「日本労務学会第36回全国大会」報告 日本人国連機関職員のキャリア分析 ―電子メールを使ったアンケート調査 1 から― 所属:東洋学園大学 現代経営学部 氏名:横山和子 所属:東洋学園大学 現代経営学部 氏名:中村寿太郎 1. はじめに 2004 年 10 月 1 日 現 在 、 海 外 に 生 活 す る 日 本 人 ( 3 ヶ 月 以 上 の 長 期 滞 在 者 と 永 住 者 ) は 96 万 余 人 に 達 し 2 、 本 稿 執 筆 時 に 2005 年 の 統 計 は 公 表 さ れ て い な い が 、 そ の 数 は 2005 年 中 に 100 万 人 を 超 え た と 予 測 さ れ て い る 。 こ れ ら 海 外 に 長 期 間 滞 在 す る 日 本 人 を 職 業 別 に 見 る と 、民 間 企 業 関 係 者 が 37 万 人 で あ り 全 体 の 56% を 占 め 、次 い で 留 学 生・研 究 者 が 25% を占めている。民間企業関係者の大部分は日本企業の駐在員であり、これらの日本人の多 くは所属企業の枠組みの中で働いていると思われる。しかし、グローバル化がさらに進展 すれば、日本という枠組みにとらわれずに海外の企業間を転職しながらキャリア形成をす る日本人が増えると予想される。また、海外と日本の間を行き来するキャリアを希望する 日本人も増加すると考えられる。 今後、国際的職場で働く日本人が増えることが予想されることから、国連機関で働く日 本 人 に 対 し て 2003 年 に ア ン ケ ー ト 調 査 を 行 っ た 。調 査 結 果 を 分 析 し 、キ ャ リ ア パ ス が 男 女 間 で 異 な る こ と 等 を 2005 年 度 の 日 本 労 務 学 会 全 国 大 会 で 報 告 し た 。本 論 文 は 、デ ー タ 分 析 を さ ら に 進 め 、国 連 機 関 で 働 く 職 員 の 職 務 や 生 活 面 で の 満 足 度 や 問 題 点 に つ い て 相 関 分 析 、 因子分析を行った。社会貢献を行うことを目的として国連機関でのキャリアを選択した日 本人が、就業するなかで実際にどのような点に満足し、反対に不満を覚えているかを明ら かにすることは、国連機関に働く職員のキャリア構築に役立つだけでなく、国際的事業展 開を進める日本企業にとっても有益であろうと考える。 国際機関でのキャリアに関する先行研究としては、経験談をまとめたものは存在するが、 データを使い分析したものは存在していない。しかしながら、経営学の分野で企業の多国 籍化や海外派遣者の異文化適応に関する先行研究は多い。その中で最も関連するものとし て 、 パ ー ル マ ッ タ ー の 理 論 が あ る 。 同 氏 は 企 業 の 多 国 籍 化 の レ ベ ル を ( 1) 本 国 志 向 型 (Ethnocentric 型 )、 ( 2)現 地 志 向 型 (Polycentric 型 )、 ( 3)世 界 志 向 型 (Geocentric 型 )の 3 3 つ に 分 類 し た 。パ ー ル マ ッ タ ー の 理 論 に 従 え ば 、国 連 機 関 は 非 営 利 組 織 で は あ る も の の 、 Geocentric 型 の 経 営 を 実 し て い る 組 織 で あ る と え る 。実 際 、国 連 機 関 は 職 員 を 国 籍 や などにとらわれることなく、加 国から く 、 し て い る 。 職 員 は 190 国 4か 5 ら さ れ て り 、 務 地 は 179 国 に わ た っ て い る 。 国連機関の は 、 さ ま ま あ る が 、本 研 究 で 論 ず る 国 連 機 関 は 国 連 機関、 部機関 よ 世 グルー を 機関とした。研究対 者は国連機関に される 期間が 1 年以上の日本人職員とした。また、調査の対 は 国外で 務することを とする 職 よ 上 職 ( Pro e ion l n i her te orie ) の 職 員 で あ り 、 務地で現地 される 事 務 職 員 ( Gener l er ice te ory) は め な い 。 性 践 採用 下 契約 則 2. 言 広 採用 登用 盟 お 勤 カ 定義 広義 狭義 ざ お び 銀 プ 含む専門 象 象 自 勤 専門 お び 級 f ss a a d H g Ca g s 採用 一般 a S v Ca g 含 アンケート調査の方法と回答者の属性 カ 主要 雇用 原 勤 記課 題 に 取 り 組 む た め に 、 ま ず 、 2001 年 か ら 2002 年 に か け て ジュネ ー ブ 、 ニュ ー ヨ ー ク 、東京 で 対 し 聞 き 取 り 調 査 を 行 っ た 。次 に 英 文 お よ び和 文 の ア ン ケ ー ト 調 査 票 を 2003 年 6 月 に 23 の 国 連 機 関 に 勤 務 す る 日 本 人 職 員 541 人 に 電 子 メ ー ル で 送 り 、2 0 機 関 の 職 員 か ら 250 件 の 有 効回答 を 得 た 。 ア ン ケ ー ト 調 査 は 当初 、 郵送 に よ っ て 行 な う こ と を 計 画 し 上 1 「日本労務学会第36回全国大会」報告 郵便 情 悪 発途 勤 回収率 高 短 回収 郵送 電 メ 用 お 回答率 高 高 回答率 未回答 メ 督促状 送 質 項 疑 質 逐 回答 寄与 お へ 回答 省 算 準専 門 2 契約 ソシエ エ A /J O 名 若手訓練 雇用 ヤ プ フェ ショナ 名 政 府 出 名含 正規 勤 雇用 政府出 お び 正規 除 象 当該 正規 平均像 探 回答 正規 性 全体 男性 女性 人数 166 人 79 人 ( 4 8 % ) 8 7( 52% ) 平均 年 齢 43 歳 46 歳 39 歳 平均 職 位 P ―4 P -4 、 S te p4 P -3 、S te p 5 既婚 者 110 人 66 人 ( 8 4% ) 44 人 ( 51% ) 最 終 学 歴 博士号取得・課程修了 40 人 ( 26% ) 22 人 18 人 修士 9 8 人 ( 64% ) 40 人 58 人 学士(大学) 16 人 ( 10% ) 11 人 5人 日本での勤務経験有り 134 人 67 人 ( 50% ) 67 人 ( 50% ) 日本での勤務年数 7年 9年 4年 勤務国 2.4 カ 国 2.5 カ 国 2.3 カ 国 た。