平成24年度行政監査報告書(PDF 177KB)

平 成 24 年 度
行 政 監 査 報 告 書
渋 谷 区 監 査 委 員
1
写
○
渋 監 発 第 4 7 号
平成25年3月27日
渋谷区議会議長
殿
渋
谷
区
長
渋谷区監査委員
渋谷区監査委員
竹
倉
田
林
穰
倭
男
平成24年度行政監査の結果に関する報告について
地方自治法(昭和22年法律第67号)第199条第9項の規定に基づき、
平成24年度行政監査の結果に関する報告を次のとおり提出する。
なお、吉田佳代子監査委員は監査の範囲である政務調査費の交付を受けて
おり、同法第199条の2の規定により、除斥した。
1
監査のテーマと趣旨
「政務調査費について」
政務調査費は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)
第 1 0 0 条 第 1 4 項 の 規 定 に 基 づ き 、地 方 議 会 の 議 員 や 会 派 に 対 し 、調 査 研 究 に
必要な経費の一部として政務調査費を交付している。
こ の 政 務 調 査 費 制 度 は 、平 成 1 2 年 の 地 方 自 治 法 改 正 に よ り 創 設 さ れ た も の で
あ り 、地 方 議 会 の 活 性 化 を 図 る こ と を ね ら い と し て い た 。し か し 、近 年 、一 部 の
地 方 議 員 に よ る 政 務 調 査 費 の 不 適 切 な 使 用 が 発 覚 し 、住 民 の 間 か ら は 批 判 の 声 も
上 が っ て い る 。こ う し た 経 緯 を 受 け て 、各 地 の 地 方 議 会 で は 、そ の 適 切 な 使 用 と
透 明 化 を 図 る た め の 取 組 を 進 め て お り 、使 途 基 準 の 明 確 化 や 、政 務 調 査 費 に 係 る
収支報告書への領収書等の添付を義務付ける動きなどがみられる。
政 務 調 査 費 の 使 途 に つ い て は 、区 民 の 関 心 も あ り 、適 正 な 執 行 及 び 透 明 性 を 確
保 す る こ と が よ り 一 層 求 め ら れ て い る こ と か ら 、渋 谷 区 議 会 に お い て も 、領 収 書
等 の 証 拠 書 類 の 提 出 義 務 を 盛 り 込 ん だ 条 例 改 正( 平 成 1 9 年 4 月 1 日 施 行 )、規
則 改 正( 平 成 1 9 年 4 月 1 日 施 行 )を 行 っ た ほ か 、「 政 務 調 査 費 の 使 途 に 関 す る
運 用 指 針 」( 以 下「 運 用 指 針 」と い う 。)( 平 成 2 0 年 4 月 1 日 発 行 、同 2 1 年
4月1日改正)を作成している。
以 上 を 踏 ま え 、政 務 調 査 費 が 渋 谷 区 政 務 調 査 費 の 交 付 に 関 す る 条 例( 平 成 1 3
年 渋 谷 区 条 例 第 2 5 号 。以 下「 条 例 」と い う 。)、同 条 例 施 行 規 則( 平 成 1 3 年
渋 谷 区 規 則 第 1 6 号 。以 下「 規 則 」と い う 。)に 規 定 さ れ た 手 続 及 び 運 用 指 針 の
使 途 基 準 に 則 っ て 、適 正 に 執 行 さ れ て い る か 監 査 を 実 施 す る こ と と し た も の で あ
る。
-1-
2
監査実施期間
平成24年9月26日から同25年3月14日まで
3
監査対象部局
総務部
区議会事務局
4
監査対象事務
条例に基づき、平成23年5月1日(平成23年度第1四半期)から同24
年3月31日(平成23年度第4四半期)までの間に渋谷区議会の各会派に交
付された政務調査費に係る事務。ただし、必要があると認めるときは、他の年
度にも及ぶものとする。
5
監査の実施方法
監査対象部及び会派に対し調査書類及び関係資料の提出を求め、それらに基
づいて監査を実施した。また、各会派から事情聴取を行った。
6
監査の着眼点
政務調査費の執行状況について、次の視点により監査する。
(1)所管部局関係
ア
政務調査費の決定は法令等に適合しているか。
イ
政務調査費交付要綱等は整備されているか。
-2-
ウ
政 務 調 査 費 の 交 付 目 的 及 び 対 象 事 業 の 内 容 は 明 確 か 、ま た 、公 益 上 の 必 要
性は十分か。
エ
