2014 京都府立医科大学 1 前期日程 問題 解答解説のページへ a, b を正の実数とする。e は自然対数の底とし, 必要ならば 2.7 < e を用いてもよい。 (1) a < b とする。このとき ab = ba ならば 1 < a < e < b であることを証明せよ。 (2) 5 7 と 7 5 の大小を比較せよ。 -1- 2014 京都府立医科大学 2 前期日程 問題 解答解説のページへ 1 辺の長さが 2 の正四面体 ABCD を T とおく。直線 BD と平行な平面 H で T を切 断したところ, H は辺 AB, BC, CD, DA とそれぞれ点 P, Q, R, S で交わり, PS : QR = 2 : 3 となった。 (1) 2 直線 PS と BD は平行であることを証明せよ。 (2) (3) △PBQ と△SDR は合同であることを証明せよ。 PS = 2a ( 0 < a < 2 ) とおくとき, 四角形 PQRS の面積 S ( a ) を a を用いて表せ。 3 (4) S ( a ) が最大となる a の値を求めよ。 -2- 2014 京都府立医科大学 3 前期日程 問題 解答解説のページへ 2 f ( x ) = log x + 1 とおく。xy 平面上の円 C と曲線 D : y = f ( x ) は D のすべての変 2 曲点で接しているとする。ただし, 2 つの曲線がある点で接するとはその点で共通の 接線をもつことをいう。 (1) 増減, 凹凸に注意して関数 y = f ( x ) のグラフをかけ。 (2) C の方程式を求めよ。 (3) C と D の共有点は D の変曲点のみであることを証明せよ。 (4) C と D で囲まれた部分の面積を求めよ。 -3- 2014 京都府立医科大学 4 前期日程 問題 解答解説のページへ 3 3 xy 平面上の曲線 C : x + y = 26 を考える。C 上の点 P( a, b ) で, a, b がともに有理 数のとき P を C 上の有理点という。たとえば ( -1, 3 ) や ( 53 , 75 ) は C 上の有理点 28 28 3 x ( - x + 52 ) である。 h ( x ) = とおく。 2x 3 - 26 (1) a3 + b3 = 26 ( a ¹ 3 13, b ¹ 3 13 ) のとき, { h ( a ) }3 + { h ( b ) }3 の値を求めよ。 p p p¢ (2) 有理数 ( p, q は互いに素な整数で q > 0 ) に対して, h ( ) を ( p ¢, q ¢ は互い q q q¢ に素な整数で q ¢ > 0 ) と表す。p が奇数ならば, p ¢ は奇数で q ¢≧2q であることを証 明せよ。ただし, 2 つの整数が互いに素とは, その最大公約数が 1 であることをい う。 (3) C 上には無数の有理点が存在することを証明せよ。 -4- 2014 京都府立医科大学 前期日程 1 解答解説 問題のページへ log x とおくと, x 1 - log x f ¢( x ) = x2 (1) まず, f ( x ) = x 0 f ¢( x ) f ( x ) の増減は右表のようになり, グラ f (x) -¥ フの概形は右下図である。 … e … + 0 1 e - ¥ 0 y b a さて, 0 < a < b に対して, a = b より, log a log b b log a = a log b , = ………(*) a b ここで , 右図より , a<b≦e のときは f ( a ) < f ( b ) , 1 e O 1 e x e≦a<b のときは f ( a ) > f ( b ) となり不適である。 よって, (*)が成り立つ, すなわち f ( a ) = f ( b ) とな るのは, lim f ( x ) = 0 を考え合わせると, 1 < a < e < b である。 x ¥ (2) 2.7 < e より, 7 < 2.72 < e2 となり, 1 < 5 < 7 < e から, f ( 5)< f ( 7), よって, 5 7 < 7 5 log 5 log 7 < , 5 7 7 log 5 < 5 log 7 である。 [解 説] 有名な問題です。同じ考え方をする類題が, 今年の熊本大・医に出題されています。 表と図はそこからのコピペです。 -1- © 電送数学舎 2014 2014 京都府立医科大学 前期日程 解答解説 2 問題のページへ (1) 1 辺の長さが 2 の正四面体 ABCD において, 直線 BD A は, 平面 H と共有点をもたないことから, 平面 H 上の S P 直線 PS とも共有点をもたない。しかも, 直線 BD と直 線 PS は同一平面上にあり, ねじれの位置ではない。 よって, 2 直線 PS と BD は平行である。 