マイク口チャネル微小血管モデルのマイク口マシーニングと 血球細胞の変形・凝集能の画像解析システムに関する研究 研究責任者 慶応義塾大小理_L/戸部物理情報上フ:科 教 授 南 谷 晴 之 、 i 三導体微細加工技術を利刑して、微小で精巧なアクチ 1 . はじめに 血液を循環させる血管系のうち、顕微鏡レベルの血液 ユエータやセンサを作製する試みは、マイクロマシンあ 循環系は微小循環と呼ばれ、細動脈や制静脈などで構成 るいはマイクロメカニクスとして広く知られている。従 され、その最小単位が毛細血管である。この循環系を流 来までに、シリコン基板にプラズマエ 壬 動し酸素代謝を担うのが赤血球であるが、赤血球の直 f を開けてミリボアフィルタ状にしたものや多数の溝状の は約 811mて、あり、変形しないと毛細血管を通過しえない マイクロチャネルを成形したものなどが開発され 1)- 3i 、 関係にある。赤血球の変形・凝集能は毛細血管レベルの これに血液を流し、赤血球の流動変形能を測定している 血流動態を左右する重要な因子であり、組織への際素放 例がみられる。しかし、シリコン基板のものでは、 i 走路 出に大きな影響を与えるとともに血管傷害にも深く関わ る ハ 方、血小板は直径数 μmの小さな血球細胞であり、 y チング法で小孔 を流れる血球細胞の可視化は不可能で赤血球自体の変形 状態を解析することができず、流路の流人出端の圧力差、 止血作用を主な役割として偽足の形成、血管損傷部位へ 流出 Eと流出時間を測定してサンプル全体のレオロジカ の粘着・凝集、作用物質の放出、凝同充進、巾栓形成な ルな特性を議論しているに過ぎなかった。 どに関与している。 本研究では、今まで困難であったクリスタルガラス基 本研究では、赤血球と血小板が微小血管内で示す挙動 板表面にドライエ y チング加工を施し、幅 4~20 ,u m 、深 を直視し、その動態、を解明するためにマイクロチャネル さ 5~ IO ,u m 、長さ 50~200μm 、チャネル数が20~50+ の 微小血管モデルと血流動態可視化用の耐像解析システム マイクロチャネル微小血管モデルを成形した。ドライエ を構築した。構築したシステムを用いて、血球細胞が低 ッチングは深さ方向のみの異 ) j性エッチングが可能、平 ずり応力下でどのような変形、凝集、粘着、等を行うか、 L通りの微細加工が可能で、、また 岡的にはパターンの、h 細胞を覆う膜タンパクや膜脂質層の組成と変性によって 極々のデサ、インのものをリソグラフィーにより加工でき それらの ) J学・化学作用が L、かに変化するか、また血中 る。図 lは、クリスタルガラス基板上に成形された直線 化学成分と血小板血栓形成過程の関係など、赤血球及び 状マイクロチャネル微小血管モデルである。このガラス 血小板の生理機能と血流動態、に与える諸因子の閑係を明 基板マイクロチャネルをカバーグラスで覆い、アクリル らかにした。本報告では、赤血球と血小板の変形・凝集 アルミ巨体ホルダー内に設置・密閉し、接続したシリコ 特性の解析結果について、また病態として糖尿病を対象 に健常コントロール群との対照実験結果について述べる。 ンチューブを介して、遠沈分離した赤血球浮遊 i 夜を静水 五 ! (10-3 0cmH) '0 ) をかけてチャネル内に流動させる。 亦血球浮遊液は、このチャネルを図 2のように流れるが、 チャネル幅が狭いので赤血球は変形して流路を通過する。 なお、 系ではラ y トの微小循環を対象に、 10VIVO 系ではヒトおよびラ y 10v I tr o ト採取血を本研究で新規に開発し たマイクロチャネル微小血管モデルに流動させた状態で 行った。 静水圧の増加にともないチャネル内の流速は増加する。 このホルダーを顕微鏡鏡筒下に置き、適切倍率で個々の 細胞を観測するとともに以下の掲像系にてイメージング 2 . マイクロチャネル微小血管モデルのマイク口マシーニング を行うことができる。 従来、血球細胞の変形能や透過性 1 9 を測定する装置には膜フィルタやガラスピペット法があ 2000フレームまで阿像メモリに記憶される。