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第1回
1.設問
【問1】
薬物乱用防止に関する広報啓発について
子ども・若者に対して、薬物の害に関する正しい知識を伝えるため、国は
「ダメ。ゼッタイ。」をキーワードに啓発活動を行っています。あなたは、
「ダメ。ゼッタイ。」のキーワードの入ったポスターやリーフレットを見
たことがありますか。見たことがある場合は、そのきっかけを教えてくだ
さい(例:小学校の授業で使用した、街で見かけた等)。全く見たことが
ない場合には「見たことがない」と回答してください。
【問2】
薬物の害に関する知識を伝え、薬物乱用を防止するためには、どんな方法
がいいと思いますか(例:夏休み前に、学校や盛り場で、薬物の害につい
て、ポスターを貼って呼びかけるべき。ネットやテレビで、タレントを使
って、薬物の害について、アピールすべき等)。
【問3】
薬物の害に関する知識を伝える際に、気をつけるべき点があれば、教え
てください(例:○○のような表現・方法を使うと逆に興味を持たせてし
まい危険である。△△のような言葉を使うと、しらけてしまい、関心を示
さなくなる等)。
2.背景
覚せい剤や麻薬、大麻等の薬物の乱用は、乱用している人の健康だけでなく、周り
にいる人たちにも、様々な悪影響を及ぼすことから、国では薬物の乱用を防止するた
めに様々な施策を実施している。今回はその中でも、インターネットやポスター等を
通じて薬物乱用の防止をアピールする広報啓発事業について、より効果的な事業を実
施するための検討に資するために、課題を設定した。
3.意見回収期間
平成 23 年 10 月 17 日〜11 月 6 日
4.回答者数等
12 歳から 29 歳の 210 名、男性 94 名(44.8%)、女性 116 名(55.2%)、提出率 72.2%。
1
5.問の分析
【問1】 「ダメ。ゼッタイ。」のキーワードの入ったポスターやリーフレットを見た
ことがありますか。見たことがある場合、このキーワードの入ったポスタ
ーやリーフレットを見た場所、きっかけを教えてください。
・次のカテゴリーごとに区分した。
場所・きっかけ
内容
学校は、小学校、中学校、高校、専門学校その他の学校、
学校の掲示板
大学
公共施設
駅、列車内、図書館、役所、警察、病院、税関、空港等
授業、学内キャンペ
学校の授業、講座、学内のキャンペーンやイベント等
ーン等
街中、街頭キャンペ
街中の掲示、街路、街頭でのキャンペーン等
ーン等
マスメディア
テレビ、ラジオ、映画、雑誌、政府広報、副読本等
インターネット
インターネット、政府広報(ネットテレビ)等
■全体的な傾向
「学校の掲示板」が 39.0%と最も多く、次いで「街中、街頭キャンペーン等」
37.6%、「公共施設」29.0%、「授業、学内キャンペーン等」19.5%などとなってい
る。
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
学校の掲示板
39.0%
公共施設
29.0%
授業、学内キャンペーン等
19.5%
街中、街頭キャンペーン等
マスメディア
インターネット
その他の場所
見たことがない
40.0%
37.6%
3.8%
1.0%
5.7%
9.0%
2
■ 男女別の回答
0%
学校の掲示板
公共施設
授業、学内キャンペーン等
街中、街頭キャンペーン等
20% 40% 60% 80% 100%
43.9%
56.1%
39.3%
60.7%
29.3%
70.7%
39.2%
マスメディア
62.5%
インターネット
男性
60.8%
100.0%
その他の場所
75.0%
見たことがない
女性
37.5%
0.0%
25.0%
63.2%
36.8%
■職業別の回答
上段:件
下段:%
全体
学生
正規職
員
職
業
非正規
職員
家事従
事者
無業者
210
82
61
授業、
学内キ
ャンペ
ーン等
41
100%
39.0%
29.0%
19.5%
107
47
42
100%
43.9%
69
学校の
掲示板
合計
公共施
設
街中、
街頭キ
ャンペ
ーン等
79
マスメ
ディア
インタ
ーネッ
ト
その他
の場所
見たこ
とがな
い
8
2
12
19
37.6%
