はじめに - 冬虫夏草の文化誌

冬虫夏草
の文化誌
Cultural History of
Vegetable Wasps &
Plant Worms
奥沢 康正・著
Yasumasa Okuzawa
はじめに
中国での漢名“冬虫夏草”は、薬物利用を目的に近年、中
文献に一致した時の興奮は筆舌に尽くし難いものである。
国・韓国・日本をはじめ西欧でも多くの研究がなされ、さ
菌分類学については知識不足ではあるが、地上に顔を出し
らに米国などでの遺伝子(分子系統発生)解析による新し
た子実体・結実部を発見し、地中を掘り、苦労して虫体・地中
い分類体系の発達により形態分類から遺伝子分類へと進
柄を損傷することなく採集し得た瞬間や、鬱蒼とした杉林
展し、学名が次々と命名あるいは改名され変遷を重ねてい
のやっと手が届く小枝にしっかりつかまっているヤンマタ
る。冬虫夏草の呼称は、過去に夏草冬蟲・冬蟲夏草・春蟲夏
ケを見つけ思わず子供のように歓声を上げ、小川のせせら
草・夏蟲冬艸などと記述され、現在はCordyceps sinensis以
ぎを聞きながらシダの葉を一枚一枚裏返し、苦労の末にク
外を通常、虫草・虫草菌・虫生菌と称している。また採集地
モ生のギベルラを見つけ宝物のように大切にしまい込む時
のチベットでは真正冬虫夏草をYar ‐ Tsa Gün ‐ bu(雨季
の喜びと満足感は著者にとって至福の時でもある。
草・夏虫)、ネパールではイエルツア・グンブ(モンスー草)、
本書では江戸期の本草学(虫豸学を含む)・博物学・物産
キャタピラ(カタピラ)と称し、西洋ではVegitable wasps
学に記載された諸文献及び図譜に始まり、明治期以降の梅
and plant worm(野菜のようなクマ蜂で、植物のような毛
村甚太郎・白井光太郎・南方熊楠・大上宇市・安田篤・今井三
虫)、Summer plant Winter worm、Fungi parasitic upon
子・川村清一・原攝祐・日野巌にいたるまでと、現代の昆虫
insects, Vegitable catarpillar, Entomogenous fungi(昆虫
病原菌分類学の基礎に大きく寄与した小林義雄・清水大典
寄生菌)、フランスではMouche Vègètante.Mouche plant、
の先達が遺した過去の記述論文、特に図譜を中心にさかの
日本でも江戸期に中国の本草書より冬虫夏草(当時は蝉花・
ぼって紹介している。これをデスクワークとして、一方、京
冠蝉・蝉蕈・角蝉・セミノキ・オサムシタケ、なお白彊蚕は冬
都で採集を重ねている坂根健、大竹茂夫、梶山直樹・昭子夫
虫夏草の仲間と認識されていない)と称し、明治期にはノン
妻、東勇太と著者のフィールドワークによる生態写真を軸
ジタケ・ノムシタケ・フユムシタケなどと呼ばれていた。現
にしてビジュアル的に耐えうる冬虫夏草図鑑の作成を目的
代では狭義の真正冬虫夏草・シネンシス冬虫夏草に対し、広
とした。
義の意から殺虫菌・昆虫寄生菌・昆虫病原菌・昆虫病原糸状
冬虫夏草図鑑はすでに、清水大典によって世界に先駆け
菌などと呼称されているが、通常は冬虫夏草(虫草菌)が日
て写生図を基にしたすばらしい著書が発行されている。こ
常用語となっている。江戸期、庶民にとって珍奇で摩訶不思
の図鑑は冬虫夏草を図像学的にも驚異の目で見ることがで
議な生物もしくは植物として本草学・昆虫学・博物学はたま
き、同時に冬虫夏草に対する強い関心がフツフツと湧いて
た随筆・図譜の世界に散見され、現在は小説の表題や絵画・
くる名著である。とは言え、個々の種の特徴が強調されすぎ
造形などアートの世界にまで広がっている。“冬虫夏草”の
た感がある写生図は大きな長所でもあり欠点でもある。と
用語そのものは菌類研究者により、アマチュアを対象に寄
もすれば自然界で見られる観察所見とはやや異なる場合が
主となる昆虫類や発生環境などの異なった分け方にも用い
あり、本書はこれらの写生図鑑とは異なり、京都・大阪で採
られているが国際菌分類学上の立場からすれば、あいまい
集された冬虫夏草の生態写真を、さらに著者の個人的所見
モコとした名称となっている。著者は本書中、冬虫夏草・冬
とエキセントリックな観察による私説を立てて一部説明を
虫夏草属・虫生菌・虫草菌・昆虫病原菌など数種の用語を項
加えた。私たちは「研究を素人の興味として真剣に取り組む
立により記載内容に応じて使い分けしており、読みづらく
者は革新的研究がなせる可能性があり、目的のない研究に
誤解を招く個所もあると思われるが、御容赦いただきたい。
も非常に大切なこともある。大学の研究だけが研究成果で
なお、著者は本書を通じて自然の中でさまざまな顔を見
はなく、自然界を見つめる目は研究テーマの発見とその目
せる冬虫夏草の奇妙な生態と不思議さに魅せられた先人が
的に到達するための最も大切な研究である」を信じ、この書
遺した書誌学上の多くの記述を振り返っていくが、山野を
から昆虫病原菌の生理、生態学的な性質、分子生物学的分類
駆けめぐり目をこらし冬虫夏草を見つけ、それが図鑑と諸
を追求する若い研究者が一人でも育つこととなれば望外の
冬虫夏草の文化誌
2
喜びである。
この書は奥沢康正が各項目を構成し坂根健、大竹茂夫、梶
山直樹・昭子夫妻、東勇太が一部(特に写真)寄稿した。著者
の個人的な考察についてはハイアマチュア・菌研究者の忌
憚のない御批判を仰ぎたい。
平成24年 春
奥沢康正
虫生菌のDNAによる分類学の第1人者
オレゴン州立大学 Joseph W. Spataforaと共に
(2008年7月18日)
後列(左から):梶山昭子、梶山直樹
前列(左から):坂根健、奥沢康正、大竹茂夫
(2010年2月8日、第1回編集会議にて)
3
目 次
はじめに
2
第Ⅰ章 冬虫夏草への誘い
23
(1) 人はなぜ“冬虫夏草”に関心をいだいて来たのか
1 物化と輪廻思想
24
24
補足1 ケンペルが疑いつつ記載した物化説
2 冬虫夏草への関心
24
25
コラム1 哲学者ヘーゲルが見た冬虫夏草
25
コラム2 冬虫夏草に生命観はあるか
26
コラム3 冬虫夏草菌は昆虫をマインドコントロールし得るか?
27
(2) 先人がいだいた冬虫夏草とは
東西の例―南方熊楠の論文「マンドレイク」から―
28
コラム4 人間に生えた角は「人草菌」か?