録画面像を るが、再使用が不可能であること、~);、シリコン・マ 1 / 3 3の低速で再生し、標準ビデオレートの V T Rに再録 イクロマシン・フローチャネルではチャネル中の細胞の 1 / 1 0 0 0秒) 画したとこれは、高速度ビデオの 1フレーム ( 挙動が可視化できないなどの問題点があった c いずれの が標準ビデオの lフレーム(1/ 3 0秒)に対応することになる υ 場合も血球の通過孔とその周辺で細胞がトラ y プされる したがって、亦血球などの有形成分による巾液の濃淡パ (詰まる)可能性が高く、正確な特性を測定できない場 ターンが明瞭に撮像でき、同所的なrfI L 流速度を算出する 合がある c 本システムではそのような問題点が皆無であ ことが u j能となった。本システムの特徴は、測定の自動 ることが最大の特長である。 化であり、各フレーム画像の前処理、対象となる血球細 3 . 血球細胞の動態解析用撮像システム及び 速の作一菜を白動的に行えるようにしである。従来、オフ 胞の移動量の算出、ビデオ画像、のフレーム送りなどのー 画像処理システムの構築 / 1 0 ラインで多大な解析時間を必要としていたものが、 1 細動脈、細静脈内の血流状態やマイクロチャネル微小 以下の処用!時間で終えることが可能となった。解析肘コ [ [ 1球細胞の挙動を可視化する撮像システ 血管モデル内の 1 ンビュータに 512x512画素、 256階誹l に量子化した連続フ ムとその取得画像から流速や形態変化を解析する画像処 レーム画像を 2枚取り込み、ノイズ処理、平滑化などの 前処理によって│由i 像鮮明化を行い、つぎの演算処理を行 ン百三三事 e w ったハ同 2に示すようなパラシュート状に変形しながら 11 皇室勺 f A 流動する赤血球に対して、移動速度の算出には独自に開 発した阿像相関法を適用した。すなわち、 2枚の画像濃 三: ;星雲塾協 淡パターンの 2次心相互相関関数を算出し、相関値最大 の移動部位を求め、対象物体の移動量を算出するもので . 主二五二斗 5 ある ‘恥 ⑤ ・ ‘ " 、 宅益 ついてはフレーム毎に各々定義した幾何学量に基づき変 咽旬 形能を算出する。赤血球細胞については、パラシュート 幽' • 、 . . . .'‘. .、透a 宅 厳 ミ 憲 この移動量を 2枚の画像のフレーム間隔(時間)で 除すれば、移動速度が求まるつまた、細胞の変形状態に D e f o n n a t i o nI n d e x :DI)を 状に変形した細胞の変形指数 ( ;)とめ、赤血球変形能を定量化した。 司 図 1 マイクロチャネル微小巾管モデル 4 . 赤血球の変形能と局所弾性特性の測定 開尿病と高脂血症を対象にヒト及びラットの赤血球変 も D伽 mationlndex= 形能の低ト内子を ) J学的特性、生化学的特性から分析す るとともに数種の薬理効果を健常例を C o n t r o l群として比 較愉討したこ本報告では紙面の都合上、糖尿病に関する じ[ 結果のみを示す。図 3は、ヒト健常群と糖尿病群の赤血 球の変形指数と流速の関係を示したものである。精尿病 iDM) 群の血糖値は、 2 4 2 . 2士4 3 . 8m g / d l、C o n t r o l群のrfIL 糖値は 1 4 0 . 6士 21 .3m g / d 1である c 両者とも低ずり速度(低 + 一 一 一 一 一 L一 一 一 一 一 + 流速)では急激に変形能が増加する傾向がみられ、中ず 1 )速度ではさらに変形能がI 目加するが、変形の度合は少 同 2 チャネル│付を流れる赤血球及び変形指伐の定義 なくなり、高ずり速度では変形特性の飽和傾向がみられ 理システムの構築を行った。赤血球なと、血球細胞をミク た)糖尿病赤血球は健常例に比べて変形能が小さく、中 ロレベルで日j視化するためには、 200-500倍(対物レン ずり速度から変形飽和特性を示し、とくに高ずり速度で、 ズ40-100 倍)程度の高倍不での観察が必要である は大幅に低下している。細胞膜の弾性変化から安形しに J しか し、高倍率の顕微鏡悦野内では、標準ビデオレートの 30 くくなっているものと考えられる。血色素と血中のブド フレーム/秒の撮像では血球単体の動きが確認できないハ ウ糟が結介した g l y c o s y l a t e dhemoglobin (HbA1 c ) は、がJ 1 個々の 1 2 0日の赤血球寿命内の平均的な血糖値を反映する lつ 血球細胞を識別できる 1000フレーム/秒で撮像した。