4 - 安川文朗

2014.10.21
経営学入門Ⅰd
グローバリゼーションと企業の役割④
ケース分析(1)
キャノン
担当
安川文朗
会社概要
商号
キヤノン株式会社(Canon Inc.)
設立
1937年8月10日
本社所在地 東京都大田区下丸子3丁目30番2号
代表取締役会長兼社長 CEO
御手洗 冨士夫
資本金
174,762百万円(2012年12月31日現在)
従業員数
25,696人(2012年12月31日現在)
売上高単独
2,113,420百万円 (2012年12月決算)
連結
3,479,788百万円 (2012年12月決算)
連結子会社数
275社(2012年12月31日現在)
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2014.10.17
キャノンの企業理念
キヤノングループの企業理念は『共生』です。
わたしたちは、この理念のもと、文化、習慣、言語、民族などの違
いを問わず、すべての人類が末永く共に生き、共に働き、幸せに暮
らしていける社会をめざします。
しかし、経済、資源、環境など、現在、地球上には共生を阻むさま
ざまな問題があります。
キヤノンは、共生に根ざした企業活動を通じて、これらを解消する
ため、積極的に取り組んでいきます。
真のグローバル企業には、顧客、地域社会に対してはもちろん、国
や地域、地球や自然に対してもよい関係をつくり、社会的な責任を
全うすることが求められます。
キヤノンは、「世界の繁栄と人類の幸福のために貢献していくこ
と」をめざし、共生の実現に向けて努力を続けます。
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キャノンの国際展開
•欧州
売上高
1兆0,140億円
従業員数
23,161人
•米州
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地域別売上高(2013~4年)
売上高(2013年)
3兆7,314億円
地域別従業員数
従業員数(2013年)
194,151人
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キャノン海外拠点業績
神戸大学
経済経営研究所
附属企業資料総合センターデータベースより
米国特許登録件数(2012年)
順位
権利者
件数
1
IBM
6,453
2
SAMSUNG ELECTRONICS
5,080
総合
日本企業
3
1
キヤノン
3,179
4
2
ソニー
3,033
5
3
パナソニック
2,781
MICROSOFT
2,618
東芝
2,448
8
HON HAI PRECISION INDUSTRY
2,016
9
GENERAL ELECTRIC
1,650
10
LG ELECTRONICS
1,631
6
7
4
キヤノンは8年連続で日本企業で第1位
※米国商務省発表による、週間合計件数として公開された数値をもとに算出。
※
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事業分野 売上高における内訳(%)
イメージングシステムビジネスユニット
産業機器その他ビジネスユニット
オフィスビジネスユニット
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キャノンのビジネスユニット別売上高推移
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キャノン
売上高推移
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キャノンの会社沿革
1968年
キヤノン販売の前身、キヤノン事務機販売、キヤノ
ン事務機サービス設立
キヤノンNPシステムを発表、普通紙複写機分野に
進出
1969年
キヤノンカメラ販売設立
1970年
パーソナル電卓市場に進出
1970年
国産初の普通紙複写機「NP-1100」発売
国産初の半導体焼付装置「PPC-1」発表
1971年
最高級一眼レフカメラ「CANON F-1」およびFDレ
ンズ発売
1972年
キヤノン販売、完全週休2日制採用
世界初の液乾式普通紙複写機「NP-L7」発売
1975年
レーザービームプリンター(LBP)の開発に成功
LBP開発=世界競争 ⇒ アメリカ・パロアルト研究