31
コラム5 森林医学から見た冬虫夏草採集の効果
33
コラム6 冬虫夏草属に魅せられた人たちの分類
34
コラム7 日本の昆虫学者の先達と冬虫夏草の宿主同定
35
補足1 手塚治虫と昆虫病原菌(冬虫夏草)
36
雑談 『虫』の戯言
36
第Ⅱ章 日本・中国の冬虫夏草図譜の歴史
39
(1) 日本の古典籍から昆虫病原菌(白彊蚕・セミ生虫生菌・冬虫夏草)を探る
はじめに
40
1 『風土記』・
『日本書紀』・
『太政官官符』-古墳時代から奈良時代の白彊蚕-
40
覚書1 白彊蚕の初出
41
わみょうるいじゅうしょう
2 『倭名類 聚 抄 』
(931~938)
42
3 『医心方』
(984)
42
4 『康頼本草』
(1379~81)
44
覚書2 江戸時代 冬虫夏草に関心をいだいた人々
44
5 『医学天正記』
(1627)
45
6 『医方明鑑』
(1641)
46
7 『和漢三才図會』
(1712)頃
46
ようやく し ゅ ち
冬虫夏草の文化誌
40
8 『用薬須知』
(1726)
47
9 『庶物類纂』
(1699~1738)
47
10 『物産日記』
(1729~56)頃
50
11 海陸荷物書上(帳)
(1756~59)
50
12 『旭山先生文會碌』
(1760)
50
13 薬品会・物産会に展示・記載された白彊蚕・蝉花・冬虫夏草から見えてくるもの
51
4
補足1 白彊蚕・蝉花・冬虫夏草の記載がなかった薬品会・物産会適用目録
52
補足2 京都の物産会における菌類の展示
53
補足3 「読書室物産会」と柚木常盤
53
14 続昆陽漫録(1768)
54
15-1 日本でツンベルグ、シーボルトが見た冬虫夏草
55
15-2 シーボルトが持ち帰った冬虫夏草属
57
補足4 山口行斎(好斎)
57
16 『龍亀昆虫写生帖』
(1778〜79)
58
17 『七島巡見志』
(1782)
59
18 『東遊記』
(1795)
59
19 『長崎聞見録』 寛政12年(1800)
60
補足1 冬虫夏草渡来の歴史
61
20-1 『冬虫夏草生写-江州所産-』
(1801)
61
20-2 『冬蟲夏草写真』
(1835)
70
20-3 『黄正圃雑纂菌部』
(1801)
71
21-1 『本草綱目啓蒙』
(1803〜06)
71
21-2 「七言二行書」
(1798)
76
かんでん じ ひつ
(1806)
22 『閑田次筆』
77
いとう
23 『医賸・附録』
(1809)
78
24 『物品識名』
(1809)・
『水谷豊文蟲豸写真全』・
『蟲譜』
80
25 『菌史』
(1811)
81
26 「千虫譜」
(1811〜33)
85
補足1 『丹洲蟲譜』
95
補足2 「千虫譜」が知らしめた昆虫病原菌の重要情報
96
補足3 冬虫夏草と間違えやすい昆虫・イボタロウ―「千虫譜」から―
96
補足4 江戸期の昆虫学
97
27 『諸国産物帳』から冬虫夏草属(セミ花・白彊蚕を含む)の採録を見る
97
27-1 『三国名物志』
(1813)前後
98
27-2 『信濃奇勝録』
(1834)別名『信濃奇区一覧』
98
27-3 『阿淡産志』
(1816〜72)
99
28 『菌譜』
(1820)
100
29 『増補手板発蒙』
(1829)
101
補足1 『増補手板発蒙』に記載されている薬物虫類(昆虫本草名)
103
補足2 『増補手板発蒙』に記載されている薬用担子菌類とその説明文
104
30 『中陵漫録』
(1826)
104
そうもくせい ふ
31-1 『草木性譜』
(1827)
105
31-2 『世事百談』
(1843)
106
31-3 『増訂大和本草禽部五巻蟲部第三巻・蟲部図譜二巻』
(1876〜81)
108
32 「石川八太昭徳筆記」
(1827)
109
5
かっし や
わ
33 『甲子夜話』続編(1829)
110
とうどう い ひ つ
34 『桃洞遺筆』
(1833)
111
35 『梅園菌譜』
(1836)
113
36 『紫藤園諸虫図』
(1851)
113
37 『本草図説』
(1852)頃
115
38 『蟲譜図説』
(1856)
123
39 『蒹葭堂雑録』
(1859)
124
40 『雲錦随筆』
(1861)
124
41 『雀巣菌譜』
(1861)
126
42 『丹修菌譜』
(1862)
(別名『伊勢朝郡菌譜』)
130
43 『本草鳥獣魚貝図譜』本草之部1
131
ず
い
44 『草木図彙』巻5・6(年代不詳)
132
ちゅうち
45 『蟲豸図譜』
(1818~47)頃
132
江戸期昆虫病原菌の図譜採録を終えて
140
番外1:奈良時代の菌類標本
140
番外2:江戸期の武蔵石寿の標本(セミタケ・シナ冬虫夏草)
141
番外3:採集標本の作成
142
(2) 近代~明治時代から昭和期の冬虫夏草図譜と研究者たち
はじめに
143
143
1 東京国立博物館所蔵の博物図譜
144
りょく い けん
①『本草図説』②『緑
軒動物図』③『博物館蟲譜』④『田中房種博物図譜』⑤『虫譜上』
⑥『博物館動物図譜』⑦『植物集説』図(1-18)~(1-22)
2 『百蟲詩畫(1巻)』
(一名:蠕蠕集)・
『蟲品』
151
3 筑摩県信濃飛驒物産目録
152
4-1 『日本産物志』前編(11巻)
153
4-2 『錦窠蟲譜』
153
補足1
156
5 『筑後地誌略』
(1879)
156
6 『家蔵五玩雑録』
(三)と『両羽博物館図譜』中の『飛虫図譜』
(蜂部4)中の木根蝉半成(セミ)をめぐって
157
サイドメモ 明治期お雇い外国人たちが当時の医師・医学生に教えた冬虫夏草の知識
159
7 「三重本草稿」
(1891)
160
8 「越後菌譜」
(1894)~(1895)
160
9 「植物学教科書」
「植物図鑑」
「植物雑誌」
「昆虫雑誌」の四書に記載された冬虫夏草図譜と図譜のない「昆虫学書」
163
覚書1 江戸期に図譜として描かれていた冬虫夏草図
164
覚書2 梅村甚太郎
170
おおうえ
10 大上宇市が「冬虫夏草参考彙説」
「菌類彙考(第2巻)」に描いた冬虫夏草
170
11 安田 篤が描いた冬虫夏草
179
12 南方熊楠が描いた冬虫夏草図譜
181
覚書1 南方熊楠と冬虫夏草
冬虫夏草の文化誌
145
182
6
覚書2 オニゲナ菌
184
13 『植物妖異考』
(1914)
186
補足1 白井光太郎の随筆から
187
補足2 冬虫夏草を日本の博物学史から見る
188
かねひろ
14 原 攝祐が描いた冬虫夏草
189
補足1 冬虫夏草ケラタケについて
193
補足2 原 攝祐が投稿した雑誌『本草』について
