海事の国際的動向に関する調査研究事業報告書

助成
平 成 16 年 度
海事の国際的動向に関する調査研究事業報告書
(海上安全)
平成 17 年 7 月
社団法人
日本海難防止協会
「この報告書は競艇の交付金による日本財団の助成金を受けて作成しました」
ま
え
が き
この報告書は、当協会が日本財団の助成金および日本海事財団の補助金を受
けて、海難防止事業の一環として平成16 年度に実施した「海事の国際的動向
に関する調査研究(海上安全)」事業の内容をとりまとめたものである。
平成 17 年 7 月
社団法人 日本海難防止協会
委員会の名称、構成は次のとおりである。
1. 委員会
(1) 名称
「海事の国際的動向に関する調査研究委員会(海上安全)」
(2) 委員(順不同、敬称略)
委員長
今津 隼馬
委 員
佐藤 修臣
〃
柳川 三郎
〃
松本 宏之
〃
岡邉 光邦
〃
松村 泰材
〃
宮坂 真人
〃
市川 博康
(岡田 卓三)
〃
吉田 良治
〃
小坂 智規
〃
長屋 信博
氏名欄( )は前任者
東京海洋大学教授
鳥羽商船高等専門学校校長
東京水産大学(現・東京海洋大学)名誉教授
海上保安大学校教授
独立行政法人航海訓練所教育部教授
日本パイロット協会事務局長
日本船主協会海務部課長
日本船長協会常務理事
日本旅客船協会業務部長
大日本水産会常務理事
全国漁業協同組合連合会漁政部長
(3) 関係官庁等(順不同、敬称略)
氏名欄( )は前任者
北野 忠美
国土交通省総合政策局交通安全担当参事官
(佐伯
洋 )
石田 育男
国土交通省海事局安全基準課長
米原 達夫
海上保安庁総務部情報通信企画課技術企画官
東井 芳隆
海上保安庁総務部国際・危機管理官
(加藤 隆司)
山下 政晴
海上保安庁警備救難部警備課長
上岡 宣隆
海上保安庁警備救難部救難課長
土出 昌一
海上保安庁海洋情報部技術・国際課長
佐藤 尚之
海上保安庁交通部企画課長
良 )
(川上
村上 玉樹
海上保安庁交通部安全課長
(添田 慎二)
一藁
勝
海上保安庁交通部安全課航行指導室長
川田 忠宏
水産庁増殖推進部研究指導課海洋技術室
漁船国際専門官
(三野 雅弘)
小原 正則
海上保安協会常務理事
(4) オブザーバー(順不同、敬称略)
氏名欄
櫻井
俊樹
国土交通省海事局外航課長
露木
伸宏
国土交通省海事局総務課海事保安・事故保障対策室長
内海
宣幸
日本財団海洋グループ海洋安全チームチームリーダー
中村
真美子
日本財団海洋グループ海洋安全チーム担当リーダー
横内
陽子
日本財団海洋グループ海洋安全チーム担当リーダー
2.上記委員等のほか、次の諸氏に格別のご協力をいただいた。(順不同、敬称略)
清水
通雄
全国漁業協同組合連合会漁政部次長
下村
謙二
国土交通省総合政策局交通安全担当総合調整第一係長
鈴木
康子
国土交通省海事局安全基準課国際第一係長
榮利
勝弥
国土交通省海事局外航課専門官
高井
誠治
国土交通省海事局外航課国際第一係長
太田
俊之
国土交通省海事局総務課海事保安・事故保障対策係
緑川
和徳
国土交通省海事局総務課海事保安・事故保障対策係
小池
貞利
海上保安庁総務部情報通信企画課専門官
大野
敦哉
海上保安庁総務部情報通信企画課管理係長
田中 航二郎
海上保安庁総務部国際・危機管理官国際係長
岩並
秀一
海上保安庁警備救難部警備課国際海上セキュリティ企画官
若林
邦芳
海上保安庁警備救難部救難課専門官
古谷 健太郎
海上保安庁警備救難部救難課国際救難係長
平出
昭夫
海上保安庁海洋情報部技術・国際課専門官
松鶴
協
海上保安庁海洋情報部水路通報室課長補佐
川俣
直己
海上保安庁交通部安全課課長補佐
松永
秀雄
海上保安庁交通部航行指導室海務第一係長
鈴木
浩久
海上保安庁交通部企画課課長補佐
田中
一幸
海上保安庁交通部企画課国際係長
北見
宗雄
海上保安庁交通部企画課国際係主任
小出
憲博
海上保安庁交通部整備課課長補佐
小熊
茂
海上保安庁交通部整備課信号施設室主任信号施設技術官
貴島
高啓
水産庁増殖推進部研究指導課海洋技術室企画調整係長
3.事務局
津田
黒川
惣田
川越
堀田
眞吾
暁博
泰氏
功一
陽介
日本海難防止協会常務理事
日本海難防止協会企画国際部長
日本海難防止協会企画国際部国際室長
日本海難防止協会シンガポール連絡事務所長代理
日本海難防止協会企画国際部
目
第1章
次
調査研究の概要
1 事業の目的 ···················································································· 1
2 方策····························································································· 1
3 事業の年間実施結果 ········································································ 1
第2章
調査研究の内容
第1節 IMO 委員会 ··········································································· 3
Ⅰ
第 78 回海上安全委員会(MSC78) ··············································· 3
Ⅱ
第 50 回航行安全小委員会(NAV50)············································· 11
Ⅲ
第 79 回海上安全委員会(MSC79) ··············································· 18
Ⅳ
第 9 回無線通信・捜索救助小委員会(COMSAR9) ·························· 23
第2節 各国・各海域における国際動向調査 ············································ 33
米国における MDA 等船舶動静把握についての検討状況 ·················· 33
Ⅰ
1
AIS 等に関する米国コーストガード本部における情報収集 ············ 33
2
米国コーストガード太平洋司令本部基地訪問······························ 35
Ⅱ
IALA 及びカナダコーストガード主催 LRIT セミナーにおける調査 ···· 36
Ⅲ
フィンランド、スウェーデンにおける AIS ネットワーク等調査 ········ 42
1
フィンランドにおける AIS 調査(海事管理庁及びヘルシンキ VTS センター) ··· 42
2
スウェーデンにおける AIS 調査(VTS 訪問調査) ·························· 44
3
スウェーデンにおける AIS 調査(スウェーデン海事管理庁訪問調査) 46
Ⅳ
欧州海上保安庁における Safe Sea Net 調査 ·································· 50
Ⅴ
シンガポールにおける調査 ························································ 52
1
AIS 陸上局設置状況等調査 ····················································· 52
2
セキュリティセミナー ··························································· 54
Ⅵ
最近のマ・シ海峡の動向(「セキュリティ要素を核とした
マ・シ海峡問題の新しい展開」について)······································· 60
第3章
調査研究委員会
第1節 第 1 回委員会議事概要······························································ 65
・添付資料1 平成 16 年度事業実施計画··········································· 69
・添付資料2 平成 16 年度調査研究テーマ········································ 70
第2節 第 2 回委員会議事概要······························································ 71
第3節 第 3 回委員会議事概要······························································ 75
第4節 第 4 回委員会議事概要······························································ 79
第4章
アドホック報告・検討会
1
国際動向委員会・アドホック報告会の開催について ····························· 83
2
アドホック報告・検討会概要 ··························································· 84
・資料1 ロングレンジトラッキング(LRIT)IMO における検討状況等 ·············· 86
・資料2 LRIT に関する SOLAS 条約改正案(COMSAR9/WP5/Rev1 Annex1) ········· 89
・資料3 LRIT 性能基準案(COMSAR9/WP5/Rev1 Annex2) ····························· 94
・資料4「港湾危機管理体制について」等 ·············································· 97
・資料5 船舶動静把握ネットワークとそのデータベースの構築
に関する国際動向 ································································ 101
参考資料
1 IMO
2005 年会議プログラム
2 IMO 略語表
第1章
調査研究の概要
1
事業の目的
海上安全の分野における国際的な動向を調査・研究し、もって我が国対応のあり方の
検討に資することを目的とする。
2
方策
(1) IMO各委員会における審議結果の報告と対処方針の検討
(2) 調査研究課題の検討と実施
(3) 調査結果の発表と検討
3
事業の年間実施結果
平成16年
5月12日~21日
MSC78
5月31日
○
シンガポールAIS調査およびセキュリティセミナ
ー出席
6月30日
〈第一回委員会〉
・実施計画案の承認
・調査テーマ案の承認
・MSC78結果報告
・NAV50対処方針検討等
7月5日~9日
NAV50
8月3日
○
米国コーストガード本部情報収集(ワシントンDC)
9月8日~10日
○
フィンランド、スウェーデンAISネットワーク調査
10月5日
〈第二回委員会〉
・NAV50結果報告
・AIS等米国コーストガード本部情報収集報告
・フィンランド、スウェーデンにおけるAIS調査報告
11月3日~5日
○
IALA及びカナダコーストガード主催ロングレンジ
セミナー出席
11月24日
〈第三回委員会〉
・MSC79対処方針検討
・最近のマ・シ海峡の動向報告
・IALA・カナダコーストガード主催セキュリティセミ
ナー出席報告
12月1日~10日
MSC79
1
平成17年
1月13日
2月1日
○
米国コーストガード太平洋司令本部調査(サンフランシスコ)
〈第四回委員会〉
・MSC79結果報告
・COMSAR9対処方針検討等
2月4日
○
欧州海上保安庁Safe Sea Net調査
2月7日~11日
COMSAR9
3月25日
〈アドホック報告・検討会〉
2
第2章
調査研究の内容
第1節
Ⅰ
第78回 海上安全委員会(MSC78)
1
日程
2
IMO委員会
(1)対処方針会議
5 月 11 日(火)
(在英国日本国大使館会議室)
(2)MSC78
5 月 12 日(水)0930 ~21 日(金)
開催場所
IMO 本部
3
日本側参加者: 32 名
◎:本委員会所属者の出席者 ○:英国からの出席者
◎ 国土交通省海事局安全基準課長
石田 育男
国土交通省海事局船員政策課国際企画室長
吉田 晶子
国土交通省海事局安全基準課課長補佐
山田 浩之
国土交通省港湾局管理課港湾保安対策室係長
井上
岳
◎ 海上保安庁警備救難部警備課国際海上セキュリティ企画官
岩並 秀一
◎ 海上保安庁警備救難部救難課国際救難係長
古谷健太郎
(独)海上技術安全研究所海上安全研究領域危険物輸送・防災研究グループ長
太田
進
(独)海上技術安全研究所海上高度化研究領域高度運航システム研究グループ長
福戸 淳司
(独)海上技術安全研究所企画部研究統括主幹
吉田 公一
(独)海上技術安全研究所主任研究員
藤原 敏文
◎ 独立行政法人航海訓練所教育部教授
岡邉 光邦
○ (社)日本造船研究協会技術顧問
篠村 義夫
(社)日本造船研究協会主任研究員
柳瀬
啓
(社)日本造船研究協会主任研究員
小磯
康
(社)日本造船研究協会主任研究員
中川 直人
電気事業連合会
岡村
大阪大学教授
矢尾 哲也
敏
○ (社)日本船主協会欧州地区事務局長
増田
恵
◎ (社)日本船主協会海務部長
半田
收
(社)日本船主協会
有坂 俊一
(社)日本造船工業会
山本
聡
(財)日本海事協会開発部部長
小西
熙
(財)日本海事協会海洋室主管
有馬 俊朗
(財)日本海技協会調査部長
大久保 尚
(財)運輸政策研究機構国際研究問題調査役
林
3
亮治
日本財団海洋グループ海洋担当リーダー
○ 全日本海員組合欧州事務所長
4
吉倉 和宏
飯嶋 雄二
ジャパン・シップ・センター所長
田中
圭
ジャパン・シップ・センター次長
加藤 光一
ジャパン・シップ・センター次長
田口 昭門
◎ (社)日本海難防止協会企画国際部国際室長
惣田 泰氏
○ (社)日本海難防止協会ロンドン連絡事務所長
山地 哲也
議題
(1)議題の採択と信任状の報告
(2)他のIMO機関の決定
(3)強制要件の改正の検討及び採択
(4)大型旅客船の安全
(5)ばら積み貨物船の安全
(6)ゴールベースの新造船建造基準
(7)海上保安を是正する措置
(8)船舶の設計・設備(DE47 の報告)
(9)ばら積み液体及びガス(BLG8 の報告)
(10)旗国の実施(FSI12 の報告)
(11)航行の安全(NAV49 の報告)
(12)復原性・満載喫水線・漁船安全(SLF46 の報告)
(13)危険物・固体貨物・コンテナ(DSC8 の報告)
(14)防火(FP48 の報告)
(15)訓練及び当直(STW35 の報告)
(16)無線通信・捜索・救難(COMSAR8 の報告)
(17)海上安全及び海事保安に関する技術援助プログラム
(18)人的要因の役割
(19)フォーマル・セーフティ・アセスメント
(20)船舶への海賊と武装強盗
(21)インストゥルメントの実施及び関連する事項
(22)他の機関との関係
(23)委員会のガイドラインの適用
(24)作業計画(残りのアイテム)
(25)その他
(26)第78回委員会報告書の検討
4
5
審議内容
(1)海事保安(議題7関連)
今次MSCにおける海事保安関連事項は多くの時間を費やしての審議が行われた
(プレナリーで約1日審議され、また、ワーキング・グループでも早朝から夜間に及
び審議が行われた。)
。
プレナリーからワーキング・グループにロングレンジトラッキング(LRIT)
、 船
舶保安警報(SSAS)
、監督・適合措置に係るガイドラインの検討等のTORが 与
えられ、ワーキンググループを中心に審議された。
①
LRIT関連
本年2月に開催された COMSAR8 からの報告事項が概ね承認され COMSAR9 に
おける更なる検討が行われることとなった。なお、米国から提案された本件に関す
る SOLAS 条約第11-2章第14規則改正案については今次会合では議論されな
いこととなった。
プレナリーにおける米国発言等から考え、本件については COMSAR9 における
検討を経て、来年開催予定のMSC80での採択を目途に検討されることとなると
思われる。
イ
今次会合における主たる合意事項
・
段階的導入
・
A1海域のみ航行するAIS搭載船の搭載免除
・
LRIT情報は、旗国は全世界規模で入手できること及び寄港国は寄港国が
定めた範囲において入手できること
・
IMOではLRIT情報の収集、配信等は行わないこと。また、締約国はサ
ービスプロバイダーから直接LRIT情報を購入できること
・
機能要件、システム承認及び評価基準、アクセス保安基準、サービスプロバ
イダーの監督等が必要であること
・
サービスプロバイダーのセキュリティに関し詳細議論されること並びに誤発
信又は偽発信を防ぐシステムであること
・ 通報に係るコストは船舶側に課さず(情報を必要とする)締約国に課すこと
・ 通報事項は船舶のID(IMO番号を含めること)
、船位(緯度・経度)及び時
刻とすること
・ 手動入力による誤情報の可能性があることから、AISとのインターフェイ
スは持たないこと
・
捜索救難、航行安全及び環境保護のための利用(多くの国からこれら目的
での利用の意見有り)するのであれば、影響を再考する必要があること
ロ
主たる継続審議事項
・
沿岸国による情報入手
沿岸国はLRIT情報を受信することができるべきであるとなったが、受信
可能範囲について200海里とする意見(多数)、2000海里とする意見(米
国)、国際的な同意が得られる範囲での各締約国での設定との意見(議長)等が
あったが結論をみるに至らなかった。
5
・
スイッチオフ
船舶及び旗国の保安を損なう場合のスイッチオフ等について議論されたが結
論は得られなかった。
・ LRIT信号の取り扱い優先度
②
SSAS関連
SOLAS 条約第11-2章第6規則及び第7規則関連
イ
船舶保安警報を受信した場合における受信機関の配信方法等に関するフランス
提案ガイダンス(案)は、各締約国が既に導入していることから支持されなかった。
結果的には次の内容の回章が発出されることとなった。
・
船舶保安警報を受けた主管庁が通報すべき船舶の近隣国機関 SOLAS 条約第1
1-2章第7規則パラ2の連絡先が適当であること
・
近隣国が SOLAS 条約非加盟国である場合は外交ルートを通じて通報すべきで
あること
・
MRCCが船舶保安警報を受信した場合の取り扱いはMSC回章1073によ
ること
・
遭難/保安二重警報が発せられた場合は、船舶が保安上危険な状況にあるかも
しれないことに十分配慮し、遭難警報が発せられたときの対応をとるべきである
こと
ロ
遭難/保安二重警報
フランス提案に基づき遭難/保安二重警報について議論された。
これまでの遭難信号での偽警報の経験(多くが偽情報であること)を踏まえての
検討の必要性については概ね共通認識となっていたが、船舶保安警報については経
験が乏しいことから、船舶保安警報受信時に執るべき措置及び遭難/保安二重警報
が出された場合の措置について船舶保安警報運用開始後の経験を考慮し、次回MS
Cで検討されることとなった。この検討に資するため本年7月1日から10月15
日までの船舶安全警報に係る具体的事例をIMOに報告することとされ、回章が出
されることとなった。
③
監督・適合措置に関するガイダンス関連
本年7月1日に条約が発効し、寄港国では SOLAS 条約第11-2章第7規則に
基づく監督・適合措置が実施されることとなるため「暫定的な監督と適合措置に係
るガイダンス」がファイナライズされた。本MSC決定については、これまで経験
のないことが実施されること等の理由から多数の国が Interim とすることを主張し、
これが認められた。
本ガイダンスは次の7章で構成されることとなった。
第1章
序文
第2章
正規に権限を与えられた職員の訓練と資格
第3章
他の締約国に入港しようとする船舶
第4章
入港中の船舶の監督
第5章
Clear ground が存在する場合の更なる詳細検査
第6章
保障
6
第7章
報告
本次会合における主たる議論は次のとおり。
イ
AIS、船舶識別番号等第11-2章に記載されていない事項は本ガイダン
スでは取り扱わないこととなった。
ロ detention の措置を行う場合の判断基準
プレナリ-にて我が国からみて detention の措置を行う場合の判断基準の明
確化について発言し、ワーキング・グループで検討されることとなった。ワー
キング・グループでは、当該基準をガイダンスへ盛り込むことは寄港国の権限
を制限することとなる等の意見があり、結論としては、将来の課題とすること
及び今後の経験を活かして議論することを確認し、今次会合では時期尚早とし
て判断基準を盛り込まないこととなった。
ハ
inspection 項目中の ISPS CODE Part B の取り扱い
ノルウェーから非強制の Part B が強制要件であるかのうように取り扱われ
ているとの指摘があり、我が国もこれを支持し、所要の修正の必要がある旨発
言した。
ICS 等から Part B 要件を導入することは例示として必要である旨意見があ
り、現テキストのとおりの扱いとなった。
ニ
演習(exercise)等の取り扱い
条約上の義務ではないが全船参加が推奨されている旨ワーキング・グループ
議長から説明があり、また、3ヶ年、1年という CODE Part B 上の drill/exercise
の実施頻度は mandatory なものではないことから、本ガイドラインから削除さ
れることとなった。
ホ duly authorized officer の資格要件
米 国 の 提 案 を 受 け て 監 督 と 適 合 措 置 を 講じ る 正 当 に 権 限 を 付 与 さ れ た 職 員
(duly authorized officer)の資格要件が追加されたが、各国において、監督と
適合措置を実施する職員が多様であることから可能な限り柔軟性を持たせるこ
ととなった。
ヘ
the last 10 calls at port facilities の取り扱い
最終日のプレナリーにおいて、ICSから第11-2章第9規則に基づく、
10港湾施設の寄港履歴をいつから記録するのかについて問題提起された。
これに関して、急遽検討グループが立ち上がり次の議論が行われた。
〔セキュリティ・ワーキング・グループ議長調整案〕
7 月 1 日 か ら港 湾 施 設が 保 安 措 置 を講 じ ること と な っ て おり 、 一 方で 同 日か
ら監督・適合措置が開始されることとなる。
よ っ て 、 国 際船 舶 保 安証 書 ( I S SC) の発給 以 後 か ら 寄港 し た 港湾 施 設の
記 録 をと るこ とと するが 、 7月 1日 以前 に寄港し た港 湾施 設に おいて 港 湾施 設
保安計画が承認されていなくとも監督・適合措置実施の根拠としない。
〔ノルウェー意見〕
7 月 1 日 以 前の 記 録 を残 す こ と の 条約 上 の根拠 が 希 薄 で ある の で 、寄 港 した
港湾施設の記録は7月1日以降とする。
7
〔結論〕
米国は議長調停案を支持したが、多数の国はノルウェー意見に賛成した結果、
ノ ル ウェ ー意 見が 結論と な った 。こ の結 果を周 知 徹底 する ため 、回章 す るこ と
及び本ガイドラインの脚注に記載することとなった。
④
イ
船舶又は港湾のいずれかが条約要件非適合の場合の措置及び手続き
条約要件非適合港湾施設と interface を持つ場合の船舶保安措置
船舶が条約要件非適合港湾施設 interface を持つ場合、追加的な保安措置の実施、
保安宣言の作成、会社保安職員との連絡・調整等の自衛措置を講じるよう勧告す
ることとなった。
ロ
条約要件非適合船舶と interface を持つ場合の港湾施設保安措置
港湾施設に条約要件非適合船舶が寄港することが明らかになった場合、速やか
に港湾施設保安計画を承認した機関及び監督・適合措置を実施する機関に対して
連絡し、必要な助言を得るよう勧告することとなった。
⑤
造船所における保安措置
第11-2章第1規則上の港湾施設の定義及び造船船の位置する地域特性等を考
慮し、造船所が立地する締約国政府が判断すべきであることが確認された。
締約国政府が造船所を第11-2章及びISPSコード上の港湾施設として取り
扱う場合は、通常の港湾施設と同様に港湾施設保安職員選任及び港湾施設保安計画
承認を要することとされた。
新造船、修繕船等の保安措置については次のとおり考えることが妥当であると確
認され、回章されることとなった。
イ
新造船
船舶保安証書が発給されるまでは造船所の責任であることが確認され、同証書
発給後は船舶が造船所にあっても船舶の保安計画に従うものとされた。この場合、
会社保安職員若しくは船舶保安職員又はその両者が造船所と協議し、船舶保安の
責任分担を明確にすることとなった。
ロ
修繕船
政府がとる船舶保安証書を含む証書類の効力の停止又は執行に係る措置及び船
員が船舶に残り、船舶保安計画に基づく保安措置を実行する能力により決定する
こととなった。
ハ
海上公試中の船舶
一定の保安措置の実施が必要であり、具体的な措置の内容は試験航海実施時点
での旗国政府が一義的に判断することとなった。
⑥
その他
イ
船長が船舶保安職員を兼務できるとするFSIの結論が確認された。
ロ
FSIで議論された「船員数の多い船舶における船員IDの保有」については
条約上の義務がないことが確認された。
(2)航行安全関連議題(議題11)
主たる検討内容等は次のとおり。
8
①
分離通航方式
NAV49から送られてきた10提案については、シンガポール海峡の分離通航
方式改正以外は特段の議論なく承認された。
シンガポール海峡分離通航方式改正は、OCIMFからのNAVにおける再審議
要望があり、これにインドネシア、マレーシア及びシンガポールが反論した。結果
として本改正は承認されたが、関係者間で詳細調整を行い、2005年1月1日発
効を目途(通常であれば、12月1日発効)に関係者間で詳細調整を行うこととな
り、12月1日までに関係国を代表してインドネシアが文書を提出することとなっ
た。
②
s-VDRの現存船への搭載日
現存船の 2000GT 以上の貨物船は2009年7月1日以前の2006年7月1日
以降の初めてのドライドック日までに、3000GT 以上で 20000GT 未満の貨物船は2
010年7月1日以前の2007年7月1日以降の初めてのドライドック日までに
s-VDRを搭載することを我が国から提案したところ、ロシア、韓国等から支持
され受け入れられた。なお、英国から搭載日をドライドックとリンクさせることへ
懸念がある旨発言があった。
③
・
その他
AISバイナリーメッセージの適用ガイダンス回章案は議論なく承認された。
なお、独提案により本ガイダンスをITU及びIALAへ報告することとなった。
・
IHOから提出された情報提供の充実等を内容とした回章案は、英国からの指
摘に基づき若干の語句修正を行った上で承認されることとなった。
(3)強制要件の改正の検討・採択及び無線通信・捜索救難関連(SOLAS 条約第5章改
正及びSAR条約改正関係、議題3及び議題16)
「遭難した者」には孤島等で避難者として発見された者を含むこと、RCCは下船場
所に関する調整を行うこと、救助を完了した船の船長は直ちに遭難者の救助義務から解
放されることを主たる改正点とした本改正はMSC77及びCOMSAR8で審議され
たものであり、今次会合において採択された。
なお、採択時に序文が決議として同時に採択されたが、その際にマルタから捜索救助
担当水域で発見された遭難者の下船場所は当該水域を管轄する国が調整を行うとする内
容の序文の削除案が提出された。最終的には多数決により原案通り(マルタ削除案否決)
となり、マルタは採択後に留保を表明した。
S A R条 約改 正案 に対し て 、我 が国 から 改正に 係 る案 文の 解釈 を明確 に する こ
とを求める発言を行ったところ、ドラフト・グループでの審議の結果、最終案に我が国
発言内容が盛り込まれることとなった。
(4)海賊・武装強盗関連(議題20)
①
現状報告
事務局から2003年の海賊・武装強盗に関する年次報告が行われた。2003
年は452件の報告があり、これは前年より18%増加しているので、MSCは全
9
ての政府へ海賊・武装強盗に遭遇した報告を受けた場合のIMOへの情報提供を要
請した。
また、各地域毎に開催された海賊対策国際会議等についても発表が行われた。
②
我が国からの発表及びこれへの反応
我が国(外務省)からアジア地域における海賊対策について発表が行われた後、
最近のアジアにおける海上保安庁及び日本財団の海賊対策について説明を行った。
これに対してインドネシア、マレーシア、タイ及びフィリピンから海上保安庁及び
日本財団の取り組みについて謝意が表明された。
10
Ⅱ
第50回 航行安全小委員会(NAV50)の審議概要
1
日程
(1)対処方針会議
7 月 4 日(日)
(在英国日本国大使館会議室)
(2)NAV50
7 月 5 日(月)0930 ~ 9 日(金)1730
2
開催場所
国際海事機関 本部
3
日本側参加者: 16 名
◎:本委員会所属者の出席者 ○:英国からの出席者
○ 在英国日本国大使館一等書記官
植村 忠之
◎ 国土交通省海事局安全基準課課長補佐
山田 浩之
海上保安庁交通部安全課課長補佐
川俣 直己
◎ 水産庁増殖推進部研究指導課海洋技術室漁船国際専門官 三野 雅弘
独立行政法人海上技術安全研究所
高度運航システム研究グループ長
○ (社)日本船主協会欧州地区事務局長
増田
◎ 東京海洋大学教授
今津 隼馬
恵
東京海洋大学海洋工学部教授/工学博士
林
(社)大日本水産会
岡崎 勇二
○ (社)日本造船研究協会技術顧問
4
福戸 淳司
