情報理工学科(PDFファイル、3~4MB)

2013 年度上智大学理工学部活動報告書
情報理工学科
目次<五十音順>
※( )内は 2013 年度の職名
荒井 隆行(教授)
・・・・・ 2
田原 秀敏(教授)・・・・・52
伊藤 潔(教授)
・・・・・・ 8
田村 恭久(准教授)
・・・・54
伊呂原 隆(教授)
・・・・・12
辻 元(教授)・・・・・・・56
小川 将克(准教授)
・・・・15
都築 正男(准教授)
・・・・58
大城 佳奈子(助教)
・・・・17
角皆 宏(教授)
・・・・・・60
加藤 剛(准教授)
・・・・・19
中島 俊樹(教授)・・・・・63
川中 彰(教授)
・・・・・・21
中筋 麻貴(准教授)
・・・・65
川端 亮(准教授)
・・・・・23
新倉 貴子(准教授)
・・・・67
後藤 聡史(助教)
・・・・・27
林 等(准教授)
・・・・・・69
五味 靖(准教授)
・・・・・29
萬代 雅希(准教授)
・・・・71
ゴンサルベス タッド(准教授)
・・31
平田 均(助教)
・・・・・・73
笹川 展幸(教授)
・・・・・34
藤井 麻美子(准教授)
・・・75
澁谷 智治(准教授)
・・・・36
宮本 裕一郎(准教授)
・・・77
炭
親良(准教授)
・・・・・39
矢入 郁子(准教授)
・・・・79
高岡 詠子(准教授)
・・・・42
山中 高夫(准教授)
・・・・81
高橋 浩(准教授)
・・・・・47
和保 孝夫(教授)・・・・・83
田中 昌司(教授)
・・・・・50
1
所属
情報理工学科
氏名
荒井
隆行
1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)
研究分野:
音声コミュニケーションにおける科学的探求とその応用
キーワード:
音声コミュニケーション,音声科学,音声生成,音声知覚,音響学,
音の福祉工学・障害者支援,音響音声学,音響教育
など
2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要
があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)
音声コミュニケーションに関わる一連の事象は「ことばの鎖(Speech Chain)」と呼
ばれ、音声科学・聴覚科学における基本的な概念となっているが、その音声コミュニ
ケーションに関係する研究に焦点を当ててきている。この研究がカバーする範囲は、
次のような幅の広い学際的な研究分野を含む:①音響学と教育、②音声学・言語学と
教育、③音声生成を含む音声科学と音声知覚を含む聴覚科学、④音声信号処理・音声
強調、⑤障害音声の音響分析や聴覚障害者・高齢者の音声知覚、⑥ディジタル信号処
理専用プロセッサを用いた実時間信号処理、⑦音声の話者性、⑧その他、音声の福祉
工学・障害者支援、音に関する研究全般など。
以上のテーマにおいて、音声コミュニケーションにおける基礎的・科学的な分野の
探求とその応用を行う。①に関しては特に声道模型を用いた音響教育、あるいはその
他の教材開発などを探求する。②に関しては、音声学的なアプローチにより母語話者
の発音についてや第 2 言語習得者に対する教育的応用などを考える。③に関しては、
音声の両耳融合聴などについて考える。④に関しては誰にでもどこにおいても聞き易
い音声や、音声強調処理としての「定常部抑圧処理」「子音強調・母音抑圧」「零挿入
処理」などについて取り扱う。⑤に関しては、障害音声に関する音響分析や聴覚障害
者・高齢者に対する音声知覚を取り扱う。⑥に関しては、ディジタル信号処理専用プ
ロセッサを使って、定常部抑圧処理や補聴処理、音声のプライバシーのための処理な
どを実時間で扱うための研究を行う。⑦に関しては、音声に含まれる話者性について
追及する。⑧に関しては、その他の音声によるバリアフリーに関わる研究や診断・治
療に関する研究を含む、音声研究全般を取り扱う。
2
①に関したテーマとして以下の研究がある。
まず、2013 年度は国際音響学会議(International Congress on Acoustics)がモントリオ
ール(カナダ)にて開催された。そこでは荒井が以下の2つの講演を行った:
「 Mechanical bent-type models of the human vocal tract consisting of blocks 」
「Learning acoustic phonetics by listening, seeing, and touching」(★招待講演)
そのうちの後者の講演は、招待講演として今までの声道模型を含む音響音声学を中心
とした教育に関する集大成をまとめたもので、スペシャルセッションの中でも重要な
位置を占めるものとなった。また前者は一般講演として、ブロック式の最新の声道模
型についてであった。その講演が、アメリカ音響学会のエディタの目にとまり、その
直後に、アメリカ音響学会が発行する機関誌「Acoustics Today」に記事が掲載された。
なお、同じブロック式の声道模型に関しては、その詳細を日本音響学会研究発表会で
も報告した。
また、上記の招待講演と同様のテーマに関して、日本音響学会研究発表会において
も招待講演を行った:
「視聴覚情報を活用しながら音響音声学を学ぶ」(★招待講演)
一方、世界で音声研究において最も権威のある国際会議 INTERSPEECH にて、以下
の 2 つの講演を行った:
「はじき音と流音を生成する声道模型」
「日本語ラ行子音はどうして子どもにとってその獲得が難しいか?」
このうち後者は「子どもと音声」に関するスペシャルセッションの1つとして講演し
たもので、その中で「はじき音」や「流音」を生成する声道模型を使って論を展開し
た。そして前者では、その「はじき音」と「流音」に関する声道模型をより詳しく議
論した。それらの発表について、聴衆からは非常に高い評価を受けた。なお、「はじき
音・流音」に関する詳細については、それぞれ日本音響学会研究発表会と日本音声学
会全国大会においても発表した。
同様に、「日本語ラ行子音の構音に関する難しさ」をテーマに、日本コミュニケーシ
ョン障害学会のシンポジウムにおいて、シンポジストとして以下のテーマを取り扱っ
た:
「構音の獲得に潜む音響的側面を探る -日本語ラ行子音を中心に-」
その他、以下のテーマについては、継続してアプリの開発を行った:
「Digital Pattern Playback を用いた信号処理と音声科学分野への教育応用」
②に関したテーマとして以下の研究がある。
「日本語母語話者の雑音環境下における英語の聞き取りについて」 (共同研究)
「韓国語の母音の分布について」(大学院研究)
「文脈が音声の聞き取りに与える影響について」(大学院研究)
3
「ドイツ語の弱化母音について」(大学院研究)
「日本語の促音について」(共同研究ならびに大学院研究)
「超音波診断装置を用いた発音時の調音器官の可視化」
③に関したテーマとして以下の研究がある。
「音韻・韻律情報を用いた両耳融合聴に関する実験」(共同研究・卒研)
「スペクトルが異なる音のピッチの知覚について」(大学院研究)
④に関したテーマとして以下の研究がある。
「雑音・残響が発話に与える影響」
(共同研究・大学院研究)
「残響環境下での音声明瞭度の推定」(共同研究)
「残響環境下における前処理を用いた音声明瞭度の改善」
(大学院研究・卒研)
⑤に関したテーマとして以下の研究がある。
「高齢者における delayed auditory feedback について」(大学院研究)
「高齢者の音声の聞き取り間違いと補聴」(共同研究・大学院研究)
⑥に関したテーマとして以下の研究がある。
「DSP を用いた実時間音声信号処理(音声のマスキングなど)」(大学院研究)
⑦に関したテーマとして以下の研究がある。
「方言における発音の違いと音声の個人性に関する研究」
「感情を含む音声の個人性に関する研究」
(共同研究・卒研)
(共同研究・卒研)
⑧に関したテーマとして以下の研究がある。
「動画に対する字幕付与に関する研究」(共同研究)
3.2013 年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ
ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)
上記2で述べたテーマごとに研究を進めた。
①は国際会議 4 件(招待講演 1 件)
、国内発表 5 件(招待講演 2 件)、解説 1 件、
②は原著論文 1 件、国際会議 3 件、国内発表 5 件、
③は国内発表 1 件、その他に原著論文 1 件を準備中、
④は原著論文 2 件、国内発表 5 件、
4
⑤は国際会議 1 件、国内発表 3 件、などを行った。
4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ
さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。)
上記2で述べたテーマにおいて、①はそのほとんどを荒井単独の科研費プロジェクトの一
環として行った。また、日本音響学会音響教育調査研究委員会ならびに博物館と連携して
国立科学博物館でのイベント参加などを行った。さらに、成果の一部が 2014 年度に2つの
科学館の展示として公開されるのを受け、2013 年度ではその準備を進めた(1つは沖縄こ
どもの国「ワンダーミュージアム」内、もう1つはスイスのサイエンスセンター「Technorama」
内)。③はその一部を心理学科の認知心理学研究室との共同研究として遂行、④はその一部
を TOA 株式会社と産学連携、⑤はその一部を国立精神・神経医療研究センターとの共同研
究で遂行、別の一部を学内の言語聴覚研究センターとの共同研究で遂行、⑦は科学警察研
究所との共同研究で遂行、⑧はその一部を学外共同研究として株式会社フジヤマと産学連
携で進めた。
5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)
ディジタル信号処理,福祉情報学,情報リテラシー・情報フルエンシー,
情報理工学実験,音声・音響工学,科学技術英語,音声・音響・聴覚情報処理,
ヒューマンコミュニケーション,ゼミナール
「情報理工学実験のテキスト」改訂
その他、音響音声学の分野を中心に、その周辺分野を含む範囲で教育用のマルチメディ
アコンテンツを研究室ホームページ上で以下のように公開し始めた:
音響音声学デモンストレーション(日本語版) http://www.splab.net/APD/index-j.html
Acoustic-Phonetics Demonstrations(英語版) http://www.splab.net/APD/index-e.html
2013 年度はそのコンテンツの更新作業を随時、進めた。
6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各
種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)
5
(学内)
理工予算・会計委員会、理工科学技術英語推進委員会、
(学科)
予算委員会(委員長)
、将来計画委員会、
(学外)
IEEE, Signal Processing Society, SLTC(音声言語委員会)委員(2010-2016)
アメリカ音響学会 Committee of Education in Acoustics 委員(2003-2015)
EURASIP(ヨーロッパ信号処理学会)
Journal on Audio, Speech and Music Processing (JASMP)
Associate Editor(2013 -2016)
国際会議 INTERSPEECH スペシャルセッションオーガナイザー(2013)
電子情報通信学会
日本音響学会
査読委員
音響教育調査研究委員会委員(2003-)
音バリアフリー調査研究委員会委員(2006-)
会誌部会編集委員(2005-)
国際渉外委員会委員(2005-)
サマーセミナー・ビギナーズセミナー実行委員(2006-)
代議員・評議員(2007-)
音響サイエンスシリーズ編集委員会委員(2013-)
論文賞推薦委員会(2007-)
日本音声学会
理事(2010-2016)
評議員(2004-2016)
国際交流委員会委員長(2010-2013)
音声学普及委員会委員(2010-2013)
広報委員会委員長(2013-2016)
日本コミュニケーション障害学会
「コミュニケーション障害学」編集協力委員(2013-2016)
7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)
研究代表者
【科研費】
【特許出願】
発明の名称:声道模型
出願番号:特許出願2013-264444
発明者:荒井隆行
6
発明の名称:サウンドマスキング装置、方法及びプログラム
出願番号:特許出願2013-048473、特許出願2014-048187
発明者:荒井隆行、三戸武大、安啓一
7
所属
情報理工学科
氏名
伊藤 潔
1.研究分野とキーワード
●研究分野:
情報システム工学,ソフトウェア工学,知能情報学 など
●キーワード:
ドメイン分析・モデリング,協調作業分析,ソフトウェア開発環境,プロトタイピング,
システム分析オントロジ,エキスパ-トシステム,知識情報処理,
システムシミュレーション,性能評価, など
2.研究テーマ
ビジネス,産業,教育,社会などの様々な活動や業務を,コンピュータ支援の下で効果的に遂
行するシステムの総称である情報システムは,それらの活動や業務を実現するために,コンピュ
ータシステムの構成を決め,その上に,必要なソフトウェアを搭載して実現される.高い信頼性や,
品質,機能,性能をもつ情報システムとそのソフトウェアを開発・構築するための技術,方法,支
援環境を研究している.
研究は,次の 4 つの観点から進められている.
(1) ドメイン指向システム開発の方法論の構築
(2) システム分析のためのドメインオントロジの構築
(3) ダイアグラムモデルの利用と再利用の方法の構築
(4) ダイアグラムモデルの性能評価の方法の構築
これらに基づき,(a)ドメインオントロジの構築と再利用,(b)各種ダイアグラムからのドメインオン
トロジの獲得,(c) ドメインオントロジの各種ダイアグラムへの変換,(d)トランザクションの振る舞い
分析からのデータベース獲得分析法,(e)データベースのスキーマの再利用システム,(f) Timed
STDs によるシステム分析法,(g) E-R 図とデータベーススキーマの相互変換 などの研究を進め
ている.
3.2013 年度の研究成果
(a) ドメインオントロジの構築と再利用
ある特定のシステムの分析結果を,オントロジを利用して記述すると,言葉の意味や使い方,他
8
の言葉との関係が理解しやすいものとなる.また,あらかじめ記述されたオントロジを再利用する
ことで,構築効率を向上させることもできる.オントロジを図形として可視化することで直感的に分
かりやすいものにし,オントロジの構築効率と再利用性を向上させる.これまでに,システム記述
向けに特定のドメインのターム(用語)とタスク(仕事)に重点を置き,オントロジを構築した.その
オントロジを可視化するためのダイアグラムとして,DODT2 (Diagram for Ontology of Domain
Terms and Tasks)を提案し,その編集を支援するシステムとして,DODT2 Editor を実装した.また,
より効率よくオントロジを構築するために,DODT2 Editor を用いたオントロジの再利用法を考案し
た.
この研究は,博士前期課程研究,卒業研究として進めている.
(b) 各種ダイアグラムからのドメインオントロジの獲得
システム分析に使用されるダイアグラムからドメインオントロジを獲得する手法を明らかにし,そ
の獲得支援のツールを開発することにより,システム分析の際に得られた,ダイアグラムで記述さ
れたシステム仕様から,そのシステムが属するドメインのオントロジを獲得する.本年度は,MCM
で記述されたダイアグラムを対象とした.
この研究は,卒業研究として進めている.
(c) ドメインオントロジの各種ダイアグラムへの変換
ドメインオントロジを,システム分析の際に使用するダイアグラムである,状態遷移図,E-R 図,
MCM へと変換することにより,オントロジダイアグラムをシステム分析の際に有用なものにする.
またオントロジとして整理された用語を,様々なダイアグラムで書かれたシステム分析に活用する
ことを可能にする.
この研究は,卒業研究として進めている.
(d) トランザクションの振る舞い分析からのデータベース獲得分析法
情報システムを開発する際には,開発者はその振る舞いや全体構造について把握する必要が
ある.このようなシステム開発の場合には,情報を整理し,視覚的にわかりやすくするためにダイ
アグラムを用いるが,その作成は容易ではない. E-R 図は,トランザクション情報が深く関わるデ
ータベースの構造を表すダイアグラムであるため,各々の関係性が不明瞭である場合には作成
が難しくなる.本研究では,システムのトランザクションで必要な情報を付加しながら要求分析し,
精密化された状態遷移図から ER 図を作成するナビゲーションシステムを開発した.
この研究は,博士前期課程研究として進めている.
(e) データベースのスキーマの再利用システム
9
データベーススキーマは,リレーションや属性などのデータベース構造の定義である.働きの似
た情報システムのデータベースでは,このスキーマの構成が類似していることが多い.本研究で