しかしながら、国連機関で働く職員の多くは 事 の い開 上国に 務してい ることから、アンケートの を め、アンケートを 期間に するために、 に よ ら ず 、 子 ー ル を い て 調 査 を 行 っ た 。な 、 は 46% と ア ン ケ ー ト 調 査 と し て は いものであった。 い は、 者に対し ールで 2 度 を ったこと、 職員からアンケートの 問 目に関する 問・ 問に対し 次 したことが してい ると考えられる。 な 、本アンケート の 者 は 250 人 で あ っ た が 、 そ の 中 に は 、 外 務 の 予 で 職職員として 年間の有期 で派遣されているア ート キスパート( E P ) が 34 、 生として されている ング ロ ッ ル 等 が 21 、 日 本 等 か ら の 向 者 が 25 ま れ て い た 。本 研 究 は 職員として国連機関に 務している 日本人の とキャリアについて分析するものなので、 向者 よ 非 職員を い た 170 人 を 対 と し た 。 アンケート調査から、国連機関で働く日本人 職員の を ると表 1 のよう になる。 表 1 者(日本人 職 員 170 人 ) の 属 ※ ※ 4 名は性についての問に回答していない。 回答 内訳 性比率 約 性 性 8 へ 回答 水準 比率 性 比 率 8 性 へ 出 常 高 言 回答 位 平均 シ テム 平均 位 回答 位 片寄 若手 堅 級 幅広 協力 入 方法 比 回答 平均 齢 歳 性 合 歳 性 歳 ち 性 性 性 8 既婚 性 合 既 婚 独身 他お び無回答 募 途採 空席 採用ミッション 8 歴 隔 用 小 約 終 歴 修士 JO 内 A/ 約4 1強 博士課程 修了 競争試 博士号 取得 昇 Y 高 歴 小 約 勤 他 8 入 共 平均 . カ 合 8 8 アンケート 者の を 見 る と 、女 が 52% 、男 が 4 % で あ っ た 。実 際 に 国 連 機 関 に働く日本人職員の女 は 50% で あ り 、ア ン ケ ー ト の 者と同 の にな っ て い る 。 ま た 、 国 連 機 関 に 働 く 190 の 国 籍 か ら 構 成 さ れ る 全 職 員 に 占 め る 女 職 員 の は 3 %6 である。このことから日本女 の国連機関 の職場進 度は非 に いと え る。 者の職 は すると P 4 であった。国連 ス に働く全職員の 職 が P 4 であることを考えると、 者の職 に りは見られず、 ・中 から上 職員まで い職員が本アンケートに したことが分 表 2 職 による男女 かる。 者の 年 は 43 で あ り 、男 が 男 女 46 、 女 が 39 であった。このう 、男 計 の 4% は で あ る が 、女 の 場 は 51% が 中 、44% が ( 5% は そ の よ )で 公 27 14 41 あった。 7 15 学 について見ると男女間で大きな たりは 計 34 22 56 な く 、 90% の 職 員 の 最 学 は 以上であ E・ P 22 37 59 り、 分の の職員は を して 験 6 14 20 部 いるか を している。表 1 から分かる PP 5 6 11 ように国連機関で働く職員は 学 である。ま 進 計 33 57 90 た、これらの職員は日本で 7 年間の 務を経 その 13 21 験した後に国連機関に 職している。職員は男 女 、 2 4 国の職場を経験している。表 計 0 7 167 2 「日本労務学会第36回全国大会」報告 概観 齢 既婚率 勤 平均 位 程 1 を すると、男女間で年 、 、日本での 務年数、 職 についてはある 度 たりがあるが、学 、日本での職務経験、 務国数に いて男女間で大きな いは見 られない。これは、国連機関という職場がかなり男女 等の職場であり、日本人の女 職 員が男 と 同 ように働いていることの表れであろう。 な 、分析 目のデータ属 については表 6 に した。 隔 性 ほぼ じ お 項 歴 勤 性 示 平 お 違 性 3. 入 職 方 法 に よ る 比 較 職員の 職 を中 と 部 進に分けて調 たところ、表 2 に すように男 の 場 は中 ( 公 、 ッ ン )で 職 す る グ ル ー と E P 等 の 験 に した後、 の職 から 部 進するグルー が 同数であるのに対し、女 の場 は E P よ 験 経 で 職 し た 後 、国 連 ス で 部 進している職員の が 的に多い。 表 中 者と 部 進者の相関マトリッ ス 入 方法 途採用 内 昇 べ 示 合 途採用 空席 募 採用ミ ショ 入 プ A /J O 格 下位 位 内 昇 プ ほぼ A /J O お び競争試 由 入 シ テム内 内 昇 合 圧倒 3 途採用 内 昇 ク 入 職 勤 務 転 職 前 職 入 職 職 務 労 働 給 与 給 与 福 利 生 活 総 合 定 年 方 法 年 数 回 数 満 足 年 齢 満 足 変 化 水 準 比 較 厚 生 満 足 満 足 まで 1 1.00 2 1.00 職 位 機 関 数 ポスト 国 連 在 職 性 試 性 性 年 齢 合 合 割 勤 務 地 勤 務 年 数 1 0.06 2 -0.03 1.00 1.00 1 0.17 -0.18 1.00 2 0.02 0.15 1.00 1 0.67 0.05 0.14 2 0.23 0.17 0.08 1.00 1 -0.10 -0.38 0.36 -0.21 2 0.04 0.11 -0.05 -0.09 1.00 1 -0.04 0.34 -0.32 -0.02 -0.03 2 -0.06 0.08 -0.07 -0.01 -0.08 