台湾-職業能力開発の政策とその実施状況のPDFファイル

台湾(調査大項目 3:職業能力開発の政策とその実施状況)
作成年月日:2009 年 10 月 31 日
3.1
職業能力開発の背景
経済建設委員会(Council for Economic Planning and Development:DEPD)は 1963
年に人材開発計画を打ち上げて以来、その後の 4 カ年又は 6 カ年国家開発計画に伴って
一連の人材開発計画を提案してきた。これらは以前、職業能力開発政策の基本計画の原
型であった。21 世紀に入ってこの慣行は変更され、2001 年に世界で IT バブルが弾け、
国内外での社会的経済的環境がグローバリゼーションとともに大きく変わり、国際競争
が激化、台湾では低出産率と急激な高齢化の問題が顕著になった。その一方で、2000
年に政権交代が起こり、初めて民進党(DPP)が第一党となった。2002 年、それまで
民進党が主張してきた、繁栄と公平性、及び持続性を追求する「グリーン・シリコンア
イランド」構想を実現するために、国家開発の新基本計画である「2008 年に向けての挑
戦‐国家主要開発計画」が実行に移された。
職業能力強化計画(2002~04 年)は、「2008 年に向けての挑戦‐国家主要開発計画」
の開始後に始まった。この計画で明言されたことは、職業訓練の諸資源を統合し、職業
能力構築のための投資を増加し、「2008 年に向けての挑戦‐国家主要開発計画」を実現
するための能力を育成し、失業者の就業能力を改善することであった。
職業能力強化計画の第 2 期は 2005~07 年で、3 年以内に以下の 5 つの目的を達成す
ることが宣言された。
(1)職業能力投資を毎年 10%増加する。
(2)職業訓練を行うビジネスの割合を 18%に引き上げる。
(3)職業訓練に参加する被雇用者の割合を 26%にする。
(4)障害者に対する訓練を拡大し、彼らの雇用率が 50%になるよう支援する。
(5)少なくとも 31 件の新職業能力基準と認定機構を設置する。
しかしながらこの計画は、2006 年の産業人材政策スタート以後、これに統合される形
となった。
政府は台湾の経済開発を持続するための会議を 2006 年 6 月に招集した。会議の結論
に基づいて、行政院は 2015 年に向けての経済開発ビジョンを策定し、2007~09 年にわ
たる第 1 段階の 3 カ年スプリント計画を作成した。第 1 段階の 3 カ年スプリント計画の
5 つの政策の 1 つが産業人材政策であった。この産業人材政策は、「新世紀に向けての人
材開発計画の第 2 期(2005~08 年)」、「職業能力強化計画の第 2 期(2005~07 年)」、
及び主要人材育成活用計画」 1 を統合したもので、4 つの基本戦略、9 つの主要政策、及
び数多くの明確で具体的な施策に焦点を当てたものである。
米国でのサブプライムローン危機及び 2007 年の原油と諸原料の価格高騰の結果、金
融危機が 2008 年に始まった。2008 年の後半には景気が劇的に落ち込んだ。需要の激減
で世界の雇用市場は大きく揺らぎ、急激に悪化した。経済不況から発生する失業危機へ
1
この計画は 6 人の大臣の同意により発案され、専門大学の強化を通じて 12 種の基本的人材の育成に
重点を置き、修士レベルの供給と大学での産業界と教育界の共同計画を目的とした。詳細は、2005
年 1 月 20 日付、経済建設委員会のニュースリリース(中国語)を参照。
http://www.cepd.gov.tw/m1.aspx?sNo=0003696&key=&ex=%20&ic=&cd=7c072fa966bb1e4b8034
a0de5acdd04b
1
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の恐れから、行政院はあらかじめ対応策を取った。2008 年の 10 月と 11 月に行政院経
済開発委員会は一連の雇用促進計画を導入した。この計画には 2008~09 年短期雇用促
進対策、2009~12 年の雇用促進計画、国内需要拡大のための地方建設事業の強化、公
共事業投資拡大のための 5,000 億台湾ドル 2 の 4 カ年計画を含んでいる。また、行政院
は、副首相の指揮下に各省にまたがる作業部会を設置して、悪化の一途をたどる失業率
に対応し、各中央省庁の活発な反応を調整することを狙いとした。経済を活性化する雇
用促進対策を取る一方で、政府は「国際的な金融危機により引き起された失業の波に適
切に対応すること、国家の人材と物理的なインフラの拡大、国家競争力の向上」を狙い
として、レイオフの減少、仕事の創出、国内需要の拡大、障害者福祉という 4 つの基本
政策を導入した。
3.2
職業能力開発を進めるための国の政策
景気後退による雇用への衝撃に対処するための上記 4 つの基本政策のうち、職業能力
開発を促進することを狙いとしたプログラムは 2 つのカテゴリーに分類される。その 1
つは総合大学と単科大学の新卒者の雇用改善に焦点を当てたものである。その他は新卒
者を含む全体の能力育成プログラムである。
(1) 景気後退の衝撃を軽減するための、就業能力向上に向けての特別予算による優れた
人材の育成
教育部は他の省庁レベルの機関と協力して、新卒者の上昇する一方の高い失業率を軽
減しようとしている。優れた人材を育成して就業能力を改善するプログラムには、3 つ
の付属プログラムがある。
(a) ビジネスインターンとアシスタントの仕事