は,様々なシステムのスキーマを比較して類似性を調べ,さらにこの類似性の観点からデータベ
ースを再利用し,新たなデータベースを図的に作成するツールの開発を行った.また,スキーマの
新たな再利用方式として,スキーマのパターン化を行い,このパターンによって再利用元となるス
キーマを提示できるよう実装を進めた.
この研究は,博士前期課程研究として進めている.
(f) Timed STDs によるシステム分析法
複数の人や装置の協調作業のシステムを構築するために,その機能分析と性能評価を効果的
に行うため,協調作業システムの分析の際に,時間概念を有した並行な状態遷移図
(Collaborative Timed STDs)でモデル化し,それを,離散型シミュレーションモデルに変換して,性
能評価を行った.この Collaborative Timed State Transition Diagrams を用いて,規模が大きく複雑
な対象システムのダイアグラムを作り,各パラメータに数値を与えシミュレーションする.この
Timed-STD を.視覚的にもわかりやすく描くことができる Editor を開発した.また,それを,GPSS
を用いてシミュレーションを行う方法を研究した.
この研究は,卒業研究として進めている.
(g) E-R 図とデータベーススキーマの相互変換
E-R 図(Entity-Relationship Diagram)とデータベーススキーマの間で相互変換を行い,システム
の全体像を文字情報と図で明示的に表すことで,人にとってシステム全体のイメージがわかりや
すく,また複数人でそのイメージを共有できるようにすることが目的である.ここで作成したツール
は,それらの変換を可能な限り自動化する.ここで用いた E-R 図はその表記法を工夫し,E-R 図
による記述は,より業務の流れをつかみやすくなるよう,その記述方法を考案した.
この研究は,博士前期課程研究として進めている.
4.大学内外における共同的な研究活動
●「システムの開発法と教育法の研究会」
(上智大,北海道情報大,青山学院大,足利工業大,九州産業大の教員との共同研究)
5.教育活動
10
●情報システム工学,情報理工学Ⅱ(コンピュータソフトウェア),基礎情報学,
理工学概論Ⅱ,基礎プログラミング,情報システム工学,
情報システム特論,情報学ゼミナールⅠ,情報学ゼミナールⅡ
プログラミング技法,情報リテラシ(データの収集・分析・利用)
●「情報システム工学用のテキスト」「コンピュータソフトウェア用のテキスト」
「基礎情報学用のテキスト」「プログラミング技法用のテキスト」「基礎プログラミング用のテキ
スト」「情報システム特論のテキスト」をウェブ教材として作成
6.教育研究以外の活動
(学内)
●情報科学教育研究センタ所長
●全学共通委員会委員
(学外)
●Society for Design and Process Science (SDPS), Fellow
● 同 Journal of Integrated Design and Process Sciences, Editorial Board Member
●情報処理学会 論文誌査読委員
7.その他
11
所属
情報理工学科
氏名
伊呂原
隆
1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)
研究分野:
経営工学,生産・物流システムに関する研究
キーワード:
工場管理,生産管理,サプライチェイン,最適化,シミュレーション
2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要
があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)
「環境を考慮したクローズドループサプライチェイン」
「物流センターにおける在庫管理とオーダーピッキングの効率化」
「エネルギー消費を考慮した生産スケジューリング」
「半導体のサプライチェイン計画」
「配送を考慮した多品種製品の在庫管理」
「間欠需要を考慮した在庫管理」
「人道支援ロジスティクス」
「工場内における多重負荷 AGV の効率的運用方法」
(展望)
経営工学における「生産・物流システムの効率化」というテーマで研究に取り組んでい
る.効率的な生産・物流を実現するためには,モノづくりの場である工場と,完成した製
品を効率よく運ぶためのサプライチェインの両者に関する研究が必要である.前者につい
ては,工場内におけるエネルギー消費を考慮した生産スケジューリング,また倉庫内にお
ける在庫管理やピッキング方法に関する研究などを行っている.後者のサプライチェイン
に関しては,サプライヤーから工場,物流センターを経由し顧客に至るまでのグローバル
サプライチェイン並びに,使用後の製品を顧客から回収して製品もしくは部品としてのリ
ユース,リサイクルなどを考慮した物流の研究を行っている.また,近年増加傾向にある
大規模災害発生時における支援物資等の効率的な輸送方法確立に関する研究も昨年度から
開始した.商業用サプライチェインとは異なる評価指標や制約条件が必要となるが,従来
研究や実際の災害状況なども考慮しながらより有用なモデルおよび解法の構築を行ってい
きたい.
12
3.2013 年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ
ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)
原著論文 5 本,国際会議 5 件,国内会議 13 件の研究成果発表を行った.主たる内容とし
ては,前述の「半導体のサプライチェイン計画」と「配送を考慮した多品種製品の在庫管
理」に関する研究について原著論文としての研究成果をまとめることができた.この他の
研究についても,国際会議や国内会議において研究成果の発表を行うとともに,すでにい
くつかの論文誌へ投稿を行っている.
4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ
さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。)
他大学の研究者 1 名とは「工場内における多重負荷 AGV の効率的運用方法」に関する
研究を,民間企業 4 社とはそれぞれ生産物流システムに関する共同研究,外国大使館と 1
件の物流ネットワーク構築に関する共同研究を行った.いずれも明確な役割分担と,徹底
した議論により,予想以上の研究成果が得られている.
5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)
システム工学特論,オペレーションズ・リサーチ,生産工学,経営情報学,社会情報学
プログラミング演習,情報フルエンシー,経営統計学,ゼミナール,論文指導など
6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各
種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)
(学内)
・全学:入学センター長,IR 推進委員
・理工:理工入試委員会 副委員長
・学科:予算委員
(学外)
(学外)
・Board member in the International Society of Management Engineers
・Editorial board member in the Journal of Transport, Construction & Engineering
・ Editorial board member in the Journal of Management Science and Financial
Engineering (MSFE), Area editors of Production, SCM and Logistics
13
・スケジューリング学会 評議員
・日本経営工学会 理事(研究・表彰担当)
・日本インダストリアル・エンジニアリング協会 IE レビュー誌 編集委員
・公益財団法人 日本生産性本部 経営アカデミー 生産革新マネジメントコース 講師
・一般財団法人 日本規格協会「生産管理研究会」主査
・3rd IIE Asian conference in Taiwan, International Advisory Committee
・国際スケジューリングシンポジウム(ISS),実行委員,国際プログラム委員
7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)
特になし.
以上
14
所属
情報理工学科
氏名
小川 将克
1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)
研究分野:
移動通信システム,無線 LAN,無線応用技術
キーワード:
無線アクセス方式,省電力方式,通信品質制御方式,無線分散ネット
ワーク
2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要
があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。
)
「モバイルルータの省電力化に関する基盤研究」
「スマートハウスのための無線通信技術に関する基盤研究」
「ワイヤレスネットワークを活用した局所的な移動推定に関する基盤研究」
(展望)
・スマートフォンのデザリング機能やモバイルルータを利用して,無線 LAN 機器をインタ
ーネットに接続する利用形態が急速に普及している.モバイルルータやスマートフォンは
バッテリ駆動のため,駆動時間を拡大させるための省電力技術の研究に取り組んでいる.
・電力不足により,家庭内に設置された電子機器の消費電力の制御をするために,無線通
信技術が適用される.しかし,適切なネットワーク構成や無線通信方式が確立されていな
いために,スマートハウスのための無線通信技術の研究に取り組んでいる.
・ワイヤレスネットワークの制御情報などを活用した移動量などの移動推定に関する研究
にも取り組んでいる.
3.2013 年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ
ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。
)
・無線 LAN における省電力技術
・無線 LAN マルチキャスト通信における最適化
・スマートハウスにおける無線通信システムの干渉評価
・センサーネットワークにおけるパケット損失率の定式化
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研究業績は,上智大学教員教育研究情報データベースを参照のこと.
4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ
さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。
)
5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。
)
情報リテラシー(一般),信号基礎論,情報通信工学,ワイヤレス通信工学,ADVANCED
ELECTRICAL AND ELECTRONIC ENGINEERING 1,情報理工学実験ⅠⅡ,ゼミナー
ルⅠⅡ,大学院演習ⅠAⅠB,電気・電子工学ゼミナールⅠAⅠB
6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各
種のワーキンググループなどでの活動も含みます。
)
(学内)
科学技術国際交流委員(STEC)
,情報ネットワーク専門委員会委員,理工教
職課程委員
(学外)
電子情報通信学会 モバイルマルチメディア通信研究専門委員会 専門委員,
情報処理学会 論文誌ジャーナル/JIP 編集委員
7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)
16
所属
情報理工学科
氏名 大城 佳奈子
1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)
研究分野:
結び目理論とカンドル代数
キーワード: 結び目、絡み目、曲面結び目、曲面絡み目、ハンドル体結び目、空間グ
ラフ、カンドル、対称カンドル、分岐被覆
2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要
があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。
)
「カンドルを一般化する概念の研究」
「カンドル理論の応用と曲面絡み目の諸性質についての研究」
(展望)
カンドルとは結び目図式の基本変形に対応する公理を備えた代数系であり、結び目を区別
する重要な道具として利用されている。カンドルやカンドルを一般化する概念について詳
しく研究することで、強力な結び目不変量構成が期待されている。また、曲面絡み目や絡み
目、空間グラフ、ハンドル体絡み目に関する様々な応用研究が期待できる。
3.2013 年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ
ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)
主に以下の研究を行った。
1.結び目の線形アレキサンダーカンドル彩色と結び目で分岐する 3 次元球面の有限被覆
空間との関連について
2.2 次元結び目に対するラック彩色の不変性について
3.空間グラフやハンドル体絡み目に対する捻じれアレキサンダー不変量について
また、7 件の研究発表を行った。
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4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ
さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。)
セミナー開催(1 件)
2013 年 10 月 12 日~2013 年 10 月 13 日 研究会「ハンドル体結び目とその周辺1VI」,
上智大学
5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。
)
複素関数論(各学科2クラス用)、幾何学特論III、 情報理工学演習I 、ゼミナ
ールI、卒業研究I、数学 BII(多変数微積)、情報理工学演習 II、ゼミナール II、卒業
研究 II
6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各
種のワーキンググループなどでの活動も含みます。
)
(学内) 図書委員(数学領域)
(学外) なし
7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)
オープンキャンパス体験授業(上智大学)
All Sophian’s Festival 領域紹介ブースの担当(上智大学)
出張講義(2013 年 11 月 12 日、県立船橋高等学校)
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所属
情報理工学科
氏名
加藤
剛
1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)
研究分野:数理統計学,統計的データ解析,ウェーブレット解析
キーワード:統計モデル構築,先物取引,年金運用,数学,データ解析
2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要
があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)
 “Optimal Investment in Correlated Stocks and an Index Bond for Defined
Contribution Pension” (大学院研究)
 「年金運用の商品先物のリスク計測」(学外共同研究)
 「サーキットブレーカー制度を考慮した商品先物のリスク評価」
(大学院研究)
(展望)
東京商品取引所における先物取引は,現状では十分活用されているとは言いがたい状
況であり,2013 年度連結決算は赤字であった.商品取引(主に先物)に対する日本人
投資家の姿勢,取引制度設計などの問題もあると考えられるが,統計分野の研究に関
わる者から見ると,東京商品取引所における先物取引のリスク評価に関する満足な情
報が提供されていないことも投資家が二の足を踏む理由の一つではないかと考える.
そこで,大学院生との共同研究として,価格の急激な上下動を抑える目的で東京商品
取引所に導入されているサーキットブレーカー制度を考慮に入れ,金融派生商品の取
引で広く用いられているリスク評価指標 VaR (Value at Risk) を算出する研究を行っ
た.通常,サーキットブレーカーは 1 日の取引中に 3 回まで発動できるが,過去の取
引では 2 回以上発動された事例はない.そこで,1 日に 1 回のサーキットブレーカー発
動を前提にして,VaR を算出する数学的な理論と,それをソフトウェア上で実現する
研究を 2013 年度に行った.その結果,取引データが分次であれば,実際の取引データ
から VaR を算出する方法の理論とソフトウェアを開発することができた.