D B (2) △PBQ と△SDR において, PS // BD から, R Q AP : PB = AS : SD C △ABD は正三角形であることより, PB = SD 同様に考えて, QR // BD から, BQ = DR さらに, PBQ = SDR = 60 なので, △PBQ と△SDR は合同である。 (3) (2)から, PQ = SR となり, 四角形 PQRS は等脚台形である。 ここで, PS = 2a のとき, QR = 3a となり, BP = 2 - AP = 2 - PS = 2 - 2a , BQ = 2 - CQ = 2 - QR = 2 - 3a △PBQ に余弦定理を適用すると, PQ2 = ( 2 - 2a )2 + ( 2 - 3a )2 - 2( 2 - 2a )( 2 - 3a )cos60 = 7a 2 -10a + 4 さて, 2 直線 PS と QR の距離を h とおくと, h= PQ2 - ( 3a - 2a 2 2 ) = 7a 2 -10a + 4 - 1 a 2 = 1 4 2 27a 2 - 40a + 16 等脚台形 PQRS の面積 S ( a ) は, S ( a ) = 1 ( 2a + 3a ) ⋅ 1 27a 2 - 40a + 16 = 5 a 27a 2 - 40a + 16 4 2 2 4 3 2 (4) (3) より S ( a ) = 5 27a - 40a + 16a となるので , f ( a ) = 27a 4 - 40a3 + 16a 2 4 とおくと, f ¢( a ) = 108a3 -120a 2 + 32a a f ¢( a ) = 4a ( 3a - 2 )( 9a - 4 ) 0 … 4 9 … + 0 - 2 3 f (a) すると , 0 < a < 2 において , f ( a ) の増減 3 は右表のようになり, S ( a ) = 5 f ( a ) から, a = 4 のとき S ( a ) は最大となる。 9 4 [解 説] 空間ベクトルの標準的な問題です。ただ, (1)のような設問は, 記述方法を決めるの に時間がかかってしまいます。 -2- © 電送数学舎 2014 2014 京都府立医科大学 前期日程 3 (1) 解答解説 問題のページへ 2 f ( x ) = log x + 1 に対し , f ( - x ) = f ( x ) 2 より, y = f ( x ) のグラフは y 軸に関して対称 x f ¢( x ) f ¢¢( x ) である。以下, x ≧0 に対して, f (x) f ¢( x ) = 2 2 ⋅ x = 22x x +1 x +1 2( x 2 + 1) - 2x ⋅ 2x -2( x + 1)( x -1) f ¢¢( x ) = = 2 2 ( x 2 + 1)2 ( x + 1) 0 … 1 … 0 + 1 + + 0 - - log 2 0 y すると, y 軸に関する対称性より, y = f ( x ) のグラ O -1 フは右図のようになる。 x 1 - log 2 (2) 曲線 D : y = f ( x ) の変曲点 ( 1, 0 ) で接する円 C の中心は, この変曲点における法線の交点である。 さらに, y 軸に関する対称性を考えると, C の中心は点 (1, 0 ) における法線と y 軸 との交点となる。そこで, この法線の方程式は, その傾きが -1 から, y = -( x -1) , y = - x + 1 よって, 円 C は中心の座標 ( 0, 1) , 半径 12 + ( -1)2 = 2 より, その方程式は, x 2 + ( y -1)2 = 2 2 (3) 曲線 D 上の点 ( t, log t + 1 ) と円 C の中心との距離の 2 乗を g ( t ) とおくと, 2 2 2 g ( t ) = t 2 + ( log t + 1 -1 ) ( t≧0 ) 2 2 2 g ¢( t ) = 2t + 2 ( log t + 1 -1 ) ⋅ 22t = 22t ( t 2 + 2log t + 1 -1 ) 2 2 t +1 t +1 2 そこで, h ( t ) = t 2 + 2log t + 1 -1 とおくと, 2 4 t h ¢( t ) = 2t + 2 t +1 すると, t≧0 のとき, h ¢( t )≧0 となり, h (1) = 0 に t h ¢( t ) 0 … 0 + h(t ) 1 … + 0 … 1 … - 0 + 2 注意すると, h ( t ) の増減は右表のようになる。 さらに, g ¢( t ) と h ( t ) の符号は一致するので, g ( t ) の増減は右表のようになり, g ( t )≧2 である。 したがって, 曲線 D 上の点と円 C の中心との距離 t g ¢( t ) g(t ) 0 g ( t ) は, つねに C の半径 2 以上となり, しかも半径に等しくなるのは t = 1 のと きのみである。 