3.8%
1.0%
5.7%
9.0%
23
36
2
0
4
7
39.3%
21.5%
33.6%
1.9%
0.0%
3.7%
6.5%
24
13
12
28
5
1
5
7
100%
34.8%
18.8%
17.4%
40.6%
7.2%
1.4%
7.2%
10.1%
19
5
4
3
8
1
1
1
2
100%
26.3%
21.1%
15.8%
42.1%
5.3%
5.3%
5.3%
10.5%
12
6
1
2
6
0
0
1
2
100%
50.0%
8.3%
16.7%
50.0%
0.0%
0.0%
8.3%
16.7%
3
0
1
0
1
0
0
1
1
100%
0.0%
33.3%
0.0%
33.3%
0.0%
0.0%
33.3%
33.3%
3
【提出された主な意見の要旨】
■学校の掲示板
・ 小学校、中学、高校の教員室の前ではよく見かけた。大学では全然見ない。薬物
をやるような人はわざわざ学校に来ないと思うので、もっと目立つところに貼る
べき(女性・18 歳・大学生)
・ 私が見たポスターは家族写真の中で自分の部分だけ破られているというもので、
インパクトの大きいデザインだった(女性・18 歳・大学生)
■公共施設
・ 保健所などの公共機関でも目にした(男性・27 歳・専門学校などその他の学校の
学生)
・ 市役所とか駅とかの公共施設で見た(男性・27 歳・自営業・自由業)
■授業、学内のキャンペーン等
・ 学校の保健体育の授業中に薬物についての資料として見た(男性・17 歳・高校生)
・ 高校の文化祭にキャンペーンカーが来た。地球をモチーフにしたキャラクターと
「ダメ。ゼッタイ。」の言葉がフレームに自動で入るプリクラの撮影ができた(女
性・27 歳・正規職員)
■街中、街頭キャンペーン等
・ 甲子園球場の前で配っていたうちわに、このキーワードが載っていた(女性・15
歳・中学生)
・ ポスターやリーフレットを見てこのような細かな記載内容を理解出来るかどうか
疑わしい。内容をもう少し簡略化して、要点を絞り込むべき(男性・27 歳・正規
職員)
■マスメディア
・ テレビ CM や雑誌などの広告ページで見た(男性・29 歳・正規職員)
・ 薬物乱用読本は、わかりやすかった(男性・27 歳・正規職員)
■インターネット
・ 政府広報のインターネットテレビはわかりやすい(男性・27 歳・正規職員)
・ 政府広報に、「体と心をボロボロにしない為には」とあった(男性・27 歳・正規
職員)
■その他の場所
・ 子どもの頃から、このキャッチコピーは良く目にしており、すっかりお馴染みだ。
漫画のネタなどとしてもよく目にする(男性・28 歳・正規職員)
■見たことがない
・ 見たことがないが、薬物の怖さ(精神的、肉体的に個人を崩壊、社会的地位を奪
う)を伝え興味本位で手を出せないようにすべきである(男性・25 歳・正規職員)
4
【問2】薬物の害に関する知識を伝え、薬物乱用を防止するためには、どんな方法
がいいと思いますか。
・次のカテゴリーごとに区分した。
防止方法
内容
学校での授業や啓
学校での授業や教育機関での啓発活動、ビデオや体験談等
発活動(体験談)
ポスターやリーフ
ポスター掲示やリーフレットの配布
レット配布
マスメディア
マスメディアで広報(テレビ、ラジオ、映画、雑誌やマンガ、
で広報
政府広報等)
ネットで広報
ネットで広報(交流サイト、ネットのバナー広告、政府広報ネ
ットテレビ)
職場や地域コミュ 職場や地域コミュニティでの研修会や体験談の講話(ドキュメ
ニティの研修
ンタリー、ビデオ等)
街頭でのキャンペ
街頭でのキャンペーンやイベントでの広報
ーン等
その他、取締まり
その他の啓発活動、取締まり強化等
強化等
■全体的な傾向
薬物の害に関する知識を伝え、薬物乱用を防止するために有効な方法としては、
「学校での授業や啓発活動(体験談)」が 58.1%と最も多く、次いで「マスメディ
アで広報」40.5%、「ポスターやリーフレット配布」12.9%、「職場や地域コミュニ
ティでの研修」11.9%などとなっている。
0%
10%
20%
30%
40%
学校での授業や啓発活動(体験談)
58.1%
ポスターやリーフレット配布
12.9%
マスメディアで広報
ネットで広報