東京商品取引所における実際の取引は,100 分の 1 秒以内の時間間隔で行われている.
そこで,2014 年度以降の研究では,サーキットブレーカーを 3 回まで発動できる状況
で,100 分の 1 秒間隔の取引に対応した VaR 算出方法を開発するために,2013 年度に
得られた結果を拡張することを考えている.
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3.2013 年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ
ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)
大学院生との共同研究「サーキットブレーカー制度を考慮した商品先物のリスク評価」
において,サーキットブレーカーの発動が 1 日に 1 回で,かつ,取引データが分次であ
ることを仮定して,リスク評価の指標である VaR を算出する数学的な理論を導き,その
理論にもとづいて取引データから VaR を実際に計算するソフトウェアを開発した.
4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ
さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。)
株式会社情報機構主催
「初めて学ぶ人でも使えるようになる
多変量解析入門」講師
5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)
(i)
学部
 情報リテラシー(統計処理)(フリーウェアで操作が容易な統計的データ解析用
ソフトウェア「R コマンダー」に対応した独自の教材を作成)
 数学 C(確率統計)(データ処理を重視した,情報理工学科向けの内容に変更.
統計的データ解析用ソフトウェア「R」に対応した独自の教材を作成.中間試験
と期末試験を,日本語,英語,中国語の 3 カ国語で対応)
 卒業研究
(ii) 大学院
 解析学特論Ⅰ(講義,課題,期末試験のすべてを英語で実施)
6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各
種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)
(学外)
日本数学会統計数学分科会運営委員
7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)
2013 年 4 月発売の「本当に使えるようになる多変量解析超入門」(技術評論社)が,
同年 6 月 2 日付の日本経済新聞読書欄「今を読み解く」で表紙の写真付きで紹介された
20
所属
情報理工学科
氏名
川中 彰
1.研究分野とキーワード
研究分野:視覚情報処理、コンピュータグラフィックス、視覚パターンの認識
キーワード:画像・映像、オブジェクト認識、3次元ポリゴンメッシュ、データ圧縮、
3次元モデル生成、電子透かし、生体認証、凸状最適化、投影再構成、
3次元モデル検索、周回頂点構造化、ウェーブレット変換、
コンピュータグラフィックス
2.研究テーマ
「奥行きのスパース性に基づく対象物の3次元形状のロバストな推定」
「フレーム毎に推定された3次元形状からの3次元地図の作成」
「車載カメラを用いた地理把握向上のための3D 形状推定」
「周回頂点構造化リメッシングを用いたウェーブレット変換によるポリゴンメッシュ
幾何データの圧縮」
「ダイナミックメッシュモデルのセミレギュラー化手法の開発」
「形状・カラー・仲介データを含むポリゴンメッシュモデルの統合的符号化」
「鏡面反射追跡法の3次元メッシュ頂点追跡への拡張」
「Watermarking with Displacement Tolerance Using Wavelet Transform」
「任意形状画像の携帯撮影画像からの探索技術の開発」
「投影再構成に基づいた回転・スケーリング・平行移動を考慮した3次元形状モデル
の検索」
「Retrieval of 3D Shape Model Using Rendering Image as Query」
(展望)
高度な情報通信を実現するための基盤技術として、多次元信号処理技術に基づいて、
視覚情報の効率的表現や視覚情報からの物体認識について研究を進めていく。
特に、インターネットなどの社会的インフラストラクチャの整備や有効活用に資する
技術開発を目標として研究を進める。
これまで取り組んできた3次元画像・映像技術の向上と活用にため、ステレオマッチ
21
ング手法の改善、3次元幾何座標の算出、全方位画像への奥行の統合、インタラクティ
ブな補正、触覚ディスプレイへの表示などの進展を図っていく。さらに、画像・映像の
符号化、人工現実感生成、個人認証、顔の認識、コンピュータ・ビジョンなどの課題を
進展させる。
3.2013 年度の研究成果
視覚情報表現に関する研究について、(1) スパース性に基づく対象物の3次元形状のロバ
ストな推定、(2) フレーム毎に推定された3次元形状からの3次元地図の作成、(3) 形状・
カラー・仲介データを含むポリゴンメッシュモデルの統合的符号化等を実施した。
画像・映像の認識に関する研究について、(1) 鏡面反射追跡法の3次元メッシュ頂点追跡
への拡張、(2) 3次元形状モデルの検索手法の開発、(3) 画像認識を利用したデザイン性を
損なわない電子透かしの開発等を実施した。これらの研究成果は国際学会等で公表した。
4.大学内外における共同的な研究活動
新たに、次の共同研究を進めることになった。
株式会社ナビタイムジャパンと「ナビゲーションのための画像認識に関する研究」
明星大学・福田光一教授と「物体形状情報の効率的表現方法に関する研究」
玉川大学・大竹敢教授と「非線形処理を含めた視覚情報処理に関する研究」
5.教育活動
(学部)
基礎情報学,画像情報工学,ヒューマンコミュニケーション,理工学概論,情報理
工学実験Ⅰ、情報理工学実験Ⅱ、情報理工学演習Ⅲ,ゼミナールⅠ,ゼミナールⅡ,
卒業研究Ⅰ、卒業研究Ⅱ
(大学院)
パターン認識特論,大学院演習ⅠA、B,大学院演習ⅡA、B,大学院演習ⅣA、B,
情報学演習ⅠA、B,情報学演習ⅡA、B,研究指導
6.教育研究以外の活動
理工学専攻主任、理工教育研究推進委員会委員、理工広報委員会委員長、発明委員
会委員、理工振興会運営委員会委員、
7.その他
22
所属
氏名
情報理工学科
川端 亮
1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)
研究分野:
情報システム,ソフトウェアの分析,設計に関する研究
キーワード:
情報システム分析,情報システム設計,ソフトウェア分析,ソフトウ
ェア設計,仕様図面の再利用
2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要
があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。
)
(a) ソフトウェア開発における部品化とその再利用支援環境の開発(大学院生テーマ)
(b) システム仕様図面の構造と意味の観点からの検索と再利用(大学院生テーマ)
(c) 業務フロー部品の再利用(学部生テーマ)
(d) 三層モデルに基づくダイアグラムの共通構造の抽出と再利用(学部生テーマ)
(e) Webベースのオントロジ構築環境(学部生テーマ)
情報システムの開発を効率的に進めるための方法やツールの研究を行う.情報システム
の開発では,何もない状態からシステム化の対象を分析・設計するのではなく,経験的に,
既存の情報システムの開発時に行われた分析・設計の結果から,近い物を探し,再利用し
ている.既存のシステムの分析結果から再利用可能な近い物を探してくることは,人間の
手作業による部分が大きい.これをコンピュータでできる限り効率的に行うシステムとし
て実現していくことが求められる.システム化の対象の分析,設計手法,ツールの研究を
行う.
(a) について,情報システムの分析や設計は,多くの場合,既に作成された分析結果や設
計仕様から再利用する.この際,全てを再利用することもあるが,一部分を部品として,
再利用することも行われる.分析者,設計者が経験的に行っている部品化のプロセスを明
らかにし,その部品化と再利用をコンピュータ利用で支援する環境の開発を行う.
(b)について,再利用可能なシステムの仕様図面を探し出すことは,人間の作業によるとこ
ろが大きい.この作業を計算機により支援することで効率化が期待できるが,次のような
難しさがある.
・ダイアグラム中の要素の意味を表すために,要素に付けられたラベルの記述が人によっ
23
て異なる書き方をされている
・再利用する時に,似たものを探すが,人間は,既存の図面と探そうとしている要素のラ
ベルの記述から,概念が共通のものを認識している.
コンピュータが解釈可能なように,ラベルの記述をある程度,形式的にすることで,多く
のダイアグラムから再利用可能な候補を探し出すことが可能になるものと考える.
(c)について,似ている業務であればシステムの振る舞いや構造,つまり「実装」の前段階
である「要求・設計」の情報を再利用できる可能性が高い.
そこで,システム開発工程の「要求・設計」情報である業務フローのダイアグラム情報
を再利用し,システム分析の作業を効率化する方法の開発を行う.業務フローのダイアグ
ラムの構造から再利用の単位となる「経路」を定義し,機械的に抽出する.この抽出した
経路を可視化し,人手によって組み合わせることで,業務フローの情報を再利用する.
(d)について,ソフトウェアアーキテクチャの1つとして,三層モデルがある.三層モデル
に基づく分析モデルに於いて,システムが異なっても,共通に利用可能な構造が見受けら
れる.このような構造をパターンとして抽出し,再利用できるのではないかと考える.
(e)について,これまで,ドメインオントロジ記述向きダイアグラムを開発している.この
ダイアグラムを用いてオントロジを記述・蓄積するために,Webベースのオントロジ構築す
る.
3.2013 年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ
ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。
)
(a)について,前年度に,ソフトウェア開発で多く使用されているシーケンスダイアグラム
を対象に,再利用可能な部品を抽出するために,3層アーキテクチャに基づいて整理し,
さらに用語の抽象度を挙げることで,記述者の違いによる差違を吸収し,共通部分を抽出
する方法を開発した.本年度は,共通部分獲得の要となる用語辞書の獲得方法を洗練した.
また,部品化と再利用をコンピュータにより支援するため,既存のシーケンスダイアグラ
ムエディタに,追加する形でこの方法を実装した.
(b) について,これまでに Petri Net で各ノードの意味づけを格文法で記述する機能を実装
したエディタを開発した.これを使って記述した Petri Net から条件にあうものを検索する
機能を開発した.検索は,構造の観点と,意味の観点の2つから行う.今年度は構造の観
点からの検索の一部を実装した.
(c) について,前年度までに,抽出した数百の業務フロー部品から,必要な部品を絞り込み
可視化するツールを開発した.本年度は,このツールをネットショッピングの事例に適用
し,業務フロー部品を抽出可能であり,また,これらの部品を組み合わせて,システムの
分析に再利用可能であることを確認した.
(d)について,三層モデルのプレゼンテーション層を画面状態遷移図で,ビジネス層とデー
24
タ層をデータフロー図で記述し,2つの図を関係づけることで,3層間のデータのやりと
りを表現する方法を考えた.これを用いて,履修登録システムと銀行のオンラインシステ
ムを分析した.また,この記述において,システムによく見られる3つの構造パターンを
明らかにした.
(e)について,ドメインオントロジ記述ダイアグラム DODT2をネットワーク環境で協調し
て作成可能な,Web ベースのオントロジ構築環境の基本部分を開発した.
4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ
さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。
)
該当なし
5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。
)
情報リテラシ演習(データの収集・分析・利用),情報フルエンシー(システム情報処理),
情報フルエンシー(プログラミング技法),情報リテラシ演習(情報理工学科指定クラス)
情報理工学Ⅱ(コンピュータソフトウェア),プログラミング言語論,ソフトウェア工学,
情報理工学演習Ⅱ,基礎プログラミング,情報理工学概論Ⅱ,社会情報学,ソフトウェア
特論,卒業研究Ⅰ,Ⅱ,ゼミナールⅠ,Ⅱ,情報学ゼミナールⅠ~Ⅳ,研究指導演習Ⅰ~
Ⅳ
6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各
種のワーキンググループなどでの活動も含みます。
)
(学内)
情報理工学科サイバー委員,情報理工学科教育用コンピュータ環境整備委員長,理工学部
広報委員,情報理工ネットワーク構想委員,理工学部50周年記念式典委員,上智大学理工
学部同窓会理事
(学外)
●Society of Design and Process Science (SDPS) のInternational Conference on IDPT
(Integrated Design and Process Technology) Program Committee 委員
●Society of Design and Process Science (SDPS) の将来計画委員
25
7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)
該当なし
26
所属
情報理工学科
氏名
後藤 聡史
1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)
研究分野:
作用素環論,部分因子環の指数理論
キーワード:
作用素環,部分因子環,テンソル圏,fusion 圏,グラフ,
代数的量子場の理論,共形場理論,位相的場の理論 など
2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要
があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)
「部分因子環の代数的/組合せ構造とその応用」
「ピタゴラス数の性質と分類」(卒業研究)
「位数の小さい群の分類」(卒業研究)
「離散凸解析の組合せオークションへの応用」(卒業研究)
「費用配分問題の協力ゲーム理論的分析」(卒業研究)
(展望)
関数解析学の一分野である作用素環論の中で,特に部分因子環の指数理論について研究
を行っている.
部分因子環の分類の不変量として現れる paragroup は,代数的/組合せ構造が,量子群・
可解格子模型・位相的場の理論・結び目と低次元トポロジー・共形場理論・代数的量子場
の理論など他分野の数学・数理物理学に現れる数理的対象の構造と共通する部分(および
異なる部分)を持っているため,それらの間の関係を調べることが,分野間の相互関係の
みならず,それぞれの分野を深く理解するために重要である.
計算機を使って具体的な例を計算することを含め,部分因子環とその不変量を深く調べ
てその構造を解明することにより,様々な分野の相互関係とその背後にある数理現象の理
解に役立てていきたいと考えている.
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3.2013 年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ
ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)
◇ ADE 型 subfactor の既約一般化中間 subfactor の同値分類について
(日本数学会・学会発表,2013 年 9 月)
◇ Goodman-de la Harpe-Jones subfactor の中間 subfator について
(日本数学会・学会発表,2013 年 9 月)
◇ Dynkin 間 connection の flat part の計算 (日本数学会・学会発表,2014 年 3 月)
4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ
さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。)
5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)
【春学期】
数学 BI(微分積分)(物質生命理工学科用クラス)
,数学C(確率統計)(物質生命理工学科),
数学演習 I(物質生命理工学科用クラス),情報理工学演習Ⅲ,ゼミナールI,卒業研究I
【秋学期】
数学解析ⅡA・測度論,ゼミナールⅡ,卒業研究Ⅱ
位相解析学Ⅱ・解析学特論Ⅳ
6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各
種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)
