本誌PDF - 日本工業出版

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4 0 巻 第 │ │ │ │ 1卜巷4 / / ' │ , ◆ 昭和4 ( ) 午] 0 周[ ) 嶋 3 1 車
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特集 : 建設ロボット・自動化 。無人化技術
建
発
行 : 日本工業出版
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設機 械 と機械化 施 工 の 専 門誌
Cons,rucflon Machinery and Equ:Pmenf
477.Vo:.40.No.11
自然に優しく、
容易な運転操作と経済性の
高性能を高次元で扁
1含
豊かな自然との共存をはかりながら、経済性と高性能をハイレベルで両立。
最先端技術 SttARE(ス テア)‐
HST*を
採用した
21世紀の規範となるべきホイールロータc
それがFiト リフルE)LOADER WA320‐
■電子市t i l て
シフト操4 を フルオート化 最先♯テクノロシー [ より
言" 率 で安全な 塚動を実現します
5で す。
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320‐5
●定 格 出力 124kw(1
O原 準八ケット
容量 30m3
6 8 p s ) / 2 0p 0m 0 「
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KOMrsu httpゾ /www.komatsu、
2004.1l Vol口
40 No.11
CONTENTS
Conslruction Machinery ond Equipmon,
■特集 :建 設 ロボ ッ ト ・自動化 0無 人化技術
● 国 土 交 通 省 に お け る ロ ボ ッ ト等 を 活 用 し た 施 工 技 術 に 関 す る 取 り 組 み ¨。
国土交通省 鹿野 安彦 1
●道 路 補 修 作 業 機 等 の ベ ー ス マ シ ン
・
…………………………・
。
東京工科大学 山下 俊公 ―柳 健
● ヒ ュ ー マ ノ イ ドロ ボ ッ トに よ る 重 機 代 行 運 転
・
………………・
・
蝕)産業技術総合研究所 横丼 ―仁
5
10
●3次 元マシンコン トロールシステム … ……………………………………いトプコン 棚橋 昌史 15
●簡易遠隔操縦装置 (ロボQ)の 災害復旧への適用
¨¨¨¨¨・
・
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・
・
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・
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・
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・
¨……ぃフジタ 渡部 幸浩・
間野 実 三村 洋一 川上 勝彦 21
。
……………………………・
●富士山源頭域 における吹付 ロボッ トの開発 ・
国土交通省 石川 裕-26
・
…………………………。
●関空2期 用地造成工事 における情報化施工 ・
関西国際空港m石 原 弘-30
●ケ ー ソ ン無 人 化 据 付 シ ス テ ム
●宇 宙 ロ ボ ッ ト技 術
・
・
……………………………………………・
五洋建設い 真鍋 匠
35
・
……………………………………・
・
宇宙航空研究開発機構 稲場 典康 ・小田 光茂 40
・
……………………………………・
本州個 国連絡橋公団 廣田 昭次 45
●海 峡 部 橋 梁 塗 替 塗 装 ロ ボ ッ ト ・
■技 術 資 料
B市整備局 50
●東京都市計画 (23区 )「
都市再開発の方針」の変更 ………………………………東京都者
・
…………………………………………………・
国土交通省 増尾 健 56
●道路標識点検手法の開発 ・
■新工法
● 浅 深 度 ・大 深 度 に お け る 泥 土 圧 式 シ ー ル ドエ 法 へ の 適 用
。
・
……………・
大成建設ω 伊東 憲
・
ー ン
………・
西松建設m吉
●大 型 ク レ
不要な煙突解体工法の開発 ・
田 正
60
土橋 ヂ6雄 万代 智也 64
・
・
・
・
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…・
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・
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・
三信建設工業い 和 田 宏幸 69
● レ コ ウ ォ ー ル [E法 ¨……・
■業界情報
0日本建設機械工業会 フ4
●2004年 6月 度 建 設機械出荷金額統計 ………………………………………・
﹁︱ ︱︱ ︱︱ ︱︱
ヨヒ欧 で生 まれ た技 術 が あります 。
環 境 ・安 全 ・品 質 一
設 立 以 来 揺 るが ぬ ボル ボ の コア バ リュー 。
ボ ル ボ な らで はの 低 回 転 。高 トル クエ ンジンが もた らす 燃 費 効 率 と低 騒 音 、
そして 、特 許 機 構 の バ ケ ットリンケ ー ジに よる掘 起 力 。
長 く、遅 しく、自然 と戦 うため の マ シンです 。
・
・More care Buntin― ・ 世 界 で言
・
忍め られ たフレー ズ で す 。
More care
日本 ボルボ 株 式 会 社 ボル ボ 建 設 機 械 事 業 部
T105-0001 東
京都港区虎ノF 5 4 - 3 - 1 3 秀和神谷町ビル 1 1 階
TeL 03-5404-0312
Fax: 03-5404-0313
資料請求No 004
国土交通省におけるロボット等 を活用 した施工技術 に関する取 り組み… (1)
建設ロボット ・自動化 ・無人化技術
C0407-13
国土交通省における ロボ ッ ト等 を活用 した
施 工技術 に関する取 り組 み
国土交通省 鹿 野 安 彦
Yasuhiko Kano
1. は じめに
土 木工 事 においては、災害復 旧現場 のほか、地下
空間、 トンネル、急傾斜地、土壌汚染地 にお け る工
事 など、危険や苦渋 を伴 う作業が含 まれてい ること
が 多 い。 この よ うな建設施 工 の作 業環境 を改 善 し、
作業 の安全性 を向上 させる新 しい技術 と して、人 に
代 わつて ロボ ッ ト等 が作業 をする 甲ボ ッ ト施工が考
えられて い る。
製造業 の分野では、生産性、精度、品質 を高 める
ために産業用 ロボ ッ トが様 々 な形態で活用 されて い
るが 、建設施工 の分野 では、 ロボ ッ ト技術 の活用事
例 は まだ多 くないのが現状である。 これ までに実用
されて きた主 な建 設施 工用 ロボ ッ トとしては、災害
復 旧用 バ ックホ ウ、 ブル ドーザ等 の遠 隔操作技術
(リモ コン技術 )、シール ドトンネルの全 自動運転 の
ような自動化 ・複合施 工技術等があるが、緊急的 に
実施す る災害復 旧等 の特殊現場 など、特定 の現場 へ
の適用 にとどまってお り、建設施工用 ロボ ッ トの開
発 ・普及 が広 く進 め られてい ないのが現状で ある。
そ こで 、国土交通 省 では、平成 15年 度 よ り平成
19年 度 までの 5ケ 年 の計画 で 、最先端 のITや ロボ
ッ ト技術 を活用 し、既 にある災害復 旧現場等 におけ
る ロボ ッ ト施 工技術 の汎用性 を高 めるとともに、施
工 現場 におい て容易 に利用可能 な 3次 元空間デー タ
を用 いた施 工技術 や遠隔操作 ロボ ッ ト等 による施 工
技術 の研 究開発 に着手 した ところで ある。
本稿 では、 国土交通省 におけるこの ような ロボ ッ
ト等 によるIT施エ システムに関す る技術開発 の取組
みの計画 につい て、その概要 を紹介する。
0385‐
9878/C14/¥500/論
文″cLS
2 . 遠 隔操作 ロボ ッ ト等 に よる施 工 技 術 の
開発
2-1 研
究開発 の 目標
遠隔操作 ロボ ッ ト等 による施 工 技術 の 開発 では、
土工作 業 におけるバ ックホウとダ ンプ トラックによ
る土砂 の掘削、積 み込み、運搬 を行 う施 工工程 を主
な対象 とし、 この施 工工程 におい て、 ロボ ッ ト化 さ
れたバ ックホウや ダ ンプが、現場の施 工状況 を自律
的 に判 断 して作 業 を進 めて い くため に必 要 な技術
( 施エ ロボッ トのハ ー ドウェア、 ソフ トウェア、施工
技術 ( 設計 、施 エ プ ロセス、作業計 画 を含 む) ) の
開発 を行 う計画 としている ( 第 1 図 参照) 。
遠 隔操作 ロ ボ ッ ト等 による施 工 技術 の 開発 目標
は、以下の よ うに設定 してい る。
① 作 業装置自動動作、単独ロボット作業、ロボ
ッ ト組み合 わせ作業 の それぞれの レベ ル におけ
る操作市1 御アル ゴ リズムの設計手法 の提案
② ロ ボッ トによる自動施エ プロセスを含 むマン
マシン (人と機械)協 調型 ロボット施エシステ
ムの設計手法 の提案
③ プ ロ トタイプシステムを構築するための要素
技術 の開発
●施 工 状 況 計 測 シス テ ム
●遠 隔操 作 環境
●施 エ ロ ボ ッ トベ ー スマ シ ン
●ロボ ッ ト制御 ソフ トウ ェ ア
場 セ ンサ ー等 を活 用 した施 工 状 況 の
2-2 現
計 測 技 術 の 開発
(1)施 工状況計測 システム
施 工 状 況 計 測 システ ム とは、 ロボ ッ ト施 工 にお い
て 、 ロ ボ ッ ト自身 (あるい は部 分 的 には遠 隔操 作 を
建設機械 2004.
﹁︱︱︱︱
国土交通省におけるロボット等を活用 した施工技術に関する取 り組み…(2)
G P S 衛星
k 然
〆
Ⅷ
:
請
彩
瑳
マンマシン協調型の遠隔操作施エロボット】
【
C⊃
●マ ンマシン協調型 の操作制御 アルゴリズム
(マンマ シン役割分担、3次 元施工情報活用等)
0マ ンマシン協調型 の遠隔操作環境
(3次 元情報 。映像 の活用、VR技 術等 を活用
した遠隔操作環境)
第 1図 遠 隔操作 ロボッ ト等による施工技術 の開発の概要
担 当す るオペ レー タ)が 自律 してその時 点 の施 工 状
況 につ い て認 識 す る とともに、次 の作 業 (動作 )計
2-3 マ
画 を立 案 し、作 業 を進 め て い くため に必 要 とな る施
( 1 ) 操 作制御アル ゴリズム
ンマ シ ン協 調 型 の遠 隔操 作 制 御
技 術 の 開発
工 状 況 を計 測 す る シス テムであ る。
計 測 の対 象 と して は、 ロボ ツ ト施 工 時 の施 工 対 象
ロボ ッ トによる施 エ プ ロセスにおいては、各 ロボ
ッ トは 「
移動」、「
掘削」、「
積 み込 み」等 の要素作業
(掘削 対 象 地 盤 、盛 土 な ど)の 位 置 、形 状 や施 エ ロ
ボ ッ ト自身 の位 置 、向 きな どで あ る。 これ らの デ ー
タの コ ンピュ ー タに よる情 報 処 理 にあ た つて は 、 3
を適切 な手順の もとに実行 してい く。 また、個 々の
発 進」、「
停 止 」 や 「ブ ー ム 上 げ」、
要素 作 業 は 、「
「アー ム引 き」等 の個 々の単位動作 の組 み合 わせで
ー
次元 空 間 デ ー タモ デル を基 本 とす る施工 状 況 デ タ
モ デル に よつて行 う。
(2)デ ータ伝達 システム
実行 される。 さらに、個 々の単位動作 では、掘削負
バ ケ ッ トヘ の土砂取込 」等 の 目
荷等 を受 けなが ら 「
施 エ ロボ ツ トや計 測 装 置 と遠 隔地 に設 置 され た制
御 装 置 、 オペ レー タ との間で計 浪1情報 や制御 情 報 を
適切 な速 度 で伝 達 して制御 を行 うため に必 要 となる
デ ー タ伝 達 システム を開発 す る。既 存 の無線 LAN等
を活 用 した シス テ ム を基本 と して、 ロボ ッ ト施 工 に
ー
必 要 とな る映像 や リア ル タイムの 3次 元 デ タを含
む施 工 状 況 デ ー タ、 ロボ ッ ト操 作 制御 デ ー タ等 を安
定 して適 切 な速 度 で伝 達 で きる シス テ ム とす る。
2 建 設機械 2004.H.
的 の動 きを行 う必要 がある。
この よ うに、各 々の要素作業 を実行す るための単
位動作 の組み合 わせ 実行手順、単位動作 における目
的 の動 きの実行手順 を施 エ ロボ ッ トにお いて実現す
るための操作制御 アル ゴ リズムの 開発 を行 う。
なお、アル ゴ リズムの開発 では、対象作業 ・動作
の特徴 に応 じて、マ ンマシン (人と機械)の 役割分
担、 3次 元情報活用 による施 工状況把握 に配慮 しな
が ら検討 を進めてい く。
国土交通省におけるロボット等を活用した施工技術に関する取り組み…③
(2)遠 隔操作のための技術
施工状 況 の 3次 元情報や映像 を活用 し、遠隔地 に
い るオペ レー タが施 エ ロボ ッ トに対 して、自動 で実
施すべ き要素作 業 の指示 を与 えるための遠 隔操作技
術 を開発 す る。オペ レー タに対 す る情報表示 は映
像、 3次 元情報 によるVR(バ ーチ ヤル リアリテイ)
技術等 を活用 し、施 工状 況 の把握が容易でオペ レー
タの作業指示入力 に適 した もの とする。 また、作 業
指示 デー タが ロボ ッ ト施 工のプ ロセスに対 して妥当
なもの となっているか、 シ ミュレー シ ョンを行 う機
能 を有す るもの とする。
2-4 遠
隔操作施 エ ロボ ッ ト技術 の開発
(1)ロ ボット施エシステム
建設 工 事 はい くつ かの施 工工程か ら構成 されてお
り、それ らの各 工 程 は複数 の単位作 業 か ら構 成 さ
れ、さ らに、各単位作業 は複数 の要素作業 か ら構成
されてい る。本 ロボ ッ ト施エ システムでは、そ の単
位作業 の実施 を考慮 しつつ各要素作業 のロボ ッ ト施
エ システムを設計 してい く必要があ る。
工事 の単位作業 では複数 の機械 の組 み合 わせ作業
(例 :バ ックホウとダンプによる掘削 ・積 み込 み ・
運搬)で 実施 される ことが多 い。 ここでは作業分析
として単位作業 を各 々の要素作業 に分析 し、さらに
単位動作 レベ ルまでの分析 を行 う。 これ を踏 まえて、
作業装置 の位置や機械 の姿勢等 を計測する機能及 び
それ らを+ 1 御す る機能 を開発す る。
3.3次
元 空間 デ ー タ を用 い た施 工 技 術 の
確立
建設機械 による土 木作業 は、起伏、がけ地 などの
複雑 な地形の上で盛土 など所定の構造物 を造 るもの
である。そこで遠 隔操作 によ り円滑 に動 作 させるた
めには、位置、形状、方向な ど3 次 元空 間デー タを
電子情報 で とらえて、的確 に伝達 し、管理する高度
な技術が不可欠である。また、これ らの成 果 は、遠
隔操作 による建設機械 の 開発 に資す るだけでな く、
同時 に全 国の一般施 工 現場 での測量、設計、工 程管
理等業務 にも導入 し、土木施工 業務 全体 の効率化、
コス ト縮減、品 質向上 を図 る。
3Tl 土
木施 工のための3 次 元空間デ ー タ取 得
管理 システ ムの技術開発
工 事測量 ・設計 デー タの 3 次 元空間デー タを施 工
で高度利用す るとともに、建設機械施工の 自働化 ヘ
の導入 のために必要な 3 次 元空間デー タ取得管理 モ
デルを開発す るため、次 の項 目について研究 を行 う
( 第2 図 参照) 。
① 3 次 元空間デー タ取得管理 システムの開発
土工、舗装工など土木工事 の代表的で基本的 な工
ロボ ッ トによる施 エ プ ロ
ロボ ッ ト施 エ システムの
試設計 、さらにその設計
手法 の検討 を行 う。
の建設機械 をベ ースマ シ
ンとして開発 を進めること
になると考 えられるが、既
存 の機種 では動作 の 自動
出来形
丁張 り
真
(2)施 工動作自動化技術
建設施 エ ロボットは、従
来 か らある二 般 の油圧式
N階 層構造の3次 元施工情報
御中仰
セスの 構 築 手 法 の検 討 、
巻き尺、
I「丁張 り、丁張 リレス
設 計
制御 のため には油圧市1御
回路等 に課題 があ り、ま
た作業装置 の位 置 や機械
の姿 勢等 につい て数値 に
地 形
地形測量 (電子平板、
GPS、航空写真)
よって制御する機能 を有 し
ていない。そ こで、施 工 動
座 標
作 の 自動 化 を行 うための
制御 が可 能 となるように、
階層別に情報の電子化、再利用が容易であることが理想
第 2図 3次 元空 間デー タの統合 と高度利用
世界測地系、測地成果2KXXl
建設機械 2004.H.3
…
国土交通省におけるロボット等を活用 した施工技術に関する取り組み ④
TS
種 を対 象 に、GPS(Global Positioning System)、
ー ザ ー ス キ ヤナ ー な どを用 い て地
レ
(Total Station)、
形情報 を取得す る個別 の計測技術 を活用 し、設計情
報、計測情報、建設機械 +1御それぞれのシステム間
で相互運用 で きるデー タ取得管 理 システムの開発 を
行 う。
ー
② 3 次 元空 間 デ タ取得管理 シス テムの改良、
ー
対象 工 種拡大 ( コンクリ トエ等 )
基本 工種 についての 3 次 元空間 デー タ取得管 理 シ
ス テ ム を拡 張 し、他工 種 ( コン ク リー トエ 、型枠
工 、鉄筋工 、道路付属物 工 ) に も拡大する。品質情
報 に関す る項 目につい ては、位置、形状 モデルに参
② 3次 元空間座標等による品質 ・出来形デー タ
の効率的 な管理技術 の開発
施工現場 より大量 に収集できる品質、出来形管理
デー タを効率的 に管理する技術 の開発 を行 う。
③ 3次 元空間デー タを利用 した作業目標や竣工
デー タの生成技術、既存GISデー タ更新技術 の
開発
設計情報 、地形情 報 の 3次 元 空 間デ ー タを用 い
て、建設施 工の 自働化 に活用 し、建設機械が行 う作
業 の効率化 を図 り、作業 中の施 工情報 を記録 してお
くことで竣エ デー タの生成 を効 率的 に行 い、管理情
報 としてGISデ ‐ 夕を更新する技術 の 開発 を行 う。
照付 けす ることで、品質管理情報 の付加価値 を高 め
てい く。
ー
③ 3 次 元空 間デ タ取得管 理 システム仕様 試
行 ・普及促進
3 次 元空間 デー タ取得管理 システムによる建設 施
これ らの個別技術 開発 を効 率的 に促進 し、統合 し
てい くために、建設施 工全 体 のシステム像 (システ
ムアー キテクチ ャ)の 構築 を行 う予定 である。
工の 自動化 によつて、建設施工全 体 の効率化 を図る
ため 、 システ ム 開発 の 要求仕様 を作 成 す る ととも
に、現地試行実験 を行 い、普及促進 に努 めてい く。
3-2 土
木施 工のための 3 次 元空間デー タ活用
本稿 では、国土交通省 における ロボ ッ ト等 による
IT施エ システムに関す る技術 開発 の取 り組 みについ
て、その概要 を紹介 した。本研究 にお いて開発 を進
システムの技術開発
3 次 元空間デー タを活用 した地形測量、設計、出
来形等 の業務 プ ロセスモデルを開発 し、建設 マ ネジ
メン ト全体 の効率化 を図 る ( 第3 図 参照) 。
4.お わ りに
めてい くロボ ッ ト技術 につい ては、プ ロ トタイプシ
ステ ム を製作 し、施工現場で の試験等 により機能 の
検証 ならびにその評価 を行 ってい きたい と考 えてい
る。
本 プ ロジエク トによ り研究開発 された技術 を活用
してい くことにより、建設施 工の遠隔操作 や 自動化
が より促進 され、危険地等 における苦渋作業 か ら開
放 されてい くとともに、防災や緊急対応 における ロ
ボ ッ ト等 の活用が国民 の公共 の福祉 の向上 に貢献す
ることを期待 してい るところである。
第 3 図 3 次 元空間デー タの利用効果
ー
① 3 次 元空間デ タを用いた効率的 な出来形確
・
認 工事数量算出 システムの開発
設計情報 とともにG P S 、 T S 等 を用 いた現場計測
情報 を用 いた、効率的で新 しい出来形確認手法、工
事数量算 出手法を実現するシステムの開発 を行 う。
4 建 設機械 2CX14.H.
筆者紹介】
【
鹿野 安 彦
国土交通省 総 合政策局 建 設施工企画課 課 長補佐
〒100-8913 東
京都千代田区霞が関2-1-3
TEL:03-5232-8286 FAX:03-5253‐ 1556
E―
mail:kano―y2xOmlit.gojp
道路補修作業機等のベースマシン… (1)
建設 ロボ ッ ト 。自動化 ・無人化技術
C0408-12
道路補修作業機等のベー スマシン
=フ ィール ドロボ ッ トMr.Armadilloの
開発 =
東京工科大学 山 下 俊 公 。 一柳
Toshihiro Yalnashita
健
Kcn lchivu
1. は じめ に
我久 はフイール ドで活躍 で きる フイール ドロボ ッ
トMr.Amadilloを開発 してい る。最初 の 目標 は道路
補修 である。小規模 エ リアでの路面補 修 にお い て現
在挙 げ られる代表的な問題点 は、
① 工 期が長 くコス トがかかる
② 補 修後の耐久性が低い
である。この理由は、ロー ドカッター等 により路面
に対 し垂直に切削が行われ、その後そのまま剥離 ・
アスファル トの充填 が行 われているためで あ り、補
修後通行す る車両等 の荷重 により沈下 して しま うか
らである。そこで本研究 では、任意 の角度 で 目標 を
切削す ることの 出来 るエ ン ドミルカッタによ り、路
面 を高速かつ テ ーパ ー を付 けて削 るとい う新 しいコ
ンセ プ トを実現す る新 しい形式 の道路補修機 フイー
ル ドロボ ッ トを開発 した。 この フイール ドロボ ッ ト
の実用性 を確認す ることを目標 とし、完全 な無人化
施 工が可 能 なよう開発 を行 っている。
2.フ ィー ル ドロボ ッ トにつ い て
第 1図 に車両 を示す。本車両 は工 事現場 までの高速
移動時の運搬 コス ト削減 のため2tトラックの荷台 に
積載が可能 な仕様 になってい る。第 1表 に車両 の主
要諸言 を示す。
自走が可能 で、車体が軽量であるため車輪 には接
地面積 を稼 ぎ安定性 を得 るため ゴム クロー ラを装 備
し、切削 。剥離作業 を行 うため車体 フレー ム下 にス
0385‐
9 878/04/¥5鋤論 文/JCLS
第 1表 フ イール ドロボ ッ ト主要諸言
Enginc
Forln
Enginc displacemcnt
MCdC W ISM CON843L―SH5
1,662cc
Full lcngth
2,680mm
Span
1,5 1 lrrlm
Total hcight
1,8110mm
Tare
1,98Kllmll
Tread
1,341rrlrn
Weight of thc body
1,Ⅸ χk=
Work machine wcighl
ヽ
Veight of rubber crawler(Four)
Vehiclc gross wcight
n
m a
u
m “
i
x
a m
M
(1)車 両概要
本研究 で開発 してい る車両 は、小規模 エ リアにお
い て路面 の補修 を行 うフイー ル ドロボ ッ トである。
第 1図 フ ィー ル ドロボ ッ ト外観
at thc running
at thc work
Full speed
280kg
1,430kg
Right dioclon
30dcg
Left drection
30deg
Right dlrccion
90dcg
Len drccuon
30deg
3 3knvh
Sakes anglc
±7dcg(Only thc nosewhccl)
Gear mcthod
Steplcss drivc by HST
Drive mcthod
4WD(Back and forth indepcndence system)
Stecllng method
4WS(Z link mccllanism by the crallk)
Wheel
Rubber crawler
建設機械 2004.H.5
道路補修作業機等のベースマシン…12)
チ ュアー トプラツ トフオーム型 6軸 パ ラレル リンク
モ ー シ ョンベ ース と 1軸 横移動機構 そ してエ ン ドミ
ルを装備 した作業機 とした。切 削 は、車両 の前後移
動 をx軸 、 1軸 横移動機構 による作業機 の移動 をY
ー
軸 として これらを仮想 X―Yテ ブル と扱 い、任意 の
ー
軌跡 を描 く。また、テーパ 付切削法 は、パ ラレル
ー
ー
リンクモ シ ョンベ スを用 い、エ ン ドミルカッタ
を路面 に対 して任意 の角度 で傾 けることで実現する。
(2)車 両の特徴
本車両 の特徴 として以下があげ られる。
●四輪操舵機構 (4WS機 構)
●四輪駆動機構 (4WD機 構)
●ゴム クロー ラと段差突破機構
四輪操舵機構 とは、 この車両 の車輪すべ てが操舵
で きる機構 のことである。走行時は、前輸 の操舵方
向 に対 し後輪 は逆方向 に操舵する。操舵範囲 は、前
Rear
第 3 図 同 位 相平 行移動 ス テ ア リ ング
輪が右方向 に30°後輪 が左方向 に30°である。第 2
図 に走行時 の操舵方法 を示す。 これによ り、狭 い所
での車 両 の方 向切 替 えやUタ ー ンが可 能 になるた
め、工 事作業性 の向上 ・移動時間の短縮 な どが得 ら
れる。第 3図 に作業時 の操舵方法 を示す。 これによ
り、車両 の向 きを変 えず に作業が行 えるため、作業
時間 の短縮 につ ながる。 また、前後輪右方向90°ス
テアリング時 に真横移動 が可 能 なため、車両 の通常
の進行方向 に対 して垂 直方向 の移動や、信地旋回 を
行 うことが可能である。第 4 図 に操舵 リンク説明図
を示す。
Hydraulic motor for the djve
Rcar
第 4 図 ス テ ア リ ング説 明 図
四輪駆動機構 とは、この車両すべ ての車輪 が駆 動
力 を発生する機構の ことであ る。 この機構 を採用 し
たのは、 この車両 はフイール ドロボ ッ トとして、舗
装 された道路だけではな く不整地 を走 る可 能性 があ
るために悪路での走行性能 を得 る必 要 があった。 ま
た、真横移動 を可 能 にするために全部 の車輪 を駆動
す る必要があ つたか らである。 これはH S T の 走行用
油圧 モ ー タで実現 してい る。
ゴム クロー ラを採用 した理由は、車両が小型 で軽
第 2図 逆 位相 ステア リ ング
6 建 設機械 2004.H.
量 なため、通常 の タイヤ方式では作業 中の切削抵抗
により動 いて しまう可能性がある。そのため、 ゴム
道路補修作業機等のベースマシン… (3)
ク ロー ラの接地面積 を増やす ことにより接地抵抗 を
増や した。 しか しこのゴム クロー ラが三角 形 の よう
な形状 を しているため に、後進する際 に5 0 m m 前 後
の段差がある とクロー ラ自身が回転 し、不安 定化 し
て しま う とい う問題点があった。そ こで クロー ラ 自
身 の 回転防止 と、階段程度の段差 なら乗 り越 えられ
るように、 クロー ラ横 に油圧 シリンダを搭載 し、 土
3 0 °の角度 を任意 にl l l 御
が可能な段差突破機構 を開
発 した。
第 5 図 に示す機構 を使用す ることによ り、3 0 0 m m
程度 の段差 なら乗 り越 えることが可能 とな り、不整
地 での走行性 が 向上 した。
第6図 モ ーションベース作業機
3.テ ー パ ー付 き切 削 法
道路補修機 の 1つ の応 用 としてマ ンホールの補修
が考 えられる。 これについてはエ ポエ 法等 の多 くの
工 法 の提 案が あ る。例 えば舗装 工 事 の まえに、掘
削 ・切肖J・舗装材料 の敷均 し、転圧等 の各種作業 を
支 障 な く行 う こ とが可 能 になる工 法 で ある。 さら
に、表層舗設後 にマ ンホール部分 を円形 に切 断 の う
え、マ ンホール上 部 の据付 け、復 旧を行 う。 したが
つて、 この工 法 の特徴 は舗装工事 における連続機械
化施工がで きることによる施 工性 の向上、一 時交通
開放時 の安全性 の確保 お よびマ ンホール周囲 の舗装
の平坦性が確保 で き、また走行騒音、振動 などを低
第 5図 段 差突破機構
減 させ、そのため沿道環境 の保全 が図れる。 この円
形切断施行 にモ ー シ ヨンベ ースを使用 したテーパ ー
付 き切 削法 を採用す れば、よ り耐久性 を得 る事 が期
待 できる。
実際 に行 つた切削実験結果 を第 7図 に示す。 アス
( 3 ) 道 路補修時 の作業機
作業部 は車体 中央下部 にスチ ュアー トプラッ トフ
ォーム型 6 軸 パ ラレル リンクモ ー シ ョンベ ース ( 以
下 モ ー シ ョンベ ース) と 一軸横移動機構 を装備 して
いる。
製作 した作業機 ( モー ションベ ース) を 第 6 図 に
示す。 このモ ー シ ョンベ ースはプ ラッ トフォー ム と
ベ ースが、 6 本 のス トラ トで結合 されてい る。 6 本
のス トラ トは直動 アクチュエ ー タも兼 ねてお り、長
さを変 化 させ ることによ り、サ ー ジ、ス ウェイ、 ヒ
ーブ、 ロール、 ビッチ、 ョーの 6 自
由度 を得 ている。
エ ン ドミルカッタまたは ドリルは プラッ トフォーム
の 中心部 に取 り付 けるようにな っている。
第 7図 テ ーパ ー付 き点切削実験結果
建設機械 2004.