193
補足3 雑誌『本草』から読み取れる冬虫夏草図譜の情報
193
補足4 『日本菌類目録』
(1954)に載るCordycepsの和名・学名一覧
194
15 川村清一が描いた『原色版日本菌類図譜』
194
16 薬師寺英次郎・熊沢正夫が描いたオサムシタケ
200
17 昆虫雑誌(戦前・戦後)から冬虫夏草属の情報を探る
201
18 青木 実が「日本きのこ図版」に描いた冬虫夏草
214
19 戦後に発刊された機関紙『冬蟲夏草』
217
20 第二次世界大戦後の植物図鑑・百科辞典に載る冬虫夏草
218
21 小林義雄が描いた冬虫夏草図譜
220
22 清水大典が描いた冬虫夏草図譜
223
(3) 中国・韓国の古典籍から昆虫病原菌(白彊蚕・蟬花・冬虫夏草)を探る
229
1 礼記(蟬花)B.C202~ A.D8
229
2 神農本草経(白殭蚕)AD25~220頃
229
3 雷公炮炙論(白殭蚕)470年頃
230
4 神農本草経集注(白殭蚕)500年頃
230
5 新修本草(蟬花・白殭蚕)659年
230
6 本草拾遺(蟬花・白殭蚕)739年
231
7 酉陽雑爼(ハチタケか)860年頃
231
8 益部方物略記(蟬花)宋初
231
9 嘉祐補註本草(蟬花・白殭蚕)1060年
231
10 図経本草(蟬花・白殭蚕)1061年
232
11 経史証類備急本草(蟬花)1098~1107年
233
12 本草衍義(蟬花・白殭蚕)1116年
233
13 西溪叢語(蟬花)1150年前後か
234
14 重修政和経史証類備用本草(蟬花)1249年
234
15 本草品彙精要(蟬花)1505年
234
16 本草綱目(蟬花)1596年
235
17 東医宝鑑(白殭蚕)1613年
236
18 寿世保元(白殭蚕)1613年または15年
236
19 儒林外史(冬虫夏草)1746年頃
236
20 本草従新(冬虫夏草)1757年
237
21 増補 本草備要(冬虫夏草)年代不詳
237
7
しこう
22 文房肆考図説(冬虫夏草)1775年
238
23 西域聞見録(冬虫夏草)1777年
238
24 衛蔵図識(冬虫夏草)1792年
239
25 柳崖外編(冬虫夏草)1793年
239
26 重慶堂随筆(冬虫夏草)1808年
239
27 四川通志(冬虫夏草)1816年
240
28 黔嚢(冬虫夏草)刊年不詳
240
29 柑園小識(夏草冬虫)年代不詳
240
30 植物名実図考(冬虫夏草)1848年
241
31 李善蘭書『植物学』
(冬虫夏草)1858年
241
32 本草綱目拾遺(冬虫夏草)1832~71年
241
補稿 中国古今の医薬書籍に記載される冬虫夏草 柯伝奎稿より引用
243
第Ⅲ章 冬虫夏草図譜の歴史と冬虫夏草属の各論
247
(1) 西洋の虫生菌(図・図版・図譜)の概略史
248
(2) 西洋の虫生菌(図・図版・図譜)が載る文献の歴史
250
はじめに
250
A 冬虫夏草の図(線画)・図版が多く載る書籍
250
A-1 グレイ『寄主として知られる昆虫についての観察』
(1858年)
250
A-2 トゥラーヌ『精選菌類の子実体学』
(1865年)
256
A-3 クック『冬虫夏草誌』
(1892年)
258
A-4 コヴァル『ソ連邦虫生菌体系』
(1974年)
262
B 冬虫夏草の図・図版が載る論文・書籍
266
B-1 レオミュール「中国で冬虫夏草と呼ばれている虫であり草であるものの所見」
(1726年)
266
B-2 ヴァイヤン『パリ植物誌』
(1727-29年)
266
B-3 ブクスバウム『今世紀のあまり知られていない植物』
(1733年)
266
B-4 トルービア『スペイン博物誌覚書』
(1754年)
267
B-5 エドワーズ『博物誌集成』
(1764年)
267
B-6 ワットソン「植物性飛ぶ昆虫と呼ばれる昆虫の説明」
(1764年)
268
B-7 ボンダロア「植物発生が見られる昆虫について」
(1771年)
269
B-8 ミュラー「Observatio XLV」
(1770年)
269
B-9 エーデル『デンマーク植物誌』
(1775年)
270
B-10 ホルムスキョールド「いくつかの隠花植物についての論考」
(1781年)
270
B-11 ボルトン「ハリファックス周辺の菌類誌」
(1889年)
271
B-12 ソアビー『英国菌類彩色図譜』
(1797年、1803年)
271
B-13 シュトルム『ドイツのきのこ』
(1817年、1837年)
272
B-14 ウエストウッド「昆虫に寄生する菌類その他」
(1841-43年)
273
B-15 バークレー①②「Decades of fungi」
(1848年)、③「隠花植物入門」
(1857年)、
④『英国菌類学概観』
(1860年)
冬虫夏草の文化誌
273
8
B-16 ソシュール『スズメバチ科の研究』
(1853-58年)
(3) 冬虫夏草の各論
274
275
(1)サナギ
275
①サナギタケの和文献史
275
1.シロサナギタケの文献探索とシロサナギタケとサナギタケとの比較
277
覚書1 ウラジオストクで採集したCordyceps albo-citrinusについて
277
2.Cordyceps albo-citrinusと採集したCordyceps属の比較
278
3.ウスキサナギタケとCordyceps difusiporaの比較
278
附録 ロシアでKoval女史によって採集・報告された新種のCordyceps属
280
②図譜から見たサナギタケのⒶ学名の変遷とⒷ西洋文献史
284
③コナサナギタケ・コナサナギタケモドキの日本文献史
290
④コナサナギタケの西洋文献史(図譜)
290
覚書2 サナギタケとダニの顕微鏡写真
294
覚書3 コナサナギタケの属の変遷
295
⑤ハナサナギタケ(Paecilomyces tenuipes)の西洋・日本の文献史(写真・図譜)
296
覚書4 コナサナギタケとハナサナギタケの鑑別
300
覚書5 産業廃棄物で汚染された雑木林に咲いた?ハナサナギタケ
300
⑥サナギ生虫生菌の和名(和名・学名・命名年・採集年・採集者・採集地・文献名)一覧表
覚書6 寄主をサナギとする虫生菌の雑録
お休み処・いこいの写真:コナサナギタケ・ハナサナギタケ・イラガベニサナギタケ・エダウチタンポサナギタケ
(2)セミ
301
301
304
305
1.セミとセミ生虫生菌の雑学
305
①蟬の玉とスカラベ
305
②セミの漢字・語源・方言・西洋語
305
③日本のセミの種類
307
④昆虫食としてのセミ食
308
⑤セミの生態とセミ生虫生菌
