準英文読解講座 (06) 等位接続詞 or の後ろには that 節がきています。 等位接続詞は同じ働きをしたものしか結べないのでしたから、もし前の ● 動詞から文型を考える (7~8行目) who it is が形容詞節なら that I don’t~も形容詞節(関係代名詞節)というこ とになりますが、that の中は完全文なので、関係代名詞節ではありません。 ( Quickly ) I can tell you [ who it is ]( if I know that person ), S V Oa こういった思考を経て、初めてこの文を正確に訳出できるのです。 Ob1 or [ that I don’t know that person.] Ob2 (訳) 私は、自分が知っている人ならそれが誰であるかを、あるいは、自分がそ の人を知らないということをあなたにすばやく教えることができる。 この文の V である tell は後ろにどのような形を作るのかがわかっていなけ ればこの文を訳すことはできません。 ● 長い文は分けて考える (8~11行目) tell は第4文型(SVОО)の形(もしくは、 「tell О to 人」の形で第3文型)を 取る動詞でした。 We do not ( yet ) know [ how to make a computer system ( so that これをわかっていない人は、次の様にカッコ付けをしてしまうでしょう。 S V O ( if we give it a pattern < of a face >) it can give us such ( Quickly )I can tell you < who it is >( if I know that person ), S V O S’’ V’’ O’’ O’’ S’ V’ O’ O’ information, ( even if it has seen many faces and or〈that I don’t know that person.〉 S’’ V’’ O’’ you have tried [to teach it.]))] who を関係代名詞と捉え< 形容詞 >をしてしまっています。 S’’ V’’ O’’ しかし、それでは「私は、あなたに~を教える」の肝心の О の部分があり ません。だから訳せないのです。 そこで who it is を[ 名詞 ](疑問詞節)として「それが誰であるのか」と 文中でも4行にも渡る長い文ですが、細かく分けてやれば訳が見えてきま いう О の働きをさせるのです。 す。 who it is の節を<形容詞>と捉えるとおかしい理由は他にもあります。 この文は、大きくわけて so that の前と後ろ、また so that の後ろがそれで も長いので、even if の前と後ろに分けて考えると読みやすいです。 これ以上の/(スラッシュ)は意味の繋がっているところで切ってしまうので 副詞節(もし、私達がそれに顔のパターンを与えてやれば)を加えるのです。 入れるべきではありません。 むやみやたらに入れればよいというわけではないのです。 (訳) それでは1つずつ見ていきましょう。 もし、私達がコンピュータに顔のパターンを与えてやれば、私達にそのよ うな(顔を識別する)情報を与えてくれるように We do not ( yet ) know [ how to make a computer system ] S V О ( even if it has seen many faces and you have tried [to teach it].) S’ V’ О’ S’ V’ О’ 文の核になる部分ですが、how to~「~の仕方」が名詞のかたまりになる ことにさえ注意すればそれほど難解な文ではありません。 If even S V (たとえ S がVしたとしても)にさえ気をつければ、簡単な文で す。等位接続詞 and が節と節をつないでいることも忘れてはいけません。 (訳)私達は、コンピュータシステムの作り方をまだ知らない。 (訳) この後、どのようなコンピュータシステムなのかについて書かれているだ たとえコンピュータが多くの顔を見たことがあり、あなたが教え込もうと ろうと推測できます。 したとしても ( so that ( if we give it a pattern < of a face >) it can give 最後にこれまでの3つをつなげてやります。 S’’ V’’ Оa’’ Оb’’ S’ V’ us [such information ] (訳) Оa’ たとえ、コンピュータが多くの顔を見たことがあり、あなたが教え込もう Ob’ としたとしても、顔のパターンを与えればそのような情報を私達に与えて この部分の最も注意すべき構文は、 so that S can V(SがVできるように)です。 しかし、今回は that とSの間に if の(副詞節)がはいっているので、この構 文に気づくのも難しかったかもしれません。 M(句や従属節など文の要素にならないもの)は、いったん無視して考えるの でしたから(※標準英文読解講座(01)参照)、そうすれば気づけるはずです。 訳は、(それが私達にそのような情報を与えてくれるように)となり、その後、 くれるように、コンピュータシステムを作る方法を私達はまだ知らない。 (全訳) ① あなたの脳はコンピュータと較べると非常に劣っている。私があなたに、1、3、7… というように、あるいはイチ、サン、シチ、サン、ニ、ゴ、イチ、ハチ、イチ、ニ、サ ン、ゴというように連続した数を与えてみよう。今、私はあなたにそれらの数を繰り返 し私に言ってもらいたい。コンピュータは何万もの数を受け取り、順序を逆にして私に 戻すことができるし、それらの合計を出すことや、私達には出来ない様々なことができ る。その一方で、もし、わたしがある顔を見れば、それが知っている人であればそれが 誰であるのかを、あるいは自分がその人を知らないということをすばやくあなたに伝え ることができる。たとえ、コンピュータが多くの顔を見て、あなたがそれを教え込もう としたとしても、私達が顔のパターンを与えてやれば、私達にそのような情報を与えて くれるように、コンピュータシステムを作る方法を私達は知らない。 ② 別の興味深い例は、チェスをする機械である。部屋の中にいるほとんど全員より上手に チェスをする機械を私達が作ったことは、本当に驚くべきことである。しかし、そうし た機械は莫大な可能性を試すことによって、それを行う。もし相手がここに動けば、自 分はここに動けるし、相手がここに動けば…などというように。コンピュータはそれぞ れの選択肢を視野に入れ、何百万もの可能性を分析し、そして最良の手を選択する。そ の一方で、人間のチェス名人は、違ったやりかたをする。彼らはパターンを認識し、ど のように駒を動かすかを決めるのにせいぜい 30 から 40 の可能性を視野に入れているに すぎない。 ③ したがって、碁のルールはより単純ではあるが、碁をする機械はあまり上手ではない。 なぜなら、それぞれの位置において可能な動きが多すぎであり、調べることが多すぎて、 機械がじっくり見ることができないからである。パターンを認識したり莫大な可能性を 扱う問題は、コンピュータ技師が未だ難しいと思っていることである。それは確かに将 来のコンピュータの重要な課題の1つであり、もしかしたら、あなたも碁を効率的に打 つ機械を設計したいと思うかもしれない。
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