(学内)【情報理工】広報委員,建物委員
【数学領域】設備機器管理委員,図書委員,計算機委員
7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)
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所属
情報理工学科
氏名
五味 靖
1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)
研究分野:
岩堀ヘッケ環および鏡映群の表現論
キーワード: 岩堀ヘッケ環,鏡映群,コクセター群,マルコフトレース,ガウス和
2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要
があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。
)
1.
「一般の巡回ヘッケ環上のマルコフトレースの構成」
2.
「岩堀ヘッケ環に対するガウス和の構成」
(展望)
1.
「一般の巡回ヘッケ環上のマルコフトレースの構成」というテーマで研究に取り組んで
いる。岩堀ヘッケ環上のマルコフトレースは一般的に構成されたが、その構成の巡回ヘッ
ケ環への拡張を研究している。その構成から,幾何学や表現論への応用が期待される。
2.
「岩堀ヘッケ環に対するガウス和の構成」というテーマで研究に取り組んでいる。元々
数論的に構成されたガウス和を自然に有限ワイル群へ拡張することに成功し、さらに A 型
岩堀ヘッケ環にまで拡張された。それらをほかの型の岩堀ヘッケ環へ拡張すべく研究して
いる。
3.2013 年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ
ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)
B 型岩堀ヘッケ環上のガウス和を構成しようと共同研究などを通じて研究しているが、まだ
構成には至っていない。
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4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ
さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。)
上智大学学内共同研究:
「結晶基底に関する表現論とその応用」
(中島俊樹(代表者)、五十嵐真奈)
理工学部共同研究:
「代数群の表現論とその応用」
(筱田健一)
「ヘッケ環及びそれに関連する代数のモジュラー表現論」(澤田伸晴)
学外共同研究:
「ナノトーラス・ナノチューブのタイル張りと対称群の研究」
(Ma. Louise Antonette De Las Penas (Ateneo de Manila University))
5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。
)
情報リテラシー(一般), 数学 BⅠ(微分積分), 代数学Ⅰ(群論),代数学特論Ⅳ,
数学演習Ⅰ, 理工基礎実験演習, ゼミナールⅠ・Ⅱ, 卒業研究Ⅰ・Ⅱ
6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各
種のワーキンググループなどでの活動も含みます。
)
(学内)SLO 企画委員会, 理工 web サイト委員会, 理工同窓会委員
情報理工学部 2 年クラス担任,数学科 4 年クラス担任
7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)
平成 25 年度科研費:基盤研究(C)
「岩堀ヘッケ環および鏡映群の表現論」
(70 万円)
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所属
情報理工学科
氏名
ゴンサルベス タッド (TAD GONSALVES)
1.Research Field and keywords
Research Field: Evolutionary Computation & Design of Expert systems
Keywords: Soft Computing, Genetic Algorithm,Optimization,Simulation, Expert
Systems
2.Research themes
Application of Evolutionary Computation techniques to solve problems of the type:
Optimal design of business and service systems
Minimization of energy consumption
Optimal staff allocation and team building in project management
Optimizing capacity problems
Most real-world applications involve a large number of variables. Designing a system
with efficient and optimal performance invariably leads to a combinatorial optimization
problem, which cannot be solved by conventional computational methods. Evolutionary
algorithms are designed to solve these types of combinatorial optimization problems in
a reasonable amount of time. This method is an approximate, but intuitive approach
based on making a computational model of the evolutionary processes that are found in
nature. Evolution is a random process with starts with a limited set of objects, subjects
them to evolutionary process which in the long-run results in the suppression of the
defective objects and the emergence of better-fit or optimal objects.
The Evolutionary Algorithms work on a similar principle. They start with a small
number of random solutions to a given problem and apply evolutionary operators to
these solutions. After many repeated runs (called generations), the inferior solutions are
eliminated or replaced and only the superior solutions with respect to the numerical
value of an objective function are allowed to evolve.
This approach is meta-heuristic in nature, meaning it is domain-independent and
hence can be applied to a wide range of problems. In my research, I have attempted to
apply this optimization technique to problems in domains like service systems, project
management, railway engineering, etc.
31
3. Research presentation and publications in 2013
1. Tad Gonsalves, A Management and queuing trade-off in business systems, ICCSLE,
Sept. 2013.
2. Yu Kanki, Tad Gonsalves, Wind Farm Optimization Model of Turbines Layout Using
Differential Evolution, ICCSLE, Sept. 2013.
3. Yujiro Ogata, Tad Gonsalves, Expert System for food suggestion and medical checkup,
ICCSLE, Sept. 2013.
4. Tad Gonsalves and Akihiko Oguro: Feed-forward Neural Network Training using
Particle Swarm Optimization, Journal of Computer Science, March 2014.
5. María Domínguez, Antonio Fernández-Cardador, A. Paloma Cucala and Tad Gonsalves:
Multi Objective Particle Swarm Optimization algorithm for the design of efficient ATO
speed profiles in metro lines, Engineering Applications of Artificial Intelligence, vol. 29,
March 2014, pp. 43–53.
INVITED KEYNOTE SPEECH
Evolutionary Algorithms in
(http://www.iccsle.org/?p=997)
Simulation-Optimization
Scenarios,
ICSSLE2013,
ON PhD BOARD OF EXAMINERS
Ph.D thesis title: “EFFICIENT DESIGN OF HIGH SPEED RAILWAY SERVICES AND
REAL-TIME MANUAL DRIVING REGULATION”
Author: Carlos María Sicre Vara Del Rey
Escuela Téchnica Superior de Ingenieria (ICAI), Comillas University, Madrid.
July, 2013.
4. Joint Research Project
I am working on the optimization of railway platform capacity with the IIT
Department of Comillas University, Madrid.
5.Educational responsibilities
Courses Taught
English for Science & Engineering (Courses: 2F, H), Knowledge Engineering (undergrad),
Knowledge Engineering (grad school), Simulation Engineering, Information Literacy, Java
Programming, Information Technology Experiment I & II (Coordinator), Dept. seminar.
Under-grad thesis directed:
1. Machine-Learning using PSO & Neural Nets – Application in developing a
Tic-Tac-Toe game playing agent
2. Machine-Learning using PSO & Neural Nets – Applications in supervised and
unsupervised learning
3. Developing a healthy life-style maintenance Expert System
32
4. Optimizing railway platform capacity using the ACO algorithm
Graduate thesis directed:
1. Developing a daily food menu and healthcare consulting system
2. Optimal windfarm layout using Differential Evolution
6. Extra-curriculum activities
Being the head of the publicity group of the Department, I am in-charge of
organizing the Open Campus in summer.
I am also a Committee member of the following international committees &
conferences:
1. Academy & Industry Research Collaboration Centre (AIRCC)
2. Conference on Computer Science & Information Technology (CoSIT2014)
3. Society for Design and Process Science (SDPS)
and reviewer of the following international journals
1. Journal of Soft Computing, Elsevier
2. Journal of Artificial Intelligence
33
所属
情報理工学科
氏名
笹川 展幸
1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)
研究分野: 神経細胞の情報伝達機構に関する薬理学的研究、神経科学
キーワード: 神経細胞、神経伝達物質、開口放出、生理活性物質、生物由来毒素
2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要
があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。
)
神経系細胞における分泌小胞の膜融合過程と細胞内動態の調節機構の研究: 近年、SNARE蛋白質を
中心とした分子間の相互作用や各種小分子の調節によって開口分泌現象を理解しようとする研究
が盛んであるが、そのメカニズムの全容は解明されていない。細胞表面での開口現象をアンペロメ
トリー法で解析すると共に、分泌小胞の細胞内動態を可視化し時空間的に解析することにより、新
規な現象の発見やその機構の解明を目指している。 さらに、神経系細胞の情報伝達機構に及ぼす
新規生物由来物質や毒素の作用機序につき検討する。 それら物質の作用機構の理解を、前記テー
マへフィードバックし、相乗効果を期待している。
抗うつ薬等の中枢神経系作用薬のシナプス小胞の開口放出過程、小胞内伝達物質量に及ぼす作
用: ニューロンにおけるアミントランスポーターの分子生物学的研究は急速に進み、数種の中枢
神経系疾患との係わり、また抗うつ薬の投与による SNARE 蛋白質の発現量の変化等が報告されて
いる。アンペロメトリー法では、1つのシナプス小胞中の伝達物質の量的変化が生きた単一ニュー
ロンで定量でき、またその動態を解析出来るので、抗うつ薬の長期投与がおよぼすアミントランス
ポーターの機能変化や開口分泌に対する効果を薬理学的に解析する予定である。また、神経変性疾
患関連因子が神経細胞の開口分泌反応におよぼす作用についても共同研究を計画している。
3.2013 年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ
ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)
従来、ドパミンニューロンと副腎髄質クロマフィン細胞を神経系細胞のモデルとして研究対象と
して用いてきたが、新たに小脳顆粒細胞初代培養細胞の実験系の導入を目指し、培養法、その神経
伝達物質であるグルタミン酸の分離・定量法の基礎的検討を行った。 また、副腎髄質クロマフィ
ン細胞を用い細胞骨格関連タンパク質の分泌顆粒供給機構、膜融合機構、分泌顆粒の細胞内動態に
おける役割について検討し、基礎的データを得た。
34
4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ
さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。)