308
⑥寄主セミの種類とセミ生虫生菌の和名
309
補足1 寄主として報告されているセミの種の順位を知る
⑦セミの生態から セミ生虫生菌はいつ頃セミの幼虫に取りつくか-その仮説-
補足2 セミの視覚
309
310
313
⑧覚書1 セミ生虫生菌の歴史から―雑録その1―
314
覚書2 セミ生虫生菌―雑録その2―
315
覚書3 セミ生虫生菌の分類から―雑録その3―
316
⑨セミ生虫生菌が寄主セミの種を選択する理由-空想の世界から-
2. セミタケの雑学
319
320
①蝉殻・セミタケの薬物療法
320
②セミタケが小児の驚癇・夜啼・白内障に効く根拠
322
③セミタケの発生地
323
9
④セミ生虫生菌を喰ったのは誰か
323
⑤菌糸束の損傷と充満
324
閑話休題-創作童話-オオセミタケの願い-
⑥和名セミタケの命名と日本の研究史(明治以後文献史)
324
326
はじめに
326
明治以後のセミタケの和文献史(一部日本人による欧文献を含む)
329
⑦西欧のセミタケ(Cordyceps sobolifera(Hill)Berkley et Broome)の文献史
はじめに
330
330
1 セミタケの初出論文:ウィリアム・ワトソン博士(文1)
「植物性飛ぶ昆虫と呼ばれる昆虫の説明」
(1763年) 330
2 ジョージ・エドワードの論文(文2)
『博物誌集成』
(1764年)
331
3 フジュルー・ドゥ・ボンダロアの論文「植物発生が見られる昆虫について」
(1769年)
(文4)
332
まとめ 三者の論文とその後の文献史概略
337
4 ボンダロア報告以後の文献略記
337
補足3 西欧におけるセミタケの文献史(史料)
3.ツクツクボウシタケ
339
340
①日本・欧米のツクツクボウシタケの命名と研究史
340
②セミタケ(C. sobolifera)とツクツクボウシタケ(Isaria.cicadae)と
ツクツクボウシセミタケ(C. sinclairii Y. Kobayasi)の関係-学名の変遷と語源-
③セミ生虫生菌のアナモルフとテレオモルフ
344
④ツクツクボウシセミタケ(C. sinclairii Kobayasi sp. nov.)の和名・学名の変遷
344
⑤ベトナム・ハノイ市のツクツクボウシタケ
345
1. バッタオ公園・レーニン公園
345
2. 日本大使公邸庭園
350
補足4 ベトナムの昆虫食(2008年12月18日)
351
⑥ツクツクボウシタケの地中菌糸束
351
4.オオセミタケ
352
①オオセミタケの和名と学名の変遷と文献史
補足5 スコッチムシタケ(C. Scottianus Ollif)を清水大典がセミ寄生と誤認した経緯
352
353
②オオセミタケの結実部・柄の形態の多様性
353
③地上にほうり出されたオオセミタケの不思議
355
はじめに
355
ほうり出されたセミの幼虫
356
まとめ 地中よりほうり出されたセミの幼虫から見えてくるもの
360
補足6 セミ生虫生菌の採集経験から
361
私説 オオセミタケはいつ頃から地上にストロマを出すか
361
④事件簿:オオセミタケの横で生きていたアブラゼミの幼虫
補足7 オオセミタケの菌に感染しても生きていたアブラゼミの幼虫と顕微鏡所見
⑤オオセミタケの大発生の坪が消失する訳
5.その他のセミ生虫菌
冬虫夏草の文化誌
343
362
364
365
365
10
①セミノハリセンボン(Isaria takamizusanensis Y. Kobayasi)
補足8 セミノハリセンボン完全型の創出
②セミの成虫に寄生する接合菌類
365
365
367
1. セミカビ(白彊病)Beauveria bassiana(Bals.)Vuillバッカクキン科(Clavicipitaceae)
367
2. Graphium cicadicola Speg.
368
3. 十七年セミとセミカビ Massospora cicadina PECK.
368
補足9 十七年セミ(素数セミ)とセミカビ
372
4. 黒彊病菌 Metarrhizium Anisopliae(Metsch.)SOR.モニリア科(Moniliaceae)
373
5. Metarrhizium cicadinum(Höhnel)Petch
375
6. Oospora obducens Syd.=Cicadocola cicadarum(Šulc)Bain [as ‘cicadanim’] 1923
375
7. Saccharomyces Cicadarum Sulc=Cicadocola サッカロミケス科(Saccharomycetaceae)
375
8. Sporotridium minutulum Speg モニリア科(M. Liliaceae)
375
9. ムクゲセミタケ(シンネマタケ)Synnematium graptopsaltriae Y. Kobayasi
375
③Cordyceps sheerringiiにおける小林義雄の誤り
6. 日本のセミ生(幼虫・成虫)虫生菌について
376
376
はじめに
376
①セミ生虫生菌(和名・学名・文献・雑誌『冬虫夏草』初出文献)一覧表(No1)
376
②セミ生虫生菌の形態(子座・地上柄・地中柄)一覧表(No2)
381
③セミ生虫生菌の命名者・採集日・採集地一覧表(No3)
384
④和名のない日本未知種(外国産)のセミ生虫生菌と文献一覧
387
お休み処・憩いの写真:清水大典セミの諸原図
(3)カメムシ
389
392
1 カメムシタケの和文献史
392
①カメムシタケ雑記
393
②ミミカキタケの方言と効用
394
③採集地名の特長
394
④カメムシタケの和文献史
395
覚書1 カメムシタケの学名を命名したパトゥラールの初出論文(1887)
396
覚書2 カメムシタケの報告に寄与した日野巌
397
覚書3 宣教師と冬虫夏草
398
2 カメムシタケ(C. nutans Patouillard )の欧文献史
398
①カメムシ生虫生菌の和名・学名一覧
399
②カメムシ生虫生菌の和名・学名一覧チャート表
400
③寄主カメムシの種類
400
④生態観察記録の諸情報
403
覚書4 福岡県八女市宮ノ尾のカメムシタケ採集記
⑤カメムシの雑録
404
405
覚書5 ボーベリアに感染しながら生きたまま這いずり回るカメムシの採集
⑥私説:子実柄の長・短・屈曲・下垂の理由・二次寄生の多い理由
11
405
406
⑦カメムシを寄主とする冬虫夏草属の雑録
406
お休み処・憩いの写真:A カメムシタケの柄の長短・結実部形態・色彩・寄主カメムシの種類・顕微鏡所見