取 の重要な指標 ( l E常値は 6 ( ] 'O以ド)であり、糖尿病におい 得画像は 512x512画素のイメージサイズでフレーム毎に ては健常者に比べて HbA1cの増加が認められる c 図4は そこで高感度-高速度ビデオシステムを用いて、 20 流速 2 . 5mm/s以上の赤血球変形能と HbAlcの関係を示し が赤血球内へのソルピトール蓄積を抑制することによる たものであり、糖尿病群である HbAlcが6.4%以 Lの変形 ものであり、逆に変形能低下が赤血球膜の硬化のみなら 能は有意に低下する傾向が認められた。また、凶 5は同 ず赤血球内の代謝変化によっておこることを示唆してい 様に糖尿病患者の赤血球内ソルビトール濃度と変形能の る 。 関係およびHbA1cと変形能の関係を示したものであり、 これらの結果を踏まえて原子間力顕微鏡を用いて赤血 両者ともその濃度の増加にともなって変形能が低下して 球のミクロな弾性特性を解析した。原子問力顕微鏡は、 いる。糖尿病赤血球変形能に対する薬理効果を調べた結 カンチレバーの先端に付けた微小プロープ(探針)が対 果、糖尿病群にアルドース還広酵素阻害剤 (ARI)を投与 1nm 程度)に働 象表面の原子、分子に近接してこの間 ( すると変形能は上昇し、健常値に近づく。これは、 ARI くファンデルワールス力によるカンチレバーの携みから 表面性状を観測する装置である 4)。本研究では、生物 2 乏し 用にカンチレバーのパネ定数を柔らくし、溶液中に j でも使用できるプローブを導入した。ヒトまたはラット 1 . 5 の採取血から分離した赤血球をプラスチックディッシュ ( d i s h ) に入れ、 PBS緩衝液中に静置して生理状態に保っ o た。その細胞表面にプロープを近接させ、さらに法線方 1 向に押し込むことにより、カンチレバーの擦みから求ま る細胞膜の反力とプローブの変位量から、いわゆるフォ 0 . 5 ースカーブが得られる。本システムの変位検出分解能は 0 . 1nm、フォース検出分解能は 0 . 8pNで、ある。図 6は赤血 0 o 1 2 3 4 RBCv e l o c i t y[mm/s] 球のミクロ弾性を表すフォースカーブを示したものであ 5 i s h底面の硬さを表したもの、健常赤血球 る。国には、 d 図 3糖尿病群の赤血球変形指数と流速の関係 ( C o n t r o l ) 、健常赤血球をグルタールアルデヒドで硬化 させたもの (GA) および糖尿病赤血球 (DM) のフォー スカーブを示した。ブオースカーブの傾きが急峻で、ある 1 . 6 ほど対象が硬いことを表すコこれらのフォースカーブか らHookeの法則およびH e r t zモデルを用いて算出した赤血 • c i i1 . 2 E S " '0.8 。 球中心部のパネ定数とヤング率をまとめたのが図 7であ る 園 GA硬化赤血球は正常赤血球に比べて明らかに硬く なっており、パネ定数、ヤング半とも高債を示す。また、 • 糖尿病赤血球の弾性も正常 C o n t r o l群に比べて有意に高値 を示した。糖尿病においては赤血球の細胞膜の糖化変性 により膜弾性の低下が起こり、また浸透圧抵抗性を示し 0. 4 4 6 8 1 0 1 2 1 4 H b A 1 c[%] 図 4 流速2.5mm/s以上の赤血球変形能と HbA1cの関係 1 .4 が{氏上するものと考えられる。 2 5 0 ~ ー 。 置 0 . 8 。 nunununUハU nυadnUFO { E C Y O E H Z SちEgo-一 志 百 211 ' " " "1 .2 0 . 