¬
道路補修作業機等のベースマシン… (4)
ファル トの厚 さは道路 によつて変 わって くるが、最
も多 い厚 さの 1 0 0 m m に て実験 を行 な った。実験 に
よ り切削内部 のアスファル トは土の上か ら円形 の ま
ま取 り除 くことがで きる。孔 間の壁 は容易 に削 れる
ので 、近似 的 に円形状切 削 が可 能 な こ とが 半」明 し
た。 この内部 をマ ンホ ール とすればマ ンホ ールの上
部修繕 工事 の うち撤去工 程 まで非常 に容易 に行 うこ
とがで きる。
切削実験 では 1 孔 あた りの切削時 間 は約 5 秒 で 、
ー
φ8 0 ×2 0 孔のマ ンホ ル径 を切 削す る場合 は約 1 5 0
ー
秒程度 であつた。カッタ の構造材 質 や形状等 の工
夫 により、更 なる速度の向上が期待 で きる。
これによ り舗装 工 事 にお いて、路面 か ら突起する
マ ンホ ー ル上部 を事前 に撤去 し、施 工 性 の 向上や、
一 時交通 開放時 における安全性 を確保、マ ンホール
周囲 の平坦性 の確保 をすることによ り走行騒音、振
動 などを低減 させ沿道 環境 の保全 が 図 れる舗設 工法
を提供す ることは可能 となった と考 えられる。
4 . 無 線 遠 隔操 縦化 へ の取 り組 み
現在 、有人 による道 路補修機 を開発 して きたが、
さらに自動化 ・無人化 を追及するために遠隔無線操
縦 を試みた。遠隔操作 を行 うに当 たつて無線L A N を
使用す ることに した。第 8 図 に概要図 を示す。
フイール ドロボ ット
ヽ
コン トロール系
ロボ ッ ト
コン トロール
卿
映像確認
無線 LAN
ステア リング制御
へ
映像系
使用 してい る。実験 より障害物 のない見通 しの良 い
場所 な ら最低 300m間 の通信 が可 能 となっている。
また、作業工程 の監視や、前後左右 の障害物確認
のためにCCDカ メラを用 い るが、その際 の画像 デー
タ通信量 を考 え、画像確認 のための無線 LAN系 統
を用 い る。
完全 に無人にて作業 を行 うためにデ イーゼルエ ン
ジンを遠 隔 にて始動、停 止 を行 う。
エ ンジンイグニ ッシ ョン部 に回路 を製作 しPLCを
用 いて制御 を行 つている。 また、車両 を安全 に操作
が可 能 なように、無線通信が遮断 されると自動的 に
エ ンジンが停止 され るシステ ムになってい る。
現在、車両 に搭載 されているス テアリング角制御
には前後輪 1本 ず つ のシリンダを比 例弁 にて制御 を
行 っているために応答性が悪 く、作業者 の技量が必
要 であつた。今 回、無線遠隔操縦 を行 うためにサ ‐
ボ弁 に換装 し、任意 の場所 に対 し軌道制御が行 える
よ うに取 り組 んで い る。
5.フ ィー ル ドロボ ッ トの応用
(1)富 士大沢崩 れ防止用 として
わが 国 は急峻 な山岳地帯が多 く、常 に土砂災 害 の
危険 にさらされてい る。特 に有名 なのが富士 山 の大
沢崩 れが挙 げられ、その被害 は近隣だけでな く、富
士 山 自体 にも及 び、迅速 なる解決が望 まれてい る。
この問題 に対 してイ ンテ リジ ェン トかつ軽量 な小型
ロボ ッ ト車両 による無人化施 工で きれば、問題 の解
決 に大 きく寄与す ると考 えられるもそ して、 この条
件 を満 たす ロボ ッ ト車両 としてフイール ドロボ ッ ト
の不整地走行能力 を応用 し、 さらに当研究室で開発
されたスパ イラルマニ ピュレー タを使用す ることに
よ り、第 9図 に示す急斜面 の昇降が可 能 で作業 を行
える極 限作業 ロボ ッ ト車両 を考 えてい る。
第8 図 無 線操縦概要図
車両 の制御 は、指令用 PCか ら無線 LANを 介 して
A&D製 のAD5430を 通 して行 われている。車体 の前
ー
後移動 HSTの 斜板角市1御にステ ッピングモ タを使
ー
用 し、クロー ラの車軸 に配置 してある ロ タリーエ
ンコー ダにて位置検 出 を行 う。 また、ス テアリ ング
を動作 させた場合 の誤差 や、クロー ラのすべ り誤差
を補正す る為 にGPSを 用 い位置制御 を行 う。
無線 LANは 市販 品 を用 い 、屋外用 のア ンテナを
8 建 設機械 2004 H.
第9図 富 士山植栽 ロボットの構想図
道路補修作業機等 のベースマシン… ⑤
( 2 ) 地 雷探査処理機 と して
現在世界各国 で約 1 億 1 千 万個 ともいわれる地雷
が、全世界 に埋設 されて年間 2 万 6 千 人 もの人が負
傷 してい る。そ こでこのフイー ル ドロボ ッ トの特徴
を利 用 す るこ とに よ り狭 い場所 での移動 、方 向転
換、樹木 が生 い茂 ったジ ャ ングルで も障害物 を容易
に回避可能 と考 える。
また、 ゴム クロー ラを使用 してい るために不整地
等 の走行が可能 な ことも地雷探査 ・処理 を行 うため
には適 してい ると考 え、車体部分 にフィール ドロボ
ッ トを使用 した地雷探査処理車両 の 開発 を行 つた。
この車両 は、探査用 に金属探知機 を使用 し、探査補
助 ・処理用 に消火用 に用 い られてい るI F E X イ ンパ
6 . お わ りに
フィール ドロボ ッ トM r 、
Armadilloの
開発 につい て
述べ た。現在 このマシンは実際 の フイール ドで作業
で きる無線 ロボ ッ トまで進化 して きた。
目的 は道路補修機 ・地雷探査処理機 ・富士 山 ロボ
ッ トと揺 れてい るが、目的はただ 1 つ フィー ル ドで
活躍 で きる無人化知能 ロボ ッ ト車両 の 開発 であ り今
後 ともその進 化 に努 めたい。
謝辞
フィール ドテス トを行 うに当 たって、4 1 1 日
本建設
機械化協会 施 工 技術総合研 究所 の協力 をいただい
たことに誠 に感謝 します。
ルス銃 を搭載 して い る。第 1 0 図 に地 雷探査処理車
両 の外観 を示す。
<参 考文献 >
"、
( 1 ) 坂 田繁 : “アス フ ァル ト舗装工 事 の 施 エ ノ ウハ ウ
近代 図書
(2)T Terui, “Devclopment of field rObot",Spring,cOnf Japan Fluid
Powcr Systems,Tokyo,1999
(3)Y Hirako,“ Dcvelopmcnt of Flcld RobOt",SAE,Las Vegas,2001
(4)T Minoshima,“ Fundmental study of ncw road drilling and painting
systcrn by motion base", Powcr Transmission and motion control,
p213,BATH PTMc,2003
筆者紹介】
【
山下 俊 公
東京工科 大学 大 学院 工 学研究科
システム電子工学専攻 ― 柳研究室
〒192-0982 東京都 八王子市片倉町 1404-1
TEL i 0426-37-2938 FAX : 0426-37-5024
mail:toshi y@ichヮ mcch teu acjp
E―
一柳 健
東京 工科大学 工 学部 機 械制御 工学科 教 授
〒192-0982 東京都 八王子市片倉町 1404-1
地雷探査処理機外観
TEL i 0426‐
3 7-2472 FAX:0426-37-2472
E Inail i ichiryu@cC tCu acjp
カタログ ・
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﹁︱︱︱
ヒューマノイ ドロボットによる重機代行運転… (1)
建設ロボット ・自動化 。無人化技術
C0408-13
ヒユーマノイ ドロボッ トによる重機代行運転
(独)産業技 術総合研 究所
横
井 一 仁
Kazuhito Yokol
1. は じめに
、 1 9 9 8 年度 よ り2 0 0 2 年度
・共存型 ロボ ッ トシス テム」
は、 ヒューマノ イ ドロボ ッ
ト ( 人間型 ロボ ッ ト) の 実用化 を促進す る様 々 な応
用研究開発が行 われた。 この 1 つ として、 ヒューマ
ノイ ドロ ボ ッ トによ り現在 人が運 転 して い る重 機
経済産業省/ N E D O が
まで実施 した「
人間協調
ロジェ
ク ト (HRP)で
プ
( 建設機械 や運搬機械等 の産業車両) を 人 に代 わ り
遠隔運転する ことを 目指 した 「
産業車両等代行運転
分野」が設定 され、産業技術総合研究所、川崎重工
業、東急建設が共同で研究開発 を実施 した。第 1 図 、
第 2 図 にヒューマノ イ ドロボ ッ トによるバ ックホウ
お よびフォー クリフ トの遠隔代行運転実験 の様子 を
示す。
第 2図 ヒ ューマ ノイ ドロボ ッ トによるフォー クリフ ト
み、電動式)の 遠隔代行運転
(0.9t積
ヒューマノイ ドロボ ッ トは、人 に類似 の形態 と機
能 を有す るが故 に、現在、人が使用 してい る様 々 な
道具や機械 、重機 を も使用す ることが可 能 で ある。
HRPで は 、現在人が運転操作 して い る市販 のバ ッ
クホウお よびフォー クリフ トを運 転対象 とした。バ
ックホウは着座 し左右各 1本 と前方 の 2本 の レバ ー
を操作 して運 転す るタイプの もの、 フォー クリウ ト
は立 って乗 り操作盤 上の 回転 ハ ン ドル と4本 の レバ
ー を操作 して運転す るタイプの もの を、それぞれ選
第 1図 ヒ ューマノイ ドロボッ トによるバ ックホウ
(バケ ット容量0.08m3級
)の 遠隔代行運転
0385‐
9878/04/¥500媚
命文/JCLS
10 建 設機械 21X14.H.
定 した。両者の操作 系 は大 きく異 なるが、両者 を同
じヒューマ ノイ ドロボ ッ トと遠隔操作装置 で、人 の
3倍 以 内 の作業時 間 で 遠隔操作 す るこ とに成功 し
た。以下、各研究開発項 目につい て具体的 に説明す
る。
ヒューマノイ ドロボットによる重機代行運転… (2)
2.研 究開発 内容
(1)ヒ ューマノイ ドロボ ッ ト
本研究開発 では、HRPで 開発 された ヒューマ ノイ
ドロボ ツ トHRP-lS(第 3図 )を 用 いた。HR聾 lSは 、
HONDA P3を ベ ース に本 田技研工業が製作 した身長
160cm、体重 H7kgの HRP-1に 産業技術総合研究所 で
開発 した市1御ソフ トウェアを搭載 した ヒユーマ ノイ
ドロボ ッ トであ り、全身の協調動作、実時間歩行 が
可能 となってい る。第 3図 に示す よ うに、HRP-lSは
バ ックパ ックを背負 った形状 を してお り、人に比べ
大 きな足裏 を持 ち、腰関節 が ないため手 の届 くとこ
ろが 限 られてい る。 このため、バ ックホウ、 フォー
クリフ トの運転席 を一部改造せ ざるを得 なかった。
第 4図 可 搬型遠隔操作装置
(3)遠 隔操作手法
産業車両等 の運転作業 では、状況 に応 じた臨機応
変 な遠隔操作 が必要 となる一方、 ヒユーマ ノイ ドロ
ボ ッ トは多 くの関節 自由度 を持 っているので 、操作
者 が実時 間 で全 自由度 を指示す るこ とは困難 であ
る。そこで、 ヒューマノ イ ドロボ ッ トの全 身動作遠
隔操作法 として、
操作者 の負担が軽減 されるように、
ヒューマ ノイ ドロボ ッ トの作業内容 に応 じて以下 の
2操 作方式 を、GUIを 用 い たスイ ッチ操作 によ り切
第 3図 ヒ ューマ ノイ ドロボ ッ トHRP lS
( 2 ) 遠 隔操作装置
産業車両 の代行運転 では、災害対応時 の よ うに、
現場近 くで遠隔操作装置 を使用す るニ ーズ も大 きい
ため、
可搬性 にす ぐれ た装置 である ことが望 ましい。
そ こで 、遠隔操作装置 を2 0 k g f 以下 のユ ニ ッ ト構成
とした 「
可搬型遠隔操作装置」 を開発 した。
可搬型遠隔操作装置 は、 ヒユーマ ノイ ドロボ ッ ト
H R P - l S の 主 に手 を遠隔操作する マス タア ーム 、主
り替 えるように した。
① 管 理制御方式
産業車両へ の乗 り込 み時の歩行動作 や着座動作 の
ように一連 の全 身動作 を指令す る場合や、 ロボ ツ ト
の視覚提示画面 で操作者 が指示 した任意 の位置 に手
先 を自動的 に移動 させ る場合 (視覚補 助機能)に 用
いる。本制御方式 では、操 作者 の指令 に基 づ き事前
あるい は実時間で生 成 された ロボ ッ トの全 身動作 パ
ター ンを、操作者 の判断 で再生開始あ るいは取止め
られる。
ら得 られる視覚情報 を操作者 に提示する 3 次 元視覚
② マ スタスレーブ制御方式
産業車両へ の着座後 の両腕両足 の操作 や頭部 カメ
ラの操作 など、操作者が マス タアー ムやマス タフッ
提 示 デ イスプ レイ、操作 のための情報 を提示す る
G U I 提 示 デ イスプ レイお よび視覚処理装置、市1 御装
置か ら構成 した。可搬型遠隔操作装置 をつ かって ロ
トの操作 により直接操作す る場合 に用 いる。本制御
方式 では、入力装置 を通 じた操作者 の指令 によ り実
時間で ロボ ッ トヘ の指令 を生成 し、 ロボ ツ トを制御
ボ ッ トを遠隔操作 している様子 を第 4 図 に示す。
する。
に脚 を遠隔操作す るマスタフッ ト、 ロボ ッ トの眼 か
建設機械 2004.11.11
]
ヒューマノイ ドロボットによる重機代行運転 … ( 3 )
( 4 ) ロ ボ ッ ト用保護具
バ ックホウの急な加減速、振動や、屋外作業 の際
の降雨 か ら、 ヒューマノイ ドロボ ッ トを保護す るた
め、 ヒューマノイ ドロボ ッ トのための各種保護具 を
開発 した。
まず、バ ックホ ウ運転 席へ の着座時 の衝撃や作業
中の振動 か ら、 ロボ ッ ト臀部や内部電子機器 の損傷
を防止す るため、 ヒュ ーマ ノイ ドロボ ッ トH R P - l S
用保護 シー トを開発 した ( 第 5 図 ) 。 この保護 シー
トは、
① 操 作エラーにより着座動作中にロボットが座
席 に倒れ込んでも、高級電子機器に対する許容
衝撃加速度 であ る 1 9 6 [ m / s 2 ] ( 2 0 [ G ] ) を
えない こと。
超
② バ ックホウ運転 中のロボ ッ ト重心点における
振動 が、一般的なハ ー ドデ イス クの稼動中の振
動許容値 6 . 6 [ m / s 2 ] 以下 となること。
を満足 している。
第 6 図 保 護ウェア
に した。 この保護 ウェアは、人工気象室 での実験 に
よ り、毎時 200mmの 鉛直方向か らの降雨状況 にお
い て、縫 製箇所 や開口部か ら直接水 の浸入 はな く、
動作 に影響 が無 いことを確認 した。 また、温度計測
実験 によ り、HRP‐lSの 制御装置 へ の温度 による影
響 を与 えないこ とも確認 した。
(5)運 転実験
‐
フォー クリフ トとバ ックホウ、 2つ の産業車両 に
第 5図 保 護 シー ト
対 して、一連 の作業 を行 う遠隔操作実験 を、開発 し
た遠 隔操縦 システムを用 いて行 い、 ヒューマノ イ ド
ロボ ッ トが異 なる産業車両 の運転作業 を行 えること
次 に、屋 外 にお け る作 業 で は 、 防塵 ・防雨機 能 が
必 要 とな るが 、 HRPl―Sは 防塵 ・防雨機 能 を有 して
を確認 した。
フォー クリフ トの運転作業 は、人 が運転す る場合
の 3倍 以内 とい う目標時間 を設定 して、所定 の作業
い な い ため 、保 護 ウ ェア を着用 させ 防塵 ・防雨機 能
を実現 す る こ とと した。 人 間 と ロボ ッ トの形状 、可
を2人 の操作者 で行 った。内容 は前進、荷物 の持 ち
上げ、後進、方向転換、所定場所 へ の荷物 の設置、
動範 囲、発 熱箇 所等 は大 き く異 な るため 、 これ らを
考 慮 した ヒュ ー マ ノ イ ドロ ボ ッ トHRP-lS専 用 の 保
後 退 で あ る。 本 実験 は 2002年 3月 に 開催 され た
ROBODEX2002の 会期 中 12回実 施 したデ モ にお い
護 ウェア (第 6図 )を 開発 した。 着 脱性 を考 え、保
護 ウ ェアは フー ド、 ベ ス ト、 ス リー ブ、 パ ンツ、 ブ
ー ツの 5つ の パ ー ツか ら構 成 し、屈 仲 や、捩 れ を伴
て公 開 した。第 7図 にデモの様子 を示す。
バ ックホウの運転作業 は、屋外環境 に設置 したバ
ックホウで操縦席 へ の乗 り込み、着座、運転作業 ま
う箇 所 は蛇腹 構造 と して動作 に影響 を与 えな い よ う
でを行 った。その様子 を第 8図 に示す。
12 建 設機械 2004.H.
ヒューマノイ ドロボットによる重機代行運転… (4)
第 7図 フ ォークリフ トの代行運転
バ ックホウの代行運転
とューマノイ ドロボッ トによる重機代行運転 … ( 5 )
運転作業実験 では、建 設機械運転技能士 の実地試
験 に準 じ、
① 5m前 進走行
② 掘 削ポイントに停止
③ バケット掘削
④ 旋 回により土砂移動
⑤ ③ 、④ をもう一度繰り返す
⑥ ② の姿勢に戻し停止
という一連の動作を行ったところ、本研究の目標で
人が直接搭乗して運転するのに対 し、ロボツ
ある 「
トによる代行運転時の時間を3倍 以下にする」は達
成できた。人の3倍 という作業時間は十分に満足で
きるものではないが 、応用 の初期段階 で もあ り、 ヒ
ューマノイ ドロボ ッ トで産業車両 を運転 させ ること
に対す る今後 の可能性 を示せた。作業時間の違 いは、
運転操作 開始 までの乗 り込み ・着座動作 では、 ロボ
ッ トの移動能力 ・全身動作 にお い て人 間並 みの動作
を実現で きてい ないことが問題である。運転操作 で
は、 レバ ーの操作速度 が ロボ ッ トの遠 隔操縦 では人
間の直接操作 に比べ て遅 い ことが 問題 で ある。 これ
は、人間が直接運転操作 する ときには、指先 や手の
ひ らを巧みに使 い 、 レバ ー の操作力 を微妙 に調整 し
てい るが、 ロボ ッ トのハ ン ド部 は 1自 由度 のグリッ
パ機構 なので、腕全体 の動作 で操作力 を調整す るか
らである。 また、長時間、 レバ ー操作 を行 うと、 レ
バ ーの把持位置 がず れて操作性 を損 なうことが あ っ
第 9図 HRP-2
た。 これは、 ロボ ッ トのハ ン ド部 には、すべ りを検
出す るセ ンサがな く、 レバ ー に平行 な位置のずれは
手先反力 ・モ ー メン トだけでは操作者が認識 しに く
したHRP-2(第 9図 )は 、身長 1,4cm、 体重 58kg、
形状的 にもバ ックパ ックを背負 わない形 になってお
り、寸法、重量的 には我 々人間 と遜色 のない もの と
いことが原因である。
なっている。近 い将来 には様 々 な場所で様 々 な仕事
をこなす ようになる とい うの も強 ち夢 では なか ろ
う。 日ごろは、他 の仕事 に従事 してい る ヒューマノ
3.お わ りに
ー
本研究開発 の 目的 は、バ ツクホウやフォ クリフ
トの ロボ ッ ト化、遠隔制御化 を図る ことにあるので
はない。特定 の産業車両 を ロボ ッ ト化す る ことは、
現状 の技術 でそれほど困難 な ことでは ない し、本特
集企画 で紹介 されてい る様 々な試 みの方が有効 であ
ろ う。 しか し、例 えばバ ックホウの年間販売台数は
30,000台を超 えているのに も関わ らず、平成 13年7
月現在、遠隔操縦機能付 バ ックホウは全国で 103台
イ ドロボ ッ トを、い ざとい う時 は現場 に近 い場所 に
ある産業車両 に搭乗 させ遠隔代行運転が で きるなら
ば、必要な時 に必要な数だけ遠隔操縦機能付産業車
両が調達 で きる し、現場で運転以外 の作業 にも従事
させ ることがで きる。これを現実 の もの とするには、
まだまだ研究開発すべ き課題 も多 いが 、何 とか課題
を克服 し、2010年 まで には実用化 を実現 した い と
考 えてい る。
しかない。 これは、通常 の建設作業等 では、遠隔操
作機能 の必要性が低 いか らであろう。
ヒューマノイ ドロボ ッ トの進 歩 は近 年 目を見張 る
ものがあ る。HRPで 開発 され、川 田工 業 が製品化
14 建 設機械 2004.H.
(筆者紹介 はP77掲 載)
3次 元 マシンコン トロールシステム… (1)
建設 ロボ ッ ト・自動化 ・無人化技術
3次 元 マシンコン ト□―ル システム
=System Five…3D GPS十
とデュアル GNSS制
御 によるさらなる進化 =
い トプコン 棚 橋 昌 史
Atsushi Tanahashi
1. は じめに
情報化技術 を建 設現場 に適用 し、効率性 ・省 力
性 ・品質性 ・安全性 ・環境性 に関する合理化 を図 る
情報化施 工の構想が計画 されてか らlo年余 となる。
総合測量 システム機器 メー カーで ある当社 とその米
ュー タ、インター フェイス ファー ムウェアお よび電
子 デ ー タを、建設機械 に搭載 して構成 される。デ イ
ジタル設計 デー タと建 設機械 の稼動位置 をリアルタ
イムに照合 しなが ら建 設機械 のブレー ドを 自動制御
する このシス テ ムは、い わば、設計 図面 どお りの地
“
"す
国子会社 であるTOpcon Positioning Systems,Inc.で
形 を実物大で現 場 に 再現
ることを最 大 の特徴
は、情報化施 工の要求 を先 取 りし、建設計画 におけ
とす る。 また、ブ レー ドの位置 を継続 して記録す る
“
"の
る 「
設計 → 測量→ 測設→ 施 工→ 検査」 といった工 程
機能 を有す るので 、 再現
結果 をレポ ー トで き
一
コン
を 元管理することので きる 3次 元 マ シン
ることも特徴 のひとつ である。設計 デー タを現場地
トロ
“
"す
ー ルシス テ ム (以下 3D―MC)の 製
るための正確 な位 置あわせ基準 にな
品開発 と市場 開
形 に 再現
ー
バ
ロ
ルに
拓 をグ
推進 して きた。現 在 に至 っては、 るのが現場基準点である。すなわち、地球 上 の幾何
欧米 を中心 に して400台以上の導入実績 を上 げてい
学的な位置 を示すGPS座 標系 か ら地理的な位 置 を示
い
る。 まだ欧米並 みの浸透 度 には至 らない ものの、 す (日本国 においては 日本測地系座標 に代表 される
日本 にお い て も多 くの建設現場 で3D―MCが 稼動 し
ような)ロ ー カル座標系 へ と変換するのに必須 とな
てい ることは、本誌掲載 にあたって非常 に意義 深 い
Fivc-3D GPS+」 の全貌 を明 らかに したい。後半 で
る現場基準点 を、最小 で 4つ 埋設す る必 要があ る。
3D―MCを 利用 した施工 においては、 これ ら必 要最小
限 の現場基準点 を設置する ことにより、施工管理 の
視標 となる無数 の現場杭が いっ さい不要 となる。つ
まり3D‐MCを 導入す ることで、現場 での杭打 ち ・丁
は、施工能力 と操作性 の向上 を目的 として開発 した
デュアル GNSS制 御 の特徴 につい て説明す る。
張 り作業、施工後 の検測作業 を削減 で き、かつ オペ
レー タの熟練度 に左 右 されない安定 した品 質 の施エ
点 で ある。
本稿前半 では、現在最 も運用 件数 の多 いGNSS*1
受信機 を不U用 した3D―MC CNSSシ ス テ ム 「
systcm
が可 能 となる。
2.3D‐ MC GNSSの 特徴
3D―
MCシ リーズ共通 の コ ンセプ トは、「
情報化施
工 に最 適 なシス テ ム」 とい う点 で ある。全 システム
は、精密計測機器、電子制御油圧機器、制御 コ ンピ
* 1 : 米 国が運営するN A V S T A R と ロシアが運営す るG L O N A S S の
双方同時受信解析 を可能 とする トプ コン製受信機 を、G l o b a l
N ″i g a t i o n Sl ai “
t c S y s t c 略称
m の を流用 してG N S S 受 信機 と呼
称 している。
03859878/04/¥500/論
文/JCLS
3. System F市 e‐
3DTM GPS+の
概要
system Fivc‐
3DTM
第 1図 、第 2図 は、それぞれ 「
GPS+ド
ーザ
ー ター
systcm Five-3DTM GPS+モ
」、 「
グ レー ダ」 の 装 備 配 置 図 で あ る。写真 1 は 、
KOMATSUttD375へ
の搭 載 例 で あ る。
キ ャブ内 に設 置 され る コ ン トロー ルボ ックス ( 写
真 2 ) は 、 オペ レー タ との 間 の イ ン ター フェ イ スで
あ る と同時 に、 シス テ ム全 体 の電 子 制御 をつ か さ ど
建設機械 2CX14.H.15
3次 元 マ シンコン トロールシステム… (2)
③
√
鰺
ー
① コン トロ ルボックス
ー
② リモ トスイッチ
ー
③ ブレー ドスロ プセンサ `
④ 電子制御油圧バルブユニット
⑤GNSS受信機
⑥G N S S アンテナ
ー
⑦ アンテナ取 り付けポ ル
③ ベースステーシヨン
第 1図
写真 2 Systcm Fivc-3DTMコ
ン トロールボ ックス
ー
Systcm Fivc-3DTM GPS+ド ザ
位置計算 : 機 械 ブ レー ドの位置 を計算 し、設
計 デ ー タと比較照合する
: 設 計 デー タを描画す るとともに、機
表 示
体 の位置 、切 り盛 り量 、操作 内容 、
システム機器 の動作状況 などを視覚
的 に表示す る
●操作変換 :オ ペ レー タの操作 をシステム制御 コ
マ ン ドに変換する
サ ニ
ス ンサ サ ユ
ク セ ンンプ
ツチ プ セ セ ル
ボ ツ 一ン ル バ
ル イ ロ ヨ 一圧
一ス ス シ オ 油
ロ ト ド イ フ御
卜 一
一テ ン 制
ン モ レ 一イ 子
コリブ ロメ電
①②③④⑤⑥
第 2図
●マ ス タ :シ ス テム機器 のマス タとな り、全 て
の コンポー ネ ン ト間の通信 ・制御 を
⑦GNSS受 信機
CGNSSア ンテナ
⑨ アンテナ取 り付けポール
ト ⑩ベースステーシヨン
System Five-3DTM GPS+モ
ー タ ー グ レー ダ
統括す る
●油圧市1御 :設 計面 までの切 り盛 り量 に応 じてブ
レー ドの 自動油圧市1御を行 う
●OS作 業 :Windows CEを オペ レーテ イングシ
ステムにもち、 ファイルの保 存 ・読
込み 。書 き出 しなどの ファイリング
作業 を行 う
GNSS受 信信号 の解析処理 を行 うGNSS受 信機 もキ
ャブ内 (もしくは周辺)に 搭載 される。GNSS受 信機
は、 メンテナ ンスの ときに利用す る表示 ラ ンプとリ
セ ッ トスイ ッチ以タトのオペ レー タイ ンタフェイス を
含 まないため、通常 は機械操作 を干渉 しない座席脇
や背面 などのスペ ース に固定 される。NK― GPS*2解
析 を行 うためのアル ゴ リズム もGNSS受 信機 の 中に
内蔵 されている。ベ ースステー シ ヨンか ら送信 され
鰈
冨: │瘍
ヨ鼈 糀 8 藩
躙
写真 l KOMATSU D375へ
の搭載例 (い コマ ツ提供)
る位置情報 を受信す るための無線 モ デム を内蔵する
モデル もある。
ブレー ドの上 には衛星 か らの信号 を受信す るため
る メ イ ン コ ン トロ ー ラで あ る。 主 な機 能 は次 の とお
のGNSSア ンテ ナが取 り付 け られる。GNSSア ンテ
ナは、 シングルアンテナ とデユアルアンテナに大別
りで あ る 。
*2:RcJ‐ imc Kinemaた と呼ばれるGPS測 位解析手法
16
挺
彗言
覺考
茂 2004. 11.
美力
3次 元 マ シ ンコ ン トロ ー ル システ ム … (3)
写真 3 G N S S 受 信機 ( 左) 、シングルG N S S ア ンテナ ( 中) 、
デュアルG N S S ア ンテナ ( 右)
写真 4 自 動油圧制御の切替えスイッチ ( いコマッ提供)
圧 パ ー ツ、 コ ンポ ー ネ ン トを締 結 す る 機 械 部 品 ( ポ
第 3図 ブ レー ドスロープセンサ (左)、ローテイションセ
ンサ (中)、メ インフォールセンサ (右)
ールやブラケ ッ ト) が あ る。
本 システムでは、リアルタイム ( 通常 1 0 H z ∼2 0 H z
の更新 レー ト) か つ ミリ∼ セ ンチメー トル レベ ルで
の ポ ジシ ョニ ングを要 求す るため に、R T K ‐G P S 測 位
され る。 デ ュアル ア ンテナ は、 第 6 章 にて解 説 す る
デ ュ アル G N S S 制 御 に使 用 され る。
手 法 を利 用 して い る。建 設 現 場 にお け るR T K ―G P S
測位 にお い て は、地 理 的位 置 ( ロー カル座 標 ) が 既
ブレー ド背面 には、ブ レー ドの絶対傾斜角 をモ ニ
タす るブ レー ドス ロー プセ ンサが設置 される。これ
知 の参 照 点 に設 置 され た もう 1 台 の G N S S 受 信 機 か
に加 えて、ブレー ドの稼動が複雑 なモ ー ター グレー
ダにおいては、ブ レー ドの回転角 をモニ タす る ロー
テイシ ョンセ ンサ と、機体 フレー ムの ビッチ角 をモ
ニ タする メインフォールセ ンサが、おのおの第 2 図
で 示す箇 所 に設 置 され る。 コン トロー ルボ ックス
は、 3 つ のセ ンサか らの計測 モ ニ タ信号 をブ レー ド
位置 を求める計 算 に利用す ることによ り、施 工 方向
に直角す る方 向 の ク ロス ス ロー プ ( 横断勾配) を 、
常 に設計 デー タどお りに維持する ことで きる。 ドー
ら発 信 され る補 正 情 報 を利 用 す るのが 得 策 で あ る。
この 受 信 機 は 、 ベ ー スス テ ー シ ョン と通 称 され る。
S y s t e m F i v e - 3 D G P S +ス
シテ ムで は 、ベ ー スス テ ー
シ ョンをいず れか の現 場 基準 点 に設 置 す る こ とを推
奨 して い る。
4.System Five‐3D GPS+の 独 自性
この章 では、特 にSystem Fivc-3D GPS+の
独創 的
な特長 につい て説明 したい。
① 多 彩な機能をもつコン トロールボックス
ザ システムにおいては、 ローテイシ ョンセ ンサ とメ
イ ンフ ォールセ ンサ を搭載す るかわ りに、後述する
デ ュアルG N S S 制 御 を行 うことで、同 じようにブ レ
ー ドのア ングル操作 に依 存 しない正 なクロススロ
確
ー プで施 工することが可能 となる。
コ ン トロー ル ボ ックスのデ イスプ レイはタッチパ
ネル式 となってお り、オペ レー タ操 作 をダイ レク ト
●切 り盛 り量 を視 覚的 に表示す るイ ンデ ィケー タ
●日光下で も最適 な視認性 をもつ 自動輝度調整
●プラ ン表示、横断表示、縦断表示、.グレー ドス
ケ ール、ス テアリ ングガイ ド、等高線表示、色
にシス テ ム制御 に取 り込 むことがで きる。ただ し機
体運行 中 は油圧操作 レバ ー に手 を添 えてい ることが
常 であ るため、操作 レバ ー間近 に 自動制御 の開始/
停止用 リモ ー トス イッチが装備 されてい る。切 替 え
ス イッチを操作 レバ ー に内蔵 で きるメー カオプシ ョ
ン もある ( 写真 4 ) 。 操作性 か つ安全性確保 の配慮
●各種言語 に対応可 能
●衛星 の飛来予測 を利用 した施工 品質 の予報機能
●油圧 バ ルブ ドライバ のカスタマイズ操作 が容易
② 既 存製品との互換性
●回転 レーザやソニ ックを利用 した2D制 御 に対応
●3D―
MC TS(ト ー タルステ ー シ ョン)に 対応
である。
③ 充 実した専用ソフ トウエアサポー ト
以上の他、機体 に搭載する装 置 には、補 正情報 を
受信す るための無線 モデム、各 コンポ ー ネ ン ト間 を
接続するケーブル類、電子制御油圧 バ ルブと周辺油
彩調節 な どさまざまな直感 的表現が可能
●CFカ ー ドスロッ ト、USBポ ー ト、 オーデ イオス
ピー カを内蔵
●設 計 用 3 D ―C A D : M S ‐
2000TM、 TopSiteTM
●オフイス管理者用 ソフ トウェア : 3 D - 0 饉c c T M
●フィール ド作業者用 ソフ トウェア : P o c k e3tD‐
TM
建設機械 2004.H.17
3次 元 マ シンコン トロールシステム… (4)
1
Q
第 6 図 複 雑な横断形状 をもつ場合の施工例
写真 5 コ
ン トロー ルボ ックスの メインスクリー ン
④ ベ ス トフィットブレー ドコントロール
このモー ドを選択 した場合は、谷状 の起伏変化線
上で、先行するブ レー ド刃先が切 り込 み過 ぎないよ
劇L工性 育ヒ
5. System Five‐3D GPS+の
一
本 システムの 開発 中に行 った施 工性能評価 の 例
を紹介する。第 7 図 は、試験施 工 に使用 したラ ンプ
ウェイ状設 計 モデルの 3 次 元 C A D 画 面である。
うに自動市1御する (第4図 )。また、山状起伏 のあ
る場合 は、ブレー ドが変化線上を半分以上通過 して
から反対側 の設計面 に遷移するように自動制御す る
( 第5 図 ) 。
Q
第 4 図 谷 状起伏上でのブレー ド挙動
第 7図 試 験施工用 の ラ ンプウェイ設計 モデル
第 5図 山 状起伏上で のブ レー ド挙動
⑤ 単 点ブレー ドコン トロール
このモ ー ドを選択 した場合 は、ブ レー ド刃先上 の
任意 の高 さ参照点 を指定す る ことがで き、常 にその
点 上で設計高 さとなるように制御する。第 6 図 のよ
ー
うな狭 い歩道 の路盤 を施工する場合、ブ レ ドの右
よりの 1 点 ( 図中の三 角) を 指定す ることにより歩
道上 のフラッ ト面 のみに沿 って施 工する ことが可能
となる。
18
1彗
覺琴
美希
支 2004. 11.