尚吾
篠村 義夫
(社)日本造船研究協会
岡村
(社)日本造船研究協会
中川 直人
(財)日本舶用品検定協会技術部長
木村 佳男
片山海事技研事務所海事補佐人
片山 瑞穂
敏
○ 全日本海員組合欧州事務局長
飯嶋 雄二
◎ (社)日本海難防止協会企画国際部国際室長
惣田 泰氏
議題
(1)議題の採択
(2)他のIMO機関の決定
(3)航路、通報及び関連事項
(4)船上の航海用表示装置における AIS 情報の使用と表示要件
(5)2000 年 HSC コードの見直しと1994年 DSC コードの改正
(6)錨、係留及び曳航装置
(7)漁船安全コードと任意ガイドラインの改正
(8)冒険船による危険な大洋横断に対する勧告
(9)レーダー設備の性能基準の見直し
(10)ITU関連事項
11
(11)大型旅客船の安全
(12)海上保安向上のための措置
(13)全世界的無線航法システム
(14)海難事故解析
(15)ばら積み貨物船の早期退船に関するガイドライン
(16)作業計画及びNAV51の仮議題
(17)2005年の議長及び副議長の選出
(18)その他の議題
(19)海上安全委員会への報告
5
審議内容
(1)航路、通報及び関連事項(議題3関連)
①
イ
プレナリーでの審議
下記(2)以外の事項
クウェート提案の船舶通報制度等に関して、イランから同海域の呼称問題につい
て意見が示された以外は、特段の意見なく、各事項はWGで検討されることとなっ
た。
ロ
西ヨーロッパ強制船舶通報制度及びトレス海峡強制水先の拡大
西ヨーロッパ強制船舶通報制度については、法律的な観点からの検討が十分でな
いため、法律委員会での審議が必要である旨をロシアが表明した。これに加えて、
トレス海峡強制水先制度についても同様に国際海峡における法的な問題があり、N
AVにおいて検討を行うべきではないとパナマが主張した。これらについて、英国、
米国、ノルウェー等は、法的議論は、法律委員会で行うこと、NAVではオペレー
ション及びテクニカルマターを審議し、MEPC及びMSCに報告すべきであると
提案した。ロシア、パナマ、ブラジル等は法律的な問題が重要であり、これを解決
しなければ、今後のNAVの検討に問題が残ることを主張した。他方、提案国であ
るオーストラリア及びパプアニューギニアは海洋環境保護に係る重要問題であり、
国際海峡といえども EEZ 内であり問題ないと考えている旨を述べ、これにスペイン
等が支持を表明した。
最終的には WG においてこれらを検討することとなり、プレナリーから WG に次
のTORが与えられた。
(a) 各国から提案された航路指定、通報及びその他について検討し、プレナリーに報
告する
(b) MEPC49の指示を考慮し、西ヨーロッパの強制船舶通報制度及びトレス海峡
における強制水先の拡大を法律的な観点からの検討は避け、オペレーションの観
点のみから審議する。また、法律的な問題点を抽出し、明確化する。
②
イ
WGでの審議
新たな分離通航方式
(a) 米国提案の Cape Fear River の分離通航方式については特段の意見なく承認
された。
12
(b) クウェート提案の船舶通報制度については、基準に合致していないことから、次
回再提案することとされた。分離通航方式、新錨泊海域及びパイロット乗船位置
については、警戒水域の設定について修正意見等があったが、最終的には承認さ
れた。
ロ
分離通航方式の改正
(a) カナダ及び米国提案の Puget Sound の分離通航方式等は、特段の意見なく承認
された。
(b) 米国提案の Chesapeake Bay の分離通航方式改正については、特段の意見なく承
認された。
(c) ポルトガル提案の Cape Roca 沖分離通航方式については、ICSからVTSによ
る支援体制が整備されていないため、衛星測位装置(DGPS)の故障等で船位が確
認できない場合への懸念が表明されたが、最終的に承認された。
(d) ポルトガル提案の Off Berlenga の分離通航方式の廃止は、特段の意見なく承認
された。
(e) ペルー提案の Puerto San Martin の進入路改正は、特段の意見なく承認された。
③
分離通航方式以外の措置
(a)メキシコアメリカ提案の北メキシコ湾における避航水域及び投錨禁止水域の設定
は、特段の意見なく承認された。
(b)米国提案の Chesapeake Bay の南方進入路における深水路の改正は、特段の意見
なく承認された。
(c)ポルトガル提案の Berlengas Island の避航水域の設定は、特段の意見なく承認さ
れた。
④
船舶通報システムの測地系を WGS84 に標準化を図る船舶通報制度のガイドライン
及び基準の一般条項の改正に係るノルウェー提案は、議長、英国等から地域により差
異があること、時期早尚であること等が指摘された。これらを考慮して、ノルウェー
が勧告文書として修文して再提出し、特段の意見なく承認された。
⑤
トレス海峡における強制水先化
WGにおいて、本制度が環境保護を促進することについて、理解は示されたものの
次の重要な点をロシア等が指摘した。
(a)本制度のみが、この海域の安全航行を向上させる唯一の方法であるか否か
(b)本制度以外の適切な方法
(c)本制度の効果と他の方法の実施効果の比較
(d)本制度に係る強制の必要性の検証結果等の明確化
また、WGにおいては、多くの国が本制度についての国連海洋法条約の国際海峡に係
る規定との関連において、適切かどうかという点について疑問表明しており、MSC
79においては、法律的観点からの疑問点が解消された上で本件が検討できるよう、
MEPCからLEG89に法的観点の問題点を諮問するよう、次回 MEPC に要請する
こととなった。
更に、WGは、国際海峡における強制水先についてのガイドライン及び基準の検討
の必要性がについても同意し、本小委員会の将来の作業計画に加えるか否か、また、
13
議題にするか否かも含めて、ガイドライン及び基準の検討の必要性を MSC に諮ること
とした。
⑥
西ヨーロッパにおける強制船舶通報制度については、トレス海峡同様、法律的観点
からの問題等が指摘されたが、最終的には2005年7月1日からの同制度の施行は
承認された。
(2)船上の航海用表示装置における AIS 情報の使用と表示要件(議題4関連)
①
イ
プレナリーでの審議
提案文書の説明
独から、CG の結果について、その概要(NAV50/4)が説明された。また IEC(国
際電気標準会議)からは NAV50/4 が採択されれば、これに基づき IEC62288(表示
装置上に表示される用語、数、シンボルの基準)の見直しを行うことが紹介された
。また、英国から、AIS における誤情報について NAV51 に向け情報
(NAV50/4/1)
収集とその対策が必要との意見が出され(NAV50/4/2)、韓国がこれに賛成した。さ
らに英国等から、情報表示について ECDIS 性能要件や INS(Integrated Navigation
Systems)、IBS(Integrated Bridge System)についても調整が必要であるとの意見
(NAV50/4/3)が出された。これらの提案は、全て WG において検討するよう議長
から指示を受けた。
ロ
SOLAS V 章(航行の安全)改訂の提案
独から、AIS 情報を表示する際に、IMO が採用した基準に従うこととするように、
SOLAS V 章第 19 規則(航海装置及び航海機器の搭載要件)にその旨を示す条文を
付加することが提案され、デンマーク、ノールウェイ、スウェーデンがこれに賛成
した。本提案についても、WG で検討するよう議長から指示を受けた。
ハ
その他関係文書の説明
COMSAR8/17
(AIS 使用の問題点)
及び NAV50/18/1
AIS に関する検討資料として、
(AIS での行き先情報)
、SN/Circ217(暫定的 AIS 情報表示)、SN/Circ.227(AIS
装備ガイドライン)が紹介された。
②
イ
WG2での検討
表示性能要件
提案文書 NAV50/4 中の表題”Performance Standards for the Presentation of
Navigation-Related Information” は 、 新 に ”Performance Standards for the
Presentation of Navigation-Related Information on Shipborn Navigation
Displays(航海用表示装置上の航海関連情報表示に係る性能基準)”とすることが合意
された。一方、NAV50/4 の ANNEX1(航海関連情報表示に係る性能基準)、ANNEX2
(航海関連シンボルの表示に係るガイドライン)及び ANNEX3(航海関連用語と略
語の表示に係るガイドライン)の各草案について検討し、修正を加えた上で、これ
を MSC79 に提案すること、またシンボルと用語については SN/Circ とすることが
合意された。なお本議題に係る作業が全て完了したことから、本議題を MSC の議題
から削除することが合意された。
14
ロ AIS 関連事項
(a) AIS の問題点として、時折間違った情報の提供等の問題があることが、文書
(NAV50/4/2、COMSAR8/17)に沿って紹介され、AIS の設置時における調整に
係る文書(SN/Circ.227)及び AIS に取り付ける機器等、AIS に係るその他の文書
(A.917(22),A996(23))の改正も視野に入れて検討することとなった。その一方で、
各国に AIS 設置時に正確な船のデータを入力するよう要請することとした。
(b) AIS で送信する行き先情報について、UN/LOCODE(UN/CODES FOR PORTS
AND OTHER LOCATIONS)使用に関するガイドラインに従って、略語による行
き先情報の利用が文書(NAV50/18/1)に沿って提案され、これを MSC79 に提案
することとした。さらに、AIS の Power supply について SN/Circ.227/Add.1 の
2.4(Power source)を改正し、これを MSC79 における検討に付すこととした。
ハ AIS 表示に関する SOLAS V 19 規則の改正に係る独提案については、AIS 情報の
グラフィック表示が新レーダー装備以後でしか可能でないことから、新レーダーが
搭載される 2008 年以後に建造の新船に適用する方向で検討することとした。
ニ
今後の検討
(a) 用語の定義、ECDIS での AIS 情報表示については、今後も継続的に検討するこ
ととなった。
(b) ECDIS 表示画面上における AIS 情報の表示については、ECDIS 性能要件の見直
しが必要であり、CG を設置して、主にここで検討することとなった。
(c) また作業指向での運用及び表示基準についても検討することとした。
③
最終プレナリーでの審議
WG 議長の K.Fisher による WG 検討結果の概要報告の後、小委員会への要請事項が
確認され、特段の問題なく承認された。
(3)冒険を目的とする船舶による危険な太洋横断に対する勧告(議題8関連)
①
プレナリーでの審議
冒頭、議長から本件に係る検討経緯が説明され、引き続き、チリから趣旨説明が行
われた。チリは趣旨説明の最後に「本ガイドラインは各国の努力すべきことを記載し
たものである。
」旨言及した。
フランスから「原則的には良い試みであり、賛成。しかしながら、各文には問題が
あるように思われる。また、実際的にはこのような船をモニタリングすることが難し
いという問題もある。」旨発言があり、これに英国、ベルギー及びリベリアが定義の問
題等を指摘しつつ賛成した。
一方で、ベネズエラ、メキシコ、ブラジル及びオーストラリアがチリ提案及びJペ
ーパーをサポート(ブラジルは支持するが詳細は検討要、オーストラリアは原則的支
持との発言)する意思を表明した。
更に、議長等から12メートルの根拠や当該船舶の定義(バスタブでドーバーを横
断しようとした者の例を言及)等の必要性が述べられた。
これらに対して、チリから「これまでの議論から原則賛成はマジョリティであり、
本件を承認して欲しい。
」旨の強行な発言があった。
15
結果的に、議長と事務局が壇上で相談した結果「本件はNAVでドラフティングし
てCOMSARへ Refer する。WGでの検討が望ましいところもあるが目的等原則は
理解されているので、DGで検討し、ドラフトを作成する。
」となった。
②
DGでの審議
DGにおいて当方から次の発言を行った。
・
マンデートリーでないガイドラインであるにもかかわらず、本ペーパーは全体
的に must, standardize 等が使われており見方によっては強制的なものととられ
かねない。
特に ANNEX B は full responsibility との記載もありその傾向が強い。
⇒
大勢を得たところ、事務局が所要の修正をすることとなった。
・ ANNEX C は装備の項でありつつ、MRCCの協力を記載することはおかしい。
更に、MRCCの件は本来COMSARマターであり、議長は COMSAR へ送る
と言っているのだから削除して、新たにCOMSARにおいてチリが提案すれば
良い。
⇒
本部分は括弧書きでCOMSARに送ることでプレナリーに諮ることとなった。
・ ANNEX C 中の Control adventure craft の Control は誰がするのか。当局が
行うのか、また、できるのか。フランスもプレナリーで同種発言をしたと思われる。
⇒
大勢を得たところ、事務局が所要の修正を行うこととなった。
この他に DG では定義の議論(定義は決めず、表題から NON-CONVENTIONAL を
削除又は別の言葉とすること等を事務局で修正)
、装備品の言葉の変更等が行われた。
③
プレナリーでの最終審議
修文された MSC/Circ 案”Guidance on the minimum safety measures for high-risk
oceanic voyages by non-conventional craft”(NAV50/WP.8)は、再度プレナリーにおい
て審議されたが、MSC/Circ 案としての様式を満足していないこと、内容的にも曖昧で
あること等の意見が英国を始め日本、米国、リベリア等から示されたため、当初本 Circ
案を次回 COMSAR に送って審議する予定であったが、議長がチリに対して、各国の指
摘を踏まえて再度 Circ 案を作成し、COMSAR に提出するよう要請した。なお、本ガ
イダンスには、MRCC の協力、通信関係の記載があり、また、プレナリーにおいても
COMSAR における詳細検討の必要性を求める意見があったことから、次回COMSA
Rにおいて検討されることとなった。
(4)その他の議題(議題18関連)
① COLREG Rule 1(e)の解釈
本 件 ス ウ ェ ー デ ン 提 案 に つ い て 、 初 日 の プ レナ リ ー に お い て 、 MSC/Circ.473
(Guidance for the uniform application of COLREG Rule 1(e) )に加えて何らかの指
針又はコメントの必要性について WG1 に検討を付託されることとなり、同WGにおい
て、スウェーデンから、特殊構造船であったとしても本来あるべき灯火等に可能な限
り近づけるべきであること、衝突の危険に係る船員の間違った判断をもたらすかもし
れないこと等をノートする回章案が提出され、オランダ、英国等が全面支持を表明し、
特段の議論なくWGにおいて合意され、プレナリーにおいて承認された。
16
②
ECDIS及びENC活用の向上について
ECDISをRCDS(ラスター海図システム)で使用した場合は紙海図を不要と
する豪州案、豪州案に反対でECDISのバックアップは従来どおりする仏案及び豪
州案に反対だが、ECDISの利用促進を図る観点から、ENC(電子海図)が必要
な海域とRNC(ラスター海図)でもよいとする海域を沿岸国が評価し、その上で、
ECDISを強化すべきであるとするノルウェー案がプレナリーで説明された。
これらに対し、IHO(国際水路協会)や多数の国がRCDSモードはENCに比
し情報が遅れること等を指摘しつつノルウェーを支持した。他方、ICS、ロシア及
びアルゼンチンはENC海図の整備が十分でないこと、費用負担の問題があること等
結果的には、米国、英国、ノルウエーから更なる検討の必要性及びCGによる検討
から反対した。
が提案され、CGによる検討が行われることとなった。
17
Ⅲ
第79回 海上安全委員会(MSC79)
1
日程
2
(1)対処方針会議
11 月 30 日(火)(在英国日本国大使館会議室)
(2)MSC79
12 月 1 日(水)0930 ~10 日(金)
開催場所
IMO 本部
3
日本側参加者: 30 名
◎:本委員会所属者の出席者 ○:英国からの出席者
○ 在英国日本国大使館参事官
山上 範芳
○ 在英国日本国大使館一等書記官
植村 忠之
◎ 国土交通省海事局安全基準課長
石田 育男
国土交通省海事局安全基準課専門官
湊
孝一
国土交通省港湾局建設課国際業務室課長補佐
鈴木 健之
◎ 海上保安庁警備救難部警備課国際海上セキュリティ企画官
岩並 秀一
◎ 海上保安庁警備救難部救難課国際救難係長
古谷健太郎
独立行政法人海上技術安全研究所企画部研究統括主幹
◎ 独立行政法人航海訓練所教育部教授
大阪大学教授
吉田 公一
岡邉 光邦
矢尾 哲也
海上技術安全研究所海上安全研究領域危険物輸送・防災研究グループ長
太田
進
ジャパン・シップ・センター
加藤 光一
(財)日本海事協会開発部部長
小西
(財)日本海事協会開発部主管
有馬 俊朗
○ (社)日本船主協会欧州地区事務局駐在員
熙
中村 憲吾
(社)日本船主協会
有坂 俊一
(社)日本船主協会
柏木 孝夫
◎ (社)日本船主協会海務部課長
宮坂 真人
電気事業連合会
岡村
電気事業連合会
田島 賢治
(財)運輸政策研究機構国際問題研究所主任調査役
田淵 一浩
(社)日本造船工業会
北村
(社)日本造船工業会
河地 三郎
○ (社)日本造船研究協会技術顧問
敏
欧
篠村 義夫
(社)日本造船研究協会主任研究員
柳瀬
啓
(社)日本造船研究協会主任研究員
井上
剛
(社)日本造船研究協会主任研究員
中川 直人
○ 全日本海員組合欧州事務所長
飯嶋 雄二
18
4
○ (社)日本海難防止協会ロンドン連絡事務所長
相馬
◎ (社)日本海難防止協会企画国際部国際室長
惣田 泰氏
淳
議題
(1)議題の採択
(2)他のIMO機関の決定
(3)強制要件の改正の検討及び採択
(4)大型旅客船の安全
(5)海事保安の強化に係る措置
(6)ゴールベースの新造船建造基準
(7)改正 STCW 条約の実施
(8)船舶の設計・設備
(9)旗国の実施
(10)航行の安全
(11)復原性・満載喫水線・漁船安全
(12)危険物・固体貨物・コンテナ
(13)海上安全及び海事保安に関する技術援助プログラム
(14)人的要因の役割
(15)フォーマル・セーフティ・アセスメント
(16)船舶への海賊と武装強盗
(17)要件の実施及び関連する事項
(18)他の委員会との関係
(19)委員会のガイドラインの適用
(20)作業計画(残り)
(21)2005 年度議長及び副議長の選出
(22)その他
(23)第 79 回委員会報告書の検討
5
審議内容
(1)海事保安強化策の向上(議題 5 関連)
①
SOLAS 条約第 XI-2 章に基づく事前通報項目の標準化
SOLAS 条約第 XI-2 章に基づく入港前通報に関し、各国が様々な項目の情報を要求
している状況が船舶の負担となっているとの認識の下に、標準的通報項目に関するガイ
ダンスが作成された。また、各締約国は追加の情報の提供を入港船舶に要求できる旨が
ガイダンスに明記された。
また、本標準的通報項目は、ISPS コードBに含めるべきこと、これらの通報は、特
段の要請がない限り、通常入港の 24 時間前に行うべきことが合意された。
なお、標準通報項目の様式化については、現時点では時期尚早であり、今後の運用を
踏まえて将来的に検討すべきことが合意された。
19
② ISPS コードに基づく乗船規制と官憲の立入検査の調整
ISPS コードに基づく乗船者の規制と、官権、緊急業務に携わる者及び水先人の乗船
との調整にかかるガイダンス案が海上セキュリティWGにおいて作成されたが、審議
未了となったため、MSC80 での合意に向けて、フランスを中心としたコレスポンダン
スグループにおいて更に検討を行うこととされた。
SOLAS 条約第 XI-2 章に基づく監督措置の旗国通報の徹底
③
SOLAS 条約第 XI-2 章第9規則に基づき監督措置をとった場合における旗国、IMO
等への通報が徹底されていないことから、締約国にこれを徹底するよう求める回章が
作成された。
④
船舶保安警報(SSAS)の取り扱いマニュアルの作成
保安警報の誤警報及び遭難・保安二重警報の取り扱いのあり方の検討に資するため、
各国は、SOLAS 条約施行後に発生したこれらの警報の実態を本会合に報告するよう回
章(MSC Circ.1109)により求められていたが、これに基づく本会合への報告が、日
本及びブラジルのみからしか提出されていないこと及びこれらは全て誤警報に関する
ものであったことから、実警報に関する報告を求める旨上記回章を改定し、新たな回
章とすること、また、これらの警報の取り扱いについては、これらの情報を踏まえて
検討することが合意された。
⑤ AIS 情報のウェブサイト掲載等による情報拡散の規制
AIS 情報は、放送であることからこれを規制することは困難であり、また、船側が
電源を切ることは望ましくないことが合意され、締約国に対して、インターネット上
で AIS 情報を公開している者に対して、それを差し控えさせるよう督励するとともに、
事務局長に対し、これらの結果を当事者に伝えるよう求めることに合意した。
⑥
長距離船舶識別装置(LRIT)の目的拡大
オーストラリア等より LRIT システムの目的を保安のみならず安全、環境保護に拡大
することが提案されたが、将来的に目的の拡大を行うことを目標とすることとされた
ものの、米国の強い主張により、次回 COMSAR9 においては、MSC80 において強制
要件として採択することをめざし、LRIT の主目的を保安に限定して審議することが合
意された。
また、影響評価については、各国からの要望がないことから、行わないことが合意
された。
⑦
アジア海上保安長官級会合の結果紹介
全体会合において、本年6月に東京で開催された「アジア海上保安長官級会合」の
結果概要に関し我が国より提出した文書の概要について説明した。これに対し、イン
ドネシア、韓国及び中国から本件分野でのイニシアティブを歓迎する旨等の発言があ
った。
⑧
イ
その他
締約国及び港湾施設による ISPS コード実施状況確認のための自己チェックリス
トが採択された。
ロ
締約国は、領海内の海域毎、港湾毎、港湾施設毎に異なる保安レベルを設定しう
ることが確認された。
20
(2)航行安全(議題10関連)
議題10「航行安全」についてプレナリーにおける審議の概要は次のとおり。
①
分離通航方式等の採択、承認
事務局から NAV50/19 により採択等が提案された各分離通航方式、船位通報制度、
COLREG RULE 1(e)解釈サーキュラー等は、Off Mina Al-Ahamadi の分離通航方式及
びトレス海峡における強制水先化を除き特段の意見なく採択、承認された。
Off Mina Al-Ahamadi の分離通航方式については、提案国であるクウェイトから若
干の技術的な(hydrographical)修正を行いたい旨が表明され、右修正のうえ同分離通
航方式が採択された。
②
トレス海峡における強制水先化
トレス海峡の強制水先については、議場外において活発な調整作業が行われた。そ
の結果として、強制ではない勧告とすることが本件提案国のひとつであるオーストラ
リアから提案された。これを米国等の各国がこれを支持した結果、本件は今次 MSC で
は強制化の検討はおこなわれず、勧告の検討が MEPC に要請されることとなった。ま
た、これに伴い、基準策定等の検討も行われないこととなった。
③
シンガポール海峡の分離通航方式の改正
MSC78 において、シンガポール海峡の分離通航方式の改正は承認されたが、
INTERTANKO 等から利用上の問題が指摘され、関係者間で調整したうえで、2005
年 1 月 1 日に履行されることとなった。
インドネシア政府は 2004 年 7 月 20 日付けで、
実際の利用に供するための新たな規則と手続 SN/Circ.238 で加盟国に回章した。しか
しながら、INTERTANKO、OCIMF、SIGTTO 等が懸念を示して履行日の延期を願い
出た。これに対し、インドネシアは、今回の改正の履行日を半年延期し 2005 年 7 月 1
日からとすることに合意した。
(3)海賊及び武装強盗(議題16関連)
議題16「海賊及び武装強盗」についてのプレナリーにおける審議概要は次のとおり。
①
事務局から説明等
事務局及び ICFTCU から79/16等の提出文書について説明が行われた。この中
で事務局より、2004年当初9ヶ月における海賊及び海上武装強盗が全世界で25
2件(対前年比28%減)の現状について報告等がなされた。議長から SOLAS 条約1
1-2章及び ISPS コード発効が本件に良い影響を及ぼすことへの期待が表明された。
更に、事務局から世界各地において本件関連のセミナー、ワークショップが開催され
ていること、事務局長のイニシアティブにより来年8月インドネシアでマラッカ・シ
ンガポール海峡の諸問題等についての会合が開催されること及び来年4月にイエメン
で海賊関連会合が開催されることが紹介された。
②
各国の意見等及びこれに対する事務局長の意見
イ
各国からの表明された意見等
・
オランダから11月1日に発生したサルベージへの襲撃事件について口頭報で
の紹介が行われた。
・
ベネズエラが自国における努力を述べつつ、自国での安全が確保されているこ
21
とを強調した。
・
リベリアから本件への取り組みを政治レベル及び国連で取り扱われるよう事務
局長に働きかけて欲しい旨の意見が表明され、また、自己防衛のため船舶の武装
について報告された。
ロ
事務局長意見
事務局長から国連への働きかけに努めること等が表明されるとともに事務局から
国連は IMO の活動を支持していることが紹介された。また、事務局長から訓練が必
要な武器は船舶へ搭載すべきでないとするMSC62 において支持された見解が紹介
された。
22
Ⅳ
第9回 無線通信・捜索救助小委員会(COMSAR9)の審議概要
1
日程
2
(1)対処方針会議
平成 17 年 2 月 6 日(日)
(在英国日本国大使館会議室)
(2)COMSAR9
平成 17 年 2 月 7 日(月)0930 ~ 2 月 11 日(金)1730
開催場所
国際海事機関 本部
3
日本側参加者: 11 名
◎:本委員会所属者の出席者 ○:英国からの出席者
○ 在英国日本国大使館一等書記官
植村 忠之
○ 在英国日本国大使館一等書記官
山口 修治
総務省総合通信基盤局電波部衛星移動通信課課長補佐
多田 隆一
海上保安庁総務部情報通信企画課専門官
小池 貞利
◎ 海上保安庁警備救難部警備課国際海上セキュリティ企画官
岩並 秀一
◎ 海上保安庁警備救難部救難課国際救難係長
古谷健太郎
東京海洋大学海洋工学部教授
林
独立行政法人海上技術安全研究所企画部研究統括副主幹
吉田 公一
(社)日本船主協会海務部課長
宮坂 真人
(社)日本海難防止協会国際室長
惣田 泰氏
○ (社)日本海難防止協会ロンドン連絡事務所長
4
相馬
尚吾
淳
議題
(1)議題の採択
(2)他のIMO機関の決定
(3)GMDSS
(4)ITU 海上無線通信事項
(5)衛星業務(Inmarsat,COSPASSARSAT)
(6)緊急無線通信:誤警報及び妨害
(7)捜索救助関連(1979SAR 会議、GMDSS 導入事項)
(8)海上無線通信システム及び技術の開発
(9)IAMSAR マニュアルの改正
(10)OSV ガイドラインの見直し
(11)2000HSC コードの見直しと DSC コード及び 1994HSC コードの改正
(12)海事保安強化の措置
(13)大型旅客船の安全
(14)海上救助者の扱いに関する FAL 及び SALVAGE 条約の見直し
(15)冒険船の危険な航海への勧告
(16)COMSAR10 の作業計画及び議題
23
(17)2006 年の議長及び副議長の選出
(18)その他の議題
(19)MSC への報告
5
審議内容
(1)GMDSS 及び衛星系遭難通信関連(議題3関連)
議題3「GMDSS 及び衛星系遭難通信関連」についてのプレナリー及びワーキング
グループにおける審議概要は次のとおり。
① NAVTEX 関連
イ
総会決議A.801(19)の改正
NAVTEXのチャンネル間隔は500Hzであるが、実際の帯域幅は300H
zであるので、レンジを計算する際には、300Hzを使用すべきである、とのI
TU-Rからの勧告に応え、総会決議A.801(19)の改正案を作成し、次回
MSCの承認を求めることとなった。(COMSAR9/WP4, Annex2)
ロ
ITU-R WP8Bへのリエゾンステートメント
上記NAVTEXレンジに加え、MF通信の可容性(Availability)を計算する場
合には現在の95%よりも90%とするほうが現実的な数値を得られるとの認識で
一致し、ITU-RM.1457の改正に関する意見をWP8Bに提出することと
した。(COMSAR9/WP4, Annex3)
②
複雑なDSC操作の緩和
ITU-Rから照会されているDSC操作を簡素化するためのITU-R勧告M.