政務調査費の条件等補助に関する指令等の内容は明確か。
オ
政 務 調 査 費 の 額 算 定 、交 付 方 法 、時 期 、決 裁 権 者 等 の 手 続 な ど は 適 正 、適
切か。
カ
政 務 調 査 費 の 効 果 及 び 条 件 の 履 行 の 確 認 は 、実 績 報 告 書 等 に よ り な さ れ て
いるか。
キ
会派への指導監督は適切に行われているか。
(2)会派関係
ア
交付申請書、実績報告書等は符合するか。
イ
政 務 調 査 費 交 付 申 請 書 の 提 出 及 び 政 務 調 査 費 の 請 求 、受 領 は 適 時 に 行 わ れ
ているか。
ウ
政務調査費の対象とならないものに流用されていないか。
エ
出納関係帳票の整備、記帳は適正か、また、領収書等の証拠書類の整備、
保存は適切か。
オ
政務調査費に係る収支の会計経理は適切か。
カ
会計処理上の責任体制は確立されているか。
キ
収支報告は適正に行われているか、また、残余に伴う返還金の返還時期
等は適切か。
ク
財産の処分制限に違反するものはないか。
-3-
7
監査委員の除斥
本 件 監 査 に つ い て は 、議 会 選 出 の 吉 田 佳 代 子 委 員 は 法 第 1 9 9 条 の 2 に 規 定 す
る監査執行上の除斥に該当するため、関与していない。
8
政務調査費の状況
平成23年度政務調査費(平成23年5月∼平成24年3月分)
単位:円
金 額
項目
合 計
渋谷区議会
自由民主党
議員団
渋谷区議会
公明党
日本共産党
渋谷区議会
議員団
民主党
渋谷区議団
無所属クラブ
みんなの党
渋谷区議会
純粋無所属
の会
調査研究費
421,520
1,432,459
2,371,389
878,102
107,587
8,070
934,870
6,153,997
研修費
1,909,040
368,410
1,345,280
428,230
1,014,880
69,500
149,630
5,284,970
会議費
4,800
79,760
0
63,868
102,270
0
0
250,698
資料作成費
158,334
442,175
0
197,568
303,482
0
98,280
1,199,839
資料購入費
147,921
550,814
501,521
259,971
113,531
21,544
210,802
1,806,104
広報費
10,363,351
5,242,337
6,565,557
2,526,859
1,040,780
969,476
0
26,708,360
事務費
2,395,034
4,187,555
1,573,010
1,103,168
203,372
257,410
963,246
10,682,795
人件費
0
3,096,490
0
7,688,108
2,300,000
5,274,000
0
18,358,598
支出合計 15,400,000
15,400,000
12,356,757
13,145,874
5,185,902
6,600,000
2,356,828
70,445,361
出典:渋谷区議会事務局資料
-4-
条例第12条により、政務調査費の交付を受けた会派の代表者は、政務調
査費に係る収支報告書を作成し、議長に提出しなければならないとされてい
る。
この規定に基づいて各会派から提出された収支報告書では、平成23年度
政 務 調 査 費 の 交 付 額 は 、 70,445,361 円 で 、 支 出 項 目 を み る と 、 調 査 研 究 費
6,153,997円( 8.7% )、研 修 費 5,284,970円( 7.5% )、会 議 費 250,698円( 0.4% )、
資 料 作 成 費 1,199,839円 ( 1.7% ) 、 資 料 購 入 費 1,806,104円 ( 2.6% ) 、 広 報
費 26,708,360円( 37.9% )、事 務 費 10,682,795円( 15.2% )、人 件 費 18,358,598
円 ( 26.1%) と な っ て い る 。
9
政務調査費会派別収支について
渋 谷 区 議 会 自 由 民 主 党 議 員 団 は 、 支 出 合 計 15,400,000 円 で 調 査 研 究 費
421,520円 (2.7% )、 研 修 費 1,909,040円 (12.4% )、 会 議 費 4,800円 (0.03% )、
