株式会社エボラブルアジア

平成 28 年 3 月 31 日
経済調査室 市場情報課
田頭浩二
エイチ・エス 銘柄レポート
株式会社エボラブルアジア
「オンライン旅行事業、訪日旅行事業、IT オフショア開発事業」
コード番号:6191
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主要上場市場:マザーズ市場
国内航空券を中心とした旅行商品のインターネット販売を行うオンライン旅行事業
訪日旅行事業
アジアで IT 開発を行う IT オフショア開発事業
事業の内容
オンライン旅行事業、訪日旅行事業、IT オフショア開発事業
市場区分
代表者の役職氏名
1単元の株式数
東京証券取引所 マザーズ市場
代表取締役社長 吉村 英毅
100 株
急速に拡大し、経済圏として統一されていくアジアにおいて、「One Asia」をビジョンに、
オンライン旅行事業、訪日旅行事業、IT オフショア開発事業の 3 つの事業で人及び仕事の
移動を通じたアジアを繋ぐ架け橋となることを目指す。
◎最近の業績動向
決算年月
売上高
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期純利益
(百万円)
1株当り
純利益(円)
1株当り
純資産(円)
平23. 9月期
8,653
20
6
1.58
2.88
平24. 9月期
10,603
71
97
21.39
24.27
平25. 9月期
961
22
14
3.18
27.45
平26. 9月期
1,451
93
44
9.84
37.20
平27. 9月期
2,754
305
172
37.70
74.66
(会社資料より)
(*)上場時発行済株式数5,368,100株(予定)
(*)平成25年9月期までは単体決算、平成26年9月期より連結決算。
(*)平成27年12月18日付で1株を300株に分割を実施。1株当たりの数値は分割修正後の数値
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◎事業の内容
オンライン旅行事業(ONLINE TRAVEL)
創業当初からのコア事業。航空会社との強固なアライアンスにより、国内全路
線の比較予約を実現。創業当初からオンラインに特化した旅行会社として、ま
た、旅行コンテンツ OEM 提供モデルを競争力として、次世代の総合旅行サービ
スを構築。
直販サイト(BtoC サービス)
■PC・スマホ上で旅行商材直販
複数の旅行商材の比較・販売を行うサービスを PC やスマートフォンサイト上、ア
プリ等で運営。国内航空券を強みとした、旅行商品ごとの個別販売サイトの運営か
らスタートし、現在は旅行目的地から複数商品横断検索機能を備えた総合旅行商品
販売を行うインターネットサイト「TRIP STAR」をはじめ、「エアーズゲート」「e
航空券.com」「空旅.com」「旅 WEB」「CAS Tour」を運営。
複数の旅行商材の比較・販売を行うサイトを運営。旅行商品ごとに個別販売サ
イトの運営からスタートし、平成 23 年 8 月からは統一ブランドとして、旅行
目的地からの複数商品横断検索機能を備えた総合旅行商品販売を行うインタ
ーネットサイト「TRIP STAR」を開設。現在、自社媒体として以下のサイトを
運営。
出所:会社資料より HS 証券作成
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OEM 提供(BtoBtoC)
■他社向け旅行コンテンツの提供
他社が運営している WEB 媒体等に対して、当社の旅行コンテンツ(国内航空券、パ
ッケージ旅行、海外航空券、ホテル商材等)の検索・予約システムを相手先ブラン
ドで提供(OEM)している。それぞれの会社が自社の旅行サイトを運営しているよう
に見えるが、実際は旅行サイト、システムの構築、ユーザー対応、航空券の発券業
務等全て当社が運営している。
卸売販売(BtoB)
■旅行商品の卸売・販売管理システムの提供
卸売販売とは、旅行会社に対し、旅行商品の卸売を行うもの。旅行商品の販売元と
直接取引関係のない旅行会社や、販売元と取引関係があっても当社を介することに
より、スピーディー、且つ多くの収益獲得が見込まれると判断される旅行会社に販
売。
法人向け出張手配(BTM)
■法人向けの出張手配サービス提供
BTM(ビジネストラベルマネジメント)事業では、業務出張に関する移動及び宿泊の
手配ニーズがある顧客に対し、出張予約・管理の専用クラウドサービス『旅 Pro-
BTM』を、導入コスト無料・ランニングコスト無料で提供。『旅 Pro-BTM』は移動
の一括検索が可能であり、清算も月締めの会社一括清算が可能となっている。
●複数販路と航空キャリアグループとの契約
複数の販路による売上を実現できる。
OTA(*)業界では、当社のみが JAL グループ、ANA グループ、スカイマーク、
LCC 各社を含む国内全航空会社グループとの仕入れルートを有しており、創業
以来一定の成長を継続
(*)OTA(Online Travel Agent)とは、店舗を持って営業活動を行っている従来型の旅行
会社に対し、インターネット上だけで取引を行う旅行会社のことを指す。24 時間いつでも
膨大な数の商品を閲覧・検索でき、店舗へ出向く必要のない利便性が消費者の支持を得て
いる。
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訪日旅行事業(INBOUND)
直営サイト(BtoC サービス)/OEM 提供(BtoBtoC サービス)
■訪日旅行客向けの多言語サイト運営・他社への国内旅行コンテンツの提供
多言語対応した一般消費者向けの旅行商材の比較・販売を行うサイトの運営と、ア
ジア地域を中心とした現地旅行代理店や媒体運営者、並びに日本国内の訪日旅行