493の改正案に関し、原則的に合意するものとするが、幾つかの点を明確にする必
要があるとし、WP8Bに対して更なる検討を要請するためのリエゾンステートメン
トを発出することとした。(COMSAR9/WP4, Annex4)
③
IMO/ITU合同専門家会合
WRC 07の関連議題に対するIMOポジション案を更新するため、IMO/IT
U合同専門家会合を更に開催する必要があるとの認識で一致した。(COMSAR9/WP4,
Annex5)
④
イ
NBDPの今後の利用(議題3、4関連)
NBDP利用の現状認識
小委員会は、中波及び短波帯におけるNBDP通信の利用が激減していることを
受け、NBDPの今後の利用について検討したところ、A1~3地域では、少なく
とも遭難通信のためには利用されていないこと、A4地域に関しては、一部の国が
航行警報の放送用に利用していること、遭難通信時の言語上の問題緩和にも役に立
っていないことなどが報告され、少なくともA1~3地域を航行する船舶に対し、
NBDP設備の設置義務を継続する必要はないであろうとの認識で一致した。
ロ
ITU-R WP8Bへのリエゾンステートメント
ITU-R
WP8Bに対し、IMOとしてはNBDPの利用は必要最小限とす
べきと考えているが、SOLAS条約第Ⅳ章の搭載義務の緩和については、現時点
では結論を出すことができない、との意見を提出することとした。
24
(2)津波対策関連(議題3関連)
議題3「津波対策関連」についてのプレナリーにおける審議等の概要は次のとおり。
①
事務局報告等
IMO 海上安全部長が国連災害防止会議(2005 年1月 神戸)において示した IMO の
津波に対する取り組みを説明し、続いて IHO 及び IALA が IMO を支持して、共に本
件に対応する旨の意思表明を行った後、我が国からのプレゼンテーションを行った。
同プレゼンテーションでは、冒頭に我が国政府の津波被災者への弔意を表明し、1月
5日のジャカルタにおける支援会議において示した我が国の支援を紹介した。
続いて、津波の性状及びそれに対して取るべき行動を与える我が国気象庁のビデオ
を紹介し、さらに我が国が取っている津波対策の説明と、これと比較する形で、IMO
として取るべき津波対策を提案した。
我が国のプレゼンテーションに引き続いて、IAPH、ICO/UNICEF、IMO/TCD、
IMO/MED が現在までに取っている措置及び今後の計画を説明した。プレゼンテーシ
ョンの後、意見が交換され、以下の点について議論すべきことが認識された。
・ 国連の指導の下で各国に設立されるインド洋津波早期警戒システムが発信する津波
早期警報を、IMO の下で設立されている海上安全情報システム・ネットワークでど
のように発信、伝達するか。
・ SOLAS 船、各国沿岸航行船、漁船及びプレジャーボートへ、津波早期警報をどの
ように伝達するか。
・ 上の船舶及び港湾において、津波対応プランを予め設定・保持し、訓練するか。
②
津波関係提出文書の紹介
今次会合に提出された津波関係文書の紹介が行われた。我が国は、COMSAR9/3/4
及び COMSAR9/INF.15 を紹介し、NAVTEX Manual の早急な改正の必要性を主張し
た。
議長文書 COMSAR9/3/5 に対して我が方は、提出文書 COMSAR9/8/1 に基づき、IP
の海上遭難安全通信への導入など新技術の利用を進めるべき立場から、基本的に支持
した。本件は、今後も引き続き、議題3「GMDSS」の下で審議することとなった。
③
一般審議
イ NAVTEX マニュアルの見直し
NAVTEX マニュアルの改正に関しては、英が文書 COMSAR9/3/6 に基づき、対象
とする船舶がどのような通信を受信可能か充分検討してから着手すべき旨主張し、
IHO は、NAVTEX coordination panel の次回会合(2005 年9月に開催予定のIH
O・CPRNWを指す)で検討すべき旨主張した。我が方は、今次 COMSAR9 にて
NAVTEX マニュアル改正案を作成すべき旨主張するなどした結果、我が方、英国及
び IHO を中心としてドラフティンググループ(DG)を設置することとなり、
NAVTEX マニュアル改正の是非とその改正案、及び津波警戒情報伝達手段について
話し合うこととなった。
この DG での審議の結果、津波警報に関しては、小委員会からCOMSARサー
キュラーを発出し、津波警報を発する必要があるときにはあらゆる放送手段を用い
て再優先情報として放送することを勧告することとされ、総会決議A.706(1
25
7)、NAVTEXマニュアル、国際セイフティネットマニュアル、MSIマニュア
ルの改正などについては、今年9月に開催されるIHO・CPRNW(世界無線航
行警報委員会)会議にて詳細に検討するようIHOに対して要請することとされた。
また、74SOLAS の対象船舶以外の船舶に対して津波その他の自然災害(の発生を)
を伝達することについて検討するためのコレスポンデンスグループを設置すること
も DG で合意され、小委員会終了後、我が国の吉田公一氏((独)海上技術安全研究
所研究主幹)がコーディネータとなった。
ロ
IMO/IHO/IALA/WHO Joint Action Plan
事 務 局 文 書 COMSAR9/3/1 に 基 づ き 審議が 進め ら れ た 。 事務 局 は 、本 件 は
COMSAR9 に深く係るものであるが、IMO が総体として UN の下で行う国際機関間
の協力作業であるので、COMSAR9 からのコメントがあれば適宜取り入れる旨、説
明があった。同文書の ANNEX に示されている action plan については、特段の反対・
修正意見は出されなかった。
ハ
津波被災地の水路関係の調査
IHO が調査を進めている旨報告があった。海底地形の変形などが観測されている
が、その多くは地元漁港など小型の地元船舶への影響はあるが、国際航行船舶への
影響は極めて少ない見込みである旨、暫定的な口頭報告があった。また、マラッカ
海峡については引き続き調査中である旨報告があった。
ニ
航行手段等の被害調査
IMO の南アジア事務所を通して、調査中である旨、経過報告があった。
ホ
インド洋津波早期警戒システムへの貢献
事務局は、当該システムで考えられる構想について、概略説明した。
・ 地震観測及び津波危険性評価は、国連の援助の下に、各国の該当主管庁がセン
ターを設立し、さらに国間のネットワークを構築して実行する。太平洋のネッ
トワークがモデルとなる。
・ 各国は、津波早期警報を、その国の国民に伝達する手段を構築し、伝達する。
これには、港湾及び自国船舶も含まれる。
・ このようなインド洋津波早期警戒システムと、NAVAREA との間のインターフ
ェースの構築、及び津波早期警報を、IMO の既存のシステム(NAVTEX,MSI
等)で伝達する手法(メッセージの内容、フォーマット、緊急度など)を IMO
で検討する必要がある。
バハマ、中国等は、そのような津波早期警報を船舶で受信する手段がない船舶が
多数あることに留意すべき旨指摘した。
本件については、GMDSS の見直しを含め、引き続き包括的に検討する必要があ
ることで合意された。
④
IMO 津波救済ファンド
津波発生後に IMO 内に設置された海事関係者向けの同ファンドについては、COM
SAR小委員会最終日までに累計126,000米ドルの募金があったことが事務局
より紹介された。
26
(3)海事保安促進の措置(議題12関連)
議題12「海事保安促進の措置」に関するプレナリー及びワーキンググループの審
議概要は次のとおり。
①
イ
ロングレンジ・アイデンティフィケーション・アンド・トラッキング(LRIT)
初日の全体会合
初日の全体会合において、各提案文書に関する検討が行われ、既存の船位通報制
度が船舶の識別と追跡を、また、中央組織がその監督と情報保全を担当する分散型
でのシステムを認めるべきとするブラジル提案については、大きな議論はなされな
かった。国内システムを LRIT システムに接続することを認めるべきとする韓国提案
については、ロシア、インドネシア、イタリア、中国及びギリシャが支持した。ま
た、LRIT の対象を安全、環境保護及び保安とするため、SOLAS 第 V 章の改正を行
うべきとするキプロス等の提案については、多数の欧州各国、チリ、ブラジル、メ
キシコ等が支持したのに対し、米国より、今次会合においては保安目的に限定して
システムの検討をすることとされていることから SOLAS 第ⅩⅠ-2章の改正による
べきとの主張がなされ、これを日本のみが支持した。また、搭載要件を決める前に
技術的使用について合意すべきであり、目的の拡大は LRIT 導入の遅延にはつながら
ないとするスペイン等の意見を多くの国が支持した。更に、Amver を暫定的に使用
する米国案については、ICS等から船員に新たな負担を生じさせるシステムは受
け入れられない旨のコメントがなされた他、英国よりアルゴス衛星の利用とポーリ
ングの関係について質問がなされた。なお、アルゼンチンは、沖合の無害通航船に
ついて沿岸国が LRIT 情報を取りうるのは領海内のみとすべきものと主張し、沿岸国
の LRIT 情報の入手について同国は留保する旨コメントした。
ロ
海事保安促進ワーキンググループ
海事保安促進ワーキンググループ(MSWG:議長は米国マークル氏)の冒頭におい
て、検討事項の確認が行われた後、議長より、WG の成果物として、COMSAR8 から
の継続検討事項として SOLAS 第 XI-2 章の改正案(COMSAR8/18 の annex14)の検
討及び修正並びに LRIT システムに関する機能要件案の策定を行いたい旨説明された。
WG の議論において、IMSO よりシステム全体構成案に関するペーパーが議場配布
され、複数のプロバイダーより LRIT データベースに情報が集約され、同データベース
は IMSO のような調整機関に監督を受けること、また、同調整機関が料金収集を行う
こと等の構想について説明がなされた。一方、米国より同様にシステム全体構成案に
関するペーパーが議場配布され、IMSO 案に比べ情報の集配コストを下げることがで
きること、データ保全のため公開キーを使用すること、締約国が直接サービスプロバ
イダーから情報を取りうるシステムであること等の説明がなされた。これらのペーパ
ーについては、MSC80 に提出すべきことが WG において奨励された。これらの議論を
もとに、同ワーキンググループにおいて、SOLAS 条約改正案の策定(COMSAR8/18
に添付された改正案の修正)及び LRIT システムに関する機能要件素案(決議案)が策
定された。なお、各検討項目に関する詳細な検討結果は次のとおり。
(a) LRIT 情報入手の権限について
LRIT の情報入手の権限について、旗国・寄港国・沿岸国の3つのクラスに分け、
27
それぞれについて審議することが求められていたが、具体的なエリアについては審
議されなかった。なお、現在の LRIT システム案では、寄港国が入港船の入港意図を
知ることができないことが指摘され、解決すべきこととされた。
(b) 機能要件について
スイッチオフの条件については、船上においてスイッチオフとすると旗国も当該
船舶の追跡が出来なくなってしまうことから、代替措置として、データセンターに
おいて収集された LRIT 情報を各締約国に対して配信することを止めることにより、
システムとして旗国以外の締約国に対して配信しないという機能を持つ方が望まし
いことが支持され、条約改正案文に反映された。また、船上 LRIT 装置に保護された
通信手段を持たなくとも、他に保護された通信手段によって、船長から締約国に通
知できればよいこととされ、機能要件から外された。
(c) 第三国への LRIT 情報の配信拒否
締約国が第三国に対して LRIT 情報が配信されることが危険であると判断した場
合の船上 LRIT 装置のスイッチオフ条件については、保留され議論が後に送られた。
なお、特定国に対する配信拒否の方法については、データセンターの機能によるこ
ととされ、条約改正案文に含められた。
(d) 国際監視体制について
LRIT データサービス提供者に対する国際的監視体制が必要であることが合意さ
れた。
(e) LRIT システムに関するその他の機能要件について
(ⅰ)システムの形態について
データの分散型システム及び集中型システムが提案されたが、いずれにも特定は
されなかった。また、作成された LRIT システムの機能要件素案において、LRIT
調整者、LRIT トラッキング事業者、LRIT データセンター、船上機器及び船陸間通
信システムの機能要件が規定された。
(ⅱ)データセンター、LRIT 調整者について
LRIT 調整者が、中央組織としてデータの収集またはデータの収集を行うデータ
センターの監督を行うものとされ、LRIT 配信の際におけるデータ保護のために必
要であることが支持された。
(ⅲ)LRIT トラッキング事業者について
LRIT トラッキング事業者は、LRIT 調整者により特定された方法により LRIT 情
報の集配を行うものとされた。
(ⅳ)船上機器について
ポーリング機能には特にこだわらず、LRIT の機能要件を満たす限り、船上の
LRIT 装置から一定時間ごとに自動発信するシステムでも良いことが支持された。
また、機能不全になった場合に、それを伝達することを要せず、船上で確認できれ
ば足りることとされ、その旨、条約改正案が修正された。
(ⅴ)船陸間通信システム
船陸間通信システムは、船上機器から LRIT トラッキング事業者に信号を確実に、
かつ秘匿して送信できるべきものとされた。
28
(ⅵ)LRIT 信号の優先配信について
日本から LRIT 信号の優先配信については、システムが複雑になることを防ぐた
め、必要がないことを発言し、これが支持された。
(ⅶ)情報伝達手段の型式承認
情報伝達手段の型式承認については、トラッキング事業者の多様性に鑑み条約改
正案から削除された。
(ⅷ)LRIT トラッキング事業者からの直接受信
主管庁は、自国船の情報について、LRIT トラッキング事業者から直接データを
受信できることが合意されたが、その他の船舶に関するデータの直接受信について
は結論がでなかった。
(f) ブラジルの提案について
ブラジル提案の分散型システムについては、船舶から航海計画及び区域変更通報
が必要であることから、ICS よりシステムは自動通報で行われるべきとするこれま
での合意に反する旨、ICFTU より誤報が生まれる可能性がある旨、オーストラリア
よりシステムが複雑になる旨のコメントがなされた。
(g) 韓国の提案について
国内船舶動静監視システムを LRIT システムに接続することを認めるべきとする
韓国提案については、全体会合での同案に対する支持を踏まえ、国内システム
(NVMS)を使用することに反対しないことが合意された。
(h) キプロス等の提案について
LRIT システムに保安に加え航行安全の原則を導入すべきとするキプロス等の提
案については、全体会合での議論を踏まえ、提案文書全体に対する反対はなかった
ことがノートされた。
( i ) 米国の提案について
米国より暫定的に Amver の設計を基礎として、LRIT データサービスプロバイダ
ー機能を設立し、LRIT システムを運用する用意がある旨説明がなされたが、他の代
表団より、システム全体の機能要件を先に議論すべきことがコメントされた。また、
カナダは、自国船に Amver を使うことを求めている旨コメントした。
ハ
最終日の全体会合
最終日の全体会合において、LRIT に関する海事保安促進ワーキンググループでの議
論がノートされ、同グループが策定した SOLAS 改正案及び LRIT システムに関する機
能要件素案を検討途次のものとして、更なる検討のためにMSCに送ることが合意さ
れた。また、LRIT に係る各種未解決問題を更に検討し、COMSAR10 に報告するため、
米国ケインズ氏(USCGのMDA担当者)を調整者として、コレスポンダンスグル
ープ(LRIT に関する COMSAR コレスポンダンスグループ)を設置することが合意さ
れた。同グループにおける検討事項は次のとおり。
(a) LRIT 国際データベースの複製の必要性
(b) データ保安要件
(c) 締約国が LRIT トラッキング事業者から直接情報を取ることの可否
(d) LRIT 情報の保管の要否
29
(e) 保管情報の廃棄手順
(f) LRIT 情報の時間間隔の要否
(g) SOLAS 規則及び LRIT 機能要件に規定すべき事項の区分
(h) LRIT 機能要件を満たすシステム全体の構成
(i) 締約国が LRIT 情報の報告率を変える能力
②
船舶保安警報システム(SSAS)の優先順位
ITU条約に拠れば、衛星通信システムには「遭難」「緊急」「安全」
「その他」の優
先順位が与えられており、特に国際組織が定めない限り、完全自動化された優先順位
を付すことができないシステムでない限り「遭難」のカテゴリーのみが優先通信とさ
れていること、また、船舶保安警報の伝達手段は締約国に一任されており、締約国ご
とに定める手段で通信を行うことから、必要はないことが合意された。
代替案として、①船舶保安警報システム事業者は、船舶保安警報を遅滞なく伝達す
べきこと、②船舶保安警報は認定された2つ以上の受信者に送られるべきこと、③主
管庁は、指定された船舶保安警報受信者が情報を最優先で処理するよう確保すべきこ
とについて、MSC に対し、しかるべくガイダンスを策定するよう要請すべきことが合
意された。
本件について、日本より最終日の全体会合において、船舶保安警報システム事業者
の定義はないこと、船舶保安警報の受信者について認定手続は不要である旨発言した
ところ、小委員会議長より本件は強制要件ではないこと、また海事保安促進ワーキン
ググループ議長より、日本の指摘事項については MSC において更に検討が必要である
旨発言がなされた。
③
SSASのテストの手順
韓国提案の船舶保安警報システムテストのための手順を設けることは、船舶保安警
報システムが多様であることから実際的でないことが合意され、多くのシステムが既
にテスト制度を設けていることがノートされた。また、テスト手順は各主管庁による
べき事項であることが合意された。
④
海賊及び船舶武装強盗の防止及び抑止に関する船主、運航者、船長及び船員に対す
るガイダンスに関する MSC/Circ623/Rev.3 の改訂
MSC/Circ.1073 の観点から、MSC/Circ623/Rev.3 の無線聴取及び対応に関するパラ
25から31を見直すことについては、これまでいずれの締約国からも改定案が提出
されていないことから、改訂の必要性がないことが合意された。
⑤
WWNWS に関する決議 A.706(17)の改訂提案
フランス提案の保安レベル関連規定導入のための決議 A.706(17)の改訂に関しては、
同決議付属書に定められている WWNWS の改訂手続きにおいて、原則、海上安全委員
会における検討後、周知期間、小委員会等での検討を経て、約2年又は委員会が定め
た期間をおいて発効することとされていること、また、A.706(17)が海上安全情報(MSI)
の発出に関する決議 A.705(17)と密接に関連して採択されており、A.705(17)の改訂手
続きも A.706(17)と同様であることから、まず、委員会において、A.705(17)及び
A.706(17)への保安レベル関連規定導入についての検討を行う必要があることがノート
された。
30
(4)捜索救助関連(議題7,9,13,14及び15関連)
捜索救助関連についてプレナリー及びワーキンググループにおける審議概要は次の
とおり。
①
冒険船の危険な航海への勧告
全 体 会合 にお いて 、チリ か ら提 案さ れた MSC 回章 案に つい て、 カナ ダ から
「Non-conventional craft」の定義が不明確であること、ノルウェーから案文中の通信
手段について更なる検討が必要であることが表明された。
これらの意見をふまえて、SAR ワーキンググループにおいて審議された結果、回章
案にある「Non-conventional craft」を定義付けることが困難であること、勧告は当該
航海の責任がある冒険船の船長に対して行われるものであること、双方向の無線通信
が必要であること等が合意された。
これらの合意に基づき、回章案「危険な大洋航海に求められる最小限の安全措置に
関するガイダンス」が作成され、全体会合での承認を求めることとなったが、全体会
合における SAR ワーキンググループからの報告に対して、南アフリカ、マーシャル諸
島等から「危険(high-risk)」の意味が不明確であること等の勧告の対象となる船舶等
の定義に関する疑義が表明され、関心を有する国等が集まり再検討することとなった。
勧告の対象、回章の表題等を中心に再検討がなされ、表題を「非規則船(Non-Regulated
craft)の大洋航海に関する基本的なガイダンス」とすること等の修正が行われ、修正
された回章案が承認され MSC80 に諮られることとなった。
②
IAMSAR マニュアルの改正関連議題
全体会合において議長から、IAMSAR マニュアルの見直しに係る提案文書が議題 7
及び 9 に散見されたため、1 つにまとめて審議するようにワーキンググループに指示が
あり、また、米国が議長指示に沿った提案文書を COMSAR 9 WG/2 として準備してい
たため、ワーキンググループにおいては、同提案文書に沿って審議された。
ワ ー キ ン グ グ ル ー プ の 審 議 に お い て は 、 WG レ ポ ー ト の 「 MASS RESCUE
OPERATIONS」を含む ANNEX 1 の修正サーキュラーについて、2006 年 6 月又は 7
月 1 日からの施行の推奨を付し、MSC80 での採択に向け承認され、更に WG レポート
ANNEX 2 の修正について、ICAO/IMO 合同作業部会に検討を求めることが承認され
た。
なお、締約国政府の当局に係る電話番号等、頻繁に変更されるものについては、マ
ニュアル内に記載されるべきではなく、IMO のウェブページにある ISPS Code のデー
タベースを参照することを記載することが支持された。
③
ICAO/IMO 合同作業部会関連
同合同作業部会において審議された船舶保安警報と遭難警報の同時発信に関する可
能性の勧告については、海上でのセキュリティーの問題が、導入されたばかりである
現段階を踏まえ、現状監視とすることが支持された。
また、遭難警報の誤報に係る勧告については、膨大な数の誤警報に懸念を表明する
とともに、事務局に対し、COSPAS-SARSAT へ誤警報の原因となったモデルや製品を
公表するよう要請することを支持した。
なお、次回合同作業部会は、05 年 8 月にストックホルムにおいて 5 日間開催するこ
31
と、作業部会の作業量と一層の SAR システムの構築の必要性から、2006 年の本議題
に係る文書提出期限の延長が必要であり MSC80 にて承認すること求めることが合意
された。また委任事項についは今次会合で IAMSAR マニュアルに含めることが合意さ
れた Mass Rescue Operations を含む次の事項とすることについて同意した。
・Quality Assurance
・Risk Management Tools and Decision Support System
・Inland SAR or SAR over land applicable to Aeronautical SAR
・Use of AIS in SAR
・Automated SAR Planning
・SAR simulation software
・Mass Rescue Operations
32
第2節
Ⅰ
各国・各海域における国際動向調査
米国における MDA 等船舶動静把握についての検討状況
1 AIS 等に関する米国コーストガード本部における情報収集
平成16年8月3日(火)日海防国際室長は米国ワシントンDC所在の米国コーストガ
ード本部を往訪し、Maritime Domain Awareness Directorate 職員等からLRIT、A
IS等に関する情報収集を行ったところ先方発言概要は次のとおり。
(1)Maritime Domain Awareness 及び検討体制
・
米 国 で は 状 況 把 握 、 判 断 者 へ の 情 報伝 達 の 迅 速 化 等 を 内 容 と す る Domain
Awareness を重要な国家戦略と考えており、陸、空とともに海においても Maritime
Domain Awareness の検討を進めている。LRITの検討、AIS整備等もこの戦
略において進めているところである。(資料編P5 参照)
なお、Domain Awareness については、関係行政機関、情報機関と協力して実施、
検討している。
・ 米国コーストガードでは、9.11以降組織を再編してテロ対策を進めているが、
現在、米国コーストガード本部には7つの Directorate があり、そのひとつが
Maritime Domain Awareness Directorate である。
・
米国コーストガード本部では、これら検討には政策通、技術専門家等多岐にわた
る知識が必要であることから、複数の部局からの担当者が常時一緒に検討を行って
いる。
(2)LRIT関係
・
LRITにより、目標物を監視、発見、分別・識別及び対象化することを目指し
ている。
・
目標物の発見等に関する船の大きさ及び陸岸からの距離に基づく対応は(資料編
P6 参照)のとおりである。なお、米国が対象と考えているロングレンジの範囲は
丸囲み部の概ね200海里~2000海里である。
・
LRIT情報の更新間隔については、遠距離(300海里~2000海里程度)
では4時間毎、近距離(24海里~300海里)では1時間毎、沿岸(24海里以
内)では6秒毎と考えている。
・
LRIT情報、統計情報、関係機関からの情報等はあるセンターで集約され、デ
ィスプレイ表示された Common Operational Picture(COP)又は COP を加工した
COP-Plus として判断者等に伝えられる。情報集約、分析を行うセンターには膨大
な予算をかけ、多くの人員を配置する。
・ IMO における LRIT の審議については、
COMSAR9 における議論に注目している。
33
・ (当方から通常の手続きで考えると平成19年頃の施行と考えられるが如何旨質し
たところ)IMOの審議のペースはいつも遅いものであり、やむを得ないと考えて
いる。
・ (沿岸国の受信可能範囲について質したところ)米国規則による4日前通報との整
合性から2000海里と考えている。
(国際的な多数意見としては200海里のよう