職場や地域コミュニティの研修
街頭でのキャンペーン等
その他、取締まり強化等
50%
40.5%
6.2%
11.9%
7.1%
11.4%
5
60%
■男女別の回答
0%
学校での授業や啓発活動(体験談)
20%
40%
60%
48.1%
51.9%
マスメディアで広報
57.6%
42.4%
ネットで広報
40.0%
60.0%
その他、取締まり強化等
女性
60.0%
40.0%
街頭でのキャンペーン等
男性
53.8%
46.2%
職場や地域コミュニティの研修
100%
52.5%
47.5%
ポスターやリーフレット配布
80%
50.0%
50.0%
■職業別の回答
上段:件
下段:%
全体
学生
正規職
員
職業
非正規
職員
家事従
事者
無業者
学校での
授業や啓
発活動
(体験
談)
合計
ポスター
やリーフ
レット配
布
マスメデ
ィアで広
報
ネットで
広報
職場や地
域コミュ
ニティの
研修
街頭での
キャンペ
ーン等
その他、
取締まり
強化等
210
122
27
85
13
25
15
24
100%
58.1%
12.9%
40.5%
6.2%
11.9%
7.1%
11.4%
107
65
14
44
6
8
5
8
100%
60.7%
13.1%
41.1%
5.6%
7.5%
4.7%
7.5%
69
37
8
27
5
12
7
14
100%
53.6%
11.6%
39.1%
7.2%
17.4%
10.1%
20.3%
19
13
2
8
1
1
1
2
100%
68.4%
10.5%
42.1%
5.3%
5.3%
5.3%
10.5%
12
6
3
5
1
3
1
0
100%
50.0%
25.0%
41.7%
8.3%
25.0%
8.3%
0.0%
3
1
0
1
0
1
1
0
100%
33.3%
0.0%
33.3%
0.0%
33.3%
33.3%
0.0%
6
【提出された主な意見の要旨】
■学校での授業や啓発活動(体験談)
・ 実際に元薬物中毒者の体験を聞くのが防止に最適である。学校に呼んで、体験を
聞くようにし、一般の人も参加できるようにすればいい(男性・19 歳・大学生)
・ ちゃんと昼間学校に来て勉強はしてはいるが、薬物をやってしまうかもしれない
若者へは、夏休みが始まる前に体育館へ強制的に集めて、夢に出るくらい強烈に
作った薬物乱用防止のビデオを半日かけて見せるべきである(男性・21 歳・大学
生)
・ 生徒ばかりでなく、父母にも注意を呼び掛ける機会を設ける(女性・29 歳・パー
ト・アルバイト)
・ 学校で、薬物乱用の危険性について踏み込んだ授業をするべきである。知り合い
から誘われると断れなくなる人が多いから、
「ノー」と言える能力を日頃から、鍛
えるべきである(女性・20 歳・大学生)
・ 大学入学後、薬物に関する広告を見たことがあまりない。何より大学生になり様々
な面で自由になった時に、安易に薬物に手を出さないように呼びかけることのほ
うが肝要である。薬物についてのトークライブや講演会をするのも一つの方法で
ある(男性・21 歳・大学生)
■ポスター掲示やリーフレットの配布
・ ファーストフードやファミレスなど、夜遅くまで学生が過ごせる場所にポスター
を貼るのもいい(女性・28 歳・家事従事者)
・ 学校の階段や廊下など必ず見る場所にポスターを貼れば、興味がない人でもポス
ターを毎日見れば何かを感じることがある。また、町でも子ども図書館などにポ
スターを貼れば小さい子は興味を示してくれるので親に薬物のことを聞いてくれ
るはずだ(男性・13 歳・中学生)
・ ポスターを貼ったという周知が必要である。学校での普及活動はもちろんのこと、
街頭での宣伝、CMやダイレクトメール等での広報により薬物乱用防止の意識づ
けができる(女性・28 歳・正規職員)
・ 小学生に対しては、ヒーローによる理解啓発を行い、中高生に対しては、乱用当
事者の体験談を彼らの社会復帰の一環として、学校や地域で実施する(男性・29
歳・専門学校などその他の学校の学生)
・ ポスターやリーフレットといった既存の広報ツールは、専門用語が多かったり、
余計な内容(例えば、ダメゼッタイ運動の歴史等)が含まれており、読みやすくな
い(男性・29 歳・専門学校などその他の学校の学生)