資 料 作 成 費 158,334 円 (1.0 % ) 、 資 料 購 入 費 147,921 円 ( 1.0 % ) 、 広 報 費
10,363,351円 (67.3% )、事 務 費 2,395,034円 (15.6% )、人 件 費 0円 (0% )で あ る 。
民 主 党 渋 谷 区 議 団 は 、 支 出 合 計 15,400,000 円 で 調 査 研 究 費 1,432,459 円
(9.3 % ) 、 研 修 費 368,410 円 (2.4 % ) 、 会 議 費 79,760 円 (0.5 % ) 、 資 料 作 成 費
442,175 円 (2.9 % ) 、 資 料 購 入 費 550,814 円 ( 3.6 % ) 、 広 報 費 5,242,337 円
(34.0% )、事 務 費 4,187,555円 (27.2% )、人 件 費 3,096,490円 (20.1% )で あ る 。
渋 谷 区 議 会 公 明 党 は 、 支 出 合 計 12,356,757 円 で 調 査 研 究 費 2,371,389 円
(19.2% )、研 修 費 1,345,280円 (10.9% )、会 議 費 0円 (0% )、資 料 作 成 費 0円 (0% )、
-5-
資 料 購 入 費 501,521円( 4.1% )、広 報 費 6,565,557円 (53.1% )、事 務 費 1,573,010
円 (12.7% )、 人 件 費 0円 (0% )で あ る 。
日 本 共 産 党 渋 谷 区 議 会 議 員 団 は 、 支 出 合 計 13,145,874 円 で 調 査 研 究 費
878,102円 (6.7% )、研 修 費 428,230円 (3.3% )、会 議 費 63,868円 (0.5% )、資 料
作 成 費 197,568円 (1.5% )、 資 料 購 入 費 259,971円 ( 2.0% )、 広 報 費 2,526,859
円 (19.2% )、事 務 費 1,103,168円 (8.4% )、人 件 費 7,688,108円 (58.5% )で あ る 。
無 所 属 ク ラ ブ は 、支 出 合 計 5,185,902円 で 調 査 研 究 費 107,587円 (2.1% )、研
修 費 1,014,880円 (19.6% )、 会 議 費 102,270円 (2.0% )、 資 料 作 成 費 303,482円
(5.9% )、資 料 購 入 費 113,531円( 2.2% )、広 報 費 1,040,780円 (20.1% )、事 務
費 203,372円 (3.9% )、 人 件 費 2,300,000円 (44.4% )で あ る 。
み ん な の 党 渋 谷 区 議 会 は 、 支 出 合 計 6,600,000 円 で 調 査 研 究 費 8,070 円
(0.1% )、 研 修 費 69,500円 (1.1% )、 会 議 費 0円 (0% )、 資 料 作 成 費 0円 (0% )、
資 料 購 入 費 21,544円 ( 0.3% )、 広 報 費 969,476円 (14.7% )、 事 務 費 257,410円
(3.9% )、 人 件 費 5,274,000円 (79.9% )で あ る 。
純 粋 無 所 属 の 会 は 、支 出 合 計 2,356,828円 で 調 査 研 究 費 934,870円 (39.7% )、
研 修 費 149,630円 (6.3% )、会 議 費 0円 (0% )、資 料 作 成 費 98,280円 (4.2% )、資
料 購 入 費 210,802円 ( 8.9% )、 広 報 費 0円 ( 0% )、 事 務 費 963,246円 (40.9% )、
人 件 費 0円 (0% )で あ る 。
-6-
10
監査の結果
監 査 を 実 施 し た 範 囲 に お い て 、次 に 述 べ る 事 項 を 除 い て お お む ね 適 正 に 処
理 さ れ て い る と 認 め ら れ た 。た だ し 、政 務 調 査 費 の 交 付 事 務 に つ い て 次 の よ
う な 指 導 事 項 が 見 受 け ら れ た の で 、改 善 に 向 け て 必 要 な 措 置 を 講 じ ら れ た い 。
(1 )
運用指針の使途基準に照らし、必要性、合理性を欠いた支出について
以 下 の と お り 、政 務 調 査 費 の 使 途 基 準 に 照 ら し 、必 要 性 、合 理 性 を 欠 い