であるが如何旨質したところ)一部には2000海里を指示している団体(民間団
体)もある。これからも調整して行く所存であるが、仮にIMOで200海里とい
う結果になっても米国では2000海里での実施を考える。
・ LRITが実用化されてもAMVERを止めることにはならない。各々をひとつの
情報源として考えており、目的等若干相違する部分もあり存続の意味はある。
(AM
VERの通報数が激減することが予想されるが、現状のままと考えているのか旨質
したところ)激減することは予想しているが、具体的な予測までしていないので、
今後の検討となる。
・ 航行安全分野における活用については、LRITに対して大きな期待感はない。先
般のNAVで議論されたトレス海峡問題等で船舶の動静把握に使うこと等は考えら
れる。
(当方から西欧での広大なエリアでの強制船位通報制度がNAVで承認された
が、その時LRIT活用の話題もあったが如何旨質したところ)ひとつの方法とし
ては考えられる。
(3)AIS関係
・
陸上局の整備予定等は(資料編P7~9 参照)のとおりであり、AIS情報のネッ
トワークを構築することとしている。
・
米国では規則により、一部のVTS海域航行の20メートル以下の船舶にもAI
S搭載を義務付けている。クラスBについても数年後には国際的な合意が得られる
であろうが、米国では小型船への搭載義務付けを促進して事故防止を図ることを考
えている。
・ National Oceanic Atmospheric Administration(NOAA)と協力して、NOAA の気
象ブイAIS装置を搭載し、情報収集エリア拡大のプロジェクトを検討している。
・
3つの軌道に各々8個(合計24個)の低軌道衛星を配し、リアルタイムの世界
的な船舶動静把握を行う衛星AIS計画があり、来年には実験を行うことを予定し
ている。
34
2
米国コーストガード太平洋司令本部基地訪問
(1)基地訪問日程
1月13日(木)09:00~16:00
09:00 米国コーストガード太平洋地区運用司令官表敬訪問
09:30 米国コーストガード太平洋地区についてのブリーフィング
10:30
Maritime Intelligence Fusion Center 業務についてのブリーフィング
11:00 米国コーストガード太平洋地区司令官表敬訪問
12:30 特殊部隊についてのブリーフィング及び基地見学
14:30 米国コーストガード巡視船見学
16:00 基地訪問終了
(2)訪問概要
①
米国コーストガード太平洋地区についてのブリーフィング
・
米国コーストガードの性格は、軍としての性格、多角的使命を有するという性
格(Multi-Mission)及び海上における勢力あるという性格の3つである。
・
そして、米国コーストガードは、国家安全保障省傘下の国家機関として海上保
安(Maritime Security)
、海上安全(Maritime Safety)、天然資源保護(Protection
of Natural Resources )、海上における機動的勢力(Maritime Mobility)及び国家防
衛(National Defence)という5つの基本的な役割を有している
・
米国コーストガードは、ワシントンの本庁の下に東海岸と西海岸の本部があり、
更に13の管区(1管区~17管区まであり、一部の管区(例えば12管区)は
組織改正等で消滅している。)により構成されている。
・
太平洋地区司令本部は第11管区、第13管区、第14管区及び 第17管区
を管轄しており、太平洋全体の海上保安等における重要な役割を果 たしている。
②
Maritime Intelligence Fusion Center 業務についてのブリーフィング
・ Maritime Intelligence Fusion Center(MIFC)は、米国の国家セキュリティ戦略
である Maritime
Domain
Awareness の中核をなすものであり、東海岸及び西
海岸に各々設置されている。
・
MIFC は 、 AIS 等 か ら の 情 報 を 収 集 し 、 整 理 ・ 分 析 し た う え で Common
Operational
Picture(COP)というディスプレイ画面に情報を集約した画像情報
を関係者へ提供する役割を有する。
③
特殊部隊についてのブリーフィング
・
9.11の悲劇以降の米国国家安全保障の向上のため、武装、化学、生物等
テロに対する特殊部隊が米国コーストガードに設置された。
・
この特殊部隊は24時間、365日の稼動体制を維持しており、隊員は高度
な対テロ能力及び調査能力を有し、また、所要の装備を備えている。
35
Ⅱ
IALA 及びカナダコーストガード主催 LRIT セミナーにおける調査
1
セミナー名:TRACKING ALL THE WAY
2
セミナー開催日:平成16年11月3日(水)~11月5日(金)
3
セミナー開催場所:カナダ ビクトリア Coast Harbourside Hotel
4
セミナー概要
(1)総括的概要
①
出席者
本セミナーには、政府関係者、学識経験者、船社、IT 関連企業等22ヶ国から約70
名が出席した。
②
セミナー議事次第等
前日(11月2日)夜の歓迎レセプションに引き続き、3日間、次の10のセッショ
ンにおいて各々4~5のプレゼンテーション等が行われた。
Session1
Opening
Session2
Requirement for Long Range Tracking
Session3& Session4
③
Benefits and Challenges
Session5
Technology of Long Range Tracking Existing
Session6
Technology of Long Range Tracking Developing
Session7
Harmonizing the Process
Session8
Display and Demonstration
Session9
Putting it all together
Session10
Conclusions
IALA 代表及び事務局長からの挨拶・趣旨説明(Session1)
セミナーSession1 の冒頭に IALA の Clive Davidson 代表(Australian Maritime
Safety Authority)及び Toresten Kruse 事務局長から挨拶・セミナー趣旨説明が行われ
た。注目すべき発言は次のとおり。
・
IALA の活動目的は海上交通の効率性向上と安全確保であり、この点を考え、
本セミナーを実施することとなった。
・
本セミナーにより IMO における審議をアシストする。((注)歓迎レセプショ
ンにおいて IALA 事務局長は「自分は IMO 事務局長とは深い親交があり、本セ
ミナー開催についても同事務局長とも話をしており、同事務局長から本セミナー
の成果を期待されている。
」旨述べていた。)
・ 本セミナーにおいて現存の技術と安全(Safety)、環境保護、港の効率化(Port
36
Efficiency)及びセキュリティにおける活用について概観し、情報の共有化を図る。
・
民間企業、ポートオーソリティ、代理店、税関、入管、検疫、PSC 実施機関、
航行サービス機関、環境保護機関、漁業管理機関、そしてセキュリティ確保策実
施機関がロングレンジでの船舶のトラッキングに興味を有していると認識してい
る。
・
ロングレンジトラッキングが、効果的な技術と融合して、多くの違ったユーザ
ーに情報が共有され、船員の負担の軽減、海上輸送の効率化と安全確保に貢献で
きるよう期待している。
(参考)1.挨拶の中で Maritime Domain Awareness(以下「MDA」という。)と
いう言葉が数度で使われ、また、後のセミナーにおける各プレゼンテーシ
ョンでも米国以外の者からも同じ言葉が使われており Maritime Domain
Awareness が世界用語化していると感じた。
2.挨拶前に事務局から「初めて IALA のセミナー等へ参加した者は挙手
願う。
」旨質されたところ、6~7割の者が挙手していた。
(2)個別プレゼンテーション
各プレゼンテーションの概要等は別 CD のとおり。各プレゼンテーションにおい
て注目すべき点等は次のとおり。
Session2
①
Requirement for Long Range Tracking
米国コーストガード(Director, Maritime Domain Awareness Directorate である
イ
J.High 氏)プレゼンテーション
・
1日当たりの米国へ入港隻数(1040隻)、米国の沿岸2000海里内航
行船の推定(約5000隻)
・
西海岸のある港が襲撃されたというシナリオにおける被害想定(1億40
00万ドル~20億ドル)
・ MDA におけるトラッキング、MDA における Detection & Identification、LRIT
要件、SOLAS 条約改正(案)の内容、LRIT のシステムについて説明
・ プレゼンテーション途中に「MDA はセキュリティに主眼を置いているが、
捜索救難、航行安全及び環境保護の目的も有している。
」旨発言有り
ロ
IMO における検討のレビュー
2名のプレゼンテーターが、特に、MSC、NAV 及び COMSAR を中心とした20
01年11月からのセキュリティ、LRIT に関する IMO における審議、検討の経緯等
を発表
②
イ
Session3& Session4
Benefits and Challenges
ICS プレゼンテーション
船 会社の 更なる 負担は好 ましく ないこ と、LRIT が多 目的利用 されるこ とに
37
強く賛成していること及び船会社にも情報が配信されることを期待しているこ
とを発表
ロ
シンガポール海事港湾庁プレゼンテーション
・
シンガポールにおけるセキュリティ及び LRIT への真摯な取り組みをアピ
ール
・ LRIT から得られる恩恵として、セキュリティ向上、船会社の所有船の動静
把握、港湾運営、捜索救難、航行安全の向上を発表
船舶運航者の観点から見た LRIT の利益
ハ
2名のプレゼンテーターが発表。AIS のセキュリティへの活用と問題、LRIT
のセキュリティ、捜索救難及び環境保護における活用への期待が述べられ、船
の運用に関して、船会社の船員手配、荷役計画、パイロット手配、バース手配
等への活用への期待を発表
二 米国コーストガードのプレゼンテーション(捜索救難関係)
・
本年2月ポーツマス沖で発生した Bow Mariner 号海難を例にして、海上動
静把握が早期にできれば、コーストガード等の救難勢力による人命保護向上
の可能性を強調
・
LRIT の捜索救難分野における活用は IAMSAR Manual の各要求にも応える
ことができるようになる可能性を有する旨説明
・
現存の長距離捜索救難システムの問題の指摘し、最後に高高度航空機や長
距離レーダーによる更なる技術の発展の可能性を示唆
・
発表中に LRIT の各種検討には捜索救難目的を入れるべきであり、そうす
るか否かでシステムの product が変わる旨数度言及
ワシントン大学 C. Allen 教授のプレゼンテーション
ホ
Compliance と Risk の相関関係、コスト・ベネフィット等を学術的に発表
へ MISNA のプレゼンテーション
・
アラスカにおけるロングレンジの船舶(コーストガード船舶、クルーズ船、
フェリー、タンカー、コンテナ船、漁船等)動静把握の経験と有用性を発表
・
有用な分野としては船舶運航の効率性向上、航行安全及びセキュリティ
・ LRIT は技術的に問題はなく、InmarsatC、InmarsatD+、 Iridium Orbcomm、
Msat 等 の シス テム が活 用 でき る と思 われ、ト ラ ッキ ン グの 間隔 等に よ るが
1隻1日当たり3米ドル程度と思料
・ 情報のシステム、運用での安全が最重要事項である旨強調
・
MDA の必要性を米国大統領、米国議会等の意見を整理して説明(プレゼ
ンテーターは元米国コーストガード職員、貴重な資料と思われる。)
ト AIS Live 社のプレゼンテーション
・ AIS Live 社は Lloyds Register 等の支援を受け、船舶からの AIS 情報を受信
38
し、インターネット配信を行い、データを記録
・ 現在、180ヶ国3200名の者が登録して情報を活用
・ これら情報やデータにより、海事の各種調査、研究に寄与
・ プレゼンテーションの後、フロアーから一斉に「悪意の者(テロリスト、海賊」)
による利用の懸念」「目的外の利用」
「道徳的な問題有り。グッドシーマンシップの
欠如」等の批判が噴出
・ AIS Live 社は「AIS 情報はパブリックに発せられたものである。」「登録制に
より安全を確保している。
」等反論したが、弁護者はなく、批判が継続
・
フロアーでは、AIS Live 社への批判は一致したが、沿岸国の責任について
「沿岸国において強制的に機器を排除すべき」旨の意見と「沿岸国が強制的に
排除することは困難である。AIS Live 社の責任の問題」旨意見が別れたが、
シンガポールから「再三 AIS Live 社に情報提供の中止を申し入れている。シ
ンガポール政府は如何なる者も目的外で AIS 情報を利用することは認めない。
しかしながら、努力は継続するが、強制的排除は難しい。」旨発言、とりあえ
ず、議論が終結(旗国のスイッチ・オフの指導については議論とならなかった。
)
Session5
③
Technology of Long Range Tracking Existing 及 び
Session6
Technology of Long Range Tracking Developing
IMSO のプレゼンテーション
イ
・
現在のシステムではアルゴス、InmarsatC、InmarsatD+が利用可能と思料
・
セキュリティ確保、国際協調、多目的利用のためには Inter-governmental
Over Sight が基本
・ IMSO 理事会の結論として、LRIT の活用に関して IMSO が一定の役割を
果たす旨発言があり、ロビーからこれを指示する発言が相次ぎ、英国から「英
国は政府として IMSO が一定の役割を果たすべきとの考えを有している。」
旨発言有り
INMARSAT 社のプレゼンテーション
ロ
・
情 報 管 理 の 安 全 、 適 時 な 情 報 で あ る こ と、 セ キ ュ リ テ ィ の み で は な く 航
行安全及び環境保護にも情報が分配されること等の要件を発表
・ Oversight Body の監督下に LRIT Data Management Centre(s)を設置し、こ
の Centre(s)から各国へ情報を配信するシステムについて提案
・
個 人 的 に は 、 LRIT は 2 0 0 6 年 1 2 月 か ら 運 用 が 開 始 さ れ 、 2 0 0 7
年に新たなシステムで運用が開始されると予測旨発言
・
LRIT 運 用 の 鍵 は 情 報 の フ ォ ー マ ッ ト の 統 一 で あ る 旨 発 言 。 ロ ビ ー か ら
多くの賛同の意見有り
ハ
その他
インテル、イリディウム等が自社のシステム等が LRIT で活用できること、
39
自社製品のメリット(例えば、イリディウム社は LRIT、AIS、SSAS 及び無線
をひとつとした機器を提供できること)を発表し、また、他者も漁船のロング
レンジでのトラッキングの実績等を発表。
このセッションの最後に若干の意見交換があり、事務局は「情報管理の方法、
フォーマットの統一の問題等があるが概ね LRIT の実用に必要な技術は既に現
存している。」旨でまとめ
④ Session7
Harmonizing the Process
イ hsa 社の REEFREP への活用に関するプレゼンテーション
REEFREP は2,500km、345,000平方 km の広大なエリアをカ
・
バーしており、当初は捜索救難目的で創設された制度であるが、現在は交通
安全、環境保護の目的も有。1年当たり2000隻、3000万件の通報を
想定
VHF、レーダー、AIS 及び(インマルサット C を利用した)LRIT を融合
・
させた船位通報制度を運用
インマルサット C を利用した LRIT は、船舶の既設の機器を利用するた
・
め初期投資は不要。また、情報料も船の ID、位置及び時間だけであれば1
通信当たり10米セント以下
・ LRIT 情報は AIS 等の他の情報やロイズデータ等とも融合させて利用
米国コーストガードのプレゼンテーション(衛星 AIS 関係)
ロ
・
24の低軌道衛星を使い、全世界の船舶の AIS 情報をリアルタイムに把
握できるシステム
・
今夏、米国コーストガードとオーブコム社の間で本計画検討、実施のた
めの契約を締結。今後の本計画の推進はオーブコム社が中心となり実施
・
2005年秋までシステム設計等を継続的に検討し、同年遅く試験衛星
を打ち上げ、2006年4月まで試験を実施。その後、可能な限り早期に実
用化を目途
・ 現存する米国、日本等にある9カ所の陸上基地及びオーストラリア、中国等に
今後設置する8カ所の陸上基地を経由して情報を配信し、情報の安全を確保
⑤ Session8
Display and Demonstration
・ 7~8社が会場において機器展示又はデモンストレーションを実施
・
オーブコム社の衛星 AIS 及び hsa 社の amec システムのデモンストレーショ
ンには多くの者が集まっていたことは特筆
・
オーブコム社から日海防国際室長が得たペーパーは添付の CD のとおり
⑥ Session9
イ
Putting it all together
カナダコーストガードのプレゼンテーション
・ バンクーバー島周辺地域において、1979年からカナダ及び米国の同意の下に
40
Cooperative Vessel Traffic System を運用
・ このシステムは、航行安全及び環境保護のためのもので両国において情報の交換
等を実施
・
両国の地域担当責任者をリーダーとした Joint Coordinating Group を組織
して運用の適正化等を随時検討
米国コーストガードのプレゼンテーション(水域管理課長代理 M. Sollosi 氏)
ロ
・ LRIT の2007年までの実施に期待
・
5
International Data Management Center の設置が必要
セミナー以外の情報収集
(1)米国 LRIT 関連の IMO 審議への対応予定
・
遅くとも2007年までの LRIT 実用に向けて IMO の審議に対応予定
・
来年春の MSC に決議案を提出予定。内容は本年5月の提案と略同様であり、
Session2 発表内容が基本。よって、本年12月の MSC で基本的な事項の合意、来
年2月の COMSAR で具体的な同意が望ましいと思料
・ 国内において、セキュリティのみに絞るとの意見(早期の LRIT 実用のため)もあ
るが、現在は多目的利用による検討が大勢
(2)オーブコム社からの衛星 AIS 情報
・
理論的には3つの軌道に各々8個の低軌道衛星を配することで概ね全世界を
カバーできる。オーブコム社としては補完機能も考えて30個の衛星の打ち上
げを検討
・
2005年4月までに実験を終了して、2005年11月に実用衛星を打ち
上げて順次運用予定
・
計画実施当初は衛星からの情報提供は難しいが、衛星が一定数以上となれば情報
提供は可能と思料
・ 米国コーストガードが衛星 AIS について鋭意プレゼンテーションを実施しており、
幾つかの国が興味を有していると認識
41
Ⅲ
フィンランド、スウェーデンにおける AIS ネットワーク調査
1
フィンランドにおける AIS 調査(海事管理庁及びヘルシンキ VTS センター)
(1)調査実施日時及び場所
平成16年9月8日(水)
、フィンランド海事管理庁及びヘルシンキ VTS センター
(2)調査関係者
①
調査実施者:日海防国際室長
②
フィンランド関係者:
フィンランド海事管理庁ヘイコネン無線航海システム担当官、ヘルシンキ VTS セン
ター・ティロッコネン所長
(3)調査概要
①
フィンランド海事管理庁
フィンランド側から聴取した主たる内容は次のとおり
・
フィンランドでは、運輸・通信大臣管轄のフィンランド海事管理庁において AIS
の整備、維持等を行っている。運用についても、現在はフィンランド海事管理庁が行
っているが、ヘリコム合意以降は AIS 情報を活用する各機関が主体的に行うことと
なるであろうと思われる。
・ 海事管理庁は、VTS 運用等の海上交通関係、水先業務の実施、捜索救難等の業務を
行っている。
・ 現在、フィンランドでは、29の AIS 陸上局を設置(フィンランド海域を全面カバ
ー)しており、8つの VTS センターおよび3つの MRCC において AIS 情報を活用
している。本年末までに更に2つの陸上局を設置予定である。なお、フィンランドで
は4つの区域を設定し、各々地域毎に AIS 情報集約等を行っている。(資料編P81
~83 参照)
・ AIS 陸上局の整備は欧州連合決定に基づき実施してきているものであり、この決定
の後(2002年6月)以降に多く設置してきている。
・ AIS の船舶搭載義務付けは本年6月16日付海事管理庁規則(我が国の省令に相当)
で規定されている。
・
上記のとおり、交通分野以外では1年前から MRCC に AIS 情報を提供しており、
捜索救難分野で活用されている。他分野での活用は、本年末までに署名予定のヘリコ
ム合意に基づき拡大を予定している。
・ セキュリティ分野における活用については、AIS 情報はコースト・ガード、警察等
にも提供されることとなるので各々の機関で有効活用されると思われるが、詳細につ
いては承知していない。
42
・ 現在、既に前倒し実施している他5ヶ国とともに、フィンランドもネットワークに
加わっており、自国情報を他国に提供するとともに、他国の情報も入手可能となっ
ている。(資料編P84 参照)
②
ヘルシンキ VTS センター
・ 本 VTS センターはヘルシンキ沖をカバーエリアとしており、3つの区画に分けて
各々において、航路標識に関する情報提供、水先業務支援等を行っている(資料編P
85 参照)
。
・ 5名8時間の3交代で24時間運用を行っている。5名は3つの区画の担当者、全
海域を把握している者及び責任者で構成されている。
・ カバーエリア内は小型船も含め1日当り200隻~300隻が航行している。長さ
20メートル以上の船舶には強制船位通報制度を義務化(長さ12メートル以上の船
舶は無線設置及び聴守義務)しており、これにより位置把握を行っている。
・
1年前に AIS 情報のモニターが設置されたが、船舶の要目の確認等に利用してい
るが、位置確認については船舶からの通報及びレーダー情報を基にしているので、あ
まり有効に活用しているとは言えない。
・
ディスプレイ上ではレーダー情報のみの船舶は○、AIS 情報単独又は AIS 情報と
レーダー情報を合成した船舶は△で表示しているが、○と△の位置が相違するケース
は週10回~20回程度であるが、船舶との交信によりすぐ確認できるため何ら問題
ない。
・ AIS 情報では、特に到着予定時刻は全く信用できないと感じている。たぶん、出港
後、修正していないと思われる。
・
(当方からの質問に答えて)本センターでは、基本的に AIS 情報は補充的に利用
しているに過ぎず、船舶との交信回数が極端に減ったとは感じられない。また、位置
のずれ等がある以上は安易に強制船舶通報制度の廃止又は縮小は考えられない。
(参考)フィンランド海事管理庁発行パンフレット「Master's Guide, Gulf of Finland」
には「船舶は AIS を搭載していても位置通報を行わなければならない。」旨記載され
ている。)
43
2
スウェーデンにおけるAIS調査(VTS訪問調査)
(1)調査日及び場所
平成16年9月9日(木)
、ストックホルム VTS センター及びソディタリア VTS セ
ンター
(2)調査関係者
①
調査実施者:日海防国際室長
②
スウェーデン側関係者
イ
同行者:スウェーデン海事管理庁ピーターソン氏
ロ
ストックホルムVTSセンター:ベクスウェル主任運用官
ハ
ソディタリアVTSセンター:ブロウジャー 副所長
(3)調査概要
スウェーデン側から入手した情報等は次のとおり。
①
ストックホルムVTSセンター(資料編P86~87 参照)
同センターが情報提供等を行う船舶は1日当たり約40隻であり、45%がフェリー、
25%が水先船等となっている。
イ
主たる業務
・ ストックホルム沿岸海域及び周辺河湖航行船への航路標識、気象等の情報の提供
・
ロ
水先人への情報提供等の水先業務支援
実施業務内容等
・
昼間は3名(8時間勤務)、夜間は1名(14時間勤務)を基本として24時間
運用を行っている。
・ 海域内の所要ポイントにおいての船舶からの(強制)通報(VHF)により各船
の位置を把握している。
・ 船舶への情報提供は、主としてVHFで行っているが、船舶電話、ファックス等
も適宜活用している。
ハ
AIS等の活用状況
ストックホルム港内の1基のAIS陸上局により海域をカバーしており、VTSセ
ンターにおいては2台のモニターを約2年前に設置した。また、レーダーはストック
ホルム郊外の河口に1基設置しており、VTSセンター内の1台のモニターにより監
視している。AISとレーダーは合成されておらず、別モニターで監視を行っている。
本件についての先方発言概要は次のとおり。
・
AISはリアルタイムでの船舶位置が把握できるので大変有用である。(別途の
質問等のために約30分間同センター執務室に滞在したが、VHF通報を基にホワ
イトボードに船舶位置を表示することのみでAISモニターは全く利用されていな
かった。)
・
(船舶からの強制位置通報があればAIS情報は要らないのでは、又は、逆にA
44
IS情報があれば強制位置通報は要らないのではないか旨質したところ)実態的に
は通報により各ポイントにおいて船舶位置を把握しているが、これを補完する意味
でAISの存在意義はある。AISの到着予定時刻はよく誤情報があるので強制位
置通報が必要である。
・
(AIS情報の誤情報を確認したことがあるか旨質したところ)到着予定時刻以
外に間違っていると感じたことはない。特に、位置、速力は正確であると感じてい
る。
②
ソディタリアVTSセンター(資料編P88~90 参照)
イ
主たる業務
・
管轄海域(運河)における航路標識、気象等の情報の提供
・
運河における閘門管理
ロ
実施業務内容
・
昼間は3名(8時間勤務)、夜間は1名(8時間勤務)を基本として24時間運
用を行っている。
・ 管轄海域(運河)内に2ヶ所の閘門があり、通航船に応じて閘門を開閉する。な
お、本運河航行可能最大船型は長さ135メートル、船幅6.8メートル、喫水6.