新卒者の就業が困難であることの根底にある問題はミスマッチングであり、摩擦的失
業ともいわれている。この種のプログラムは、新卒者に就職前に就労経験を与え、スム
ーズな社会人スタートを切るための機会与えようとするものである。これにより、これ
までほとんどの学校では触れられていない職業能力課程を新卒者に学ばせることになる。
プログラムの詳細は下記のものである。
1)2006~08 年度大学又は単科大学卒業生向けのインターンシッププログラム
教育部は、総合大学又は単科大学の最近の卒業者(2006~08 年卒)をビジネ
ス界、教育財団、又は NPO 組織にインターンとして配置し、受入れた雇用主に
は月額基本給とそれ以外の経費として、インターン生 1 人当たり 2 万 6,190 台湾
ドル(NTD)の補助金を最長 12 カ月まで支給する。
2)カウンセリングと図書館アシスタント(あらゆるレベルの学校に対して)
3)教育指導アシスタント
4)管理業務アシスタント
5)キャリア計画コンサルタント及びプロジェクト管理専門家
6)プロのインストラクター(さまざまな業界)
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1 台湾ドル=2.7715 円(2009 年 11 月 2 日現在)
2
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7)中学校又は小学校での専門教師
8)スポーツ専門のコーチ
上記の 2~8 番目のプログラムについては、教育部が、新卒者の教育到達度と経験に
従って、新卒者を 1 年間の固定期間で雇う学校に対して補助する。初めて仕事に就く者
への補助金は、単科大学及び短期大学の卒業者は 2 万 6,190 台湾ドルで、修士号を持つ
者は 3 万 500 台湾ドルである。2 度以上の就労経験がある場合の補助金は、単科大学及
び短期大学の卒業者は 3 万 500 台湾ドル、修士号を持つ者は 3 万 4,850 台湾ドル、博士
号を持つ者は 5 万 1,850 台湾ドルとなっている。
(b) 人材価値の増大と訓練
1)単科大学、又はそれ以上の高等教育機関の卒業者向けの人材価値向上プログラム
(教育部)はすぐ職を見つけるつもりがなく、学校でさらに職業関連能力を身に
付けるための投資をしたいと望む卒業者には、1 年以内の期間で 1 人当たり 5 万
台湾ドルまでの成人学習プログラムの補助金を与える。
2)単科大学、又はそれ以上の高等教育機関の卒業者向けの雇用前研修は、新卒者に
対しては、台湾訓練資格制度(Taiwan Training Qualification System:TTQS)
で認定された民間又は公的訓練機関での訓練費用を最長 1 年間 3 万 3,775 台湾ド
ルまで、加えて、障害者又は法律により指定された者については、さらに生活費
を 3 万 6,050 台湾ドルまで与える。
(c) 博士研究員(Post-doctoral Researcher)と研究助手(Research Assistant)
このプログラムは、ハイレベルの学位所有者が研究開発能力を強化できるように支援
することを目的としたものである。教育部、国家科学委員会、及び農業委員会が給与に
ついて、受給者の教育到達度、すなわち修士、又は博士号に従って 2 万 2,000~4 万 4,000
台湾ドルの範囲で補助金を与える。
(2) 雇用促進計画(2009~12 年)の下での職業能力対策
新卒者を含む全体の能力育成プログラムは雇用促進計画(2009~12 年)に統合され、
その一部となっている。その計画には以下のようなものがある。
(a) 産業人材投資計画(2009 年)
産業人材投資計画は 2005 年に初めて導入され、その後、有効性向上のため修正され、
現在は行政院労工委員会職業訓練局により実施されている。
1)目標
認定訓練機関と協力して、この計画では訓練コース指向の活用を図り、積極的
に能力を強化しようとする被雇用者に補助金を提供し、被雇用者人材投資の蓄積
を図る。
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2)受給対象者
受給者は以下の資格を持たなければならない。
・労働保険法又は農民保険法による被保険者で台湾国民
・又は長期滞在許可を持つ大陸出身の配偶者
・又は居留許可を持つ外国人配偶者で年齢が 15~65 歳の者
3)補助金
被雇用者 1 人につき、3 年間に最大 5 万台湾ドルまで、訓練費用の 80%を支給
する。雇用サービス法の第 24 条に指定する者については、同じ上限額で以下の
条件を満たす者の訓練費全額を含む。
・家族を扶養しなければならない女性
・中高年者
・障害者
・先住民
・低所得家庭出身の就労能力のある者
(b) 青少年のための職場体験研修計画(2009)
こ の 計 画 は 、 経 済 建 設 委 員 会 、 職 業 訓 練 局 、 青 年 輔 導 委 員 会 ( National Youth
Commission:NYC)の協力により 2003 年にスタートした。現在は青年輔導委員会に
より実行されている。
1)目標
職場体験機会を与えてくれる企業との協力により、青少年が就労経験をする支
援をして、彼らの職業能力向上、及びキャリア開発強化を行い、学校と職場の橋
渡しをする。
2)参加要件
この計画に参加する青少年は以下の条件を満たさなければならない。
・18~29 歳
・30 日以上の期間雇用されていない