■ マスメディアで広報
・ 薬物漬けになることはその後の人生を捨ててしまうことや、薬物依存になった人
間が増加することによる社会不安の拡大について、若者世代に全体的な危機意識
を持たせるような教育やテレビの広報も必要である(男性・26 歳・正規職員)
7
・
具体的な紹介事例として、
「こんなことをしたら、こんなに人生が狂い、自分だけ
ではなく関係する人皆が苦しい思いをしなければならない」ということをノンフ
ィクションとして演出する(女性・23 歳・正規職員)
・ ある程度知名度の高い、若いタレントを起用した短いビデオやCMは、小中学生
にとっても効果が高い。まずは、薬物の恐ろしさについて知ること、そして興味
本位で手を出すと負のサイクルから抜け出せなくなってしまうことを、小学校・
中学校のうちから教育していくべきである(女性・28 歳・正規職員)
・ 身体的影響よりも、社会的影響に焦点を当てる。国内外での流通の経緯やその背
景にまで言及し、背景にある組織とつながることが何を意味するのかを、テレビ
やネットで一般化させる(女性・29 歳・正規職員)
・ 各国で刑罰の方法が異なり、一回の所持や所有で、入国制限や死刑判決などで人
生が著しく制限されてしまうことを強調すべきである(女性・29 歳・正規職員)
■ ネットで広報
・ 薬物を乱用した結果、人間がどのような状態になってしまうのかをネットを活用
して青少年にアピールすべきである。現在の表面的に「薬物はダメ」
「一度手を染
めると二度と抜け出せない」というフレーズは、本当の薬物依存の怖さを伝える
効果を欠いている(男性・26 歳・正規職員)
・ 国全体が荒んでいる現在、
「心」を中心とした、最新のネットメディアを通じたキ
ャンペーンが効果的。薬物利用で家族が傷つくという悲しみを共有出来る内容と
優しい癒しの提供といった、二本立てで展開する(女性・29 歳・正規職員)
■職場や地域コミュニティでの研修
・ 薬物の害の知識をより多くの人に伝えるためには、地域コミュニティを強化し、
地域でのイベントをより盛り上げ、そこで薬物の害の知識を伝えるイベントを行
う。また、地域コミュニティの強化は児童虐待防止や孤独死の防止にもつながる
(男性・16 歳・高校生)
・ 依存症専門の病院に入院した経験がある。そこで出会った薬物依存症者は、一般
的なイメージとは随分違う。若年層が出会う薬物への入り口というのも、まさに
その「一般のイメージとは違う」
「怖くない」からだ。恐ろしさを殊更に強調する
方法より、実際に薬物依存を経験し、そこから回復した人の声を伝える講演等が
より効果的である(女性・27 歳・家事従事者)
・ 自傷行為や精神科薬の依存を抱えた若者は、違法薬物に近づくリスクも高くなる。
心の隙間を依存症で満たさない為のケアも重要である(女性・27 歳・家事従事者)
・ 薬物利用によるデメリット面をアピールする。倫理面でいえば、購入資金は暴力
団の資金源に回る。健康面でいえば脳細胞の破壊や注射の回し打ちによるHIV
感染の危険性が高まるなどである(女性・29 歳・無業者)
8
■街頭でのキャンペーン等
・ 街頭でポケットティッシュの中に薬物乱用防止啓発の広告を入れて配布する。新
聞広告や広告機構のメッセージで流す。薬物の害に対する認識をより多くの人に
持ってもらうよう、メディアや広告を活用すべきである(女性・28 歳・正規職員)
・ 防止センターなどで相談窓口を設ける、強化するなど、陥る前の人のみならず、
陥ってしまった人が更なる乱用にはまることを防止するべきである(男性・26
歳・自営業・自由業)
■その他、取締まり強化等
・ 薬物乱用防止は、その薬物が巷に出回らないように取締まるのが本筋だと思う。
そこを徹底的に取締まれば、本来、世間にあるはずのないものが出回ることはな
い。とにかく、薬物を売っている人間を徹底してつぶすべきである(男性・27 歳・
正規職員)
・ 小学校から薬物乱用防止の教育をすることは、自分の経験からいっても良いと思
う。特に自分は映像を通して、実際に薬物乱用で人生が破滅した人を見たことで、
ああはなりたくないという意識がついた(女性・23 歳・大学生)
・ 最近テレビで見たが、脱法ドラッグが海外から流れていると聞いた。一般市民や
青少年が巻き込まれないために、こうしたドラッグの罰則化と併せて、認知を進