8メートルである。
・ 上記閘門開閉を行うため、運河内の定められたポイントにおける船舶からの強制
位置通報により位置把握を行っており、閘門開閉時間を予測し、道路上設置の開閉
予測時間等を表示した情報板により車両等へ連絡、周知を行っている。なお、1日
当たりの通航船は約10隻~20隻である。
ハ
AIS等の活用状況
VTS内執務室にAISディスプレイが約1年半前から1台設置されている。
また、レーダーはなく、閘門周辺を監視するための数台のモニターが設置されてい
た。
本件についての先方発言概要は次のとおり。
・ AIS情報は船舶位置把握、船の長さ等の要目把握のために有効に活用している。
・ (強制位置通報には船舶の要目等も入っているが、AIS情報と相違することあ
るか、もし、あれば通報による要目とAIS情報のどちらを信用しているのか旨質
したところ)若干の違いがあることがあり、基本的には、通報による要目を信用し
ている。
・ (船舶からの強制位置通報があればAIS情報は要らないのでは、又は、逆にA
IS情報があれば強制位置通報は要らないのではないか旨質したところ)相互によ
り確認しており、両者が有効であると認識している。
(後刻、フランクに話せる場において、先方は「AISは政策的に設置されたもので
あり、閘門開閉管理では、あまり利用されていない。」旨述べていた。
)
45
3
スウェーデンにおける AIS 調査(スウェーデン海事管理庁訪問調査)
(1)調査実施日及び場所
平成16年9月10日(金)スウェーデン海事管理庁(於:ノルショーピン)
(2)調査関係者
①
調査実施者:日海防国際室長
②
スウェーデン側関係者
スウェーデン海事管理庁主任技術官(ヘリコム・AISワーキンググループ議長)ゼ
ッターバーグ氏、スウェーデン海事管理庁捜索救難主任担当官ゲッティ氏他2名
(3)調査概要
スウェーデン側から聴取した主たる内容は次のとおり。
①
スウェーデン海事管理庁
イ
スウェーデン海事管理庁は、貿易の約 9 割を海上輸送に依存しているスウェーデン
において重要な役割を果たす事業大臣所管の独立した行政機関である。
ロ
同庁の業務は、水先業務、航行路及び航行援助の施設整備、海上交通に関する情報
提供、捜索救難業務、Ice Break、航海海図作成等である。
ハ
業務実施のため、約200名のパイロットを雇用し、約80隻の水先船を保有して
いる。また、150名の監督官がPSC実施従事している。
ニ
2003年度予算については、歳入は通航料103ミリオンユーロ、水先収入29
ミリオンユーロ、政府支出15ミリオンユーロ等で合計163ミリオンユーロであり、
歳出は水先経費45ミリオンユーロ、通航路及び航行援助施設の施設整備費(AIS
関係経費を含む)27ミリオンユーロ、Ice Break24ミリオンユーロ、捜索救難経
費13ミリオンユーロ、ポートステートコントロール経費7ミリオンユーロ等で合計
は158ミリオンユーロである。
②
AIS整備、運用の現状
イ
陸上局等の設備の設置・維持は海事管理庁が実施し、運用は情報提供を受けている
各々の機関(後述)が行っている。
ロ
現在、35の陸上局と5つの地域(情報配集)センターにより、スウェーデン沿岸
海域(領海、捜索救難海域)を概ねカバーしているが、2海域の数海里内において、
天候によりAIS情報を得られない海域がある(通常時は問題なし。)。今後、内陸
部の河川及び運河における情報収集を充実させるため更に6ヶ所に陸上局を増設す
ることを検討している。
(資料編P91 参照)
ハ
AIS情報については、現在、VTS、MRCC、Ice Break、Coast Guard、税
関、港湾管理者が活用している。なお、スウェーデンにおける港湾管理者は民間又
は地方自治体なので情報は船名、位置、到着予定時刻等限定的なものとしている。
46
③
スウェーデンにおけるAISに係るこれまでの検討等
イ
スウェーデンでは1983年からAISの検討を行ってきた。当初から衝突予防装
置、4Sコミュニケーション装置等幾つかの呼び方があったとおり、その活用方法、
開発等が種々議論されてきた。
ロ
現在の国際社会では、AISは多目的(Multi Purpose)活用の検討が行われてい
るが、今般、スウェーデン海事管理庁ではこれまでの船舶搭載AISの経験等を収
集した。なお、AISが正しく装備・運用され、船員が十分な教育を受けていれば、
非輻輳海域ではVTSに代わる手法のツールとしてAISを活用することも考えら
れ始めている。
(a) 船員等からの聴取事項
・
AISのみでの安全上の効果は絶対的なものではない。
・
電子海図、レーダーと組み合わせれば有用である。
・
AISの設備及び使用方法についての訓練が欠如している。
・
AISの有用性は、水路等の制限海域航行の計画策定、航行中の他船の把握、
(レーダーに比して)ロスト等が少ないこと等である。
・ AIS搭載船の増加に伴う更なるAIS活用の経験の収集、分析等が必要であ
る。
(b) VTS運用官からの聴取事項
・ レーダー情報を合成した電子海図上のディスプレイは視覚的に状況把握を容易
にしている。
・
船舶特定が容易となり、船舶との交信回数が減少した。
・
船舶からの強制通報の縮小の可能性が考えられる。
・
小型船(特に、水先船)の把握が容易である。
(c) 考察
・ AIS は衝突防止のための重要な情報提供源である。
・ AIS は状況把握を高めるための重要なツールである。
・ AIS を活用することにより通信回数の軽減を図ることができるかもしれない。
・
④
衝突予防上の最も重要なツールとしてレーダーは残す必要がある。
ヘリコム・コペンハーゲン宣言に基づくAISネットワーク構築の検討
イ
2001年9月10日、コペンハーゲンにおいてヘリコム9ヶ国閣僚が集まり、バ
ルト9ヶ国による宣言(コペンハーゲン宣言)が発出され、この宣言にAISネット
ワーク構築等が盛り込まれた。本宣言は、環境保護を目指した政治的な思惑により発
出されたものであり、海洋汚染防除等へのAISによるモニタリングシステム構築、
モニタリングシステムへの各国からのアクセス確保及びAISを使ったバルト海の
船舶統計作成準備を2005年7月1日までに実施することとなった。
ロ
同宣言を受けて、スウェーデンが議長国となりWGが設置され検討されることとな
47
った。WG議長は当初ピーターソン氏(別途のVTS関係報告参照)が勤めたが、同
氏が交通事故により議長職の継続が不可能となったため、ゼッターバーグ氏が引き継
ぎ議長となった。
ハ
現在、最終的な合意文書の決定の段階まで来ており、予定としては本年10月のW
Gで最終合意を得て、ヘリコム事務局へ提出し、本年中には各国署名を行う予定とな
っている。内容的には概ね問題なく進むと思われるが、手続的に遅れる可能性はある。
本合意文書はバルト9ヶ国にノルウェーを加えた形となる予定である。
ニ
バルト海AISネットワークでは次の事項に情報が活用されることで合意される
こととなっている。
(資料編P92~94 参照)
ホ
・
船舶交通統計
・
海洋汚染防止
・
国際船舶・港湾保安
・
捜索救難
・
交通管理
・
EU HAZMAT
・
Ice Break Service
・
港湾管理(情報限定)
船舶交通統計についてはデンマーク海事管理庁が主体となりコペンハーゲンで情
報の集約等を行うこととなっている。(資料編P95~96 参照)
ヘ
既に、現時点でスウェーデン、フィンランド、ノルウェー、デンマーク等の6ヶ国
間では既にAIS情報ネットワークの運用を先行して開始している。
(資料編P47 参
照)
ト
本件合意は海事管理庁間の合意であるため、国際船舶・港湾保安等のセキュリティ
についてはWGでは議論されなかった。しかしながら、各国ともAIS情報を Coast
Guard や警察へ提供することを明言しており、テロ対策、法令執行等にも各国で活用
されることとなると思われる。
⑤
捜索救難分野でのAISの活用
イ
スウェーデンでは約1年半前から海事管理庁捜索救難担当セクション(ノルショー
ピン)及び MRCC(ヨーテボリ)にAIS情報を取り込み、活用している。
ロ
海事管理庁はもとより、コーストガード、税関等の官公庁の船舶に対して、異常な
状態があれば、これの確認を行ってもらっており、海難救助の早期の対応及び船艇等
の勢力の有効活用にAIS情報は役立っている。
ハ
また、遭難信号を受信した場合に最も近い船舶を識別して救助等を依頼し、救助を
早期に実施することが可能となる。
ニ
AIS情報の活用を開始してから約1年半(最初はシステム上の若干の混乱があっ
たとのこと)となるが、上記により海難等への対応がスムーズになったと認識してい
48
る。AIS海難救助実績については、この場では正確に判らないが状況確認を行った
事例は多数ある。
ホ
先月に4機のヘリコプターにAIS装置を搭載したが、ヘリコプターの捜索海面が
一目瞭然であり、更なる捜索海面の決定、船舶との合同捜索の分担決定等に資するこ
とができる。また、ヘリコプター側でもAIS装置を搭載した捜索船の位置を正確か
つ迅速に把握できるというメリットもある。更に、ヘリコプターに航行可能通行路上
空を飛行させれば、ヘリコプターからのAIS情報に基づき氷海航行船舶が安全に氷
海を航行できることとなる。ヘリコプター搭載型AIS装置は付属品も含めて3~4
キロである。(AIS搭載ヘリコプターの航跡図は資料編P98 参照))
49
Ⅳ
欧州海上保安庁における Safe Sea Net 調査
日海防国際室長及びロンドン事務所長が欧州海上保安庁(European Maritime Safety
Agency)を往訪し、Safe Sea Net に関して同庁担当官から聴取した内容等は次のとおり。
1
日時:平成17年2月4日(金)13:30~15:00
2
場所:ベルギー・ブラッセル所在欧州海上保安庁船舶モニタリング部長室
3
欧州海上保安庁側対応者
船 舶 モ ニ タ リ ン グ 部 長 ( Principal Administrator Ship Monitoring ) Lazaros
Aichmalotidis
航行安全専門家(スウェーデンから派遣された技術専門家) Ulf Birgander
4
聴取内容(別プレゼンテーション資料参照)
・ SafeSeaNet(以下「SSN」という。)とは、航行又は停泊中の船舶のデータを電子化
し、欧州域内における相互交換を行うネットワークシステムである。
・
SSN は欧州委員会指令を受け、欧州海上保安庁が実施することとなっている。
・ SSN の目的は、航行安全、海洋汚染防止及び海上交通の効率化である。
(セキュリテ
ィ確保を目的とするか質したところ)セキュリティ確保は極めて重要な問題であり、当
然各国で SSN を利用することとなると思われ、欧州海上保安庁としてもこれを妨げる
ものではない。特に、ポート・ステート・コントロールでの活用は有効であると思われ
る。
・
欧州委員会指令 2002/59 では、「この指令の目的は(欧州域内の)共通の船舶交通モ
ニ タ リ ン グ と 情 報 シ ス テ ム の 構 築 で あ る 。」「 SSN は 欧 州 委 員 会 及 び 欧 州 各 国
(Member States)間における情報システムの運用のためのひとつのツールである。
」
旨規定されており、更に、船長又は船舶運航者が所要の情報を各国に提供する義務
(Obligation)
、各国が必要な装備等を整備する義務等も規定されている。
・ SSN において扱われる情報は、VTS からの情報、AIS 情報、MRCC からの情報、各
国毎の港湾情報、欧州又は各国で強制化している船位等通報情報(例えば、海洋汚染報
告である POLREP、舵・機関故障報告である DEFREP など)、ポート・ステート・コ
ントロールの結果、陸上側とリンクした HAZMAT 情報等の多種の情報であり、これら
を融合させた情報を欧州域内で相互交換する。この結果、入港届等が不要になるなどの
船舶に係る各種手続きの簡素化が期待される。
・ (今後の新たなソースを取り込む可能性、特に、LRIT 情報を扱う可能性如何旨質し
たところ)システムは新たな技術を鋭意取り込めるように設計されており、LRIT は当
然のこととして活用することになると思われる。
・
SSN は、2002年1月からシステム整備を始め、2004年10月から2005
年6月までをシステムの整合等を行う暫定運用期間と位置付け、2005年7月1日か
50
ら本格運用を行う予定となっている。しかしながら、システムに幾つかの不具合がみつ
かったこと、欧州海上保安庁の移転予定が遅れてきていることから、若干本格運用は遅
れることとなると思う。
・
SSN は政府間での情報交換システムであり、この情報を享受するのは指定された政
府機関のみで民間に開放することはない。
・ SSN のデータベースは、ルクセンブルクに所在する Intersoft(注:官民の区別等詳
細不明)が行うこととなっており、統計化されたデータにより種々の欧州における海事
政策に活用する予定である。
・
(一部報道で欧州委員会は SSN を拡大し、他の地域とのコネクション、世界規模での情
報交換を企図しているとの報道があるが如何旨質したところ)現状において、そのよう
な計画はない。しかしながら、SSN が世界規模になれば、非常に有用であることは間
違いなく、そのような発想がでることは当然のことだと思われ、完全に否定することは
できない。
・
SSN では、TESTA と呼ばれる WAN 及び INTERNET の Network により欧州各国
と欧州海上保安庁を結ぶこととなり、指定されたコンピュータ画面上で船舶動静等の情
報が取り扱われることとなる。(情報処理ネットワーク、コンピューター画面等につい
ては別プレゼンテーション資料参照)
・ 各コンピューター端末では、船舶検索、港を指定した検索(港の状況把握)及びエリ
ア検索(バルト海等5つのエリアの状況把握)ができるようなシステムとなっている。
・
SSN は、海洋汚染の非常事態対応の向上、ハイリスク船舶の発見及びポート・ステ
ート・コントロール、港湾業務(Port Logistics)の効率化の向上、統計(資料)の作
成等の更なる役割の向上が期待される。
51
Ⅴ
シンガポールにおける調査
1 AIS 陸上局設置状況等調査
5 月 31 日 10:00~10:45、シンガポール海事港湾庁(MPA)において、(社)日本海難防止協
会 惣 田 及 び 堀 田 並 び に 同 シ ン ガ ポ ー ル 事 務 所 の 川 越 所 長 代 理 が 同 庁 Electronics
Engineer Mr. Lee SU Peng を往訪し、シンガポールの AIS 設置状況等につき聴取したと
ころ次の通り。
(1)経緯
2002 年に BLH 局と PSAB 局の 2 つの陸上局を建設し、2003 年に2局を使ったシス
テム統合の検証等を行った。2004 年に CNB 局、TPC 局及び SYC 局を建設し、本年 4
月から運用を開始した。MPA が AIS 担当機関であり、運用は港湾部門、設置及び整備
は技術部門が担当している。
(2)現状
・ 5 つの陸上局により相互にエリアをカバーし、もれなくシンガポール海域を把握で
きるようになっている。
(資料編P117 参照)
・
搭載義務以外は、特別な規則は作っていない。
・ VTS において、レーダー映像と合成した映像により、船舶監視に利用している。
・
運用上の混乱やシステム上の大きな問題はなし。
・ 位置については、数十メートルの距離の誤差はあるかもしれないが、実用上の問題
はなし。
(3)バイナリーメッセージ
現在使っていないが、MSC78 で今後4年間、航海情報等7項目について試行を行う
という回章が発出されたので、今後検討したい。
(4)AIS ネットワーク
・
近隣諸国には AIS がないため、近隣諸国とはネットワークはできていない。
・
マレーシアでは現在整備中であるとのことであるが、詳細は承知していない。
・ 将来の展望については、近隣諸国とのネットワークができれば有効と考えるが、シ
ンガポールで具体的な検討はされていない。
(5)その他
・ (船社等から AIS に関し要望はあるかと質したところ) 全くない。当国では AIS 認
知度が低いと思われる。
・ (船社側のメリットについて質したところ)VTS との連絡回数が減ると考えられ、そ
の点において船側の負担減となる。また、これが運航の効率アップにつながると思わ
れる。
・
(船位通報制度省略等の検討は行われているかと質したところ)通報の省略はシンガ
ポール港の安全確保を考慮し、慎重であるべきであり、検討は時期尚早と考える。
52
5 月 31 日 13:00~13:30、 シンガポール海事港湾庁(MPA)の VTS(POCC)を当協会の惣
田及び堀田並びに同シンガポール事務所の川越所長代理が往訪し、視察した。(MPA Port
Operations Control Department Mr. Poon Chee Fei 同行説明)
(1)VTS 運用状況
・ VTS は MPA 職員が運用しており、カバーエリアはシンガポール海峡の Sector7 か
ら Sector9 までの約 70 マイルである(別図参照)
。当直は 9 人で 24 時間体制である。
VTS 運用卓 11 台により船舶監視を行っており、エリア毎に監視する卓、船種毎に監
視する卓の2種類がある。更に、予備卓 1 台があり、緊急時に利用することとなって
いる。
・ VHF を使って船位置通報を受けたり、必要な情報を提供したりしている。
・ 現在の VTS で動静把握している船舶は1日当たり 560 隻であり、AIS 搭載船は 400
隻弱である。
(2)質疑応答
・
(AIS 運用後の AIS に係るトラブル如何旨質したところ)特になし。
・
(位置の誤差、船舶データの未入力等は問題ないか旨質したところ)特段問題なし。
・
(AIS 運用に伴う VTS 側のメリット如何旨質したところ)VHF 交信の回数が減るこ
とに期待している。
53
2
セキュリティセミナー
(1)日 時 2004 年 5 月 31 日(月)14:30~17:00
(2)場 所 グランド・コプソーン・ウォーターフロント・ホテル 4 階大会議場
(3)主 催 シンガポール海事港湾庁(MPA)及び ST Education & Training Pte LTD
(4)出席者 ① シンガポール及び近隣国の海事関係者等約 200 名
② 主催者側:MPA 長官, Radm. Lui Tuck Yew
MPA 海事保安部次席, Mark Lim
MPA 次長及びシンガポール港長, M. Segar
IMO コンサルタント(特別参加), Frank Wall
③
日海防 :惣田国際室長、堀田研究員及び川越シンガポール事務所長
(5)セミナー議事次第及び講演者
①
開会挨拶
海軍少将 Lui Tuck Yew
②
最近の海事の国際的動向に関する講義
IMO 顧問 Frank Wall
③
シンガポールにおける海事の保安実施状況
MPA 海事保安部次席
④
Mark Lim
海事保安訓練の教訓
MPA 次長及びシンガポール港長
M. Segar
パネルディスカッション 司会:ST Education & Training Pte LTD 代表(退役海軍
⑤
大佐)Michael Chen
(6)セミナー概要
本セミナーにおいて、各講演者が述べた概要は次の通り。
①
最近の海事の国際的動向に関する講義
MSC78 等の IMO 関連以外の部分における主たる概要は次の通り。
イ
港湾施設
・ 改正 SOLAS 条約及び国際船舶港湾施設保安コード(International Code for the
Security of Ships and Port Facilities、以下「ISPS コード」という。)については、
各国において種々の考え方があり、各国国内における重要な法令の整備が十分でな
かったり、政府により指名される港湾設備保安に責任のある者が指名されていなか
ったり、個々の港湾施設保安評価(Port Facility Security Assessment、以下「PFSA」
という。
)及び港湾施設保安計画(Port Facility Security Plan、以下「PFSP」とい
う。)が明確でないなど、多くの国が新規則への対応に苦慮しているようである。
・ SOLAS 第 11-2章第 13 規則では、各締約国は IMO に正式な通知をしなければ
ならないこととなっているが、MSC78 の終了時点では、アイスランド1ヶ国のみ
が自国の港湾施設の状況等を IMO に報告していた。
54
・ MSC78 における海上保安に関する議論の最後に、海運業を代表する団体からは、
PFSP 等に関しての懸念が表明された。特に、彼らは 7 月 1 日から、所有船舶及び
これら船舶が寄港する港湾施設が新規則への適合について危惧していた。
ISPS コードのパート B
ロ
・ 米国では、御承知のとおり、ISPS コードの勧告部分であるパート B を義務化し、
さらに船舶への適用を 100 総トン数まで引き下ることとしている。米国が国際的な
支持を得るためのMSC77における試みは、MSC における Circular1097 という
結果となった。
「・・・国際船舶保安証書(International Ship Security Certificate、以下「ISSC」
という。)は ISPS コードのパート B(勧告要件)の段落 8.1~13.8 が考慮され
ない限り発行されるべきではない。
」
・ 7 月 1 日から全ての EU25 カ国及びノルウェーを含むヨーロッパ経済地域に適用
される「船舶及び港湾設備の保安強化のための会合」による EC 規則 725/2004 は、
ISPS コードのパート B の幾つかの段落を強制要件として挙げている。各段落は主
として、規則適合のための過程や手順が記されたものである(別添参照)
。
・
殆どの EU 又はヨーロッパ経済地域の国々は、SOLAS 第 11―2章及び ISPS コ
ードを国内法として制定するために EC 規則 725/2004 を用いている。
ハ
船舶保安計画(Ship Security Plan、以下「SSP」という。)の承認
米国議会は、コーストガードに対して米国に入港する外国船舶の SSP の承認に責任
を付与している。また、米国議会は外国の港における米国の査察権限についても決定
した。
②
シンガポールにおける海事の保安実施状況
イ
適合状況
(a) 1073隻のシンガポールの船に ISPS コードの承認が必要であり、すでに全体
の 90%以上の船舶が承認を受けている。
(b) ISPS コードの承認が必要となる 90 の港湾施設及び 500 総トン以下の貨物船を扱
う 24 の小規模港湾施設ですでに承認を受けている。
ロ
主たる実施状況
○ 船社、船舶の実施状況
・ 履歴記録のアップデート
・
船舶保安警報装置の導入等
・
船舶保安評価(Ship Security Assessment、以下「SSA」)と SSP 承認
・
特定期間の記録の保管
・
操練と演習
・
ISSC 発給 等
・
もし何らかの理由で適合できない場合は、まず資格ある適切な機関に連絡す
55
ること
○ 港湾施設の対応状況
・ PFSA 及び PFSP の検討
・ 港湾施設保安に関する操練と演習
○ ISPS コード以外の保安対策
・ 船員身分証明書
・ 港内小型船舶保安コード
・ 小型船自己保安評価チェックリスト
・ 船位通報 等
○ 結論
ISPS コードは 2004 年 7 月 1 日から効力を持つが、全てのシンガポール籍船、港
湾施設は同日から ISPS コードに適合し続けることとなる。
保安対策を効果的に実施するためには政府当局と企業との調整が必要である。
③
海事保安訓練の教訓
イ
訓練概要
訓練は ISPS コードのパート A に規定される港湾施設保安職員(Port Facility
Security Officer、以下「PFSO」という。)と会社保安職員(Company Security Officer、
以下「CSO」という。
)が PFSP と SSP を確実なものにするためのもので少なくとも
年 1 回実施される。
シンガポール港湾局では、2004 年 3 月 29 日に机上訓練を事前訓練と位置付け実施
したうえで、今般訓練を5月 25 日に関係機関の協力を得て実施した。
ロ
5月訓練への訓練参加機関(次の組織から約 200 名の参加者)
・ アメリカンプレジデントライン(APL)
・ ネプチューン船舶管理サービス(ネプチューンオリエントライン(NOL)系列)
・ PSA 会社
・ 警察支援団体
・ シンガポール警察及び沿岸警備隊
・ シンガポール海軍(沿岸指揮、潜水部隊、爆発物処理部隊等)
・ 出入国管理当局
・ 国内保安当局
・ 教育訓練所
・ 海事港湾庁(MPA)
(参考)セミナーの中で口頭により米国コースト・ガード及びIMO幹部がオブザー
バー参加したことを強調していた。
ハ
訓練シナリオ
午前 7 時、MPA が、ブラニターミナル 8 に着岸中の船舶がテロ攻撃の目標になっ
56
ているとの情報を得る。午前 8 時、緊急時対応委員会が POCC2 に召集される。午前
9 時、MPA は当該船舶及び PSA 会社に保安レベルを 1 から 3 に上げるよう指示する。
PSA 会社は承認された PFSP に従って保安対策を始動する。当該船舶は承認済みの
SSP に従って保安対策を始動する。
ニ
訓練詳細
0600 保安レベル 1 の想定船がブラニターミナル 8 に右舷着岸
0615 船舶職員、荷役関係者等が乗船
0630 乗組員交代
0700 荷役開始
0700 MPA が、テロリストが想定船に爆発攻撃を仕掛けようとしているとの情報を
入手
0800 乗組員2人が上陸
0800 緊急時対応委員会が POCC2 において招集
0810 燃料油バージが想定船に横付け
0815 検査官が検査のため乗船
0830 船荷主が乗船
0900 MPA は PSA 会社の PFSO と想定船の CSO に対して想定船がテロ攻撃の目
標になっていることを通知する
0905 PFSO と船舶保安職員(Ship Security Officer、以下「SSO」という。)乗船
0906 海軍、沿岸警備隊、MPA による現場付近への警戒船派遣決定
0915 PFSO と SSO による保安宣言
0920 武装した警戒船が現場着
0930 MPA は CSO に爆発物が船内に仕掛けられたとの情報を伝える。MPA は警察
と海軍に援助を要請する
0935 警察の捜索チームと海軍の爆発物担当部隊が船内捜索のため乗船。爆発物を
発見し、処理実施
0950 小型の不審ボートが本船に接近するのが確認される。MPA の警戒船が接近を
阻止し、沿岸警備隊が当該船舶の捜索開始。船舶の制限実施
1000 訓練終了
ホ
訓練評価
(a) 船舶配置計画
保安組織が立てる計画を効果的にするために、設計段階における船舶の配置計画
が必要となる。そのため一般配置図(GA)が有効であり、シンガポール籍船につい
ては MPA が GA を所有しているが、シンガポールに入港する外国籍船についても
GA を入手すべきである。
57
(b) 通信
事件が起こった際の関係機関の間での通信は、最も重要かつ極秘にされなければな
らない。今回の訓練では VHF を使用し MPA 船舶と保安組織との間で連絡が行われ
たが、関係者以外に情報が漏れないよう注意すべきである。
(c) 緊急時対策委員会における港湾施設の代表者
PFSP には含まれていないが、緊急時対策委員会が招集された場合は、港湾施設の
代表者は出席するべきである。
(d) 保安埠頭における調整
保安レベル3が発令された場合は、荷役を中止し、ハッチカバーを閉め、荷役クレ
ーンは船舶から離す必要がある。これらは保安組織が船舶を隔離する場合に役立つ。
へ
結論
訓練は万全の準備を行い成功裏に終了した。7 月 1 日までにやるべきことは、未だ
多数残されているが、MPA は船舶と全ての港湾施設のセキュリティ対策を確実にす
るための活動を継続する。我々は船主等と協力しており、シンガポール港を安全で保
安体制が整備された港にしていく所存である。
(7)パネルディスカッション
(注)「パネルディスカッション」との議事次第であったが、実際は会場からの質問に
シンガポール政府及び IMO 顧問 Frank Wall 氏が答えるという形で行われた。
Q:船社として具体的に 7 月 1 日までに何をすべきか教えて欲しい
A:CSO 及び SSO の指名。SSA の実施及び SSP の承認。その後、ISSC の発行となる。
Q:SSP の保安レベルの 1 と 2 の違いがよく判らない。この点船社として如何に対応す
れば良いか。
A:船社は ISPS コードのパート B の9章及びISPSコードの事項を確実に含む SSP
が承認されことが必要であり、かつ、SSO により SSP に含まれる保安措置が実施さ