5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。
)
入門毒物学、ヒトの生物科学、理工学概論、基礎生物学、情報生物学の基礎、福祉情報学、
神経情報薬理学、ゼミナール、理工基礎実験演習、物質生命理工実験A、情報理工学実験Ⅰ、
生物科学実験Ⅲ、卒業研究、細胞内情報伝達論、生物科学ゼミナール、大学院演習、研究指導演習
6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各
種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)
(学内) 全学学務委員、情報理工学科就職委員
(学外) 東京慈恵会医科大学薬物治験審査委員会委員
東京慈恵会医科大学医療機器治験審査委員会委員
日本薬理学会学術評議委員
7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)
35
所属
情報理工学科
氏名
澁谷 智治
1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)
研究分野:
情報の符号化に関する研究
キーワード: 量子誤り訂正符号,量子情報,振幅ダンピング量子通信路,
(古典)誤り訂正符号,符号化アルゴリズム,反復復号アルゴリズム,
ランク変調,フラッシュ符号,compressed encoding,
非同期誤り訂正符号,尤度計算アルゴリズム,
2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要
があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。
)
1. 量子もつれを利用した量子 LDPC 符号の構成に関する研究
2. 振幅ダンピング量子通信路に適した量子誤り訂正符号に関する研究
3. LDPC 符号の高速符号化アルゴリズムに関する研究
4. 符号化・復号化が同一の回路で実装できる LDPC 符号の性能向上に関する研究
5. LDPC 符号アンサンブルの BP 復号性能と TEP 復号性能との関係に関する研究
6. 反復復号アルゴリズムの収束特性に関する研究
7. フラッシュメモリの長寿命化を実現する符号化に関する研究
8. 同期誤りに対して耐性のある符号化方式に関する研究
(展望)
情報に対する様々な符号化に関する研究を行っている。
量子誤り訂正符号に関する研究(テーマ1,2)では,量子力学に特有の事象を情報処
理における需要なリソースととらえることによって,従来不可能とされていた誤り訂正符
号の構成に向けての基礎理論の構築を行っている。特に,量子もつれを利用することによ
って,これまで構成が不可能とされてきたある種の量子誤り訂正符号が構成できることを
明らかに,その具体例の構成を行っている。また,量子通信に特有の通信路に適した高効
率量子誤り訂正符号の具体構成にも取り組んでいる。
情報に対する誤りへの耐性を付加する符号化に関する研究(テーマ3~6)では,符号
化の高速化やより高性能な復号法の開発について取り組んでいる。特に,LDPC 符号の符号
化については,従来手法よりもはるかに効率的な手法の開発に成功している。
36
フラッシュメモリの長寿命化を実現する符号化に関する研究(テーマ7)では,フラッ
シュメモリの物理特性に配慮した情報の表現を実現する符号化法について検討している。
特に,フラッシュメモリの書き換え頻度を抑制しつつ記憶容量の最大化を実現するような
符号化に関する基本的な条件について検討している。
同期誤りに対して耐性のある符号化方式に関する研究(テーマ8)では,磁気記録装置
などで問題となる,データ読み取り時のデータ欠損や不要ビットの挿入による非同期誤り
についてその性質を明らかにするとともに,非同期誤りに耐性のある符号化方式について
検討している。
3.2013 年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ
ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。
)
2で述べた研究テーマに対し,以下の研究成果を得た。
- 量子もつれを利用したスタビライザー符号,特に反復復号に適した具体的符号の構成
- 振幅ダンピング量子通信路に対する高性能量子誤り訂正符号の開発とその拡張
- LDPC 符号に対する高速符号化法の開発と一般化
- ランク変調に基づくフラッシュメモリ用符号の基本的特徴の解明
4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ
さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。
)
5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。
)
(学部)
暗号・符号理論と情報セキュリティ,離散数学
卒業研究 I・II,ゼミナール I・II,情報理工学演習 I(Java プログラミング)
理工基礎実験・演習(情報演習担当,演習のデザインとテキストの作成)
情報リテラシー演習,情報フルエンシー(情報メディア活用)
(大学院)
情報理論特論
大学院演習 IA・IB,IIA・IIB,情報学ゼミナール IA・IB,IIA・IIB,研究指導
6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各
種のワーキンググループなどでの活動も含みます。
)
37
(学内)理工学部
情報理工学科4年次生クラス担任
理工就職委員
情報理工学科
学科カリキュラム委員,学科サイバー委員,
学科教育用コンピュータ環境整備委員,学科建物委員
(学外)電子情報通信学会
著作権管理委員会 委員
基礎境界ソサイエティ 庶務幹事
ソサイエティ論文誌編集委員会 査読委員
情報理論とその応用シンポジウム実行委員会 庶務
誤り訂正符号のワークショップ実行委員会 委員
7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)
科学研究費補助金 基盤研究(C)
(平成24年度~26年度,360万円)
38
所属
情報理工学科
氏名
炭 親良
1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)
研究分野: 生体医工学、医用超音波、核磁気共鳴医学、リモートセンシング、通信、
可視化工学(ビジュアリゼーション)、セルラー/ティッシュエンジニアリング、計測シス
テム工学、環境計測、多次元信号処理、波動応用、光学応用、電気電子工学応用、逆問題
等に関する研究など。
キーワード: ヒト、組織、血液、細胞、神経回路、診断、治療、再生医療、癌、
梗塞疾患、動態観測、コミュニケーション、超音波、電磁波、核磁気共鳴、熱、マイクロ
スコープ、レーダー、ソナー、非破壊検査、省エネなど。振動を防ぐ研究,電力に関する
研究 など
2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要
があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。
)
研究テーマ:
「超音波イメージング技法の開発」
「超解像に関する研究」
「超音波を用いた組織内変位ベクトル/歪テンソル計測イメージング技法の開発」
「超音波を用いた組織内粘弾性特性計測イメージング技法の開発」
「超音波を用いた組織内電気活動/電気物性計測イメージング技法の開発」
「超音波や電磁波を用いた低侵襲的加熱治療法(治療計画法を含む)の開発」
「強力超音波や放射圧の反射波と散乱波を用いた計測およびイメージング技法の開発」
「超音波や電磁波を用いた組織内温度/熱物性計測イメージング技法の開発」
「光学各種計測」
「赤外線計測イメージング」
「熱波応用」
「各種治療による組織変性のモニタリング技法の開発」
「電気磁気計測に基づく神経回路網イメージング技法の開発」
「コヒーレントおよびインコヒーレント信号処理」
39
「非線形信号処理」
「レーダー、ソナー、コミュニケーション応用」
(展望)
上記の研究テーマを中心に、医療、セルラー/ティッシュエンジニアリング、リモート
センシング、環境等に貢献することを目的に研究開発に取り組んでいる。工学的に、
又は、臨床的に応用レベルに達しているものもあるが、基礎研究であるものもある。
広範な分野へ貢献できる取り組みであり、新しい計測イメージング技法の開発に基づ
き、
「みる」
、
「なおす」
、
「つくる」ことを追求している。
3.2013 年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ
ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。
)
上記の研究テーマに関して研究開発を行った。計測精度や治療精度を向上させた。特に、
超音波を用いた歪テンソル計測に関し、飛躍的に計測精度を向上させた。特許出願に関連
する研究も行った。
得られた成果を以下の通り報告した。
国際会議(ITEC、5頁プロシーディング) 4件
国内研究会(電子情報通信学会超音波研究会他、6頁以上の執筆原稿資料の公開) 8件
国内会議(日本超音波医学会)
3件
4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ
さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。
)
(学部)産学技術交流会ポスター展示「医用超音波における診断と治療のイメージング」
5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。
)
(学部)生体医工学、可視化工学、基礎物理学、電磁気測定、情報理工実験I とII、ゼミ
ナールI とII、卒業研究I とII
(学部、電気電子工学科):卒業研究及び講究I とII
(大学院)医用画像工学、情報学ゼミナールIA、IIA、IB、IIB、大学院演習IA、IIA、
IB、IIB、研究指導、論文指導
40
6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各
種のワーキンググループなどでの活動も含みます。
)
(学内)生活委員会委員、電気電子工学科クラス担任、SLO企画委員会委員、安全委員
会委員
(学外) Honorary editorial board of Reports in Medical Imaging
Editorial board of Journal of Medical Engineering
Editor of Medical Imaging and Computational Biosimulation
7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)
特に無し。
41
所属
情報理工学科
氏名
高岡 詠子
1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください)
研究分野:
環境・教育を支えるアプリケーション構築やデータ解析
キーワード: コンピュータと社会,データベース,Web アプリケーション,環境計
測,気象データ解析,太陽光発電,タッチタイプ,プログラミング教育,高校情報教育
2.研究テーマ
A)
気象,環境計測に関する研究
(ア) 気象可視化アプリケーション構築
(イ) 気象測定等環境測定フレームワークの実用的な運用
B)
教育に関する研究
(ア) 情報教育・プログラミング教育に関する研究
(イ) タッチタイプに関する研究
(展望)
「環境・教育を支えるアプリケーション構築」というテーマで研究に取り組んでいる.
長期的には①環境測定フレームワークの実用的な運用②タッチタイプのデータ分析を
もとに,タイピングの特性を明らかにすること,具体的に役立つ手法を提案すること
の2テーマを考えている.長中期目標を達成するために今年度は下記に示す7つのテ
ーマを卒業研究および大学院研究にて行った.今後は,今年度の成果をベースに,ア
プリケーション構築に関しては,運用フレームワーク上で他のツールとの連動を考え
た使いやすいアプリケーションの開発を目指す.タッチタイプに関する研究としては
具体的にどのような練習が効果的であるかを考案し,検証するための準備を行う.高
等学校の情報教育に関しては,実用的なテーマを扱ったプログラミング講座を引き続
き提供していくことになっている.
3.2013 年度の研究成果
(ア) Live E!およびソラテナの気象センサ情報のマッシュアップ
42
上記 A)-ア に関連する研究である.気象データを提供しているサイトなどは非常に多
いが,気象データの提供の仕方は,API を公開しているもの,サイトにデータを公開
しているものなど提供の仕方がばらばらであり,複数の気象データをマッシュアップ
表示できれば,特に気象に携わる研究者にとっては,研究が進むということを背景に
今回は,2013 年 6 月に,Live E!プロジェクトを通じ,KDDI 株式会社(以下 KDDI)
および株式会社ウェザーニューズ(以下 WNI)が提供する気象データを用いたコミュ
ニケーションサービス「ソラテナ」の気象データの公開が開始されたことを受け,独
立しているデジタル百葉箱とソラテナの気象データを同じインタフェースでマッシュ
アップして扱うことで,データを効果的に閲覧するためのアプリケーションを構築し
た.
(イ) IEEE1888 プロトコル対応 Live E!気象センサ用プロファイル情報登録インタフェー
スの構築
上記 A)-イ に関連する研究である.Live E!プロジェクトでは,気象センサからのデー
タを取得できる API を開発し公開している.しかし従来のプロトコルでは多量のデー
タ転送が困難だったこともあり,次世代 ICT 技術のインフラを目指し,新しいプロト
コルが開発され,IEEE1888 プロトコルとして標準化された[1].設置されている気象
センサは旧プロトコルから IEEE1888 プロトコルへ対応するように順次バージョンア
ップされている.旧プロトコル時代より各センサのプロファイル登録は管理者が手作
業で行っていた.加えて,センサのプロファイル情報(住所,設置場所名など)の整理が
必須であることも明らかになってきた.このような背景のもと,本研究では IEEE1888
プロトコル対応の Live E!気象センサのプロファイル情報の整理と登録インタフェー
スの構築を行った.本研究は次年度も継続して行う.
(ウ) Operating Live E! digital instrument shelters using solar photovoltaics
上記 A) に関連する研究である.上記気象観測装置の,より低コストで安定した運用
を行うことを目的とした研究である.日射量の強度(天候)と発電量の関係について解
析を行い,1年を通して,安定した運用を実現するために最低限必要な太陽光パネルの大き
さは現在設置されている太陽光パネルの約 0.8 倍で十分であることがわかった.
(エ) Programming education at high schools and universities: Design, Development,
and Assessment
(オ) 情報教育のための教育コンテンツの作成と授業の実践および授業パッケージの提
案
(エ)(オ)は上記 B)-アに関連する研究である.実際に実用的なプログラム作成のた
めの教材を作成し,それを用いたプログラミング講座を高校および大学で行い,その
43
結果を分析することで効率的にプログラミング教育を行うためにはどうすれば良いか
を検討した.その結果,高校の授業においてはアニメーションによる説明を行ってい
る教材のほうがテキストのみよりも理解度が高いこと,大学の専門科目における自習
用教材として適用可能であること,大学の教職科目である情報科教育法の授業にも適
用が可能であることも導かれた.
(カ) タイピング動作特性の解析
上記 B)-イ に関連する研究である.中級者のタイピングデータを分析し前年度の初心
者のデータと比較を行った.その結果,中級者も初心者も同じような文字を得意とし,
同じような文字を苦手としている,中級者は初心者に比べ誤打鍵のミスの割合が減り,
入れ替えや挿入のミスの割合が増える,中級者は左右の交互打鍵が速く,初心者は一
つの指による連続打鍵のほうが左右の交互打鍵より速い,中級者は左手より右手によ
る打鍵のほうが打鍵間隔が短い,などの結果が導かれた.
(キ) ‘Computer Science Unplugged’-based learning in computer science education:
Design, Development, and Assessment
上記 B) –ア に関連する研究である.情報技術に興味を持たせ,知識を深めるための,
新しい視点での授業支援テンプレートを構築し,一部公開している.コンピュータ・
サイエンス・アンプラグド(http://csunplugged.org/activities-under-development)
に提案手法が掲載された.ロールプレイを行う手法である.この手法を高校の授業,
大学の一般教育科目に適用した.その結果,大学生にとっては全員が参加して劇を
行うよりも代表者が前で劇を行う形が良いという結果が得られ,高校生には,ク
ラスの雰囲気によって運用の方法を検討すべきという結果が得られた.
4.大学内外における共同的な研究活動
<共同研究>