た支出が見受けられた。
会 派 名
項目
科目
件数
金額
渋谷区議会自由民主党議員団
研修費
会費
1件 5,000円
研修費
会費
1件 3,000円
資料購入費
図書資料費
3件 42,633円
広報費
通信運搬費
2件 事務費
備品消耗品費
4件 73,893円
事務費
通信運搬費
1件 2,209円
図書資料費
1件 1,200円
民主党渋谷区議団
渋谷区議会公明党
日本共産党渋谷区議会議員団 資料購入費
合 計
13件
9,241円
137,176円
こ れ ら の 支 出 に つ い て は 、既 に 区 議 会 の 該 当 す る 会 派 か ら 自 主 的 に 返 さ
れ て い る と こ ろ で あ る が 、早 急 に 再 発 防 止 策 を 講 じ る と と も に 、適 正 な 事
務執行に努められたい。
(2 )
領収書について
領 収 書 の あ て 名 が 運 用 指 針 の チ ェ ッ ク 項 目 の 記 載 の と お り で な く 、会 派
-7-
名 、議 員 個 人 名 の 表 示 が 不 統 一 な 領 収 書 や 発 行 者 (作 成 者 )の「 印 」が 押 さ
れていない領収書が複数件認められた。
ま た 、領 収 書 が 印 刷 さ れ て い る レ シ ー ト に 領 収 書 の 部 分 の み を 残 し 、後
は切り取られているレシートも散見された。
条 例 第 1 2 条 に よ る と 、政 務 調 査 費 の 交 付 を 受 け た 会 派 の 代 表 者 は 、政
務 調 査 費 の 収 入 及 び 支 出 報 告 書 に 領 収 書 等 の 証 拠 書 類 を 添 え て 、議 長 に 提
出しなければならないとされている。
領 収 書 や レ シ ー ト は 、政 務 調 査 費 支 出 の 重 要 な 証 拠 書 類 で あ り 、印 が 押
されていないことや一部が切り取られているなどの処理がされているこ
と は 、原 則 と し て 政 務 調 査 費 の 支 出 を 裏 付 け る 領 収 書 類 と し て の 要 件 を 満
た し て い な い と 判 断 す る 。た だ し 、小 売 量 販 店 や コ ン ビ ニ エ ン ス ス ト ア ー
な ど レ ジ ス タ ー か ら 出 力 さ れ た も の に つ い て は 、あ て 名 が 未 記 載 で あ る が 、
こ う し た も の ま で す べ て に あ て 名 の 記 載 を 求 め る こ と は 、少 し く 、現 実 的
な妥当性に欠ける点がなくはない。
し た が っ て 、政 務 調 査 活 動 に 関 す る も の と 類 推 で き る も の は 適 正 な 証 拠
書類の一つとして取り扱うことが妥当と考えた。
政 務 調 査 費 の 使 用 に あ た っ て は 、区 民 に 対 す る 説 明 責 任 を 求 め ら れ て い
る こ と か ら 、領 収 書 等 の 証 拠 書 類 の 取 扱 い に つ い て 明 確 に す る よ う 、各 会
派 に お い て も 、運 用 指 針 の 周 知 徹 底 を 行 う と と も に 、政 務 調 査 費 の 支 出 に
お け る 自 己 監 査 体 制 の 整 備 な ど の 内 部 統 制 の 充 実 を 図 り 、再 発 防 止 に 努 め
られるよう強く要望する。
さ ら に 、所 管 部 に お い て は 、政 務 調 査 費 の 支 出 に つ い て 審 査 を 行 う 際 に
は 運 用 指 針 に 基 づ き 、領 収 書 の 形 式 審 査 を 綿 密 に 行 う と と も に 、領 収 書 の
-8-
記 載 事 項 を 使 途 基 準 に 照 合 し 、問 題 が あ る と 思 わ れ る 事 項 が あ れ ば 、各 会
派に確認を行うなど審査を適正に行うよう努められたい。
(3 )
関係書類の保存について
研修費等の支出に関する関係書類の廃棄、紛失した事例が散見された。
関係書類の保存については、「経理責任者は、関係書類を区規則で定める期
間保存しなければならない。」(条例第11条)、「会派の代表者は、四半期に係
る政務調査費の収入及び支出の報告書に、当該支出に係る領収書等の証拠書類
を添付して、議長に提出しなければならない。」(条例第12条)、「条例第11