めていくことが大事だと思う。素直なうちに、ドラッグの恐怖を植え付けるべき
である(女性・23 歳・大学生)
・ 薬物なんて身近に感じたことがなくて、逆にどういう場面で人が薬物の経験をす
るのかが分からない。もっとこういう場所でこういう人がこういう風に誘ってく
るやり方を知らせたらいいと思う。また、密輸などで入ってこないようにもっと
取締まりを頑張ってほしい(男性・12 歳・中学生)
・ タレントや芸能人が麻薬で捕まっているが、その後またテレビに出ているので軽
く感じる。本当に悪いことならせめてタレントはやめてほしい。反省してるかも
しれないが、責任を取らないと子供には正しいとか言えない(男性・12 歳・中学
生)
9
【質問3】薬物の害に関する知識を伝える際に、気をつけるべき点があれば、教え
てください。
・次のカテゴリーごとに区分した。
薬害の知識を伝え
内容
る際の注意する点
体験者の実話で怖 体験者のドキュメンタリー、実体験に基づくドラマ化等により
さを伝える
薬害の怖さを具体的に伝える
視覚的にリアルに 写真やイラストで視覚に訴える(生々しい表現やデータ提示)、
広報する
危険性をリアルに感じるように広報する
薬物への興味(気分が良くなる、成績が上がる、ダイエットに
興味や関心をもた
効く等)や関心をもたせるような表現(薬物の名前・通称、種
せる表現を広報し
別、具体的な使用法、購入ルートの事例紹介、流通価格等)を
ない
広報しない
刺激的な言葉、反 刺激的な言葉(頭ごなしにダメやゼッタイ、危険、一生が台な
抗や反発を招く表 し等)、反抗や反発を招く表現は控える
現は控える
薬物の情報、違法 薬物乱用の影響、違法性、量刑の重さ、薬物の種類や実物の形
性、中毒の危険性 状、中毒の危険性を詳しく広報する
を詳しく広報する
タレントやアイド タレントやアイドルを安易に広報活動に起用すべきでない、タ
ルを安易に広報活 レントによる薬物事件を取り上げ過ぎない
動に起用しない
その他、取締まり その他、薬物販売取締まりを強化する、薬物に興味を持たせな
強化、健全な生活 い生活スタイルを提唱する、薬害に走る原因や環境への対応を
スタイルの提唱等 重視する、子供目線で考える等
10
■全体的な傾向
薬物の害に関する知識を伝える際に、気をつけるべき点として、
「興味や関心をも
たせる表現を広報しない」が 40.0%で最も多く、次いで「視覚的にリアルに広報す
る」と「その他、取締まり強化、健全な生活スタイルの提唱等」が 23.3%などとな
っている。
0%
10%
体験者の実話で怖さを伝える
20%
30%
40%
8.6%
視覚的にリアルに広報する
23.3%
興味や関心をもたせる表現を広報しない
40.0%
刺激的な言葉、反抗や反発を招く表現は控える
10.0%
薬物の情報、違法性、中毒の危険性を詳しく広報する
14.8%
タレントやアイドルを安易に広報活動に起用しない
12.4%
その他、取締まり強化、健全な生活スタイルの提唱等
わからない
23.3%
2.4%
■ 男女別の回答
0%
20%
体験者の実話で怖さを伝える
40%
60%
38.9%
視覚的にリアルに広報する
80%
61.1%
53.1%
興味や関心をもたせる表現を広報しない
46.9%
45.2%
刺激的な言葉、反抗や反発を招く表現は控える
100%
54.8%
61.9%
38.1%
男性
女性
薬物の情報、違法性、中毒の危険性を詳しく広報する
タレントやアイドルを安易に広報活動に起用しない
45.2%
34.6%
その他、取締まり強化、健全な生活スタイルの提唱等
わからない
54.8%
65.4%
51.0%
20.0%
49.0%
80.0%
11
■職業別の回答
上段:件
下段:%
全体
学生
正規
職員
職業
非正
規職
員
家事
従事
者
無業
者
合計
体験者
の実話
で怖さ
を伝え
る
視覚的
にリア
ルに広
報する
興味や
関心を
もたせ
る表現
を広報
しない
刺激的な
言葉、反
抗や反発
を招く表
現は控え
る
薬物の情
報、違法
性、中毒
の危険性
を詳しく
広報する
タレント
やアイド
ルを安易
に広報活
動に起用
しない
その他、
取締まり
強化、健
全な生活
スタイル
の提唱等
わから
ない
210