1.00 1 -0.28 0.15 -0.17 -0.27 -0.05 -0.05 1.00 2 -0.25 0.06 0.01 -0.14 0.27 -0.19 1.00 1 0.01 0.08 -0.17 -0.14 0.00 -0.06 0.50 1.00 2 -0.27 0.09 -0.02 -0.25 0.07 -0.07 0.67 1.00 1 -0.11 0.22 -0.08 -0.17 -0.09 -0.02 0.44 0.58 1.00 2 -0.15 -0.05 -0.11 -0.06 0.06 0.00 0.50 0.30 1.00 1 -0.14 -0.50 0.34 -0.10 0.33 -0.37 0.44 0.19 0.01 1.00 2 -0.24 -0.02 -0.07 -0.10 0.31 -0.26 0.48 0.24 0.30 1.00 1 0.05 -0.54 0.39 -0.08 0.79 -0.07 0.28 -0.02 -0.11 0.49 1.00 2 -0.03 -0.05 -0.06 -0.14 0.81 -0.11 0.42 0.14 0.15 0.34 1.00 1 -0.17 -0.24 0.31 -0.09 0.18 0.07 0.01 -0.36 -0.23 0.09 0.34 1.00 2 0.08 -0.06 -0.17 -0.05 0.22 0.18 0.30 0.05 -0.09 0.09 0.24 1.00 1 0.24 -0.12 0.16 0.01 0.12 0.18 -0.12 -0.04 -0.16 0.04 0.08 0.14 2 0.18 -0.29 -0.06 -0.13 0.31 0.07 -0.19 -0.16 -0.14 -0.03 0.27 0.01 1.00 1 -0.22 0.39 0.04 0.06 -0.24 -0.08 -0.09 -0.11 0.10 -0.26 -0.38 -0.22 -0.17 1.00 2 -0.04 0.02 -0.09 0.10 0.12 0.03 -0.14 0.04 0.01 0.02 0.12 0.12 0.04 1.00 1 -0.49 -0.02 -0.13 -0.51 0.13 0.44 0.12 0.03 -0.03 0.04 -0.04 0.08 0.27 0.09 1.00 2 -0.12 -0.04 -0.25 -0.13 0.29 0.25 0.07 0.05 -0.02 -0.10 0.28 -0.15 0.58 0.09 1.00 1 -0.39 -0.09 0.08 -0.53 0.18 0.34 0.07 -0.17 -0.08 0.23 0.15 0.31 0.36 -0.10 0.72 1.00 2 0.06 -0.18 -0.23 -0.28 0.09 0.23 0.05 -0.03 -0.13 -0.01 0.13 0.10 0.70 0.02 0.49 1.00 1 -0.43 0.20 -0.26 -0.34 0.04 0.08 0.09 0.17 0.20 0.07 -0.09 -0.17 -0.38 0.35 0.09 0.11 2 -0.19 -0.11 -0.08 -0.19 -0.05 0.20 -0.10 0.16 0.32 0.22 -0.05 0.07 -0.28 -0.05 -0.21 -0.21 1.00 1 0.28 -0.07 0.32 0.28 0.09 0.38 0.40 -0.36 -0.17 0.11 0.10 0.25 0.53 -0.10 0.35 0.55 -0.37 2 0.25 -0.04 -0.08 0.11 0.08 0.14 0.19 -0.17 -0.15 -0.07 0.03 0.03 0.72 0.16 0.44 0.83 -0.35 1.00 1 0.03 0.55 -0.09 0.22 -0.30 0.26 -0.24 -0.06 0.05 -0.42 -0.36 -0.06 -0.23 0.28 -0.08 -0.28 0.02 -0.01 1.00 2 -0.01 0.31 0.06 0.29 0.09 -0.02 -0.21 -0.05 -0.16 -0.25 0.09 0.00 -0.09 0.15 0.02 -0.14 -0.17 -0.03 1.00 転 職 回 数 前 職 満 足 1.00 入 職 年 齢 1.00 職 務 満 足 1.00 労 働 変 化 給 与 水 準 給 与 比 較 福 利 厚 生 生 活 満 足 総 合 満 足 定 年 まで 1.00 職 位 機 関 数 ポスト 国 連 在 職 1.00 性 1.00 年 齢 勤 務 地 注:入職方法欄は、1が中途採用者、2が内部昇進者を示す。 故 内 昇 途採用 入 方法 違 影響 与 察 プ 両 べ 途採用 1 お 内 昇 3 2 集 値 特徴 総合 内 昇 回答 内 3 お び 程 それ 、 部 進と中 という 職 の いが、職務満足度、生活満足度、 満足度にどうような を えているかを考 するために中 者と 部 進者の 2 つ のグルー に分け、 者の相関関係を調 た。中 者はアンケート 者の 、 分 の の 55 人 り 、 部 進 者 は 分 の の 91 人 で あ っ た 。 者 の 相 関 よ ア ン ケ ー ト での 計 を分析したところ、次のような が分かった。 部 進者についてはそれ 3 途採用 両 内 昇 「日本労務学会第36回全国大会」報告 特徴 途採用 特徴 総合 常 高 途採用 . 内 昇 .8 総合 決 給与 高 総合 与 影響 内 昇 方 途採用 高 総 合 給与水準 給与比較 内 昇 高 途採用 合 回 少 ほ -.8 - . 総合 -. 高 途採用 合 仕 ほ . . 総合 . 高 回 途採用 入 シ テム内 他 へ 回 . 他方 内 昇 合 シ テム内 動 少 . 途採用 福 厚 評価 総合 福 厚 -. 一 方 内 昇 合 福 厚 高 . び 途採用 合 勤 ほ 定 定 勤 . 特 途採用 齢 高 給与水準 比較 給与 低 感じ 給与比較 齢 -. 