6 て細胞内粘度が上昇するとともに流動性が低下し、その 結果、赤血球そのものが変形しにくく硬くなり、変形能 5 0 1 0 20 30 40 S o r b i t o J[ n m o l l g Hb] 図 5糖尿病群の赤血球変形能とソルビ卜ール値の関係 o 1 0 0 200 3 0 0 4 0 0 5 0 0 6 0 0 d i s p l a c e m e n t0 1c a n t i l e v e r [ n m ] 図 6 原子間力顕微鏡から得られるフォ スカーブ 2 1 キ 2 励起光の照射開始時聞を起点にして血小板粘着開始時間 3 c ( T i )、血栓成長時間 (To-Ti)、血管閉塞時間 (To)を血栓形 3 0 2 ' " <n 55 成の一次許価指標としたし Tiは血管内皮傷害と血小板粘 <n 着能の活性化を反映する指標、 To-Tiは血小板粘着と血 ロ ヲ 口3 c z E 0 〉 c o n t r o l DM GA (N=48)(N=145XN=20) 国8は血小紋粘着に始まり、血佳成長、血管閉塞に主 る過科をラット腸間膜の微小血管て、観測したものである。 ' a . " E Z 長10 孟 ( / ) P " O . O I( v s .c o n t r o l ) 0. 4 15 O 小松凝集能および〉疑問系の活性化を反映する指標、 Toは c o n t r o l DM GA ( 対 立 48XN=145XN=20) 図 7 赤血球中心部のバネ定数とヤング率による弾性評価 血小板凝集により l J ( l 栓が進行し血管が完全に閉塞するま での指標を表す,~同 9 は励起光強度に付するそれぞれの 指標の関係を示したものである。健常 Control群では、光 照射開始より 30 秒 ~4 分 (Ti) で血小板粘着が始まり、血住 以 l 二のように、糖尿病では健常群に比べて赤血球変形 成長時間 (To-Ti)として 1-15 分の経過がみられ、 2~20 分 ( 1 1流ずり速度の増加とともに布意に低下するが、そ 能が1 で定全に血管閉塞に至る c 照射エネルギーを高めると各 れは血中の糖濃度に関連する HbAlcおよび赤血球内ソル J 1i'僚の時間は同様に短くなることがわかるハ ピトールの増加と相関しているつまた、原了間))顕微鏡 血小十反粘蒜および血管閉塞時間の関系には正の相関がみ l Ul流速度と で測定された赤血球のミクロ弾性の結果からも細胞膜の られる、すなわち、微小 J i l l管内の壁ずり速度が大きくな 惰化変性によるヤング不の増加すなわち硬くなることが ると血小板の粘着は容易でなく、血小板凝集から血栓形 確認された。このため、硬く変形しにくくなった亦血球 が血管墜の損傷を促進する可能性が大である 5 . 血小板の凝集・粘着能の測定と血栓形成の薬理的 制御 赤血球変形能の低下と弾性変化(硬化 i 土、微小血管 内で高ずり応力を発生させ、血管壁の損傷を議会する可 励起光照射から 3 分後 励起光照射荊 能性が高く、それにともない血小板の粘着・凝集の促進 と血小板血栓・血管閉塞への免展が考えられるへとくに 精尿病においては、微小循環レベルの紺│小血管痕 (microangiopathy) の発生頻度が高く、その軽減は臨床 上の大きな課題である c 本研究では、血小板の凝集、粘着、血松形成が健常 Control群に比べて糖尿病群で容易に起こることを精尿病 ラ y トの m VIVO実験によって明らかにした)実験では光 励起光照射から 5 分後 j'l'生酸素 感受性物質とレーザ光の光化学反応で発生する J 励起光照射から 1 1分後 (血流遮断 (VSD)) による急性の血栓形成 j 去を導入し:;i (j、各種ずり速度 図 8光化学反応による微小血管内の血小板血栓 印A ハ U ↑ 22 qL 化、血管閉塞時間などを両像解析から求めたと 一.ト叩川剛 一 ・ ← 斗 着・血栓形成による血管閉塞部の面積、 I O l管径の経時変 o o To・T, 今 フィリン用に水銀ランプ G励起連続光 (540nm)を別いた c 照射部位の血流動態をビデオカメラで撮像し、血小仮粘 ↑ 一 Q-switchedNd:YAG-SHノfルスレーサ、一 (532nm)を、ホト mnununununU 0ζ0 0000 nuauaUA 脈 と 細 静 脈 ) に 照 射 し た 。 励 起 光 源 に は ZnCP!ll用に 0 トの尾静脈より投与し、対物レン 川 y {11 四 回 ωコ﹄ { U @ ω ]£呈O﹂ EO﹂£﹄OωE- ンを Wistar系雄性ラ ズを通 Lて励起光を対象組織の微小山管(腸間肢の細動 ︼ 一 受性物質のポルフィリン誘導体ZnCPIlIまたはホトフィリ 会 光感 ハ unununununu nukunURdnUF3 種の影響と血栓抑制に関わる薬理効果を検証した 3224141 { U ω } 師C E潟22Eち ωE H cω 一 数値的に評価した。