平成 28 年 7 月号 那須清峰高等学校 図書委員会 《 佐藤俊征 先生 》 『銀河英雄伝説』 田中芳樹/著 創元SF文庫 担当:機械科3年 道下大輝・室井拓実 ␣長編のSF小説(本編10冊・外伝5冊)で1982年から1989年にかけて順次刊行された。その後、複数の版 で刊行されている。 夏休みまじかの頃、梅雨空の合間から射す太陽は、もう夏の強い日差しが感じられます。 梅雨の雨の日は図書館で本でも読もうか? 真夏日の強い日差しを避けて冷房の効いた図書館で本を読むのもいいかもよ!! ☆ 先生方のおすすめの本 ☆ このSF小説の舞台は宇宙暦790年(帝国暦480年代)でストーリー上の解説から換算すると、西暦では 3590年に相当する。 宇宙暦310年に誕生した専制君主制を掲げる「銀河帝国」と、宇宙暦640年頃に専制政治に反対する勢力 が樹立した「自由惑星同盟」の150年以上にわたる抗争の様子を、後の歴史家の視点から書かれた歴史小 今回は、小見 司先生、長谷川博士先生、伊藤かおる先生、水沼大徳先生、佐藤俊征先生に おすすめの本を紹介いただきました。 説的に近い作品であり、銀河系の1/3を生活圏とした人類が、政治体制の違いの中で生活する人々のジレ ンマや、「敵陣営の戦い」と「政治の腐敗との戦い」、「暗躍する宗教団体の策謀」など、現代社会の様々な 問題と同じような事柄を題材としてかかれている。特にそれぞれの陣営の主人公であるラインハルト・フォン・ ローエングラム(銀河帝国)とヤン・ウェンリー(自由惑星同盟)の2人を中心に話が進み、それぞれの人柄や 『 手 紙 』 東野圭吾/著 文春文庫 《 伊藤かおる 先生 》 考え方、権限の違いなどが対照的で、歴史的背景や描写に関しても細部にわたってきちんと組み立てられ 担当:商業科3年 佐藤鈴音・鈴木萌華 ており飽きることなく、夢中になって一気に読み進めてしまった。2012年には電子書籍化もされている。 ␣弟を大学に入れてやりたい一心から、盗みに入った兄は、思いもかけず殺人まで犯してしまう。弟のも とへ月1度獄中から手紙を送る兄。一方で、進学、恋愛、就職・・・・と弟が幸せをつかもうとするたびに ␣また、この小説を原作とするアニメや漫画、ゲームなどの関連作品も多数発表されており「銀英伝」の略 称で親しまれている作品である。 『夜は短し歩けよ乙女』 《 小見 司 先生 》 「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかり、手紙は無視され捨てられ、やがて・・・。 ␣家族とは、兄弟とは、人の絆とは、いつか罪は償えるのか・・・など、いろいろ考えさせられて忘れられ 森見登美彦/著 担当:建設工学科3年 大金義季・成瀬裕人 2006年、角川書店より出版。第20回山本周五郎賞受賞、第137回直木賞候補、2007年本屋大賞第2位。 ない一冊です。ぜひ、読んでみてください。 ␣後輩の「黒髪の乙女」に恋している、さえない大学生の「私」がなんとかして彼女の目に留まろうと奔走す 『横山健 随感随筆編』 《 水沼大徳 先生 》 横山 健/著 育鵬社 担当:情報技術科3年 秋元翔悟・大島 稜 みなさん、“Hi‐STANDARD(ハイスタ)”というバンドを知っていますか? ␣ このバンドは、僕のような30代でサブカルチャー好きな人にとって、中学・高校生時代の“青春”と呼べ るバンドです。このバンドは、90年代後半に、大衆的な露出がほとんどなかったにも関わらず、当時の1 る様子と、そんな「私」の想いにまったく気づかずにいる「彼女」の恋物語を2人の視点から交互に描かれて いる。 ␣「私」の男心に非常 に共感できる部分が多く楽しく読み進められる1冊です。また、森見登美彦の描く独特の世界観が非常に 素晴らしい。 恋する男子にぜひ読んで頂きたい1冊です。 0代、20代の若者にとってブームとなったバンドです。このバンドは、“PiZZA OF DEATH RECO RDS”というレコード会社を立ち上げ、DIY精神で、自分たちの力だけで活動をしてきました。そんなバ ンドのギターリストであり、PiZZA OF DEATH RECORDSの社長でもある。“横山健”が、2002年 から現在まで、レコード会社の公式HPにて、不定期で掲載し続けている“横山健の別に危なくないコラ ム”を書籍化された本が“横山健 随感随筆編”です。 ␣この本では、“発信者として”、“親として、家族として”、“ミュージシャンとして、ギターリストとして”、“日 『みんなの図書室』 小川洋子/著 PHP文芸文庫 《 長谷川博士 先生 》 担当:電子機械科3年 菊地康平・坂田航太郎 ␣私は10代の頃、いわゆる文学作品が苦手で、途中で挫折することもたびたびでした。ある時、「文学作品 には、怠け者の読者をふるいにかける部分が、そっと用意されている」という言葉に出会い、全くだ!と納得 本人として”という4つのテーマに沿って、これまでのコラムが綴られています。横山氏の言葉は、独特で してしまいました。少し前にラジオ放送で、小説家の小川洋子さんが、短い時間で興味深く本の紹介をして ありながらも説得力があり、“こういう考え方もあるのか”、“自分の考えは間違いなかった”というような、自 いると知り、こういう話を若い時に聞いていたらなあ、と思いました。放送内容をまとめたこの本は、小川さん 分にはない発想や刺激を受ける言葉があったり、自分の考えが肯定される言葉があったりと、様々な面 で、僕の人生観を大きく広げてくれました。ミュージシャンとして“音楽”だけでなく、ひとりの人として“言 の豊かな文章と、とりあげた文学作品の真の魅力に触れられる、楽しさ2倍の一冊です。 葉”で、人の心を勇気づけてくれる“横山健”の本を多くの方々に読んで貰いたいです。まずは、“PiZZ A OF DEATH RECORDS”の公式HP内にある。“横山健の別に危なくないコラム”を読んでみて ください。 ・・・・・・・・・・夏休みの開館予定日・・・・・・・・・・ 7月/21・22・25・26・27・28・29 8月/1・2・3・4・5・8・9・10・16・17・18
© Copyright 2024 Paperzz