言
設計 モ デルは路線要素で定義 されてお り、距離長
ー
約 1 3 0 m 、片側路幅 4 m 、 直線 ス ター トがセ ンタ ラ
イ ンを折 れ線 とした2 % の クラウ ン状 ( 山状) で 始
まり、左 にカーブ しなが ら線形的 に横 断勾配 が増 し
てい き最大 1 0 % と なる仮想 的 なラ ンプウ ェイで あ
る。使用 した機械 は、C A T 1 4 0 G モ ー ター グ レー ダ
であった。第 8 図 の下図 は検測 ポイ ン トを示 してお
り、上表 は設計高 さに対す る検測高 さ ( 測定値) の
偏差 を表 している。写真 6 は 仕 上 げ施工 後 の現場写
真 である。複数回行 った 自社評価 の結果、全 域 にわ
たるば らつ きは標準偏差 l σで 1 0 m m ∼ 1 2 m m の 施 工
精度 を維持 で きるとの結論 に至 った。当然 なが ら実
現場 における施 工の最終精度 は、本 システムの潜在
的な性能 に起 因 しない、例 えば施工 区 の土壌や建設
3 次元マシンコントロールシステム…6 )
・
lそ
ヨ
ヨロ│・
偏 差 [meter]
Station
R15
R06
L06
L15
L24
l+00
0
0
1
5
0
0
1
5
0
0
1
2
-0012
-0006
-0003
1+20
-0003
-0003
+0003
-0006 -0006
000
1■40
-0006
+0003 -0003
-0015 -0015 -0018
1460
-0006 -0006 -0009
-0021 -0018 -O o12
1+80
-0021
-0,o12 -0003
2+00
+0000 -0006 -0009
-0006 -0006 -O o03
2+20
000
+0003
000
2-卜40
2+60
2+80
3+00
3+20
3+40
3+60
3+80
4+00
4+708
+0009
+0021
+0009
+0015
+O o03
+0006
+0009
+0012
+0009
+0009 -0003
+0015 +0009
+0006 +0006
+0012 +0006
0 00
1 0 003
10003 ■
0003
+O o15 +0009
+O oo9 +o oo9
+0012 +0012
‐‐■11111111封
看言:
+0003
000
-0003
000 +0003 000
+0003 +0006 +0012
+0000
-0006
000
-0012
-0009
-0009
+0003 +0003
+0006 00C1
+0009 +o oo9
+0006
-0003
-0012
0 0rl
+0009
+0000
写真 7 ブ ル ドーザ自動施工の様子 (いコマツ提供)
試験 における仕 上が り精度 は±30mm、 従来施 工 に
対す る施 工 時 間 の短縮 は30%∼ 40%と 報告 されて
い る。
第 8図 試 験施工結果 における設計高 さか らの偏差
6.デ ュアル GNSS制 御 の 特徴
デ ュアルGNSS制 御 とは、アンテナ と受信 回路 を
それぞれ 2台 使用 して、 2点 間 の相対位置 を3D―
MC
GNSSシ ス テ ム上で有効利用するために開発 した独
自の制御技術 である。 デ ュ アルGNSS制 御 をsystem
Fivc_3D GPS+に 適用するには、受信 回路 を2つ も
つ タイプのGNSS受 信機 を選定 してお く必要がある。
そ してシ ングルアンテナの代 わ りに、写真 3で 紹介
したデ ュ アルGNSSア ンテナを装 備 すれば、 コン ト
ロー ルボ ックスなど他 のシステム機器 はすべ て共用
される。ア ップグレー ドが煩 雑 でない点 は特 に望 ま
しい。第 9図 は、 デュアルア ンテナをブル ドーザに
写真 6 ラ
ンプ ウェイ仕上 げ施工後 の現場写真
/
{イ
機械 の特性 などに左 右 される面が多 く、保証値 とし
て明記す ることは難 しい ものの、 これ までの実 績 よ
リモ ー ター グ レー ダ作業 で l o m m ∼ 3 0 m m 、 ブル ド
ーザ作業で2 0 m m ∼ 5 0 m m 程
度 の安定 した施 工 品質
を有す る と判断 してい る。
もう一例、株式会社 コマ ツにて実施 頂 い た施 工 試
験 の結果 を紹介 したい。写真 7 は 、同社製 ブル ドー
ザD 6 5 - P X 1 5 を使用 して、前 述 とおな じようなラ ン
プウェ イ走路 を 自動施 工 した ときの様子 で あ る。同
第 9図 デ ュアルGNSSア ンテナの設置方法
建設機械 "“ .H.19
│
3 次 元 マシンコン トロールシステム… ( 6 )
搭載 した様子 を示 してお り、 ア ンテナの装着方向に
注 目頂 きたい。以下 に、デ ユ アルGNSS制 御 の優位
点 を解 説す る。
① フ ルタイムヘ ッデイング (常時方角検知)
シングルGNSS制 御 (従来法)で は、単点 上の測
位 ゆえに機械停止時 の方位が特定 されないため、機
体 の方角 は走行軌跡 に依存する外挿計算 により求 め
られてい る。 これに対 しデ ユアルGNSS制 御 の場合、
相対 的位置 が固定 されてい る測位 2点 間の基線 ベ ク
トルか ら常 に方角 を決定する ことがで きる (フル タ
イムヘ ッデ イング機能)。すなわち、デ ユアルGNSS
制御 では、本 システ ム立 ち上 げ後 、GNSS測 位が確
定す るや直 ちに正 しい方角 を表示 する仕様 となって
い る。 これ によ り、初動停 止 中 は もちろ んの こと、
後進 時、急激 に進路 を変 えた直後 や ス リップ中 に
も、 メインスクリー ンに描 かれる現在位置 と方角 は
正確 かつ敏捷 であるとい う利点 をもつ。
② ク ロススロープの維持
フル タイムヘ ッデ イ ング機能 を利用 して、ブル ド
ーザ施工 中の 自動制御性能 も向上する。 コン トロー
ルボ ックスは、常 に正 しい ブ レー ドの方角 をモ ニ タ
ー
しなが らフイー ドバ ック制御す るので、ブ レ ドの
ア ングル (回転)角 度 に関わ らず正 しいクロスス ロ
ー プを維持する ことがで きる。オペ レー タは、切 り
盛 り残 土の押 し出 し方向 を自在 に調整す るなど、施
工 の状 況 に よ リア ングル操作 を行 うが、デ ユ アル
GNSS制 御 を導入す る ことによ り、自動施 工 中であ
って も自由にア ングル操作 を行 えるようになる。
③ 後 進時の自動施工
ー
特 にブル ドーザ の活用方法 として、クロ ラ跡 を
消 した り、不要 な凹凸 を補修 した りする場合 に、ブ
レー ドを接地 しながら後進する技法がある。デユア
ルG N S S 市1 御は、前進時 とまった く同 じように正 し
いブレー ド位置 を維持するので、後進時 にも自動施
工 を利用 で きる利点がある。
④ ブ レー ドの前傾斜補正
モ ー ター グ レー ダは、ブ レー ドを前傾斜 させ るた
めの機構 をもつ。一般的 には、中立 の状態 に対 して
やや後方か ら前方約 4 0 度 程度 までの稼動域 をもっ
ー
て い る。G N S S ア ンテナを取 り付 け るポ ルが垂 直
な状態か ら、ブ レー ドの傾斜 を変 えて しまうとア ン
テナの実効高 さ ( 垂直成分) が 低 くなるため、 ブ レ
ー ドの高 さ制御 に幾何 学 的 な誤差 が生 じて しまう
ー
( 第1 0 図) 。デ ュアルG N S S 制 御 にお い ては、ブ レ
20
挺
彗言
セお
支 2004. 11.
美
力
第 10図 ブ レー ドが前傾斜 した状態
ドの前傾斜角 を利用 して、高 さ変化 の補正 を行 って
い る。デ ュアルG N S S ア ンテナには、前後方向 に 2
つの ア ンテナエ レメン トが配 置 されているので、エ
レメン ト間の測定高 さの違 い により前後方向 の傾斜
角 を算 出 して、補正高 さ量 を求 めてい る。ただ し、
前傾斜 の増加 に伴 いG N S S ア ンテナの衛星受信特性
( 天空衛 星 を見 る角度) が 変化す るため、補 正 範 囲
に制限 をつ けている。評価実験 の結果 よ り、前傾 1 5
度 を上回 らない稼動域 で あれ ば、施 工 精度 を劣化 さ
せない十分 な制御が可能 である。
フ. お わ りに
M C G N S S シ ス テ ムの うち、現
本稿 で は 、当社 3 D ‐
在 最 も世界 的稼 動 件 数 の 多 い S y S t e m F i 3v De ‐G P S 十
の全貌 と、性能改善 を求めて開発 し、すでに実用段
階 にあるデ ェアルGNSS制 御 につい ての特徴 を解説
した。海外拠点 を含 めた トプ コングル ー プは、今 回
紹介 した製品に留 まる ことな く、情報化施工 へ の さ
らなる挑戦 と提案 を継続 してい く所存 である。昨今
に至 つてはGPS市1御技術 とレーザ制御技術 を融合 し
mmGPSTM(特 許出願)」のプレ
た全 くの新規技術 「
ー
MCシ ス
ス リリ ス を終 えている。mmCPSTMを 3D‐
テム に導入 し、土木 ・建 設現場 での活用事例 を報告
で きるまで長 くない と確信 してい る。
ー
最後 に、本稿作成 にあた り、施 工 試験 レポ トお
よび多 くの写真 を提供下 さったい コマ ツ開発本部 の
各位 に深 く感謝 の意 を表 します。
(筆者紹介はp77掲 載)
簡易遠隔操縦装置 (ロボQ)の 災害復旧への適用… (1)
建設 ロボ ッ ト ・自動化 ・無人化技術
C0408-09
簡易遠隔操縦装置 (ロボQ)の 災害復旧への適用
=空 圧 アクチュエ ー タによるレバ ー直動 システムの開発 =
的フジタ 渡部 幸 浩 ・間野
YukihirO Watanabc
実
Minoru Mano
三村 洋 一 。川上 勝 彦
Yoichi Mimura
Katsuhiko Kawakami
1 . は じめに
豪雨、地震、火山活動等 による土 石流災害や斜面
崩壊 等 の土 砂 災害復 旧作 業 は、被 害 の拡大 を防止
し、最短 の工期 で復 旧するため迅速 な作 業が求め ら
れるが 、二次災害 の恐れがあるため迅速 な対応 は取
り難 いのが現状である。そのため作業 を安全 に行 う
には、遠隔操縦装置 を使用 し安全 な場 所 か ら建設機
械 を操作す ることが必要 となる。 しか し、土砂災害
復 旧作業 にお いて用 い られるバ ックホウやブル ドー
ザ といった重機 の遠隔操縦専用機 は、製鉄等 の建設
分野以外 での使用 が多 く、災害復 旧に導入可 能 な機
械 は台数 の制約 を受 ける。 また、その機種 も大型 の
ものが多 いため分解 ・組 立等の時間 を要 し、輸送上
の規制 も受 ける ことになる。
国土交通省九州地方整備局九州技術事務所 とい フ
ジタは、 この ような課題 を解決す るため、安全 で迅
速 な災害復 旧作業 を行 うことを 目的 とし、汎用建設
機械 (バックホウお よびブル ドーザ)に 短時間で搭
載可能な簡易遠隔操縦装置 「ロボQ」 の開発 を行 っ
た。写真 1に ロボQの 外観 を示す。
2.ロ ボ Qの 概 要
.
(1)開 発 目標
過去 の災害 での稼動実績 を考慮 し、操作系 が統 一
されてい ること等 の理 由か らバ ックホウ用 を初めに
開発 し、次 いでブル ドーザ用 については操作系が統
一 されてい ない ため、シェア
調査 を行 った上でキャ
タピラー三菱 D6Rを 対象 として 開発 を行 った。
汎用建 設機械 の遠隔操縦型 へ の改造 方式 と して
0385-9878/k14/¥500/論
文/JCLS
写真 1 ロ ボ Qの 外観
① 油 圧比例制御改造方式
② 電 気比例制御改造方式
③ レ バー直動方式
の 3タ イプに大別 される。 ロボQで は、以下 の 開発
目標 を踏 まえ レバ ー直動方式 を採用 し開発 を行 った。
●遠隔操縦型 ロボ ッ トは重機運転席 に搭載可能 な
構造 とする。
●対 象 メー カーお よび機種 を限定 しない。
●現地 での重機側 の改造 を最小 限に抑 え、短時間
での搭載 を可 能 とす る。
建設機械 2 0 0 4 .
簡易遠隔操縦装置(ロボQ)の災害復旧への適用…0)
●持 ち運 びが容易 なサイズに分解可能 とす る。
●カ メラ映像 に よる操作 支援 システム を装備 す
る。
( 2 ) 装 置 の構成
ロボ Q ( バ ックホウ用 ) 本 体 は以下の 7 つ のユ ニ
ッ トにより構成 されてい る。各 々のユ ニ ッ トは収納
ケ ー ス に ( 写真 2 ) 収 め られ、被 災地 まで小 型車
両 での運 搬 が可能 であ り、組立 ・分解 に当た つて
も特殊 な工具 を必 要 とせ ず、人手 での搭載 が可 能
である。本体以外 では空圧 式 アクチ ユエ ー タにエ ア
を供 給す るサ プライユニ ッ ト ( 写真 3 ) 、 遠 隔操縦
操作 を行 う遠隔操縦 ユニ ツ トお よびカメラ映像 を
受信す るモニ タリングユニ ット ( 写真 4 ) で 構成 さ
れる。
写真 4 遠 隔操縦 。モ ニ タリングユニ ッ ト
① コ ン トロールユニ ット
コン トロールユ ニ ッ トには、遠隔操縦 ユニ ッ トか
らの操作 デー タの通信 ・演算 を行 うボー ドコンピュ
ー タと無線通信 の状態、電源 ・空圧等 の常時監視 を
ー
行 うボ ー ドシーケ ンサ、各 ス トロ クセ ンサ用 セ ン
サア ンプお よびサ ーボバ ルブ コン トロー ラを装備 し
ている。
│
ー
ユニ
ット
② サ ボ
サ ーボユ ニ ッ トには空圧式 アクチ ユエ ー タ用 エ ア
写 真 2 1叉 納 ケース
を清浄化す るエ アフイルタ、指定圧力 に調圧す るレ
ギ ュ レー タ、サ ーボバル ブを作動 させ る電磁 バル ブ
とマス ターバルブお よびアクチュエ ー タを制御す る
サ ーボバ ルブを装備 してい る。
③ 中 継ユニ ット
中継 ユニ ッ トは各 アクチ ュエ ー タのセ ンサ出力 を
コン トロールユ ニ ッ トヘ 中継す る端 子台 とユニ ツ ト
上部 に設 置 したモ ニ タリング用 カメラの映像 を送信
す るSS無 線画像伝送装置 を装 備 している。
④ 走 行アクチユエータユニ ット
ー
走行 アクチ ュエ ー タユニ ツ トは、磁歪式 ス トロ
クセンサ を内蔵 した空圧 シリンダで構成 され、左右
2本 のシ リンダにより重機走行 レバ ー を作動 させる
ことがで きる。
⑤ 作 業アクチユエータユニッ ト
ー
作業 アクチ ュエ ー タユニ ッ トは、磁歪式 ス トロ
クセ ンサ を内蔵 した空圧 シリンダとポテ ンシ ョメー
タを内蔵 した空圧 ロー タリアクチ ユエ ー タで構成 さ
れ、左右 1対 のアクチュエ ー タユニ ッ トにより各 々
の作 業 レバ ー を 2軸 平面 上 で作 動 す る ことがで き
写真 3 サ プライユニ ッ ト搭載状況
22 建 設機械 2004.H.
る。
簡易遠隔操縦装置 (ロボQ)の 災害復旧への適用… (3)
アンテナ (映像)
中 継 ユ ニ ット
コン トロー ルユニ ッ ト
センサ
アンプ
アンテナ (操作)
s s 映像
無線 ( 送)
″
″
遠隔操縦ユニ ット
サ プライユニ ッ ト
ロー タリアクチュエ ー タ
アクチュエーションユニ ット (作業)
マスタ ー バ ルブ
サ ー ボ バ ルブ
エ アシリンダ
アクチュエーションユニ ット (走行)
エ アシリンダ
アクチュエーションユニッ ト (走行)
エアシリンダ
アクチュエーションユニ ット (作業)
アクチュエータ
サ ー ボユ ニ ッ ト
エアシリンダ
第 1 図 全 体 シス テ ムの構 成
⑥ フ レームユニ ット
フレームユ ニ ッ トは多種 の重 機運転席 シー ト用 ボ
ル ト位 置 に合 わせ て調整可能 な ス ライ ド機構 を有
し、 コン トロールユニ ッ トとサ ーボユニ ッ トを簡単
確実 に固定す ることがで きる。
⑦ モ ニタリング装置
モ ニ タリング装 置 は 中継 ユニ ッ ト上 部 に設置 さ
モ ニ タ リ ン グユ ニ ッ トJ、
アクチュエーションユニット(作業)
アクチュエ ー ション
ユニ ツ ト (走行)
れ、広 角正像 画像 をs s 無 線 画像伝送装置 へ 送 るこ
とがで きる。
装置 の概略仕様 を第 1 表 に、全 体 システムの構成
を第 1 図 に、 ロボQ 本 体 の構成 を第 2 図 に示す。
コン トロールユニ ット
第 1表 概 略仕様
仕
取
付
要
員
様
3時 間程度
総
約 180kg
旦塁
重
9ユ ニ ッ ト
外
形
寸
法 W=″
駆
動
方
式
無
線
方
式 特定小電力
遠 隔 操 作 距 離
第 2図 ロ ボQ本 体の構成
2∼ 3名
付
時
間
ユ ニ ツ ト 数
取
サ ーボュニ ッ ト
フレームユニット
llllun、
D=1,10師 m、 H=1,“ hm
空圧
15Clln程
度 (無線の使用環境 による)
( 3 ) 装 置 の 主 な特 徴
遠隔操縦型建設機械 は無線通信 の使用が前提 とな
るため応答 性 や安全性 の問題 を避 け ることがで きな
いo ロ ボQ で はこれ らの問題 に対 し、以下の対策 を
とることで搭乗運転 に近 い操作性 と安全性 を実現 し
ている。
建設機械 2004.H.23
への適用… 0)
簡易遠隔操縦装置 (ロボQ)の 災害復1日
① 応 答性
ロボ Q は 、 レバ ー直動方式 を採用 して い るため、
他 の重機改造型 の通信 遅 れお よび制御 遅 れ に加 え
て 、 レバ ー を作 動 させ る作動 遅 れ を含 む ことにな
る。 この制御 ・作動遅 れを改善するために、予め操
ー
作機 のジ ヨイス テ イックレバ の位置 に対応 した作
ー
業 アクチ ユエ ー シ ョンユ ニ ッ トのス トロ ク及 び 回
転角 を演算 しマ ップデー タを作成す る ことで応答性
の向上 を図 つている。
② 安 全性
無線 を使用 した遠隔操縦型建設機械 では、その操
作系 に無線機器や市1 御機器が介在 し、駆動源 の遮断
写真 5 稼 動状況
も直接行 えない ため、より確実 な非常停 止装置が必
要 とされる。
ロボQで は、通信 ・演算 を行 うためのボー ドコンピ
ュー タ以外 に、より対環境性 に優 れるボー ドシーケ
ンサ を付加する ことで、無線通信 の状態、 コン トロ
ー ラ用電源 の状態、アクチュエ ー タ駆動 エ ア圧の状
態等 を常時監視 し、非常停止時 には重機 エ ンジンの
停止 と操作 レバ ーの 中立復帰 を確実 に行 うことが可
能 であ る。また、作業員 の転倒等 を検知す る傾 斜 セ
ンサを無線操作機 に装備す ると共に、ロボQの 異常 は
重機 に設置 した表示灯 により確認す ることがで きる。
わせ て 10台 保管 されてお り、主 な稼動実績 として
'oo年
は、
5月 の大分県朝見川土砂災害 における稼動
'o2年
10月 の鹿児 島県桜 島野尻 川 4号 ダ
をは じめ、
写真 6 ブ ル ドーザ用搭載状況
ブ レー ドレバ ー用
学´
3.主 な稼 動 実績
ロボQは 既 に九州地区、四国地区、関東地区に合
操 向 レバ ー 用
ム土石流処理等 の危険 を伴 う工 事 での適用 等 があ
'o4年
5月 に大分
る。 また、最近の稼動例 としては、
バ
い
ックホウ用
工
にお
て
県耶馬渓町 での法面補修 事
お よびブル ドーザ用 ロボQを 併用 して作業 を行 って
い る。写真 5に その稼動状況 を、写真 6に ブル ドー
ザ用 の搭載状況 を、第 3図 に外観 を示す。
4.今 後 の 課題
本 開発 は平成 9年 に着手 して以来 7年 を経過 し、
その 間実災害へ 出動 して きた。本来、災害復 旧用 と
して開発 した機械 ではあるが一般 工 事 へ の導入 をも
考慮 し、下記 の項 目につい ての検討 を進めてい る。
●重機側電装仕様 の変更 に対応するためエ ンジン
ー
発停 ハ ー ネスの新規製作 お よび発停用 リレ 容
量 の変更
24 建設機械 2004.H.
ブ レー キ ペ ダル用
第 3 図 ブ ル ドーザ用 ロボQ の 外観
●一 般 工 事 で の使 用 を想 定 した空 圧 ア クチ ュエ ー
タ駆 動 用 コ ンプ レ ッサ の低 騒 音 化
●作 業効 率 ・作 業精 度 向 上 の ための操 作 支援 シス
テ ム (視覚情 報 ・重 機 情 報 等 )の 装 備
簡易遠隔操縦装置 (ロボQ)の 災害復旧への適用… (5)
●ブ レー カ等 の特殊 アタツチメ ン トの遠隔操作 に
対応
●運搬機械 (クロー ラダ ンプ)対 応機種 の開発
筆者紹介】
【
渡部 幸 浩
い フジタ 土 木本部 土 木統括部 機 械部
〒3 5 7 - 0 0 3 6 埼
玉県飯能市南町 H - 3 0
TEL:042=975-5035 FAX:042-974-7575
5.お わ りに
以上 の よ うに今後改 良す べ き課題 は幾 つ かある
が、今後災害復 旧作 業 での使用 だけでな く、他分野
の苦渋作業 ・危険作業 において も有効 に利用 される
よ う開発 を進 めてい く所存 である。
< 参 考文献 >
( 1 ) ( 財) 先端建設技術 セ ンター : “緊急時 の無人化施エ ガイ ドブ ッ
"、
ク pp l14-122
"、
( 2 ) 田 上 : “遠隔操縦 ロボ ッ ト ( ロボQ ) の 開発 と施工効率化
建
3 、2 0 0 4 1
設 の機械化、p p 3 84‐
( 3 ) 松 川 ・藤本 ・河崎 : “簡易遠隔操縦装置 ( ロボQ ) の 開発 と適
"、
0033
建設機械、p p 4 4 - 4 92、
用事例 ・効果
に) 茶 山 ・藤岡 : “災害復 旧を無人建設機械 で一遠隔操縦 ロボ ッ ト
"、
の活用
003
土木学会誌、V o 1 8 8 、
p p 7 5 - 7 72、
間野 実
llXlフ
ジタ 土 木本部 土 木続括部 機 械部
〒357-0036 埼玉県飯能市南 町 11-30
TEL:042-975-5035 FAX:042-974-7575
三村 洋 一
い フジタ 土 木本部 土 木統括部 機 械部
〒357-0036 埼玉県飯 能市南 町 H‐30
TEL:042-975-5035 FAX:042-974-7575
川上 勝 彦
mフ ジタ 土 木本部 土 木統括部 機 械部
〒357‐
0 036 埼玉県飯能市南町H‐30
TEL:042-975-5035 FAX:042-974-7575
◇本議のねらいと特色
無害化技術を推進する専門議
鰤晰鰤綺鶉輻
創刊年月日 :2002年 10月 18日
発 行 日 :毎 月 1日 発行
発 行 部 数 :12,000音 5
判型 ,総 頁 :B5判 、 116頁
定
価
:1,600円
(本体 1,524円 )
年間購読料 :18,000円
12冊 (税 ・送料含)
◎ 日m工 茉出版
本 社 〒113-8610東 京都文京区本駒込 6-3-26日 本工業 出版ビル
TEL 03(3944)1181(代 ) FAX 03(3944)6826
‐
http: 7www nikko‐
pb co ip/ ma‖
e― :nfo(pnikk。
pb co ip
地
環境浄化技術」は、大気 、水質 、土壌 ・
月刊 「
下水 、廃 棄 物 ・リサイクル 等 の 無害 化 技術 を
推進 いたします。
掲載 内容 は、環境管理実務 にすぐ役立 つ 最新
不U用技術 と環 境修 復 の基礎技 術 を 、わ
技術 ・
法規の最新情報を掲載、
かりやすく紹介、規格 ・
エネル ギ ー の
地球環境 の汚染を防止 、資源 ・
有効 利用 、廃棄物 の削減 リサイクル に役 立 つ
内容といたします。
◇本議をお読みいただきたい方々
官公庁 、化学工業、産業機械、建設土木 、繊維、
鉄鋼、紙パルプ、食品、肥料、薬品、石油精製、
化学、自動車、その他、環境管理技術者。地方
公共団体、大学の図書館の方々に購読をおす
すめいたします。
16-8-705
大
大 阪 営 業 所 〒5 4 1 - 0 0 4 6阪市中央区平野町
TEL 06(6202)8218 FAX 06(6202)8287
日本橋事務所 〒103-0004東 京都中央区東日本橋3-5-7ワ タナベビル4階
TEL 03(3808)1021 FAX03(3808)1023
中 国 事 務 所 〒350001福建省福州市鼓棲区湖東路宏利大贋
東側公寓棲13階F座
TEL(FAX)0591-7855622
―
¬
富士山源頭域 における吹付 ロボ ッ トの開発 … (1)
建設 ロボ ッ ト ・自動化 ・無人化技術
C0407‐10
富士山源頭域 における吹付 ロボッ トの開発
│1 裕一
国土交通省 富士砂防事務所 石 り
Hirokazu lshikawa
1. は じめに
国土交通省富士砂防事務所 では、富士 山西斜面 の
大崩壊地 「
大沢崩れJを 発 生 源 とする土砂災害 を防
止するための砂防事業 を実施 してい る。その事業内
容 は多岐 にわた り、土砂災害 に即効性 のあ る大沢川
扇状地内 での床 固工や流路 工 をは じめ とした対策事
業 を展開す る一方 で、土砂生産源対策 として大沢崩
れ発生 メカニズムの調査 やその対策方法 を確立する
ための調査 工事 (写真 1)も 実施 してい る。調査工
事 は、高標高、急峻 な地形、常 時落石や落雷 が発生
する環境下で行 わな くてはならないため、作業員 の
安全確保 は、発注者、受注者 ともに重要 な課題 とな
っている。
この ため当事務所 では、積極的に無人化施 工技術
に関す る調査 検討 を実施 し、建設 ロボ ッ トの開発 や
導入な どを図 つている。 ここでは、平成 12年度か ら
取 り組 んでい る斜面 の侵食防止 を目的 とした コンク
リー トの吹付 ロボ ッ トについ て紹介す る。
2.吹 付 ロボ ッ トの 開発 概要
2-1 大
沢崩 れ対策 (スコ リア層の侵食防止 )
大沢崩 れは富士 山の西斜面 に位置 し、ほぼ山頂付
近か ら始 まる延長約 2.lkm、幅約500m、最大深 さ約
150mも の大崩壊 地である。現在 は標高 3,500m∼
3,200m付近での斜面崩落 が盛 んで年平均約 15万m3
(10tダンプ3万 台分)の ペ ースで土砂崩落が継続 し
写真 1 富 士山源頭域
噴出物等 でで きた脆 いスコ リア層 とが互層構造 を成
してい る。風雨等 によ り溶岩層 に挟 まれたス コ リア
層 はよ り早 く侵食するため、下部 のス コ リア層 を失
ている。
い張 り出 した溶岩層が 自重 に耐 えられずやがて崩壊
す る。 これ を防 ぐための対策 工 法 としてス コ リア侵
大沢崩れが斜面崩落 を続 ける要因の 1つ にス コ リ
ア層 の侵食が挙 げ られる。 これは、大沢崩 れの地 質
による もので あるが、 この付近 は堅 い溶岩層 と火山
食防止 工 を実施 してい る。
ス コ リア侵食防止 工 は、 この侵食 されたスコ リア
層 に裏込め処理 を行 った後、 コンクリー ト吹付壁 を
0385‐
9 878/t14/¥5∞
絹命文/JCLS
建設す るもので ある ( 写真 2 、 第 1 図 ) 。
26 建 設機械 2004.H.