また、血小板血栓に関わる活性酸素 T, n u A w n r 下における血ノト板の変形流動、血管内皮損傷部位への粘 着・凝集、血栓形成のプロセスを可視化し、その科度を 0 ~ ~ ~ L ighti n t e n s i t y[mW/mm2] * 0 ~ ~ ~ L ig h ti n t e n到ty[mW 的1m つ 図 9 糖尿病による血小板血栓への影響 成に至る H F問が延長する。静脈系の 1 ( 1管に比べ、動 11 ( 系 6園まとめ ( 1 1管ではずり速度が速いために I ( I L衿開始・成長 U . )問な の1 ~(研究では、血液細胞の赤血球と血小恨の機能解析に ! Jられ らびに血管閉塞時間ともに布意に延長する結果が f 焦点をあて、細胞の変形・凝集能を凶i 象解析するために た J 光感受↑生物質の投与濃度を増加すると l i j Jらかに濃度 U l 令 官 マイクロマシーニングによるマイクロチャネル{般小 f 依存的にいずれの指標も合意に時!日!の短縮がi Zめられたわ モデルと血球細胞の変形-ィ疑集能の l 同[象解析システムの 光感受性物質の投与と光!日1 射を行わない群、J' e 感受性物 構築を行ったコあわせて原子問力顕微鏡を用いた赤血球 質投与のみの毒性検討群、)¥:;1照射のみによる光エネルギ のミクロ弾性測定と光化学反応で誘起される血小板血恰 ー検討群では、血小板粘着・凝集、血栓成長、血管 r~J 、 ¥ , 1 形成 j 邑梓の l 由i i 象解析を行ったハ構築したシステムを用い はほとんど見られず、光感受性物質の毒性も なかった I t n題になら 」方、糖尿病計では、凶 9に不したように 1 ( 1 1 て、血球細胞が低ずり応力 Fでどのような変形、凝集、 粘持、写を行い、微小術環レベルの│包流動態にとのよう 小板粘着開始時間はた照射からユo 秒 ユ分、血栓!記長時間 な影響をワえるか、細胞を覆う膜タンパクや膜脂質層の 、 I l I I 管問零時間は l 分30秒 -9分であり、 l i ( l 松形 は 1~ 7分 組成と変性によってそれらの))学・化学作用がいかに変 o n t r o l群に比べて昌:しく速く起こることがわか 成が健常 C 化するか、とくに糖尿病疾患において血中化学成分や刻 1 るご光感交↑生物質の濃度、照射光エネルギ一、血流速度 胞膜の局所粘弾性とこれらの関係や血管内皮傷害と血小 o n t r o l群と同等であることから、 I f f L小紋粘着・ とも健常 C 板血栓形成過科の解析など、赤血球及び血小板の生理機 凝集が速く、血栓成長が急激で、血管閉主主が早期に起こ 能と血流動態に与える諸肉子の関係を定量的に明らかに ( 1 1i 全性を示したものとして注 I ! ることは糖尿病による易 [ した乙 される 光化学反応で、産生される活性酸素による血管内 本報告ーでは、精尿病と健常例の比較検討を主体にして 皮傷害とともに血小板膜破壊-脱頼粒-作用物質の放 1 ' , 研究成果を述べたが、紙而の都合上、マイクロチャネル が促進され、これに続いてカスケード的に [ l l L小牧粘着能 への内皮細胞培養モデル、血液性状や血球構造物質の牛 の元進、;疑問系の促進、血栓成長、血管閉塞へ至る活性 化学的分析結果、赤血球の酸素・物質代謝の定量解析結 化メカニズムが{動いており、とくに糖)ぷ病微小循環では 果、栴尿病における易血栓性の諸国子の分析と薬理制御 I 血流遮断が', 1 .期に起こるものと与えられるこ の結果などについては吉及できなかった υ 今後の研究成 l 予告牛する活性酸素は王に '02 (→重工良自主:;t)であるが、 果の蓄積をもって新たに報告する機会を持ちたい。 この一重瓜酸素は反止、性が高いことから、 I ( [ L中で 1 ' 1 [ 1 ( 1 球 などと反!