学年だより 荒川区立 南千住第二中学校 № 15 第1学年 平成25年6月12日 第25回 運動会 スローガン 一人一人が輝き、一致団結する運動会 「勝ちを目指す」ことが第一の目標ではない 「○組なんか目じゃねぇよな。」「□組、クソだし…。」「この組って足遅いヤツばっか…、やる気失せる んですけどぉ。」そういう言葉を聞いた女子が、「男子って、人の悪口ばっか言っててバカじゃない?」と 応戦すれば、「女子って文句ばっか言ってて、うぜぇよ。」という声まで聞こえてきます。これらは運動会の 練習が始まって間もなく、一年生の生活圏である4階のあちこちでささやかれていた会話です。全員リレ ーのことを言っているのだと分かります。特に一年生の時にありがちな会話でもあります。こういうことを耳 にすると思い出す前任校でのエピソードがあります。 私が担任をしたクラスに、とても足の遅い女の子がいました。A子さんです。足が遅い 子は何人も見てきましたが、その比ではありません。足を踏み出すのですが、どう見ても 足踏みをしているようにしか見えないのです。 「試しに歩いてみて。」とだれかが言います。A子は明るくて陽気な性格だったので、みんなの前で歩いて 見せます。走るのと変わらない速度です。本人も「あんまり変わらないねぇ。」とみんなと一緒に笑います。 「スキップは?」ある少年が言います。A子はそんな性格ですから、またみんなの前でスキップします。…なん と、走るより少し早いのです。みんなは爆笑しながら、スキップで走ることを勧めました。しかし、さすがのA子 も、「スキップで全員リレーはいくらなんでも嫌だよ、恥ずかしいよ。」と笑顔で拒否。 そこで、走るのに自信のある男子生徒2名から特訓を受けること数日、(本人も夜、近くの 公園で足を前に出す練習をしたそうだ)やっとスキップくらいの早さに。しかし、彼女が走れば、 他の2クラスに抜かれることは間違いありません。A子はとうとう「私が出なければ…」と言い 出す始末。その時、リレーの選手のK君とY君が言いました。「俺たちが他の組を一周抜いてや るから安心しろ。おまえが全力で走れば何とかなるって。」その言葉の優しさとカッコ良さに『こ いつら大好き!』と思いました。これで、何位になろうと運動会の目的は達成したも同然です。 当日、彼らは公言通り「一周抜き」を果たし、A子は予想通り他の2クラスに抜き返されましたが、特訓の 成果か、大きく離されることなく次走にパス。接戦を制して結果は1 位 に !A子が大泣きしたことは言うまで もありません。一日が終わり、教室にみんなが座っていたところへ、A子が満面の笑顔で「みんなー、ありが とうー!」と大きく手を振りながら入ってきます。みんなはそれを拍手で迎えました。 「一人一人が輝いて」クラスや学校が「一致団結」していけるようになるといいですね。行事や日々 の生活を通して、皆さんにはそういうクラスを、学校を作っていってほしいのです。自分の勝ち負けに敏感 で、人にイヤな思いをさせることに鈍感 (どんかん)な人は、たとえ運動会で勝っても、人として負けです。 初めての 生徒総会 で意義はつかめましたか? 生徒が、生徒で組織する生徒会。その中に会長がいて、委員会が あります。皆さんはその会員。会の運営が正しい方向を向いて進もうと しているか等を、全員が集まって検討する会です。 一年生からも、木浪君が全体の書記として活躍しました。また、学級 委員の皆さんも、学年やクラスの目標の発表者となり、生徒会役員会 や各委員会への質問、賛成意見発表の場面では、初々しい一年生の 姿が幾人も見られました。後期(10月)からは一年生も役員が選出さ れます。新たな活躍の場が、意欲のある「あなた」を待っています。
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