407
お休み処・憩いの写真:清水大典が描いたカメムシ生虫生菌の諸原図
409
(4)アリ
410
1. アリとアリ生虫生菌の雑学
410
①アリ学の先達
410
②アリの雑学
410
③アリのA:種類・B:生息地・C:解剖と子実柄の発生部位
412
A:日本のアリ(7600種・262種の和名のうち33種)の中で代表的な種名
412
B:アリの生息地・営巣場所
412
C:アリの子実柄の発生部位
412
補足1 シロアリが虫生菌を食する理由
413
覚書1 アリ生虫生菌と寄主アリの種類
413
覚書2 和名のあるアリ生虫生菌の報告年
414
2.アリタケの雑学
414
①アリタケの和文献史と図譜の歴史
414
覚書3 日本のアリタケの図譜
415
1. アリタケの異名
417
2. アリヤドリタケの文献史
417
3. マルミノアリタケの文献史
417
覚書4 アリ生虫生菌の雑録
417
4.アシブトアリタケ・アポイアリタケ・アリヤドリタンポタケの諸文献
418
5.ニューギニアトゲアリタケの和・洋文献
418
補足2 アリ生虫生菌の和名に対する筆者の不満
②アリ生虫生菌の西洋の文献史と図譜の歴史
419
覚書5 西洋のアリ生虫生菌の初出図譜
429
覚書6 アリ生虫生菌の外国の初出文献
430
③虫生菌に感染したアリの諸行動
430
④アリ生虫生菌が葉・樹皮・小枝にしがみつくわけ
431
⑤アリ生虫菌の前眼部はなぜ白い
432
⑥コブガタアリタケの虫生菌に感染しながら生きていたムネアカオオアリ
432
⑦アリ生虫生菌の墓標
433
⑧アリ生虫生菌の子実柄生長の映像
433
⑨タイワンアリタケとイトヒキミジンアリタケの顕微鏡所見
434
⑩そのほかのアリ生虫生菌の文献史
434
⑪アリ生虫生菌の不完全菌(Anamorph)の種類
434
補足3 Cordyceps sheerringiiにおける小林義雄論文の誤り
冬虫夏草の文化誌
419
435
⑫日本のアリ生虫生菌の和名(採集者・採集年・採集地)一覧
436
⑬清水大典が描いたアリ生虫生菌の諸原図
438
12
⑭お休み処・憩いの写真:諸氏が採集したアリ生虫生菌
(5)ハチ
439
440
1. ハチの雑学
440
2. ハチ生虫生菌の文献
440
覚書1 ハチ生虫生菌の不完全菌の種類
442
3. ハチ生虫生菌(ハチタケ・ツキヌキハチタケ・トガリスズメバチタケ)の雑録
442
4. 日本のハチ生虫生菌の和名(採集者・採集年・採集地)一覧表
444
お休み処・憩いの写真:ハチタケの子実体の形態とハチ生虫生菌
445
(6)ハエ・アブ
446
1. ハエ・アブの雑学
446
2. ハエ・アブ生虫生菌の和文献略史
446
2次寄生と生活環境
446
表1 ハエ・アブの虫生菌名
446
表2 寄主をハエ・アブとする虫生菌検索チャート
447
3. ハエ・アブ生虫生菌のA:正名 B:裸名 C:日本で未産 D:仮名
448
お休み処・憩いの写真:ハエ・アブ生虫生菌
458
(7)トンボ
459
1. ヤゴとトンボの生態
459
・トンボの産卵方法
459
・トンボの寿命
459
覚書1 ヤンマタケの寄主の種類
459
2. ヤンマタケ(Hymemonostilbe odonatae Kobayasi)の文献と文献史概略
459
3. ヤンマタケの発生場所(坪)図5
461
覚書2 ヤンマタケの発生環境図(番号は寄主トンボの和名を示す/図:宇梶清一)図5
461
覚書3 ヤンマタケの固着から脱落直前までの過程
461
4. ヤンマタケの着生植物
462
5. ヤンマタケの採集地・採集月
462
6. ヤンマタケの経時観察
462
7. ヤンマタケの菌はすでに水中のヤゴに寄生しているのではないか
462
8. 筆者のヤンマタケ採集記
462
覚書4 ヤンマタケに対する筆者の疑問
463
9. タンポヤンマタケ(Coldyceps odonatae Kobayasi)
463
10. マノコガネヤンマタケ(C. sp)
463
(8)オサムシ
464
1. オサムシの生態
464
補足1 オサムシの種類
464
覚書1 オサムシとオサムシタケの関係
464
覚書2 オサムシタケの寄主となるオサムシの種類
465
覚書3 オサムシが捕食する主な生物害虫(日本産害虫の天敵目録より)
465
13
2. オサムシタケ・オサムシタンポタケの和文献史
466
3. 和文献史概略
466
補足1 薬師寺英次郎のプロフィール
467
補足2 オサムシタケの経過観察(追記)
469
覚書4 オサムシタケ野外移植接種事件の顛末
470
4. オサムシタケとオサムシタンポタケ
471
5. オサムシタケ・オサムシタンポタケの採集地と採集年月日
471
覚書5 昭和天皇の机上にオサムシタケが発生した!
474
覚書6 オサムシタケとオサムシタンポタケへの疑問
474
6. オサムシタケとオサムシタンポタケの雑録
(9)キマワリ
475
1. ヒメクチキタンポタケの文献史
475
2. ヒメクチキタンポタケ採集記(その1)
478
はじめに
478
(a) 寄主キマワリの生態-幼虫と成虫-
478
(b) ヒメクチキタンポタケの発生地と大発生
479
(c) 採集記
479
ヒメクチキタンポタケ採集記(その2)
479
ヒメクチキタンポタケの大発生時に採集した一部
479
(d) ヒメクチキタンポタケの大発生(その3)
480
(e) キマワリの幼虫が虫生菌(ヒメクチキタンポタケ)に感染する機会と経路
480
(f) ヒメクチキタンポタケの発生期から老熟期まで(幼菌・成菌・老菌)
480
3. ヒメクチキタンポタケの形態-その形態変化の多様性-
481
①柄(ストロマ)の特徴(Speciality of Stroma)-その概略-
481
②結実部の特徴(形態・発生部位・数量・柄との関係・成熟度)
484
③アナモルフとテレオモルフ
485
4. ヒメクチキタンポタケ結実部の2次寄生・カビ寄生
485
5. キマワリの幼虫を寄主とする別の虫生菌(クチキムシツブタケ・クチキアワノミタケ)
486
お休み処・憩いの写真:朽木内に発生する虫生菌
492
(10)大型の鱗翅類の幼虫―コウモリガ・ボクトウガなど―
冬虫夏草の文化誌
475
493
No.1 新称イタドリムシオオハリタケ Cordyceps. sp
493
No.2 オオトウチュウカソウ(大冬虫夏草)C. robertsii(Hooker)Berkeley
493
No.3 トサカイモムシタケ C. submilitaris Henn.