んして他の活性酸素を生成している υ 他の活性 酸素種は、 0:,、l-I三 0、 , : Ol-Iなとである これらの 謝辞 本研究は財 i 司法人中谷電子計測技術振興財団の多大な 活性酸素が血栓形成・血管問主主に与える影響をそれそ'iL 研究助成により行われたものであり、ここに深く感謝申 の活性酸素消去斉J I (スカベンジャー)を用いて検討したけ し上げます、 スカベンシャーとして 10:,に対して Lーヒスチジン 50mg 士 、jして SO D (スーノ fーオキシドシスム / kgを 、 O2 に 参考文献 kgを 、 H 己 O 2に対してカタラーゼ 3mg / kg ターゼ) 3mg/ 1 )KikuchiY.,Da, Q .andF u j i n o . T . :V a r i a t i o ni nr e dblood を 、 O l-Iに対して D M S O (ジメチルスホキシド) Iml c e l lf e f o r m a b i l i t yandp o s s i b l econsequencesf o roxygen / kgを別々に投与した。いずれの場合も血小板粘着開始時 T i l、血栓成長時間 ( T o T i )、 I U L管閃察 H 寺間 ( T o )を求め、 間( 司 恥1 i c r o v a s c .R e s .,47,222-231,1994 t r a n s p o r tt ot i s s u e, M.C.,Greenaway, R . S .,Das, A.,Kaye, P.H.and 2 )Tracey, スカベンジャー非適用群と比較検討した結果、各スカベ A . J . :A s i l i c o nmicromachineddevicef o rusei n Barnes, ンジャーの投与によって細動脈、細静脈とも血小板粘着- r a n s .Bimed.Eng., bloodc e l ld e f o r m a b i l i t ys t u d i e s,IEEET I f l l栓形成の開始と成長そして血管閉塞時間が有意に延長 4 2 ( R ),751-76 , 11 995 し 、 4樋の活性酸素すべてが血流遮断に影響を与えるこ 3 )S u t t o n, N Tracey, M.C . , Johnston, J .D.,Greenaway, R.S 叶 とが明らかになったっまた、活性酸素の血栓形成への関 andRampling, M.W.:A n o v e li n s t r u m e n tf o rs t u d y i n gt h e 与の!支合いは、 1e r y t h r o c y t e st h r o u g hm i c r o c h a n n e l ssimut l o wb e h a v i o r0' 102 :;O; 02-~三日己 0 :,二 O l-Iであること がわかったり 102 および O2 は血管内皮細胞に傷害を l a 山1 9humanbloodc a p i l l a r i e s‘ M i c r o v a s c .R e s .,53,272- 与えて血小松粘着能を上昇させ、血小板血十全の成長を促 2RI 1997 司 しているものと考えられ、 H 20 2お よ び O Hは血管内 4 )S t a r t, R.W Thalhammer, S .,Wienberg, J .andHeckl, W.M.: 印小松の粘着・凝集と 皮細胞と血小仮の何者に作用し、 I TheAFMa sat o o lf o rchromosomald i s s e c t i o ni nt h e 松成長に関守しているものと考えられる。 自1 i n f l u e n c eo fp h y s i c a lparameters,Appl .P h y s .A,66,579- 川 584,199X 2 3 5 )Malcolm, W.,Reed, R . ,F 児 d e r i c k, N .,M i l l e r, T .,Wieman, T. J . , M.T.andP i e t s c h, C .G . :Thee f f e c to fphotodynamic Tseng, t h 巴r a p yont h em i c r oc i r c u l a t i o n,J .S u r g .R e s .,4 5,4 5 2 4 5 9, 1 9 8 8 性りん光プローフ を用いた微小循環系血管の血中酸素 A 分圧計測、電気学会化学センサー研究会資料、 C S 9 9 3 4,3 4 3 8,1 9 9 9 .,Kawamura,T .,T s u k a d a,K .,S e k i z u k a,E . 