18
49
84
21
31
26
49
5
100%
8.6%
23.3%
40.0%
10.0%
14.8%
12.4%
23.3%
2.4%
107
9
27
46
9
15
12
20
5
100%
8.4%
25.2%
43.0%
8.4%
14.0%
11.2%
18.7%
4.7%
69
15
22
8
12
8
22
0
7
100%
21.7%
31.9%
11.6%
17.4%
11.6%
31.9%
0.0%
10.1%
19
2
6
8
3
1
4
4
0
100%
10.5%
31.6%
42.1%
15.8%
5.3%
21.1%
21.1%
0.0%
12
1
0
7
1
1
2
2
0
100%
8.3%
0.0%
58.3%
8.3%
8.3%
16.7%
16.7%
0.0%
3
0
1
1
0
2
0
1
0
100%
0.0%
33.3%
33.3%
0.0%
66.7%
0.0%
33.3%
0.0%
12
【提出された主な意見の要旨】
■体験者の実話で怖さを伝える
・ 体験談に忠実に沿ったビデオなら中高生に共通点もあり自分をそのビデオの主人
公に重ね、薬物に対し気を付けるようになる。普通の中高生が薬物に染まってし
まった話を聞けば他人事ではない(女性・18 歳・大学生)
・ 広報ツールやその他の取組による啓発活動を行う場合、要となるのは、薬物乱用
が如何に危険かを対象に理解させることである。薬物乱用はいけないというメッ
セージは、その実感を得た乱用経験者にしか伝えられない(男性・29 歳・専門学
校などその他の学校の学生)
・ ただ怖いものと伝えるだけに留まるのではなく、使うとどうなるのか、具体的な
事例を交えて伝える必要がある。具体的に、薬物を克服した人に経験談を聞いた
り、楽物乱用者が描いた文字等を示すのも、具体的で良いのではないかと考える
(男性・17 歳・高校生)
・ お決まりのパターンやよくある啓発ビデオにしてしまうと初めから見る気を失い、
関心を示さなくなることは多い。私たちはあまりにも薬物とは縁の遠い存在だと
思い、現実味がないために、ついつい関心を示さない(女性・18 歳・大学生)
■視覚的にリアルに広報する
・ 生々しい表現やリアルな数字を使うといいと思う(男性・15 歳・中学生)
・ 薬害について、もっと直接的な表現(映像など)を使ってほしい。オブラートで
包んだような表現では印象に残らない(男性・24 歳・正規職員)
■興味や関心をもたせる表現を広報しない
・ 高校生のときキャンペーンカーの中で見たような薬物の見本は、興味がわいてし
まうことになるのであまり見せないほうがいいと思う。教師等が自分の言葉で教
育してくれると、より若者の心に響くのではないだろうか(女性・27 歳・正規職
員)
・ 「楽になれる、気分がよくなる、勉強の成績が上がる」等の興味を持たせてしま
う表現はいけない。
「勉強の成績が上がる」といった学業関連の表現には十分な注
意を払う必要がある。特に、大学受験生などの追いつめられた状況では、逆に薬
物乱用を助長してしまう危険性がある(男性・26 歳・パート・アルバイト)
・ 薬物を実際に取引している現場を映像で見せたり、このお店で薬物乱用の事例が
ありました、などという、実際に薬物取引されていた場所は、伝えないほうが良
い。伝えてしまった場合に、実際にその場に行く人もいる(女性・22 歳・家事従
事者)
・ 薬物について広報するときには、本物を見せないほうがいい。薬物の知識を得る
ことで、興味本位に使う場合がある。
「薬物はこういうもの」という教え方ではな
く「薬物を使ってしまうと、最後はこういうことになるよ」という教え方をすす
める(男性・23 歳・正規職員)
・ 最近よくニュースで見かける、大学生による自宅での大麻栽培等について積極的
な摘発を行っていることを印象づけ、好奇心でも手を出そうという気を起こさせ
ないことも必要かと思う(男性・28 歳・パート・アルバイト)
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■刺激的な言葉、反抗や反発を招く表現は控える
・ 「薬はダメ」、「薬は自分をだめにする」といったようなありふれた呼びかけは、
新鮮味やメッセージ性を欠き効果が期待できない(男性・26 歳・正規職員)