以上より, y 軸に関する対称性を考え合わせると, C と D の共有点は D の変曲点 ( 1, 0 ) のみである。 -3- © 電送数学舎 2014 2014 京都府立医科大学 (4) C と D の位置関係は右図のようになり, C と x 軸, D と x 軸で囲まれた部分の面積を, それぞれ S1 , S2 とおくと, 2 S1 1 = ( 2 ) ⋅ - 1 ⋅12 = - 1 2 2 4 2 4 2 1 2 S2 =log x + 1 dx 2 2 0 = ò 0 1 1 ò 0 C D 1 O 1 x - log 2 1 dx x 2 +1 ( - 2 < < 2 ) とおくと, ここで, x = tan S2 = 2-2 2 y -1 x ⋅ 22x dx x +1 ò0 ( 2 - x 2 2+ 1 )dx = 2 - 2ò0 解答解説 1 ò 2 1 = - éêë x log x + 1 ùúû + 0 2 前期日程 4 1 1 d = 2 - 2 2 tan + 1 cos2 ⋅ ò 0 4 d = 2 - 2 よって, C と D で囲まれた部分の面積 S は, S = S2 - S1 = 2 ( 2 - ) - 2 ( - 1 ) = 5 - 3 2 4 2 2 [解 説] 微積分の総合問題です。ボリュームはかなりありますが, なすべきことは決まって いるタイプです。なお, 対称性を利用しないと, さらに記述量が増えます。 -4- © 電送数学舎 2014 2014 京都府立医科大学 4 (1) 前期日程 解答解説 問題のページへ 3 x ( - x + 52 ) に対して, 2x 3 - 26 a ( - a3 + 52 ) a ( - a3 + 2a3 + 2b3 ) a ( a3 + 2b3 ) h( a ) = = = 2a3 - 26 2a3 - a3 - b3 a3 - b3 b ( b3 + 2a3 ) 同様に, h ( b ) = となり, ここで a3 = A , b3 = B とおくと, 3 3 b -a A ( A + 2B )3 B ( 2 A + B )3 { h ( a ) }3 + { h ( b ) }3 = ( A - B )3 ( A - B )3 a3 + b3 = 26 , h ( x ) = 4 4 3 3 ( A 2 + B 2 )( A 2 - B 2 ) - 2 AB ( A 2 - B 2 ) = A - B + 2 AB 3 - 2 A B = ( A - B )3 ( A-B) = (2) ( A - B )2 ( A + B )( A - B ) = A + B = 26 ( A - B )3 p, q は互いに素な整数で q > 0 , また p が奇数であるとき, p p 3 - ( ) + 52 } { p ( - p3 + 52q3 ) q q p ………(*) = h( ) = q p 3 2q ( p3 -13q3 ) 2 ( ) - 26 q p p¢ ¢ ¢ さて, 条件より, h ( ) = ( p , q は互いに素な整数で q ¢ > 0 ) である。 q q¢ まず, p が奇数より - p3 + 52q3 は奇数となり, (*)の分子 p ( - p3 + 52q3 ) は奇数 となる。 p ¢ は p ( - p3 + 52q3 ) の約数なので, 奇数である。 また, 正の整数 q は奇数 p と互いに素である。次に, q が - p3 + 52q3 と互いに素 でないとすると, q は p3 と互いに素ではなくなり, p, q が互いに素であることに 反する。よって, 正の整数 q は奇数 - p3 + 52q3 とも互いに素である。 これより, (*)の分母の正の偶数 2q は, 分子の奇数 p ( - p3 + 52q3 ) と互いに素に なり, q ¢ = 2q ×(自然数)と記すことができる。よって, q ¢≧2q である。 (3) (1)から, 点 ( a, b ) が C 上の有理点のとき, ( h ( a ), h ( b ) ) も C 上の有理点となる。 そこで, p1 53 pn+1 p = , = h ( n ) ( pn , qn は互いに素な整数で qn > 0 ) とおくと, qn 28 qn+1 q1 (2)から pn は奇数, qn は正の偶数で, qn+1 ≧2qn となる。 すなわち, 28 = q1 < q2 < < qn < となり, i ¹ j のとき pj pi ¹ である。 qi qj 以上より, C 上には無数の有理点が存在することになる。 [解 説] 何か, モグラたたきをしているような印象をもってしまう整数問題でした。 -5- © 電送数学舎 2014
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