494
No.4 オオノムシタケ(大冬虫夏草)C. Nawai HARA, n. sp
495
No.5 イモムシタケ C. kyusyuensis KAWAM. sp. nov
495
No.6 ミドリトサカタケ(Metacordyceps sp.)旧名 C. indeigotica KOBAYASI et SHIMIZU
496
No.7 デワノイモムシタケ C. sp
497
No.8 クサギムシタケ C. hepialidicola Y. KOBAYASI et D. SHIMIZU, sp. nov
497
No.9 ベニイモムシタケ C. Ootakiensis Y. KOBAYASI et SHIMIZU sp. nov.
498
14
No.10 クズノイモムシツブタケ(Ophiocordyceps sp.)
498
No.11 オオイタドリの根塊に生息する昆虫病原菌(2次寄生菌を含む)
499
1. 新称 イタドリムシオオハリタケ No.1
499
2. ミドリトサカタケ No.6
500
3. クサギムシタケ No.8
500
4. オオイタドリの根塊に生息する昆虫の二次寄生菌
501
(11)白彊蚕
502
はじめに
502
1 中国の古典医書から白疆蚕を探る―『馬王堆医書-五十病方』から―
502
閑話休題 小林義雄の仮説―白彊蚕―
503
覚書1 『本草綱目』の白彊蚕の薬物史
504
2 江戸期の養蚕書・薬用書・本草書から白彊蚕を探る
506
『養蚕図会』
(1786年)
506
『養蚕秘録』
(1803年)
506
『蚕飼絹篩大成』
(1813年)
507
『増補手板発蒙』
(1823年)
507
3 近代~現代の白彊蚕研究年史
508
4 西洋の白彊蚕史概略―Beauveria bassiana(Balsamo)Vuilleminの命名に至る学名の変遷―
519
閑話休題 ―昆虫病原菌に冒されても羽化した私ギフチョウです―
520
補足1 昆虫病原菌の立場から考えたボーベリア菌の一生
523
補足2 ギフチョウの飼育蛹から発生した冬虫夏草
524
5 蚕の昆虫病原菌―白彊病・黄彊病・緑彊病・黒彊病・そのほか―
524
①白彊病[Beauveria bassiana(Balsamo)Vuillemin]
524
②黄彊病[Beauveria bassiana(Balsamo)Vuillemin]
525
③緑彊病[Nomuraea prasina Maublanc=Nomuraea riley(Farlow)Samson(=Spicaria prasina)] 526
④黒彊病[Metarhizium anisopliae(Metschnikoff)Sorokin]
526
⑤絹毛状白彊病[Verticillium lecanii(Zimmermann)Viegas]
527
⑥類似白彊病[Paecilomyces farinosus(Dickson ex Fries)Brown et Smith]
527
⑦赤彊病[Paecilomyces fumosoroseus(Wize)Brown et Smith]
527
⑧紫赤彊病[Paecilomyces lilacinus(Thom)Samson]
527
⑨赤色黄彊病[Beauveria brongniartii(Saccardo)Petch]
527
⑩サツマカビ病[Hirsutella satumaensis Aoki]
527
お休み処・憩いの写真:ボーベリアに感染した昆虫たち
第Ⅳ章 冬虫夏草研究の過去と未来をみつめて
528
529
(1) 清水大典の日記・記録・ノートが伝えること 冬虫夏草発生環境の植生
530
(2) 新しい冬虫夏草の分類体系について 形態分類から遺伝子分類へ
532
(3) 冬虫夏草(虫生菌)の不思議 Q and A
535
A 虫生菌から見た不思議
535
15
B 寄主昆虫から見た不思議
540
閑話休題 冬虫夏草をアートに高めた人々
542
第Ⅴ章 冬虫夏草と漢方・菌類と眼疾患
549
(1) 薬膳料理とその効能
550
(2) 菌類と眼科疾患(ピシュム感染症・角膜真菌症・ヒストプラスモジス症)
552
第Ⅵ章 はてしない冬虫夏草探索
557
(1) 京都の冬虫夏草研究の夜明け
558
京都で初めて採集された冬虫夏草はアリタケ!
558
虫生菌採集に際して
567
補足1 よく観察しないと冬虫夏草と間違えやすい自然からの贈り物
569
(2) 京都府・大阪府(高槻市・茨木市)の冬虫夏草
574
(3) 冬虫夏草属の生態経過観察
699
(4) ストロマ(子実体)いろいろ
714
(5) 未同定の虫生菌
718
※採録種の一覧はP.20を参照
お休み処・憩いの写真:クモ生虫生菌・未同定の虫生菌
第Ⅶ章 資料編
720
721
(1) 冬虫夏草属(一部昆虫病原菌を含む)の用語集
722
(2) 冬虫夏草属(一部昆虫病原菌を含む)の和名の語彙の由来
763
はじめに
763
①和名の語彙の特徴
819
コラム1 和名の命名と命名への10年前の筆者の考え
②和名命名への新しい筆者の提言
821
821
(3) 冬虫夏草の和名(学名)一覧表
823
③和名の現状
837
(4) 廃棄名・前和名・変種名・改名等異名同種を示す和名一覧表
838
コラム2 小林義雄・清水大典が学名を記述したが和名を冠しなかった冬虫夏草属名の一覧
841
コラム3 和名採録の結果
843
(5) 冬虫夏草属(一部昆虫病原菌を含む)の学名の語源と語彙の特徴
844
(6) 冬虫夏草属(一部昆虫病原菌を含む)の中国名の語源
-①中国名 ②発音 ③和名 ④学名 ⑤種小名の語釈-
866
覚書4 中国語の語彙の特徴
875
(7) 『冬虫夏草文化誌』本著の総合参考文献(引用文献)
あとがき
冬虫夏草の文化誌
877
882
16
Contents
Preface
2
Ⅰ Invitation to tōchūkasō
23
(1) Why people has been amazed at tōchūkasō
24
(2) Ancestor imaged tōchūkasō
28
Ⅱ Tōchūkasō depicted books in Japan and China
39
(1) Explore the pathogenic bacteria (Beauvaria, Cordyceps)
from the Japanese Classical Documents
40
•Explore the pathogenic bacteria (Beauvaria, Cordyceps)
from the Japanese Classical Documents
1 Fudoki, Nihon Shoki and Dajōkan Kanpu・2 Wamyō Ruijushō・3 Ishinpō・4 Yasuyori Honzō・
5 Igaku Tenshōki・6 Ihō Meikan・7 Wakan Sansai Zue・8 Yōyaku Shuchi・9 Shobutsu Ruisan・
10 Bussan Nikki・11 Kairiku Nimotsu Kakiage・12 Kyokuzan Sensei Bunkairoku・13 From the
exhibition of the medicines and products in Edo era・14 Zoku Konyō Manroku・15-1 Thunberg
and Siebold observed tōchūkasō・15-2 Siebold brought back tōchūkasō・16 Ryuki Konchū
Shaseichō・17 Shichitou Junkenshi・18 Tōyūki・19 Nagasaki Bunkenroku・20-1 Tōchūkasō
Ikiutsusi・20-2 Tōchūkasō Shashin・20-3 Kōseihozassankinbu・21 Shichigon Nigyōsho・22 Kanden
Jihitsu・23 Itou Furoku・24 Buppin Shikimei・ Mizutani Hōbun Shasin Zen・Chūfu・25 Kinshi・
26 Senchūfu・27 Shokoku Sanbutsuchō・27-1 Sangoku Meibutsushi・27-2 Shinano Kishōroku・
27-3 Awa Sanshi・28 Kinpu・29 Zōho Teitahatsumou・30 Chūryō Manroku・31-1 Sōmoku Seifu・
31-2 Seji Hyakudan・31-3 Zōtei Yamato Honzō・32 Ishikawa Hachita Shōtoku Hikki・33 Kassi
Yawa sequel・34 Tōdō Ihitsu・35 Baien Kinpu・36 Shitouen Shochūzu・37 Honzō Zusetsu・
38 Chūfu Zusetsu・39 Kenkadō Zatsuroku・40 Unkin Zuihitsu・41 Jakusō Kinpu・42 Tanshū
Kinpu・43 Honzō Chōjūgyokai Zuhu・44 Sōmoku Zui・45 Chūchi Zufu
(2) Tōchūkasō depicted books in Japan after Meiji era and its researchers
