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2013 年 4 月1日(月)
報道各位
~奇想の浮世絵師による江戸案内~
歌川国芳展
会期/2013 年 4 月 24 日(水)~5 月 6 日(月・振休)
10:00~20:00(入場は 19:30 まで) ※最終日は~17:00(入場は 16:30 まで)
会場/本館 8 階特別会場
主催/日本経済新聞社
監修/岩切友里子(浮世絵研究家)
入場料/一般・大高生 800 円、中学生以下無料
奇想天外なアイデアと斬新なデザイン力で、個性的な作品を
数多く残した幕末の浮世絵師、歌川国芳(1797 年-1861 年)
。
ユーモアに溢れた戯画や、力強く大胆な構図の武者絵など、
題材やジャンルは多岐にわたり、浮世絵の枠にとどまらない
多彩な魅力が、近年国内外で注目を集めています。
2009 年 に ロ ン ド ン で 、 2010 年 に ニ ュ ー ヨ ー ク で
※画像 8
「KUNIYOSHI」展が開催され、国際的に高い評価を得たほか、2011 年から 2012 年にかけて大阪・静岡・
東京で開催された「没後 150 年 歌川国芳展」では、浮世絵ファンのみならず、現代のデザイン関係者や若
い世代の間でも大きな反響を呼びました。
今回は、代表作から初公開作品まで、浮世絵 120 点を展観。
江戸の文化や風俗、娯楽など、身近で親しみやすいテーマを取り上げ、華やかな江戸のさまざまな楽しみを
紹介いたします。
~展覧会の見どころ~
1.花のお江戸のファッション・グルメ
花のお江戸のファッションは、
「粋」が身上。女も男も流行には敏感でした。国芳が描く着物やかんざしなど
の装飾品からは当時の粋なトレンドが分かります。すっきりとした縞の着物が似合う元気なおきゃん、勇み
肌のいなせな男の中の男のスタイルを堪能できます。また、いつの時代も食は女性の楽しみ。人気のお菓子
屋に並び、江戸前の寿司やうなぎを味わう姿も描かれています。
「国芳もやう正札附現金男 野晒悟助」(画像 1)など約 20 点
2.季節を楽しむ江戸っ子のレジャー
江戸美人が季節ごとに楽しむ花見や花火、夕涼み、雪あそびなど四季折々の風物や、曲馬などの見世物興業、
盛り場のにぎわいなど江戸の生活に根ざす娯楽がいきいきと描き出されています。また子供の季節の遊びも
数多く描いており、川遊びや相撲、いくさごっこなどに興じる愛らしい姿からは、国芳の子供に対する暖か
い眼差しが感じられます。
「両国の花火」(画像 2)など約 20 点
3.国芳の江戸散歩
自然の中に人々の生活の営みを描き出した国芳の風景画を通して、江戸の名所を紹介します。一種シュール
でどこかエキゾチックな描写は、ダイナミックな北斎や叙情的な広重の名所風景とも一線を画します。西洋
画法を学んだ国芳の風景画は、カメラ・アングルを感じさせ、あたかもある日のスナップ写真を見るように、
江戸の町を描いています。国芳の筆に乗って、江戸の町にタイム・スリップしてみましょう。
「東都冨士見三十六景 昌平坂の遠景」(画像 3)など約 20 点
4.江戸のコミカルワールド
底抜けに明るいユーモアとウィットに富んだ戯画は国芳の独壇場。天保の改革によって役者絵、遊女・芸者
風俗の絵が禁止されたことがかえって縦横無尽な発想を生む事となりました。擬人化された動物や化物のコ
ミカルな世界をはじめ、パズルのようなはめ絵や影絵、猫の曲芸図など洒落た江戸っ子のエスプリを十分に
味わうことができます。
「人をばかにした人だ」(画像 4)、
「絵鏡台合かゞ身(猫/しゝ・みゝづく・はんにやあめん)
」(画像 5)など
約 30 点
5.英雄たちの大冒険
当時の江戸では冒険奇談の小説が流行し、超人的な活躍を繰り広げる英雄たちが国芳の筆によって鮮やかに
描き出され、江戸の人々は胸を躍らせました。特に「水滸伝シリーズ」で一躍脚光を浴びることになった武
者絵は迫力満点で、中でもワイドな画面を活かしてスペクタクルに描いた大判三枚続の作品には、イマジネ
ーションを絵画化する国芳の卓越した手腕が表れています。
「相馬の古内裏」(画像 6)、
「讃岐院眷属をして為朝をすくふ図」(画像 7)、
「宮本武蔵の鯨退治」
(画像 8)
など約 30 点
★★初公開作品★★
てるてる坊主が踊る愉快な図を描いた「てるてる法主おひよりおどり」(画像9)、氷で冷やした水菓子を持つ美人図
「逢身八懐 湯しま暮雪」(画像10)など、これまで展示されたことのない初公開の作品も紹介します。
★★大丸松坂屋グループに関連する作品★★
「柳桜亭花也の摺物」(画像11)は、小唄を好んだ花也(長州藩主毛利斉元)が、私家版の豪華な摺物として江戸で
作ったものです。桜の花の枠の中に描かれているのは、蚊帳売りの担う荷物。三味線を膝にしているのは、当時の
人気歌舞伎役者、三代目尾上菊五郎の似顔。書かれている小唄には、「大丸の包みほどけば新染ゆかた あれか
これかと選るうちに 蚊帳蚊帳 アレよい声ととんで出る 浮気性ではないかいな」とある。寛保3年(1743)に江戸店
を開業した大丸は呉服店として繁盛を極め、店の出す新形の染物は当時の人気を集めました。
また「松坂屋前」(画像12)では、松坂屋前の賑わいが描かれています。
※上段左から画像 1,2,3,4、中段左から画像 5,6,7、下段左から画像 9,10,11,12
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