1 1 )M i n a m i t a n i,H 6 )F i n g a r, V.H.,Wi 巴m an, T . J .,Wiehle, S . A .andC e r r i t o, P.B・ andOshio,C.: A n a l y s i so fe l a s t i c i t yandd e f o r m a b i l i t yo f Ther o l eo fm i c r o v a s c u l a rdamagei np h o t o d y n a m i ct h e r a p y : e r y t h r o c y t e su s i n gm c i r o c h a n n e lf l o ws y s t e manda t o m i c 巴 ,c to ft r e a t m e n tonv e s s e lc o n s t r i c t i o n,p e r m e a b i l i t y Thee f f f o r c em i c r o s c o p e,P r o c e e d i n g so f1 s tAnn. Int . IEEE-EMBS a n c e rR e s .,52,4 9 1 4 4 9 2 , 11 9 9 2 a n dl e u k o c y t ea d h e s i o n,C S p e c i a lT o p i cC o n f .M i c r o t e c h n o l o g i e si nM e d i c i n e& B i o l o g y,6 8 7 1,2000 発表論文 1 )長尾朋和、飯野徹、斉藤聡、 [ 1 1本剛、南谷晴之 Q s w i t c h e dNd:YAG1 a s e r光励起時における光感受性物 1 2 )I m a z e k i,Y .,Nagao,T .,S a i t o,A .,K i k u c h i,K .,S e k i z u k a, E .,O s h i o,C .a n dM i n a m i t a n i,H : V a s c u l a rs h u tdowne f f e c t 目 i np h o t o d y n a m i ct h e r a p y-Mechanismo fp l a t e l e tt h r o m b u s 1 9A(3 )‘ 質由来の活性酸素測定、電気学会論文誌A,1 f o r m a t i o nbyp h o t o r e a c t i o n, -M i c r o c i r c u l a t i o nAnnual,1 6, 2 6 1 2 6 6,1 9 9 9 6 9 7 0,2000 2 )N a g a i,T .,S e k i z u k a,E .,O s h i o,c . ,T s u k a d a,K .a n dMinami- 1 3 )Tsukada,K .,Hase,K .,Sekizuka,E .,Oshio,C .and t a n i, H .: S h a p ea n a l y s i so fr e db l o o dc e l ld e f o r m a b i l i t yw i t h M i n a m i t a n i,H . :S i m u l t a n e o u smeasuremento fb l o o df l o w m i c r o c h a n n e lc a p i l l a r ymodel,M i c r o c i r c u l a t i o nAnnual, d i s t r i b u t i o na n doxygent e n s i o nb yp h o t o e x c