1 Tokyo National Museum owned illustrated catalogs of natural history ・2 Hyakuchū Shiga・
3 Chikumaken Shinanohida Bussanmokuroku・4-1 Nihon Sanbutsushi・4-2 Kinka Chūfu・
5 Chikugo Chisiryaku・6 What is Kinezemi, which aredepicted in Kazō Gogen Zufu and Ryōu
Hakubutsu Zufu・7 Mie Honzōkō・8 Echigo Kinpu・9 Tōchūkasō depicted botanical textbooks,
botanical illustrated books, botanical journals and insect journals・10 Uichi Ōue depicted
tōchūkasō in Tōchūkasō Sankō Isetsu and Kinrui Ikō・11 Atsushi Yasuda depicted tōchūkasō・
12 Kumagusu Minakata depicted tōchūkasō・13 Shokubutsu Yōikō・14 Kanesuke Hara depicted
tōchūkasō・15 Genshokuban Nihon Kinrui Zufu・16 Eijirō Yakushiji and Masao Kumazawa
depicted osamusitake(Tilachlidiopsis nigra)・17 Tōchūkasō from Insect Journal published before
World War Ⅱ and during the ・war・18 Minoru Aoki depicted tōchūkasō published by Nihon
Kinoko Zuhan・19 Tōchūkasō Journal ・20 Tōchūkasō depicted pictorials books of Japanese flora
and encyclopedia after world war two・21 Yoshio Kobayashi depicted tōchūkasō・22 Daisuke
Shimizu depicted tōchūkasō
17
143
(3) Tōchūkasō depicted books in China and Korea
229
1 Liji (Classic of Rites)・2 Shennong Bencao Jing (The Divine Farmer's Materia Medica)・
3 Leigong Paozhi Lun (Lei's Treatise on Preparing Drugs)・4 Shennong Bencao Jing Jizhu
(Commentaries of the Divine Farmer's Materia ・Medica)・5 Xin Xiu Bencao (Newly Compiled
Canon of Materia Medica)・6 Bencao Shiyi (Supplement to Materia Medica)・7 Youyang Zazu
(Miscellaneous Morsels from Youyang) ・8 Yibu Fangwu Lueji ・9 Jia You Bu Zhu Bencao
(Additional notes of Materia Medica published in Jia You period)・10 Tu Jing Bencao (Illustrated
book on Materia Medica)・11 Jingshi Zhenglei Beiji Bencao (Classified Materia Medica for
Emergencies)・12 Bencao Yan Yi (Description of Materia Medica)・13 Xixi Congyu ・14 Chongxiu
Zhenghe Jingshi Zhenglei Beiji Bencao (Classified Materia Medica by essential characters)・
15 Bencao Pinhui Jingyao・16 Bencao Gangmu (Compendium of Materia Medica)・17 Dongyi
Baojian (Precious Mirror for Oriental Medicine)・18 Shoushi Baoyuan (Longevity and Life
Preservation)・19 Rulin Waishi (The Scholars)・20 Bencao Congxing (Materia Medica again)・
21 Zengbu Bencao Beiyao (Revised and enlarged edition of the preparation of essentials for
material medica)・22 Wengfang Sikao Tushuo・23 Xiyu wenjian lu (Record of things seen and
heard in the Western regions)・24 Weizang Tushi (Geography of Weizang)・25 Liuya Waibian
(Unauthorized compilations of Willow Cliff )・26 Chongging Tang Suibi (Essays from the House
of Chongging)・27 Sichuan tongzhi (Local gazetter of Sichuan)・28 Qiannang (Black bag)・
29 Ganyuan Xiaoshi (Little Knowledge in the Tangerine Garden)・30 Zhiwu mingshi tukao (The
study of facts and name of plant with illustration)・31 Zhiwuxue (Elements of botany)・32 Bencao
Gangmu Shiyi (A supplement to compendium of materia medica)
Ⅲ Illustrated catalogs, plates and figures of tōchūkasō and discussions on tōchūkasō
(1) Brief History of Western Illustrated Catalogue on Tōhchūkasō
247
248
1 Gray, G. R. “Notices of insects that are known to form the bases of fungoid parasites”
2 Tulasne, L. R. & C. “Selecta fungorum carpologia”
3 Cooke, M.C. “Vegetable Wasps and Plant Worms”
4 Ковалъ,Э.З. “ОпределительэнтомофильныхгрибовСССР”
(2) History of the Western World Literatures on Tōhchūkasō with Illustrations
1 Réaumur , R. A. F. de “Remarques sur la plante appellée a la Chine Hia Tsao Tom Tchom, ou
plante ver”・2 Vaillant, S. ”Botanicon Parisiense”・3 Buxbaum, J. C. “Plantarum minus cognitarum
centuria” ・4 Torrubia, J.”Aparato para la Historia Natural Española”・5 Edward, G. “Gleanings of
Natural History”・6 Watson, W. “An Account of the In sect called the Vegetable Fly”・7 Fougeroux
de Bondaroy “Mémoire sur des Insectes sur lesquels on trouve des Plantes”・8 Müller, O. T.
“Ovservatio XLV” and “Flora Danica”・9 Holmskjold, T.“Afhandling om nogle Kryptogamer”・
10 Bolton, J. “An History of Fungusses, growing about Halifax”・11 Sowerby, J. “Coloured
Fig.ures of English fungi or mushrooms”・12 “Die Pilze Deutschlands”・ 13 Westwood, J. O.
