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評価結果

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平成 23 年度 かんしょ品質評価試験 (焼酎)
霧島酒造株式会社
<目的>
焼酎醸造適性の新品種甘藷を開発するために、九州沖縄農業研究センターにおいて平
成 23 年度に収穫された 7 系統の甘しょとコガネセンガン、ムラサキマサリ(対照品種)を用いて、
甘しょ製焼酎の醸造試験を実施した。
<甘しょ製焼酎醸造試験で用いた甘しょの特性>
表 1 甘しょの供試系統および対照品種の特徴
供試系
統
品種写真
色
色
(皮)
(果肉)
用途
栽培特徴
澱粉価
(%)
食味特徴
甘味
九系 290
淡黄橙
淡黄橙
焼酎
滑らか
ヤニ少ない
原料用
多収
貯蔵性易
栗様
29.72
外観上
ホクホク
柔らかい
美味しい
九系 291
九系 295
九系 296
白
白
滑らか
ヤニ少ない
白
白
丸型
ヤニ少ない
白
黄橙
丸型
ヤニ少々
焼酎
澱粉
原料用
甘味
直播栽培適性
貯蔵性中
25.60
野菜風味
しっとり硬い
美味しい
澱粉
高デンプン多収
焼酎
センチュウ抵抗
原料用
性
焼酎
高デンプン多収
澱粉
ネコブセンチュ
原料用
ウ抵抗性
粉っぽい
30.30
甘味がない
栗様
ほくほく
ホクホク
30.72
甘味
粉っぽい
美味しい
品種
九系 297
九系 271
品種写真
色
色
(皮)
(果肉)
白
白
滑らか
ヤニ少々
(対照品)
り
貯蔵性ヤヤ易
黄白
焼酎
多収
ヤニ少ない
原料用
貯蔵性やや難
濃紫
濃紫
号
滑らか
ヤニ多い
マサリ
(対照品)
色素
加工
原料用
食味特徴
28.38
しっとり
水分多い
美味しい
原料用
九州 166
ムラサキ
センチュウ抵抗性
多収
ヤニ少々
シワあ
原料用
耐老化性でん粉
澱粉
丸型
ンガン
澱粉
(%)
甘み強い
高澱粉
淡黄白
黄白
低温糊化
栽培特徴
焼酎
淡黄白
コガネセ
澱粉価
用途
パサパサ
30.46
粉っぽい
甘味少々
栗様
28.09
ホクホク
甘味がある
甘味少々
高アントシアニン
貯蔵性易
27.03
苦味
青臭
ホクホク
甘味、ホクホ
濃紫
紫
焼酎
高アントシアニン
滑らか
ヤニ少ない
原料用
貯蔵性易
30.16
ク
少し苦味
●新品種甘藷の特徴および食味結果
新品種甘藷は、全体的に例年より小ぶりであり、九系 291以外は対照のコガネセンガンよ
りデンプン価が高かった。紫甘藷九州 166 号のデンプン価は 27.03 であった。全体的に
甘藷表面は滑らかで外観も良かったが、コガネセンガンのみシワがみられた。九州 166
号は他品種より切断面のヤニが多かった。食味評価を行った結果、全体的に食味は良好
で九系 291、九系 297 は甘味が強く感じられた。澱粉価が高い品種については「ホクホク、
粉っぽい、パサパサ」という評価が得られた。九州 166 号は苦味、青臭があった。
<醸造試験>
●仕込み条件
○仕込み配合
・米:0.5kg
・甘藷:各 2.5kg
・黒麹菌、鹿児島 5 号酵母
・総仕込み水:2.01L (総原料に対して 67%の割合)
○蒸留:ガラス蒸留器による常圧蒸留
表2
醸造試験における分析結果
二次醪度数
日本酒度
原酒度数
留液量
蒸留歩合
収得歩合
その他、
(%)
(-)
(%)
(L)
(%)
(L/t)
醸造適性
九系 290
16.09
4.0
39.14
1.50
93.6
230.8
撹拌易
九系 291
14.95
2.0
39.58
1.40
95.5
218.0
撹拌易
九系 295
16.34
5.0
39.96
1.50
94.3
235.8
撹拌易
九系 296
16.62
6.0
37.47
1.65
95.4
243.1
撹拌易
九系 297
16.23
3.5
37.48
1.60
95.2
236.0
撹拌易
九系 271
16.25
5.5
37.24
1.60
94.7
234.5
撹拌易
15.64
4.0
38.55
1.50
94.8
227.3
撹拌易
14.55
-3.0
37.86
1.40
93.6
208.5
撹拌易
15.92
0.5
38.28
1.55
95.8
233.4
撹拌易
甘藷
コガネセンガン
(対照品)
九州 166 号
ムラサキマサリ
(対照品)
●醸造結果
全体的に二次醪における醪の攪拌は容易で、アルコール発酵も良好であった。白系品種
では九系 291 以外の品種はコントロールのコガネセンガンより収得歩合が高く、紫系品種
である九系 166 号はコントロールのムラサキマサリより繊維が多く、収得歩合が低かった。
<官能評価(きき酒)結果>
表 3 官能評価(きき酒)結果 (n=43)
品種名
九系 290
九系 291
九系 295
九系 296
九系 297
九系 271
評価点数
□
(3.74)
□
(3.37)
□
(3.72)
□
(3.40)
×
(1.56)
△
(2.72)
コガネセンガン
□
(対照品)
(3.65)
九州 166 号
コメント抜粋
(平均)
□
(2.91)
ムラサキマサリ
□
(対照品)
(3.98)
甘い香り、フルーティー、華やか、甘味、味がある、辛味、ま
るい、きれい 、スッキリ 、ムレ臭、苦渋味
フルーティー 、甘い香り、芋らしい 、華やか 、甘味、スッキ
リ、きれい 、青臭、芋不良臭、苦味、渋味、辛味
華やか、甘い香り、フルーティー、甘味、スッキリ、きれい、
とろみ、まるみ、苦味、渋味
フルーティー、華やか、甘い香り、芋らしい、甘味、スッキリ、
旨み、やわらかい、ムレ臭 、うすい、苦味、辛味、渋味
フルーティー、スッキリ、青臭、米粉臭、ムレ臭、うすい、苦
味、渋味、辛味、雑味
華やか、甘味、青臭、ムレ臭、末ダレ臭、薄い、苦味、後味悪
い、渋味
芋らしい、甘い香り 、軽快、甘味、きれい、やわらかい、とろ
み、薄い
ヨーグルト臭、特徴香強い、華やか、ワイン様、甘味、青臭、
渋味、辛味
華やか、ヨーグルト臭、ワイン様、フルーティー、甘味、きれ
い、やわらかい、渋味
*評価は 5 点評価(1-×、2-△、3-□、4-○、5-◎)で実施した。
●考察
官能評価(きき酒)の結果、九系 290、九系 291、九系 295、九系 296 の評価が高かった。九
系 290 は性別、年齢を問わず、全体的に評価が高く、女性からの評価が特に高かった。九系
291 は 20 代を中心とした若い世代からの評価が高く、九系 295 は 40 代以上で評価が高かっ
た。
<総評>
今年度醸造試験を行った新品種の甘藷は、全体的に焼酎醸造に適していた。甘みがあり、
味がきれいで、香りや味に特徴を持つものが多く、香味豊かな焼酎が醸造できると考えられ
る。
利き酒結果では、対照品のコガネセンガンと比較すると、芋らしさ、とろみがやや少なかっ
たが、評価は高く、性別、年齢で好みが分かれた。
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