LiveE!協議会に所属し,企業,大学等と共同で研究を行っている.詳細は下記の通り.
個人や組織により設置運営される「デジタル百葉箱」等が自律的に生成・取得する,
気象情報や都市活動に関する情報など,広義の地球(Earth)に関する 生きた(Live)環
境(Environment)情報が自由に流通し共有される電子(Electronics)情報基盤を形成発
展させ,自律的で自由な 環境情報の利用法,安心安全で効率性の高い活動空間(=
環境)の創造を目指す. 地球温暖化対応のような環境保護対策での利用はもちろん
のこと,教育,公共サービス,ビジネスアプリケーションなどの分野での自由で自律
的な利用法につい て,積極的な働きかけを行う.
このプロジェクトに関連し,大学構内に気象センサ,PM センサ等を設置している.
44

都立多摩科学技術高校との高大連携活動: LiveE!高大連携活動の一環として,「気象
観測データの可視化アプリケーションの構築」を行っている.また,「高校における
情報教育テンプレートの試作とその運用」の共同研究も同校と行っている

千葉県柏の葉高等学校との高大連携活動: LiveE!高大連携活動および科学技術振興機
構より支援を受けサイエンス・パートナーシップ・プロジェクト事業活動の一環とし
て「気象センサ のデータ解析と Web プログラミング -環境情報の可視化-」を行っ
ている.
5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください.講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください.
)
科学技術英語 1F(情報)
,データベース,情報科学特論,情報フルエンシー(情報科学と人
間)
,情報理工学演習 I,研究指導,大学院演習 IA,IIA,IB,IIB, 卒業研究 I,II,情報学ゼミ
ナール IA,IIA,IB,IIB,ゼミナール I,II,基礎生物・情報実験・演習
科学技術英語 1F(情報)
,データベース,情報科学特論,情報フルエンシー(情報科学
と人間)
,情報理工学演習 I,基礎生物・情報実験・演習の各授業の資料作成.Moodle にほ
ぼすべてアップロード
オープンキャンパス
体験授業
オープンラボ(LiveE!協議会デモと同時開催)
<学外>
明治学院大学:情報科教育研究1,情報科教育研究2,教育の技術と方法
国際基督教大学:コンピュータと人間
放送大学テレビ:計算事始め’13 テレビ放映,オープンコースウェア
千葉県立柏の葉高等学校:
「サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト」に係るプログラミングの指導
第1回 7月18日(木) 午後1時00分から午後4時まで
第2回 7月25日(木)
午後1時30分から午後4時まで
第3回 8月 1日(木)
午後1時30分から午後4時まで
第4回 8月30日(金) 午後1時30分から午後4時まで
45
6.教育研究以外の活動
(学内)
理工グローバル 30 検討委員会委員
テイヤール・ド・シャルダン委員会委員
ボランティア・ビューロー運営委員
カトリックセンター委員会委員
情報理工学科平成 23 年度新入生担任
教育用コンピュータ環境整備委員会委員(情報理工学科)
情報理工学科カリキュラム委員
情報学領域就職担当
(学外)
国際基督教大学非常勤講師
明治学院大学非常勤講師
独立行政法人 情報処理推進機構 情報処理技術者試験委員
情報処理学会コンピュータと教育研究会運営委員
情報処理学会学会誌編集委員会委員
情報処理学会論文誌ジャーナル/JIP 編集委員会委員小委員会(情報システムグル
ープ[Information Systems Group]
)委員
情報処理学会 2013 年度 論文賞選定ワーキンググループ委員
情報処理学会初等中等教育委員会委員
情報処理学会論文誌「教育とコンピュータ」特集号編集委員会幹事
情報処理学会情報処理教育委員会若手奨励賞 WG 委員
東京都立 多摩科学技術高等学校平成 25 年度スーパーサイエンスハイスクール
(SSH)運営指導委員
7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください.)
高等学校への派遣
SSH 第 2 回運営指導委員会(東京都立多摩科学技術高校,平成 25 年 7 月 1 日(月)15:00〜16:00)
SSH 第 3 回運営指導委員会(東京都立多摩科学技術高校,平成 26 年 3 月 6 日(木)15:00〜16:30)
LiveE!プロジェクト主催第 2 回コンテスト運営委員長
46
所属
情報理工学科
氏名
高橋
浩
1.研究分野とキーワード
研究分野:
超高速光通信システム
キーワード:
光ファイバ通信,変調方式、光信号処理、光変調器、光集積回路
2.研究テーマ
「超高速光通信ネットワークの実現に向けた通信方式・光信号処理の研究」
(展望)世界中のデータセンター、企業、大学、一般家庭の PC、携帯電話などあらゆる情
報機器は通信ネットワークで結ばれ、私たちの生活を便利にしている。今後、ますます情
報通信技術(ICT)を活用する社会になるが、そのためには通信ネットワークに張り巡らさ
れた光ファイバを流れる情報の伝送速度(1秒間のビット数)を高める必要がある。
従来、光ファイバ通信ではデジタル信号の1と0を光の On と Off で表現、すなわちレー
ザ光源の点滅で情報を送っていたが、その伝送速度は 10Gbit/s が限界であった。近年、情
報に応じて光の位相を変化させることで、1つの信号に複数ビットの情報を含めることの
できる多値変調方式に移行し、現在は 100Gbit/s が実現されている。今後、伝送速度をさら
に高めるには、多値度をさらに上げる、変調効率を高める、複数チャネルを多重するなど、
変調方法に新たな手法を導入する必要がある。また、光ファイバ材料である石英ガラスの
屈折率の分散や非線形性に起因する伝送信号波形歪みに対する補償も必要である。本研究
では、これら諸問題を解決し超高速光通信の実現を目指している。具体的には、ベースバ
ンドにおけるデジタル信号処理方式の検討、新しい光変調器の構造や駆動法の検討、ファ
イバ伝送中の信号波形の検討、受信機における光信号処理およびデジタル信号処理の検討
などを行う。
また、上記研究で培われた光集積回路や光信号検出手法を光ファイバ通信以外の分野(例
えば、バイオ/医療における光学的高感度センシング)へ適用するなど、研究対象範囲を
徐々に広げて行く方針である。
47
3.2013 年度の研究成果
■超高速伝送時の問題解決の研究として、以下の研究を行った。(卒業研究4件)
(1)光 OFDM 信号の非線形劣化抑制の研究
Orthoglnal frequency division multiplexing 方式では信号の PAPR(peak to average power
ratio)が増大しファイバ中の非線形現象により信号が歪む問題があるため、送信前に信
号を意図的に歪ませることで PAPR を低減して非線形現象を回避する方法の原理確認
を行った。
(2)光位相変調器の最適駆動法の研究
QPSK(quadrature phase shift keying) 変調信号の生成には一般的に IQ 変調器が使用され
るが、小型な光位相変調器で同じ信号を生成する方法を検討し、ファイバの累積分散
値が低い短距離の通信ではこの方法が適用できることを明らかにした。
(3)並列位相駆動によるロスレス変調法の研究
QPSK(quadrature phase shift keying) 変調信号の生成には一般的に IQ 変調器が使用され
るが、3dB の原理損失が発生する。この損失を回避する新たな光変調器として、トラン
スバーサルフィルタ型の変調器を提案し、動作検証を行った。
(4)多段駆動による高速変調信号生成の研究
100Gbit/s のデータを 2 つの 50Gbit/s のデータ系列(XOR 演算をすると元のデータにな
る)に分割して2段階で変調することで、100Gbit/s の信号を生成できる方法を提案し
原理を確認した。これにより電子回路の帯域の2倍の情報を送ることが可能となる。
■光集積回路/光信号処理回路技術に関して、以下の講演/発表を行った。
(1)H. Takahashi, "Active device integration on silica waveguide platform”、The 18th
Opto Electronics and Communications Conference, TuN3-2, July 2, 2013
(2) T. Yoshida, H. Asakura, T. Mizuno, H. Takahashi, H. Tsuda, "Silica-Based 100-GHz
Spacing Integrated 40-λ 1×4 Wavelength Selective Switch", 39th European
Conference on Optical Communication, We.4.B.3, 2013
(3)T. Yoshida, H. Asakura, H. Tsuda, T. Mizuno, H. Takahashi, "Silica-Based 100-GHz
Spacing Integrated 40-λ 1×4 Wavelength Selective Switch", IEEE Photonics
Technology Letters, vol. 26, pp.451-453, 2014
(4)林修平、水野隆之、高橋浩、池田達彦、津田裕之、「光スペクトル制御回路の振幅及び
位相制御特性」、電子情報通信学会ソサイエティ大会、C-3-22、2013
■光ネットワークと経済活動の類似性の研究に関して、以下の講演を行った。
(1)小関健、高橋浩、竹田陽介、「ネットワーク場の理論~自然界のネットワーク・トポロ
ジーの考察」
、信学技報 OCS2013-92
48
(2)小関健、高橋浩、竹田陽介、「ネットワーク多重モード解析法と場の理論~数学的基盤
の継承性」、信学技報 OCS2013-178
4.大学内外における共同的な研究活動
・光ネットワークと経済活動の類似性の研究(共同研究、小関名誉教授)
5.教育活動
・電気回路 I
・通信ネットワークシステム(光通信ネットワーク関連)
・ヒューマンコミュニケーション(電話、インターネット、携帯電話の基礎)
・情報理工学演習 III(Matlab プログラミング)
・情報理工学実験 I(CMOS 基本特性評価)
・情報理工学実験 II(CMOS 動作シミュレーション)
・卒業研究 I、II
・ゼミナール I(光ファイバ通信の歴史)
・ゼミナール II(光ファイバ通信の歴史)
・通信用光回路工学[大学院](光導波路、光フィルタ、光変復調)
・(学外)
「平面光波回路とその光通信への応用」、室蘭工業大学大学院
特別講義
6.教育研究以外の活動
・電子情報通信学会
Web ページ企画運営委員会
企画委員
・国際会議(OptoElectronics and Communication Conference) 総務委員
・IEEE/OSA Journal of Lightwave Technology,
・応用物理学会
日本光学会
Associate Editor
微小光学研究グループ
7.その他
・光ファイバ製造会社より研究助成金 80 万円
49
実行委員
所属
情報理工学科
氏名
田中 昌司
1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)
研究分野:
脳科学,脳イメージング
キーワード: 脳機能ネットワーク,思考・認知制御,ワーキングメモリー,
記憶ネットワーク,社会脳,心の理論,メンタル・シミュレーション
2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要
があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。
)
人間の認知機能と脳ネットワーク活動の関係
脳イメージングにおける多変量統計解析
脳ネットワーク・アーキテクチャー:信仰,音楽,共感性などとの関連性
自己と他者の理解のための脳ネットワークの研究
感情を伴う顔情報処理ネットワークの研究
物体の脳内情報処理ネットワークの研究
ワーキングメモリーの容量と精度に関する計算論的研究
展望:
脳イメージング法による人間の脳活動と知性の関係を研究している.とくにネットワー
ク解析に重点を置いて,脳内情報処理メカニズムの解明につながる研究を行っている.新
しい手法として,安静状態の脳活動データから脳ネットワークの抽出を行い,様々な脳内
情報処理との関連を調べている.さらに,それをベースにして,教育,コミュニケーショ
ン,社会性などの今日的課題への応用を目指している.
また,信仰の有無による脳ネットワーク解析は,自己・他者理解や自己超越性に関する
ネットワークの特定やスピリチュアルケア研究への発展が期待できる.これは人生の後半
において重要性を増し,健全な精神と心の平安を保ち,良好な社会生活を営むために必要
なことは何かを明らかにする可能性をもっている.さらに,真の生きがいにつながる霊的
なはたらきが,脳活動の何によってもたらされるのかを知ることは意義深い.捉え難いも
ののように思えるが,確かな作用があることを考えると,適切な方法で検出可能だと考え
るのがむしろ自然である.
50
3.2013 年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ
ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。
)