れることを確認する必要がある。
Q:シンガポール籍の新造船が 6 月中旬にシンガポールへ入港する場合、ISSC が発行さ
れるまでどれほどの期間が必要となるのか
A:SSP が承認され、かつ SSP に含まれる保安措置が実施されなければ ISSC を発行す
ることはできない。前もってこれらの手続きを踏み、7月1日までに ISSC が発行さ
れることが望ましい。
Q:私の知る限りでは、現在まで僅か5%の港湾施設及び50%の船舶しか ISPS コード
による承認を得ていない。
(これほど承認が進んでいない中で)シンガポール港は荷
役を円滑に実施できるのか。
A:定められた7月1日までにできるだけ多くの港湾施設及び船舶が承認されるよう関係
者が努力するしかないと思う。
Q:昨今、海事関係者ではセキュリティ重視の議論が続いているが、セキュリティ確保の
58
ために多くの犠牲が必要であることは理解されているのか。国際的に海事関係者は
大きなダメージを受けることとなる。果たして、世界で一律の厳しい規則が必要な
のであろうか。
(何故か会場から自然発生的な拍手がおきた。
)
A:人命、財産の保護、テロとの戦いの観点から今般のIMOを中心とした取り組みは重
要なもので、海事に携わる全ての者が共通の認識を持って欲しい。
<別添>
「欧州議会」及び「船舶、港湾施設保安強化のための会合」
による EC 規則 725/2004 からの抜粋
加盟国は以下の ISPS コードパート B の各段落を強制要件として扱うべきである。
・1.12(船舶保安計画の改訂)
・1.16(港湾施設保安評価)
・4.1(保安評価及び保安計画の秘密保持)
・4.4(保安組織の承認)
・4.5(保安組織の承認のための最小能力)
・4.8(保安レベルの設定)
・4.14,4.15,4.16(港湾施設保安計画に関する連絡先と情報)
・4.18(身分証明書)
・4.24(領海内で運航している船舶への保安措置勧告)
・4.28(配乗レベル)
・4.41(船舶が入港拒否された場合及び港域からの退去を命じられた場合の通知)
・4.45(条約非適用国の船舶)
・6.1(会社の船長に対する情報提供義務)
・8.3~8.10(船舶保安評価の最低基準)
・9.2(船舶保安計画の最低基準)
・9.4(保安組織の特性の認識)
・13.6,13.7(船舶要員、会社保安職員及び船舶保安職員に対する操練と演習の頻度)
・15.3,15.4(港湾施設保安評価の最低基準)
・16.3,16.8(港湾施設保安計画の最低基準)
・18.5,18.6(港湾施設及び港湾保安職員に対する操練と演習の頻度)
59
Ⅵ
最近のマ・シ海峡の動向(「セキュリティ要素を核としたマ・シ海峡問題の新しい
展開」について)
60
(64、欠)
第3章
調査研究委員会
第1節
1
第 1 回委員会議事概要
開催日時及び場所
日時 平成16年6月30日(水)1400~1615
場所 日本財団ビル2F 第1~4会議室
2
議題
(1)平成 16 年度委員会実施計画(案)の承認
(2)平成 16 年度調査テーマ(案)の承認
(3)MSC78 からの報告
イ 審議概要の報告
ロ その他の収集した情報について
(4)NAV50 の対処方針(案)の検討
(5)その他
イ シンガポールにおける AIS 陸上局設置状況等調査
ロ シンガポールにおけるセキュリティーセミナー
3
出席者(敬称略、括弧書きは代理)
(1)委員
今津 隼馬(委員長)、柳川
三郎、松本 宏之、岡邉 光邦、宮坂 真人、
岡田 卓三、吉田 良治、小坂 智規、長屋 信博(清水 通雄)
(2)関係官庁等
佐伯 洋(下村 謙二)
、石田 育男(鈴木 康子)
、米原 達夫(小池 貞利)、
川上 良(鈴木 浩久、田中 一幸、北見 宗雄)
、添田 慎二(川俣 直己)、
一藁 勝(松永 秀雄)
、上岡 宣隆(古谷 健太郎)、土出 昌一(平出 昭夫)
、
三野 雅弘、貴島 高啓、加藤 隆司(田中 航二郎)
、小原 正則、内海 宣幸、
中村 真美子
(3)事務局
津田 眞吾、黒川 暁博、惣田 泰氏、堀田 陽介
4
配布資料
IR(04)1-1
平成 16 年度調査研究委員会名簿
IR(04)1-2
2004 年国際海事機関会議日程
IR(04)1-3
平成 16 年度委員会実施計画(案)
IR(04)1-4
平成 16 年度調査テーマ(案)
IR(04)1-5-1 MSC78 の審議概要報告
IR(04)1-5-2 その他の収集した情報について
65
5
IR(04)1-6
NAV50 の対処方針(案)の検討
IR(04)1-7
シンガポールにおける AIS 陸上局設置状況等調査
IR(04)1-8
シンガポールにおけるセキュリティーセミナー
議事概要(◎ 委員長、○ 委員、△ 関係官庁等、□ 事務局)
(1)委員長の選出等
事務局から、各委員、関係官庁出席者等の紹介を行った後、昨年度同様に本年度委
員会の委員長を東京海洋大学今津教授にお願いしたい旨提案し、出席者全員の承認が
得られ、今津教授が委員長に選出された。以後、議事次第に則り委員長に議長をお願
いし議事が進行された。
(2)議題1:平成 16 年度委員会実施計画(案)の承認
事務局から、委員会資料 IR(04)1-3 に基づき、IMO の MSC、NAV、COMSAR の
会議スケジュール及び本年度の個別調査計画が説明され、それらの日程を調整した結
果として、平成 16 年度の本委員会開催日程(案)が提案され、特段の意見等なく、
本案が承認された。
(3)議題3:MSC78 からの報告
関係官庁及び事務局から IR(04)1-5-1 により、MSC78 における審議結果について
の報告が行われた。その後、事務局よりその他の収集した情報の中で、シンガポー
ルにおける LRIT の実用試験について報告され,同国における LRIT への取り組みが
紹介された。また、フランスの Thales 社からのセキュリティ機器に関する事務局か
らの発表において、LRIT の送受信料、セキュリティシステム及び機器について紹介
された。更に、米国のセキュリティ戦略としてマリタイムドメインアウェアネスの
概要が紹介された。その後、以下のとおりの質疑応答があった。
△
米国は今回単独でロングレンジに関して SOLAS 条約改正を提案して却下された。
今後の流れとして米国は再度 MSC80 での採択を目指し、単独で条約改正を
COMSAR9 に提案するつもりなのか。
□
その点、米国担当者に尋ねたところ、まだ分からないという答えだった。米国が
強く MSC80 での採択を求めていることは事実だが、結論としては MSC80 で採択
まで行くかどうかは疑問が残るが、報告として MSC80 採択が目指される可能性を
述べさせていただいた。
○
港湾施設の保安に関して、今回 IMO と ILO が協調しつつ対策を講じていくよう
な話は出たか。
□
ILO から IMO との協調についての冊子が紹介された。
○
資料の 3 ページ、「detention(拘留)
」の判断基準に関して、具体的にどのような
項目が挙げられたのか。
△
具体的な例としては、証書を持ってない等の非常に基本的な内容が挙げられてい
たが、結論は時期尚早として今後の検討事項となった。
66
○ 同 3 ページの「Exercise(演習)
」の取扱いについて、「演習」は全船参加が推奨
されているが、義務ではないので、PSC で船側に記録を求めてもその記録はないこ
とが確認されたということか。
□ ご理解の通り。
(4)議題4:NAV50 の対処方針(案)の検討
関係官庁から IR(04)1-6 により NAV50 対処方針(案)の説明があった。
その後、以下のとおりの質疑応答があった後、本案で対処することで了解された。
△ NAV50/4(ドイツ提案)については、指示して差し支えないということで対処方
針を作成中である。
○ NAV50/INF.2 の、PSSA(特別脆弱海域)のガイドラインに沿って強制パイロッ
ト等を設置するという提案は、PSSA のエリアが非常に広いため EEZ 内、領海外の
航路において強制パイロットを導入する初めてのケースである。この件が他の国際
航路が強制パイロットになる前例になるのではないかという懸念があり、今後十分
な検討が必要と考えている。
△ このケースは IALA で考案した、暫定的リスク評価と定量的リスク評価の 2 種類
を利用した結果、トレス海峡における強制水先の導入によっていかにリスクが軽減
されるかを示す例として挙げられたと考えている。
◎ 今後、適宜情報収集願いたい。
○ 資料 4 ページの ECDIS 性能基準の改訂について何らかの方向性が検討されてい
るのか。
◎ これは AIS 情報の「表示」についての話である。表示する情報で、かつ、同じ意
味ならば言葉を統一しようというのがこの提案の主旨である。
○ 8 ページの分離通航方式の提案で、
[経緯・背景等]の①に小型ボートとあり、こ
れがプレジャーボートであれば、それを理由として分離通航方式を設ける非常に珍
しいケースだと思う。
また、コーストガードはプレジャーボート等を対象にして、湾等の海域に対して
Zoning をやっているが、今回そういったところがあれば参考にして欲しい。
△ 指摘があった事項に関しては可能な範囲で調べたい。
◎ 英国から NAV50/4/2 として、AIS から時々間違った情報が発信されているのでそ
れについて調べようという提案が出ている。
△
東京湾海上交通センターにおいても AIS データの不整合はすでに確認されてい
るので、同提案については賛成し、何らかの対応を取りたい。
○ 15 ページの NAV50/3/8 に関して、提案されているのは大西洋側のジブラルタル
に入る前の船舶が輻輳する危険な海域であると思われるが如何。
△ 同海域が 4 レーン化されるとポルトガル沖は 3 箇所全て 4 レーン化されることに
なり、整合性が図られる。また、この4レーン方式は中央から右側2レーンが同航
となる方式となっており、これにより交通流が交差することはなく問題ない。
67
◎ 本議題については、委員会で出た意見も含め情報収集に努めて頂き、その結果に
ついては第 2 回委員会で報告をお願いしたい。
(5)議題 5:その他
事務局からシンガポールにおける AIS 陸上局設置状況等の調査結果について、5 つ
の陸上局がシンガポール海域全域をカバーしていること、運用が始まったばかりであ
ること等が説明された。さらに、事務局からシンガポールでのセキュリティーセミナ
ーへの出席報告があり、シンガポールにおける保安対策として、ISPS コード以外に
も小型船舶保安チェックリスト項目について発表があったこと、ISPS コード発効の
ための準備として 2004 年 5 月にシンガポールにおいて大規模な保安訓練を実施した
こと等について説明があった。
(6)議題 2:平成 16 年度調査テーマ(案)の承認
事務局から IR(04)1-4 により平成 16 年度調査テーマ(案) の説明があった。
その後、以下のとおりの質疑応答があった後、本案が承認された。
○ 数年程前から、本委員会において個別の調査が始まり、これを高く評価しており、
また、資料的価値も非常に高いと評価を受けている、と承知している。これは大変
すばらしいことである。
今年度の調査テーマの一つとしてセキュリティ関連が挙げられており、時宜を得
た話題だと考える。セキュリティに関しては別の委員会でも 7 月 1 日以降の対応に
ついて調査することが決まっているが、本委員会においても、7 月 1 日以降の各国
の対応状況を調べることも必要と考えられるので、他機関と協力しつつ有機的な結
合を持ちながら独自性のある調査を行って頂きたい。
◎ 基本的には IR(04)1‐4 の事務局テーマ(案)通り承認するが、この内容について、
どこまで調べるかは相手のあることなので判らないところもあるが、できるだけ努
力して頂くということで対応して頂きたい。
(7)次回委員会について
事務局から、第 2 回委員会を 10 月 5 日(火)1400 から本会議室で行いたい旨提案
があり、了承された。
68
添付資料
平成 16 年度「海事の国際的動向に関する調査研究委員会」
(海上安全)実施計画
1
目的
海上安全の分野における国際的な動向を調査・研究し、もって我国対応のあ
り方の検討に資する事を目的とする。
2
方策
(1)IMO 各委員会における審議結果の報告と対処方針の検討
(2)調査研究課題の報告と検討
(3)調査結果の発表
3
日程
平成16年
5月12日~21日
MSC78
6月30日
〈第一回委員会〉
・MSC78結果報告
7月5日~9日
7月下旬
10月上旬
・NAV50 対処方針検討等
NAV50
セキュリティに関する国際動向調査
〈第二回委員会〉
・NAV50結果報告
・セキュリティに関する国際動向調査結果報告等
11 月下旬
〈第三回委員会〉
・MSC79 対処方針検討
・AIS 運用状況等に関する調査等
12 月 1 日~10 日
MSC79
2 月上旬
〈第四回委員会〉
・MSC79 結果報告
・COMSAR9 対処方針検討等
2 月中旬
COMSAR9
4 委員会での検討事項、調査研究結果を報告書としてまとめる。
69
1
添付資料
平成16年度調査テーマ
1.海事セキュリティに関する調査
(1)国際会議における検討状況
(2)米国等における海事セキュリティ向上策の検討状況
(3)7月1日以降の各国の対応状況
2.AIS運用状況等に関する調査
(1)国際会議における検討状況
(2)各国における施設整備状況及び運用(活用)状況
3.各国における海上保安業務実施体制等に関する調査
4.アセアン地域の海上安全・海洋環境に関する動向調査
5.EUの海上安全・海洋環境に関する動向調査
70
2
第2節
1
第 2 回委員会議事概要
開催日時及び場所
日時 平成16年10月5日(火)1400~1600
場所 日本財団ビル2F 第1~4会議室
2
議題
(1)第 1 回委員会議事概要(案)の承認
(2)NAV50 の審議結果報告
① 航路、通報及び関連事項(議題 3 関連)
② 船上の航海用表示装置における AIS 情報の使用と表示要件(議題 4 関連)
③ 冒険を目的とする船舶による危険な大洋横断に対する勧告(議題 8 関連)
④ その他の議題(議題 18 関連)
イ COLREG Rule 1(e)について
ロ ECDIS(電子海図)及び ENC 活用の向上について
(3)AIS 等に関する米国コーストガード本部における情報収集
(4)フィンランド、スウエーデンにおけるAIS調査について
(5)その他
3
出席者(敬称略、括弧書きは代理)
(1)委員
今津 隼馬(委員長)、佐藤
修臣、柳川 三郎、松本 宏之、岡邉 光邦、
宮坂 真人、吉田 良治、小坂 智規、長屋 信博
(2)関係官庁等
北野 忠見(下村 謙二)
、石田 育男(鈴木 康子)、米原 達夫(大野 敦哉)
、
東井 芳隆(田中 航二郎)、山下 政晴(岩並 秀一)
、上岡 宣隆(若林 邦芳)、
土出 昌一(平出 昭夫)
、佐藤 尚之(鈴木 浩久、田中 一幸、北見 宗雄)
、
村上 玉樹(川俣 直己)
、一藁 勝(松永 秀雄)
、川田 忠宏、小原 正則、
櫻井 俊樹(高井 誠治)
、露木 伸宏(太田 俊之)、内海 宣幸、中村 真美子
(3)事務局
津田 眞吾、黒川 暁博、惣田 泰氏、堀田 陽介
4
配布資料
IR(04)2-1
平成 16 年度第一回委員会議事概要(案)
IR(04)2-2-1 航路、通報及び関連事項(NAV50 議題 3 関連)
IR(04)2-2-2 船上の航海用表示装置における AIS 情報の使用と表示要件
(NAV50 議題 4 関連)
71
IR(04)2-2-3 冒険を目的とする船舶による危険な大洋横断に対する勧告
(NAV50 議題 8 関連)
IR(04)2-2-4 その他の議題(NAV50 議題 18 関連)
IR(04)2-3
AIS 等に関する米国コーストガード本部における情報収集
IR(04)2-4-1 フィンランドにおける AIS 調査(海事管理庁及びヘルシンキ VTS センター)
IR(04)2-4-2 スウェーデンにおける AIS 調査(VTS 訪問調査)
IR(04)2-4-3 スウェーデンにおける AIS 調査(海事管理庁訪問調査)
(参考資料)
5
ロングレンジトラッキング(LRIT)採択・発効スケジュール
議事概要(◎ 委員長、○ 委員、△ 関係官庁等、□ 事務局)
(1)委員の紹介
事務局から、国土交通省海事局からの要請により、同局外航課長及び同局総務課海
事保安・事故補償対策室長が、今回からオブザーバーとして参加する旨が紹介された。
以後、議事次第に則り委員長に議長をお願いし議事が進行された。
(2)議題1:第一回委員会議事概要(案)の承認
委員長から IR(04)2-1 により、第一回委員会議事概要(案)が提案され、特段の意
見なく承認された。
(3)議題2:NAV50 の審議結果報告
①
関係官庁から IR(04)2-2-1 により、航路、通報及び関連事項(議題 3)について
の報告が行われた。その後、以下の通り質疑応答があった。
○
国際海峡の中で強制水先制度を取り入れているところはあるのか。
△
ないと認識している。
○
この提案は元々、環境保護が目的の一つとなっており、MSC より MEPC での議論と
なっている。こうした流れは昔からあるのか。
□
御指摘の通り。プレステージ号やエリカ号の後、環境保護を題目に分離通航方式
及び船位通報制度を提案する傾向が強くなってきていると感じている。
②
NAV50 に参画した委員長から IR(04)2-2-2 により、船上の航海用表示装置におけ
る AIS 情報の使用と表示要件(議題 4)についての報告が行われた。
③
事務局から IR(04)2-2-3 により、冒険を目的とする船舶による危険な大洋横断に
対する勧告(議題 8)についての報告が行われた。
④
関係官庁及び事務局から IR(04)2-2-4 により、その他の議題(議題 18)の中で
COLREG Rule 1(e)及び ECDIS(電子海図)並びに ENC 活用の向上についての報告が
行われ、その後以下の通り質疑応答があった。
○
ECDIS に関して、ノルウェー案は ECDIS の利用促進だけで、強制化はしないとい
うことか。
□
その旨、明言は無かったが、議場外ではノルウェー等から強制すべきとの発言が
あった。今後その話が出てくると思われる。
72
△
ノルウェー案について、優先議題として次回 NAV までに CG を作るという話にな
ったが、現在その動きはあるか。
□
CG の設置は決まっている。
日本はそれに参画する意思表示をしていたのでそうな
ると思われる。
△
ECDIS 強制化について、ENC を使う海洋情報部としては、日本の窓口がどこにな
るのか国交省と調整中である。
(4) 事務局から次の説明があった。
第 1 回委員会において LRIT の採択スケジュールについて平成 18 年度中に IMO で
結論を出すことを目途とするであろう旨話したところ、海上保安庁情報通信企画課
の小池専門官から本議題は通常の IMO の手続き期間では困難との意見があり、その
後、同専門官から参考資料(ロングレンジトラッキング(LRIT)採択・発効スケジュ
ール)を得たところ、これを添付した。なお、本スケジュールはあくまで一つの目
安であり、審議状況によっては違ったものとなり得ることに留意願いたい。
(5)議題3:AIS 等に関する米国コーストガード本部における情報収集
事務局から冒頭で、マリタイム・ドメイン・アウェアネス(以下「MDA」という。)
について簡単な説明があり、その後 IR(04)2-3 に基づき、AIS 等に関する米国コース
トガード本部における情報収集について説明があった。その後、以下の通り質疑応答
があった。
○ (資料の中に)関係行政機関及び情報機関と協力して実施とある。今回、軍隊と
の関係について何か話があったか。
□ 今回は軍隊の話は出なかったが、MDA の中では 10 以上の機関が研究し、連絡を取
り合っており、その中ではあるかも知れない。
○ 米国が IMO へ提案した文書が採択されるならば、陸上側の動員や予算は膨大にな
り、対応できる国は少ないと思う。もし日本で対応迫られた場合、受け入れは容易
なのか。
△ まだシステムの概要が把握できていない。そのため、受信者側の初期費用や運用
費用がどの程度になるか分からない。
○ LRIT に対して、航行安全分野においては大きな期待はないとのことだが、捜索救
助の分野では活用が期待できるのか。
□ 個人的な感触としては、活用が想定されていると思う。
(6)議題4:フィンランド、スウェーデンにおける AIS 調査について
事務局より IR(04)2-4-1~IR(04)2-4-3 に基づき、ヘリコム宣言に基づく AIS ネット
ワーク構築について、今年中に署名され、2005 年 7 月 1 日から使われる合意文書が 2004
年 12 月位にできること、条約加盟各国どこでも AIS データを見ることができ、そのデ
ータを保存しておくことにより、船舶交通統計及び海洋汚染防止等に役立てること、
北欧を先駆としてイベリアや地中海でも AIS のネットワーク化の話が出ていること等
の説明があった。その後、以下の通り質疑応答があった。
73
◎
ネットワークの構築について、利用者から料金を徴収する話はあったか。
□
港湾管理者には有料で提供しているとのことであった。
◎
通航する船舶が全て情報収集の対象であれば、当然外国船舶も入ってくるのか。
□
御理解の通り。位置から検索することもでき、また船名から検索することもでき
るので、AIS 搭載船は全て動静把握の対象となる。
(7)議題5:その他
事務局から、次回 MSC が 12 月1日~10 日まで開催されるため、次回委員会を 11 月
24 日 14 時から開催したいこと、内容は MSC79 対処方針検討及び川越シンガポール事
務所所長代理から、最近のマ・シ海峡の動向について話してもらうことを考えている旨
提案があり、特段の意見なく承認された。
74
第3節
1
第3回委員会議事概要
開催日時及び場所
日時 平成16年11月24日(水)1400~1630
場所 日本財団ビル2F 第1~4会議室
2
議題
(1)第二回委員会議事概要(案)の承認
(2)MSC79 対処方針(案)
(3)最近のマ・シ海峡の動向「セキュリティ要素を核としたマ・シ海峡問題の新しい展開」
(4)IALA 及びカナダコーストガード主催 LRIT セミナーへの出席報告
(5)その他
3
出席者(敬称略、括弧書きは代理)
(1)委員
今津 隼馬(委員長)、柳川
三郎、松本 宏之、岡邉 光邦、宮坂 真人、
市川 博康、吉田 良治、小坂 智規
(2)関係官庁等
北野 忠美(下村 謙二)
、石田 育男(鈴木 康子)、米原 達夫(小池 貞利)
、
東井 芳隆(田中 航二郎)、山下 政晴(岩並 秀一)
、
上岡 宣隆(古谷 健太郎)
、土出 昌一(平出 昭夫)
、佐藤 尚之(鈴木 浩久、
小出 憲博、小熊 茂)
、村上 玉樹(川俣 直己)
、一藁 勝(松永 秀雄)
、
川田 忠宏(貴島 高啓)
、小原 正則、櫻井 俊樹(榮利 勝弥)、
露木 伸宏(緑川 和徳)
、内海 宣幸、横内 陽子
(3)事務局
津田 眞吾、黒川 暁博、川越 功一、惣田 泰氏、堀田 陽介
4
配布資料
IR(04)3-1
平成 16 年度第二回委員会議事概要(案)
IR(04)3-2
IMO 第 79 回海上安全委員会(MSC79)対策資料(案)
IR(04)3-3
IALA 及びカナダコーストガード主催 LRIT セミナーへの出席報告
IR(04)3-4
米国コーストガードによる衛星 AIS 計画の概要について
(参考資料)
「マラッカ・シンガポール海峡の情勢 2004」報告書
「平成 16 年度第 3 回国際動向委員会資料」CD-R
75
5
議事概要(◎ 委員長、○ 委員、△ 関係官庁等、□ 事務局)
(1)議題1:第二回委員会議事概要(案)の承認
委員長から IR(04)3-1 により、第二回委員会議事概要(案)が提案され、特段の
意見なく承認された。
(2)議題2:MSC79 対処方針(案)
関係官庁から IR(04)3-2 により、MSC79 対策資料(案)についての説明が行われ
た。その後、次のとおり質疑応答があった。
○ 15 ページのトレス海峡の議論に関して、LEG89 における我が国対処方針を今次 MSC
でも踏襲することという理解で良いか。
△ 御理解の通り。
○ 4 ページのウェブサイトに関する提案について、本件サイトの性格、本件サイトの
制限に関する SOLAS 条約改正への動き、国内法令の改正の検討につき関連情報が
あれば御教示願いたい。
△ 本件サイトについては、誰でもウェブ上で AIS データを見ることができるもので
あると仄聞している。将来的にどこまで拡大するか不明であるが、AIS LIVE 社は今
後、公開する港の数を増やしていく考えは持っているようである。
現在の国内法規では同種ウェブサイトを規制できないというのが総務省の見解で
あると聞いている。国内法令改正を検討するに当たっても、いずれかの国際法の改
正の動向をみる必要が考えられ、それが現時点では判明していないので、今次MS
Cの審議結果をみて検討することが望ましいと考える。
○ 本ウェブサイトを運営する AIS LIVE 社は、イギリスのロイズ等が共同で立ち上げ
られたもので、元々は港湾関係者を対象に、船舶の動静把握を目的とした、あくま
で商業ベースのものである。ところがロイズの持つ船舶データとリンクさせること
により、特定の船舶のデータが全て分かってしまい、このデータが本来の目的以外
にも使われる懸念があるため、海運業界がウェブの利用について何らかの規制を求
めた提案だと聞いている。
(3)議題3:セキュリティ要素を核としたマ・シ海峡問題の新しい展開
日本海難防止協会シンガポール事務所川越所長代理から、マ・シ海峡における今
後のセキュリティ問題への取り組みや、海峡利用国と沿岸国の新しい協力体制等に
ついてパワーポイントにより発表があった。その後、次のとおり質疑応答があった。
○ 海賊情報センターのシンガポールの設置について詳しく教えて欲しい。
□ IMO のインフォメーションペーパーには、海賊情報センターの機能として、情報
収集及び分析、緊急時の関係国へのアラーム発信等があり、IMB と同様の機能を持
つ組織と想像されるが詳細は承知していない。
△ 日本海事新聞の記事によると、IMB はあくまで民間組織だが、今回の海賊情報セ
ンターは、日本の外務省が主体となって進めてきた、アジア 16 カ国の地域協力協定
に基づいており、今月行われた会合において、シンガポールに設置することが決め
76
られたものである。構想としては、いわゆるインターポールのような役割と考えて
いるようである。
○ セキュリティ対策の一つとして、現在米国コーストガードが実施している「シー
マーシャル」という言葉が出てきた。マ・シ海峡のような複雑な海峡で「シーマーシ
ャル」を実施する場合、今後米国のように国レベルが関与するのか、日本のように
民間レベルが対応するのか、どちらになりそうなのか、分れば教えて欲しい。
□ どちらになるかまだ決まっていない。マ・シ海峡は沿岸国も通航利用国も様々で
あるため、国レベルの人間が乗るには旗国及び沿岸国の了承が必要であり、運用上
困難が多い。現実的には、武装警備員の乗船を旗国が了解するという前提で、民間
ベースで、個々で契約してもらう方法が考えられるが、その場合でも日本船は武装
警備員を乗せることができない等の問題が考えられる。
(4)議題4:IALA 及びカナダコーストガード主催 LRIT セミナーへの出席報告
事務局から冒頭で、LRIT セミナーで発表された全てのプレゼン資料及び本委員会
用に事務局がまとめた概要資料を CD-R に添付し、
配布した旨説明があった。
その後、
にセミナープレゼンテーション資料の抜粋によりセミナーの概要を事務局が説明し
た。同説明の後、次のとおりの質疑応答があった。
△ Oversight Body に関しては、先月の IMSO 総会で、インマルサット社だけではな
く、その他の GMDSS サービス会社や、ロングレンジサービス会社も含めて IMSO が監
視することを内容とした、IMSO 条約の改正案ができ、早ければ来年にも採択される
こととなった。改正案が採択されれば、現在の米国フュージョンセンターの機能を
持つ国際組織が、全てのデータ提供会社を監視することとなる。
成層圏プラットフォームに関しては、日本でも 2010 年頃に実用化の予定で検討さ
れており、成層圏を飛ぶ飛行船に AIS 受信機を乗せれば、広範囲な AIS 受信が可能
となるアイディアである。
◎ 本セミナーにおいて、将来の展望や今後の予定等の話はあったか。
□ セミナー事務局から、LRIT セミナーを開催し有益だったこと、LRIT が多目的な利
用価値があると思われること等を内容とした IALA とカナダ合同のインフォメーシ