齢給 給与 比較 得 給 低 感じ 途採用 内 昇 合 位 性 方 低 位 性 - . 8,- . 8 途採用 合 性 シ テム内 回 性 . 表 3 に 示 し た 中 途採用 者 と 内 部 昇 進 者 間 の 相 関 マ ト リ ッ ク ス か ら 読 み 取 れ る こ と は 、 内 部昇進者が国連機関での仕事、生活に満足しているということであろう。これは、内部昇 進 の 職 員 は 比較 で き る 他 機 関 で の 職 務 経 験 が 少 な く 、 現 在 の 職 場 で の 仕 事 、 生 活 が 一定 の 満 足 を 与 え て い る か ら で あ ろ う 。 一方 、 中 途採用 者 は 志 を 持ち 、 職 務 満 足 度 を 高 め た い と 考 え 転 職 し た と 考 え ら れ る 。 中 途採用 者 は 、 他 組 織 に お け る 待遇 レ ベ ル を 知 っ て い る こ と か ら 、 国 連 機 関 の 給与 ・ 福 利 厚 生 を そ れ 程評価 し て い な い 。 さ ら に 、 国 連 機 関 で は 職 員 は 空席ポ ス ト に 応 募 し 、 選 考 さ れ な け れ ば 昇 進 で き な い た め 、 特 に 内 部 昇 進 グ ル ー プ の 男 性 と 中 途採用 グ ル ー プ の 女 性 が 積極 的 に 転 籍 ・ 異 動 を 行 い 、 自 ら の キ ャ リ ア ・ ア ッ プ に 努 め 目立った は見られないが、中 者の が際立っていることが分かる。 ・ 職務満足度と 満足度の相関は非 に く(中 者 0 79、 部 進 者 0 1)、 満足度は生活満足度よりも職務満足度によって まっている。 ・ の さが 満足度に える は、 部 進者の が中 者 よ り い( 満足と 、 と の 相 関 は い ず れ も 部 進 者 が い )。 ・ 中 者 の 場 、日 本 で の 転 職 数 が な い 人 ど 、現 職 で の 職 務 満 足 度( 0 3 )、 生 活 満 足 度 ( 0 50)、 満 足 度 ( 0 54) が い 。 ・ 中 者 の 場 、日 本 で の 事 に 満 足 し て い た 人 ど 、現 職 で の 職 務 満 足 度( 0 36)、 生 活 満 足 度 ( 0 34)、 満 足 度 ( 0 39) は い 。 ・ 日本での転職 数が多い中 者 は 、 職 後 、国 連 ス の の機関 転籍 数 も 多 い ( 0 39)。 、 部 進者の場 、国連 ス での異 はきわめて な い ( 0 02)。 ・ 中 者は 利 生を していない( 満 足 と 利 生 の 相 関 が 0 11)。 、 部 進 者 の 場 は 利 生 の さ が 生 活 満 足 度 ( 0 30) に 結 つ い て い る 。 ・ 中 者 の 場 、国 連 機 関 で の 務 年 数 が 長 く な る ど 年 ま で 働 き た い と 考 え て い る ( 国 連 在 職 期 間 と 年 ま で の 務 の 相 関 は 0 31)。 ・ に中 者 で 年 が い 者 は 、日 本 の と し、 が いと てい る( と 年 の 相 関 は 0 36)。 こ れ は 、 日 本 の 年 をベースとした と すると国連から られる職務 が いと ているからであろう。 ・ 中 、 部 進 の い ず れ の 場 で も 、職 は 女 の が い( 職 と の 相 関 は 0 3 0 2 )。 ・ 中 者の場 、女 は国連 ス で転籍 数が多い( と機関数の相関は 0 35)。 ていることが分かる。 4. 男女による比較 アンケートに した男 職員、女 職員の は表 1 から分かるように 1 1 で あ る 。上 3 職 による の場 と る と 、全 的 に 男 女 に け る 相 関 係 数 の は ない。これは、国連機関という に対しきわめて 等な職場で女 職員が男 職員と同 ように働いていることを しているのであろう。 者の相関関係を調 ると次のような が明らかになった。 回答 性 性 比率 ほぼ : 記 .「入 方法 比較」 合 比べ 般 お 特徴 少 性 平 性 性 じ 示 両 べ 特徴 ・ 女 性 の 場 合 、 職 務 満 足 度 と 生 活 満 足 度 の 相 関 は 高 い ( 0 . 47)。 一方 、 男 性 の 場 合 は 両 者 の 相 関 は 低 い ( 0 . 15)。 ・ 国 連 シ ス テム内 で 多 く の ポ ス ト を 経 験 し て い る 女 性 は 職 務 満 足 度 が 高 い ( 0 . 41)。 ・ 男 性 で 勤 務 地 が 開 発途 上 国 で あ る 場 合 、 特 に 生 活 満 足 度 は 低 い ( - 0 . 40)。 男 性 は 女 性 よ り も 途 上 国 で の 生 活 上 の 問 題 に 対 し 柔軟性 が 低 い よ う で あ る 。だ た し 、女 性 の 場 合 も 男 性ほ ど で は な い が 、 先 進 国 で 働 く 方 が 生 活 満 足 度 は 高 い ( - 0 . 25)。 ・ 女性は先進国で勤務する場合、勤務年数は長い(勤務地と国連在職期間の相関は- 0 . 31)。 ・ 職 位 と 入 職 後 経 験 し た ポ ス ト 数 と の 相 関 は 女 性 の 方( 0 . 60)が 男 性( 0 . 35)よ り 高 い 。 男 性 で 中 途採用 の 場 合 、入 職 時 に 高 い 職 位 の ポ ス ト に 就 く こ と が あ る が 、内 部 昇 進 者 4 「日本労務学会第36回全国大会」報告 比率 の 高 い 女 性 は 下位 の ポ ス ト で 正規 職 員 に な っ た 後 、一ラ ン ク 上 位 の ポ ス ト に 応 募しながら昇進している。職位と勤務年数との間にも同様に傾向が見られる。 国 連 に 入 職 後 、男 性 は 労 働 時 間 が 大 幅 に 減少 し た( - 0 . 