・高校、職業高校、又はそれ以上の学校の卒業生
・6 カ月間終日勤務ができる、短期大学又はそれ以上の学校の卒業者又は卒業
見込み者
・大学院生
・夜間部、又は休日部通学の学生
3)奨励金又は補助金
この計画は企業に対して、青少年 1 人当たり 1 万台湾ドルの給与補助金と企業
負担の労働保険料 798 台湾ドルを毎月最大 3 カ月の期間与える。給与の補助は、
青少年が先住民、障害者、低所得家庭の者の場合には、1 万 2,000 台湾ドルであ
る。しかし、企業は 3 カ月の期間、少なくとも訓練生に 1 万 3,100 台湾ドルを払
わなくてはならない。
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(c) 産業界・教育界相互協力計画
この計画は教育部によって 2006 年度より開始され、実行されている。
1)目標
企業と職業高校及びそれ以上の高等教育機関との協力により、ある制度のなか
で就労経験と修了証を与える。
2)受給対象者
この計画は、ある制度で就労体験と修了証を与えるため、企業と協力をする各
学校のクラスに対して奨学金を与える。
3)奨学金又は補助金
この計画は、各年度、各クラスに対して 50 万台湾ドルを補助する。
(d) 企業での修士レベル研究開発人材増員計画
この計画は、経済部と教育部によって 2004 年より開始され、実行されている。
1)目標
企業及び高等教育機関との協力により、企業の潜在的な被雇用者や現役被雇用
者の訓練を企業に行わせる。企業が 2 年制の修士コースを企画して、研究開発人
材の供給を増やし、同時に職業能力育成を支援することを目的とする。
2)受給対象者
この計画は、修了証を与える企業と協力する各学校のクラスに対して奨学金を
与える。
3)奨学金又は補助金
この計画は、各年度、各学生に 10 万台湾ドルを補助するものである。企業は
その教育費用の一部を自己負担し、ある場合には費用全額負担することもある。
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3.3
政府及び関係団体の制度、組織、機能
ほとんどの対策において中央政府が主な役割を果たしている。総合大学や単科大学の
新卒者の就業能力を向上するために関係する制度や組織は以下の図 3‐1 のようになっ
ている。
図 3‐1
就業能力向上のための優秀な人材の育成計画
教育部及び青年輔導委員会
1. 2006~2008 年度大学又は単科大学卒業生向けのインターンシッププログラム
2. カンセリングと図書館アシスタント(あらゆるレベルの学校に対して)
3. 教育指導アシスタント
4. 管理業務アシスタント
5. キャリア計画コンサルタント及びプロジェクト管理専門家
6. プロのインストラクター(さまざまな業界)
7. 中学校、又は小学校での専門教師
8. スポーツ専門コーチ
この対策に、総額 206 億台湾ドルが 2009~10 年に割り当てられ、これにより 5 万 8,000
人のインターン又はすぐスタート可能な 1 年間の就業機会が生まれる見込みである。
インターン又は就業機会
新卒者
人材能力の強化
研究開発の仕事
教育部及び行政院労工委員会
教育部、経済部、国家科学委員会及び
1. 大学及び高等教育卒業者に
農業委員会
1. 博士研究者
対する人材能力強化(教育部)
2. 雇用前訓練(行政院労工委員会)
2. 研究助手
*出典:Executive Yuan, “Explanation of Economic Revitalization and Employment Promotion
Policy Measures”, http://www.ey.gov.tw/ct.asp?xItem=52920&ctNode=2877&mp=11
雇用促進計画(2009~2012 年)のもとでの職業能力対策については、3 つの付属する
プログラムがある。すなわち、産業教育協力対策、訓練対策、特定人材のための訓練対
策である。それらは図 3‐1 及び表 3‐1 にまとめられている。
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図 3‐2
雇用促進計画(2009~2012 年)の下での職業能力対策プログラム
青少年育成プログラム・CLA(ESF)
1. 企業内学士号 2 カ年取得プログラム/MOE(YB)*
2. 産業界―教育界相互協力計画/MOE(YB)
3. 主要産業職業プログラム上級/MOE(YB)
4. 実用技術訓練プログラム/MOE(YB)
5. 教育協力プログラム/MOE(YB)
6. 企業内・修士レベル研究開発人材増員計画/MOE & MOEA (YB)
雇用促進計画(2009~2012 年)の下での
職業能力対策プログラム
1.
失業者向けの全体的訓練
高齢者介護訓練・CLA(ESF)
2.
物流人材訓練・CLA(ESF)
3.
1.
青少年向け職場体験計画/NYC(YB)
被雇用者向けの訓練
高齢者介護 OJT 訓練/MOI(YB)
2.
物流人材訓練・MOEA(YB)
3.
卸売業・小売業サービス向上・MOEA(YB)
4.
被雇用者の生涯教育/MOE(YB)
5.
産業界向け人材投資計画・CLA(ESF)
6.
1.
人材強化のための企業支援グループタイプ計画・CLA(ESF)
特定人材向けの訓練
観光関連労働者向け訓練・MOTC(YB)
2.
観光関連労働者向け訓練・CLA(ESF)
3.
退役軍人向けの訓練・VAC(YB)
4.
