1 ダービーシャー県の紋章について ダービーシャー県の紋章の原型は、金の背面にテューダー朝の家紋である赤白のバラ をかたどったものと、黒の背面に三頭の牡鹿の頭をあしらったもので、1937 年に県から 紋章として認められました。 そのバラは何世紀もの前から続く古い県の紋からとられたものであり、牡鹿の頭はデ ボンシャー公の許可を得た、キャベンディッシュ家の紋からとったものです。 その際、県は「良き議会とともに」というラテン語「BENE CONSULENDO」を県 のモットーとして採用しました。 1975 年、紋は、かぶと、牡鹿、羊を追加した形で、再度県議会で認可されました。牡 鹿と羊は、9 世紀にデンマーク人の侵略者によって発見され、県にとっても特別に重要 な動物です。 野生の鹿はダービーシャーの中世期初期には多くいたので、多くの鹿に関係する地名 がついています。ダービーやダーリーもこうした地名の一つです。 羊は新石器時代の地方農業の設立期からいましたが、以後県の多くの町で誕生した初 期の服や毛皮産業の原材料となりました。 紋にある竜は、金属の首輪とつるはしを持っていますが、これはバイキングや、鉱業、 土木工事産業で有名なデンマーク人によってこの県が建設されたことを象徴していま す。 2 ダービー特別市の紋章について ダービー特別市の紋章は金の首輪をした羊が一番上にいますが、これは羊が中世にお いてウールと紡績が重要であったことを象徴しているものです。 羊は現在もダービーフットボール・クラブと、この地域の軍の連隊である、マーシャ ル連隊のマスコットです。 かぶとはプランタジネット家のヘルメットで、これはこの地域の最初の憲章が 1154 年プランタジネット家の王であった、ヘンリー2 世によって認められたことを象徴して います。 その他、盾の両側に後ろ足で立ち上がった 2 頭の牡鹿と、公園の牡鹿は、市が 8 世紀、 デーン人が設置したイングランド東部の 5 都市のうちの 1 都市であったこと、そして彼 らが到着した時、この地域が緑豊かな高台で、両側を川に囲まれ、多くの鹿の群れがい たことから、デンマーク語でこの地を「鹿の場所」を意味する DEORABY と命名した ことを表しています。 ラテン語のモットー「INDUSTRIA VIRTUS ET FORTITUDO」は、「勤勉、勇気、 知力」と訳されています。 3 南ダービーシャー市の紋章について 南ダービーシャー市の紋章は、盾、かぶと、紋章の動物及び題銘で成り立っています。 盾は緑の背面に、農業を表した二束の金色の束と、鉄パイプ産業を表した3つの黒い リングをつけた金色の山形の紋からできてきます。金の山形紋は黒色のレンガと組み上 げられており、黄色のレンガの産業を暗示しています。ここにはまた小麦の束が3つあ りますが、これらはチェスターのラヌルフ・デ・ブロンドヴィル伯爵の3つの小麦の束 を表現しています。彼の未亡人であるマチルダは 12 世紀後半、伯爵の修道院に入るた めにレプトンへ移住しました。盾の上には、赤色の背面に白いオコジョの尾を表した有 名なグレスレイ模様があしらわれています。1074 年、この盾の最古の記録が残っていま す。 閉じられたかぶと上には羽飾りがあります。ベースには黒い小山があり、炎が上がっ ていますが、これは石炭の採鉱と耐火粘土産業を表現しています。塔から上がっている 白い雲は水蒸気を表しています。 動物の紋はこの地域の名家であるグレスレイ家とスタンホープ家を表しています。 左側はグレイス家の紋章であるライオンで、右側はハリントンのスタンホープ伯爵の紋 章である狼です。 題銘はラテン語で「Dued mon Droit」(富の地)で、石炭、耐火粘土、黄色レンガの 産業と農業がこの紋章の中に象徴的に表されています。
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