富士山源頭 域 における吹付 ロボッ トの開発 … (2)
写真 2 侵 食 した スコリア層
写真 3 人 力 によるコンクリー ト吹付状況
2-2 吹
付 ロボ ッ ト
この ような危険な作業環境 か ら作業員 を解放す る
ため吹付 ロボ ッ トを導入すべ く開発 した。
主 な内容 は次 の とお りである。
.
(1)吹 付ロボットの構成
吹付 ロボ ッ トは、ベ ースマ シン、吹付装置、距離
測 定 装 置 (多眼 ステ レオ カメ ラ)、 コ ン トロ ー ラ
(ラジコン送信器)、操作室内 の遠隔操作支援機器類
で構成 してい る (写真 4)。
第 1図 ス コ リア侵食防止工
施 工す る コンクリー ト吹付壁 は
粗吹付 と仕上 げ吹付 の 2 層 構造 と
し、壁勾 配 1 : 0 . 3 ( 7 3 ° ) 、壁厚
2 5 c m と してい る。
一般 的 にこの よ うな場 所 での コ
ンク リー ト吹付 は( 急 傾斜地 のた
め足場 が不可欠 な上、落石等 の危
険 がある中、吹付 ノズル ( 2 イ ン
チ径) を 作業員 が保持 し、入力 で
吹付作業 を行 っているのが現状 で
あ り、危険で過酷 な作業環境 とな
っている ( 写真 3 ) 。
写真 4 吹 付 ロボ ツ ト
建設機械 2004.H.27
富士山源頭域における吹付ロボットの開発…6 )
(2)吹 付 ロボ ッ トの機能
●吹付 ノズ ルが 設計 勾 配 面 に対 し、吹付 け角
吹付 ロボ ッ トは、セ ンサ、作 業機械 の 制御 ソフ
(9o°
)を 維持する角度制御。
●吹付 ノズルが設計勾配面 と吹付 け距離 lm ll旨
ト、画像表示関連 ソフ ト等 により、急傾斜地 での使
用 を考慮 し次 のよ うな機能 を充実 させた。
① l本 レバ ー操作 による吹 き付 け
ロボ ッ トの操作 は、下記 の機能 につい てベ ースマ
シンアー ムの上下、左 右移動 を実行する 6つ の関節
(5つ の油圧 シリンダ)の 運動 を予 め処理装置 に記
憶 させ る ことで、 1本 レバ ー操作 を可能 とした。 ま
た、誤操作 を防止す るため コン トロー ラには専用 パ
ネル を作成 した (第 2図 、第 3図 )。
定)を 維持する平行移動制御。
●吹付 ノズル位置 を画面 表示。
② リ アル タイム出来形管理
多眼 ス テ レオカメラで測定 したデT夕 を高速処理
する ことにより、 リアルタイムに吹付厚や吹付形状
を操作室 のモ ニ タにカラー画像 として表示す る。
吹付厚 は平面的な分布図、横 断面あ るい は縦断面
による表示 が可 能 である。仕上げ位置 に設計勾配 の
基準線 を設定す れば、仕 上 げ面 までの吹付が可能 と
なる (第 4図 )。
● 縦関節
○ 横関節
第 2図 吹 付 ロボ ッ トの関節
第 4図 出 来形表示画面
ノズ ル上 昇
/ ズ ル前 進
ノズ ル角 上 げ
ノズ ル角 下 げ
オ フ セ ット 左
レバ ー 1本 操 作
ノズ ル 下 降
ノズ ル 旋 回左
ノズ ル 後 退
ノズ ル 旋 回 右/ホ ー ン (長押 し)
右走 行 前
左 走行 前
エ ン ジ ン始 動
左 走行 後
蒟∬ 鮨 練
緊急停止
エ
コンクリー ト吹 き付け機 “ 次勁
第 3図 コ ン トロー ラ専用 パ ネル
28
1彗言
受奉
戊 2004. 11
雙わ
ンシン回転
ベ ク 詢 レモ ー ド
富士山源頭域における吹付ロボットの開発…0
③ 人 力作業 に比べ 高 い作業能力
人力作業 (2イ ンチ)に 比 べ大 口径 (3イ ンチ)の
吹付 ホースが使用可能 とな り、時間当た りの吐出量
を大 きくで きる。
(3)こ れまでの試験結果と現状
吹付 ロボットは、平成 13年度 に平場 での機能試験、
平成 14∼ 15年 度 には実際 に富士 山 にお い て現地試
このため建設 ロボ ツ トの 開発導入 にあたつては、
その検討内容 を 「
砂防、ダム事業 などの急傾斜地 を
想定 した無人化技術 」及 び 「
富士 山源頭域 (大沢崩
れ )対 策 に特 化 した無 人化技術 」 に区分 す るこ と
で、即 実用可能 な技術 か ら、 より高度 で複雑 な将来
技術 まで幅広 い検討 が可 能 とな り、取 りこぼ し技術
(可能性 があるに もかかわ らず アイデアの段 階 で潰
されて しまう技術) を 極力なくす努力を行 ってい
験 を実 施 した。その結果、吹付機能 では当初 の開発
目的 は達成 したものの施 工機 の位置設定 に伴 うロス
る。
時間が大 きいこ とや、作業全体 ではどう して も人力
に頼 らなければならない工 程があるなどの問題点が
建 設機 械 の ロ ボ ッ ト化 、 自動 化 お よび遠 隔 化 は、
土 木技術 、機械 技 術 、画像伝 送 ・処 理技 術 等 のl T 技
指摘 された。 このため、平成 15年度 より情報化施工
技術 を応用 し、施工対象面全体 を事前 に座 標 として
術 が融合 した もの で あ る。 これ らの技術 を よ り効 果
とらえ、施工 機械 の状態や位置 を把握することで施
工 性 の向上が可 能 となるようシステムの改良や全 自
動化 を目標 としたシステム構築 の検討 を実施 してい
る。また、多眼 ス テ レオカメ ラについ ては、高性能
デジタルカメ ラが普及 して きた ことか ら、これ まで
の 9眼 式 か ら2眼 式 に変更 しカメラ調整時間の短縮
や コンパ ク ト化 について も検討 を進めて い る。
4.お わ りに
これ までの成果 として、限定 された条 件下 で あれ
ば コンクリー ト吹付厚 をリアル タイムで把握 で き、
出来形管理 も本 システムで行 うことが可 能 となった。
ただ し、大沢崩れ対策 といった急勾配、狭小 な地
形 さらには大規模 な対策 エ リアでの技術活用 を想 定
的 に融 合 させ るため に関係 機 関 と十分 な調 整 を図 り
なが ら推 進 して い くこ とが何 よ り重 要 で あ る と考 え
る。
< 参 考文献 >
( 1 ) ② 先端建設技術 セ ンター編 : “緊急時の無人化施エ ガイ ドブ ツ
"、
ク 20017
筆者紹介】
【
石川 裕 一
(昭和 37年 H月 15日生 )
した場合、現在進めている既存技術 の応用 を主 とし
た開発 では対応 に限界 がある。
国土交通省 中 部地方整備局 富 士砂 防事務所
建設監督官
〒418 静 岡県富士宮市 三 園平 HCXl
肌 : 0545-27-5387 FAX : 0545-27-5986
E―
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建設機械 2004.11.29
関空 2期 用地造成工事 における情報化施工… (1)
建設 ロボ ッ ト ・自動化 ・無人化技術
報化施工
関空 2期 用地造成工事 における1情
一
関 西 国際空港 閉 石 原 弘
Hirokazu lttihara
1 . 関 西 国際空港 2 期 用地 造 成 工 事
関西国際空港 2 期 用地造成工事 は工 事 は、現在供
用 されてい る 1 期 空港 島 のさらに沖合 の水深 2 0 m の
位置す るため波浪や潮流等 の気象 ・海象条件 もより
厳 しい なかでの施工が行 われている。
海域 を埋 め立 てて面 積 5 4 5 h a の空港 島 を造成する も
のである。
平成 H 年 7 月 の着工か ら地盤改良、外周護岸 の築
造、埋立 工 事が行 われて きてお り、広大 な空港 島を
迅速 にまた効率 よ く造成す るためには最新のテクノ
ロ ジ ー を活 用 した情報 化施 工 の導 入 は不可 欠 で あ
る。本文 では2 期 島用地造成 に活用 してい る各種 の
情報化施 工の概要 につい て紹介 す る。
下部 洪 積 層 (約300m∼ 5∞m)
第 2図 地 盤条件
第 1 図 関 西国際空港 2 期 計画 ( 案) イ メー ジ図
愕
2.2期 用地 造成 工 事 の 概 要
2期 用地造成 工 事 は延長 約 13kmの 護岸 を築造 し
た後、そ の内側 を山砂等 で埋 め立 てて545haの用地
を造成す るものである。工事海域 の水深 は平均 20m
で、海底 には厚 さ20∼ 26mの 軟弱 な沖積粘土層、そ
の下 に400m以 上の洪 積層 が堆積 してお り平均 18m
の沈下 が見込 まれてい る。 1期 空港 島 よ り沖合側 に
03859873/04/¥509論 文/JCLS
3 0 建 設 機械 2 0 0 4 . H .
第 3図 用 地造成工事 フロー
関空 2 期 用地造成工事 における情報化施 工 … ( 2 )
現在 は揚土船 か ら直接土砂 を投入 して海域 を埋 め
立てる一次揚土 工事 と一次揚土 で出来上がった土地
の上 にさらに5 ∼ 7 m の 盛土 を行 う二 次揚土工 事 が
行 われてい る。空港 島造成 で最 も重 要 であ る地盤 の
るために薄層 で均 一 な埋立 を実施
不同沈下 を抑t l l す
す る必要がある。
G P S を 利用 した作業船運航管理支援 システムを構築
した。
また、 このシス テ ムは運航支援お よび土砂 の投入
支援機能 を持 っている。土砂 を積 んだ土 運船 には一
般船舶 の航行 の支障 にならない ような工 事海域 まで
のルー トが指示 され安全 に工 事海域 に到達する こと
がで きる。工 事海域内では予め決め られてい る投入
3 . 用 地造成 工 事 にお ける情 報化施 工
( 1 ) G P S を 利用 した作業船運航管理支援 システム
海上工事 では 自船 の正確 な位置情報 の取得 が必要
となる。例 えば土通船 か ら土 砂 の投入 を行 う場合 、
土砂 の正 確 な投入位置 管理 が必要 となる。 このため
位置がデ イスプレイに示 され、船 の位置決め の迅速
化が図 られている。
( 2 ) 埋 立土砂 の層厚管理 における情 報化施 工
埋立土砂 を薄層 にかつ均 一 に海底 に投入す るため
に投入前後 の土砂 の堆積形状 を正 確 に把握 し、その
基準局 (エアロプラザ)
航海画面】
【
【
投入画面】
基本ルー トを表示 し、自船および他船の位置、進路、船速を画面
上に表示 します。
投入位置座標、投入位置 を入力することにより、投入ポイン トと
現在 の位置 のズ レが画面上に表示 されます。
第 4図 作 業船運航管理支援 システム
建設機械 2004.
¬
関空2 期用地造成工事における情報化施工…6 )
デー タをもとに次 の投入計画 を立 てる必要 がある。
ー
海底地盤 の形状把握 の ための深浅測量 にはナ ロ
マルチ ビーム方式 の測量 システ ム を採用 した。ナ ロ
ーマルチ ビーム方式 の測量 システムは指向角 1.5°
の
ー
超音波 を放射状 に60本発信する ことにより最大 ビ
一
ム角 90°の範 囲 を 度 に測量 で きる ものである。測
量船 の動揺 も動揺補正装置 によつて補 正 を行 い、 こ
れまで線的 にしか捉 える ことがで きなか った海底面
の形状 を面 的 に把握 す ることがで きるようにな り、
効率的 に広範囲の測量 を行 うことが可 能 となった。
ー
測量結果 は コンピュー タ処理 され コンタ 図 とし
て海底面 の形状 を把握する ことがで きる。各土運船
の深度別 の投入土砂形状 のデー タを用 い、次 の投入
予定場所 にあてはめる ことによ り、投入後 の土 砂堆
積状況 を予め把握する ことがで きる。 このシミュ レ
ー シ ョンによ り次 の土砂 の投入位置、投入深度、土
運船 の船首方向等 を事前 に判断す ることが可 能 とな
り、精度 の高 い層厚管理 が行 えるようにな つた。
(3)ブ ル ドーザ敷 き均 し管理 システム
施工 層厚 を確保するために地盤高 さを管理す る必
要があ る。通常の施工では整地する高 さの目印 とし
て丁 張 りを設置す る。 しか し、広 大 な造成地 を迅速
かつ効率的に整地す るには不 向 きである。そのため
GPSを 搭載 したブル ドーザ敷 き均 し管理 システムを
開発 した。本 システムはGPSに より平面位置及 び高
さを計測 し、二軸傾斜計、超音波距離計 により姿勢
の補 正情報 を取得す るものである。 これ らのデー タ
か ら得 られた情報 をリアルタイムに表示す る ことに
事 務 所 (デ ー タ解 析 )
第 5図 ナ ローマルチビーム方式深浅測量 システム
第 7図 敷 き均 し管理 システム
仮定 した投入位置 の座標、船名、積載量、投入深
度、船首方向等 を入力 し、予測 コンター を図化 し
投入位置 の良否を総合的 に判断。
第 6図 山 砂投入 シミュレーション
32
1彗言
受お
文 2004. 11.
美″
関空2 期用地造成工事における情報化施工…( 4 )
よ り、丁張等 を設 置 せ ず に整地 作業が可能 とな り、
また面的な施工 管理が行 えるよ うになった。検証 の
結果、日標 とす る天 端高 に対 して ± 1 0 c m 以 内 の施
工 精度 が得 られていることがわか った。
( 4 ) 施 工 管理 システム
2 期 工 事 ではG P S に よる船位 デー タ、沈下計 によ
る地盤の沈下 デー タ、深浅測量 デー タ等 の施 工 履歴
傷童王凡例
:屁 整肇鱚
により埋立土砂 の層厚 をより正確 に把握 する ことが
で きるようにな り、埋立地 の天端高 の設定や必要 な
土量の算 出に活用 されてい る。
直投O攣
穆し 馘
直投の ゃ 施工
:鐵
3︲
全 9
9
正璃協
揚土その 1 揚 土その 2
揚土その 3 揚 土その 4 揚 土その 5
揚
llll1 0%
lllcl o% 1000%
10110%
632%
1∞
1000%
1∞ o%
1000%
1∞
0%
616%
635%
00つ.
0
00マ.
0
§ミ 尋尋ミ 邑ミ 曼尋員目
0●N.
6
〇●∞.
N
OQVα
や.
00
N
09゛.
べ
099.
d
.
O●∞ 一
②①
投 土
直揚
進捗 率 :
〇●つご
00N.
¨
8邑
雅『 施農 摯辣 膨 馘
鷲
情報 をデー タベ ース化 し、集 中管理 している。工 事
区域 を施 工 管理 ブ ロ ックに分 け て埋 立土 砂投 入位
置、投入土量、水深、地盤 の沈下量等 の情報 をデー
タベ ース化 し一 元管理 してい る。蓄積 されたデ ー タ
土その 7
0%
(a)施 工進捗平面図 (200m× 21prllll)
E ラ イ ン 4 0 m 管 理 プ ロ ック 層 圧 断 面 図 ( Y = 3 , 2 6 0 )
瀾 直投② 揚土①
樹 直投① -2
職 直投① -1
鶴 敷砂② -6
糠 敷砂② -5
鶴 敷砂② -4
糠 敷砂② -3
露 敷砂② -2
駿 敷砂② -1
饉 護岸部
OIXI S霞
:昌1ヽ島員曼:3員員量宝ヽヨヨミ:尋員138量員:3ヽミ員:ξ:ョヨ:量881:ミヽヽヨ13ミ量ミ象ヨヨミ18
( b ) 層 厚断面図 ( 4 0 m ブロ ツク)
第 8 図 施 工管理 システム
…
関空 2期 用地造成工事 における情報化施工 0)
分
工
揃\ヽ
土砂 を薄層 に
敷均 し
2次 揚
揚土船
直投① 二 次敷砂 ・敷砂分
第 9図 二 次揚土工事概要
(5)2次 揚 土工事における情報化 施 工
2次 揚土工 事 は、将来 の滑走路 ・誘導路 の路体部
に相当する部分 までを施 工する。そのため航空機 の
一
荷重 を支持で きる強固 で均 性 の高 い地盤 を造成す
ー
る必要があ ることか ら大型振動 ロ ラによる転圧縮
一
固 め工 法 を採用 してお り、 層 あた り60cmの 層厚
で 8回 の振動 ロー ラによる転圧作業 を行 っている。
こうして造成 された地盤 の岡1性等 の特性 は従前 の
ー
平板載荷試験等 の手法 に代 わつて、振動 ロ ラ応答
ー
加 速度法 により把握 を行 っている。振 動 ロ ラ加速
ー
度法 は振動 ロ ラに取 り付 けた加速度計 で地盤の応
答加 速度 を計測 し、地盤 の固 い部分 ではその反発力
で加速度が増 し、柔 らか い部分 では加速度 が小 さく
な る性 質 を利用 して地盤岡1性を求める ものである。
ー
この手法 により施工 を行 い なが ら面的なデ タを取
得す る ことにより地盤 の脆弱部や特異箇所 を特定す
ることが可能 とな り、広大 な施エ エ リアの地盤 の均
質性 の確保や品質管理 を簡易 に、かつ迅速 に行 うこ
とが可能 となった。
4 . お わ りに
関西国際 空港 2 期 用地造成工 事 は着 工か ら5 年 を
経過 した。 1 期 事業 に比べ て大水深 の海洋工 事 であ
り、地盤条件 もより厳 しい なかで コス ト縮減 に努 め
なが ら事業 を実施 して きてい る。 この 2 期 事業 を支
えて きたのは最新 のテクノロジー を活用 した情報化
施 工である。
2 期 島 は2 0 0 4 年7 月 で面積 4 8 0 h a が陸地化 してお
り、2 0 0 5 年春 には供用 開始 に必 要 な最小限 の用地造
成が完了す る見込みであ る。引 き続 き2 0 0 7 年の 2 期
空港島供用 開始へ 向けて全力 で取 り組 んでい く所存
で あ る。
筆者紹介】
【
l蹴硼 辱│ど
搬観璃麗乱
ζ
9刊写
:誓
弓
副lヌ
と併 用 す る こ とに よ り、 合 理 的 な施 工 管 理 が 可 能 。
第 10図 転 圧管理 システム
34 建 設機械 2004.H.
一
石原 弘
関西国際 空港備 建 設事務所 担 当部長
〒549-OIXll 大
阪府泉佐野市泉州 空港北 1
TEL : 0724‐55-4022
FAX : 0724-55-4045
ケー ソン無人化据付 システム… (1)
建設 ロボ ッ ト ・自動化 ・無人化技術
C0408‐02
ケー ソン無人化据付 システム
=防 波堤築造 にお けるケ ー ソン据付の無人化施工〒
五洋建設い 真 鍋 匠
Takumi Manabc
1.は
じめに
従来、崩落、転落、転倒等 の危険 を伴 う現場 にお
いて施工 機械 の無線遠隔操作 ( ラジコン) に よる施
工が行 われて きた。「
無 人化施工J は これ ら施工 機
械 の高度利用技術 と位置 づ けられる。 当社 にお い て
も昨今 の技術革新 が著 しい無線 L A N に 着 日 し無 人
化施 工 へ の適用 を提案 して、平成 1 4 年 1 0 月に建設
技術審査証明証 を取得 した。無線 L A N を 用 いた五
洋式無人化土エ システムは、従来 の長距離伝送やデ
ー タの多重化 などに関する
課題 を解決 す るシステム
として構築 されて きた。
これ まで 当社 において培 って きた無人化施 工技術
を、従来作業員 によ り行 われてきた防波堤築造 の際
のケー ソン据付施工 に応用 し、据付作業 の無人化 を
実現 した。
港湾 にお け る防波堤築造工事では、大型 ケー ソン
を据 付 ける際、浮上 させたケ ー ソン上 に十人程度 の
作業員が搭乗 し、各隔室 の水位監視および注排水 ポ
ンプや引寄せ ウィンチ を操作す ることによ リケー ソ
ンの据付 を行 っている。 しか し、据 付 ケー ソン上 に
は、ケー ソン位置決 め用 のワイヤや注排水 ポ ンプ等
の装置が輻藤 して設置 されてお り、作 業性が悪 いこ
とに加 え、波 の影響等 でワイヤに過 度 のテ ンシ ョン
が加 わることによ り、ワイヤが破断 して飛来 し、ケ
ー ソン上で作業 中の 人間に接触す る
危険性がある。
また、ケ ー ソンの隔室へ の注排水時 におい て、ケー
ソンを水平 に保 ち据付 けるために、従来では作業員
が各隔室 の水位 を適宜計測 しなが ら注排水 ポンプの
そ こで、ケ ー ソン据付作業 の要素 を抽出 し新規 に
システム化す ることで、遠隔か らワ ンマ ンオペ レー
ションで据付 を行 うことを可能 としている。
ケー ソン無人化据付 システムの 開発 の背景 を第 1
図 に、概念 図 を第 2 図 に示す。
2 . シ ス テムの 概 要
(1)概 要
ケー ソン無人化据付 システムは、ケー ソンの動態
監視、ウインチ操作 お よび注排水監視 ・操作等 の作
業 をシステム化 し、無線 L A N を 用 いて遠 隔 か ら一元
的 に集中監視 ・操作す ることによ り作業効率 と安全
性 の向上 を図る ものであ る。第 3 図 にケ ー ソン据付
の作業 フロー を示す。
情報を遠隔から集中監視 し、据
付操作 を遠隔か らの一元管理 と
することで、作業効率が向上
隔室内の水位お よ
びケー ソンの傾斜
を遠隔か らリアル
タイムに監視 し、
注排水ポ ンプの遠
隔発停 を行 う厳密
な注排水管理
据付時にケー ソン上
を無人 とし、遠隔操
作および遠隔監視す
ることで作業安全性
が向上
操作 を行 ってお り、精度 や効 率 の面 で課題 があ っ
た。
0385‐
9 878/04/¥500ノ
論文″CLS
第 1図 シ ステム開発 の背景
建設機械 2CIC14.
│
]
ケー ソン無人化据付 システム… 0 )
│
(2)特 長
本 システムの特長 として下記 の事項が挙
げられる。
① ケ ー ソンの動態 (位置、方位、傾斜)、
各隔室 の注排水状況の計測、引寄せ ウイ
ンチと注排水 ポ ンプの操作等 を遠隔から
一元管理が可能
ー
② 各 種 センサデ タと5台 のテレビカメ
ラモニ タにより現地 の臨場感 を損 なわず
遠隔操作 を行 うことが可能
・
③ 最 大500mか ら確実 な遠隔監視 操作
を行 うことが可能
④ 従 来ケー ソン上にて作業員が行 つてい
た据付作業 を、遠隔監視 ・操作盤 でのワ
ンマンオペ レーションが可能
3.シ ステム構成
ケー ソン無人化据付 システムは 4つ の基
幹技術 により構成 されている。第 4図 に本
システムの基幹技術 を示す。
① ケ ー ソンの動態、各隔室の水位 および
ウィンチや注排水ポ ンプの動作状況 をデ
ー タや映像等で遠隔から監視す る技術
② ウ インチや注排水ポ ンプの発停 を遠隔
第 2図 シ ステム概念図
③
YES
l
鰊
liシ
標 位 置 まで
llF水
で行 う遠隔操作技術
、
ンチ
の
操作 に関す
非常停止通信 複線化やウイ
る多重安全回路技術
④ ウ ィンチの トルクリミッタやシステムの異常
警報等の危険予測 '回避技術
ケー ソン据付 は、波 によるケー ソンの動揺 のタイ
ステム適用外の作業
:システム適用の作業
第 3図 ケ ー ソン据付作業フロー
36 建 設機械 2004.H.
第 4図 シ ステム基幹技術
ケー ソン無人化据付 システム… (3)
ミングを見計 らいケー ソンヘ の注水や ウインチ操作
を行 うことか ら、熟練者 の手腕 に委 ね られることが
多 い作業 である。 また、海 象状況や使用する機械の
能力、ケー ソンの形状 によつて も、操作加 減 は変 わ
って くる。安全対策や費用対効果 も含 めて検討 した
結果、 システム による据付作業 は 自動 では な く、人
間 を介在 させる遠隔か らのワ ンマ ンオペ レー シ ョン
とした。本 シス テムのモ デル を第 5 図 に示す。ケー
ソン上 に搭載 した機器類 か らの情報 をもとに、オペ
レー タが 判 断 を下 し操作 を実行 す る もの と して い
る。
鶉 け饒
写真 1 遠 隔監視 ・操作盤
モニ タリング
デー タ
回 =飩 輻
閻
制御 操作盤
ヽ
攣
ウインチ監 視 ・
全 体 監視 カメラ
第 5図
シ ステ ムの モ デ ル
ケー ソン上 には、ケー ソンの位置お よび方位 を計
測す るためのR T K ―G P S 受 信機 、ケ ー ソンの傾 きを
計測す る傾斜 計 、各隔室 の水位 を計測す る水位計 、
ケ ー ソ ンの 喫水 を計 測す る吃水 計 、引寄 せ ウ イン
チ、注排水 ポンプ、監視 カメラお よび無線制御盤 を
搭載 している。 また、遠隔操 作室 には、ケー ソン上
の装置 を遠隔か ら監 視 ・操作す る操作盤 を設置 して
い る。 ケ ー ソン据付作 業 中は常 に制御盤 と遠 隔監
視 ・操作盤 間で無線 L A N に よ り、セ ンサデー タ、映
像 お よび制御信号 の送受信 を行 っている。オペ レー
タは、 これ らの状 況が表示 されるモ ニ タを注視 し、
ケー ソンの動態や各隔室 の水位 を正確 に把握 し、従
来不可能 であった複数 のウインチ と十数台 の注排水
ポ ンプ を効 率 よ く遠隔か らワ ンマ ンオペ レー シ ョン
する ことが可 能 となっている。写真 1 に 遠隔監視 ・
操作盤 を、写 真 2 に 無線制御盤 を示す。
写真 2 無 線制御盤 (ケー ソン上)
4.フ
ェイル セ ー フ技 術
本 システムの導入 により、ケー ソン上 は無人 とな
るため据付作業 の安全性 向上 を図る ことが可能 とな
るが、据付作業 の無人化 によ り生 じる危険 も予想 さ
れる。
建設機械 2004.H、
37
ケーソン無人化据付システム…●)
危 険 要 素 と して特 に、
① ケ ーソンの安定保持
② 無 線LANの 通信不良
③ ワ イヤ破断によるワイヤ繰出し、または巻込
み
④ 遠 隔 お よび機側で の重複操作
等 が考 えられ、 これ らを解決する手段 として前述の
・
多 重安全 回路技術 お よび危険予測 回避技術 を導入
してい る。海上 における無人化施 工では、予想外 の
外因がケー ソンに影響 を及ぼ した場合 、若 しくは シ
5 。 導 入例
宮崎港防波堤築造 工 事 の実海域 において、作業機
一
械 と人員 を従来通 り配置す る 方、発注者 の承諾 を
得 て試験 的に本 システム を適用 した。導入状況 を写
ー
真 3 、 写真 4 、 写真 5 に 示 す。据付 け たケ ソン
13m(H)、 隔
は、サ イズが20m(D)× 25m(W)×
あ つた。
室数 1 6 ( 4 × 4 ) 、重量が3 , 5 3 0 t で
ステ ムの動作 が完全でなか つた場合、大 きな事故 に
繋 が る可 能性 もあ り、 これ らの機構 は必須 と考 え
る。
ケー ソンヘ の注排水時 において、各隔室 へ 同量 の
注排水 を行 うにつ れて重心 と浮心 がずれる上部斜面
ー
堤等 のケー ソンでは、遠隔か ら水位やケ ソンの傾
斜 の計淑1デー タだけを頼 りに注排水操作 を行 うこと
ー
は困難 で あ る。そ こで本 システムではケ ソ ンの各
ー
隔室 の水位 に応 じた目標値 を予めシ ミュレ シ ヨン
し、その結果 を設定 してお くことで、適時 目標水位
を表示 し、ケー ソンの安定 を保 ちなが ら注排水操作
0●
●●
線 LANが 通信途絶 に陥 った として も、遠隔操作 を
す る者が意 図 しない ウイ ンチの動作 を防止 して い
る。 また、非常停止通信 は複線化 し、無線 LANの
00●
00●
一
3 一
がで きる もの とな つている。
ー
ウインチの遠隔操作 にお いて、操 作 レバ 傾倒時
にはウイ ンチ作動信号 を連続 で送信 す るもの とし、
敢 て自己保持 回路 を採用 してい ない。 このため、無
写真 3 ケ ー ソン上の艤装状況
穆
1系 統 が リンクダウ ン して も他 の系統 か ら緊急停止
させ ることが可 能 で ある。
ケ ー ソン据 付 中 にウインチの ワイヤが破断 した場
合 を想定 し、ワイヤの過巻 き、繰 出 し過 ぎを検知 し
ウ ィ ンチ動作 を停 止 す る機 能 を設 け て いる。 ただ
し、ウィンチには任意 に設定 した荷重以上 の力が ワ
ー
イヤに働 いた場合、自動 的にワイヤを リリ スする
写真 4 無 線 LANア ンテナ群
トルクリミッタを設 けてお り、 ワイヤが破断する可
能性 は極 めて低 い と考 える。
他 に遠隔操作機能 を有す るシス テムにおいては当
然 であるが、機倶l操作 との切 替 を機側 に配する こと
で重複操 作 を防止 している。 また、ウインチや注排
水 ポ ンプの負荷状態 の監視 を遠隔か ら可能 にすると
ともに、過負荷 の状態 に陥 つた場合 は警報 で通知す
るようにな つている。
写真 5 遠 隔監視 ・操作室
38
1彗言
戊 2004. 11.