原住民向け訓練・CIP(YB)
(注 1)組織名略語:CLA(Council of Labor Affairs:行政院労工委員会)、MOE(Ministry of
Education:教育部)、MOEA(Ministry of Economic Affairs:経済部)、NYC(National Youth
Commission:青年輔導委員会)、MOI(Ministry of Interior:内政部)、MOTC(Ministry of
Transportation and Communication:交通部)、VAC(Veterans Affairs Commission:国軍
退除役官兵輔導委員会)、CIP(Council of Indigenous Peoples:原住民族委員会)
(注 2)予算の拠出元:YB(Yearly Budget:年度予算)、ESF(Employment Stability Fund:雇用
安定化基金)、EIF(Employment Insurance Fund:雇用保険基金)
(注 3)企業内学士号 2 カ年取得プログラムは、2010~2012 年まで延長の予定。
*出典:Council for Economic Planning and Development,
http://www.cepd.gov.tw/m1.aspx?sNo=0010829&key=&ex=&ic=
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表 3‐1
台湾・雇用促進計画の下での職業能力開発政策と訓練規模
計画・組織(予算拠出元)
産業界の教育協力計画合計
青少年育成プログラム・CLA(ESF)
企業内学士号 2 カ年取得プログラム・MOE(YB)*
産業界―教育界相互協力計画・MOE(YB)
主要産業職業プログラム上級・MOE(YB)
実用技術訓練プログラム・MOE(YB)
教育協力プログラム・MOE(YB)
企業内修士レベル研究開発人材増員計画・MOE&MOEA(YB)
訓練者数合計
失業者向けの訓練
高齢者介護・CLA(ESF)
物流人材訓練・CLA(ESF)
青少年向け職場体験計画・NYC(YB)
被雇用者向けの訓練
高齢者介護 OJT 訓練・MOI(YB)
物流人材訓練・MOEA(YB)
卸売業・小売業サービス向上 MOEA(YB)
被雇用者の生涯教育・MOE(YB)
産業界向け人材投資計画・CLA(ESF)
人材強化のための企業支援グループタイプ計画・CLA(ESF)
特定人材向け訓練
観光関連労働者向け訓練・MOTC(YB)
観光関連労働者向け訓練・CLA(ESF)
退役軍人向けの訓練・VAC(YB)
原住民向け訓練・CIP(YB)
2009 年
2010 年
2011 年
2012 年
51,150
11,000
900
4,800
300
13,000
20,000
1,150
184,720
6,820
4,500
420
1,900
172,300
2,000
150
150
40,000
50,000
80,000
5,600
3,300
2,000
200
100
50,100
12,000
0
4,800
300
13,000
20,000
0
185,620
8,520
4,500
520
3,500
173,500
2,200
150
150
41,000
50,000
80,000
3,600
3,300
0
200
100
51,300
13,000
0
5,000
300
13,000
20,000
0
185,970
8,620
4,500
620
3,500
173,700
2,400
150
150
41,000
50,000
80,000
3,650
3,300
0
250
100
52,300
14,000
0
5,000
300
13,000
20,000
0
187,170
8,620
4,500
620
3,500
174,900
2,600
150
150
42,000
50,000
80,000
3,650
3,300
0
250
100
(注 1)組織名略語:CLA(Council of Labor Affairs:行政院労工委員会)
MOE(Ministry of Education:教育部)
MOEA(Ministry of Economic Affairs:経済部)
NYC(National Youth Commission:青年輔導委員会)
MOI(Ministry of Interior:内政部)
MOTC(Ministry of Transportation and Communication:交通部)
VAC(Veterans Affairs Commission:国軍退除役官兵輔導委員会)
CIP(Council of Indigenous Peoples:原住民族委員会)
(注 2)予算の拠出元:YB(Yearly Budget:年度予算)
ESF(Employment Stability Fund:雇用安定化基金)
EIF(Employment Insurance Fund:雇用保険基金)
(注 3)企業内学士号 2 カ年取得プログラムは、2010~2012 年まで延長の予定。
*出典:Council for Economic Planning and Development,
http://www.cepd.gov.tw/m1.aspx?sNo=0010829&key=&ex=&ic=
3.4
予算と財源
就業能力向上に向けて優秀な人材を育成するための予算は、2008 年には 254 億 8,000
万台湾ドル、2009 年には 37 億 8,000 万台湾ドルで、合計で 292 億 6,000 万台湾ドルで
あった。その財源は公共事業投資拡大プロジェクト 2009~2012 年のための特別予算
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5,000 億台湾ドルであった。雇用促進計画(2009~2012 年)のもとでの職業能力対策プ
ログラムについては、概算予算は 2009~2012 年の間に 132 万 4,836 台湾ドルから 402
万 9,290 台湾ドルに増加となっている。詳細は表 3‐2 のとおりである。
表 3‐2
台湾における職業能力開発の政策と計画
計画・組織(予算の出所)
産業界の教育協力計画合計
青少年育成プログラム・CLA(ESF)
企業内学士号 2 カ年取得プログラム・MOE(YB)
産業界―教育界相互協力計画・MOE(YB)
主要産業職業プログラム上級・MOE(YB)
実用技術訓練プログラム・MOE(YB)
教育協力プログラム・MOE(YB)
企業内修士レベル研究開発人材増員計画・
MOE&MOEA(YB)
訓練計画合計
失業者向けの訓練
高齢者介護・CLA(ESF)
物流人材訓練・CLA(ESF)
青少年向け職場体験計画・NYC(YB)
被雇用者向けの訓練
高齢者介護 OJT 訓練・MOI(YB)
物流人材訓練・MOEA(YB)
卸売業・小売業サービス向上 MOEA(YB)
被雇用者の生涯教育・MOE(YB)
産業界向け人材投資計画・CLA(ESF)
人材強化のための企業支援グループタイプ計画・CLA
(ESF)
特定人材向け訓練
観光関連労働者向け訓練・MOTC(YB)
観光関連労働者向け訓練・CLA(ESF)
退役軍人向けの訓練・VAC(YB)
原住民向け訓練・CIP(YB)
概算予算(台湾ドル)
2009 年
1,324,836
144,685
0
55,000
30,000
590,000
372,000
2010 年
2,959,620
160,020
0
55,000
30,000