34)こ と で 生 活 満 足 度 が 高 ま っ た と 感じ て い る が 、 女 性 の 場 合 に は 労 働 時 間 の 与 え る 影響 は 少 な い ( - 0 . 17)。 の ・ 表 4 性 勤 務 年 数 男 性職員と女性職員の相関マトリックス 勤 務 転 職 前 職 入 職 職 務 労 働 給 与 給 与 福 利 生 活 総 合 年 数 回 数 満 足 年 齢 満 足 変 化 水 準 比 較 厚 生 満 足 満 足 職 位 機 関 数 ポスト 国 連 在 職 性 勤 務 地 1 1.00 2 1.00 1 0.03 1.00 2 0.48 1.00 1 0.11 0.03 1.00 2 -0.05 0.03 1.00 1 0.77 0.12 0.10 2 0.34 0.26 0.14 1.00 1 0.00 0.08 0.18 -0.11 1.00 2 -0.20 -0.26 -0.01 -0.15 1.00 1 -0.06 0.24 -0.32 -0.09 0.11 1.00 2 -0.11 0.08 -0.03 0.05 0.01 1.00 1 -0.15 0.02 -0.01 -0.12 -0.16 0.06 1.00 2 -0.12 0.02 -0.10 -0.09 0.28 -0.12 1.00 1 0.11 0.16 -0.09 -0.01 0.07 0.11 0.65 1.00 2 -0.26 -0.12 -0.15 -0.35 0.12 -0.12 0.60 1.00 1 0.10 0.09 -0.09 0.00 -0.05 0.17 0.41 0.33 1.00 2 -0.02 0.04 -0.11 -0.03 0.14 -0.10 0.33 0.30 1.00 1 -0.04 -0.28 0.08 -0.06 0.15 -0.34 0.43 0.23 0.23 1.00 2 -0.16 -0.22 0.04 -0.01 0.47 -0.17 0.38 0.24 0.19 1.00 1 0.02 -0.13 0.06 -0.13 0.81 0.11 0.22 0.07 -0.02 0.33 1.00 2 -0.22 -0.35 0.06 -0.19 0.81 0.01 0.34 0.22 0.20 0.45 1.00 1 0.23 -0.35 0.04 0.02 0.24 0.18 -0.13 -0.10 0.04 0.15 0.28 2 0.19 0.02 -0.11 -0.04 0.25 0.24 0.13 0.01 -0.01 0.01 0.16 1.00 1 -0.25 0.06 -0.14 -0.08 0.13 0.18 0.06 0.11 -0.17 -0.16 0.07 -0.02 1.00 2 -0.03 0.15 -0.02 0.07 -0.08 -0.01 -0.01 -0.14 0.05 -0.07 -0.05 0.05 1.00 1 -0.46 -0.07 -0.19 -0.45 0.17 0.46 0.07 -0.04 0.08 0.00 0.23 0.35 0.23 1.00 2 -0.27 -0.17 -0.25 -0.31 0.41 0.27 0.21 0.27 0.04 0.07 0.29 0.60 0.02 1.00 1 -0.41 -0.10 -0.09 -0.50 0.15 0.35 0.03 -0.05 0.06 0.15 0.24 0.41 0.14 0.63 1.00 2 -0.04 -0.22 -0.19 -0.32 0.19 0.31 0.11 0.08 -0.13 0.20 0.20 0.60 -0.04 0.54 1.00 1 0.37 -0.14 0.05 0.29 0.09 0.31 -0.21 -0.17 0.03 0.07 0.15 0.65 0.07 0.28 0.58 2 0.27 0.15 -0.06 0.26 0.07 0.29 0.09 -0.09 -0.02 0.14 -0.01 0.67 0.05 0.37 0.72 1.00 1 -0.15 0.48 -0.14 0.02 0.04 0.20 -0.24 -0.14 -0.14 -0.40 -0.04 -0.31 0.25 0.08 -0.05 -0.09 1.00 -0.25 -0.01 -0.12 0.20 -0.14 -0.31 -0.20 1.00 転 職 回 数 前 職 満 足 入 職 年 齢 1.00 職 務 満 足 労 働 変 化 給 与 水 準 給 与 比 較 福 利 厚 生 生 活 満 足 総 合 満 足 職 位 1.00 機 関 数 ポスト 国 連 在 職 1.00 年 齢 勤 務 地 注:性の欄は、1が男性、2が女性を示す。 2 0.13 0.18 0.13 0.24 -0.04 -0.02 -0.03 -0.04 -0.16 記 の 相 関 分 析 か ら 分 か る こ と は 、 男 女 平 等 な 職 場 環境 の 中 で 女 性 職 員 が 積極 的 に 仕 事 に 打ち込ん で い る こ と で あ る 。 女 性 は 国 連 シ ス テム内 で の 転 籍 も 含 め 、 多 く の ポ ス ト を 経 験することにより職務満足度を高めている。また、女性の方が男性より途上国での勤務・ 生 活 に 柔軟性 が 見 ら れ る 。こ の こ と は 、日 本 の 民 間 企 業 に お い て も 、本 人 の 希 望 が あ れ ば 、 女 性 職 員 を 海 外 要 員 と し て 積極 的 に 登用 す る 可能性 を 示唆 し て い る と い え る で あ ろ う 。 上 5. 日本人職員の因子分析 国連機関に働く職員の を分析するために表 5 に し て い る 26 目について因子 分析を行なうと、 有 が 1 以上の因子が つ された。 された つの因子は次の ように 明することが 来る。 まず、 1 の因子は 年女 キャリア型 である。このグルー の として、女 で あ り 、 職 時 期 が く 、職 が い こ と が ら れ る 。こ の グ ル ー は E P 度や国 連職員 験を経 して 職 員 に な っ た 部 進 職 員 で あ ろ う 。