条第2項の関係書類の保存期間は、収支報告書の提出すべき期日の末日の翌日
から起算して5年を経過する日までとする。」(規則第7条)、「条例第12条
第3項の収支報告書等の保存期間は、提出すべき期日の末日の翌日から起算し
て5年を経過する日までとする。」(規則第10条)と関係書類等の保存が義務
付けられている。
関係書類の保存については、区議会各会派の経理責任者は、保存に留意する
とともに、所管部においても収支報告書の提出の際、確認に努められたい。
(4) 按分について
按分について各会派から事情聴取したところ以下のような回答だった。
-9-
会派名
説明
渋谷区議会自由民主党議員団
渋谷区政務調査費の手引きに記載されている通り、按分の割合につい
ては会派に任されている。したがって原則50%を基本とするが、その他
面積割、字数割、構成比率割等採用し、適切に運用している。
民主党渋谷区議団
公私の区分、あるいは政党活動や地域における活動など、政務調査
活動とその他の活動が重層的に行われる場合は按分とし、基準が「手
引き」に明示されている場合は原則それに従っている。示されていない
場合、輻輳している度合いは個々の事例や議員の活動スタイルごとに
異なるため、按分割合について会派で統一して基準を作るのではな
く、個々の議員の判断に委ねている。
渋谷区議会公明党
議員の調査研究活動と政党活動や地域活動が重複する場合は、原則
として50%の按分とするが、重複の割合によっては、会派としてその按
分率を判断する。
日本共産党渋谷区議会議員団
現在按分する支出はありません。他の活動と重複する支出について
は、その割合で按分します。
無所属クラブ
ガソリン代、電話代他自宅購読の新聞代(全国紙)について50%
政務調査にも使用するパソコン等で自宅において使用しているものは
50%
自分の所属(自宅のある)町会の行事参加費(会費)は50%
みんなの党渋谷区議会
議員の調査研究活動と政党活動や地域活動が重複する場合は、按分
とする。按分率は会派として判断する。
純粋無所属の会
現在、当会派には政党所属の議員はおらず、政党活動は対象になら
ない。
調査研究活動と地域活動が重複する場合は、原則として50%の按分と
するが、重複の割合によっては会派としてその按分率を判断する。
出典:渋谷区議会事務局資料
按 分 に つ い て は 、「 全 国 都 道 府 県 議 会 議 長 会 で 検 討 さ れ た『 政 務 調 査 費
の使途の基本的な考え方』や他自治体の使途基準等を参考にして、平成
1 9 年 3 月 の 幹 事 長 会 で の 協 議 事 項 と し て『 政 務 調 査 費 の 使 途 に 関 す る 運
- 10 -
用指針(案)』を作成した。
こ の 運 用 指 針( 案 )に つ い て は 、平 成 1 9 年 4 月 の 幹 事 長 会 で 協 議 さ れ
たが、統一的な運用指針としては決定されず、また、区議会議員の改選時
期でもあったことから、協議継続となり改選後の申送り事項として決定さ
れた。
そ の 後 、平 成 1 9 年 7 月 の 幹 事 長 会 の 協 議 で『 渋 谷 区 議 会 政 務 調 査 費 あ
り方検討会』の設置が決定され、平成20年2月13日の同検討会からの
答申を踏まえ、平成20年4月1日から実施する統一的な『政務調査費の
使途に関する運用指針』として、『渋谷区政務調査費の手引き』を作成し
た。
平成19年度における各会派の判断で決めていた按分率や上限額など
統一的な運用が図られるようになった。
平 成 2 0 年 度 は 、こ の 運 用 指 針 に 基 づ き 、各 項 目 の 按 分 率 や 上 限 額 な ど
の 統 一 的 な 運 用 解 釈 を 行 っ て い る 。」と 平 成 2 1 年 1 月 3 0 日 付 け 及 び 同
年9月29日付けの渋谷区職員措置請求及び監査結果の中で所管部は経
緯 を 述 べ て い る 。確 か に 按 分 に つ い て は 、運 用 指 針 で は 一 体 的 支 出 の 按 分
の 原 則 が 示 さ れ て い る に す ぎ ず 、そ の た め も あ っ て か 、事 情 聴 取 し た 結 果 、
按分の考え方も各会派、同一会派内での考え方に統一性がなかった。
一 体 的 支 出 の 按 分 に つ い て 裁 判 例 で は 、社 会 通 念 上 相 当 な 割 合 に よ る 按
