カンボジア(プノンペン) 銀行口座開設レポート

 カンボジア(プノンペン)
銀行口座開設レポート
今回カンボジア・プノンペンにおける不動産視察(4/5-6)をかねて、
カンボジアでの銀行口座開設を行ってきたのでレポートする。
【目的】
◯ 資産分散先としてカンボジアでの銀行口座開設の有効性を検証
◯ 非居住者が銀行口座開設するための条件・プロセスの検証
◯ 銀行間における口座開設プロセス、商品、及びサービスの違いを検証
【総括】
世界中で銀行口座開設が難しくなってきている中、ビザを持たない外国人であっても
パスポートだけで口座開設できるのは魅力的である。但し、これがいつまでも続く訳ではなく
銀行によってはその他の書類を求められるケースもあるので、いまのうちに開設しておくのが得策。
米ドル建てで、しかも 1 年定期の金利が6%(プノンペン商業銀行の場合)は、今の日本の
低金利政策を考えれば、大変魅力的である。また、中長期的にみて為替は円安方向に
進むであろうことから、資産分散として今のうちに外貨を持っておくべき。
さらに、複利で運用出来ることは資産運用する上では大切な事。
5年定期で7.3%。ということは、10年間運用すれば、元本が2倍に!
但し、金利が高いということは、それだけリスクも伴うことは理解しておく必要がある。
カンボジアという新興国の中でもこれからの国では、想定外の出来事が起こりうる可能性が高く
しかも預金保険制度もないことから、銀行が倒産しようものなら、元本含めて帰ってこない。
1つの銀行に集中せず、より大資本で、より財務体質がいいところを選択する必要がある。
金利(リターン)とリスクは相反する、これ基本中の基本・・・・
インターネットバンキングが整備されてないので、基本預けっぱなしでの運用スタイルとなる。
但し、1年間取引がないと手数料がかかる(あるいは口座が凍結される)ので、
期間内に海外送金するなど多少の手間とコストがかかるのを覚悟。
【銀行サービス・商品比較表】
銀行名
創立年月日
企業情報
取り扱い通貨
日本語サポート
所要時間
(混雑状況によ
る)
ATM カード
プノンペン商業銀行
2008年9月1日
日本の SBI ホールディングスと韓国
の現代スイスグループの共同出資
により設立された銀行、プノンペンタ
ワー内の支店には日本人担当者が
駐在するジャンパンデスクサービス
がある。カンボジア国内に10店舗。
米ドル、リエル
あり (ジャパンデスク)
20分程度
カナディアンバンク
1991年11月11日
中国系カナダ人たちとカンボジア国立
銀行(カンボジア中央銀行)の合弁企業
「カナディア・ゴールド&トラスト株式会
社」が出資元。カンボジア全土に 40 余り
の支店をもつ華僑系の商業銀行。
米ドル、リエル、タイバーツ
なし (英語での対応)
40分程度
発行可(発行手数料2米ドル。1000 発行可。Plus マークのある ATM で利用
米ドル以上の預け入れで無料)。カ 可(年間手数料6$)
ンボジア国内の ATM でのみ利用
※保管については未確認
可。最低3営業日での発行。3ヶ月
必要書類
質問事項
(申請用紙への
記入)
程度は銀行にて保管可
パスポート
氏名
居住地の住所・連絡先
カンボジアでの住所・連絡先
メールアドレス
着金手数料
定期への振替
インターネット
バンキング
無料
来店時可(電話不可)
なし
口座種類
最低預け金
金利(年率)
※税引き前
貯蓄口座
100$
1.2%
金利運用方式
単利
所得税
途中解約
口座閉鎖
通帳の再発行
パスポート
氏名
居住地の住所・連絡先
カンボジアでの住所・連絡先
会社名・勤務先住所
職業・職位
メールアドレス
未確認
未確認
あり。但し、送金はカンボジア国内の同
行口座間のみ。残高照会は可能。
定期預金
貯蓄口座
500$
10$
1ヶ月: 2.5%
6ヶ月: 5.0%
12ヶ月: 6.0%
24ヶ月: 6.2%
36ヶ月: 6.7%
48ヶ月: 7.0%
60ヶ月: 7.3%
単利 / 複利
単利
定期預金
1000$
1ヶ月: 0.75%
6ヶ月: 3.5%
12ヶ月:4.75%
24ヶ月: 5.5%
(それ以上は未
確認)
単利 / 複利
(複利は5$/年
の手数料)
居住者:4%
居住者:6%
居住者:4%
居住者:6%
非居住者:14%
非居住者:14% 非居住者:14%
非居住者:14%
n.a.
単利 / 複利
n.a.
3ヶ月以内) 違約
金15$
それ以上) なし
1年間取引がないと凍結(休眠)
1年間取引がないと手数料10$
凍結解除には来店が必要
2年間取引がないと手数料20$
3年間取引がないと手数料30$
※残高がなくなり次第、凍結
未確認
10$(オリジナルパスポート必要)
【ビザについて】
カンボジアはビザの取得が求められる。観光ビザ(30日間有効)の中でも
空港に到着時に申請・取得できる到着(アライバル)ビザで十分。
必要なものは
1)パスポート
2)現金30米ドル(30日の場合)
3)顔写真(もしくは2米ドル)
の3点。
但し、取得するビザの種類によって、所得税の税率が変わることから、
口座開設する為に入国する場合は業務ビザ(e ビザ)の取得を勧める。
なぜなら、6ヶ月以上の e ビザであれば居住者扱いとなり、貯蓄口座は4%、
定期は6%となるが、非居住者はともに14%と高い税金が課税される。
ちなみに、1 年間有効(出入り自由なマルチプル)の e ビザは50$で取得可能なので
1年に2回以上出入りするのであれば、これを機に取得することをお勧めする。
以上。