・ パンフレットでは、まず第一に「薬物使用は犯罪だからいけない」といったよう
なことが書かれているが、法制度があるからダメだというのではなく、まずは「自
身の身体に対し悪影響を与えるから使ってはいけない」と強調したほうが良い。
決まりだからではなく、健康を考えた上で薬物使用をしないように訴えたほうが、
思春期の社会に対する反発を軽減することができる(男性・21 歳・大学生)
・ 薬物乱用防止のリーフレット等でよく見かける「友達に薬物を誘われたら、どう
やって断る?」というような項目で、
「きっぱり断ろう」だとか「友達だからこそ、
やめるように説得する」というような言葉を使うと、現実感に乏しく、しらけて
しまう(女性・23 歳・正規職員)
■ 薬物の情報、違法性、中毒の危険性を詳しく広報する
・ 子供に教える際に、包み隠さず、それぞれの質問についての答えを用意すべきだ
と、この種の問題を取り扱うときに感じる。ただ「危険です」「大変です」、これ
らの言葉は、どう危険なのか、どう大変なのかの具体例に乏しい(男性・27 歳・
専門学校などその他の学校の学生)
・ 薬物一回のみなら気持ちよくなるだけで身体には影響が少ないという間違った偏
見から、最初遊び感覚で始めてしまう人がいると思うので、その最初の一回が命
取りになるのだということを中毒性を強調し乱用防止を訴えるべきだ(女性・27
歳・自営業・自由業)
・ 既に薬物に数回手を染めてしまった人向けにも、もしその薬物使用をやめたいと
思っているのなら、どのような場所や人に相談したり、カウンセリングを受けた
り出来るかの情報提供も必要だ(女性・27 歳・自営業・自由業)
■ タレントやアイドルを安易に広報活動に起用しない
・ ビデオ等で、薬物にはまる役が素敵なタレントさんだと、
「かっこいい」印象にな
ってしまいそうなので、注意して欲しい。また、きれいな・かっこいいタレント
さんがさわやかに「ダメ。ゼッタイ。」と言ってもあまり効果がないように思う(女
性・28 歳・正規職員)
・ タレントを使用して薬物の危険性を啓発するのもできればやめて欲しい。実際は、
薬物に関する逮捕でニュースで主に取り上げられるのはタレントなどのそれなり
に知名度がある人達である。事件の影響もあって、タレントで薬物に手を出す人
は多いと思う(男性・24 歳・専門学校などその他の学校の学生)
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■ その他、取締まり強化、健全な生活スタイルの提唱等
・ 誘われたときの対処法としては「先生や家族、友達のだれかに相談をする」とい
う方法を提示するに限ったほうがいいと思う(女性・23 歳・正規職員)
・ 現代社会で薬物を使用する若者が増えているとすれば、それはネットや携帯の普
及に起因するものが多い。政府は、まず薬物の害を伝える資料の作成に追われる
のではなく、若者に流通している媒体や若者が興味を示すメディアを用いて、そ
のストーリーの中に組み込めないかを考えるべきだ(男性・29 歳・正規職員)
・ 薬物に手を出して、廃人になってもそれは自業自得であるが、薬物使用者は、往々
にして犯罪を起こすことが多いので、一般市民が被害者にならないよう取締まる
べきである(女性・26 歳・正規職員)
・ 部活に打ち込むことで荒れた家庭から逃げ場を見つけた人の話をするのもよい。
薬物に走りそうな人へは、社会での居場所を見つける方法を提案したらよい(男
性・27 歳・正規職員)
・ 薬物乱用の第一歩の多くは「好奇心」と「ノリ」ではないだろうか。未成年者の
喫煙と似たようなキッカケだろうと思われる。その場合、抑止力となるのは、法
律や危険性の認識云々というよりも、生理的で、無意識な感情、「キモい」「やば
い」といったネガティブなイメージが抑止力となる(男性・26 歳・派遣社員・契
約社員)
・ 普段から親しんでいるメディアであれば、とりあえず目を通すと思われる。表現
の注意としては、とにかく沢山の情報を与えようとしない。薬物の入り口と末路
をストーリーを持って伝える(男性・26 歳・派遣社員・契約社員)
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