順天堂大学医学部との共同研究によって,視覚情報処理を行っている脳から脳波を記
録し,判別分析や主成分分析などの多変量統計解析を行い,初期の視覚情報処理に関
する脳ダイナミクスと事象関連電位との統計的な関係を研究した.

慶応大学医学部との共同研究によって,あたらしく慶応大学で開発された統合失調症
患者の評価尺度 TIPS のスコアを因子分析し,全体が4つの因子から構成されること,
およびその因子間の関係を記述するモデルを構築した.

University of California, San Diego との共同研究によって,マウスの探索行動に関す
る統計モデルを構築した.

精神医学におけるシステマティックなモデルベースの研究手法を提唱した.
4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ
さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。
)

脳イメージング実験(上智大学,順天堂大学,桐朋学園大学)

人間の脳活動とマウスの行動解析(学内共同研究)

マウスの探索行動解析モデル(University of California, San Diego との共同研究)
5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。
)
学習・記憶・認知,脳科学,ヒューマンコミュニケーション,
情報理工学実験1,2,情報学セミナー,卒研指導,
大学院セミナー,大学院演習,研究指導
6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各
種のワーキンググループなどでの活動も含みます。
)
(学内) 理工人事委員会委員
7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)
なし
51
所属
情報理工学科
氏名
田原 秀敏
1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)
研究分野:
複素領域での非線型偏微分方程式の研究
キーワード: 正則解、特異点、総和法、解の存在、解の一意性 など
2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要
があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。
)
「非線型偏微分方程式の解の存在と一意性」
「発散する形式解のボレル総和可能性について」
「q-差分方程式の解のボレル総和可能性について」
(展望)
複素領域での非線型偏微分方程式の解の存在と一意性の研究をしている。形式解が収束す
る場合は、その収束したものがそのまま解を表すが、形式解が発散する場合には、その取
り扱いは極めて難しくなる。ボレル総和可能性の立場から、発散する形式解を調べること
により、従来知られていなかった方程式に対して、解の存在を示そうというのが、当面の
研究課題である。また、最近は q-差分方程式の形式解のボレル総和法の研究にも大きな興
味を持つようになってきた。
3.2013 年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ
ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。
)
○ある種の q-差分・偏微分方程式の形式解に対して、そのボレル総和可能性を証明した。
○非線型の合成積・偏微分方程式の局所解の解析接続に関しての良い結果を得た。これは、
特異点を持つ形式解の総和可能性を調べる上でのキーとなるべき道具である。
4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ
さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。
)
○解の存在と一意性に関して、Dennis B. BACANI(本学の PD)と共同研究。
○q-差分方程式に関して、山澤浩司(芝浦工大)と共同研究。
52
5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。
)
偏微分方程式、数学 IA、数学演習 I、情報理工学演習Ⅰ、微分方程式の基礎
ゼミナールⅠ、ゼミナールⅡ、卒業研究Ⅰ、卒業研究Ⅱ
6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各
種のワーキンググループなどでの活動も含みます。
)
(学内) 数学領域主任
(学外) Tokyo Journal of Mathematics 編集委員、
7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)
53
所属 情報理工学科 氏名 田村 恭久 1 .研 究 分 野 と キ ー ワ ー ド(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)
研究分野: 教育工学、eラーニング
キーワード: 電子教科書、アクティブラーニング、体育実技支援
2 . 研 究 テ ー マ (箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必
要があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)
「タブレット端末を用いたラーニングアナリティクス向け学習活動データの収集」 「電子教科書の教師用指導書を用いた自律学習支援の研究」 「電子教科書を用いたアクティブラーニング支援」 「Kinect を用いた体育実技のフォーム改善の支援」 (展望) 上記の前3テーマは、今後日本を含む各国で普及が予想されるタブレット端末と電子教科
書を対象としている。現在、IDPF や IMS でその仕様が検討されており、このなかで学習活
動の各種データの取得によるラーニングアナリティクス(学習分析)が進むと予想される。
このため、取得すべきデータ項目を提案し、各種団体との調整を図る。また、既存の教師
用指導書のデータを用いた自律学習の支援方法についても現在検討中である。4番目のテ
ーマは体育実技に関するもので、Kinect を用いて体の関節座標を認識し、運動フォームの
分析と矯正フィードバックを行うシステムを研究開発している。 3 .2013 年 度 の 研 究 成 果 (論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報デー
タベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)
電子教科書に関しては、論文2本と学会口頭発表2本がある。
体育実技支援に関しては、論文1本と学会口頭発表2本がある。
また、電子教科書やアクティブラーニングに関するセミナーや招待講演を14回行った。
54
4 .大 学 内 外 に お け る 共 同 的 な 研 究 活 動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してく
ださい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。)
電子教科書やアクティブラーニングに関し、IDPF (国際電子出版協会)に専門委員として加
わっているほか、文部科学省のプロジェクトメンバーである。
体育実技支援では、本学保健体育研究室 島教授と共同研究を推進している(学内共同研究
2012〜2013 年度)。
5 .教 育 活 動 (担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)
情報リテラシー演習、理工基礎実験演習、理工学総論、教育情報工学、ゼミナール 6 . 教 育 研 究 以 外 の 活 動 (学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や
各種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)
(学内) 理工:自己点検評価委員、教育研究推進センター運営委員、図書委員
全学:自己点検・評価実施小委員、情報ネットワーク専門委員、教育研究用
コンピュータ・システム等運営委員、情報科学教育研究センター所員
(学外) 日本 e ラーニング学会理事、人材育成マネジメント研究会理事、アスカ・
アカデミー理事
7 . そ の 他 (上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)
特になし
55
所属
情報理工学科
氏名
辻 元
1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)
研究分野: 複素代数幾何学、ケーラー多様体論
キーワード: ケーラー計量,リッチ曲率, アインシュタイン計量,
正閉カレント,L^2 評価式
2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要
があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。
)
コンパクトケーラー多様体の変形理論
多重種数の変形不変性
不変測度の構成
ケーラー・リッチ流の研究
(展望)
ケーラー・リッチ流を,離散的な力学系で近似することにより,ケーラー変形についての
標準測度の対数擬凸性を証明することを目標にしている。
既に、代数的な変形について
は目的の結果を得た。
3.2013 年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ
ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。
)
ケーラーリッチ流を極値的測度を用いて、記述し、その対数擬凸性について、変形が代数
的な場合に証明をした。
4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ
さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。
)
バリ第6大学の S. Boucksom 氏と、ケーラー・リッチ流の解析的研究を行っている。
5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。
)
多様体論、微分幾何学の基礎、数学入門Ⅱ、幾何学特論Ⅱ、図形の世界、情報理工演
習
56
6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各
種のワーキンググループなどでの活動も含みます。
)
(学内) 資格審査委員、STEC 委員、
(学外) Japanese Journal 編集委員、日本数学会評議員
7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)
57
所属 情報理工学科
氏名 都築正男
1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)
研究分野:
整数論(保型形式とL関数)
キーワード: 保型表現、保型L関数、跡公式
2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要
があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。
)
保型表現のL関数の特殊値或いは保型形式の周期積分が、表現のコンダクターを変動させたとき漸近的にどのよ
うに振る舞うかという点に注目した研究をここ数年継続して行っています。
このような視点から発せられる問題群は「一般リンデレーフ予想」や「一般ラマヌジャン予想」などL関数論における
深い未解決問題をはじめ、ラプラシアン(不変微分作用素)やヘッケ作用素の固有値分布における「スペクトルギ
ャップ」の存在問題、保型表現の分類などとも関連して面白く興味を惹かれています。
研究には跡公式(trace formula)とその変種を用いるのですが、これらの公式自体をより使いやすい形にすることに
も関心があります
3.2013 年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ
ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。
)
一般の総実代数体上の正則ヒルベルト保型形式あってその標準L関数の中心L値とその2次指標捻りが同
時に消えずかつレベルと定義体絶対次数がいくらでも大きいものが豊富に存在することを示すことができ
た。昨年までの研究手法を発展させて得られた成果である。
4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ
さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。
)
第16回白馬オータムワークショップ(2013年11月6日から10日)の組織
58
5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。
)
代数学基礎、情報理工学演習III、微分方程式の基礎、
6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各
種のワーキンググループなどでの活動も含みます。
)
TJM編集委員
7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)
59
所属
情報理工学科
氏名
角皆 宏
1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)

研究分野: 数学・整数論・構成的ガロア理論

キーワード: ガロア理論・ガロアの逆問題・生成的多項式・ネーター問題・モジ
ュライ空間・点配置空間
2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要
があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。
)
「構成的ガロア理論」特に、

「複比型ネーター問題とその周辺」

「顕著な性質を持つ生成的多項式の構成」

「種数 1 の dessin の計算」
(展望)
「構成的ガロア理論」とは、数の対称性を記述するガロア理論に於いて、特に、興味深
い対称性を狙って構成すること、更に可能な限り簡潔な形で実際に計算すること、などを
主眼とする分野で、代数的整数論・数理情報技術など理論・実用双方への応用も期待され
る。中でも特に上記の幾つかのテーマを中心に研究を進めている。
「複比型ネーター問題とその周辺」については、6 次の複比型ネーター問題について、全
ての可移部分群についての解決を目指しており、現状では 16 種のうち最も困難と思われる
2 種を残すのみとなった。この 2 種についての解決に取り組むと共に、特に 6 次の場合に
特徴的な現象である外部自己同型で捻った作用(外捻り作用・exotic action) との関係を明ら
かにしたい。関連する問題として、複比の体と差の比の体の固定群の間の相対的有理性の
問題について、偶数次可移部分群についての出来るだけ広範囲な知見を得たい。
「顕著な性
質を持つ生成的多項式の構成」については、簡潔な表示を持つ生成的多項式を得ることは
一般に重要であるが、とりわけ、定数項が単数で各係数がパラメタの整係数多項式である
モニックな生成的多項式(単数を根とする多項式)の構成に関しては、代数的整数論への応用
も見込まれるため興味深い。種数 1 の dessin の計算については、6 次の場合の完全な表を作
ること、2 点が完全分岐する場合について組織的な知見を得ること、を当面の目標とする。
2.1 卒業研究での研究テーマ