WEB 媒体運営等に対する、国内航空券を中心に日本国内旅行コンテンツの検索・予
約エンジンの OEM での提供。また、日本の代理店、航空券、新幹線、オプショナル
ツアーなどのコンテンツと、現地の旅行代理店や媒体と繋ぎ合わせる訪日旅行手配
用の BtoB 向けプラットフォームの構築を準備している。
●OEM 提供ノウハウを活かした訪日旅行への展開
オンライン旅行事業における OEM 提供のノウハウを、現地旅行代理店の Web
媒体及び日本国内の訪日旅行サイトにも展開可能。自社のオフショア開発エン
ジニアを活用することにより顧客ニーズに合致した開発を安価かつスピーデ
ィーに実施。
ITオフショア開発事業(OFFSHORE DEVELOPMENT)
ベトナム人 500 名の IT エンジニアを擁する IT オフショア開発事業。ベトナム
での雇用創出 1 万人を目指すなどベトナム経済に貢献するとともに、日本や米
国シリコンバレーの IT 企業の課題であるエンジニア不足を解決。
ラボ型 IT オフシェア開発
■専属エンジニアの固定チームによるシステム開発
当社の連結子会社である EVOLABLE ASIA CO.,LTD.がラボ型の IT オフショア開発事
業に従事。プロジェクトごとに人員をアサインする一般的なプロジェクト型の受託
開発モデルと異なり、ラボ型の IT オフショア開発は、顧客ごとに新たに人材を採
用し、専属のエンジニアとして提供することが特徴。また、ラボ型の開発では、顧
客がエンジニアの開発活動を随時確認することができ、一般的な受託開発モデルと
比べ、顧客の意向を反映することも可能なモデルとなっており、常に 100%に近い
稼働率を維持できるビジネスモデルとなっている。現在は、日本国内に所在する企
業を主要顧客としているが、平成 28 年 9 月期より米国シリコンバレーにおける営
業強化を図り米国企業向けの営業もおこなっている。
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BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)
■専属スタッフ固定チームによる業務対応サービス
孫会社である EVOLABLE ASIA SOLUTION &BUSINESS CONSULTANCY CAMPANY LIMITED
では BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービスとよばれる、相対的に単純
な業務プロセスの一部を受託する事業を展開。BPO においても、ラボ型 IT オフシ
ョア開発と同様に、顧客ごとに新たに人材を採用し、固有の専属チームを提供する
ことを特徴としている。
●6,000 名以上の人材バンク稼働率約 100%の開発モデル
長期契約を前提に、6,000 名以上の入社希望者データベース等を利用し、顧客
ごとに専属チームを組成し、顧客側の責任者に開発プロセスに入ってもらうこ
とで、オフショア環境でのミスコミュニケーションをなくしている。また、準
委任契約により、納期遅延によるコストを当社が負担しないモデルとなってお
り、専属チームであるため、100%に近い稼働率を実現している。
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◎市場環境
オンライン旅行事業(ONLINE TRAVEL)
~1 兆 5 千億円規模 年率 26%成長
LCC の参入に伴う航空券横断検索需要の高まりを背景に、2013 年度における
OTA(Online Travel Agent)による旅行商材の取扱高規模は 1 兆 5 千億円以上、
年率 26%増(*1)、航空券の取扱高規模は 1,800 億円以上、年率 14%増(*1)
まで拡大し、増加傾向にある。
(*1)平成 26 年 12 月時点
フォーカスライト Japan 調べ
訪日旅行事(INBOUND)
~3 兆 5 千億円規模 年率 71.5%成長
平成 27 年における訪日旅行市場規模は 3 兆 4,771 億円(速報値、
前年比 71.5%
増)(*2)であり、昨今の国策に基づく訪日観光の誘致の下、訪日旅行客は
1,973 万人を記録(*2)。観光庁は、2020 年に訪日旅客数 3,000 万人に到達す
るために新たな目標(*3)を策定しており、訪日旅行市場は活況となっている
と考えられる。
(*2)観光統計(平成 28 年 1 月 19 日)(国土交通省観光庁調べ)
(*3)観光立国実現に向けたアクション・プラグラム 2015(観光立国推進閣僚会議)
ITオフショア開発事業(OFFSHORE DEVELOPMENT)
~1 千億円規模 年率 17.8%成長
現状における日本国内の受託ソフトウェア開発市場の市場規模は約 10 兆円
(*4)であるのに対して、オフショア開発割合は僅か 1%の約 1,000 億円(*5)
に過ぎず、米国のオフショア比率が 10%以上(*6)であることから、同様に
10 倍以上の 1 兆円規模までは拡大余地があるものと考えられる。実際、日本
の情報サービス業の市場規模は年 3%(*4)で成長しており、日本企業のオフ
ショア先におけるベトナムオフショアの割合は年 14.4%(*7)で伸びている。
以上のことから、ベトナムにおいて日系企業が利用する IT オフショア開発市
場の規模は年 17.8%(14.4%増×3%増)で成長していると思われる。
(*4)(財)国際情報化協力センター『情報サービス産業の現状』
(*5)経済産業省調査『日本のソフトウェア産業とオフショア開発の動向』
(*6)『グローバル化を支える IT 人材確保・育成施策関する調査』
(*7)「IT 人材白書 2012」(IPA 独立行政法人 情報処理推進機構)
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