立方体の複合体 日野雅之 1.20 個の立方体の結合 正十二面体の 20 個の各頂点に立方体の中心が一致するように,20 個の立方体を配置することを考えます。立 方体を配置しても,全体が正十二面体の対称性,つまり 10 本の 3 回対称軸,6 本の 5 回対称軸,15 本の 2 回対称 軸を持つ対称性を保つようにするためには,立方体をある向きにそろえる必要があります。その向きが 2 通りあ ることがわかっています。図 1 がその 2 つの型を示しています。これらはそれぞれ,1つの立方体の 3 つの頂点 を切頂して 20 個をつなぎあわせたものになっています。図 1 下部の Type1,Type2 で示してあるような長さの割 合で切頂すれば良いことがわかっています。 図1 Type1 Type2 a :b = 1 :1.055 a :b = 1: 0.181 2.頂点で結合する この対称性を保ったまま立方体を引き離していくと,立方体が互いに頂点のみで結合するようになります。 Type1 について,立方体を折り紙で作り,頂点をのりづけしたものが下の画像です。それぞれ3つの対称軸方 向から見た図を示してあります。なお各立方体は 12 枚の折り紙で構成されていますので,全部で 240 枚の折り 紙を用いています。 大きさは直径 25cm 程度です。上の図 1 の場合は切断面で接着すれば立方体の向きが適切にそろったのです が,頂点での接着の場合は向きを適切に合わす工夫が必要になります。 3.立方体の中心を一致させる 今後の課題として,20 個の立方体すべてをその向きを保ったまま全体の中心方向に近づけていき,すべての 立方体の中心を一致させた図形の模型を作りたいと考えています。1 つの立方体と向かい合った立方体は同じ 向きを向いているので,10 個の立方体の複合体ができることになります。 この内容のビデオを YouTube でご覧いただくことができます。 http://www.youtube.com/watch?v=uiExdlztuRo&feature=youtube_gdata
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