こ の グ ル ー は 職 務 、 生活、 の い ず れ の 満 足 度 も い 。国 連 の 利 生 に 対 し て も 満 足 し て い る 。す な わ 、 このグルー は い時期から職員になる く し、その をかなえ、現在の国連機関で の 事、生活に満足していると えよう。 特徴 固 値 説 出 第 「若 性 入 早 位 低 競争試 由 正規 総合 高 プ 早 仕 言 8 抽出 」 挙げ 内 昇 福 厚 べ 努力 5 記載 夢 抽出 項 8 プ 特徴 プ A /J O 制 プ 性 ち 「日本労務学会第36回全国大会」報告 第 2 の 因 子 は 「 男 性高 職 位 中 途採用 型 」 で あ る 。 こ の グ ル ー プ の 特徴 と し て 、 男 性 で 職 位 が 高 く 、 年 齢 が 高 く 、 か つ 日 本 で の 勤 務 経 験 が 長 く 、 中 途採用 で 国 連 機 関 に 入 職 し て い る こ と で あ る 。 こ の グ ル ー プ は 現 在 の 職 務 、 生 活 に 満 足 し て お ら ず 、 総合 満 足 度 も 0 . 107 と プラ ス に は な っ て い る も の の 、 第 1 の 「若 年 女 性 キ ャ リ ア 型 」程高 く な い 。 こ の グ ル ー プ は 給与 、 福 利 厚 生 に つ い て も 不 満 を 持 っ て い る 。 な お 、 こ の グ ル ー プ は 職 位 も 高 く 、 日 本に戻り働くことも考えている。 第 3 の 因 子 は 「 マ イペ ー ス 型 」 で あ る 。 現 在 の 職 務 、 生 活 に 満 足 し て い る グ ル ー プ で あ る 。 こ の グ ル ー プ は 第 1 因 子 グ ル ー プ と 同 様 、 職 務 、 生 活 、 総合 満 足 度 は 共 に 高 い 。 現 状 に 満 足 し て い る こ と か ら か 、こ の グ ル ー プ は 積極 的 に 他 国 の 事 務 所 、機 関 の 空席 に 応 募 し 、 高い職位に就こうとは考えていない。このグループの職員は現在の先進国での勤務地に満 足しており、定年まで国連機関で働きたいと考えている。日本に戻り働くことは考えてい ない。 第 4 の 因 子 は 「 男 性高 学 歴 型 」 で あ る 。 こ の グ ル ー プ の 特徴 と し て 、 男 性 で あ り 、 年 齢 は そ れ 程高 く な い が 、 学 歴 は 0 . 566 と 非 常 に 高 い 。 こ の グ ル ー プ の 職 員 は 先 進 国 の 本 部 で 働 い て お り ( 勤 務 地 - 0 . 205)、 定 年 ま で 国 連 機 関 に 継続勤 務 す る こ と は 考 え て お ら ず 、 機 会 が あ れ ば 日 本 に 戻 り 働 く こ と を 考 え て い る 。こ の グ ル ー プ の 職 員 は ほ と ん ど 勤 務 機 関 、 勤務国を替えていない。 表 5 因子分析から得た 8 つのグループ 1 2 3 4 5 6 7 8 勤 務 年 数 (数 値 ) -0.763 0.246 0.241 0.272 0.100 0.213 0.119 0.071 転 職 回 数 (1-7) -0.258 -0.178 -0.429 0.367 0.560 -0.165 0.015 0.014 入 職 前 の職 務 満 足 (1 ,0) -0.121 0.267 0.407 0.052 -0.266 -0.477 0.213 0.222 準 備 年 齢 (1-8) -0.685 0.287 0.392 0.047 0.084 0.206 0.093 0.091 入 職 年 齢 (1-7) -0.777 0.134 0.326 0.120 0.307 0.100 -0.036 0.127 入 職 方 法 (1:中 途 、2:内 部 ) 0.099 0.309 0.323 0.351 0.099 -0.015 -0.139 -0.234 職 務 満 足 (1-5) 0.481 0.131 0.498 -0.059 0.202 -0.356 -0.002 0.236 労 働 変 化 (1-7) 0.355 0.254 -0.270 0.066 0.524 0.051 0.489 -0.056 給 与 水 準 (1-5) 0.620 -0.422 0.167 0.398 -0.016 0.199 -0.216 0.096 給 与 比 較 (1-7) 0.363 -0.371 0.039 0.517 0.124 0.424 0.036 0.238 給 与 変 化 (1-7) 0.526 0.037 0.244 0.323 0.043 0.153 0.075 -0.201 福 利 厚 生 (1-5) 0.453 -0.124 0.122 0.542 0.134 -0.064 0.029 -0.203 生 活 満 足 (1-5) 0.437 -0.194 0.482 0.174 -0.125 -0.104 -0.247 0.182 総 合 満 足 (1-5) 0.589 0.107 0.571 -0.196 0.003 -0.138 0.051 0.235 定 年 まで(1 ,0) 0.348 -0.027 0.172 -0.320 0.169 0.348 0.481 0.280 日 本 への転 職 (1,0) -0.150 0.149 -0.513 0.278 -0.281 -0.002 -0.202 0.540 職 位 (1-8) -0.005 0.843 0.198 0.153 0.013 -0.050 0.040 -0.022 0.283 -0.025 0.256 -0.271 0.369 0.296 -0.468 -0.076 ポスト( 数 値 ) 0.587 0.587 -0.178 -0.087 0.227 -0.148 -0.138 -0.057 勤 務 国 (数 値 ) 0.499 0.452 -0.283 -0.288 0.382 -0.155 -0.125 -0.017 勤 務 年 数 (1-5) 0.482 0.315 -0.415 0.131 -0.403 0.162 0.085 0.179 機 関 数 (1-6) 国 連 在 職 (1-5) 0.632 0.599 -0.293 0.011 -0.185 0.187 -0.035 0.062 性 (1 :男 性 、2 :女 性 ) 0.416 -0.605 0.050 -0.166 0.046 0.043 0.360 0.079 年 齢 (数 値 ) -0.119 0.851 0.091 0.135 0.054 0.344 -0.032 0.115 学 歴 (1-4) -0.011 -0.008 -0.174 0.566 0.153 -0.479 0.134 0.090 勤 務 地 (1 :先 進 国 、2 :途 上 国 ) -0.192 -0.218 -0.173 -0.205 0.542 -0.073 -0.265 0.451 因子寄与率% 20.4 14.2 9.9 7.8 7.0 5.5 4.6 4.1 累積因子寄与率% 20.4 34.6 44.6 52.5 59.5 65.0 69.6 73.8 第 5 の 因 子 は 「途 上 国 満 足 型 」 で あ る 。 こ の グ ル ー プ の 勤 務 地 は プラ ス で 0 . 542 で あ 6 「日本労務学会第36回全国大会」報告 発途 プ 低 プ るから開 上国である。このグルー の生活満足度は 表 6 因子グルー いが、職務満足度は スであり、 事に満足しているこ 因 グルー とを している。また、このグルー は ストや 務国を 子 に えていることから、ロー ー ン・ リ ーの 年女 キャリア型 ある人 機関に 務している職員と考えられよう。こ 男 職 中 のグルー は 年まで国連機関で働こうと考えて り、日 型 本に り働くことは考えていない。 マ ース型 6 の因子は 不満グルー 型 である。このグルー 男 学 型 の は 学 が 0 479 と 最 も く 、 年 は 的 い。 上国満足型 このグルー の最 学 は大学 であろう。国連機関は学 不 満 グルー 型 社会であるが、このグルー の職員は 分の に見 女 ア ン業務型 った を職場で けていないという不満を っているよ 上国 国 型 うに思われる。このグルー は職務満足、生活満足、 満足 にマ スである。このように現在の職場に不満を っているにも関わらず、本人達は 年まで国連機関で働きたいと考えている。また、こ のグルー は国連 職 に日本で 事をしていた時の 事にも満足していなかった。 7 の因子は 女 ア ン業務型 である。このグルー は先進国にある機関の本部 で 務・ 務 な ど の 理 部 で 働 く 女 職 員 グ ル ー で あ る 。こ の グ ル ー の 職 務 満 足 度 、 満足度には い数 を して り、生活満足度は先進国に住 でいるにも関わらずマ スである。本人た は国連の は いと ている 、労働時間は増えたと ている。このグルー は現在の 事に満足しているように思えないが、かといって 国 の転 も希望して らず、日本に り働くことも考えず、 年 職時まで国連機関で働き たいと考えている。 最後の 目の因子は 上国 国 型 である。このグルー は 5 因子の 上国満足型 と同 開 上国で 務しているが、年 は 5 グルー よりも い。この グルー は職務満足度、生活満足度、 満足度が に スであることから、現在の 事、生活に満足していると えよう。しかしながら、このグルー は 来日本に り働く ことを に し て い る 。日 本 に る こ と に 関 し て は 、そ の 成 分 数 が 0 54 と つ の グ ルー の中で最も い。 示 プラ 仕 プ ポ テ ショ 勤 プ名 若 性 性高 位 途採用 イペ 性高 歴 途 プ 性 ドミ 途 帰 検討 頻繁 替 ポ シ 1 道援助 勤 2 プ 定 お 戻 第 「 プ 」 プ 34 特徴 歴 - . 低 齢 比較 高 5 プ 終 歴 卒 歴 プ 自 能力 合 6 7 処遇 受 持 プ 総合 8 共 イナ 持 定 プ 入 前 仕 仕 第 「 性 ドミ 」 プ 総 財 管 門 性 プ プ 総合 低 値 示 お ん イナ ち 給与 低 感じ 一方 感じ プ 仕 他 へ 勤 お 戻 定 退 第8番 「途 帰 検討 」 プ 第 「途 」 様 発途 勤 齢 第 プ 高 プ 総合 共 プラ 仕 言 プ 将 戻 真剣 検討 戻 値 . 8 プ 高 国 連 機 関 に つ い て の イメ ー ジ は 、 女 性 が 多 く 精力 的 に 働 く プ ロ フェ ッ ショナ ル 集団 と い う の が 一般 的 で あ り 、 日 本 の 民 間 企 業 で 働 く 職 員 の イメ ー ジ と は 異 な る も の で あ ろ う 。 し か し 、 上 記 の 因 子 分 析 か ら は 、 国 連 機 関 に 働 く 日 本 人 職 員 が 職 務 に 積極 的 に 取 り 組 む グ ル ー プ 、 自 分 の 専門性 を 生 か す 場 と し て 職 場 を 考 え る グ ル ー プ 、 開 発途 上 国 で の 仕 事 に 満 足 し て い る グ ル ー プ 、先 進 国 で の 生 活 に 満 足 し キ ャ リ ア・ア ッ プ に 消極 的 な グ ル ー プ 、仕 事 ・ 生 活 全 般 に 否定 的 で 不 満 ば か り 述べ て い る グ ル ー プ 等 に 分 け ら れ る こ と を 示 し て い る 。 女 性 の 職 場 進 出 、 高 学 歴 、 世 界 に わ た る 転 勤 、 中 途採用 職 員 と 内 部 昇 進 職 員 と が 混 在 す る 職 場 な ど 国 連 機 関 特 有 の 特徴 は あ る も の の 、 日 本 の 職 場 で も 同 種 の 因 子 を 見 つ け る こ と が で きるように思われる。 6.ま 6. ま と め 本論文は国連機関で働く日本人職員の満足度、問題点などを調査分析し、国際的事業展 開を進める企業に を えることを目的としている。 