覺お
美わ
ケー ソン無人化据付 システム… 6 )
従来方法 によ り、 アンカー ブ ロ ックにウインチワ
イヤをワイヤ リング後、本 システムを使用 して、遠
隔か ら注水す るとともにウインチを操作 してケー ソ
7.お わ りに
建設作業 における 自動化や無人化技術が果 たす役
割 の内には、生産性 の向上 だけでな く、作業 に従事
ン据付 を行 った。当初、遠隔操作 に起 因す る臨場感
の欠如等 によ り、作業効率 の低下が予想 されたが、
本 システムが遠隔監視項 目を十分 に備 えていること
と、気象 ・海象 に恵 まれたこともあ り、従来方法 と
す る人 間 に安全 を もた らす こ とな ども含 まれて い
同様 に据付 に要 した時 間 は約 1 時 間 であ つた。 ま
た、据付位置 は 目標 か ら5 c m 以 内 で あ った。遠隔監
とが肝要 であると思 われる。ケー ソン無人化据付 シ
ステ ムは、ケー ソンを据付 ける とい う本来 の機能 は
無論 であるが 、特 にフェイルセ ー フ性 に傾注 し開発
視 お よび操作 は最大 5 0 0 m 離 れた地 点 か ら行 えるこ
とを確認 した。
る。 ともすれば機械や技術が有す る能力 に目を奪 わ
れがちになるが、FAが そうであるようにフェ イルセ
ー フの観′
点に立 ち、また全 てを機械任 せ に しないこ
を進 めた。安全 に施工 を遂げるための一助 になれば
と思 っている。
6 . 今 後 の適 用
本 システムの特徴 は既述 の通 りで あるが、それ ら
を踏 まえ、以下の状況で更 にパ フォーマ ンスを発揮
で きる と考 えて い る。
( 1 ) 大 型ケ ー ソン据付
据付 に要す る機械類 が大型化お よび増加す る大型
の ケー ソン据付 にお いて、 ワ ンマ ンオペ レー ション
が可 能 な本 シス テムを導入す ることによ り、据付作
業 を一 元管理す る効果 が表 れると思 われる。
( 2 ) 上 部斜面堤等 の異形ケ ー ソン据付
ケー ソンの隔室内へ の注水 に伴 い、ケー ソンの重
心位置が移動す るようなケー ソンにおい ては、本 シ
ス テム により各隔室 の水位 とケー ソンの傾斜 を監視
しなが ら、予め各注水段階 に応 じて設定 した目標水
位 に向けて注水作業 が行 えるため、安全 かつ効率 よ
く作業 を行 うことがで きる。
ミ示会
、 ′
筆者紹介】
【
真鍋 匠
五洋建設m 土 本部門 土 木本部 機 械部 主 任
〒H 2 8 5 7 6 東 京都文京区後楽2 - 2 - 8
TEL:03-3817-7605 FAX:03-3816-7533
E―
mail:Takumi Manabccalm“ l penta―
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求人 パ ンフ レッ ト
ミ種 /」
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企業 の ひ らめ きを実 モ1こ
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釧 到 HONBttH CHUOメ
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5
建設機械 2004.H.39
¬
宇宙 ロボ ツ ト技術 … (1)
宙
鶴宇
〓
無人化技術
建設ロボット・自動化 ・
ロボ ッ ト技術
での組立て ・保守 =
宇宙航空研究 開発機構 稲 場 典 康
Noriyasu lnaba
小田 光 茂
Mitsushige Oda
1. は じめに
本稿 では、宇宙 での組立 て ・保守 の動向 とこれに
宇宙 ロボ ッ ト技術」 につい て概説す る。
関る 「
2 . 宇 宙 システ ムの 歴 史 と動 向
1 9 5 7 年に旧 ソ連 の人類初 の人工衛星が打上げ られ
てか ら、まだ5 0 年足 らずである。宇宙開発 は意外 に
歴史 の浅 い人類 の活動 であ る。 1 9 8 1 年に米国 のスペ
ースシャ トルが打 上 げ られるまで、宇 宙 空 間 に人工
衛星 を打上 げる ロケ ッ トは全 て使 い捨 てであ り、 ま
た打 上 げられる人工衛星 も単発、使 い きりで、故障
あるいは、軌道保持用 の燃料 の枯渇 により衛星 の運
用 は終了、軌道 上 に放 置 されて きた。
宇宙 システムが、通信 ・放送、地球観測、科学 等
の用途 に本格的 に利用 されるようにな った今 日、宇
宙機 の大型化が 1 つ の方向性 として出 て きてい る。
衛星携帯電話用 の静止衛星 の重量 は3 t を超 え、展
開型 ア ンテナの直径 は2 0 m に 至 っている。 また、建
設 中の国際宇宙 ステー シ ヨンはスペ‐ スシャ トルの
4 0 回 を超 える飛行 によ り、建造 パ ー ツを順次運 び、
宇宙飛行 士の作業 により軌道上で結合 される。完 成
宇宙建造物」
時 には全長 1 0 0 m 重 量 4 5 0 t にも及 ぶ 「
第 1図 国 際宇宙ステーション
宙 イ ンフラス トラクチ ャ」 として軌道 上で必要 な修
理 ・機器換装等 の保守 を行 い、長期間 に渡 り運用す
ることが必要 になる。例 として、上 記、国際宇宙 ス
テー シ ョンの他 に、ハ ッブル宇宙望遠鏡 が軌道上で
保守 が行 われるシステ ム として上 げ られる。
国際宇宙 ステ ー シ ヨンお よびハ ッブル宇 宙望遠鏡
は宇宙飛行士 による有人の組立て、保守作業 を利用
した システムである。 これに対 し、 このよ うな軌道
である ( 第 1 図 ) 。
打 上 げ ロケ ッ トの大型化 に限界があ る中、 1 回 の
打上げで運搬 ・展 開可能 な宇宙機 の大 きさは既 にほ
ぼ限界 に達 してお り、 これを超 える規模 の字宙 シス
テムの実現 には国際宇宙 ス テー シ ヨンの例 に見 ると
上での組立て、保守 を自動 ならびに地上か らの遠隔
操作 により遂行す ることを目指 し、我が国は、技術
Ⅶ お りひめ ・ひこぼ し)に よ
試験衛星 Ⅶ型 (ETS―
る 自動 ラ ンデブ ・ドッキ ングや宇宙 ロボ ツ トによる
(1)
組 立 て実験 等 を世界 に先駆 け行 った実績 を持 つ
お り、複数回 の打 上げで順 次 パ ー ツを供給、 これを
軌道上 で結 合 あ るいは組 み立 てる必 要 がある。 ま
宇
た、大型化 によ り高価 となる宇 宙 システ ムは、「
(第 2図 )。
「
使 い捨 て」 の宇宙 開発 によ り宇宙 の ゴ ミも増加
して い る。米 国 が管理 ・追跡 して いる10cm大 を超
LS
0 3 8 5 9 8 7 8 / 0 4 / ¥ 5 文″
0 0 /C論
使 い捨
えるものだ けで も 1万 弱 の数 に上 る。今後 「
40
1彗言
覺孝
戌 2004. 11.
箕希
宇宙 ロボ ット技術 … ( 2 )
宙構 造物 は可能な限 り軽量 に作 られ る。そ の結果、
特 に軌道 上で展 開 される太陽電池 パ ドルゃ大型 ア ン
テナ等 は岡1 性の低 い柔軟構造物 であ り、一度展開 さ
れた後 の取 り扱 いは非常 に難 しい。
また、組立て作業 中に組立て部位や工 具等 を誤 っ
て放出す ると、後 に宇宙機や宇宙飛行士 に衝突す る
危険があ るため、誤放 出が起 こらない様 に、扱 う機
器 の設計や作 業手順 には十分 な配慮 が要求 される。
第 2図 技 術試験衛星Ⅶ型
て」 の宇宙活動 を続 ければ、 ゴ ミ同士 の衝突 によ り
ゴ ミの数や分布 は雪崩式 に増加拡 大 し、地球圏 での
字宙活動が全 くで きな くなる恐 れ もあ り、早急 な対
応が必要であると警 笛 を鳴 らす研 究結果 も数 多 く発
表 されてい る。地 上では先進国 を中心 として、地球
環境 に配慮 した 「
持続的開発」へ の関心が高 まって
いるが、近未来 には地球環境 の概念が宇宙 まで広 が
地球圏」 の環境 へ の意識 を高 める必要 があると
り「
も考 えられる。宇宙 の環境保 全 の 1 つ の方策 として
も、「
使 い捨 て」 か ら 「
保 守可 能 な宇 宙 イ ン フラ」
へ の転換 は有効 で ある と考 えられてい る。
3.「宇宙建築 ・
保守」の実際
例 えば、宇宙飛行士 は使用す る工 具 には必ず命綱 を
付 けてか ら作業 を行 い、また作業 ロボ ッ トの手先 は
操作物 を機械的嵌合 により確実 に把持 し、かつ不慮
の電力喪失時 にもオーバ ーセ ンタ機構等 の利用 によ
り、把持 が 開放 されない工 夫が施 してある。
( 2 ) 組 立て 。保守作業 の実際
字宙 ステー シ ヨンの組立てを例 に紹介 す る ( 第3
図) 。短期 間 の簡単作業 で組立 て作業 が完 了 で きる
ように、建造 は、 シャ トルの貨物室 の容積 に入 る直
モ ジ ュー ル」 と呼 ばれる
径 4 m 、 長 さ1 0 m 程 度 の 「
ユニ ッ トを予め地上 で作成 してお き、 これを軌道上
で順次結合 してゆ く。 モジュール 同士 は、位置 ・姿
勢誤差 を吸収 しマニ ピュレー タの操作で簡単 に結合
が可能 なバ ー シング ・メカニ ズム と呼 ばれる機構 に
よ り軌道上 で結合 される。 l モ ジ ュ ー ルの重 量 は
1 0 t にも及 ぶが 、第 3 図 ( a ) に
示す とお り、重力 のな
い軌道 上では小 さな駆動 トル クしか持 たないマニ ピ
(1)宇 宙 の 特殊 事情
宇 宙飛行 ± 7∼ 8人 を軌 道 上 に 1∼ 2週 間滞在 さ
せ る、 スペ ー ス シャ トルの 1フ ライ トは500億 円程 度
の経 費 を要す る と言 われて い る。 宇 宙 での マ ンパ ワ
ニ は極 め て貴 重 か つ 高価 であ る。従 って 、宇 宙 での
組 立 ては、最小 限 の活動 で行 える よ うに設計 される。
軌道上 の飛行 士 の作業 は、シヤ トル船内か らの
マニ ピュレー タ操作」 によるもの と、宇宙服 を着
「
た飛行士が、種 々の専用工具 を利用 して行 う 「
船外
活動」に大別 される。言 うまでもな く、宇宙空間は
真空で宇宙放射線 が飛 び交 う厳 しい環境 である。厳
しい宇宙環境から飛行士 を守 る宇宙服 は、柔軟性 に
乏 しく、体 の動作範囲や視野 に大 きな制約がある
他、分厚 い グローブをした手 での作業 となるため、
精細作業は極 めて困難 である。
l g の 物 質 を地球 低軌道 に打上 げる費用 には約
1,ooO円
かかる。鉄 くず も金 の価格 に値す る。また、
軌道上の構造物 は自重を支 える必 要がなく、地上程
な構造 を必要 としない。 これ らの理 由により、宇
岡」
(a)組 立て初期の写真
総
鶉
鰊
(b)組立て行程
第 3図 国 際宇宙 ステ ー シ ヨンの組立 て
建設機械 2004.H.41
宇宙 ロボ ッ ト技術 … ( 3 )
ュレー タで も操作が可能である。結合部 には、構造
結合 と同時 に、モジュール間の信号 お よび電力配信
のための電気 コネクタ、並 びに部位 によっては冷却
用流体 の移送 のための流体 コネクタが位置、姿勢誤
差 を吸 収 し、結合で きる用 に設計 されてい る。
カナダ製 のステ ー シ ョン上のマ ニ ピユレー タは 7
尺取虫動作」
自由度 で、宇宙飛行士 の操作 により、「
によ り作業場所 まで移動が可能であ り、逐次増設大
型化する建造 に対応 で きる。
写真 1は ハ ッブル宇宙望遠鏡 の修 理保守作業の様
子 である。 マニ ピュレー タを足場 として作業場所 に
移動 した宇宙飛行 士 は、 ソケ ットレンチ等 の各種 工
具 を利用 して、機器 の着脱 を行 う。
軌道 上で、船外活動 により取 り付 け、あ るい は交
換 される機器 は、分厚 い グローブをした宇宙飛行士
の手 での作業 を可能 に し、更 に不 慮 の放出 を防止す
るため、工 具あ るい は締結用 ジグに も工夫が施 され
ている。第 4図 (a)は
電気 コネクタの例 であ る。大 き
な耳 を持 ち操作が容易 に してある。(b)は
、キャプテ
ィブ ・ボル トと呼 ばれる、開放時 にも雄 ネ ジが分離
しない締結具 で あ る。
(a)コ ネ ク タ例 (NASA)
(b)キ ヤプテ イブ ・ボル ト (NASA)
第 4 図 船 外 活動 対応 の イ ン タフェ ー ス
(b)
写真 1 ハ ッブル望遠 鏡 の 保 守作 業 ( N A S A )
42
1彗言
覺お
戊 2004. 11.
後希
( 3 ) 組 み立て ・保守のロボ ッ ト作業化
地上 のヒューマ ノイ ドの概念 と同 じく、宇宙 ロボ
ッ トも 「
人間型J と し、「
宇宙飛行士 の行 う船外活
ー
動 のインタフェ スをそのまま利用 し、人間の行 う
宇宙 ロボ ツ ト技術 … ( 4 )
ニ ピュ レー タで もそれぞれ個 々に工 夫 した設計 を行
ってい る。写真 3 は 、次世代宇宙 ロボ ッ トの研究 モ
デル として当機構が開発 した、市販 のマ ニ ピュレー
タの先端 にも結合 で きるエ ン ド・エ フェクタの試作
品 であるい。
写真 3 ( C ) のトラスは、当機構 で提唱す る 「イ ンフ
ォメーシ ヨン構造体」 である。構造体 としての複合
材料 トラスの内部 に信号 ・電力線 を配 し、組 立て中
写真 2 NASA Robonau`3)
は作業 に当 たるロボ ッ トヘ の電力供給や、 ロボ ッ ト
間の信号伝達 に供 す ることがで きるとともに、組立
て後 はシステムの伝送線 として利用 で きる。 ロボ ッ
トにより組 立 て易 く利便性 の高 い構造体 で あ る。
、 とい う構想 も古 くからあ
作業の全てを代替する」
〕の
る 。N A S A が 行 っ て い る R o b o n a u 」
研 究 もそ の 1
つであ る。精細 さが劣化する 「
厚 い宇宙服 グ ロー ブ
をした手」 のロボ ッ トによる置 き換 えは 「
素手」 の
ー
ハ
べ
い
ルは
の
れば
ド
き換
えに比
もの
低
、実環境
置
を相手 に した宇 宙作業 での確実性 の要求 を満足す る
には、今後多 くの研究 を待 たなければならない。
2003年 2月 のス ペ ース シャ トル ・コロンビア号 の
事故 を契機 に、NASAは 従来 のシャ トル によるハ ッ
ブル宇宙望遠鏡 の保守 ・修理 ミッシ ョンを安全上の
(a)エ フェ ク タ
理 由か ら中止 し、代 わ りにロボ ッ トによる代替 ミッ
シ ョンが可能か否 か、ホームペ ー ジを通 じて広 く世
界 の研 究機関 ・企業 に提案 の募集 も含めて、検討 を
行 っている (2004年夏現在)。広 く集 まった提案 を
吟味 し、NASAが 如何 なる判断 を下すのかは注 目に
値する。
現時点 で新 たな ロボ ッ ト組立 て ・保守 を前提 とし
た宇宙 システムを設計す るとすれば、当然 なが ら作
業 の確実性 の観点 か ら、① 被操作物 をロボ ッ トの扱
い易 い形状 ・形態 に加工 し、② ロボ ッ トの行 う作業
を限定 し、「
半専用機械」 として使用、更 に③ 地上
いは
ある
宇宙飛行士 か ら必要 に応 じた指示 ・支援 を
(b)把持部付 きパネル
に
)把 持部付きトラス●lj
写真 3 ロ ボ ッ トのエ ン ド・ユ フェクタ例
( 5 ) 遠 隔操作技術
遠隔地 の ロボ ッ トを有効 に操作 し、通信容量や時
与 える、 とい うものになる。
(4)ロ ボ ッ トや締結器具の工夫
ロボ ッ トによる組立てや、機器の取 り付 けを行 う
間遅 れの市1 約の もと、確実 に作業 を実行するための
遠隔操作 に関す る種 々技術 の 中 には、宇宙 や原子力
際 には、手先 と結合部 の位置 ず れ姿勢 ず れ を吸収
し、確実 な把 持 、結合が行 えるよう、組 立て部位並
びに ロボ ッ ト手先 (エン ド・エ フェクタ)の 設計 に
工 夫 を施 し、必要 に応 じて、 ロボ ッ トの力覚制御 も
利用す る。前述 の字宙 ステー シ ヨン用やETS―Ⅶのマ
施設 での利用 を対象 とし研究開発 された ものが少 な
予測表示」 や、
くない。 シ ミュ レー シ ヨンによる 「
ロボ ッ ト自身 の多重 セ ンサ フイー ドバ ツクと通信系
を介 した運用 者 を含 む制御 ・処理 ルー プを分担 ・重
に
畳利用す る遠 隔 ・自律共有 の概念等 があげ られる ) 。
建設機械 2004.
宇宙ロボット技術…(5)
写 真 4 に E T S ―Ⅶ の ロ ボ ッ ト運 用 に利 用 され た予 汲1
画 面機 能 を もった運 用 装 置 を示 す。
4.将 来構 想
現在構想 中の、将来 の大型宇宙 システムを紹介す
る (第 5図 )。第 5図 (a)は
字宙太陽光発電 システム
で あ る。原子力発電所 に匹敵す る lGWを 発 生す る
システムは2km四 方 にも及 ぶ太陽電池 を広 げ るシス
テム となる。輸送系 によ り軌道 上 に運ばれた後、展
開機構 あるい は、イ ンフレー タブル構造体 と呼 ばれ
写真 4 ETS― Ⅶ ロボ ッ ト運用設備
るガス噴射 によ り膨張 ・固化す る機構等 により構造
部 を逐次 構成 してゆ くことが検 討 されてい る。
第 5図 6)は大型 ミラー により静止軌道か ら日本 を
高 い解像度 で常時監視す る常時観測 プラッ トフオー
ムで ある。観測時間に制約 を受 ける現状 の低軌道 を
飛行す る観測衛星 に代 わ り、静止軌道か らの常時観
測 を可能 にする。ハ ッブル望遠鏡 の ように定期 的な
機器交換 、燃料補給等 のサ ー ビス を受 ける他、 ミラ
Tの 大型化 に際 して軌道上 組 立てを行 うオプ シ ョン
もある。
5.お
わ りに
字宙 での組 立て、保守作業 とこれに関 る ロボ ッ ト
について紹介 した。人間の作業 を完全 に代替 で きる
ロボッ トの登場 にはまだ時間 を要す る。作業効率お
よび確実性 のため には、 ロボ ッ ト技術 の向上 も去 る
ことなが ら、操 作側 の ロボ ッ トと被操作側 の構造 ・
機構 を併せてデザインするという考 え方が必要である。
(a)宇 宙太陽光発電
く参考文献 >
"、
(1)“ ETS Ⅶ における宇宙 ロボ ッ ト実験
日本 ロボッ ト学会誌特
No 8、1999
集、Vol 17、
(2)日 本国特許3317821「マニ ピュレー タの把持装置」
(3) hitp://rObonautjsc nasa gov/
(4)T B Shcridan,Tclcrobotics,Automation and Human Supervisory
Control,pp 13‐
96,MIT Prcss,1992
【
筆者紹介】
稲場 典 康
宇宙航空研究開発機構 総 合技術研究本部
システム誘導技術 グルー プ 副 主任 開発部員
〒305-8505 茨城県 つ くば市千現 21-1
TEL i 029‐
868-4267 FAX:029-868-5970
mail:inaba no五yasu@jaXajp
E―
小田 光 茂
宇宙航空研究開発機構 総 合技術研究本部
システム誘導技術 グルー プ 主 任研究員
〒305-8505 茨城県 つ くば市千現 2-1-1
(b)静止地球観測
第 5図 将 来 の大型宇宙 システムの構想例
44 建 設機械 2004.H.
TEL i 029‐
868-4260
3mdl:oda mi、
FAX : 029-868-5970
ushigc@jaxajp
海峡部橋梁塗替塗装 ロボ ツ
建設 ロボ ッ ト ・自動化 ・無人化技術
海峡部橋梁塗替塗装 ロボ ッ ト
本 州四 国連絡 橋 公 団 廣 田 :召 次
SyouJi HiЮ
ta
1. は じめ に
海峡部橋梁 の塗替塗装 は、高所で酷暑や寒風 に曝
される厳 しい環境下 で無理 な作業姿勢 を強 い られる
苦渋作業 である。また、増大す る維持管理費 の縮減
要請や近 い将来 に到来する少子高齢化社会 における
労働力 の不足等 か ら機械化 が望 まれてい るが、本格
的な施 工例 は皆無 で あ った。
塗替塗装 の機械化 を阻む要因 として、複雑 な橋梁
構造 ・脆弱 な作業足場 ・塗料粉や塗料 ミス トの飛散
業能力 が必要であ り、開発費用 ・開発 の難易度 ・経
済性等 より人 間の能力 の 10人分 となる500m2/日 と
す る。
(4)既 設 の作業車 を利用
本四連絡橋 の主 要な橋梁 には写真 1に 示す よ うな
維持管理用 の作業車 が設置 されてい る。 この作業車
は桁 の下面 に設 けた レール に懸架 され、作業員や資
機材 を積載 して橋軸方向全長 にわたつて0∼ 30m/
分 の速度 で走行す る。
防止対策等 が挙 げ られる。 これ らの課題 を解決する
べ く、本州四国連絡橋 の箱桁橋梁 を対象 に、円柱状
の 回転 ブラシ ・塗装 ロール ヽこれ らを支持す る多関
節 アーム と台車 で構成す る塗替塗装 ロボ ッ トを開発
し、塗替塗装 の機械化 に成功 した。
以下 に、塗替塗装 ロボ ッ トを紹介する。
2.開 発 の 基 本方針
(1)対 象 は箱桁形式 の橋梁
橋梁 の構造が多種多様 であ り、構造部材 の形状 も
部位 によって千差万別 である。 1台 の装置で これ ら
の全 てへ の対処 を目的 とす ることはかえって中途 半
端 な結果 にな りかねない。 したが って今 回 は、平滑
写真 1 桁 下に設置されている作業車例
面 で構成 される箱桁 を対象 とした。
(2)対 象作業 は素地調整 。中塗 り 。上塗 り
機械化 に適 した平 滑部 の全面塗替 え塗装 を対象 と
し、添接部や微小 な面積が点在する局部補修 は対象
か ら除 く。 この ように対象 を制限 して も対 象面積 は
したが つて、 この作業車 上 に塗装装置 を搭載すれ
ば桁下面 に容易 に接近で きる。
全体 の95%で あ り、機械化 の効果 は失 われない。
(3)作 業能 力は500m2/日 以上
今 回の 目的 は省力化 のため、人力施工の数倍 の作
素地調整 を機械化す る方法 として、乗用車 の洗車
装置 に見 られるように、円柱状 の 回転 ブラシの採用
03859878/04/¥500/論 文″CLS
が考 えられる。
3.素
地調 整作 業
建設機械 2004.
海峡部橋梁塗替塗装 ロボ ッ ト… ( 2 )
回転 ブラシを実用化す る うえの技術課題 は塗装面
の凹凸へ の対処 である。塗装面 には溶接 ビー ドや溶
接 ひず みによる5 m m 程 度 の凹凸が生 じてい る。
ブラシによる塗料 の研削効果 は、接触力 と接触 回
数 に比例す る。 したが って、通常 のブラシを凹 凸面
に接触 させて研 削す ると、接触圧 の差 により凸面で
は過乗l 研削、凹面 では研削不足 が生 じる。凹凸面 に
一様 に接 触 させるには、柔 らか いブ ラシを採用する
アプリケー ター ロール
ピ ックア
クア ップロール
必要があ るが、接触 圧が不足す るため塗膜 の研削が
で きない。そ こで、塗粒入 リナイ ロン線材 を回転軸
に巻 き付 けた回転 ブラシを考案 した。ナイ ロン線材
は、柔 らかいため凹凸 に馴染 む。 また、研削力 は高
速回転 で生 じる遠心力で得 ることがで きる。遠心力
は、質量 ・半径 ・角速度 の 2 乗 に比例するため、半
/0で
径 を5 0 m m と すれば5 m m の 凹凸 による差 は 1 0 °
あ り、実用上無視 で きると考 えられる。
また、塗料 の劣化程度 によつて研削力 の調整 が必
要 となるが 、角速度 ( 回転速度) に より調整す るこ
とがで きる。 さらに、回転 ブラシをケ ースで覆 い 、
集塵機 で吸塵す ることにより研削 した塗料粉 の飛散
を防 ぐことがで きる。 この 回転 ブラシの概要 を写真
2 に 示す。
第 1図 カ ラー鋼板の ロー ル塗装例
移動す るため ミス トは発生 しない。 また、塗膜の厚
さと均 一性 はアプリケー ター ロー ル と鋼板 の 間隔並
びに回転速度 で管理 され比較的簡便である。
塗装方法 は、機械化へ の適用性 ・塗装能率 ・環境
対策 (ミス ト防止)等 によリロール塗装 を採用す る。
しか し、カラー鋼板 の塗装 は、バ ックアップ ロール
やバスロールで整形 された平坦面の塗装であ り、 し
か も塗装膜厚 は10∼20μm程 度 で あ る。橋梁 の塗装
面 には5mm程 度 の凹凸があるが、塗膜厚 は50μm程
度必要 になる。すなわち、 ロール塗装 を橋梁 に適用
す る場合 の技術課題 は、凹 凸へ の対応 ・塗膜 の厚膜
化 になる。
ロール塗装 では、 ロール と塗装 面 の均 一 な接触 圧
が不可欠であるが、通常の ロール塗装 に使用 されて
い る ゴムロールは硬度 が50程度 の硬質 ゴムで あ り、
凹凸面では未接触部が生 じる。凹凸面 に一様 に接触
させ るには弾性 の低 い柔軟 な ロールが必 要 になる。
この ような材質 に ゴムを発泡 させたスポ ンジゴムが
あるが、気泡内に塗料が入 ると弾性が変化するとと
もに、塗料 に含 まれる有機溶剤 によつて変質す るた
写真 2 回 転 ブラシの概要
め塗料 を遮 断す る皮膜 が必要 になる。
塗1莫を厚膜化するには ロール表面 の塗料 の付着量
を増加 させ なければならない。塗料 の付着量 は粘性
によつて異 なるため、 ここではロールの表面 に塗料
4.塗 装作 業
機械 塗装 の例 にカ ラー鋼板 の塗装 に用 い られ てい
る ロー ル塗装 が あ る。 ロー ル塗装 は第 1 図 に示 す よ
うに、 ベ イ ン トパ ンの 塗料 を ビ ックア ップ ロー ル を
介 して ア プ リケ ー タ ー ロ ー ルで 鋼 板 に転 写 して い
る。 この 方 法 で は塗 料 は各 ロー ルの 表 面 に付 着 して
46 建 設機械 2004.11.
を含浸す る起 毛材 を採用す る。
傾斜面 の塗装では ロール も傾斜す るため、第 2図
に示す よ うなペ イ ン トパ ンとピックア ップロー ルで
は不可能 であ り、密 閉回路 で供給 しなければならな
い。 ここでは、ポンプで圧 送 された塗 料 が内面か ら
滲 み出る圧送 ロール を採用する。
海峡部橋梁塗替塗装 ロボ ツト… (3)
スポ ンジ ゴム
ィ
塗料 ン
塗料の供給
u ラ
第 2図
Iu 、 ︱ ︱
r= I
圧 送 ロー ル
以上の機能 を満たす塗料供給 ライ ンは第 2 図 に示
す よ うに、塗料 の圧 送 ホース ・圧送 された塗料 を内
側 か ら滲 み 出 し、塗装 ロー ル に転写す る圧送 ロ ー
ル ・凹凸に馴染み表面の塗料 を塗装面 に転写す る塗
装 ロール となる。
5 . 支 持 装置
素地調整 ユニ ッ トお よび塗装 ユニ ッ トを、任意の
塗装位置 に固定す る装置 で ある。アーム には、第 3
図に示す ように、旋 回 ・伸縮 ・起伏お よびアームヘ
ッ ドの 回転 ・伏仰 の 5 自 由度 を備 えてお り、作業車
走行端 での各 ユニ ッ トのシフ トお よび反転、あ るい
は傾斜面、鉛直面 へ の面合 わせ が容易 にで きる。写
真 3 に 塗替塗装装置の構成 を示す。
また、塗装面 へ のユ ニ ッ トの押付 け制御 は、アー
ム先端 に設 けたユニ ッ ト押付 けバ ネの縮み量 を近接
写真 3 塗 替塗装装置の構成
ス イ ッチで検知 し、ガイ ドロー ラに押付 け力 5 0 k g f
を保持する単純 な機構 である。 このバ ネが、塗装面
の凹凸や作業車床 のたわみによる離隔距離 の変動 に
対す るユニ ッ トの追従 と、橋体 あるい は作業車走行
時 の振動 を吸収する。
6 . 実 橋 実験
実用機 を製作後、西瀬戸 自動車道 の大島大橋 で塗
模 の実橋実験 を行 い機能
替塗装 を兼 ねて3 , 0 0 0 m 2 規
を確認 した。大 島大橋 は昭和 6 3 年 1 月 に供用 され
た、中央支 間5 6 0 m の 補剛箱桁 吊橋 で あ る。補 岡1 箱
桁 の塗装仕様 は 6 層 か らなる長期防錆型塗装 が施 さ
れてお り、今 回 は劣化 した表層 の 2 層 を素地調整 し
た後 にエ ポキシ樹脂塗料 中塗 りと、ふっ素樹脂塗料
上塗 りを施 工 した。
( 1 ) 素 地調整 の品質
塗装 ロ ー ル (回転 ブ ラ シ)
回転 ブラシによる素地調整後 の塗装面 は、ス リガ
ラス状 の均 一 な仕上が りになる。一般部 はもとよ り
溶接 ビー ド部や溶接歪みに よる凹凸部 にも回転 ブラ
〆
伏 仰
作 業 車床
│
│
シが十分 に馴染 んでいる。
素地素地調整面 の定量的 な評価方法 は確 立 されて
い ない ため、 ここでは光沢度 ( 光の反射率) で 均 一
性 の評価 を試みた。施 工 中 に適宜計測 した約 4 0 0 回
の光沢度 の値 は、素地調整前 は平均 5 1 % 。 標準偏
差 9 % で ある。素地 調整後 は平均 1 5 % 。 標準偏差 は
4 % で あ り、均 一 な仕 上 げ面がで きた ことを裏付 け
第 3図 多 関節 アー ムの 自由度
てい る。写真 4 に 素地調整状況 を示す。
建設機械 2004.11.47
¬
│
海峡部橋梁塗替塗装 ロボ ッ ト… (4)
また、引 き剥 が し試験 ではいずれ も既往 の塗装面
と鋼面 と第 1 層 の 間で剥離 したが付着力 は2 N / m m 2
以上であ り良好 な品質 であった。 これらの結果 より、
この塗装 ロボ ッ トによれば人力施工 と同等以 上の品
質 の塗装 を施 工 する ことがで きる。
さらに、箱桁 の傾斜部 で も、素地調整お よび中塗
り、上 塗 り塗装 の 塗装 品質 を確 認 した。塗装装置
は、 5 自 由度 の多関節 アームを備 えているため 回転
ブラシお よび塗装 ユニ ッ ト保持 が容易 にで き、水平
部 と同様 な品質であつた。写真 6 に 傾斜面 の塗装状
況 を示す。
写真 4 素 地調整状況
(2)塗 装品質
素地調整後並 びに中塗 り後 の塗装面 に厚 さ20μm
の鋼製 テー プを貼付 し、塗装後 に剥が して塗膜厚 を
計測 した。計測点 は中塗 り ・上塗 りとも橋軸直角方
向 と橋軸方向 の任意 の350点 である。この計測 結果
は、第 1表 に示す とお りであ り、新設橋 に適用する
塗膜厚基準 に比べ て遜色 ない良好 な値 を示 している。
第 1表 塗 膜厚 の計測結果
管
ン
分
中塗 り塗装
上塗 り塗装
30μm
25μm
平 均 値 > 基 準 膜 厚 ×0 9
写真 6 傾 斜面の塗装状況
最小膜厚 >基 準膜厚 ×07
標準 偏 差 < 平 均 値 ×0 2
一
塗装 の 品質 は塗 膜厚 の均 性 に加 えて、す け 。だ
れ ・ふ くれ ・流 れ等 の 塗装 欠 陥 の有無 で評価 され る
が 、 これ らの有 害 な欠 陥 は生 じて い な い。写真 5 に
塗装 状 況 を示 す。
( 3 ) 作 業能率
作業能率 を決定する要因は、作業車 の走行速度 が
支配的 である。このため、最初 は計画値 の5 m / 分
か ら開始 し、品質 を確認 しなが ら速度 を速 くした と
ころ、素地調整 では8 m / 分 、塗装作業 では7 m / 分
で も十分 な品質が得 られた。回転 ブラシ幅や塗装 ロ
ー ル幅 は5 0 c m で あ り、作業車 の走行速度 に乗 じた
作業能率 は2 4 0 m 2 / h ∼2 1 0 m 2 / h になる。現実 の作業
では、添接部 の回避動作や始終端 での移動操作が必
要 であ り1 5 0 m 2 / h 程度 になる。 したが って、目標 と
した5 0 0 m 2 / 日 の作業能率 は十分 にクリアーで きる。
( 4 ) 省 力化 と経済効果
入力施 工 の作業能率 は5 0 m 2 / 人 日であ り、塗装
装置 の作業能率 は5 0 0 m 2 / 日 である。塗装装置 は計
画 どお り2 ∼ 3 人 で運 転 している。 したが って塗装
装置 による施 工 は、人力施 工 に比べ て単位面積当 た
写真 5 塗 装状況
48
1彗言
そ考
戊 2004. 11.
