道徳学習指導略案

道徳学習指導略案
○主題名
○ねらい
信頼・友情 2-(3)
友の肖像画を見て変化する主人公の気持ちを通して、友情は相互の信頼の上に成り立つことに
気づき、友情を深めていこうとする心情を養う。
○資料名
「友の肖像画」 出典「小学校 道徳の指導資料とその利用3」 文部科学省
○指導の展開
過
程
学習活動
主な発問と、予想される児童の反忚
入 導 今日の資料に ・
ついて知る。
「肖像画」って知ってる?
「今日は二人の友だちの物語です。」
資料 の 内容 を 【資料の範読】
ぼく(和也)
展
理解する。
開
指導上の留意点
・さっとすすめる。
・教師が読む。
正一
発問① 和也は、いつまでもいつまでも手をふりながらどんなことを考
・離 れ てい て
えていたのでしょうか。
もず っ と友 だ
ちで い たい と ・さびしいよ。・元気でいてね。・早く良くなって。・早く会いたいよ。
強く 願 う和 也 ・忘れないよ。・忘れないでね。・手紙かくからね。
の心 情 を理 解 ・いつまでも友だちだよ。
する。
【先行発問】
・
「和也」と「正一」の親
しい関係を押さえる。
・
「正一」の病気が難病で
あることを押さえる。
・正 一 を 心 配 し な が ら も
手紙を書かなくなった
「正一から手紙が来なくなった時、和也はどんなことを考えたでしょうか。」 和 也 の 複 雑 な 気 持 ち を
・正 一 から の
・正一君、どうしたのだろう。・悪くなったのかな。・大丈夫かな。
手紙 が こな く
考えさせる。
・手紙を書く約束忘れたのかな。
なり 、 手紙 を
・正一を見送ったときの
書か な くな っ
気持ちと比較して、自分
発問② どうして和也は手紙を書かなくなったのでしょうか。
た和 也 の心 情
も手紙を書かなくなっ
・毎日が忙しくて
・正一よりも親しい友だちができたから。
を考える。
ていった和也の気持ち
・約束したのにどうして手紙をくれないのかな。
の変化に気付かせる。
・正一は新しい友だちができたのだろうな。
・ぼくのことなんか忘れてしまったのか
な。・返事が来ないのにぼくから手紙を出すのはむなしいな。
・正一のことを信じられなくて ・裏切られたような気持ちだから
・正一の学校の作品展が
・
「肖像画」を 「ぼくの胸は早鐘のようになった。何を考えて?」
あると知った時の和也
見な が ら感 じ
た和 也 の正 一
への 思 いを 考
える。
発問③
の気持ちを押さえる。
「友の肖像画」を見つめながらなぜ、和也は涙を流したので
・中心発問を深めるため
しょうか。
に、正一の「肖像画」に
・正一君、ありがとう。・元気で安心した。・手紙をくれないわけがわかった。
・ぼくのことを忘れないでいてくれたんだ。
・1 年もかけてぼくの肖像画を完成してくれたんだ。
・この 1 年病気と闘っていたんだ。
・手紙を書かなくてごめんよ。・疑ってしまってごめんよ。
・正一にくらべて何と自分は心が狭いのか。(←もう尐しくわしく?)
・そんな自分を正一は信じてくれていたんだ。
・離れていても会えなくても正一は変わっていない。(←何がいっしょ?)
・正一は、親友だ。・正一はぼくを信じてくれてるんだ。(←何を信じているの?)
追発問
幼い日の正一とぼくの姿を思い出しながら、何を考えていたので
しょうか。
・正一はぼくの最高の友だちだ。
はどんな人だと思っている
・本当の友達(←本当の友だちって?)
のでしょうか。
こめた思いや強さも
押さえ共感させる。
☆正一は、一年間どんな
思いで和也を描いたの
だろうか?
・見てほしい
・和也に伝えたい
・また、野球したい
・いつまでも友だち
☆正一は、和也が「肖像
画」を見てくれると思っ
ていたのだろうか?
・思ってた。
・たとえ見なくてもい
いと思ってた。
・これからもこの友情を大切にしていきたい。(←大切にするとは?)
・どれだけはなれていてもぼくらは親友。(←親友って何?)
終
末
「心のノー
ト」 の 言葉 を
聞く。
友達は,遊ぶ仲間なんだと思っていたけれど/落ち込む私を君が励ましてくれた
とき/胸がぐっと熱くなった。そうなんだ,これが友達なんだって/初めて気付
・余韻を残して終わる。
・感想を書く時間をとる。
いた/あの帰り道。ああ,友達っていい。離れていたって/きっと私のことを考
えてくれている。そう思うからこそ/互いに励まし合って/生きていける。
・今日の授業で感じたことを書きましょう。
○評価
友情は相互の信頼の上に成り立つことに気づき、友情を深めようとする心情を高めることができたか。
資料分析
☆資料名
「友の肖像画」 出典「小学校 道徳の指導資料とその利用3」 文部科学省
☆あらすじ:ぼく(和也)と正一はふたごの兄弟のように仲の良い幼なじみ。けれども、小学校 3 年生の 1 学期
に正一が難病にかかり、療養のために九州へ転校してしまう。手紙を通して励ましあう二人だった
が、そのうちに正一からは手紙がこなくなってしまう。ぼくの方もなんとなく手紙を書かなくなっ
てしまい 1 年ほどたったある日、正一の学校の子どもたちの作品展をテレビで知ったぼく。翌日母
と会場へ急ぎ、むちゅうになって正一の作品を探すぼくが見たのは「友の肖像画」に描かれていた
自分の姿。手紙を書けなかった理由を知ったぼくの目からあふれる涙。帰りの電車の中ですぐに手
紙を書こうと思うぼくの目に見える空は青くすきとおっていた。
☆資料の読み
・主人公は・・・ぼく(和也)
・助言者は・・・正一
・変化したところは・・「ぼくの目からはなみだがあふれ、版画がかすんでしまった」
☆分析表
正
一
の
作
品
を
見
る
自覚する前
療
養
の
た
め
九
州
へ
転
校
す
る
正
一
いつまでも
いつまでも
手をふり見
送る和也
発問①
正
一
か
ら
手
紙
が
こ
な
く
な
る
。
和也は、いつまでも
いつまでも手をふり
ながらどんなこと を
正
何となく手
紙を書かな
くなって 1
年たった。
一
ぼ
く
を
モ
デ
ル
に
し
た
自覚した後
幼いころの
二人を思い
出した。
自覚
の
学
校
の
作
品
ぼくの目か
すぐに手紙
らは涙があ
を書こう
ふれ、版画が
かすんでし
まった
展
発問②
が
追発問
あ
幼い日の正一とぼく
る
の姿を思い出しなが
の
ら、何を考えていた
のでしょうか。
どうして和也
を
は手紙を書かなくなっ
知
たのでしょうか。
っ
考えていたのでしょうか
て
見
発問③
なぜ、和也は涙を流し
たのでしょうか。
に
行
く
。
☆指導のポイント
・導入時は「友だちとはどんな人?」と本時のねらいとする価値への方向付けをする。
・正一から手紙が来なくなったときのぼくの気持ちを考えるときに、正一の心情を想像することで 、相手の立場
に立って考えることもさせる。
・作品展が開かれていることを知ったときの和也の様子をしっかりおさえ、和也の複雑な気持ちを感じさせる。
・「友の肖像画」を見たときの和也の気持ちを考えさせる時に、正一の肖像画に込めた思いを共感させることで、
より深い考えをひきだすように工夫する。
・終末は、正一にあてた手紙を書かして終わってもよい。