所が1973年にLBPの原型を開発
1983年
キヤノン販売、東証一部に上場
アップルコンピュータと販売提携
実はそれ以前から、海外生産拠点を開拓
1984年
01(ゼロワン)ショップ1号店を新宿に開設
世界最小・最軽量のレーザービームプリンター「LBP-8A/CX」発
売
世界初のCOM用普通紙リーダープリンター「PCプリンター70」発
売
ハイビジョン用ズームレンズ「PV14×12.5B HD」発表
1985年
キヤノン販売、日本タイプライターに資本参加
日本IBM社とワークステーション、パソコンの販売提携
世界初のバブルジェット方式インクジェットプリンター「BJ-80」
発売
複合電子ファイル「キヤノファイル 5500」発売
1986年
ヒューレット・パッカードとワークステーションの販売提携
イーストマンコダックと最先端医療機器で業務提携
ポータブル複写機「ファミリーコピアFC-3/5」発売
1987年
キヤノン、会社創立50周年
KDD(現:KDDI)と共同で、ハイビジョンのデジタル符号化装置
を開発
AF一眼レフカメラ「EOS」およびEFレンズ群発売
フルカラーデジタル複写機「カラーレーザーコピア1」発売
普通紙にプリントする電子黒板「ボードコピアA-1」発売
日本語対応のLBP「LASER SHOT」シリーズ発売
世界最高倍率、50倍TVズームレンズ発売
射出成形CAEシステムソフトウエア「CAPLAS」外販開始
1988年
キヤノンスター設立
Canon Software America,Inc.設立
「カラーバブルジェットコピア1」発売
GENESIS搭載の「キヤノフアクス705」発売
世界最高60万画素CCD搭載のスチルビデオカメラ「RC-760」発売
フロッピーカメラ「Q-PIC」発売
1989年
キヤノン営研とキヤノンシステム販売が合併し、キヤノンシステム
営研設立
キヤノントレーディング設立
NeXTと販売提携
カラーステーション「カラーレーザーコピア500(PIXEL DiO)」発
売
最高級AF一眼レフカメラ「EOS-1」発売
1990年
日本サン・マイクロシステムズと販売提携
「カートリッジ回収リサイクルシステム」の展開開始
高速複写機「NP-9800」発売
インクジェットノートプリンター「BJ-10」シリーズ発売
光磁気ディスク採用の電子ファイル「キヤノファイル250」発売
1991年
クレイ・リサーチ社と販売提携
強誘電性液晶ディスプレー(FLCD)を発表
カメラの累計生産台数6,000万台を達成
交換レンズ方式8ミリビデオカメラ「LX-1」発売
8ミリビデオカメラ「ビデオアイ」シリーズ発売
1992年
LBPの累計生産台数1,000万台を達成
カートリッジの累計生産本数1億本を達成
世界初偽造防止技術搭載の「カラーレーザーコピア550(PIXEL
DiO2)」発売
デジタル複写機「MEDIO GP55」発売
フルカラーインクジェットプリンター「BJC-820J」発売
世界初視線入力方式採用の「EOS5 QD」発売
手ブレ防止のバリアングルプリズム内蔵のビデオレンズ「T10GRF」発売
1993年
複写機の累計生産台数1,000万台を達成
カラー複写機の偽造防止広告が「第42回 日経広告賞」のOA事務機
部門で優秀賞受賞
インクジェットプリンター内蔵ノート型パソコンを日本IBM社と共
同開発
普及型の一眼レフカメラ「EOS Kiss」発売
キヤノンスター独自開発の眼内レンズ発売
インクジェットフルカラー複写機「PIXEL JET S」発売
1994年
パソコン通信にお客さま窓口「キヤノンステーション」開設
インクジェットプリンターの累計生産台数1,000万台を達成
カメラの累計生産台数8,000万台を達成
世界初のフルカラー自動両面コピーを実現した「カラーレー
ザーコピア800(NEW PIXEL DiO)」発売
視線入力、光学式手ブレ補正機能搭載のビデオカメラ「ムー
ビーボーイE1」発売
1995年
防振機能付き双眼鏡「12×36 IS」で34年ぶりに双眼鏡市場に参入
4連感光ドラム高速カラー複写機「カラーレーザーコピア1000
(PIXEL MAX)」発売
世界初の一眼レフ用手ブレ補正ズームレンズ「EF75-300mm F4-5.6 IS
USM」発売
デジタル一眼レフカメラ「EOS DCS3」発売
世界初の強誘電性液晶カラーディスプレー(FLCD)発売
世界初の全自動ソーラーエネルギーカメラ「オートボーイSE」発売