箋希
り8 0 ∼7 0 % の 省力化 になる。
海峡部橋梁塗替塗装ロボット…6 )
塗装装置施 工 と人力施工 の経済効果は施工費の差
が支配的である。 したがって、労力費 と機械損料 を
塔外 面 にお い て新 た に開発 した主 塔 用 の 塗装装 置 の
加味 して両者 の差 を求 めると塗装装置施工 費 が 1,000
円/m2程 度安価 になる。 これは、材料 費 を含めた塗
実橋 施 工 実験 を行 い 、主塔 の塗替 え塗装 の機械 化 に
成功 して い る。
ウハ ウを生 か し、写真 7 に 示 す とお り因島大橋 の 主
装費全体 の20∼ 30%に 相当す る。なお 、塗装装置
施工が可 能な本四連絡橋 の箱桁 の対象面積 よ り求め
た塗 替 え費用 の縮 減額 (B)を開発 に要 した費用 (C)で
除 した便益/費 用 (B/C)は
(5)環 境対策
約 6倍 を超 える。
塗装作業で求め られる主要 な環境保全 対策 は、素
地調整時 の塗料粉の飛散防止 と塗装時の塗料 ミス ト
の飛散防止対策 であ り、通常 は作業箇所 をネッ トや
シー トで囲 む方法が採用 されてい る。
塗装 ロボ ッ トは塗料粉 を集塵機 で吸塵するため飛
散 は生 じない。 また、塗料 は ロールの表面 に付 着 し
て塗装面 に運ばれるため ミス トは発生 しない。 した
がって、今回 は作業箇所 を囲 むネ ッ トやシー トを用
写真 7 主 塔塗装装置 による施工状況
い ないで施 工することがで き、作業 箇所 に気化 した
有機溶剤が滞留 しないため作業環境 も向上する効果
も生 まれた。
フ.お わ りに
塗装装置 の操作 は、前 日までハ ケ塗 り塗装 をして
いた塗装工が担当 した。運転 した彼 らの 「こん なに
便利 な ものがで きたのか、時代 は変 わったな」 の第
一声がすべ てを物語 っ い る
て
。箱桁 の塗替 え塗装 は
この塗装装置で実現 したが、箱桁 の塗装面積 は本四
連絡橋全体 の5%に す ぎない。
したがつて、今 回の塗装装置 は塗替 え塗装 の機械
の
化 礎 を築 い た に過 ぎな い。今後 は、主塔 ・鋼床
板 ・トラス部材等 の塗替 え塗装の機械化が必要であ
るが、今 回の箱桁用塗装装置 の実施工で蓄積 したノ
今後 も大 島大橋 や因島大橋 をは じめ他橋 での実施
工 を重 ねてノウハ ウを蓄積 しつつ 、残 された鋼 床
板 ・トラス部材等 の塗替え塗装 の機械化 に取 り組 む
所存 である。
廣田 昭 次
本州四国連絡橋公団 第 一管理局 施 設課長代理
〒6 5 5 - ∞
4 7 兵 庫県神戸市垂水 区東舞子町4 - H 5
TEL:078-782-9968 FAX:078-782-9970
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建設機械 "“ .
市再開発の方針」の変更…(1)
東京都市計画 (23区)隔 椰
市再開発 の方針」の変更
東京都市計画 (23区 )階Б
= 東 京都区部 における都市再生 の実現 に向 けて=
東京都都市整備局
1. は じめに
「
都市再開発 の方針」 は、都市計画中央審議会答
都市 の再開発 を広 く、かつ強力に推進するた
申の 「
めの新 しい制度」 として、昭和55年の都市再開発法
の改正 により創設 された制度であ る。以来、「
市街
化区域及 び市街化調整区域の整備、開発又 は保全 の
方針」の一部 として、都市計画 に定 めてきたが、平
成 12年の都市計画法及 び都市再開発法 の改正 によ
り単独 で都市計画 に定 めることとなった。
え、本方針 を変更 した ところである。以下、東京都
市計画 ( 2 3 区) に ついてその概要 を紹介す る。
( 注) 本 方針 における再開発 とは、市街地再 開発
事業、土地区画整 理事業等 の市街地開発事業
にとどまらず、特定街 区、地区計画等 の規市1
誘導手法 による修復型 まちづ くり、特定 の市
街地 の整備 を目的 とした助成 事業及 び工 場等
の跡地利用や都市施設 の整備 と一体 となった
土地利用 の面的転換等 を含 む ものである。
今 日の東京 は、国際化、情報化
などの進展 の中での都市間競争 の
激化な ど、社会状況 の大 きな変化
の 渦 中 にある。 こ う したなかで、
東京 の都市再 生 を着実 に進めてい
くためには、都 が地域 ごとに具体
的な道筋 を示 し、都市全体 の再開
発 を促進 してい くことが必要 であ
る。
具体的 には、道路 などの交通 イ
ンフラの整備 とともに、老朽 オフ
ィスや密集 した木造住宅 の市街地
などをなお一層機能更新 してい く
ことが不可欠 である。そ こで、再
開発 を、適切 に誘導規制 し、ある
べ き都市 の姿 を実現 しうるよう計
画的 に推進 させることが必要 であ
り、その役割 を担 つているのが本
方針 である。
都 は、本年 4月 、現在 の都市再
生 に向けた再開発 の動向等 を踏 ま
9878/04/¥50Kソ
0385‐
冨
命文/1cLS
50 建 設機械 2004.H.
第 1図 都 市再開発 の方針 [区部]2号 地区 ・誘導地区位置図
道東京都市計画 (23区)賭 卜
市再開発 の方針」の変更 … 0)
●平成 11年 1月 第 4回 変更 (防災
再開発促進地区と
の整合)
●平成 12年 2月 第 5回 変更 (防災
再 開発促 進地 区
との整合等)
●平成 12年 5月 都市計画法及 び
都市再 開発 法 の
改正 (本方針 の位
置づけの変更)
●平成 13年 5月 第 6回 変更 (一斉
見直 し)
●平成 16年 4月 第 7回 変更 (一斉
見直 し)
2-3 基
本的事項
(1)策 定の目的
「
東京 の新 しい都市 づ くリビジ ョ
ン (平成 13年 10月 )」(以下、都市
づ くリビジ ョン)や 「
都市計画区域
第 2図 都 市再開発の方針 [区部]2号 地区 ・誘導地区変更位置図
の整備、開発及 び保全 の方針 (平成
16年 4月 )」(以下、都市計画区域 マ
ス ター プラン)を 実効性あ る もの と
するため、再 開発 の適正 な誘導 と計
画 的 な推 進 を図 る こ とを 目的 とす る。
2.概 要
2-1 本
方針 に定 める事項
① 都 市再開発法第 2条 の 3第 1項 に基づ き、計
画的な再開発が必要な市街地 (1号 市街地)の
区域及 び計画事項
② 都 市再開発法第 2条 の3第 1項 第 2号 に基づ
き、 1号 市街地の うち特に一体的かつ総合的に
市街地 の再 開発 を促進すべ き相当規模 の地区
(2号 地区)及 び 「
整備又 は開発 の計画の概要」
③ 2号 地区には至 らない ものの、再開発 を行 う
ことが望 ましく、効果が期待 できる地区 (誘導
地区)の おおむねの位置及 び整備 の方向
2-2 主
な経緯
●昭和55年 5月 都 市再開発法 の改正 (本方針
の策定義務)
●昭和 6 1 年H 月
●平成 2 年 3 月
●平成 5 年 H 月
新規決定
第 1 回 変更 ( 一斉見直 し)
第 2 回 変更 ( 住宅市街 地 の 開
●平成 8 年 5 月
発整備 の方針 との整合)
第 3 回 変更 ( 一斉見直 し)
( 2 ) 策 定の効果
策 定 の効 果 と して、主 に次 の こ とが あ げ られ る。
① 市 街地の再開発 の基本的方向を明らかにし、
計画的に位置づけを行 うことにより、再開発の
積 極 的 な推 進 のための動 因 となる。
② 市 街地の再開発 に関する個 々の事業 につい
て、地区全体からみた十分な効果を発揮 させる
ことができる。
③ 民 間の建築活動を再開発へ と適正に誘導する
ことができる。
④ 再 開発の構想、計画の作成過程 を通 じて、早
期 の住民 の合意形成 を図る こ とがで きる。
(3)位 置づけ
都市再 開発 の方針 は、都市再開発法第 2条 の 3第
1項 又 は第 2項 及 び都市計画法第 7条 の 2に よ り、
都市計画 として定 めるものであ る。本方針 は、都市
計 画区域 マス ター プラ ンなどの他 の方針 と同様 に、
土地利用、都市施設の整備、市街地 開発事業 などの
個別 の都市計画 の上位 に位 置 づ け られてい るもので
ある。
建設機械 2004.H.51
市再開発の方針」の変更…( 3 )
) 隔ヽ
東京都市計画 ( 2 3 区
2-4 策
を選 定す る。
定 の考 え方
(4)今 後の運用
● 2号 地区 の うち、再開発 に係 る事業 が全て完了
した地区については、原則 として 1号 市街地へ
( 1 ) 1 号 市街地
●区域 は、計 画 的 な再 開発 を行 う こ とに よ り、都
ー
市 づ くリビジ ヨンで示 した ゾ ン内 の既 成 市 街
変更す るもの とする。
● 2号 地区 として位 置 づ けた後、おおむね 5年 程
度事業化 の進展 が見 られない地 区 につい ては、
事業化 に向けた検討 を行 い、必要 な見 直 しを行
地 の うち、都市全体 の機能 の回復 、向上 に貢献
ヽ
す る こととなる範囲 とする。
●計画事項 は、再開発 の 目標及 び 「
土地 の高度利
用及 び都市機能 の更新 に関す る方針」 を定 める。
うもの とする。
●新 たな事業 などを 2号 地区に定 める必要 がある
場合 には、必要 に応 じて 2号 地区 の追加 に伴 う
(2)2号 地区
●地区 の選定 にあた つては、事業 の進捗 の状況 や
再 開発 の必要性 にあわせて選定す る。
●「
整備又 は開発 の計画 の概要」 は、地区 の再 開
発 、整備等 の主 たる 目標 などを定める。
( 3 ) 誘 導地区
● 1 号 市 街 地 の うち、 2 号 地 区 に至 らない が 、都
ー
市 づ く リビジ ヨンや都 市 計 画 区域 マス タ プ ラ
本方針 の変更 を行 うもの とす る。
2-5 基
本方針
再開発 により、都市活動 の維持 。発展や居住環境
の向 上 など活力 と魅 力あ る都市 づ くりを推進す るた
ン を実 効性 あ る もの とす る う えで、効 果 が 大 き
め、都市基盤 の整備 、防災性 の 向上 、業務、商業、
居住 、文化 な ど多様 な機 能 の適 正 な配 置 な どを図
く、 また再 開発 が 望 ま しい な どに よ り、今 後 、
再 開発 の機 運 の醸 成等 を図 り、再 開発 に関す る
り、都市機能 の更新 や都市 の再生 を行 う。
2-6 都
市再開発 の施策の方向
公 共 及 び民 間 の役 害1 を明確 に して い くべ き地 区
第 1表 の とお り。
第 1表 都 市再開発の施策の方向
主
拠点 の整備
な
内
容
0セ ンター ・コア再生 ゾー ンにおける中核拠点 は、複合開発 を推進 し、魅力 と賑わいのある都市空間を備 えた拠
点 として整備する。
●生活拠点においては、多様な複合機能 を備えるとともに、 コ ミュニテイインフラをも備 えた生活利便性 の高 い拠
点 として整備する。
●東京湾 ウォー ターフロン ト活性化 ゾー ンや都市環境再生 ゾー ンにおける土地利用転換が見込 まれる低未利 用地
については、その周辺地区 も含め、計画的に整備 された複合機能を備 えた拠点等 として整備す る。
●都市環境再生 ゾー ンにおける老朽化 した住宅団地は、その周辺地区について も勘案 しなが ら、生活利便性 を備
えた生活中心地等 として整備する。
●都市再生緊急整備地域 においては、民間の創意工夫 を生か した都市開発事業 を促進するとともに、関連す る公
安 全 な市 街 地 の
整備
共施設整備 を進め、魅力的な都市空間 を創出する。
●広場や生活道路 などを整備 し、防災性 の向上及 び居住環境 の改善 に努める。特 に、防災上重要な避難地周辺や
避難路沿道 は、建築物の不燃化 を促進する。
●骨格防災軸等 となる都市計画道路 とその周燿 地域 については、土地区画整理事業等 と街路事業 を組み合わせて
一体的 に整備することや防災街区整備地区計画等 の活用により、安全 な都市の実現 を推進する。
●河川沿いの地域においては、スーパー堤防等 の整備 と市街地整備 とを併せて行 うことによ り、水辺の豊 かな空 間
を生か した良好 な住環境 をつ くるとともに、地域 の防災性 を高める。
●木造住宅密集地域 については、街区の再編や都市基盤 の整備 を図 り、安全な市街地 を形成する。
( 3 ) 快 適な居住環境 の
整備
51ラ ター ・コァ再生ゾーンにおいては、良質な住宅の供給 と職住のバランスのとれた都市環境を創出する。
●センター ・コア再生ゾーンと都市環境再生ゾーンにわたる木造住宅密集地域については、耐火性の高い建築物
への建替えを促進 し、安全で快適な居住環境 を創出する。
・都市環境再生ゾーンにおける公共施設が未整備な地域は、地域の実情に合わせて、公共施設の整備 ・改善を図
りながら、良好な居住環境の市街地 となるよう誘導する。
“) 自 然や歴史 文 化
などの環境 を生か
した整備
52
0 東 京湾 ウォー ターフロン ト活性化 ゾー ンや隅田川沿いなどにおいては、水辺 の豊かな環境 を生かす とともに、河
川側からの景観 にも配慮 し、水辺環境 を生か した整備 を図る。
●市街地の整備 にあたつては、歴史的な建造物や街並みの保存に配慮するとともに、新たに整備 される建造物 と
・
周辺 の環境 と調和 を図 り、歴史 と文化 を生か した景観 を保全 創出す る。
1彗言
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戊 2004. 11.
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道東京都市計画 (23区)賭 F市再開発 の方針」 の変更… (4)
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…
東京都市計画 03区 )「都市再開発の方針」の変更 (5)
の地域 ごとに計画事項 (再開発 の 目標、土地 の高
れ
市街地
おおむね区部全域 を 1号 市街地 の対象範囲 とした。 度 利用及 び者S市機能 の更新 に関す る方針)を 示 した。
2-8 2号
地区
また、 1号 市街地 は地域の特性等 を考慮 して、セ
ンター ・コア再生 ゾー ン (おおむね首都高速中央環状 361地
区、面積約 13,033haを2号 地区 として指定
ー
線 の内側 の地域 )、東京湾 ウォー タ フロン ト活性化 し た。第 2表 の とお り。
2-9 誘
導地区
ゾー ン (センター ・コア再生ゾー ンと東京湾 との間の
ー
ー
・
コア再生 ゾ 157地 区 を誘 導地区 として指定 した。第 3表 の と
地域)、都市環境再 生 ゾ ン (センタ
― ンの外周 の地域 )の 3つ の地域 に区分 し、それぞ お り。
2-7 1号
一
第 3表 誘 導地区変更 覧表
[◎:全域を誘導地区から2号地区に変更、○ :一部を誘導地区から2号地区に変更、△ :区域拡大、※ :新規追加]
番 号l
地
名
区
地
名
区
地
番f
名
区
(千代 田区)
( 足 立 区)
中田神 保 町 ― T日 南部 地 区 (千 ア)
自町 通 り沿道 地 区 (千 イ)
世 キ)
ク)
中 央 区)
0
田 田 田 田 田
ー
に日本橋地区 ( 中イ)
-
9
区)
・
甲 ,電 I肇=よ1■■′′
“ ′、
、 :Yl子
(港
( 新宿 区)
( 世 テ)
“田馬場駅周辺地区 ( 新 工)
( 渋谷 区)
雪落合 地 区 ( 新 オ)
、髭怪t愛L」
区 )
(品 メ│1区 )
大井町 駅周 辺 地 区 (品 イ)
大森 駅周 辺地 区 (品 ウ)
西小 山駅 周 辺 地 区 (品 工 )
目黒駅周 辺地 区 (品 オ)
北品川 一 丁 月地区 (品 力)
荏原 (品川 区)(品
林試 の森 周 辺 ・
( 荒川 区)
キ)
( 月 黒 区)
自由が丘駅 周辺 地 区 (ロ イ)
東口暮 里 六丁 目地区 (荒 イ)
町屋 ・
隅 田川 地 区 (荒 ウ)
籠川 地 区 (荒 工)
雲唇公」奉L奄t.蝸
_′き
( 板橋 区)
(板 イ)
(板 ウ)
地区 ( 板 工)
( 大田 区)
に森 北 二 丁 目地 区 ( 大 イ)
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電牢浩″鳴 製□廻神匹 S本ウた
雪六郷 一 丁 目地 区 (大 オ)
日田二 丁 目地 区 (大 力)
1蒲 田北 部 (大 キ)
世田谷区)
漱1■号拿需冨電曇
54 建 設機械 2004.H.
( 練馬 区 )
鸞容
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亀バ
需
キ砥駅周辺地区 (葛 イ)
“砂駅周辺地区 (葛 ウ)
はル 蒸 屋 映 周 辺 地 区
(葛 工)
実又駅周辺地区 (葛 オ)
L有 駅周辺地区 (葛 力)
2町 駅周辺地区 (葛 キ)
析小岩駅周辺地区 (葛 ク)
新 架 X駅 月 辺 叫 い
雫又 五 丁 日 ・
見舟 川 沿 道 地 区 ( 葛 . コ)
( 江戸 り│ 1 区)
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四丁 目地区 ( 江 工)
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に陽地区 ( 江 オ)
卜名木川駅周辺地区 ( 江 力)
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新砂地区 ( 江 キ)
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三賀二丁 目地区 ( 江 ケ)
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ヨ人 町地 区 (新 ウ)
( 台東 区)
山北部 地 区 ( 世 サ)
山 一 丁 目地 区 ( 世 シ)
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大杉 地 区 (江戸川 キ)
暦堀駅 南部 地 区 (江戸川 ク)
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公島地 区 (江戸川 コ)
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麟農岳
・
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川ツ
傷小岩 東 松本 地 区 (江戸川 ス)
道東京都市計画 ( 2 3 区) 「都市再開発 の方針J の 変更 … ( 6 )
3 。 お わ りに
昨今、六本木 ヒルズ、品川駅東 日のグラ ン ドコモ
ンズや汐留 シオサイ トなどの新 たな街 の創 出や、国
にお ける都市再生特 別措置法 の制定 など、東京の都
市再 生 を巡 る動 きが活発化 している。六本木 ヒルズ
の場合、昭和 6 1 年に本方針 に位置づ けられ たことが
始 まりとな り、地元住民、区及 び都が一体 となった
まちづ くりが進め られ、都市計 画決 定、事業 の認可
を経 て完成 に至 った ものである。
今 回 の本方針 の変更 においては、東京都 に指定 さ
れた都 市再 生 緊急整備地域 の約 9 3 % を 、特 に再 開
発 を促進すべ き地区 として 2 号 地区に指定 した。 こ
れによ り、都市再生緊急整備地域の再開発が さらに
促進 され、都市再生 が よ り具体化する こ とが期待 さ
れる。
その他、既 に事業 の進捗が図 られてい る2号 地区
につ いては 、それぞれの地 区 にお け る再 開発 の 目
標、整備計画 の概要 を明示する ことにより、円滑 な
事業進捗 を促 し、都市再生 を強力 に推進する ことと
してい る。
今後、本方針 は、再開発 の動向や社会状況 の変化
にあわせて事業手法 を変更するなど、 きめ細 か く見
直 しを行 つてい く予定 である。
本誌 の複写利用 につ い て
日頃より本誌をご購読いただき誠にあ りがとうござい ます。
ご承知の通 り、出版物の複写 は著作権法 の規定により原則 と して禁止 されてお り、出版物 を複写利用する場合は著
作権者の許諾が必要 とされてい ます。 当社 は本誌の複写利用 にかかる権利 の許諾並 びに複写使用料の徴収業務 をい 日
本著作出版権管理システム ( 1 0 L S ) に
4 月1 日よ り複写許諾 と複写使用料徴収 の業務 を
委託 してお ります。J I L S は
2002年
開始致 しますので、同日以降本誌 を複写利用 される場合にはJ I L S にご連絡の上、許諾 を得て下さい。1 0 L S の
連絡先は以
下の通 りです。
株式会社 日本著作出版権管理 システム ( 』
116)
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郷4 1 6 ビル8 階
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た範囲で使用する こと、あるいは政令で定め られた図書館等 において著作物の一部 ( 雑誌 にあ っては掲載 されている
個 々の文献 の半分以下) を 一人について一部提供すること、等 を定めてい ます。これ らの条件に当てはまる場合には原
則 として許諾は不要 とされていますが、それ以外の場合、つ まり企業内 ( 政令 で定められていない企業等の図書室、資
料室等 も含む) 、研究施設内等で複写利用する場合や、図書館等で雑誌論文を文献単位 で複写する場合についてはすべ
て許諾が必要です。
複写許諾手続 の詳細 についてはl o l s に
お問い合わせ下 さい。
日本工業出版株式会社
株式会社 日本著作出版権管理 システム
建設機械 2004.H.55
│
道路標識点検手法 の開発 … (1)
C0402-21
道路標識点検手法 の開発
=道 路付属物点検車 の紹介 =
国土 交通省 増 尾
健
Takcshi Masuo
1. は じめに
首都高速道路 の標識柱 落 下事故 を契機 に、標識、
部 の横梁仕 口溶接部、横梁取付部お よび標識板取付
部、 さらに横 梁 トラス溶接部 を点 検 の対象 とした。
道路情報提供装置等 の点検手法 を確 立す る必要が高
ま り、平成 1 1 年度 に 「
道路付属物 の安 全性 に関す
る調査委員会」 が設置 され、「
道路付属物点検 ・対
第 1 図 に代表 として、ト ラス型門柱 の点検箇所 を示
策 マ ニ ュアル ( 案) 」が策定 された。
マ ニ ュ アル ( 案) で は 、設 置 後 1 年 以 内 に行 う
定期
「
初期点検」 と、設置後 5 年 サ イクルで行 う 「
い
の
の
る
し、高所
。 しか
点検」 実施が盛 り込 まれて
横梁仕口溶接部
近接 目視点検 を行 うためには、高所作業車 による人
力点検 が必 要 となるが、交通渋滞 の発生や作業安全
性 の確保、作業効率 の面で苦渋 を伴 うため、高所 で
す。
標識板取付部
横梁取付部
横
梁 トラス溶接部
の 目視点検 の代替 えとしての点検方法 の開発 が望 ま
れた。
そ こで今 回、画像装置 を用 い た点検 手法 を開発
し、作業効率 の向上お よび安全かつ 円滑 な道路交通
の確保 を目的 とした道路 標識点検手法 の開発 を行 つ
た。
2 . 開 発 内容
( 1 ) 点 検箇所 の整理
マニュ アル ( 案) で の初期点検 とは、供用後比較
的早 い時期 に発生 し易 い損傷 を早期 に発見するため
に、供用後 1 年 以内に実 施す る点検 であ り、主 に亀
裂、ナ ッ トの緩 み、変形等 が対 象 である。
定期点検 は、発 生 して もその進行が比較的緩やか
な損傷お よび通常 は点検 しに くい部位 の損傷 を発見
するため、供用後 5 年 以上の付属物 を対象 に 5 年 サ
イクルで実施す る点検 であ る。
点検箇所 は、マニュアル ( 案) に 基 づ き、標識上
03859878/114/¥500渇
令文/JCLS
56
掟彗言
受琴
戊 2004. 11.
美わ
第 1図 点 検箇所
(2)カ メラ移動範囲
標識 の最大高 さは、路面か ら支柱頂部 まで約 9m、
点検部位 の横 梁取付部 上面高 さで約 8.9mで ある こ
とか らカメラの高 さは9m以 上 到達可能 とした。
水平移動範囲 は、最大 1.7mと し、各点検部位 を
十分撮影可能 な移動範 囲 とした。
(3)点 検 カメラ
近接画像点検 にお いて、損傷状況 を正確 に把握す
るため、一定 以上 の画素数 と車輌操作室 か ら手動 で
アイリス (明暗感度)お よびフォー カス (焦点)調
整が可能 な3CCDカ メラを採用 し、点検箇所 の各環
境条件下 (逆光 や狭陸部等 )に おいて点検部位 を十
分認識 で きる画 質が取得可能 になった。 また、ボル
トにマ ーキ ングを施す ことによ リボル トの緩 みの検
道路標識点検手法 の開発 … ②
出が容易 となる。写真 3に 試験的 に、テー プをず ら
してマ ー キ ングを施 したナ ッ トの画像 を示す。
また、本開発 では、画像処理 による損傷 の 自動判
定 システムの検討 を行 つた。写真 4 に 標識板 の腐食
を画像処理 により識別 した画像 を示す。 しか し、影
の誤検 出、錆 ・傷 と背景 ・文字 との検 出領域 の設定
等 システム全体 の検討 が必 要 になるため、採用 を見
送 ることとした。
(al 画像処理後
6)画
像処理前
写真 4 画 像処理
写真 1 点 検状況 (F型 )
( 4 ) 画 像操作制御
伸縮 ポール ・伸縮 アーム ・旋回俯仰装置 お よびカ
メラ画像 の切替 や フォー カス ( 焦点) 、ズ ー ム な ど
の制御 は、後部座 席 に集 中制御盤 を装備 し、点検員
1 人 で操作す ることを可能 とした。
写真 5 に 室内操作室 を示す。画面左側 はC C D カ
メラの操作用卓、画面右側 は点検記録表 の入力用卓
である。
写真 2 点 検状況 (トラス型門柱)
写真 5 室 内操作制御盤
写真 3 取 込画像
(5)画 像記録 システム
従来、点検終了後 に出張所等 に戻 ってか ら点検記
録表 の作成 を行 っていたが 、各部 の損傷状況 を点検
と同時 に車内 にて記録 ・作成 で きるシステムを採用
建設機械 2004.
道路標識点検手法の開発…0
した ( 第2 図 ) 。点検記録表 ( 第3 図 ) を デー タベ ー
ス化す るこ とに よ り、過去 の検 索等が容易 になる
他 、電子記録媒体 を用 い デ ー タを持 ち運 び 、事務
( 7 ) 主 要諸元
第 1 表 に開発車 の性能諸元 を、写真 6 に 開発車 の
全景、写真 7 に 基本構成 を示す。
所、出張所 での保 存 ・管理等 が可能 になる。記録 表
へ の記入 は、損傷 内容入力画面 におい て、マ ウスの
クリック操作 のみで行 うことがで き、点検 の効率化
を図 った。
第 1表 主 要諸元
車両寸法 (L× W× H)
4,56Xllllln×
1,691hllm×
3,16111nnl
車両総重量
2,665kg
乗車定員
t m ● 鳳“o 都
崚
役梁 仕0 格螢“
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輌
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1 腐, 1 変形 │ その他 │
都
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影 │ モ。他 │
1 変 形 │ モのセ │
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ル
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形 │モ ●t
裂 ブ ロ☆ 1 変形 │その他 │
・
裂 腐 全 1 変 形 │そ の01
亀
裂 │カ ト
のいるみ 鳳層 ‐盤 蹴
ア ー
亀襲 │',卜のゆるみ 攪'
灯 ‐ 取付都
二
通粧」
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f 骨│ 」
: l ―│ ` ま
%2:慧
磁 粉
。
支柱本体
口 │"1野
●
ム
□ ∃ 劃
H=31m∼
上 昇 速 度
5 2cn1/s
下 降 速 度
6 8cm/s
%5m
伸 縮 方 式
テレスコープ機械式
ス ラ イ ド幅
L=03m∼
回 転 角 度
左右 180度
伸 縮 速 度
0∼ %∞ 仏 (可変式)
175m
伸 縮 方 式
マジックハ ン ド式
カメラ旋 回
旋 回 角 度
±270度
俯仰 装 置
俯 仰 角 度
±90度
│ その値 │
ユ l 腐貪 1 変形 │その他 │
スライ ド高 さ
CCDカ メ ラ
点 検
用
カ メ
ラ
第 2図 損 傷内容入力画面
画 像 記 録
シ ス テ ム
安全装 置
( 屋上 )
CCDカ メラ
( アー ム 上)
38万画素 光学 10倍 ズーム
38万画素 3CCD光 学 17倍ズーム
CPU
IntcI Pcntium Ⅲ
12GHz
HDD
41DB(外 付 ハー ドデイスク付2∞ B)
使 用
ソ
フ
ト
Ulead VideoStlldio6、
ACCESS2∞
アウ トリガ自動水平制御装置、情報表示板
第 3図 点 検記録表
( 6 ) 車 両 自動水平 制御
点検 作 業 時 の安 全性 の 向 上 と、作 業 の効 率 化 を図
るため に、電 動 油 圧 式 の ア ウ トリガ 4 本 を取 付 け、
自動水 平 制御 装 置 を採 用 した。 これ は、室 内 にお い
て張 り出 し格納 操 作 お よび 自動 に水 平 制御 が行 える
装 置 で あ る。
58
1彗
覺″
美0支2004. 11.