分をして政務調査に資するための必要な費用の金額を確定するのが相当
であると判断されている。
按 分 に つ い て は 、各 会 派 の 自 主 性 及 び 自 律 性 を 尊 重 し 、会 派 内 に お い て
統一的な対応が図られるよう調整を行われたい。
- 11 -
(5 ) ポ イ ン ト に つ い て
ポイントについて各会派から事情聴取したところ以下のような回答だっ
た。
会派名
説明
渋谷区議会自由民主党議員団
商品購入時にポイントが付与された場合は、原則として1ポイント1円に
換算して購入金額から差し引いて請求する。ただし、携帯電話等の料
金支払後に付与されるポイント等については、その金額換算が困難で
あるため、支払金額を50%按分し請求する。
民主党渋谷区議団
ポイントについては個々の決済方法等に違いがあるため、統一的な取
り扱いを行っていない。議員の判断に委ねている。
渋谷区議会公明党
商品購入時にポイントが付与された場合は、原則として1ポイント1円に
換算して購入金額から差し引いて請求する。ただし、携帯電話等の料
金支払後に付与されるポイント等については、その金額換算が困難で
あるため、支払金額をそのまま請求する。
日本共産党渋谷区議会議員団
ポイントの扱いについては、使用しないと決めていますので、使ってい
ません。
無所属クラブ
これまでは統一されていなかった。(ポイントは次回使用している。ポイ
ント分を差し引いて請求している。ポイントカードを使用しない。)
今後はポイントについては1ポイント当たりの換算金額を差し引いて請
求することに統一。
みんなの党渋谷区議会
原則としてポイントは付けない。ポイントを付与した場合は、請求額から
差し引く。クレジットカードのポイントや携帯電話のポイントについては
差し引くことが困難なためそのまま請求する。
純粋無所属の会
商品購入に際しては、可能な限り、ポイントのつかない購入方法を選
択している。金額換算が困難な例として、携帯電話等の料金支払後に
付与されるポイント等については、支払金額をそのまま計上する。
出典:渋谷区議会事務局資料
- 12 -
ポイントの扱いについては、「渋谷区議会政務調査費あり方検討会」に
おいても議論されたが、家電量販店、ガソリンスタンド、携帯電話料金、
クレジットカード、商店街など、現在、各種のポイント制度があり、その
サ ー ビ ス 内 容 も「 次 回 以 降 の 商 品・役 務 の 購 入 時 な ど に 利 用 し う る 。」「 景
品と交換できる。」など様々で、一律にルール化することは困難であると
して、結論には至らなかったとされている。
運用指針では、ポイントの扱いを一律にすることは困難であるためポイ
ント分の差し引き計上について基本を定め、扱いを各会派の判断としてい
る。
各会派でポイントについて考え方に相違があるので、各会派の自主性及
び自律性を尊重し、会派内において統一的な対応が図られるよう調整を行
われたい。
(6 ) 調 査 研 究 費 に つ い て
調査研究費については、政務調査及び視察等の業務委託について、調査
委託費で支出されていたが、調査委託契約された内容が、区政との関連が
必ずしも明確でないのではないかとの疑義ある業務委託があった。
会派の事情聴取で「3月中に報告を求めている委託業務は、委託契約を
した以降に議会質問等に使用する調査業務である。」との説明があった。
調査研究の内容について裁判例では、「調査研究の実質があっても、支出
の対象となった活動が市政と関連性を有することや、必要かつ合理的なも
のであることなども求められている」と判断を示したものが存在する。
調査研究活動として、将来にわたる活用及びその実績等の点において今
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少 し「 明 白 性 」の 特 定 、検 討 等 が 求 め ら れ る 事 例 で は な い か と 思 料 さ れ る 。
(7 ) 研 修 費 に つ い て
おおむね適正に処理されていたが、会費の清算手続きにおいて、運用指
針に記載されている団体の関連団体の案内状、通知書等が領収書に添付さ
れていない事例が複数件認められた。
運用指針では、記載されている団体以外の会費については、「議長が調
査 研 究 活 動 の 対 象 と し て 妥 当 と 認 め る 団 体 と し て 個 々 に 判 断 す る 」と し て 、