i t a t i o 日 mo r g a n 1 5,4 3 4 4,1 9 9 9 m i c r o c i r c u l a t i o n,P r o c e e d i n g so f1 s tAnn. Int . IEEE-EMBS 3 )Shimizu,T .,S e k i z u k a,E .,N a g a i,T .,Oshio司 c . ,I s h i k a w a, M.a n dM i n a m i t a n i,H . :Thrombusf o r m a t i o ni nm i c r o c i r c u 1 a t i o no fd i a b e t e sm e l l i t u s,M i c r o c i r c u 1 a t i o nAnnual,1 5, 6 9 7 0,1 9 9 9 4 )南谷晴之、関塚;i K.、大塩力:微小血管内のオプテイ カルフローと血流速度分布、 I J視化情報、 1 9 ( 1 ),1 5 7 1 9 9 9 1 6 0, 5 )南谷晴之、関塚ァk "川村友美、長井隆裕、大塩力、 谷下一夫:原子間力顕微鏡による糖尿病赤血球の弾性 測定、第42同日本糖尿病学会年次学術集会、 4 2 ( s u p p l )‘ SI39-1G-19, 1 9 9 9 6 )関塚永一、長井隆裕、清水智哉、川村友美、南行晴之、 Iの 大坂力:糖尿病におけるアルドース還兄酵素聞害斉J 赤血球変形能に対する効果、第4 2 [ u J日本糖尿病学会年 9 9 9 次学術集会、 4 2 ( s u p p l ),S307-3Q-05,1 7 )Kawamura,T .,M i n a m i t a n i,H .,S e k i z u k a,E .a n dO s h i o,C . E r y t h r o c y t ee l a s t i cp r o p e r t i e smeasuredbya t o m i cf o r c e m i c r o s c o p e,M i c r o c i r c u l a t i o nAnnual,1 5,1 5 5 1 5 6,1 9 9 9 8 )M i n a m i t a n i, H .,Kawamura, T .,S e k i z u k a, E .andOshio, C . : D e f o r m a b i l i t yandv i s c o 巴1 a s t i c i t yo fd i a b e t i ce r y t h r o c y t e s measuredbym i c r o c h a n n e lf l o ws y s t e manda t o m i cf o r c e m i c r o s c o p e,P r o c e 巴d i n g so f1 s tJ o i n tBMES/EMBSIEEE C o n f e r e n c e,7 2,1 9 9 9 9 )Imazeki,Y .,S a i t o,A .,Nago,T .andMinamitani,H Vascu1arshutdowne f f e c ti nphotodynamict h e r a p yo c i t yont h ep 1 a t e 1 e tthrombus I n f l u e n c eo fb l o o df l o wv巴l r o c e e d i n g so f8 t hC o n g r e s s,EuropeanS o c i e t y f o r m a t i o n,P 9 9 9 o fP h o t o b i o l o g y,50,1 1 0 )塚 田 孝 祐 、 南 谷 晴 之 、 関 塚 永 ¥ 大 J 孟力:酸素感受 24 S p e c i a lT o p i cC o n f .M i c r o t e c h n o l o g i e si nM e d i c i n e& B i o l o g y,8 4 8 7,2000
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