1,649,600
1,065,000
2011 年
3,669,955
173,355
0
60,000
30,000
1,649,600
1,757,000
2012 年
4,029,290
186,690
0
60,000
30,000
1,649,600
2,103,000
133,151
0
0
0
1,130,775
97,425
27,000
10,425
60,000
960,350
4,000
3,500
2,850
0
550,000
1,106,150
120,400
27,000
13,400
80,000
960,750
4,400
3,500
2,850
0
550,000
1,110,325
123,375
27,000
16,375
80,000
961,150
4,800
3,500
2,850
0
550,000
1,110,725
123,375
27,000
16,375
80,000
961,550
5,200
3,500
2,850
0
550,000
400,000
400,000
400,000
400,000
73,000
20,000
48,000
3,200
1,800
25,000
20,000
0
3,200
1,800
25,800
20,000
0
4,000
1,800
25,800
20,000
0
4,000
1,800
(注 1)組織名略語:CLA(Council of Labor Affairs:行政院労工委員会)
MOE(Ministry of Education:教育部)
MOEA(Ministry of Economic Affairs:経済部)
NYC(National Youth Commission:青年輔導委員会)
MOI(Ministry of Interior:内政部)
MOTC(Ministry of Transportation and Communication:交通部)
VAC(Veterans Affairs Commission:国軍退除役官兵輔導委員会)
CIP(Council of Indigenous Peoples:原住民族委員会)
(注 2)予算の拠出元:YB(Yearly Budget:年度予算)
ESF(Employment Stability Fund:雇用安定化基金)
EIF(Employment Insurance Fund:雇用保険基金)
(注 3)企業内学士号 2 カ年取得プログラムは、2010~2012 年まで延長の予定。
*出典:Council for Economic Planning and Development,
http://www.cepd.gov.tw/m1.aspx?sNo=0010829&key=&ex=&ic=
9
台湾(調査大項目 3:職業能力開発の政策とその実施状況)
作成年月日:2009 年 10 月 31 日
3.5
外国・国際機関からの援助
近年は、主要国政府や国際機関からの、目立った国家レベルでの協力や支援はない。
しかし、APEC の枠組みや基盤での二国間及び多国間協力は活発であり、台湾における
ビジネス活動の国際化が進んでいるため、民間部門でのビジネス協力も活発である。
3.6
職業能力開発の政策評価
産業人材政策の開始後、経済建設委員会により無任所大臣の監督の下に、3 カ月に 1
度、監視及び反省会が行われていた。しかし、この仕組みは 2008 年 5 月の政権交代以
降は途絶えた。そして、新基本計画と人材開発の仕組みを行政院が作業中であり、2009
年に教育部によって調整された。2007 年の結果は以下のように報告された。
・MOEA の主要産業技術人材訓練計画では 1 万 7,750 人が訓練を修了した。
・その結果、主要サービス部門の人材訓練計画のコースに参加したのは、合計で 19 万
5,454 人となった。
・職業訓練局(Bureau of Employment and Vocational Training:BEVT)の産業人材
投資計画では 2,612 のクラスで 6 万 145 人が参加し、4 万 6,761 人がコースを修了し
た。
・全部で 65 校の単科大学・総合大学、257 のプログラムに、1 万 458 人の学生が BEVT
の大学内での就業能力プログラムに関するプロジェクトに参加した。
・全部で 25 校の単科大学・総合大学、31 のプログラムに、2,040 人の学生がサイエン
スパーク人材育成計画に参加した。
・MOE と MOEA は共同で高等教育機関の 83 クラスを承認し、1,089 人の学生に産業
人材育成計画を受けさせた。
さらに、どの機関においても、計画導入に当たっての決まった手順の一部として効果
的な評価を行うのが通常である。例えば、MOE と MOEA による企業内修士レベル研究
開発人材増員計画では、2004 年から 630 の企業と 45 の高等教育機関の協力を得て、
3,200 人の学生を養成し、2007 年には 850 人が卒業した。その卒業生の 95%が雇用さ
れた。これら 850 人の卒業生から国際的な雑誌やセミナーに 220 の論文が掲載され、60
の特許の取得があった。
青年輔導委員会によれば、青少年の職場体験計画から 1 万 2,000 件以上のインターン
シップが供給され、3 カ月のインターン期間後の就職率は 90%以上であった。
3.7
職業能力開発の実施概況
主要プログラムについて、コースのタイプ、各タイプのコース数、訓練生の人数、施
設数などを連絡先情報も含め、表 3‐3 にまとめた。
10
台湾(調査大項目 3:職業能力開発の政策とその実施状況)
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表 3‐3
計画、プロジェクト
産業人材投資計画
(2009)
青少年の職場体験
計画(2009)
産業界‐教育界
相互協力計画
企業内修士レベル
研究開発人材増員
台湾における職業能力開発の主要な計画の実施
実施
施設:この計画の施設数は正確には数えられていない。訓練機関は資格のある
TTQS 訓練者により認定されなければならない。それは、以下の要件も
満たさなければならない。
・教育部により認定を受けたさらに高等な機関
・適法な訓練機関、あるいは法により設立された合法な機関
・上記以外の機関で、BEVT の認可を受けたもの
訓練生の人数:年間 5 万人の見込み(表 3‐1 参照)
連絡先:施設名、コース詳細は明確になっており、その連絡先は BEVT の
ウェブサイトに掲載されている。
http://www.evta.gov.tw/content/content.asp?mfunc_id=7&func_id=7&t
ype_id=1&cata_id=0&id=18019&mcata_id=0&SearchDataValue
コースは一覧化されており、BEVT の訓練情報システムのウェブサイト
上 で 登 録 可 能 で あ る 。( ロ グ イ ン に は 登 録 が 必 要 )
http://tims.etraining.gov.tw/
施設:この計画の訓練に参加する機関は 5 人以上の従業員からなる組織で、同
時にビジネス団体登録メンバー、政府組織、NPO、あるいは研究所であ
ること。
訓練生の人数:2009 年には、1,900 人以上の青少年に職場体験を提供する。
(表
3‐1 参照)
連絡先:関連情報と管理を提供するウェブサイト
http://rich.nyc.gov.tw/richCandidate/graduate/index.jsp?tab=82EA90D
F07BEE175&projID=88C9E62C9C79FF6BD0636733C6861689.