言
写真 6 道 路付属物点検車全景
2
道路標識点検手法 の開発 … ( 4 )
の 自動水平制御等 により、作業効率 の向上、安全性
の確保 を図ることがで きた。
本 開発機 による点検 の適用範 囲 は、亀裂 、変形、
腐食等 で、ナ ッ トの緩 みについては、マ ーキ ング等
を施す ことによ り、 よ り詳細 な点検が可能 となる。
ただ し、本開発 機 で画像 による異常の判 定 が困難 な
部分 については高所 による目視点検が必要 にな って
くる。 よつて今後 はマニュアル (案)に 基 づい た初
一
期点検 に活用 し、 さらに定期点検 の 次調査 として
活用 してい きたい。 また、現場 の意見 を反映 しなが
ら、 さらなる点検 の効率化 、安全性 の 向 上 を目指
し、精度 を高 めてい く。
筆者紹介】
【
写真 7 基 本構成
増尾 健
国土交通省 関 東地方整備局 関 東技術事務所
3 . お わ りに
3 C C D カ メラの採用、点検記録表 の電子 デー タ化、
車内 での点検記録が可能 になつたこと、 アウ トリガ
試験 ・検査 ・評価 ・診断 ・寿命予測の専門誌
検査技術
in3peCtion Engineering
●tll刊
年月日 :1996年 (平成8年)11月1日
●発 行 日 :毎 月1日発行
●発 行 部 数 :18,000部
116頁
●判型 ・総頁 :B5判 。
:2,000円
●定 価
(本体1,905円送料別)
●年間購読料 :12冊 19,000円(税・
送料込)
年間購読のお申し込みは
◎日II素出版
本 社 〒113-8610東 京都文京区本駒込6-3-26日 本工業出版ビル
TEL“ 0944pl181《t)FAX03094416826
hmp7-‖ kko‐
ma“hfoonkk●‐
pb cojp
pb。。,pr e‐
機械課 整 備係長
〒2702218 千 葉県松戸市 五香西 612-1
TEL : 047-389-5124
FAX : 047-389-5159
と
我が国では特定の検査分野 において情報を提供 す
る専門誌は存在するものの、破壊検査 と非破壊検査
を包含する検査の全分野 にわた って情報を提供する
専門誌はな く、 とくに検査の第一線で活躍する技術
者は、検査の実務で利用できる情報を渇望 して いる
のが現状です。
本誌 「
検査技術Jは 、検査か ら試験、評価、寿命
予測まで を扱 い、関連規格の紹介等、幅広 い内容を
編集 し、 これか らの検査技術の普及 と発展をめざす
技術雑誌 です。
39448001
大 阪 営 業 所 〒5 4 1 - 0 0 4 6 大阪市申央区平野町1 - 6 - 3 - 7 0 5
TEL“ 16202)8218 FAX 06620218287
器
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建設機械 2004.11.
¬
浅深度 。大深度 における泥土圧式 シール ドエ法へ の適用 … (1)
C0402‐18
浅深度 ・大深度 における
泥土圧式 シール ドエ法 へ の適用
=ツ インスクリュシール ドエ法 の開発 と実用化 =
大成建設∩ 伊 東
生
思
Kcn lto
1. は じめ に
近年、都市部 におい ては人口集中に よる都市施設
の需要拡大や都市機能 の多様化等 のため、地下 の過
密化 が深刻 な問題 とな り、 コス トダウ ンを前提 とし
た大深度大断面 の地下空間構築技術 の開発 が急務 と
なってい る。
都市部 における地下空 間の構築、その うち トンネ
ルの構築 にお いては、 シール ドエ 法 によ り施工 を行
うのが主 流 となってお り、泥水式 シール ドと泥土圧
式 シール ドエ 法 に大別 される。なかで も泥土圧 式 シ
ール ドエ 法 は、地下 3 0 m を 超 える大 深度施 工の実績
これは、大 深度 になると切羽が高水圧 とな り、排
土装置であるス クリュコンベ アか ら掘 削 土砂 を取 出
す際、掘削土や地下水が押 し出 されて しまう噴発現
象 を起 こ し、切羽土圧の制御 がで きな くなるとい う
問題があ ったか らである。切羽土圧 を制御 で きな く
なることは、すなわち周辺 の地盤 を変状 させ ること
である。
この問題 を解決す るため、大成建設備 と石川島播
磨重工 業的 は、1 9 9 6 年か ら原因 であるスク リュコン
ベ アの構造 の改善 としてツインスク リュシール ドエ
法 ( T S シール ドエ 法) の 開発 を行 つた。
はあま りなか った。
土 砂 ホ ッパ
ー
土 砂 排 出用 ダ ンプ カ ー
\
「1■t′ド(11,11■
■1■ ・,「 「'「
1111■Ж
二
illl'1菫
重
:菫
]
,盤雲,
第 1 図 シ ス テム全体 図
0385‐
9 878/04/¥509論文/JcLS
60 建 設機械 2004.11.
‐
ボンプ
ユ砂圧送1用
浅深度 。大深度 における泥土圧式 シール ドエ法へ の適用 … 0 )
2.開 発 概要
(1)開 発の 目的
本 工 法 の開発 の 目的 は、泥土圧式 シール ドエ 法 を
大深度 に適用可能 な新 しい切羽安定制御技術 を完成
させる ことで、大深度あ るいは浅深度 にお い て も切
羽土圧 の安定制御 を自動 で可能 にする技術 の開発 を
行 うことである。
(2)シ ステムの説明
ッイ ンス クリュシール ドシステム とは、泥土圧式
ー
シ ル ド機 にツイ ンス クリュ を装備 し、中央制御 シ
止水性能 を発揮 し、掘削土 の排土性能 を連続的に行
える。
3 . 実 証 実験
( 1 ) 実 験概要
実証実験 は、排土能力 1 0 0 m 3 / h のツイ ンス クリュ
排 土 装置 に対 して、寸法 で約 1 / 3 に 縮小 したモデ
ル実験装置 ( 排土能力 1 . 4 m 3 / h ) を
製作 して行 った。
実験装置 の装置図 を第 3 図 に、全景写真 を写真 1 、
その諸元 を第 1 表 に示す。
ス テムの集中帝1御により掘進管理 を自動化 し、切羽
土圧 の制御 お よび掘削土砂量 の管理 を行 うものであ
る。 また、ッイ ンス クリュの 回転数 を計測す ること
で、掘 削土量管理 も可能 で あ る。特徴 を以 下 に示
す。
① 高 水圧下、近接施工等での自動 による切羽 の
安定制御 。
バルブ
土砂 シ リング
② 掘 削土量管理が可能。
③ 排 土 日か ら後方へ土 砂 を圧 送可能
第 1図 にシステム全体図を示す。
(3)ツ インスクリュの構造
ツインス クリュは、 2本 の軸付 きスク リュコンベ
アとそのケー シングお よび駆動 モ ー タか ら構成 され
第3図
ている。 2本 の軸付 きス ク リュコンベ アは、 フライ
ト (羽根)の 厚 みが異 なる 2本 のスクリュー を相互
に逆 方向 に組み合 せ た構造 としている。
構造 イメー ジ図 を第 2図 に示す。 この機械 的密 閉
構造 により、ツイ ンス クリュは低 ∼高水圧 に対 して
491019101910“
壼16儘
ヽ│
写真 1 実 験装置全景
第 1表 実 験装置 の諸元
輸送能力
回転数
第 2図 構 造イメージ図
14ポ /h
0-12rpm
薄肉 フライ ト径 ×フライ トピッチ
φ199mm× P92mm
厚 肉フライ ト径 ×フライ トビッチ
φ199mm× P92mm
駆動 トルク
12 2kN・m
建設機械 "“ .H.61
浅深度 ・大深度 における泥土圧式 シール ドエ法へ の適用 … ( 3 )
開発 した ツイ ンス ク リ ュ排 土 装 置 は 、高 水 圧
(lMPa)と い う条件下 にお いて、設定 した切羽土圧
実験装置 は、切羽土圧 を発生 させ るための土 砂 シ
リンダと加圧 ジャッキ、ツイ ンス クリュ、馬
区動用油
ー
ー
ユニ
ン
モ
ッ ト、投入 ロゲ ト、排
タ、油圧 ポ プ
圧
を安 定制御 しなが ら排土 で き、また切羽土圧 の大 き
さ、スク リュー 回転数 の影響 をほ とん ど受 けず に、
土 ロゲ ー トお よび土圧 計 ・ス トロー ク計 などの計測
切 羽圧 を安 定制御 で きる装置 であるこ とが わか っ
た。ス クリュー 回転時 の切羽土圧平均値 に対 して、
瞬間的に低下す る変動圧力 は、各切羽土圧 におい て
装置か ら構成 される。
(2)実 験の方法
実験パ ラメータとして、試料の粒度分布 ・スランプ、
切羽土圧、スクリューの回転数を変化 させることによ
もo.01∼0.03MPaと い う結果 であった。また、ス ラ
ンプlocmの 砂 質泥土 につい ては、羽根 の隙間 3mm
り、ツイ ンス クリユ排土装置前後 での土圧 、ス クリ
ューの 回転 トルク、排土 される土砂量 の変化 を計測
した。 また、 2本 のスクリューの羽根が噛み込 む部
ることがで きた。
分 の隙間や、羽根 と回転軸 との隙間が止水性 に大 き
く影響す る もの と考 え、そ の隙間 を5mm、 3mmお
また、砂礫泥土、スランプ20cm、 羽根 の隙間 3mm
とい う条件 にお い て も、スク リューの 回転 と同時 に
よびlmm以 下 と変化 させて実験 を行 つた。
実験 に用 い る泥土 は、砂 質泥土 と砂礫泥土の 2種
泥土加圧 シー ル ドエ 法協
類 とし、泥土 の配合 は 「
・
会」 の作泥土材 の必要 不要 の境界線 の粒度分布 を
設定 した切羽土圧 はやや変動す るもの、砂質泥土 と
ほぼ同様 の結果 が得 られた。切羽土圧平均値 に対 し
基本 に決 定 した。実験 では、水量 の加減 によリス ラ
ンプ10cmと 20cmに 調整 して行 った。切 羽土圧 は
0.3、0.6、1.OMPaの 3種 類 、スク リュー回転数 は3、
件 にお い て もスランプの大 きさに影響 されず、切羽
土圧 を同様 に安 定制御す ることがで きた。
とい う条件 において も切羽土圧 を同様 に安定制御す
て低下す る変動圧力 は0.02∼0.05MPaで あ った。
砂礫泥土 に関 しては、羽根 の 隙間 5mmと い う条
② り F土状況
掘進 における排土量 の管理 は、一般的 にス クリュ
ーの回転数 とその排土量 が比例す るもの として管理
6、12rpmの 3種 類 とした。
(3)実 験結果
す るが、実際 にはス クリユー内部 での共回 りや、噴
発 などにより正確 な排 土量 を把握することは難 しい。
実験 における排土量 と理論排 土量 (スクリュー 1回
① 高 水圧切羽の安定制御
第 4 図 に砂質泥土、ス ラ ンプ2 0 c m 、羽根の隙間
l m m 以 下 とい う条件 における切羽土圧 の経時変化
図を示す。
転当 りの土砂搬送容量 と回転時間か ら計算)を 比べ
た結果、 このツインスク リュ排土装置 の場合 は、羽
根 の隙間が大 きい場合、実際 の排土量 の方 が多 くな
る傾 向があるが、羽根 の隙間を小 さくすれば理論排
土量 と実際 の排土量 がほぼ一 致 し、ス クリュー回転
数に合 った定量 の排土が可能 であることを確認 した。
設定圧力 1.OMPa
どΣ︼
6×]R日RS
[
4.実 用化
土被 りの深 い粘性土 地盤 で実証施 工 を行 い そ の
後、土被 りの浅 い砂礫地盤 の工 事 で採用 され、初め
設定圧力06MPa
06M-3
設定圧力03MPa
│
て実用化 された。砂 礫 地盤 での工 事 の切 羽土圧制
御 、土量管理 の実績 につい て以下 に紹介す る。
03M‐ 3
03M-12
0
*10M3は
20
40
60
実験時間 [scc]
設定圧力 lMPa、 スクリュー回転数3rpmの条件 を示す。
第 4図 切 羽土圧 の 経 時変化 図
62 建 設機械 ηtt H
80
(1)砂 礫地盤 での施工
① 工 事概要
工 事件名 :福 岡市高速鉄道 3号 線渡辺通南 工
区建設 工 事
発 注 者 :福 岡市交通局
工 事概要 :泥 土圧式シール ド、掘削外径5:44m、
延長 756m
浅深度 。大深度 における泥土圧式 シール ドエ法へ の適用 … “)
土
質
: 砂 礫土 N 値 1 0 ∼3 0
土 被 り : 7 ∼ 9 m ( 構 造物直下 3 m で の施 工 区
間あ り)
この工 事 で採用 したッインスクリ上の写真 を写真
2 に 、その仕様 を第 2 表 に示す。
この結果、 ツイ ンス クリュ回転速度が掘進速度 の
変化 に追従 し、切羽土圧が設 定値 の0 . 1 5 M P a に
制御
で きた。
③ 土 量管理 の実績
土量 管理 にお いて も、同 じ く 1 リ ング掘進 中の デ
ー タとし、掘進距離 に応 じた掘削土量 の理論値
(掘
の
土量
に
を
して
した
注入量
削
加泥材
加算
、
値) に 対
ツイ ンス クリユの回転数 か ら算 出 した土量4L●
の 比較
を行 った。その結果 を第 6 図 に示す。理論総排 土量
( 掘削土量 に加泥材の注入量 を加算 した値 ) を 1 0 o %
とし比 較する と、ツイ ンス クリュ回転数 か ら算 出 し
た総排土量 は9 7 % と 理論値 に近 い値 となった。
″
﹄
珈鏃 1
冒日]醐=墨暉
写真 2 ツ インス クリュを装備 したシール ド機
//
ノ
/
″
第 2表 使 用 した ツ イ ンス ク リュの 諸元
輸送能力
ノ
67m°/11
100
回転 数
0∼ 23rpm
薄肉 フライ ト径 ×フライ トピッチ
φ597mm× P324mm
厚 肉 フライ ト径 ×フライ トピッチ
φ387mm× P324mm
レク
駆動 トリ
97%
/
200
300
400
500
掘削距離 [ m m ]
600
700
第 6 図 掘 削 土量 管 理 の 実績 図
487kN m
5 . お わ りに
② 切 羽土圧の 自動制御 の実績
ッイ ンス クリュが 自動制御 で きるか否かの確認 を
行 うため、 1 リ ング掘 進 中 に掘 進速度 を l o 、1 5 、
2 0 m m / 分 と強制的 に変化 させた。デ ー タは掘進速
度、切 羽土圧 とツインスク リュ回転速度 の実測値 と
した。結果 を第 5 図 に示す。
〇
300 400
500
掘進距離 [ m m ]
600
切 羽土圧 の 自動 制御 の 実績 図
。
コ 8
1
,
﹁
= 一
1
第 5図
200
700
口 占 拠 梨 懸 回 ´[
[
條 \ 目占 悩 興 製 緊
配Σ]出﹁
[
100
本 システムは、粘性土お よび砂礫地盤 での実施 工
により切羽土圧制御、掘削土量管理 の性能が確認 さ
れた。
しか し、礫 を多 く含 む地 盤ではッイ ンス クリュ内
の フラ イ トやケ ー シングの磨耗 が想定 されるため、
現在磨耗 に対する研究 を進めている。 この研究 で耐
久性 を向上 させ、ツイ ンス クリュシール ドエ 法 を泥
土圧式 シール ドの一般 工 法 に目指 したい。
最後 に本 工法の実用化 として、採用 して頂 いた福
岡市、工事 を行 った関係各位 に感謝 し、紙面 を借 り
お礼 を申 し上 げる。
< 参 考文献 >
( 1 ) 栄 ・他 : “大深度土圧式 シー ル ドにおける切羽圧制御装置 の
"、
開発 と実証実験
建設機械 と施工法 シンポジウム、1 9 9 7 1 0
( 2 ) 伊 東 ・他 : “ツインスクリュシール ドエ 法 による砂礫地盤 で
"、
の実証施工
土木学会第5 7 回年次学術講演会議演概要集、第 6
音5、20029
(筆者紹介はp77掲載)
建設機械 2004.11.63
大型 クレー ン不要な煙突解体 工法 の開発 … (1)
大型 クレー ン不要な煙突解体工法の開発
西松建設い 吉 田
正
Tadashi Yoshida
土橋 邦 雄
Kunio Tsuchihasi
万代 智 也
Tomoya Mandai
1. は じめに
「ダイオキ シン類対 策特 別措 置法」が制定 され、
一
基準 に適合 しない全 国の 般焼却施設 の うち多 くが
使用 で きな くな り、解体 の必要 に迫 られている。
一 方 、「
廃棄物焼却施設 内作業 におけるダイオキ
シ ン類 ば く露防止対策要綱」 により解体 の作業基準
が決め られ、作業 コス トの上昇や周辺 の配慮 により
使用 中止 となった施設 の解体 工事 は進展 してい ない
のが現状 である。
市場 の要求 として、焼却施設解体 は安全 で安 い解
体 工 事 が望 まれてお り、今 回、焼却施設 のなかで も
極端 な高所作業が発生す る煙突 の解体 に着 目し、安
●クレー ンオペ レー タは頂部 (作業場所)が 見 え
ない。
●広 い作業 エ リアと進入路が確保で きないため大
型 クレー ンが入れない施設 も多 い。
●大型 エ ンジンのため、排気 ガス、騒音、振動 な
どの発生源 となる。
などの短所 がある。
そ こで、大型 クレー ンを使用 しないで煙 突解体 を
行 う工 法 として、 ビル など建 築 工事 で使用 される自
昇降 の タワー クレー ンをイメー ジ し、煙突解体 に用
いる足場構築作業 に専用の小型 クレー ンを開発 した
(写真 1)。
全 で安価 な工法 を開発 した。
2.煙 突解 体方 法
ダイオキシ ン規制法以前 のRC煙 突 の解体 の方法
は、大型 クレー ンで圧砕機 を吊 り解体 してい く方法
や上部 よリワイヤ ー ソー などでカ ッ トして、ク レー
ンで 吊 り降 ろす方法 などで行 われて きた。
しか し、粉塵 の飛散 や広 い作業 スペ ースを必要 と
する ことか ら、現 在 は煙 突周囲 を足場で囲 い、煙突
頂部 に足場 を設 け人力 で煙突 を解体す る (解体 ガラ
を煙突内部 に落 としてい く)方 法 が多 く採用 されて
い る。
煙突 の外周足場 の構築 に必 要 なクレー ンは、その
高 さ (高さ60m程 度 の ものが多 い)か ら100t∼150t
クロー ラクレー ン級 の大型 クレー ンとなる。大型 ク
レー ンでの作業 の場合、使用料 と現地輸送 ・組 立解
体費 で機械費 が高額 となって しまう。
また、大型 クレー ン使用 での作業 では、
03859878/04/¥5∞ /論丈/JCLS
6 4 建 設機 械 2 0 0 4 . H .
写真 1
大型 クレー ン不要な煙突解体工法の開発 … 0 )
③ 作 業用 ゴン ドラの設置、耐火 レンガの洗浄 ・
3.工 法 の概要
第 1図 に本工法 のフロー図を示す。
① 装 置の組立、据付け
解体
煙 突解 体 に用 い る専 用 の小 型 ク レー ン ( 以後 、小
型 ク レー ン とす る) の 組 立 設 置 は 、小 型 ( 1 6 ∼2 5 1 )
移動 式 ク レー ンで行 う。煙 突横 に足 場 を組 み 、小 型
ク レー ン を設 置 す る。
② 足 場の組立 ・装置のクライミング
小型 ク レー ンを使用 して足場 材 の荷揚 げを行 い 、
足場 を組立 てる。足場 2層 分 の組立 と小型 クレー ン
のクライミングを交互 に行 い、上部へ構築 してい く。
置す る。
④ 煙 突および足場の解体 ・荷降ろし
煙突の解体作業 は、小型 クレー ンの下で作業員が
ブ レー カー を使用 して行 い、 はつ リガラは煙突 の 内
部 に落 とし込 んでい く。 この作業 のために、外周足
一
¨
﹁
一
呻
r
︲
①装置の組立、据付け
足場が煙突頂部 に到達 後、作業用 ゴン ドラを設 置
し、ダイオキシン付着 の可能性が高 い煙突内部 の耐
火 レンガ を洗浄 し撤去する。 レンガの洗浄 ・解体作
業終了後、小型 クレー ンを横移 動 し煙突 の上 部 に設
②足場の組立続き 装 置のクライミング
③作業用ゴンドラの設置 耐 火レンガの洗浄 解体
ゴン ドラ吊
ワイヤ 2 本
移動 式 ク レー ン
( 1 6 t ヽ2 5 t 吊り)
足 場 2段 36mご とに作 │簑を く りかえす
④煙突および足場の解体、荷降し
⑤装置、足場の総解体
⑥専用重機での煙突解体
逆 クライ ミング
アタッチメント
移動式 ク レー ン
2 5 t 吊り)
(16t∼
足 場 2 段 3 6 m 毎 に作 業 を く りか えす 。
大型クレーン不要な煙突解体工法の開発…( 3 )
場 の 内倶1 には足 場 を設 置 し、外 側 には煙 突解 体作 業
部 分 をシ ー トで囲 い粉 塵 飛 散 防護 を行 う。
ー
煙 突 の解 体 を足 場 2 層 分 行 い 、 ク レ ンをクライ
ミングダウンさせる (逆クライミング)。
作業サイクルは次の通 りである。
煙突解体
↓
クレー ンのクライミングダウン
↓
内部足場 と養生 シー トの盛 り替 え
↓
煙突解体
⑤ 装 置、足場の解体
地上 か ら重機 による煙 突解体 が可能 な部分 を残
し、小型 ク レー ンを撤去する。設置時 と同様 に、小
型 ( 1 6 ∼2 5 t ) 移動式 ク レー ンで装置 。足場 の解体
第1表
定
格
荷
重
作
業
半
径
1∼ 55m
程
75m
揚
巻上2 2kW、 起伏2 2kW、 旋回0 2kW
電
動
機
巻
上
速
度
17m/min(60Hz)
操
作
方
式
無線操作、ベ ンダン トスイッチ操作
安
全
装
置
過負荷防止装置、過巻停止装置、ジブ上下限
停止装置、旋回制限装置
① 吊 り能力
主な吊 り荷 は、足場材、解体用工 具 であるので、
作業上の必要最小限の吊 り能力 として3 0 0 k g と設定
した。
② ブーム長さ
外周足場の外側 に荷 を吊る作業のためブームの長
を行 う。
さは、5 . 5 m と設 定 した。
⑥ 専 用重機 での煙突解体
解体用 アタツチメ ン トをつけた重機 により、煙突
の残 りの部分 を解体する。
③ 揚 程
ー
高 さ60mの 煙突 の解体 を対 象 とす るため、クレ
ンの揚程 を75mと 設定 した。
(2)昇 降フレーム部
4 . 機 械 の仕様 、構造 、動作 について
4-1 本 体
ー
小型 クレー ンの本体 は、 クレー ン部、昇降 フレ
ム部、吊 り治具から構成 されている ( 第2 図 ) 。
<搭 載機器 >
フレー ム にのせ る解体用 の工 具 (ブレー カ、 ガス
ボ ンベ など)に つい て も解体作業内容 を検討 し台数
を設定 した。 ガスボンベ は 1組 搭載可能 とし、 ブ レ
ー カ用 の コンプレッサは、重量的に配慮 して地上設
︱
置 とした。
(3)吊 り治具
煙突 の解体 は作業員 が クレー ン下で行 うが、回転
可能 な長 さ1.7mのアーム (H鋼 )に 125kg吊りのチ
ェー ンブロ ックをクレー ン下 に取 り付 け、解体 に使
クレー ン部
︲
昇降 フレーム部
︱
うブ レー カの荷重 (1台 35kg)を 支 える。 これによ
り作業員 の負担 を低減 し、作業の効率化 を図 つた。
吊 り治具
0)本 体重量
度 とな り本
本体重量 は、定格荷重 を含 めて4.Ot程
つい
ては、 4本 の専用 の
体重量 の垂直荷重 の保持 に
マス トで行 うこととした。
4-2 ク
第 2図
(1)ク レー ン部
ク レー ンの 仕 様 を 第 1表 に示 す 。
66 建 設機械 2CX14.11.
ライ ミング装置 、水平移動
(1)ク ライミング
クライ ミングには、電動チ ェー ンブ ロ ック2t吊り
4台 を使用 し、ク レー ン操作用 のペ ンダ ン トスイッ
チで 4台 を同時 に動作 させ るこ とがで きる。上 昇
(下降)は 、第 3図 の ように 2段 分が 1回 のサ イク
ル となる。下降 (逆クライ ミング)は 、上 昇 とは逆
の手順 により行 う。
大型クレーン不要な煙突解体工法の開発…0 )
② クレーンマス ト2層 組立
①足場 2層 組立
5.適 用 実績
本 工 法 を採 用 し煙 突解 体 を行 った最 初 の現 場 であ
る、 山梨 県 富 士 吉 田 市 での 実 績 を報 告 す る ( 写真
2)。
③ クライミング用
電動チェーンブロック取付
④ クレーン
クライミ
第 3図
(2)水 平移動
水 平 移動 は、 8本 のマス ト頂 部 間 に水 平 レー ル を
設 置 す る。本体 に水 平 移動 用 ア ー ム を取 り付 け、片
側 か ら レバ ー ブ ロ ックを用 い手動 で 移動 す る (第 4
5-1 工
図 )。
当該工 事 は、山梨 県富士 吉 田市 の一 般廃 棄物 焼 却
事概要
施 設 の解体 工 事 で あ る。第 2 表 に工 事 概 要 、第 3 表
に解 体 す るプ ラ ン ト要 目 を示 す。
第2表
水平移動
工 事 名 称
富士吉田市環境美化セ ンター第 1工 場解体工事
発 注
川崎重工業帥
者
工
期
平成 15年 1月 8日 ∼平成 15年 7月 25日
第 3表
稼
第 4図 煙 突解体 クレーン横移動状況図
開
始
1986年12月
45t/16H焼
給
去口
炉 × 2基
塵
方
式
ピッ ト ア ン ド ク レー ン方式
灰
出
方
式
フラ イ トコ ンベ ア→ 灰 出 しバ ンカ
通
風
方
式 平衡通風 煙 突高さ59m頂 上回径 φ12m
除
塵
方
式
マルチサイクロンお よび電気集塵装置
屋
鉄筋 コンクリー ト、鉄骨造 地 下 1 階 、
地上 3 階 延べ面積 1 , 8 8 5 m 2
建
4-3 作
働
炉数 お よび焼 却能力
業用足場
<荷 重 >
煙 突 外 周 足 場 は 、汎 用 の枠 組 み足 場 を使 用 す る。
小 型 ク レー ンの垂 直荷 重 に関 して は、 4本 の専 用
マス トで保 持 す るが 、 ク レー ン動 作 時 や台風 ・大 地
震 時 に想 定 され る水 平荷 重 (横揺 れ )に 対 して は 、
外 周 足 場 と専 用 マス トを固 定 し保 持 す る。
工
5-2 施
当該工事で は、移動 式 クレー ンにて外周足場組立
てを先行 して行 い、その後、煙突北東側 の作業 スペ
ース に設置 した大型 クレー ンにて上部の
足場組立 て
ー
ンの
と小型 クレ
設置 を行 った。
建設機械 2004.11.67
―
│
大型クレーン不要な煙突解体工法の開発…( 5 )
今回、大型 ク レー ンで上部足場 の組 立て と小型 ク
レー ンの設置 を行 った理 由 として、小型 ク レー ンの
ー
製作 日程 と工 期 の兼 ね合 い により、小型 ク レ ンの
納入後す ぐに煙突 の解体 に着手す る必 要 があ ったた
めである。
(1)足 場組立
煙突 の外周足場 37段 と小型 クレー ンの専用 マス ト
の組立 を行 った。材料 の荷揚 げには、ラフター クレ
ー ンを使用 した。
(2)煙 突クレーン搬入、組立、設置
小型 クレー ンは、地 上で組立て後 、160tトラック
クレー ンを使用 し煙突頂部 に据 え付 けた。
(3)解 体作業、逆クライミング状況
ー
煙突解体 の うち コンクリー トはつ り作業 はブ レ
ー
カで行 い、鉄筋 はガス切断 によ り溶断 した。ブ レ
カは、35kg/台 あるので 、吊 り治具か ら吊 り下 げ、
作業者 の負担 を低減 した。
ブ レー カには、地 上 に設 置 したエ ンジンコンプレ
ッサか らホースで給気 を行 った。足場 2段 分 の解体
手が良 く作業 の効率化 が図れた。
ー
④ 小 型 クレ ンは足場上 で操作 で き、大型 クレ
ー ン使用 に比べ て安全性 が非常 に高 かった。
7.お
わ りに
焼 去「
施設 の解体 が工事案件 として全国で発生 して
いるが、施設 ご とに煙 突 の立地 や形状等 の 条件 に
様 々 な違 いがある。今 回開発 した工 法 は、大型 クレ
ー ン不必要 な煙突解体工法で、それぞれの施設 で条
件 を検討 の上で、本 工 法採用 の利点 を提案 してい き
たい と考 える。
また、小型 クレー ンを煙突解体 だけでな く、他 の
用途 にも適用する ことも検討 してい る。例 えば、マ
ンションや ビルの壁面 リニューアルエ事 などである。
なお、本 工 法 の開発 は、北川鉄 工 所的 とシンニ ッ
タン的 との共同開発 で あ る。
最後 に、本 工 法 の現場採用 にあた りご協力 をい た
だい た関係者各位 に感謝の意 を表す る。
終了後、解体作業床 となる内部足場 の盛 り替 えを行
い、小型 クレー ンの逆 クライ ミングを行 つた。
(4)撤 去
小 型 ク レー ンは逆 クライ ミングを計 12回 行 い 、
GL.18mま で クレー ンが妻1達 した ところで25tラフタ
ー クレ‐ ンにより撤去、搬 出 した。 また、同時 に足
場 も撤去 した。
以降の煙突解体 は、解体用 アタッチメ ン トをつ け
た ロングアームのバ ックホウにより、地上か ら解体
した。
(5)工 程
解体作業 はGL.59mの 頂 上か らGL.18mま で約 5
週 で解体 した。
所定 の工 程通 りで完了 する ことがで きた。
6.総 括
今 回の小型 クレー ンを用 い た煙 突解体 と足場解体
工 事 の評価 を以下 に示す。
① 煙 突解体作業 は、煙突解体 (はつ り)∼足場
一
撤去 ∼ クレー ンの逆 クライ ミングと 連 の作業
サ イクルで効率良 く作業 が行 うことがで きた。
ー
② 小 型 クレー ンの設置時以外 は大型 クレ ンは
使用 せ ず、機械費 の削減 に繋が つた。
③ 煙 突 上部へ の揚重作業 が制約な く常時行 える
こ と、 また解体 用 ブ レー カの 吊 り治具 の使 い勝
68 建 設機械 2004.H.