1996年
キヤノンレスポンスサービスの前身、日本レスポンスサービス
設立
キヤノンソフトウェア、キヤノンソフト技研を子会社化
Jリーグのオフィシャルスポンサーを開始
APS対応のコンパクトカメラ「IXY」発売
エキシマレーザー採用のステッパー「FPA-3000EX3」発売
1997年
キヤノンビジネスサポートの前身、キヤノテックプロフェッショナ
ルサービス設立
カメラの累計生産台数1億台を達成
画質重視のデジタルビデオカメラ「MV1」発売
オンデマンド・デジタルプリントシステム「HYPERPHOTO
SYSTEM」発売
液晶基板露光装置「MPA-5000」発売
1998年
キヤノン販売、マルチメディアとネットワーキングを提供する
「M&Nソリューションカンパニー」への挑戦を企業コンセプト
の第一に掲げる
オフィスカラー複写機「PIXEL L(CP660)」発売
世界初45点測距AFを搭載した一眼レフカメラ「EOS-3」発売
大画面平面センサーを搭載したデジタルラジオグラフィー
「CXDI-11」発売
1999年
東京事務機販売とエコーキヤノンビーエムが合併し、キヤノンビーエ
ム東京に社名変更
湘南テクノ販売から、キヤノンビーエム神奈川に社名変更
映像エンジン「DIGIC」を搭載したデジタルカメラ「PowerShot S10」
発売
カラー機能を備えた家庭用ファクシミリ「CF-H30CL」発売
新開発プリントヘッド技術、New Micro Fine Droplet Technology搭載の
インクジェットプリンター「BJ F850」発売
2000年
グループビジョン「グローバルな視野をもつマーケティングテクノロ
ジーカンパニー キヤノン販売グループ ― 人の創造力を支援するデジ
タルソリューションプロデューサーへ」を策定
キヤノンコピア販売からキヤノンシステムアンドサポートに社名変更
最高級一眼レフカメラ「EOS-1V」発売
カードサイズデジタルカメラ「IXY DIGITAL」発売
CMOSセンサー搭載デジタル一眼レフカメラ「EOS D30」発売
2001年
日本タイプライターからキヤノン・エヌ・ティー・シーに社名変更
インクジェットプリンターを「PIXUS」、デジタル複合機を
「imageRUNNER」、ドキュメントソフトウエアを「imageWARE」
とするなど、新ブランド名を策定
2002年
ソリューションサービス設立
プロ用デジタル一眼レフカメラ「EOS-1Ds」発売
カラー複合機「Color imageRUNNER iR C3200/C3200N」発売
4連垂直インラインエンジン搭載「LBP-2810/2710」発売
2003年
キヤノン販売、社内カンパニー制スタート
キヤノン販売「プライバシーマーク」を取得
光学防振機構を内蔵した放送用TVレンズ「DIGISUPER 100 xs」発売
全色顔料インク採用の大判プリンター「W8200」発売
解像度80nmのArFスキャニングステッパー「FPA-6000AS4」出荷開始
2004年
キヤノン販売グループ281拠点でISO14001取得
2005年
DIGIC II搭載のコンパクトフォトプリンター「SELPHY CP600」発売
2006年
キヤノンマーケティングジャパングループ長期経営構想フェーズI
(2006~2010)スタート
キヤノン販売からキヤノンマーケティングジャパンに社名変更
キヤノンマーケティングジャパン、1単元の株式数を100株に変更
キヤノンシステムソリューションズがFMSを子会社化
キヤノンファシリティマネジメントからキヤノンビジネスサポートへ
社名変更
2007年
キヤノンソフトウェアが蝶理情報システムを子会社化
キヤノンマーケティングジャパンがアルゴ21を子会社化
2008年
キヤノンシステムアンドサポートが、山陰キヤノン事務機、キヤノ
ンビーエム東京・神奈川・大阪3社を合併
キヤノンシステムソリューションズとアルゴ21が合併し、キヤノン
ITソリューションズ設立
アルゴインテリジェントサービスをAISに、アルゴエデュケーショ
ンサービスをAESに社名変更
キヤノンITソリューションズがビックニイウスを子会社化、クオリ
サイトテクノロジーズに社名変更
インクジェットプリンターメーカー6社と日本郵政グループ2社によ
る「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」に参画
コンパクトデジタルカメラの累計出荷台数1億台を達成