施設:この計画は以下の 4 つのタイプの産業―教育協力を提供する。
・産業界―教育界協力 3+2 タイプ:職業高校の卒業書を出す職業高校と
準学士の卒業証書を出す 2 年制技術短期大学との協力
・産業界―教育界協力 3+2+2 タイプ:職業高校の卒業書を出す職業高校、
準学士の卒業証書を出す 2 年制技術短期大学、さらに学士の卒業証書を
出す、別の 2 年制技術大学又は総合大学との協力
・産業界―教育界協力 3+4 タイプ:職業高校の卒業書を出す職業高校と
学士の卒業証書を出す四年制技術大学又は総合大学の協力
・産業界―教育界協力 5+2 タイプ:準学士の卒業証書を出す五年制の技
術専門学校と学士の卒業証書を出す、別の 2 年制技術大学又は総合大学
の協力
全部で 115 校に 1 学年 1 クラスにつき、50 万台湾ドルの補助金が与えら
れた。
訓練生の人数:2009 年で約 4,800 人(表 3‐1 参照)
連絡先:関連情報と管理を提供するウェブサイト
http://ia.management.org.tw/index.html.
施設:1 ないし複数の企業と協力する総合大学又は単科大学の大学院は MOE 及
び MOEA の補助金を申請できる。
訓練生の人数:2009 年に 1,150 人の見込み
連絡先:関連情報と管理を提供するウェブサイト
http://www.rdmaster.org.tw/about.aspx.
*出典:各機関のウェブサイトから作成
11
台湾(調査大項目 3:職業能力開発の政策とその実施状況)
作成年月日:2009 年 10 月 31 日
公共職業能力開発実施機関
3.8
職業訓練法第 5 条によれば、職業訓練機関は以下の 3 種類に分けられる。
・政府機関により設立されたもの
・企業、学校、あるいは法人により設立されたもの
・財団法人により設立されたもの
さらに、職業訓練法第 6 条によると、職業訓練機関の設立は、中央管轄当局に登録す
るか又はあらかじめ承認を得ておかなければならない。事業の停止、又は解散は中央管
轄当局に報告、登録しなければならない。現在登録・承認されている施設は、政府系施
設が 62 カ所、学校又は法人が 111 カ所、企業施設が 56 カ所と、財団法人が 44 箇所あ
る。政府系施設のうち、11 の施設はすべての人々に開放されており、その他は内部の訓
練用である。11 の政府系職業訓練施設のうち、6 つは BEVT 付属のもので、その他は青
年輔導委員会、国軍退除役官兵輔導委員会、農業委員会、台北市政府、高雄市政府の各
政府機関の所有となっている。ほとんどの公共職業訓練は 6 つの付属のセンターによっ
て実施されている。これら 6 つの訓練施設の収容能力と訓練の実施数はずっと安定して
いるが、全体に対する外注訓練の割合は 2001~2004 年の間に増加している。BEVT の
詳細については、以下のウェブサイトを参照。
・職業訓練局(Bureau of Employment and Vocational Training)
http://www.evta.gov.tw/
3.8.1
目的、組織、施設など
職業訓練センターは 6 つあり、以下に概要を示す。(表 3‐4 参照)
(1) 北部職業訓練センター(Northern Vocational Training Center:NVTC)
台北県 Wugu 工業区にある NVTC は 1 万 4,975 ㎡の面積がある。このセンターは 538
人の訓練生受入れ能力があり、主として以下の 7 つの訓練プログラムを実施している。
・工業用配線
・溶接
・鋳型作製
・CAM(コンピュータ支援製造)
・デジタルコントロール機械
・ガス油圧自動制御
・CAD(コンピュータ支援製図)
(2) 泰山職業訓練センター(Taishan Vocational Training Center:TSVTC)
台北県泰山区にある TSVTC は 2 万 4,750 ㎡の面積がある。このセンターは最大 385
人の訓練生受入れが可能であり、国全体の研究開発、及び促進に関する職業訓練を担当
している。主に以下の 5 つのプログラムを実施する。
・空調
・自動制御
・電気工学
12
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・工業電子工学
・通信電子工学
(3) 桃園職業訓練センター(Taoyuan Vocational Training Center:TYVTC)
桃園県陽明区にある TYVTC は 10 万 8,811 ㎡の面積がある。このセンターは最大 674
人の訓練生が受入れ可能であり、主に以下の 7 つのプログラムを実施している。
・CAD 機械製図/機械設計
・工業電子工学
・水及び電気
・冷凍及び空調修理
・電子機械
・商業デザイン
・服飾デザインと製造
(4) 中部職業訓練センター(Central Vocational Training Center:CVTC)
台中市の台中工業区にある CVTC は 15 万 8,400 ㎡の面積がある。このセンターは
1,714 人の訓練生の受入れが可能であり、主として以下 8 つを含む 23 の訓練プログラム
を実施している。
・精密機械
・電子機械
・コンピュータによる鋳型デザイン
・CAM
・冷凍と空調
・工業電子工学
・工業用配線
・自動車修理及び整備
(5) 台南職業訓練センター(Tainan Vocational Training Center:TNVTC)
台南市の Kuantien 工業区にある TNVTC は 13 万 9,755 ㎡の面積がある。このセン
ターは 1,295 人の訓練生の受入れが可能であり、主として以下の 8 つを含む 21 の訓練
プログラムを実施している。
・冷凍と空調
・コンピュータ編集、デザイン、出版
・工業制御
・コンピュータによる建築デザイン
・自動制御
・工業電子工学
・CNC 機械
・メカトロニクス
13
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(6) 南部職業訓練センター(Southern Vocational Training Center:SVTC)
高雄市の Cienjhen 工業区にある SVTC は 2 万 5,090 ㎡の面積がある。このセンター
は 425 人の訓練生の受入れが可能であり、主として以下の 9 つを含む訓練プログラムを
実施している。
・メカトロニクス
・精密機械
・CAD/CAM
・冷凍と空調
・溶接
・情報家電
・検査及び制御器具
・物流管理
・国際貿易とマーケティング
表 3‐4
公共職業訓練
センター
北部職業訓練
センター
泰山職業訓練
センター
桃園職業訓練
センター
中部職業訓練
センター
台南職業訓練
センター
南部職業訓練
センター
BEVT 公共職業訓練センター