“Fungi, &c., parasitic upon Insects”・ 14 Berkeley, M.J. “Decades of fungi”, “Introduction to the
Cryptogamic Botany” and “Outlines of British Fungolgy・15 de Saussure, H. L. F. “Études sur la
Famille des Vespides”
冬虫夏草の文化誌
18
250
(3) Discussions on tōchūkasō
275
1 Pupa・2 Cicada・3 Shield bug・4 Ant・5 Wasp and hornet・6 Fly and gadfly・7 Dragonfly・
8 Ground beetle・9 Darkling beetle・10 Large size pupae of Lepidopterans・11 Deer Truffle・
12 White muscardine disease
Ⅳ On some past and future studies of tōchūkasō
529
(1) From the diary, memos and notes of Daisuke Shimizu
530
(2) On new taxonomy of tōchūkasō
532
(3) Question and answer on tōchūkasō
535
Ⅴ Tōchūkasō as traditional Chinese medicine and Ophthalmopathy caused by fungi
549
(1) Herbal Medicine Cooking and its Efficacy
550
(2) Fungi and eye disease(Pythium Infectious Disease)
552
Ⅵ Endless searching journey of tōchūkasō
557
(1) Dawn of the tōchūkasō study in Kyoto
558
(2) Tōchūkasō in Kyoto and Osaka (Takatsuki & Ibaraki Cities) Prefectures
574
(3) Observation of tōchūkasō growth process
699
(4) Break with Picture Relaxation: Various aspects of stroma
714
(5) Time to enjoy: Spider parasitic fungi and unidentified parasitic fungi
718
Ⅶ Reference materials
721
(1) Glossary for tōchūkasō
722
(2) Origin of Japanese tōchūkasō name
763
(3) List of Japanese and scientific name of tōchūkasō
823
(4) List of different names of same species including rejected name, former name and so on
838
(5) Characteristics of scientific name from the point of view of words and etymology
844
(6) Etymology of Chinese tōchūkasō name
866
(7) Bibliography of tōchūkasō
877
Postscript
882
19
京都府・大阪府(高槻市・茨木市)の冬虫夏草
はじめに
574
本図譜の使い方
575
カメムシ(有吻)目に生ずる冬虫夏草
576
アブラゼミタケ
576
ウスキタンポセミタケ
577
ウメムラセミタケ
578
エゾハルゼミタケ
579
オオセミタケ
580
キアシオオゼミタケ(シロマキセミタケ)
582
コニシセミタケ
583
セミタケ
584
セミノハリセンボン
585
ツクツクホウシセミタケ
586
ツクツクホウシタケ
587
ツブノセミタケ
588
ハナアブラゼミタケ
589
ハヤカワセミタケ
590
セミ生不明種(セミノハリセンボンの完全型)
591
セミ生不明種
592
セミカビの仲間
593
アワフキムシタケ
594
マイヅルヨコバイタケ
595
カメムシタケ
596
イリオモテカイガラムシタケ
597
カイガラムシキイロツブタケ
598
シロミノカイガラムシタケ
599
カイガラムシツブタケ
599
ハダニベニイロツブタケ(カイガラムシ生)
600
川上橙色虫生菌(カイガラムシ生)
602
アブラムシ生不明種
603
チョウ(鱗翅)目に生ずる冬虫夏草
604
イタドリムシオオハリタケ(仮称)
604
イモムシタケ
605
ウスキサナギタケ
606
冬虫夏草の文化誌
ガヤドリナガミノツブタケ
607
ガヤドリタケの仲間
608
クサギムシタケ
609
クサナギヒメタンポタケ
610
クズノイモムシツブタケ(仮称)
611
コツブイモムシハリタケ
612
コナサナギタケ
613
サナギタケ
614
シャクトリムシハリセンボン
615
スカシヒメハリタケ(?)
616
ハトジムシハリタケ
617
トサカイモムシタケ
617
ハナサナギタケ
618
ヒメサナギタケ
619
ヒメサナギタケモドキ
620
ホソエノコベニムシタケ(山形型)
621
ホソエノコベニムシタケ(財田型)
622
ミドリトサカタケ
623
せききょう
赤彊病菌
りょく
きょう
緑彊病菌
甲虫(鞘翅)目に生ずる冬虫夏草
20
624
624
625
ウスイロタンポタケ
625
エダウチツトノミタケ
626
オイラセクチキムシタケ
627
オサムシタケ
628
キマワリアラゲツトノミタケ
629
クチキアワノミタケ
630
クチキカノツノタケ
631
クチキツトノミタケ
632
クチキフサノミタケ
633
クチキムシツブタケ
634
コガネムシタンポタケ
636
コガネムシハナヤスリタケ
637
コメツキムシタケ
638
コロモコメツキムシタケ
639
ジムシヤドリタケ
640
クモタケ
673
シュイロクチキタンポタケ
641
クモノエツキツブタケ
674
テッポウムシタケ
642
コエダクモタケ
674
ナガホノケンガタムシタケ
642
コゴメクモタケ
675
ハマキムシイトハリタケ
643
ツキダシハスノミクモタケ
676
ヒメクチキタンポタケ
644
ハトミネクモタケ
676
マイヅルナガエムシタケ
646
クモ生不明種
679
マヤサンエツキムシタケ
647
ミチノクコガネツブタケ
648
ミドリクチキムシタケ
649
ムラサキクビオレタケ
650
リョウガミクチキツブタケ
651
コガネムシ類幼虫生不明種
652
ツチダンゴ(地中生のキノコ)に
生ずる冬虫夏草
681
アブクマタンポタケ
681
アマミツチダンゴツブタケ
682
エゾタンポタケ
683
エゾハナヤスリタケ
684
653
シロネハナヤスリタケ
685
アリヤドリタンポタケ
653
タンポタケ
686
イトヒキミジンアリタケ
654
タンポタケモドキ
687
マルミアリタケ
656
ヌメリタンポタケ
688
トガリスズメバチタケ
657
ハナヤスリタケ
689
ハチタケ
658
ミヤマタンポタケ
690
ヒメハリタケ
658
ツチダンゴ生不明種
691
ハチの繭生不明種
659
ハチの繭生不明種(不完全型)
660
ハチ(膜翅)目に生ずる冬虫夏草
トンボ目に生ずる冬虫夏草
ヤンマタケ
ハエ(双翅)目に生ずる冬虫夏草
目を越えて広範囲の昆虫やクモに
生ずる冬虫夏草や重複寄生菌
692
アリノミジンツブタケ
692
661
フタイロスカシツブタケ
692
662
ハゴロモ生不明種
693
黒彊病菌
694
コメツキヤドリシロツブタケ
695
661
クサアブタンポタケ(仮称)
662
サビイロクビオレタケ
663
ハエヤドリタケ
664
ハガクレシロツブタケ
665
アブ蛹生不明種
666
ホソエノアカクビオレタケ
667
マユダマヤドリバエタケ
668
クモ目に生ずる冬虫夏草
669
ウスジロクモタケ
669
オクニッカワクモタケ
669
ギベルラの仲間1~5
670
はっ きょう
21
白彊病菌
696
マユダマタケ
697
シロサンゴタケ
698