ョンペーパーを来年 2 月の COMSAR に提出すること、IALA は今後とも積極的に種々
のセミナーを航行安全と効率の観点から開催するとのこと、IALA メンバー以外にも
参加してもらえるようなセミナーを年 2 回程度開催したいとのことがセミナーで表
明された。
(5)議題5:その他
①海上保安庁交通部から「航行援助分野における AIS の活用に関する専門家会議」
及び「国際ロラン協会総会及び技術シンポジウムにおける講演会の開催結果」の
各資料に基づき説明があった。その後、以下の通り質疑応答があった。
△ 現在の航行システムは GPS に依存しているが、将来的には EU がガリレオを打
ち上げて 2010 年以前の実用化に向けて動いており、ロシアもグローナスという
77
GPS 相当の衛星を打ち上げることとしており、衛星を使った航行システムが中
心になると思われる。そうなると、ロラン C は今後どうなっていくのか。
△ 衛星の弱点は、使用電力が小さいため、様々な妨害に対して弱いことであり、
そのため今後も、バックアップとしてロラン C を使う方針である。特に米国で
は、GPS とハイブリッドで使っていくとしている。
②事務局から次回委員会の予定として、委員会実施計画に基づき、MSC79 の審議結
果報告、及び COMSAR 対処方針等を内容として、来年 2 月 1 日(火)の 14 時から
開催したい旨提案があり、特段の意見なく承認された。
78
第4節
1
第 4 回委員会議事概要
開催日時及び場所
日時 平成17年2月1日(火)1400~1640
場所 日本財団ビル2F 第1~4会議室
2
議題
(1)第三回委員会議事概要(案)の承認
(2)MSC79 審議概要について
(3)COMSAR9 の対処方針(案)について
(4)平成 16 年度調査のとりまとめについて(案)
(5)その他
3
出席者(敬称略、括弧書きは代理出席者及び随行者)
(1)委員長
今津 隼馬
(2)委員
佐藤 修臣、柳川 三郎、松本 宏之、宮坂 真人、市川 博康、吉田 良治、
小坂 智規
(3)関係官庁等
米原 達夫(小池 貞利)
、東井 芳隆(田中 航二郎)、山下 政晴(岩並 秀一)
、
上岡 宣隆(古谷 健太郎)、土出 昌一(平出 昭夫・松鶴 協)、佐藤 尚之(田
中
一幸・北見 宗雄)
、村上 玉樹(川俣 直己)
、一藁 勝(松永 秀雄)
、川田
忠宏(貴島 高啓)、小原 正則、櫻井 俊樹(榮利 勝弥)、内海 宣幸、中村
美子
(4)事務局
津田 眞吾、黒川 暁博、惣田 泰氏
4
配布資料
IR(04)4-1
平成 16 年度第三回委員会議事概要(案)
IR(04)4-2-1 海上保安強化策の向上(MSC79・議題5関連)
IR(04)4-2-2 航行安全(MSC79・議題 10 関連)
IR(04)4-2-3 海賊及び武装強盗(MSC79・議題 16 関連)
IR(04)4-3
IMO 第 9 回無線通信及び捜索救助小委員会(COMSAR9)対策資料(案)
IR(04)4-4
平成 16 年度調査のとりまとめについて(案)
79
真
5
議事概要(◎ 委員長、○ 委員、△ 関係官庁等、□ 事務局)
(1)議題1:第三回委員会議事概要(案)の承認
委員長から IR(04)4-1 により、第三回委員会議事概要(案)が提案され、特段の意
見なく承認された。
(2)議題2:MSC79 審議概要について
MSC79 出席者から IR(04)4-2-1~IR(04)4-2-3 により、MSC79 における審議結果につ
いての報告が行われた。その後、次のとおり質疑応答があった。
○
次の2点について質問致したい。
・ 事前通報項目が ISPS コード PartB に盛り込まれることとなった背景、理由如何。
・ トレス海峡強制水先化に関してオーストラリアの国内法化の可能性如何。
△ 現行規定では条約自体に通報が要求される項目が規定されている他に ISPS コード
PartB にも例示的に記載されているものがある。これとの横並びと考えられる。ま
た、FAL 委員会での検討のためセキュリティの観点での検討を ISPS コード PartB に
盛り込むこととして、ひとまず決着させるという政治的配慮が事務局にあったかも
しれない。
□
議場内外でオーストラリアの国内法化の情報には触れなかった。本件が領海外の強
制化ということを考えると、勧告のみで国内法化ということは難しいと思われる。
指導ベースということでの実施の可能性はあると思われる。
(3)議題3:COMSAR9 の対処方針(案)について
関係官庁から IR(04)4-3 により、COMSAR9 対策資料(案)についての説明が行われた
後、次のとおり質疑応答があった。
○
ロングレンジトラッキングについて、船から情報を発信し、締約国が受信すること
は判るが、
事業者、監督機関が如何に介在するかよく判らないところがあるが如何。
△
不明確な部分が多々ある。米国の SOLAS 条約改正案、MSC78 の SOLAS 条約改正案か
ら事業者、監督機関の介在が伺える。今次 COMSAR における米国提案では4つの要件
が記載されており、若干具体化したものがイメージできる。監督機関については、
事業者とは別のものと考えられる。
○ ロングレンジトラッキングは保安が主たる目的であるとのことであるが、その費用
負担如何。
△ これまでの審議で船側の負担がないことが合意されている。また、これまでの審議
から考え大勢的には情報の受信について各締約国が負担するとの方向である。また、
今般の米国提案では監督機関に係る費用も締約国の利用料から賄われることが想定
されているようである。
○
ロングレンジトラッキングのフォーマットについて、船側でフォーマット化するこ
とになれば既存設備の変更が必要となるので船側の負担とならないよう対応して頂
きたい。また、情報が暗号化されることとなれば、同様に既存設備で対応できなく
なる可能性があることも考慮頂きたい。
80
更に、
スウィッチ・オフについても船側でポーリングのみを切とすることは難しく、
インマルサット通信全てを切とすることになるので、これも考慮して頂きたい。
△ 船側の負担がないように可能な範囲で対応致したい。なお、スウィッチ・オフに
ついては既に MSC で合意されており、御意見頂いた内容は、その要件の検討とし
て審議されると思われる。
△ 暗号化については、種々のものがあり必ずしも既存設備変更とはならないと思わ
れるが、御意見を踏まえ慎重に対応致したい。
○ ロングレンジトラッキング関連のブラジル提案では出港時の航海計画が含まれて
いるので、船社としては賛成し難い。
△ 御意見を踏まえ、慎重に対処致したい。
(4)議題4:平成 16 年度調査の取りまとめについて
事務局から IR(04)4-4 により、説明が行われ、委員より次の意見があり、委員会に
おいて承認された。
○
「船舶動静把握システム及びこれに係るデータベースの構築に関する国際動向」
のとりまとめは有意義であり、この委員会の特色を示すものである。成果に期待す
る。
(5)平成16年度事業報告書(案)の検討
事務局から、平成 16 年度事業報告書(案)の取りまとめ方について説明があり、
特段の意見なく承認された。
81 (82、欠)
1 国際動向委員会・アドホック報告・検討会の開催について
1.開催目的
IMOにおけるLRITの検討等の船舶動静把握ネットワーク及びこれに係るデータベ
ース構築についての国際な検討状況等をレビューし、関係者における情報の共有化を
図り、我が国関係機関における検討に資することを目的とする。
2.アドホック報告会における報告事項等
(1)COMSAR9におけるLRIT検討状況報告
第4回国際動向委員会において対処方針の検討が行われたCOMSAR9における
LRITについての報告を実施する。
(2)船舶動静把握ネットワーク及びこれに係るデータベース構築の国際動向の報告
本年度の国際動向委員会において重点的に情報収集した船舶動静把握ネットワー
ク及びこれに係るデータベース構築の国際動向の報告を実施する。
(3)関係者(関係官庁)における検討状況報告
上記(1)(2)に係る各関係者における検討状況の報告を実施する。
(4)意見交換
上記(1)~(3)の報告に基づき、関係者間における意見交換を行い、可能で
あれば今後の検討に係る方向性等について模索する。
3.出席者等
(1)事務局:日海防企画国際部
(2)出席者
① 関係官庁:海保関係課等国交省、総務省等の関係官庁の担当官
② 国際動向委員会委員、造船研究協会等の関係海事団体の担当者
4.開催日時、場所
平成17年3月25日(金) 於:日本財団2階第1、第2会議室
5.その他
来年度国際動向委員会については、IMOにおける情報収集とともに本件を引き続
き調査を行い、必要に応じて委員会における検討等を実施する方向で 今後検討を行
うこととする。
83
2
アドホック報告・検討会概要
1
開催日時及び場所
日時 平成17年3月25日(金)1400~1610
場所 日本財団ビル2F 第1~4会議室
2
議題
(1)LRIT システム及び検討の経緯等
(2)船舶動静把握システム等に関する国内外の状況
イ 船舶動静・問題船の把握
ロ
船舶動静把握システムに関する国際動向
(3)意見交換
3
出席者(敬称略)
(1)委員、関係官庁・団体(者)等
別添のとおり
(2)事務局
津田 眞吾、黒川 暁博、惣田 泰氏
4
配布資料
IR(04)AD-1
国際動向委員会アドホック報告・検討会議出席予定者
IR(04)AD-2
ロングレンジトラッキング(LRIT) IMO における検討状況等
IR(04)AD-3
LRIT に関する SOLAS 条約改正案(COMSAR9/WP5/Rev1 Annex1)
IR(04)AD-4
LRIT 性能基準案(COMSAR9/WP5/Rev1 Annex2)
IR(04)AD-5
「港湾危機管理体制について」等4枚
IR(04)AD-6
船舶動静把握ネットワークとそのデータベースの構築に関する国際動向
参考資料
・MSC80/5/8 MEASURES TO ENHANCE MARITIME SECURUTY
(Submitted by USA)
・LRITコレスポンデンスグループでの検討事項(TOR)
5
議事
LRITの利用目的、次回MSCにおける承認・採択等について活発な意見交換が行
われた。なお、港湾局港湾保安対策室課長補佐から「IR(04)AD-5 は関係者との調整を
了したものではない。」旨の補足説明があった。
84
<別添>
国際動向委員会アドホック報告・検討会議出席者
於:日本財団第1~4会議室
日時:平成17年3月25日(金)1400~1610
参加者:33人、事務局3人(津田、黒川、惣田) 計36人
<関係官庁>( 順不同 ・ 敬称略 )
氏 名
所 属・職 名
国土交通省 大臣官房
高橋 賢次
危機管理室(SOLAS室)
潮平 篤
国土交通省 海事局
外航課
専門官
国土交通省 海事局
検査測度課
船舶保安対策係長
国土交通省 港湾局
港湾保安対策室
課長補佐
国土交通省 港湾局
港湾保安対策室
保安企画係長
海上保安庁 総務部
政務課
課長補佐
海上保安庁 総務部
政務課
専門官
海上保安庁 総務部
国際・危機管理官
国際係長
海上保安庁 総務部
情報通信企画課
技術企画官
海上保安庁 総務部
情報通信企画課
専門官
海上保安庁 総務部
情報通信企画課
村上 由生
海上保安庁 総務部
情報通信企画課
加納 浩
小田原 勝教
杉中 洋一
中嶋 義全
甲斐 廣
瀬井 威公
田中 航二郎
米原 達夫
小池 貞利
前川 伸夫
富塚 篤
木津 直樹
岩並 秀一
谷川 忠士
若林 邦芳
田中 一幸
石田 信之
<関係官庁>( 順不同 ・ 敬称略 )
氏 名
所 属・職 名
総務省総合通信基盤局電波部
棚田 剛
衛星移動通信課
国際係長
総務省総合通信基盤局電波部
川名 唯一
衛星移動通信課
海上係長
水産庁 増殖推進部
川田 忠宏
研究指導課海洋技術室
漁船国際専門官
水産庁 増殖推進部
貴島 高啓
研究指導課海洋技術室
漁船国際専門官
財務省関税局
小西 幸治
監視課
警務係調査主任
法務省 入国管理局
蓑原 哲弘
入国管理企画官室
企画係長
<国際動向委員会委員及び関係者>( 順不同 ・ 敬称略 )
氏 名
所 属・職 名
日本船主協会
宮坂 真人
海務部課長
海上保安庁 総務部
情報通信業務課
専門官
海上保安庁 総務部
情報通信業務課情報管理室
システム解析調査官
海上保安庁 警備救難部
管理課
課長補佐
海上保安庁 警備救難部
警備課
国際海上セキュリティ企画官
海上保安庁 警備救難部
警備課
第一係
海上保安庁 警備救難部
救難課
専門官
海上保安庁 交通部
企画課
国際係長
海上保安庁 交通部
企画課企画調査室
企画調査官
市川 博康
日本船長協会
常務理事
吉田 良治
日本旅客船協会
業務部長
小原 正則
海上保安協会
常務理事
中川 直人
大井 伸一
内海 宣幸
85
日本造船研究協会
基準部
主任研究員
(株)エム・オー・マリンコンサルティング
海洋技術部
首席研究員
日本財団
海洋グループ
海洋安全チームチームリーダー
"Regulation [XX]
Long range identification and tracking of ships
1 All ships, except those specified in paragraph 2, shall be fitted
with a system to automatically transmit information to enable,
subject to the provisions of paragraph 5, the identification and
tracking of the ship by Contracting Governments, as follows:
.1 ships constructed on or after [DD MM YY];
.2 ships constructed before [DD MM YY] and certified for
operations in Sea Areas A1 and A2, as defined in
regulation IV/2.1.12 and IV/2.1.13, not later than the
first survey of the radio installation after [DD MM YY];
.3
ships constructed before [DD MM YY], certified for
operations in Sea Areas Al. A2 and A3, as defined in
regulation IV/2.1.12, IV/2.1.13 and IV/2,1.14. and fitted
with an Inmarsat ship earth station, as a part of
compliance with the provisions of regulation IV/l0,
which is capable of automatically transmitting LRIT
information, not later than [DD MM YY];
.4 ships constructed before [DD MM YY] and certified for
operations in Sea Areas A1. A2 and A3, as defined in
regulation IV12 1.12, IV/2.1.13 and IV/2.1.14, which are
not fitted with an Inmarsat ship earth station, as a part
of compliance with the provisions of regulation IV/10,
not later than the first survey of the radio installation
after [DD MM YY]; and
89
.4[DD MM YY]以前に建造された船舶であり、第 IV 章 2.1.12、
2.1.13 及び 2.1.14 規則に定める A1、A2 及び A3 海域を航行す
る証明を有し、インマルサット船舶局を第 IV 章第 10 規則の一
部を充足するために積載していない船舶は、
[DD MM YY]以
降に受ける最初の無線検査の期日まで
.1[DD MM YY]以降に建造された船舶
.2[DD MM YY]以前に建造された船舶であり、第 IV 章 2.1.12
及び 2.1.13 規則に定める A1 海域及び A2 海域を航行する証明
を有する船舶については、
[DD MM YY]以降に受ける最初の
無線検査の期日まで
.3[DD MM YY]以前に建造された船舶であり、第 IV 章 2.1.12、
2.1.13 及び 2.1.14 規則に定める A1、A2 及び A3 海域を航行す
る証明を有し、LRIT 情報を自動で送信することができるイン
マルサット船舶局を第 IV 章第 10 規則の一部を充足するために
積載している船舶は、[DD MM YY]まで
第 XX 規則
長距離追跡識別システム
1 第二項で定める他は、全ての船舶は第五項の定める船舶の識別と
追跡にかかる情報を自動的に送信できるシステムを、次により搭載
しなければならない。
第XI-2章
The following new regulation [XX] is added after existing 次の新規則[XX]は既存の規則[YY]の後に付け加えられる。
regulation [XY] :
LRIT に関する SOLAS 条約改正案(COMSAR9/WP5/Rev1 Annex1)
資料2
LRIT に関する SOLAS 条約改正案(COMSAR9/WP5/Rev1 Annex1)
90
.3
the transmission of false or inaccurate information;
and
.2 the transmission of any information to recipients
other than those recognized by the Organization;
.l
shall be so designed and constructed to prevent:
.2 IMO が認める着信者以外の者へのいかなる情報の送信
.1 誤った情報や間違った情報を送信すること
.3 設計及び製造が次のことを防げること
.5[DD MM YY]以前に建造された船舶であり、第 IV 章 2.1.12、
ships constructed before [DD MM YYI and certified for
operations in Sea Areas Al, A2, A3 and A4, as defined in
2.1.13、 2.1.14 及び 2.1.15 規則に定める A1、A2、A3 及び A4
regulation IV/2.1.12, IV/2.1.13, IV/2.1.14 and IV/2.1.15,
海域を航行する証明を有する船舶は、[DD MM YY]以降に受
not later than the first survey of the radio installation
ける最初の無線検査の期日まで。なお、これら船舶は、A1、A2
after [DD MM YY]. However, these ships shall comply
及び A3 海域を航行するときは第 3 号及び第 4 号の基準を満た
with the provisions of subparagraph .3 and .4 whilst
し、A4 エリアには向かわないこととする。
they operate within Sea Areas Al, A2 and A3 and they
do not proceed to Sea Area A4.
2
Ships, irrespective of the date of construction, certified for 2 船舶の建造年月日に関わらず、第 IV 章の 2.1.12 規則の定める
A1 海域のみを航行する船舶にあっては、この規則の定める要件に
operations exclusively in Sea Area A1, as defined in regulation
よらない。
IV/2.1.12, shall not be required to comply with the provisions of
this regulation.
3
The means of transmitting information to enable the 3 船舶の識別及び追跡を可能とする情報を送信する手段としては、
identification and tracking of a ship:
.l
shall be capable of automatically transmitting the
.1 自動的に船舶の識別、その位置(緯度及び経度)及び当該位置
identity of the ship, its position (latitude and longitude)
の日時(以後 LRIT 情報という)が送信できること。
and the date and time position, hereafter refers to as
LRIT information;
.2 shall be capable of providing information that is, at a
.2 最小限で次の時間以内に最新の情報を供給できること
minimum, current within :
.l [4] hours when the ship is [300] nautical miles or more
.1 締約国からの距岸[300]海里以上では[4]時間以内
from the coast of a Contracting Government; and
.2 [1] hour when the ship is less than [300] nautical
.2 締約国からの距岸[300]海里以内では[1]時間以内
miles from the coast of a Contracting Government; and
.5
91
.9
.8
.7
.6
.5
.4
.3 in cases where the Administration considers that the
receipt of information by another Contracting
Government may compromise the safety or security
of the ship or of the Administration. The system
should have the capability of providing a secure
communication to indicate this action;
shall be capable of indicating on-board the ship that it
malfunctions;
shall ensure that the information transmitted by the
ship is protected, during transmission from the ship,
from unauthorized access or disclosure;
shall ensure that the ship does not incur any cost when
it is either requested to transmit or is transmitting
information for LRIT purposes;
shall conform to performance standards not inferior to
those adopted by the Organization and
shall be provided with energy from sources that comply
with the provisions of regulation IV/13
shall be capable of being switched off on board or
otherwise be capable of preventing access:
.1 where international agreements, rules or standards
provide for the protection of navigational
information;
.2 in cases where operation is considered by the master
to compromise the safety or security of the ship. The
master shall send a communication to the
Administration which shall inform the central data
authority and LRIT tracking service; [and]
.9 第 IV 章 1.3 規則に定める電源基準に従うこと
.8 IMO の定める仕様標準以上であること
.7 船舶側には LRIT 情報の送信に関して、送信の要求にかかわら
ず、費用を生じないこと
.6 船舶からの情報の送信について、権限を与えられていないもの
からのアクセスや暴露に対して保護されているものであること
.5 故障した際に故障を表示できること
.3 当局がある沿岸国によって LRIT 情報を受信されることが
船舶の安全や保安上好ましくないと判断された場合。シス
テムにはこの行動を伝える秘匿された通信手段を有するこ
と。
.2 船長が当該船舶の安全または保安を害すると認めた場合。
船長は当局に対して連絡を取ることとし、当局は中央情報
当局及び LRIT サービスセンターに連絡すること
.4 次の場合において、船上にてスイッチオフできること、または
アクセスを妨げること
.1 国際的な航海情報の保護に関する合意、規則、基準がある
場合
92
.3
.2
.l
the Administration shall be able to receive LRIT
information for all ships entitled to fly its flag
irrespective where such ships may be located;
a Contracting Government shall be able to receive LRIT
information from all ships; irrespective of the flag such
ships are entitled to fly, which have indicated to that
Contracting Government an intention to enter a port
facility under the jurisdiction of the Contracting
Government. Contracting Governments shall specify,
and shall communicate to the Organization, either the
distance from their coast or the period of time prior to
the expected time of arrival of the ship in a port facility
under their jurisdiction, during which they require the
provision of LRIT information. The Organization shall
circulate the communications received for the
information of all Contracting Governments; {and}
in addition to subparagraph .2, a Contracting
Government shall be able to receive LRIT information
from all ships, irrespective of the flag such ships are
entitled to fly, navigating within a distance of
[100][200][2,000] nautical miles of the its coast.