管轄地区
連絡先
住所:(24886)7F, No.17, Wuchuan Road,
台北市、台北県、基隆市、 Wugu Industrial Area, Wugu Township,
宜蘭県、花蓮県、金門県、 Taipei County
電話:(02)8990-3608
連江県、
URL:http://www.nvtc.gov.tw/
住所:
(24302)No.55-1, Jhihyuan Community,
研究開発、及び促進に
Gueizih Village, Taishan Township, Taipei
County
関する全国ベースの
電話:(02)2901-8274
職業訓練センター
URL:http://www.tsvtc.gov.tw/
住所:
(32605)No.851, Sioucai Road, Yangmei,
桃園県、新竹市、新竹県、 Taoyuan County
電話:(03)485-5368-301
及び苗栗県
URL:http://www.tyvtc.gov.tw/
住所:(40767)100,1st Road, Taichung
台中市、台中県、彰化県、 Industrial District, Taichung City
電話:(04)2359-2181
及び南投県
URL:http://www.cvtc.gov.tw/
住所:(72042)40, Gongyie Road, Erhchen
台南市、台南県、嘉義市、 Village, Guantien Township, Tainan County
電話:(06)698-5945
嘉義県、及び雲林県
URL:http://www.tnvtc.gov.tw/
住所:(80670)105,Kaisyuan 4th Road,
高雄市、高雄県、屏東県、 Cienjhen District, Kaohsiung City
電話:(07)821-0171
澎湖県、及び台東県
URL:http://www.svtc.gov.tw/
*出典:Bureau of Employment and Vocational Training, http://www.evta.gov.tw/
14
台湾(調査大項目 3:職業能力開発の政策とその実施状況)
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上記 6 カ所の BEVT 公共職業訓練センターのほかに、以下の 5 つの職業訓練センター
がある。
表 3‐5
職業訓練センター
台北市政府労工局
台北職業訓練センター
高雄市政府労工局
訓練雇用センター
青年輔導委員会
青少年職業訓練センター
国軍退除役官兵輔導委員会
訓練センター
農業委員会漁業署
深海漁業開発センター
3.8.2
職業訓練センター
連絡先
住所:(11154)NO.301, Shihdong Road, Shihlin,
Taipei City
電話:(02)2872-1940
URL:http://www.tvtc.gov.tw
住所:(81261)NO.58, Dayeh South Road, Siaogang
District, Kaohsiung City
電話:(07)871-4256~132
URL:http://labor.kcg.gov.tw/taec/
住所:(32667)NO.3, Sec.2, Youshih Road, Yangmei
Township, Taoyuan County.
電話:(03)464-1684
URL:http://www.yvtc.gov.tw/
住所:(33052)NO.78, Sec.3, Chenggong Road,
Taoyuan City
電話:(03)332-1224~206
URL:http://www.vtc.gov.tw/
住所:
(80672)NO.1, Fishing Harbor North 1st Road,
Cianjhen District, Kaohsiung City
電話:(07)821-4103
URL:http://www.fa.gov.tw/
修了生の取得資格、修了生へのアフターケア、修了生の就職状況
教育制度に関わる訓練を除いて、ほとんどの訓練コースが短期間のものであり、訓練
終了後に公式な修了証書や専門家の証明書、又は免許証などが与えられることはない。
しかし、就職支援は極めて標準的に行われている。訓練生の就職支援をするよう、当局
と企業側との間に指示、義務、又は契約がある場合も多くみられる。例えば、当局が能
力認定試験を受けるように助言したり、試験対策用に訓練コースを組み立て、認定書を
必要とする仕事に就くための支援を行う。
3.9
民間企業が行う職業訓練への支援体制
表 3‐6 は企業が訓練をどのように行ったかをまとめたものである。行政院労工委員
会の職業別給与調査によると、2006 年に訓練を行った企業は全体の 43.7%であった。訓
練目的別では、専門家、技術者向けが最高の 31.1%で、次に新人訓練が 27.4%、企業に
とって法的義務がある安全・健康の訓練が 25.5%であった。所有別でみると 82.6%の政
府所有の企業が訓練を行い、民間企業の 43.0%をはるかに上回っている。従業員規模別
では、基本的には、組織規模が大きくなるにつれて訓練の比率は増加している。産業部
門別では、金融の 90.9%が最高となったが、これはこの部門の激しい競争と専門性のた
15
台湾(調査大項目 3:職業能力開発の政策とその実施状況)
作成年月日:2009 年 10 月 31 日
めである。水道、電気及びガスが続いて 87.8%であったが、これは、ほとんどの企業が
政府の所有であるか、この業界に入るのに規制制限があり、少数者に支配されているか
らである。
表 3‐6
14.3
25.5
7.5
12.0
38.9
13.9
63.5
24.8
30.5
7.0
49.0
42.3
35.1
27.4
19.0
13.0
4.7
75.1
68.1
63.2
52.6
38.5
26.7
8.2
12.5
15.1
36.7
1.4
16.6
17.5
20.3
8.8
42.0
14.4
17.1
19.6
13.2
32.0
34.7
77.6
20.8
17.5
10.0
22.7
11.9
51.2
7.6
42.6
15.6
17.3
訓 練 なし
(千台湾ドル)
企 業 別 平 均 支 出額 率
31.1
その他
17.7
IT訓練
27.4
外国語訓練
43.7
(%)
安全・健康訓 練
産業及びサービス部門 9,304
販売員訓練率
企業数
専門家技術者訓練率
管理者訓練率
初 心 者訓 練
部門
あら ゆ る 種 類 の
訓練の小計
サンプル数
産業
産業別企業による訓練(2006 年)
(%)
2.0
1,911
56.3
53.3
