請願書

請願 書
福岡高等検察庁
検事長殿
福岡高等検察庁宮崎支部
検察官検事殿
2013 年 6 月 7 日
宮 崎 市和 知 川 原 3-97
日本国民救援会宮崎県本部事務局長
堀田孝一
私 は、去 る 2013 年 5 月 15 日 よ り、スイス・ジュネ ー ブに ありま す国 連 、拷 問 禁止 委 員 会の
4 年 に一 度 行 われる (規約 19 条 1 項 )日 本 政府 報 告 の審 査に国 民 救 援会 宮 崎 県本 部 を代
表 して傍 聴参 加 し、鹿 児 島 ・大 崎 事 件の 実情 を訴 え てきました 。
審査における各国審査委員からの質問と日本政府代表団(外務省・法務省・警察庁等)
の回答を大崎事件関係にかぎって抜粋した発言録、および大崎事件について世界各国の
審 査 委員 に 渡した チラシ (英 訳 ・日本 語 )を添付 し、請 願 いた します 。
大 崎事 件 が、 客観 的 物的 証 拠 がまった くなく、 知的 障 がい のある 3 名 が、長 時 間 の取 り調
べの中で脅迫により言わされた「自白」証言のみを主な根拠として、原口アヤ子さんらが有
罪 と された 事件 で あるこ と。 これまで 検 察側 か ら弁 護側 請 求 の証 拠が開 示 されてい ないこ と。
そ のこ とを日 本 語と 英 語に 訳 してチラシと して綴 じて持参 しまし た。
審査会場では、受付の机の上に、このチラシを置くとともに、開会前に多くの審査委員に
は直 接 手渡 しま した。ま だ来 ていない審 査 委 員に は机の上 に 置き ました 。
二 日 目 の 会 議 後 、 日 本 政 府 代 表 の 上 田 国 連 大 使 に 、 「 日 本 か ら 来 ま した 。 大 崎 事 件 関 係
者 で す 。 チ ラ シ を お 読 み く だ さ い 。 」 と 直 接 手 渡 し ま し た 。 上 田 大 使 は 「 あ り が と う 。 」と 言 っ て
受 け取 りました 。そ の あと、 ほ かの日 本 政 府代 表 団 員にも 多 数手 渡 しました 。
大崎事件のチラシは、日本政府代表団・法務省の答弁が法文解釈だけに基づいており、
現 実 とは反 してい ること を事 実で もって示 しました 。
会議では、拷問等禁止条約第一条にかかわって自白の問題、証拠開示の問題のほか
に、難民入管問題、DV問題、体罰問題、性奴隷従軍慰安婦問題、死刑制度問題、精神病
患 者 隔離 問 題 、代 用監 獄 問 題 、等 々が議 論 されま した。
大崎事件にかぎって述べますと、拷問禁止条約第一条にかかわっての自白の問題に関
し、審査委員に対する日本政府代表団・法務省の答弁では、別紙の通り、日本では「憲法
38 条 で 不 当 な 自 白 は 証 拠 と す る こ と は 出 来 な い と な っ て い る 。 自 白 の み に 偏 る こ と な く 、 客
観 証 拠で や っている 。自 白だ けで有 罪 がされてい る のではない。 」「憲法 38 条 はこれを証 拠
とすることはできないとしているので、したがって自白が採用されることはない。」との回答で
した。もし、それが本当に適用されていたならば大崎事件はそもそも存在していなかったは
ず で す 。 客 観 的 物 的 証 拠 が 無 く 3 人 の 強 要 さ れ た 「 自 白 」で 裁 か れ てい る のが 大 崎 事 件 の
特 徴 なので すか ら。
ま た 、証 拠開 示 に関 し、「証 拠 につ いては、我 が 国の体 制 では 2004 年 の 刑事 訴 訟法 で 事
前 開 示 す る も の と し てい る 。 訴 訟 に 必 要 なも の は開 示 し てい る 。検 察 官 が も つ 証 拠 は 刑 事 訴
訟 法 で 基 本 的 に 開 示 さ れ てい る 。 あ ら ゆ る 証 拠 に 被 告 人 はア ク セ ス で き る 。 」と い う 答 弁 で し
たから、現在、大崎事件で検察側が証拠開示をいまだに渋っている状況は政府代表団・法
務 省 の 答 弁 に反 してお り、条 約 に違 反 してい る と 考 え ます 。 5 月 27 日 の大 崎 事 件 第 1回 3
者 協議 に お い て検 察 側 は 、 「 7 月 11 日 ま で に 証 拠 開 示 の 要 求 に 対 す る 意 向 をは っき り す
る 。 」と 答 え まし た が 、証 拠 を 開 示 す る こ と は当 然 の世 界 基 準 だ と 考 え ます 。
上田国連大使が開会あいさつで、「拷問等禁止条約は、締結されるだけでなくどれだけ
促進されるかが重要。そのためにも国内における実施状況を考えることは重要だと考えま
す。人権は普遍的なもので、日本では人権の保護に取り組んでいます。様々な面で着実に
実施してきました。」 と世界に公言しているのですから、大崎事件でもその国際的基準にあ
わせて原口アヤ子さんの再審請求審において、福岡高等検察庁宮崎支部におかれまして
は弁 護 側 の 要 請 に基 づ き 証 拠 開 示 を速 や か にお こ なっていた だき ます よ う請 願 いた します 。
今後とも国連人権機関等々に、日本における人権の実施状況のモニタリングとして大崎
事 件 の真 実 を訴 え 、ひ ろ げてい か なけ れば ならないと 考 えてい ます 。
以 上、 請願 い たしま す。