5
5 Contracting Governments, subject to the provisions of
paragraphs 5bis, 6 and 7, shall be able to receive LRIT information
transmitted by ships as follows:
.3 前号の規定に付け加え、旗国にかかわらず、締約国の距岸[100]
[200]
[2000]海里以内にある船舶の LRIT 情報が受信できる
こと
.2 船舶が締約国が管轄権を有する港湾施設に対して、入港する意
思を表明した場合は、旗国にかかわらず全ての船舶から LRIT
情報を受信することができる。締約国は IMO に対して LRIT
情報を受信する範囲を、自国からの距岸または当該船舶の到着
予定時刻の指定時間前を設定し連絡すること。IMO は受け取っ
た情報につき各締約国に対して回章する。
.1 当局は自国籍船の LRIT 情報は当該船舶がどこにいても受信で
きること
5bis、6、7の各項目により、締約国は次の基準により受信で
きることとする。
4 LRIT 情報を収集、蓄積するパラグラフ 5 による通信システム及
び施設は、IMO で採択された仕様標準以上であり、IMO によって
承認されていること。
4 The communication system and infrastructure used for receiving
storing and disseminating LRIT information, subject to the
provisions of paragraph 5, shall conform to performance standards
not inferior to those adopted by the Organization and shall be
recognized by the Organization.
93
6
.5 いかなる LRIT 情報に関する通信費は締約国が負担するものと
し、船舶側にはいかなる場合においても費用負担はないものと
する。
.4 受信した LRIT 情報を専ら平和利用のために利用すること
.3 受信した LRIT 情報を[専ら]海事保安を増強するため[及び
IMO で承認されたその他の目的]に利用すること
締約国は、常に以下のことを遵守する
.1 締約国が受信する LRIT 情報の商業的秘匿性及び敏感性につい
て認識し敬意を払うこと
.2 受信した LRIT 情報を不正なアクセスや公開から防ぐこと
5bis 当局は自国籍船が他の締約国が LRIT 情報を受け取れる範囲
にあっても、LRIT 情報を受信できなくさせることができる。
7 The search and Rescue service of Contracting Governments may 7 締約国の捜索救助機関は LRIT 情報を受信し、または LRIT 情報
receive or may make use of LRIT information in relation to the
を海上で遭難した人の救助のために利用することができる。
rescue of persons in distress at sea.
8 All reasonable steps shall be taken to ensure the means of 8 LRIT 情報の送信が効率よく実施されていることを確認するため
transmitting LRIT information is maintained in an efficient
に、あらゆる合理的な段階がとらなければならない。しかしながら、
LRIT 情報の送信機の故障は、当該船舶の耐航性を害していると見
working order. However malfunctions of the LRIT information
なしてはならず、修理設備が整っていない港においては、船長によ
transmitting equipment shall not be considered as making the
り故障した機器が、修理ができる港までの航海計画及びその安全な
ship un-seaworthy or as a reason for delay the ship in ports where
航海を考慮し、適切な調整が行われるのであれば、船舶を遅延させ
appropriate repair facilities are not readily available, providing
る理由としてはならない。
suitable arrangements are made by the master to take into
account the inoperative equipment in the planning and executing
a safe voyage to a port where repairs can take place."
5 bis Administrations shall be able to prevent a named
Contracting Governments from receiving LRIT information on
ships flying their flag even if the Contracting Government is
otherwise entitled to receive that information.
6 Contracting Governments shall, at all times:
.l recognize and respect the commercial confidentiality and
sensitivity of any LRIT information they may receive;
.2 protect the LRIT information they may receive from
unauthorised access or disclosure;
.3 use the LRIT information they may receive [solely and
exclusively] for the purpose of enhancing their security
[,or for other purposes recognised by the Organization];
.4 use the LRIT information they may receive solely and
exclusively for peaceful purpose; and
.5 cover all communication cost associated with the
provision to them of any LRIT information they have
requested to receive and shall ensure that information
is provided at no cost, whatsoever, to the ship
concerned.
資料3
LRIT 性能基準案(COMSAR9/WP5/Rev1 Annex2)
船舶の国際遠距離識別及び追跡の性能基準及び運用(仮訳)
1 概要[概念][目的][概観]
1.1
国際遠距離識別及び追跡(LRIT)システムは、船舶の全地球的識別及
び追跡を行う。
1.2
LRIT業務は、IMOにより承認された追跡事業者(LRIT追跡事業
者)により実施される。船舶は、主管庁の要求基準を満たす承認された追跡事業者
を使うことができる。
1.3
LRIT情報は、IMOにより指定された調整者(LRIT調整者)を通
じて、当該情報を受ける権利を有する締約国に提供される。主管庁[締約国]は、L
RIT追跡事業者から直接、[その自国船に係る]情報を受けることもできる。
1.4
船舶は、その識別、位置(緯度及び経度)及びその位置の日時をLRIT
追跡事業者に報告する。これらの報告は、LRIT追跡事業者により定められる自
動システムを通じて実施される。
1.5
船舶は、定められた機器の設置をする義務を負う。ただし、LRIT情報
の提供のための費用は負担しない。締約国は、自ら要求し、受信したLRIT情報
の費用を負担する。
1.6 LRITシステムの運用に当たっては、航行情報の保護に関する国際条約、
協定、規則又は標準が認識されなければならない。
2
LRIT調整者の機能
LRIT調整者は、
2.1
締約国が受信する権利あるLRIT情報を入手できるようにするための1
つ又は複数のデータセンター(LRITデータセンター)を運用又は監督する。
2.2
締約国が受信する権利あるLRIT情報のみを受信できることを確保する。
2.3
LRIT情報を締約国に提供するための様式及び方法を確定する。
2.4 締約国がLRIT情報に支払う方法を規定する。
2.5
LRIT追跡事業者の責務の実施能力に基づき、IMOに対し、新たなL
RIT追跡事業者の承認を勧告する。
2.6
LRIT追跡事業者の実績を評価し、システムの実績及び料金体系につい
て、毎年、IMOに報告する。調整者は、LRIT追跡事業者に求められる責務を
果たしていないLRIT追跡事業者の承認を取り消すよう勧告する。
94
3
LRIT追跡事業者の機能
LRIT追跡事業者は、
3.1
LRIT調整者により指定された方法により、LRIT情報を収集し、提
供する。
3.2
受信の権利を持つ者のみがLRIT情報を受信できるように、LRIT情
報が秘匿されて収集され、提供されることを確保する。
4
LRITデータセンターの機能要件
データセンターは、
4.1
全ての船舶からLRIT追跡事業者を通じて、継続的にLRIT情報を収
集する。
4.2 締約国とLRIT情報の提供について契約する。
4.3 [データセンターは、少なくとも[40]日間、データーを保存する能力がな
ければならない。]
4.4
以下のデータベースを維持する。
.1 LRIT情報の受信の権利を有する締約国及びその連絡先
.2 沿岸国がLRIT情報の受信の権利を有する海域
.3
LRIT情報の受信の権利を有する沿岸国の港のリスト及びその港から
の距離又は港への到達時間
.4
主管庁から提供された情報による、当該主管庁の旗国船のLRIT情報
を受け取ることができない締約国の名前
.5 旗国の主管庁から要請されたLRIT情報
.6 船舶のID情報、主管庁及びLRIT追跡事業者
4.5
LRITデータセンターと締約国の間のデータ接続を維持する。
4.6
権利を有し、かつ、要求する各締約国に対し、以下の船舶の位置を提供す
る。
.1
旗国の船舶
.2 沿岸から定められた距離又は時間にある船舶
.3 当該国の港へ入港する意図を示す航路にある船舶
5
船上機器の技術要件
船上機器は、
5.1
LRIT追跡事業者に対し、少なくとも、以下の間隔で、船舶のLRIT
情報を自動的に送信する。
.1 船舶が締約国の沿岸から[300]海里以遠にいる場合は、[4]時間
.2 船舶が締約国の沿岸から[300]海里未満にいる場合は、[1]時間
95
5.2
船舶から送信される情報が、船舶からの送信中に、受信され、又は開示さ
れることを防止しうる送信手段を有する。
5.3
全地球的衛星航行システム(GNSS)船上機器と直接接続するインター
フェース、又は内臓測位機能を有する。
5.4
6
反改造構造であること。
船陸間通信システムの機能要件
通信システムは、船上機器からLRIT追跡事業者に信号を確実かつ秘匿して送信
する能力があること。
96
資料5 船舶動静把握ネットワークとそのデータベースの構築
に関する国際動向
AIS
船舶動静把握ネットワークと
そのデータベースの構築に
関する国際動向
et
N
a
e Se
Saf Maritim
M
CO
L
HE
(社)日本海難防止協会 国際室長
IT
LR
e Do
AMVER
m ain
Awa
re n e
RE
FR
EP
JASRE
ss
P
競艇の交付金による日本財団の助成金をうけて作成しました。
Tracking for MDA
Maritime Domain Awareness
米国のセキュリティ対策
の国家戦略
米国のセキュリティ対策の国家戦略
定義
Surveillance
Surveillance
Surveillance
Detection
Detect
Maritime Domain Awareness is the effective
understanding of anything associated with the global
maritime environment that could impact the security,
safety, economy, or environment of the United States.
States.
Target
早期の目標察知→
早期の目標察知→整理、分析→
整理、分析→早期の報告
→意思決定の時間を長く
センサー:AIS
、LRIT、
センサー:AIS、
LRIT、AMVER
衛星AIS
、飛行船AIS
AIS・・・
・・・
衛星AIS、飛行船
Data/Tracking
Fusion Center
Track correlation
Anomaly detection
Data/track matching
Analysis
HELCOM(海洋環境保護)
HELCOM(海洋環境保護)
AIS先進国
AIS先進国
2007年までの
AIS整備
整備
2007年までのAIS
Common
Operational
Picture
バルト海諸国を結ぶ多目的
のAISネットワーク及
バルト海諸国を結ぶ多目的の
AISネットワーク及
びデータベースの構築
Commercial
Tracking
Static
Ship Data
Historical
Track Data
(name, photo, etc)
(routes)
TOI
TOI
バルト海諸国の取り組み
Sensors
Coop
Reports
TOI
MIFCs
LRIT Project
Satellite AIS,
HFSWR, etc.
Freighter
Sail
Sail Boat
Fishing
Boat
Freighter
Freighter Sail
Sail Boat
Boat
Freighte
r
Response
LRIT System
Intelligence
Data
Fishing Boat
Sail Boat
Classify & Identify
-101-
Basestations
Basestations
Server
Basestations
Server
Basestations
Server
Basestations
Server
Server
AIS Backbone
Client
server
Client
server
Client
Server
Client
server
SMA WAN
VTS
MRCC
Pilots
Icebr
Internet
Coast
Guard
EUROPEAN MARITIME SAFETY AGENCY
Safe Sea Net
What is SafeSeaNet
欧州海上保安庁が実施する欧州における船舶動静
把握及び域内情報ネットワーク構築
航行安全、海洋環境保護及び船舶運航の効率化等
を目的
AIS情報、
PSC結果等の情報を取り込む。将来的に
結果等の情報を取り込む。将来的に
AIS情報、PSC
はLRIT情報も
LRIT情報も
2004年
2004年10月
10月 暫定運用開始
2005年
2005年7月 本格運用目途
-
-
An electronic data exchange network…
network…
Which enables a secured sharing of maritime
data…
data…
Between designated maritime users …
For the purposes of
-
EUROPEAN MARITIME SAFETY AGENCY
EUROPEAN MARITIME SAFETY AGENCY
SafeSeaNet - Information provided on request
6 Generic messages
Voyage :
Port Reporting
Ship Reporting
AIS
Hazmat
Waste
(Security)
Conclusion
Added value of SSN
2 - PORT SEARCH
1 - SHIP SEARCH
Provides the list of all ships
bound to a given port with their
ETAs
-
improved emergency response in case of
incidents or pollution at sea (e.g. : transmission of
cargo manifests)
manifests)
3 - AREA SEARCH
- early detection of high risk vessels and improved
PSC
- increased efficiency of port logistics (accurate ETAs,
ETAs,
Alert messages
SITREP
POLREP
CONTAINERS LOST/FOUND
OTHERS : DEFREP,
VIOLATIONS OF TRAFFIC RULES, etc.
SAFETY AT SEA
POLLUTION PREVENTION
TRAFFIC EFFICIENCY
waste handling…
handling…)
BALTIC
ATL
NS-CH
MED-W
- produce statistics for EMSA, Member States and
the Commission (port calls, ships’
ships’ movements…
movements…)
MED-E
-102-
(参考)
LRIT
その他
Long Range Identification and
Tracking System
陸岸から遠距離にある船舶の位置等を把握
するシステム
セキュリティ対策主目的
目的
航行安全、海洋環境保護、SAR
航行安全、海洋環境保護、SAR目的
現在、IMO
においてSOLAS
SOLAS条約改正、性能要
条約改正、性能要
現在、IMOにおいて
件等を検討中
韓国:KVMS(Korean
韓国:KVMS(Korean Vessel Monitoring
System)
オーストラリア:Refrep
、Ausrep
オーストラリア:Refrep、
チリ:チリ沖合いのAIS
、LRITによる船舶動静
チリ:チリ沖合いのAIS、
LRITによる船舶動静
把握システム
ドイツ、フランス・・・
船舶動静把握ネットワーク・データベースの
活用例
共通点(LRITはツールのひとつ)
(LRITはツールのひとつ)
船舶の動静把握のシステム
データベース構築
政策的判断により構築(一部不明のもの有り)
(聴取した活用法)
セキュリティ
海上における異常の早期発見、注意船舶の動静監
視等
相違点
目的
セキュリティ、航行安全、海洋環境保護・・・
センサー
AIS、
AIS、LRIT・・・
LRIT・・・
航行安全
海難分析、データ分析による航路、標識の再配置、
管制計画への反映等
海洋環境保護
危険物積載船の動静把握、データ分析によるホット
スポット特定等
捜索救難
要救助船の位置確認、遭難船舶直近の船舶把握
等
その他
水先業務支援、バースアサインメント、手続き簡素
化等
-103-
参考資料2
IMO略語集
A ..................... Assembly(総会)
AA .................. Area to be Avoided(避航水域)
AIS .................. Automatic Identification System(自動船舶識別システム)
AMVER ........... Automated Mutual Assistance Vessel Rescue System(アンバー/米自動相
互援助船舶航行システム)互援助船舶航行システム)
ARPA .............. Automatic Radar Plotting Aids(自動レーダープロッテング装置)
AUSREP ......... Australian Ship Reporting System(オースレップ/豪船位通報制度)
AWES ............. The Association of West European Shipbuilders(西欧造船工業会)
BIMCO ............ The Baltic and International Maritime Council(バルチック及び国際海事評
議会)
BLG ................. Sub-Committee on Bulk Liquids and Gases(ばら積み液体・気体物質小委
員会)
C ..................... Council(理事会)
CES ................. Coastal Earth Station(海岸地球局)
CIRM .............. International Radio Maritime Committee(国際海上通信委員会)
CMI ................. International Maritime Committee(国際海事委員会)
COLREG ......... Convention on the International Regulation for Preventing Collisions at Sea
(海上における衝突の予防のための国際規則に関する条約)
COMSAR ........ Sub-Committee on Radio Communications and Search and rescue
(無線通信捜索救助小委員会)
COSPAS ......... Space System for Search of Distressed Vessels(コスパス)
CRS ................. Coast Radio Station(海岸無線局)
DE ................... Sub-Committee on Ship Design and Equipment(設備設計小委員会)
DG .................. Drafting Group(起草部会)
DSC ................ Sub-Committee on Carriage of Dangerous Goods, Solid Cargoes and
Containers(危険物固体貨物コンテナ小委員会)
DSC ...................... Digital Selective Calling(ディジタル選択呼出)
DWR ................ Deep Water Route(深水深航路)
EC ................... European Community(ヨーロッパ共同体)
ECDIS ............. Electronic Chart Display System(電子海図表示システム)
ENC ................ Electrical Nautical Chart(航海用電子海図)
EPIRB ............. Emergency Position Indicating Radio beacon(非常用位置指示無線標識)
Satellite EPIRB(衛星系EPIRB)
E&P FORUM . Oil Industry International Exploration and Production Forum
(石油産業国際開発生産評議会)
FAL ................. Facilitation Committee(簡易化委員会)
FOEL .............. Friends of the Earth International(国際地球の友)
FP ................... Sub-Committee on Fire Protection(防火小委員会)
FSI .................. Sub-Committee on Flag State Implementation(旗国小委員会)
GMDSS ........... Global Maritime Distress and Safety System
(海上における遭難及び安全の世界的な制度)
FGMDSS ......... Future GMDSS(将来の GMDSS)
GPASL ............. General Provisions for the Adoption, Designation and Substitution of
Archipelagic Sea Lanes(群島航路帯手続き案)
GPS ................. Global Positioning System (GPS)
DGPS .............. Deferential GPS (デファレンシャルGPS)
HF ................... High Frequency(短波)
HG .................. Harmonizing Group(調和部会)
HMAC ............. Hazardous Materials Advisory Council(危険材料諮問評議会)
IACS ............... International Association of Classification Societies(国際船級協会会議)
IADC ............... International Association of Drilling Contractors(国際掘削業者連合)
IAIN ................ International Association of Institute of Navigation(国際航海協会連合)
IALA ............... International Association of Lighthouse Authorities(国際航路標識協会)
IAPH ............... International Association of Ports and Harbors(国際港湾協会)
IBA .................. International Bar Association (国際棒材協会)
ICAO ............... International Civil Aviation Organization(国際民間航空機関)
ICC .................. International Chamber of Commerce(国際商工会議所)
ICCL ............... International Council of Cruise Lines(国際周遊船社協会)
ICFTU ............. International Federation of Free Trade Union(国際自由労働連盟)
ICHCA ............ International Cargo Handling Co-ordination Association(国際貨物輸送調
整会議)
ICS .................. International Chamber of Shipping(国際海運会議所)
IEC .................. International Electrotechnical Commission(国際電気標準会議)
IFSMA ............ International Federation of Shipmasters′Association (国際船長協会連合)
IHO ................. International Hydrographic Organization(国際水路機関)
IHB ................. International Hydrographic Bureau(国際水路局)
ILF .................. International Lifeboat Federation(国際救命艇連合)
ILO .................. International Labor Organization(国際労働機関)
IMO ................. International Maritime Organization(国際海事機関)
IMB ................. International Maritime Bureau(国際海事局)
IMPA .............. International Maritime Pilots′Association(国際水先人協会)
INA ................. International Navigation Association (国際航法学会)
INMARSAT .... International Maritime Satellite Organization(国際海事衛星機構)
INMARSAT .... International Mobile Satellite Organization(国際移動衛星機構)
INS .................. Integrated Navigation System(統合航法システム)
INTERCARGO
International Association of Dry Cargo Ship Owners
(国際乾燥貨物船主協会)
INTERTANKO
International Association of Independent Tanker Owners
(国際タンカー船主協会)
IOPC Fund ....... International Oil Pollution Conpensation Fund(国際油濁基金)
IRU ................. International Road Transport Union(国際道路運送連盟)
ISF .................. International Shipping Federation(国際海運連盟)
ISMA .............. International Ship Managers′Association (国際船舶管理連合)
ISO .................. International Organization for Standardization(国際標準化機構)
ISPS ................ International Ship and Port Facility Security(船舶及び港湾施設の保安に関
する国際規則)
ITOPF ............. The International Tanker Owners Pollution Federation
(国際独立タンカー船主汚染連合)
ITU ................. International telecommunication Union (国際電気通信連合)
ITZ .................. Inshore Traffic Zone(沿岸通航帯)
IUMI ............... International Union of Marine Insurance(国際海上保険連合)
JASREP ........... Japanese Ship Reporting System(ジャスレップ/日本船位通報制度)
JETRO ............. Japan External Trade Organization(日本貿易振興会)
JICA ................ Japan International Co-operation Agency(国際協力事業団)
JNTO ............... Japan National Tourists Association(日本観光振興会)
KOSREP ......... Korea Ship Reporting System(コスレップ/韓国船位通報制度)
LASA .............. Latin American Ship Owners′Association(ラテンアメリカ船主協会)
LC ................... London Convention(ロンドン条約/廃棄物その他の物の投棄による海洋汚
染の防止に関する条約)
LEG ................. Legal Committee(法律委員会)
LF ................... Low Frequency(長波)
LL ................... International Convention on Load Lines(満載喫水線に関する国際条約)
LRIT ................ Long range identification and tracking system
LUT ................ Local User Terminal(地域利用設備)
MARPOL ........ International Convention for the Prevention of Pollution from Ships
(船舶による汚染の防止のための国際条約)
MASTIS .......... Maritime Traffic Information Service(マーチス)
MCC ............... Mission Control Center(業務管理センター)
MDA.................. Maritime Domain Awareness
MEPC ............. Maritime Environment Protection Committee(海洋環境保護委員会)
MF .................. Middle Frequency(中波)
MID ................. Maritime Identification Digits(海上識別数字)
MMSI .............. Maritime Mobile Ship Identification(海上移動業務識別)
MSC .................
Maritime Safety Committee(海上安全委員会)
MSI ................. Maritime safety Information(海上安全情報)
NAV ................ Sub-Committee of Safety of Navigation(航行安全小委員会)
NAVAREA ...... World-Wide Navigational Warning Service Area(世界航行警報業務区域)
NAVTEX ......... Narrow Band Direct Printing Transmission of Coastal Warning System
(印字通信方式の世界航行警報)
NBDP .............. Narrow Band Direct Printing(狭帯域直接印刷電信)
NVG ................ Night Vision Goggles(暗視眼鏡)
OCIMF ............ Oil Companies International Marine Forum(石油産業国際海事評議会)
OECF .............. The Overseas Economic Cooperation Fund(海外経済協力基金)
OPRC .............. International Convention on Oil Pollution Preparedness, Response and
Cooperation(油による汚染に係る準備、対応及び協力に関する国際条約)
OSPAR ............ Project on Oil Spill Preparedness and Response in the ASEANN Sea Area
(アセアン海域における油汚染に対する準備及び対応に関する国際協力計
画)
PIANC ............. Permanent International Association of Navigation Congesses
(永久国際航海会議協会)
POL ................. Polar Orbiting Satellite Service(極軌道衛星業務)
PSTN .............. Public Switched Telephone(公衆電話回線)
RCC ................ Rescue Coordination Center(救助調整本部)
RCDS .............. Raster Chart Display System(ラスター海図表示システム)
RNC ................ Raster Nautical Chart(航海用ラスター海図)
RSC ................. Rescue Sub-Center(救助支部)
SAR ................ International Convention on Maritime Search and Rescue
(海上における捜索及び救助に関する国際条約)
SARSAT ......... Search and Rescue Satellite(サーサット)
SART .............. Search and Rescue Radar Transponder(レーダー・トランスポンダー)
SES ................. Ship Earth Station(船舶地球局)
SIGTTO .......... Society of International Gas Tankers and Terminal Operators
(国際ガスタンカー及び基地運営者協会)
SINGREP ........ Singapore Ship Reporting System(シングレップ/星船位通報制度)
SLF ................. Sub-Committee on Stability and Load Lines and on Fishing Vessel Safety
(復元性満載喫水線漁船安全小委員会)
SOLAS ............ International Convention for the Safety of Life at Sea
(海上における人命の安全のための国際条約)
SRR ................. Search and Rescue Region(捜索救助区域)
STCW ............. International Convention on Standard of Training, Certification and
Watchkeeping for Seafarers(船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準
に関する国際条約)
STW ................ Sub-Committee on Standards of training and Watchkeeping
(訓練当直基準小委員会)
SUA ................ Convention for the Suppression of Unlawful Acts Against the Safety of
Marine Navigation(海洋航行の安全に対する不法な行為の防止に関する条
約)
TC ................... Technical Co-operation Committee(技術協力委員会)
TOR ................ Terms of Reference(業務指示 ・ 実施仕様 ・ 委任内容)
TSS ................. Traffic Separation Scheme(分離通航方式)
TWG ................ Technical Working Group(技術作業部会)
UHF ................ Ultra High Frequency(極超短波)
UNCLOS
....... United Nations Convention on the Law of the Sea(海洋法に関する国際連
合条約)
UNEP .............. United Nations Environmental Programme(国連環境計画)
VDR ................ Voyage Data Recorder(航海データ記録装置)
VHF ................ Very High Frequency(超短波)
VLF ................. Very Low Frequency(超長波)
VTIS ............... Vessel Traffic Information Services(海上交通情報センター)
VTS ................. Vessel Traffic Services(海上交通センター)
WG .................. Working Group(作業部会)
WMO ............... World Meteorological Organization(世界気象機関)
WWNWS ......... World-Wide Navigation Warning System(世界航行警報業務)
社団法人
日本海難防止協会
東京都港区虎ノ門一丁目 15 番 16 号
〒105-0001 海洋船舶ビル
TEL 03(3502)2231
FAX 03(3581)6136