今 、国連機関という男女 等な職場で働く職員の満足度、 進などの相関を調 た結 果、女 職員は男 職員と に働いていることが分かった。さらに、職員間の につ いては男女 についてよりも、中 か、 部 進かという 職 による いの が 大きかった。因子分析からは、国連機関の職員はさま まな目的や 機を って働いてい ることが分かった。日本の民間企業の中でも同 の因子を見ることができるように思われ るが、国連機関で働く日本人の場 の が日本の民間企業で働く職員よりも らの 思で 働き を選択しているように思われる。 日本企業では 部 進を 調とした人事 理から、中 者も 的に活 する人事 回 方 性 差 示唆 与 平 性 互角 内 昇 基 昇 べ 特徴 途採用 内 昇 入 方法 違 方 ざ 動 持 種 合 方 自 意 管 途採用 積極 用 7 「日本労務学会第36回全国大会」報告 管 理 に 移 行 し て い る 。 今 回 の 分 析 を 照 ら し 、 日 本 企 業 は 中 途採用 者 の 比率 が 増 え る 場 合 を 想 定 し た 職 場 で の 処遇 や 人 事 管 理 を 検討 す る 必要 が あ る よ う に 思 わ れ る 。 さ ら に 、 企 業 が 実 質 的 な 男 女 平 等 の 職 場 作 り を 実 施 す る こ と に よ り 、 女 性 職 員 が 戦力 に な る こ と を 本 調 査 は 示 し て い る 。 女 性 職 員 の 活 用 の 一環 と し て 、 女 性 を 海 外 要 員 と し て 登用 す る キ ャ リ ア パ ス も 検討 す べ き で あ ろ う 。 本 論 文 で は 紙幅 の 関 係 で 、 職 員 の 満 足 度 に 関 す る 要 因 分 析 と 因 子 分 析 を 掲載 す る こ と が できなかった。これらに関する報告は他の機会に譲りたい。 注 1.本研究では、横山が聞き取り調査・アンケート調査を担当、中村がデータ管理を担当、データ分析は 共同で行なった。 2 外務省監修 2005 年海外在留邦人数調査統計 http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/tokei/hojin/05/pdfs/2.pdf 3. H.V. Perlmutter “The Tortuous Evolution of the Multinational Corporation” The Colombia Journal of World Business, January-February 1969 4. Personnel Statistics 2003_CEB_ Personnel Statistics.pdf Data effective 31 December 2003 より算出 5. Personnel Statistics 2003_CEB_ Personnel Statistics.pdf Data effective 31 December 2003 より算出 6. Personnel Statistics 2003_CEB_ Personnel Statistics.pdf Data effective 31 December 2003 より算出 主要参考文献 Guellec,D.&Cervantes,M “International Mobility of Highly Skilled Workers: From Statistical Analysis to Policy Formulation” OECD 2002 井口泰 『国際的な人の移動と労働市場』 日本労働研究機構 1997年2月 石田英夫『日本企業の国際人事管理』 日本労働研究機構 1985 日本国際連合学会編 『グローバル・アクターとしての国連事務局』国連研究第 3 号 国際書院 2002 年5月 日本労働研究機構編『日本企業の海外派遣者 職業と生活の実態』日本労働研究機構 2001 年 7 月 日本労働研究機構編『第 4 回海外派遣勤務者の職業と生活に関する調査結果』日本労働研究機構 2001 年 12 月 永井裕久 「日本人海外派遣者の異文化適応の促進要因」日本労務学会誌 第4巻第2号 2002年 7月6日 Nagai Hiroshisa “Comparison of Cross-Cultural Adjustments between Japanese and American Expatriates” AIBS 2002 H.V. Perlmutter “The Tortuous Evolution of the Multinational Corporation” The Colombia Journal of World Business, January-February 1969 Sralker Peter Workers Without Frontiers Lynne Rienner Publishers,Inc. 八代尚宏 『日本的雇用慣行の経済学』 日本経済新聞社 1997年1月 白木三秀 『日本企業の国際人的資源管理』 日本労働研究機構 1995年8月 横山和子 「国際機関の人事制度」経済学研究(北海道大学)第 44 巻 第 3 号 1994 年 12 月 横山和子 『国際公務員になるには』 ぺりかん社 1996 年8月 横山和子 「国際機関における女性雇用促進政策」 日本労務学会第 28 回全国大会研究報告論集 日 本労務学会編 1998 年6月 横山和子 「国際的キャリア拡充のための検討課題―日本人国連機関職員アンケート調査からー」 日 本労務学会第 35 回全国大会研究報告論集 日本労務学会編 2005 年 7 月 なお、本稿で使われたアンケート調査集計値は横山のホーム・ページ (http://www.ba.tyg.jp/~yokoyama/)に掲載されている。 8
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