EFレンズの累計生産本数4,000万本を達成
フルHD動画撮影を実現した「 EOS 5D Mark II」発売
自社開発の反射型液晶パネルLCOS搭載の液晶プロジェクター「パ
ワープロジェクターSX80」発売
ダブルメモリー搭載のデジタルビデオカメラ「iVIS HF10」発売
2009年
キヤノンITソリューションズが医療ソリューション事業をFMSに移管、
FMSからキヤノンITSメディカルに社名変更
AISとソリューションサービスが合併し、キヤノンビズアテンダ設立
キヤノンマーケティングジャパンがエヌ・アール・アイ・ラーニン
グネットワークを子会社化、エディフィストラーニングに社名変更
キヤノンシステムアンドサポートのグラフィックセンターとキヤノ
ンビジネスサポートのPODセンターが統合し、子会社キヤノンプリ
ントスクエア設立
キヤノンマーケティングジャパンがエプソン販売と一部の販売店向
けに共同配送を開始
ハイブリッドISを搭載した交換レンズ「EF100mm F2.8L マクロ IS
USM」発売
散瞳/無散瞳の両方式で撮影できるハイブリッド眼底カメラ「CX1」発売
フィリップス社製 自動体外式除細動器「AED」取り扱い開始
OPTOPOL社製OCT装置「スペクトラルドメイン SPOCT-HR」
2010年
ITソリューション事業を統括する中間持株会社 キヤノンMJアイ
ティグループホールディングス設立
キヤノンフィールドアシスト設立
半導体露光装置および液晶基板露光装置の事業をキヤノンに譲渡
キヤノングループの一員となったオランダ・オセと連携し、商業印
刷事業を強化
クラウドビジネスを推進する中心的組織 クラウドビジネスセン
ターをキヤノンITソリューションズに設置
社会貢献活動「未来につなぐふるさとプロジェクト」開始
プロダクション複合機「imagePRESS C7010VP」発売
全面タッチパネル方式の液晶モニターを搭載したコンパクトデジタ
ルカメラ「IXY 10S」発売
インテリジェントタッチシステムを搭載したインクジェット複合機
「PIXUS MG6130」発売
オンラインフォトブックサービス「PHOTOPRESSO」開始
ワイヤレスタイプのデジタルラジオグラフィー「CXDI-70C
Wireless」発売
2011年
キヤノンマーケティングジャパングループ長期経営構想フェーズ II
(2011~2015)スタート
キヤノンマーケティングジャパンが、執行役員制度を導入
キヤノンマーケティングジャパンがエルクコーポレーションを子会
社化
キヤノンマーケティングジャパンが日本オセを子会社化
キヤノンマーケティングジャパンが昭和情報機器を子会社化
キヤノンカスタマーサポート、コンタクトセンター業務の国際的な
品質保証規格「COPC-2000® CSP4.4版」を国内で初めて全拠点一括
で取得
Océ社製業務用高速・連帳プリンター「Océ ColorStream 3500」発売
キヤノンマーケティングジャパングループ クラウドサービス基盤
「SOLTAGE」稼働開始
全自動撮影機能を搭載した、エントリー向けデジタル一眼レフカメ
ラ「EOS Kiss X5」発売
2012年
台灣佳能先進科技股份有限公司設立
エス・エス・ジェイがスーパーストリームに社名変更
Canon IT Solutions(Thailand) Co., Ltd. 、 Canon IT Solutions
(Philippines), Inc. 設立
エルクコーポレーションがキヤノンライフケアソリューションズに社
名変更
CSR活動の一環として復興支援活動「みんなの笑顔プロジェクト」を
開始
「西東京データセンター」稼働、アウトソーシングサービス事業を強
化
映画制作機器「CINEMA EOS SYSTEM」発売、映像制作市場に参入
業務用フォトプリンター「DreamLabo 5000」発売、業務用フォトプリ
ント市場に参入
新開発の35mmフルサイズのCMOSセンサーとDIGIC5を搭載したデジ
タル一眼レフカメラ「EOS-1D X」「EOS 5D MarkIII」発売
MRシステム「MREAL」発売
ミラーレスカメラ「EOS M」発売、ミラーレス市場に参入
ケース分析のポイント
1.キャノンの企業としての強みは何か?
2.キャノンの強みを獲得していく転機となったイノベーション
(製品、戦略)とは何か?
3.キャノンのグローバル戦略とは何か?
4.キャノンは将来もグローバル企業として生き残れるのか?