筆者紹介】
【
吉田 正
西松建設い 横 浜支店 富 士吉 田出張所 所 長
E―
mail:tadashiJoshidЮ niShimatsu cojp
土橋 邦 雄
西松建設い 横 浜支店 富 士吉 田出張所 主 任
E―
mail:kunio_dobashi@niShimatsu cojp
万代 智 也
`
43年 H月 25日生 )
(l13和
西松建設帥 技 術研究所 技 術研究部
機電技術研究課 主 任
〒242-8520 神奈川県大和市下鶴 間2570-4
TEL:046-275-CЮ96 FAX:046‐ 275-0094
E―
mail i tomoya mandal@niShimatsu co]p
<過 去 の執筆実績 > 「 建設 の機械化」
西松建設株式会社
<本 社住所 >
〒 105-8401 東京都港 区虎 ノ門 12́0-10
‐ L : 03-3502-0232
URL:http■ヽ WW niShimatsu.co」
p
レコウ ォー ルエ 法 … (1)
レコ ウォー ルエ法
=小 型 コンクリー トブロ ックと鋼製支圧 アンカー を用 いた
補強土壁 =
三 信 建 設工 業帥
1. は じめに
従来 のL型 擁壁 な どに代 わ り、裏込め土 中に補強
材 を敷 き込み土留 め壁の安定 を確保する補強土擁壁
和 田 宏 幸
Hiroyuki Wada
方式 につい て記述す る。
補強 システムの概 要 を第 1 図 に示す。
が数多 く開発 され、広 く用 い られるようになってい
る。近年 は、公共工事 の減少 による構造 物 に対する
建設費 の削減や、近隣住 民 の関心 の高 まりか ら周辺
環境 へ の配慮 などが 求 め られている。 これ らめ社会
的 ニ ーズ に答 えるべ く、従来の コンクリー トパ ネル
式補強土壁工法 に代 わ り、自然 にや さしいデザイン
を持 つ ブ ロ ック式補強土壁工法が注 目されてい る。
この ブ ロ ック式補強土壁工 法 とは、壁面材 に即時
脱型式 によ り生 産 された小 型 コン ク リー トブ ロ ッ
ク、補強材 に金属製補強材やジオテキス タイル など
を使用 した工法 である。
本稿で紹介す るレコウォールエ 法 は、小型 コンク
リー トブ ロ ックと金属製補強材 をイ ンター ロ ッキン
グで連結 して補強土壁 を構築す る工 法 である。
第 1 図 補 強システム概要図
( 2 ) 工 法 の 特長
① 景 観性
柔 らかい感 じの着色可能な乾式 ブ ロ ックを組み合
わせ る壁面構造 のため、壁面 に文 字や絵 が容 易 に描
画 で き、曲面 施 工 など周辺 の環境 に適応 で きる。
2.工 法 の 概 要
(1)補 強 システム
補 強土壁工法 の補 強 シス テ ム を大 き く分類 す る
と、帯状補強材や ジオテ キス タイルの摩擦抵抗 によ
る引抜 き抵抗 力 で土 留 め効果 を発揮 させるもの (摩
擦方式 )と 、ア ンカー補強材の支圧抵抗 による引抜
き抵抗 力 で土 留 め効果 を発 揮 させ る もの (支圧 方
式)に 分類 される。
本工法 は、盛土 内に設置 した支圧 ブ ロ ックの支圧
抵抗 にて土 留 め効果 を発揮する支圧方式、鉄筋 グリ
ッ ドの摩擦抵抗 にて土留め効果 を発揮する摩擦方式
② 安 定性
コンクリー トブロック同士 と金 属製補強材 をインタ
ーロッキングで一
体化 させ る構造 によ り、ジオテキス
タイルエ 法 と比べ 、変位 の少 ない壁面 を構築 で きる。
③ 施 工性
壁面 を構成す る コンクリ‐ トブ ロ ックは、従来の
コ ンクリー トパ ネル と比 較 して、小型 ・軽量である
ため、施工性、運搬性 に優れ、工期短縮 と省力化が
可能である。
④ 信 頼性
部材 には 、 コ ン ク リー トブ ロ ックゃ金 属 製補 強材
の 2通 りの補強方式 を有 してい る。 ここでは、支圧
な どの工 場 製 品 を使 用 す るため 、品質 面 での信 頼 性
0385‐
9878/04/¥509論 文″cLS
が 高 い。
建設機械 2CX14.H.69
レコウォールエ 法… ( 2 )
ー
壁面材 を構成する コンクリ トブ ロ ツクは、即時
脱型式 にて製造 される ため、大量生産が可 能 であ
(2)支 圧 ブロ ック (補強材)
支圧抵抗 を受け持 つ支圧 ブ ロ ック (写真 2)に は、
コンクリー トブロ ツク (幅30cm、高 さ20cm、奥行 き
り、低 コス トにて提供 で きる。
13cln、
質量 15kg)を使用す る。
⑤ 経 済性
3.使 用 部材
補強 土壁 を構成す る主 な部材 として、壁面材 、補
強材 、盛土材 の 3つ が上 げ られる。
(1)レ コブロ ック (壁面材)
壁面材 には、 レコブ ロ ック (写真 1) と呼 ばれる
ヽ
イ 型 コンクリー トブ ロ ツク (幅45cm、 高 さ2 0 c m 、
奥行 き3 0 c m 、質量 4 0 k g ) を使用する。
写真 2 支 圧 ブ ロ ック
ー ( 補強材 )
( 3 ) レ コバ
支 圧 ブ ロ ック とレ コブ ロ ックを連 結 す る部材 と し
ー ( ね じ節
て 、エ ポ キ シ樹 脂 塗 装 を施 した、 レ コバ
異型 棒 鋼 S D 3 4 5 D 1 3 ∼ 1 9 ) を 使 用 す る。 この レ コバ
ー は工 場 にお い て設計 長 さに切 断 した もの をL 型 に
写真 1 レ コブ ロ ック
2 ヶ 所 の 曲げ加 工 を行 う ( 第 3 図 ) 。
この コンクリー トブ ロ ツクには特殊 な突起があ り、
下段 ブ ロ ツクの突起 に合 わせてブ ロ ックを設置す る
ことで、壁面勾配 1 : 0 . 1 が容易 に施工で きる機能 を
持 つてい る。
また、 この突起 は、 ブ ロ ツクの抜 け出 し防止機能
も兼 ね備 えている ( 第2 図 ) 。
第3図 レ コバー
9
第 2図 壁 面 ブ ロ ック設置図
70 建 設機械 2004.H.
(4)盛 土材
本 工 法 は、補強材 と盛土材 との 間 に発生する引抜
き抵抗力 により安定 を保 つ工 法 である。 この引抜 き
抵抗力 は盛土材 のせん断抵抗 が大 きい ほど有利 とな
るため、盛土材 の適用 に当た つてはその性状 を把握
レコウォールエ 法 … (3)
しなければならない。盛土材適用範囲を、第 1 表 に
示す。 これ以外 の盛土材 に関 してはセメン ト、石灰
系固化材 を添加 ・混合 し使用す る場合 もある。
第 1表 盛 土材適用範囲
土質条件
細粒分
分類
含有量
土質材料
その他の条件
判定
25%以 下
○
25∼ 50%
25%以 下
岩石質材料
25∼ 50%
△
硬岩ず り
ス レーキ ング率
3 0 % 以 下の岩ず り
ス レーキング率
3 0 % 以 下の岩ず り
第 5図 支 圧 ブ ロ ックとレコバ ーの接続
○
○
△
※岩石質材料 は、最大粒径3∝hm以 下。
4.設 計方 法
設計 においては、その安定性 を確保す るため次の
項 目について検討す る。設計 フロー を第 6図 に示す。
また、補 強材 に金 属製部材 を使用する ことか ら、
電気化学 的性 質 (pHお よび酸度、比抵抗値等 )に
ついて も留意する必要がある。一般 には、pHの 範囲
として5∼ 12を 目安 としている。
(5)部 材 の接続
千鳥配置 された レコブ ロ ック内空部 に砕石 を充填
し、ブ ロ ツク前面 にある溝 に レコバ ー を設 置す る
(第4図 )。この砕石 は、壁面背面 (50cm以上 )に も
設置す るため、壁面材のイ ンター ロ ッキング効果 だ
けで はな く、壁面 の排水効果 の役 目もある。
外的安定 の検討
補強材長 の決定
局部安定の検討
第 4図 レ コブ ロ ックとレコバ ーの接続
第 6図 設 計 フロー
(1)内 的安定の検討
内的安定 の検討 は、補強土壁 の一体化 と補強領域
レコバ ー と支圧 ブ ロ ックの接続方法であるが、支
圧 ブ ロ ックの溝 にレコバ ー を差込み、急結 セメン ト
内部 の安定性 を評価す ることである。本 工 法 は、変
を流 し、固定 を行 う ( 第5 図 ) 。
形 に対 して比較的柔 な壁面 を有す る構造物 であ り、
建設機械 2004.
│
レコウォールエ法 … ( 4 )
い、補強材径 お よび補強材 の密度 を算 出す る ( 第7
抗力 の照査 が必要 となる。 この ように局部安定 の検
討 とは、当工法特有 の検討項 目であ り、壁面部お よ
び支圧 ブ ロ ックと補強材 の接続部強度 や壁面材 の局
図) 。
部変位 の照査 を行 うもので ある ( 第9 図 ) 。
内的安定 に用 い る土圧 は主働 土圧 を用 い る。 この主
働土圧 に対 して、補 強材 の破 断 に対す る検討 を行
第 7図 内 的安定の検討
第 9図 局 部安定の検討
(2)外 的安定 の検討
ー
外 的安定 の検討 は、 レコバ 、支圧 ブ ロツク等 に
よって一体化 された補強領域 を仮想的に重力式擁壁
5.施 工方法
本 工 法 は、特殊 な建設機械 や高度 な施工経験 を
必 要 とせ ず 、簡単 な作 業 を繰 り返 す のみで あ り、
と仮定 し、補強領域背面 に作用する土圧 に対 して補
強土構造物 全体の安定性 を評価する。主 な検討項 目
としては、滑動 ・転倒、盛土全体 のすべ り安定 など
現場条件 が狭院 な場所 にお いて も施 工可 能 で ある。
特 に現場付 近 に揚 重機 な どの設置 が難 しい場所 に
お い て、壁 面材 の設置 が人 力 で も可 能 で ある ( 写
である (第8図 )。
真 3)。
"イ:
第 8図 外 的安定の検討
写真 3 施 工状況
(3)局 部 安定 の検 討
内的安 定 の検 討 にお いて必 要 な補 強材 間隔 が算 出
され、部 分 的 に補 強材 が設 置 され ない壁 面材 が生 じ
る。 この 設 置 されて い ない壁 面 材 に対 して、壁 面 前
ヽ
と
配 され るため、せ ん 断抵
面 にせ り出す局部 変位 が ′
72 建 設機械 20C14.11.
施 工 手順 としては、掘削 ・整地後、基礎 コンクリ
ー トを設 置 し、最下段 ブ ロ ックを据付 ける。据付完
了後、砕石 を充填 し、盛土材 の まき出 しお よび転 圧
後、補強材 を設置する。施エ フロー を第 1 0 図に示す。
レコウォールエ法 … ( 5 )
① 掘削整地
7.お わ りに
平成 14年に実物大試験工事 を行 い、壁面土圧など
約 1年 半に及ぶ長期計測、施工性の確認 を行 った(1ゝ
計測値 から特異 な値が確認 されなかったことや、壁
繰り返 し
③ 壁 面ブロック設置
面 ブ ロ ックに亀裂 など一切確認 されなかった ことか
ら長期安定性 を実証 した もの と考 える。
④ 砕 石充填
今後、 さらに施工実績 を積 んで適 用分野 の拡大 を
図るとともに、社会 のニ ーズ に対応 してい く予定 で
ある。
⑤ 盛 土材まき出し、転圧
最後 に、当工法の実用化 にあた り、 ご指導 お よび
ご協力 をい ただい た関係各位 に、厚 く御礼 を申 し上
⑥ 補 強材設置
げ る次 第 である。
⑦ 天 端、付帯工事
< 参 考文献 >
( 1 ) 和 田 ・末政 : “金属製補強材 を用いたブロ ック式補強土壁の実
"、
土木工学会第5 8 回年次学術講演会
物野外実験
第 10図 施 エ フロー
6 . 施 工例
主な施工例 を写真 4 、 写真 5 に 示す。
写真 4 施 工例
筆者紹介】
【
和田 宏 幸
三信建設工業帥 技 術 開発本部 主 任
〒112-0004 東京都文京区後楽 1-2-7
TEL:03-3815-5838 FAX:03-3815-5860
写真 5 施 工例
E―
mail:h―wada@sanShin―corp cojp
建設機械 2∞4.H.73
2004年 6月 度 建設機械 出荷金額統計 … (1)
業冗嘔
2004年
6月 度 建設機械出荷金額統計
① 日本建設機械 工 業会
6 月 の建設機械 出荷金額 の総合計 は、1 , 3 6 5 億
円で
前年 同期比 3 0 . 3 % 増加。内需 は5 3 2 億円で 1 3 . 0 % 増
加、外需 は8 3 3 億円で4 4 . 5 % の 増加 となった。その
結果 、内需 は 1 5 カ月連続 の増加、外需 は2 7 カ 月連
続 の増加 となった。総合計 では2 1 カ月連続 の増加 と
な った。
機種別 の 出荷金額 を見 ると、 トラクタ、油圧 シ ョ
ベ ル 、 ミニ シ ョベ ル、建設用 ク レー ン、道路機械 、
油圧 ブレー カ ・圧 砕機 、その他建設機械 の 7 機 種が
増加 となった。
内需 について機種別 に見 ると、ト ラクタ1 8 . 3 % 増
加 [ 4 7 億円] 、油圧 シ ョベ ル2 7 . 6 % 増加 [ 1 6 5 億円] 、
ミニ シ ヨベ ル2 4 . 4 % 増 加 [ 4 1 億円] 、建設用 クレー
ン2 8 . 0 % 増 加 [ 7 8 億円] 、油 圧 ブ レー カ ・圧砕機
[ 4 3 億円] の 6 機 種 と補給部品6 . 1 % 増 加 [ 8 5 億円]
が増加 し、内需全体 では 1 3 . 0 % の増加 となった。
外需 につい て機種別 に見 ると、ト ラクタ9 2 . 7 % 増
加 [ 1 4 5 億円] 、油圧 シ ョベ ル3 5 . 1 % 増 加 [ 3 6 5 億
円] 、 ミニ シ ョベ ル4 2 . 0 % 増加 [ 9 3 億円] 、建設用 ク
レー ン7 1 . 9 % 増 加 [ 3 8 億円] 、道路機械 2 5 . 5 % 増 加
[ 1 9 億円] 、 トンネル機械 6 1 . 4 % 増 加 [ 1 6 億円] 、油
圧 ブ レー カ ・圧砕機 1 . 1 % 増 加 [ 7 億円] 、そ の他建
設機械 4 8 . 4 % 増 加 [ 7 6 億円] 、基礎機械 の 9 機 種 と
補給部品 2 7 . 2 % 増加 [ 7 3 億円] が 増加 した。地域別
に見 ると、 中国 は 3 カ 月連続 で減少 したものの、北
米 で 1 5 カ 月連続 の増加、欧州 も 7 カ 月連続 で増加
するな ど全 9 地 域 中 7 地 域で増加 し、外需全体 では
4 4 . 5 % の増加 となった。
9 . 8 % 増 加 [ 1 1 億円] 、その他 の建設機械 9 . 9 % 増 加
第 1表 2004年 6月 度 建設機械国内出荷台数統計 (その 1)
上段 :台数
下段 :前年同期比増減 (%)
月単位統計機種
ホ イー ル ロ ー ダ
今月
今四半期
2 0 0 4 年累計
2 X l l 1 4度累計
年
2004年 6月
(4∼ 6月 )
( 1 ∼ 6 月)
(4∼6月 )
469
2,207
3,557
1,350
170
114
151
217
油圧 ショベ ル
(クロー ラ式、ホ イール式)
1,867
5,581
10,407
4,826
351
236
239
243
ミニ シ ョベ ,レ
( クローラ式、ホ イール式)
1,430
5,387
9,194
3,807
155
201
154
60
-104
10
アス フ ァル トフ イニ ッシ ャ
74 建 設機械 2KX14.H.
19
118
42
909
99
3 ■
クロ ー ラ ク レー ン
94
128
227
489
185
247
338
2004年6月度 建設機械出荷金額統計…0)
第 1表 2004年 6月 度 建設機械国内出荷台数統計 (その 2)
四半期単位統計機種
クロ ー ラテ レス コ ク レー ン
タワ ー ク レー ン
高所作業車
締 固 め機 械 (ロ ー ラ)
締 固め機械
( ラ ンマ
ー
、 コ ンパ ク タ)
アスファル トプラ ン ト
ー ジンを合む)
( リサイクル バ
コンクリー トプラ ン ト
ドリル
油圧 ブ レー カ
油圧圧砕機
( 大割 ・4 ヽ
割 ・グラップル)
可搬式圧縮機
キャ リア
ラ フテ レー ンク レー ン
スキ ッ ドス テ ア ロ ー ダ
トンネル機械
( シール ド機械、T B M の 合計)
推進機械
( 先導管 十先導管付)
自走式 クラッシヤ
今四半期
2004年累計
2XX14年
度累計
(4∼ 6月 )
( 1 ∼ 6 月)
(4∼ 6月 )
25
63
25
250
400
250
4
-500
214
4
-500
1,085
2,521
1,085
541
198
541
686
-103
1,759
686
-103
5,981
-56
14
17
43
14,426
66
20
5,981
-56
14
556
176
556
23
-258
57
-95
23
-258
22
67
22
222
718
222
715
1,621
51
95
715
5.1
631
1,412
631
437
251
437
717
1,517
717
134
106
134
132
274
132
15
3:4
15
285
646
285
250
133
250
210
-99
495
-125
11
-421
190
14
77
47
28
-34
210
-99
11
-421
14
77
38
95
38
727
439
727
建設機械
6月度 建設機械出荷金額統計…0)
2004年
第 2表 建 設機械出荷金額統計 (2004年6月 )
金額単位 :百 万円、( )内
当該四半期
(4∼ 6月 )
2004年 6月
トラクタ
油圧 シ ョベ ル
ミニ シ ョベ ル
建 設用 ク レー ン
コ ンク リー ト機械
トンネル機械
基礎機械
200年度累計
(4∼ 6月 )
2 0 0 4 年累計
(1∼ 6月 )
国内
4,677
183
12,121
37
29,419
137
12,121
37
輸出
14,491
927
38,685
69.7
71,319
467
38,685
697
小計
19,168
670
50,806
474
100,738
352
50.806
474
国内
16,493
276
42,989
22
89,857
185
42,989
221
輸出
36,500
351
101,308
25
207,652
304
101,308
255
小計
52,993
326
144,297
24
297.509
266
144.297
245
国内
4,061
244
10,556
175
23,479
148
10,556
175
輸出
9,287
420
25,893
397
49,273
406
25,893
397
/1ヽ
言十
325
13,348
361
36,449
325
72,752
311
36449
国内
7,752
280
18,905
306
44,441
103
18,905
306
輸出
3,799
719
9,757
1052
19,348
606
9,757
1052
小計
11,551
397
-94
28,662
219
28,662
5,231
491
-81
63,789
2,000
14,759
181
5,231
491
-81
1,863
255
4,767
540
8,821
392
4,767
540
3.863
9,998
138
-84
23,580
252
-76
9,998
138
-84
内 出 計
国 輸 小
道路機械
:前 年同月 ・期比増減%
国内
1,855
46
-38
輸出
194
-487
小計
2,049
-■ 1
4,561
10,296
851
107
1,397
5.412
-58
11,693
4,561
158
851
107
-87
5,412
-58
国内
1,595
3,525
-318
15,075
-48
3,525
-318
輸出
1,574
2,083
6,840
1652
2,083
小計
3,169
5,608
416
-156
21.915
5.608
416
-156
国内
870
2,324
288
6,937
190
-46
輸出
36
45
1500
345
119
2,324
288
45
1500
小計
906
-82
2,369
300
7,282
1614
-16
2,369
300
油圧 ブレーカ
国内
1,099
98
2,931
40
6,460
96
2,931
40
圧砕機
輸出
657
11
2,213
87
4,391
135
2,213
87
小計
1,756
64
5,144
60
10.851
111
5 1“
60
国内
4,279
99
10,501
105)
22,591
169
10,501
105
輸出
7,588
484
23,336
519)
44,615
473
23,336
519
小計
11,867
318
33,837
361)
67,206
355
33,837
361
国内
44,681
144
113,644
133
263,314
123
H3,644
133
輸出
75,989
464
208,938
397
414,001
381
208,938
397
小計
120,670
327
322,582
291
677,315
268
322.582
国内
8,480
61
24,350
51,849
02
24,350
291
-27
輸出
7,301
272
20,045
38,714
200
20,045
223
小計
15,781
149
44,395
90,563
78
44,395
72
国内
53,161
130
137,994
100)
315,163
101
137,994
101
輸出
83,290
445
228,983
380)
452,715
363
228,983
380
小計
136,451
303
366.977
260)
767,878
242
366,977
260
その他建設機械
本体合計
補給部品
総合計
① 日本建設機械 工 業会
TEL:(03)5405-2288《 υ
http:〃
www.Cema.orjp
76 建 設機械 2∞4.11.
横 井 =仁
(昭和 36年 11月11日生 )
棚橋 昌 史 (日
召和 4 5 年3 月2 5 日生 )
い トプ コン 測 量機器事業部 事 業企画部 専 任主任
〒174-8580 東
京都板橋 区蓮沼町7 5 - 1
触)産業技術総合研究所
知能 システム研究部 門
TEL:03-3558-2573 FAX:03-3966-3147
自律行動制御研究 グル ー プ
研究 グル ー プ長
E―
mail:a.tanahashК
⊇topcon cojp
T305-8568
茨城県 つ くば市梅 園 1 - 1 - 1 中
央第 2
TEL :029-861-7283
FAX:029-861-3443
E―
mail:Kazuhito.Yokoeaist、
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や さ しい計測 システムの専門誌
(昭和 43年 2月 13日生 。神奈川県出身)
大成建設い 技 術 セ ンター 土 木技術 開発部 課 長
〒245-0051 横浜市戸塚 区名瀬町344-1
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TEL:045-814-7229 FAX:045-814-7252
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本誌は、工業計測の各分野 について、 1.基 礎計測
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画、管理、プロセス制御. 4.自動化機器 ― サ ーボ技
口圏 目□
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TEL066202)8218 FAX 06020298287
ベ
ill:II::I:‖
1‖
lili各
[ljllilifIFナ
:││:::::Z
‐
nlkk●
pb∞ lp/ e ma:hfO_n@nkkO pb co,p
建設機械 2004.H.77
M.M.Commanderシ
ージョンアップ)
エ事アルバム鳶」Ver.3.0(バ
デジタJレ
「
l
/FAシ ステムエンジエアリングl■
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容量 を気 にせず印刷で きるよう、 プリンタの処理 をモニ タで きるスプ ル機能な ど、安定性 を確保す るための
細かな改良が加 えられている。
③ ユ ーザ要望に対応
ユ ーザか らの要望 をソフ トに活か し、改良が加えられた。アルバムファイルを一括 してJPEGフ アイルに戻す
ー
ー
一
機能や、大切 なデー タが万が 破損 した場合 の修復機能の強化、印刷パ タ ンの追加等、ユ ザの生の声 を反
映 させ 「
鳶」 は進化 している。
/ 問 い合わせ先 F A シ ステムエンジニア リングい
2886 URL: http://www.fase co lp/tObi
TEL : 089‐
931‐
公正取引センター」の設置および活動開始
「
/ω 日本建設機械工業会
公正取引 セ ンター」 の設置 を決定する
日本建設機械工業会 ( 会長 瀬 口龍 一) は 、 このたび、特別組織 として 「
とともに、「
適正表示等 に関するガイ ドライ ン」 を定め、昨年 1 2 月か ら活動 を開始 した。
同工 業会 では、設立以来長年 にわた り建設機械 の流通 にかかわる適切 な商慣習 の維持 に努 めて きたが、さらに、
将来 にわた り建設機械 の不当な表示 とこれによる不公正 な取引 を防止することが、顧客 の適正 な商品選択 に資する
ー
ために、製造業者のみならず、販売業者 にとって も重要な課題であるとの認識 か ら、公正取引 セ ンタ の設置 を決
めた もの。
公正取引 セ ンターは 「
建設機械 の公正 な取引 を行 う会員 の活動 お よび顧客 の適正 な商品選択 に資す る必要な事業
事業者団体 の活動 に関する独 占禁止法 上の指針」 ( 平成
を行 う」 ことを目的 とし、公正取引委員会が定 めている 「
7 年 1 0 月公 表) を 遵守 して活動 を行 う。なお、当面 は日本建設機械 工 業会 の正会員 である製造業者 をは じめ、新
車販売 を主 とする販売業者 を会員 とする。
ー
同セ ンターは、不当な表示 とこれによる不公正 な取引の防止のために、自主 ル ルの作成 とその普及の促進並 び
に流通実態調査 を実施する ことによる問題点 の抽 出 と改善策等 の検討 について活動 してい く方針。
/問 い合わせ先 ω 日本建設機械工業会
丁匡L: 03‐5405‐2288
78 建 設機械 211114.H
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平成
年
月
日
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会社名
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TEL
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FAXI(
一
)
一
〇年間購読料一覧◎
配管技術 …………………定価2,000円 ( 税込) 年 1 4 冊
油空圧技術 … ……………定価2,000円 ( 税込) 年 1 3 冊
建築設備 と配管工事……定価2,000円 ( 税込) 年 1 4 冊
建設機械 …………………定価2,000円 ( 税込) 年 1 2 冊
24,000円
住
22,000円
画
24,000円
光
まいと電化 ……………定価1,400円 (税込)年 12冊 16,000円
像 ラボ…………………定価1,500円 (税込)年 12冊 18,000円
アライアンス…………定価2,000円 (税込)年 12冊 19,000円
ク リー ンテクノロジーー定価2,000円 (税込)年
………・
…
・
`……
計測技術
定価2,000円 ( 税込) 年 1 3 冊 22,000円 ク リー ンエネルギー……定価1,900円 (税込)年
ー
¨
¨
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…
……
…
…
タ ボ機械
定価2,000円 ( 税込) 年 1 2 冊 19,000円 検 査技術 … ………………定価2,000円 (税込)年
月刊 自動認識 ……………定価2,000円 ( 税込) 年 1 4 冊 20,000円 環 境浄化技術 ……………定価1,600円 (税込)年
超音波TECHNO… ………定価4,000円 ( 税込) 年 6 冊 18,000円 流 通ネ ッ トワーキング…定価1,800円 (税込)年
20,000円
12冊 18,000円
12冊 19,000円
12冊 19,000円
12冊 18,000円
12冊 20,000円
*ま た、半年購読制 もあ ります。料金は各年定価の1/2で す。
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継続 ・
住所変更〕 (隼
響
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奮
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購読開始 フ 月号から ・10月号から
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書籍名
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月号 ∼ 平成
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月号まで
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FAX.03日
3944‐6826
(FAXは 24時 間受付)
日肛
測
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本 社 丁巨L03(3944)11810
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次 号掲 載 予 定 報 文
■特集 :ト ンネルエ事 における最近 の施 工技術 と施
工 機械
○ 山岳 トンネルでの高精度化切羽前方探査 システム
の現場適用
○既設 トンネルの断面拡大
○長大 トンネルず り搬 出 システム
○先行 アーチ支保 による地山補強工法
○放電衝撃破砕工法 にによる トンネル施工
○急 曲線部 の トンネル排土 コンベ ヤ による連続搬送
O山 岳 トンネル用 ス ロ ツ ト削孔機 による水力発電所
改修
○全断面TBMに よる高速施工
○高圧噴流 による地下 トンネル拡幅工事
■技術資料
○最近 の特徴的な建設構造物解体 &リ サ イクルシス
テム
■新工法
〇世界最長 の昇降設備 の開発設計
○採石場 の採掘計画お よび緑化計画 シ ミュ レー シ ョ
ン
○ 木材 チ ツプ膨軟化処理機
■本誌編集顧問
■本誌編集委 員
大成建設的
清水建設輸
日立建機的
新キャタピラー三菱榊
コマ ツ
鹿島建設い
■本誌企画委 員
い網千壽夫研究所
吉永機械帥
西松建設い
飛 島建設い
西松建設い
東都電機工業帥
コマ ツエ ンジニ アリングい
古河機械金属い
住友建機い
日立造船い
日立建機い
清水建設帥
0 奥 村組
lkl鴻
池組
清水建設い
輸大林組
い 問組
飛島建設い
榊熊谷組
杉山 庸 夫
小作
西上
古川
細谷
村上
横山
史 佳
雅 朗
雅 彦
輝 夫
伸 一
満
網千 壽 夫
池永 憲 明
石井 正 典
市川 健 作
荏隅幸五千
大塚 浩 ―
奥野 昇
金子 勉
加持 俊 二
佐 々木加津也
曽我 彰
萩原 英 樹
萩森 健 治
日置 昌 治
福元 洋 一
古川 博 司
森 秀 文
真中 弘
御手洗良夫
○ 機械化施 工 にお け る シ ミュ レー シ ョン技術
■ 製 品紹 介
○ 大型高所作業車 「ス カイマス ター SC40A」
○ 大型 ホ イー ル ロー ダ 135ZV
■業界情 報
02004年 7月 度建設機械 売上統計
掲載予定報文は編集部の都合で変更になる事があります。
〕
〔
0本 誌 に掲載す る著作物 の複製権 上 映権 ・譲渡権 ‐公衆送信権
(送信可能化権 を含む)は 日本工業出版株式会社が保有 します。
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本誌 の無断複写は著作権法上 での例外 を除 き禁 じられてい ます。
複写 される場合は、そのつ ど事前 に輸 日本著作出版権管理 システ
ム (TEL:0338175670、
FAX:03‐
8199)の 許諾 を得て ください。
3815‐
●乱丁、落丁本は、 ご面倒ですが小社 まで ご送付 くだ さい。送料小
社負lEにてお取替えいた します。
編 集 建 設機械編集委員会
く
東京本社付近図〉
葬得更 日 本 工 業 出版株式会社
本
社
〒 H3-8610 東 京都文京区本駒込 6-3-26
TEL 03(3944)l1810 FAX03(3944)6826
www nikko―
http:〃
pb cojp/
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mallmfo@nlkkO pb cojp
大 阪 営 業 所 ■■ 0 6 ( 6 2 0 2 ) 8 2 1 8 F A X 0 6 ( 6 2 0 2 ) 8 2 8 7
日本橋事務所 ■ ■ 0 3 ( 3 8 0 3 ) 1 0 2 1 F A X 0 3 ( 3 8 0 8 ) 1 0 2 3
中 国 事 務 所 T E L ・F A X ( 0 5 9 1 ) 7 8 5 5 6 2 2
販 売 専 用 TEL 03(39“ )8001 FAX 03(39“ )0389
振
替
∞ HO-6-14874
定価 2 , 0 0 0 円 ( 本体 1 , 9 0 5 円)
年間購読料 。年 1 2 冊2 0 , 0 0 0 円 ( 税込)
]
都 官 三 田線
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