案内通知、パンフレット等のコピーを添付することになっている。
所管部は、「その都度団体の公益性・活動内容等について調査し、処理
を行っているが、案内通知、パンフレット等の領収書への添付、保管につ
いては、不十分であり不適切であった。
今後、各会派・議員に本件について周知徹底するとともに、所管部にお
ける証拠書類の確認作業においても、適切に確認処理するよう努める」と
しているので、今後は、調査の内容、処理の方法について、より運用指針
に即した適切な処理をされたい。
(8 ) 会 議 費 に つ い て
おおむね適正に処理されていた。
(9 ) 資 料 作 成 費 に つ い て
おおむね適正に処理されていた。
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(10) 資 料 購 入 費 に つ い て
おおむね適正に処理されていたが、購入した図書を図書カードで支払っ
ている事例があった。
会派の事情聴取を通じて、過誤による支出であることが判明したが、運
用指針では、支出方法は、原則として実費弁償となっている。
その後、会派が返還するとしたことは適切な処置だと思料するものであ
る。
これとともに、図書を3月30日注文した代金の領収書の日付が4月1
日 と な っ て お り 、支 出 は 平 成 2 3 年 度 分 と し て 計 上 し て い る 事 例 が あ っ た 。
このことについて、会派の事情聴取では、3月中の注文であり平成23
年度分との説明だった。
しかし、「普通地方公共団体の会計年度は、毎年4月1日から始まり翌
年3月31日に終わるものとする。」(法第208条)とされている。
さらに、運用指針では、支払時点での計上としている。
その後、会派が返還するとしたことは適切な処置だと思料するものであ
る。
(11) 広 報 費 に つ い て
おおむね適正に処理されていたが、通信運搬費の支出に区政とは無関係
の紙面があるチラシの折り込み代や後援会のお知らせが掲載されている区
政レポートの郵送代があった。
会派の事情聴取を通じて、過誤による支出であることが判明したが、運
用指針では、「会派や各議員のホームページに、政党活動及び後援会活動
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内容等が掲載されているものがある場合は、按分率50%を基本とし、掲
載内容により各会派が按分率を判断する。」としている。
その後、会派として、紙面の面積比に応じて、返還するとしたことは適
切な処置だと思料するものである。
(12) 事 務 費 に つ い て
おおむね適正に処理されていたが、備品消耗品費で、事務用品購入につ
いて、資料購入費と同様に年度をまたいだ支出がされていた。
こ の こ と に つ い て 、会 派 の 事 情 聴 取 で の 説 明 も 資 料 購 入 費 と 同 様 で あ っ た 。
そ の 後 、会 派 が 返 還 す る と し た こ と は 適 切 な 処 置 だ と 思 料 す る も の で あ る 。
(13) 人 件 費 に つ い て
おおむね適正に処理されていたが、給料手当に証拠資料が揃っていない
ものが散見された。今後は、証拠書類等を整理するように努められたい。
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意見
政 務 調 査 費 は 、各 地 で 住 民 監 査 請 求 や 住 民 訴 訟 が 提 起 さ れ 、裁 判 例 で は 、
政務調査費の必要性や、使途基準の適合性について「公益上の必要性」を
「社会通念」を基礎にして「通常必要といえるかどうか」による判断を示
している。
最近の裁判例では、平成25年1月25日に最高裁判所で区議会議員が
提起した住民訴訟の控訴の提起に係る手数料の印紙代等に充てた政務調査
費の支出が、使途基準に定める調査研究費又は他の項目に該当せず、使途
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基準に適合しない支出であるというべきとの判決が出された。
上記最高裁判所の判決を参酌して、今後、なんらかの形で運用指針等に
考え方を反映させることの当否の検討を勘考していただきたい。
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