11.3
13.8 12,609
1.8 1,535
17.4
57.0
37.7
24.0
19.1
14.0
9.0
3.5
1.4
46.7
33.7
27.0
22.3
15.0
10.0
3.4
8.5 10,230
5.2
959
3.4
575
2.9
285
3.1
225
1.5
132
0.5
50
5.5
8.5
15.2
21.5
32.0
46.4
78.8
8.1
9.5
28.6
1.9
6.6
5.4
10.1
4.3
22.4
1.4
10.3
4.9
1.4
12.8
14.8
42.9
3.9
11.1
6.9
7.3
6.2
43.1
12.1
22.1
7.9
5.6
2.4
985
2.7
808
10.2 14,615
0.6
199
1.6 3,193
1.1 1,045
1.9
308
1.8 10,342
4.1 5,939
1.8
190
2.3 7,604
0.8
409
0.9
150
54.4
50.0
12.2
71.5
58.7
69.0
62.3
73.3
9.2
64.6
38.4
63.0
57.0
所有者別
167
9,137
政府所有
民間所有
82.6
43.0
35.9
27.2
49.7
17.1
70.1
30.4
従業員数別
500 人以上
300~499 人
200~299 人
100~199 人
50~99 人
30~49 人
29 人以下
531
329
356
734
991
791
5,405
94.5
91.5
84.8
78.5
68.0
53.6
21.2
86.3
79.6
65.7
57.8
42.8
28.5
8.6
68.4
54.1
48.9
34.5
26.6
18.1
3.4
80.2
70.2
67.1
57.6
49.2
38.1
12.4
産業部門別
工業部門
製造業
水道、電気、ガス
建設
サービス部門
卸、小売
ホテル・レストラン
交通、倉庫、通信
金融
不動産、リース
健康サービス
娯楽
その他
5,174
4,063
49
905
4,130
920
207
682
295
223
263
392
590
45.6
50.0
87.8
28.5
41.3
31.0
37.7
26.7
90.9
35.4
61.6
37.0
43.1
28.4
33.6
46.9
8.6
26.2
18.5
30.0
15.1
59.7
21.5
44.9
23.7
25.8
18.8
21.7
61.2
5.8
16.3
11.3
17.9
10.3
58.6
9.9
26.2
11.2
11.2
32.6
37.2
77.6
13.5
29.2
18.6
21.3
18.2
82.4
22.4
46.4
21.2
28.3
(注)合計が 100%を超えているのは、あらゆる種類の訓練が同一企業で同年に行われたことがある
からである。
*出典:Council of Labor Affairs, http://statdb.cla.gov.tw/html/svy95/9502menu.htm
16
台湾(調査大項目 3:職業能力開発の政策とその実施状況)
作成年月日:2009 年 10 月 31 日
3.9.1
公共職業能力開発機関による支援
産業レベル向上法第 6 条によると、ある企業が研究開発及び人材訓練に投資した場合、
毎年課される所得税金額に対して、その投資金額の 35%をその年から 5 年間以内で差し
引くことができる。ただし、その年の研究開発投資費用が過去 2 年の平均より大きい場
合、又はその年の人材訓練費用が、過去 2 年の人材訓練費用の平均より大きい場合は、
超過金額の 50%が企業所得税に対して差し引かれる。このようなケースはこれまでに
1,641 件あり、産業レベル向上法第 6 条の訓練費用の実施で 26 億 2,061 万 2,000 台湾ド
ルの減税があったと報告されている。
「雇用推進のための奨励金導入に関する規定」第 18 条によると、かつて雇用相談を
受けて公共雇用サービス機関による職業訓練に参加するよういわれた者、又は政府機関、
政府に委託された機関による職業訓練に選ばれた者は、参加する訓練の種類が全日制訓
練である場合には、職業訓練生活手当を受取ることができる。全日制訓練とは以下の条
件を充たすものである。
・訓練期間が少なくとも 1 カ月以上であること
・1 週間に 4 コマ以上の授業があること
・それぞれ 1 コマの授業は 1 日に 4 時間以上あること
・訓練時間の合計が 1 カ月に 100 時間以上であること
「雇用推進のための奨励金導入に関する規定」第 20 条によると、第 18 条の手当は、
1 カ月の基本給(すなわち、最低賃金)の 60%が 6 カ月まで支給される。申請者が障害
者の場合には最大支給期間は 12 カ月である。同じ期間の訓練に参加して、訓練期間が 6
カ月を超える障害者は雇用保険法の職業訓練生活手当と合わせて 12 カ月まで受給でき
る。基本月給 1 万 7,280 台湾ドルなので、職業訓練生活費は 1 カ月につき 1 万 368 台湾
ドルである。
3.9.2
その他
上述のように、政府が助成する職業訓練の半分以上が現在では外部に委託されている。
この分野では、教育制度、民間の人材開発会社、企業団体、組合、及びその他 NGO が
最も重要な役割を果たしている。さらに、政府の規模縮小がここ台湾ではまだ進行して
いる。非政府部門を活性化、柔軟化し、また企業指向の実用的な技術を取り入れること
は、本報告におけるあらゆる職業訓練計画に示されているとおりである。
【参考文献】
1.
Bureau of Employment and Vocational Training. (n.d.).
http://www.evta.gov.tw/content/content.asp?mfunc_id=7&func_id=7&type_id=1
&cata_id=0&id=18019&mcata_id=0&SearchDataValue
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http://www.career.com.tw/
17
台湾(調査大項目 3:職業能力開発の政策とその実施状況)
作成年月日:2009 年 10 月 31 日
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http://www.cepd.gov.tw/att/files/981012Explanation%20of%20Economic%20Revi
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4.
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