「円分体の 4 次中間体」
60
3.2013 年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ
ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)
「複比型ネーター問題とその周辺」については、6 次の複比型ネーター問題について、未解
決で最も困難な 2 種の場合の考察を試みているが、結果には至っていない。複比の体と差
の比の体の固定群の間の相対的有理性の問題については、従来得ている成果をより組織的
かつ簡明にまとめて論文として発表すべく準備中である。単数を根とする多項式の構成に
関しては、計算を行なっているが今年度はあまり進展がなかった。種数 1 の dessin につい
ては、6 次の場合の完全な表の作成は、計算が困難で未解決の一部の場合が残ったままであ
り、難航している。2 点が完全分岐する場合については、発表には至っていないが、若干の
知見を得ており、論文として発表するのはこの見通し次第である。全体に目に見える進展
はできなかった。
4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ
さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。)

橋本喜一朗氏(早稲田大学) を中心とする構成的ガロア理論研究グループとの共同
研究

科学研究費補助金(その他の項目を参照) による構成的ガロア理論研究グループで
の共同研究

早稲田大学整数論セミナーに継続的に参加

その他、各種研究集会への参加
5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。
)

学内担当授業科目

春学期:
「理工基礎実験・演習」(情報演習・物質生命理工学科クラス)・
「計算機数
学」
・
「数学科教育法Ⅲ」
・
「ゼミナールⅠ」
・
「卒業研究Ⅰ」
・
「教育実習 I」(教育実習
事前事後指導)・
「代数学特論Ⅰ」

秋学期:
「理工学概論(情報理工)」
・
「情報理工学演習Ⅱ」(数学演習) ・
「代数学Ⅲ
(ガロア理論)
」
・
「数の世界」・「ゼミナール II」
・「卒業研究 II」

その他

早稲田大学非常勤講師「代数 3」(後期)

教員免許状更新講習「数学での答案の書き方~複素数などを題材に~」(2013 年 8
月)
61
6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各
種のワーキンググループなどでの活動も含みます。
)

学内

全学:TEAP 型入試検討委員・課程委員・情報ネットワーク専門委員

理工学部:教職課程委員・人事委員

情報理工学科:1 年クラス担任・カリキュラム委員・教育用コンピュータ環境整備
委員・将来計画委員・ネットワーク構想委員


数学領域:計算機委員
学外

日本数学会情報システム運営委員(2010 年 7 月~・任期 2 年・2 期目)
7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)

外部資金獲得

科学研究費補助金(基盤研究 C)「非可換なガロア群を持つ代数体と被覆の計算的研
究」(課題番号:22540032) 平成 22~26 年度、2013 年度交付額 70 万円
以上
62
所属
情報理工学科
氏名
中島
俊樹
1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)
研究分野:
代数学
キーワード:
量子群、結晶基底、幾何結晶
2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要
があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)
基本指標の結晶基底の単項表示
結晶基底の多面体表示と単項結晶表示
Double Bruhat cell 上の cluster 変数の単項結晶表示
(展望)
基本指標の結晶基底の単項表示について A,B,C,D 型について結果が得られたので、よ
り統一的な手法による研究を進めたい。
多面体表示との関係も明らかになってきたので、そちらについても研究を計画中。
Double Bruhat cell 上のクラスター代数と結晶基底の関係についても明確になってきて
いるのでより深い考察をしていきたい。
3.2013 年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ
ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)
1篇の論文が出版された。
今後は上記の展望の基本指標の結晶基底の単項表示のみならず、新しい研究分野の開拓に
も力を注ぎたい。
4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ
さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。)
Kailash C.Misra 教授 (North Carolina State University)、 五十嵐真奈(本学 PD)と
アファイン幾何結晶について共同研究を遂行中。また、大学院生の金久保有輝とクラスタ
ー代数と結晶基底についての共同研究も遂行中である。
63
5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)
数学 AII, 現代数学 A,
環と加群、情報理工学演習 III,代数学特論 II,
ゼミナール I, II, 卒業研究 I, II、大学院演習 IA,IB、数学ゼミナール IA,IB
6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各
種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)
(学内)情報理工学科長、数学科長、理工推進委員会,理工広報委員会委員長、
発明委員会
7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)
64
所属 情報理工学科 氏名 中筋 麻貴 1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)
研究分野: 解析数論と関連分野間の相互関係
キーワード: 保型形式,保型表現,組合せ論的表現論,
Casselman基底,Hecke環,可解格子模型, Yang-Baxter方程式
2.研究テーマ (箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必
要があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)
「ワイル群多重ディリクレ級数」
「Casselman問題」 「ヒルベルト空間とフーリエ変換」 (卒研) 「ディリクレの定理」 (卒研) 「単位円場の超関数」 (卒研) (展望)
解析数論の分野において中心となる「対称性」をもつ特殊な関数の性質や挙動について研
究に取り組んでいる.本研究では,解析数論からの視点に限らず,様々な分野や理論の視
点からその性質について解析を行っている.
保型形式および保型表現の研究から導入された「ワイル群多重ディリクレ級数」は,最近
の研究から,組合せ論的表現論(量子群の結晶基底,可解格子模型等)やシューベルトカ
リキュラス等と関係していることが期待されており,これらの分野間の相互関係を明確に
し,これによりこれまで未解決であった各分野の問題に対して貢献していく.
3.2013年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ
ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)
本研究では,可解格子模型に対するYang-Baxter方程式の有用性について考察した.具体的
には,Schur関数の変数を拡張したFactorial Schur functionをYang-Baxter方程式を用いること
により,可解格子模型で記述することに成功した.またその応用として,Factorial Schur関
数について報告されていた従来結果に別証明を与えた.
一方,半単純代数群のIwahori部分群に対して不変となる主系列表現の基底であるCasselman
65
基底の明示公式の解明に取り組み,シューベルトカリキュラスの観点から考察することに
より,先行研究において得られていたBump-Nakasuji予想を改善した.また,Hecke環の特殊
化に関係するYang-Baxter基底を用いた表示を与えることに成功した.
4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してく
ださい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。)
Stanford大学Daniel Bump氏との共同研究, 「Factorial Schur関数とYang-Baxter方程式」 岡山大学成瀬弘氏との共同研究「Casselman問題とシューベルトカリキュラス」 5.教育活動 (担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)
(学内)
複素関数論,情報理工学演習I, 情報理工学演習II, 常微分方程式,
フーリエ・ラプラス解析,科学技術英語2A, ゼミナールI,ゼミナールII,
卒業研究I, 卒業研究II,
(学外) 三鷹ネットワーク大学「数学はこんなに面白い!4」「整数の分割」テキスト作成 三鷹ネットワーク大学「数学はこんなに面白い!4」「対称式とヤング図形」テキスト 作成 6.教育研究以外の活動 (学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や
各種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)
(学内) 該当なし
(学外) WINJ(数論女性の集まり)世話人
7.その他 (上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)
66
所属 情報理工学科 氏名 新倉 貴子 1.研究分野とキーワード
研究分野: 老化に伴う脳疾患の研究、生理活性物質の機能の研究
キーワード: 神経変性疾患,アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、神経細胞、
細胞生存因子
2.研究テーマ
アルツハイマー病の病態機序の解明 筋萎縮性側索硬化症の病態機序の解明 細胞生存因子の作用機序解明 (展望) 脳の機能、特に加齢に伴う変化を理解することを目的として、アルツハイマー病や筋萎縮
性側索硬化症といった神経変性疾患の病態発生の機序を明らかにするとともに、その裏側
にある正常な脳の働きの分子レベルでの解明に取り組んでいる。また、細胞生存因子ヒュ
ーマニンの作用機序を解析し、細胞の生存に必要な分子機構を明らかにしようと考えてい
る。 3 . 2013 年 度 の 研 究 成 果
ヒ ュ ー マ ニ ン 受 容 体 の シ グ ナ ル 伝 達 経 路 の 解 析 に つ い て の 学 会 発 表 ( Society for
Neuroscience 42nd Annual Meeting 2013)
67
4.大学内外における共同的な研究活動
アルツハイマー病における神経原繊維変化の発生機序の解明(慶應義塾大学)
5.教育活動
細胞神経科学,細胞神経科学特論,基礎生物学,理工基礎実験,ゼミナール 6.教育研究以外の活動
(学内) ハラスメント委員会
7.その他
68
所属
情報理工学科
氏名
林
等
1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)
研究分野:
電子デバイス・電子機器,通信・ネットワーク工学
キーワード: 無線通信回路,無線センサネットワーク,非接触 IC カード,RFID,
RFIC,無線通信システム,ビッグデータ
2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要
があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)
「LTE(Long Term Evolution)/LTE-Advanced/5G のキャリアアグリゲーションを加速
するマルチバンド送受信機の研究」
「電気とガスのベストミックスを実現する次世代スマートメータリングシステム」
「テレビ放送帯(470-710MHz)のホワイトスペースの有効活用に向けた低歪送受信機
の研究」
「NFC(Near Field Communication), M2M(Machine to Machine/Machine to Management)
に向けた高速起動・低消費電力符号化方式の研究」
「920MHz 帯無線センサネットワークの低消費電力化に向けた隣接無線機判定法の研究」
「震災発生後における民間企業による緊急物資提供サービスに関する研究」
「スマートグリッドサービスにおけるセキュリティ要件に関する研究」
(展望)
(1)無線センサネットワークの低消費電力・高信頼伝送
○電気とガスのベストミックスを実現する次世代スマートメータリングシステム
・スマートメータでは、それ自身のエネルギー消費を減らすため、センサノードであ
るスマートメータ(無線端末)の低消費電力化と、これをサポートする無線センサネ
ットワークの構成が重要である。
・東京電力株式会社のプレスリリース「スマートメーターの設置開始について(平成
26 年 4 月 2 日)」によれば、平成 32 年度までにサービスエリア全てのお客様へスマー
トメータが設置される予定である。
(2)無線センサノードの小型化・低消費電力化
・低消費電力符号やマイクロ波回路の研究をしている。
69
3.2013 年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ
ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)
米国 IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)の国際会議で日本
のスマートグリッドサービスにおけるセキュリティ要件について発表を行った。
H. Hayashi et al., “Security Requirements for Smart Grid Services in Japan,” Proc.
IEEE PES Asia-Pacific Power and Energy Engineering Conf. 2013 (IEEE PES APPEEC 2013),
Dec. 2013.
4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ
さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。)
5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)
ADVANCED ELECTRICAL AND ELECTRONICS ENGINEERING 1,センサネットワーク特論,
基礎情報学,計測と制御,通信ネットワークシステム,
情報理工学実験 I,情報理工学実験 II,ゼミナール I,ゼミナール II,
卒業研究 I,卒業研究 II,大学院演習IA,大学院演習IB,
電気・電子工学ゼミナールIA,電気・電子工学ゼミナールIB
「データドリブンのビジネス判断に向けた解析手法(春学期)」
,
「ビジネス・知財入門(秋学期)」
(公開講座(ソフィア・コミュニティ・カレッジ)コーディネーター・講師)
6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各
種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)
(学内) 理工就職担当 教員,理工サイバーネットワーク委員会 委員,情報ネットワー
ク専門委員会 委員
(学外) 電子情報通信学会 通信ソサイエティ執行委員会 卓越技術データベース 幹事,
電気学会 スマートグリッドにおける需要家施設サービス・インフラ調査専門委
員会 委員,情報通信技術委員会 スマートコミュニケーションアドバイザリグ
ループ e-Health ワーキングパーティ 委員
7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)
平成 25 年度 総務省 戦略的情報通信研究開発推進事業 (SCOPE) 研究代表者
70
所属 情報理工学科 氏名 萬代 雅希 1.研究分野とキーワード
研究分野: 情報通信工学,ネットワークに関する研究
キーワード: 情報通信ネットワーク,プロトコル,無線通信,インターネット
2.研究テーマ
「全二重無線通信を用いたネットワークプロトコル」 「コンテンツ指向ネットワークにおける輻輳制御方式」 「ユーザに視聴品質を向上させるライブストリーミング手法」 「空間依存情報を用いた場所同定手法およびアプリケーション」 「ヘテロジニアスな通信経路におけるマルチパス TCP」 「環境波を用いたバックスキャッタ通信」 「コンテンツ指向型車車間ネットワーク」 「コンテキスト情報を用いたスマートフォンアプリケーション起動の効率化」 「直感的な操作によるモバイル端末のディスプレイ拡張法」 (展望) 「無線通信技術を中心としたネットワーキング技術の大容量化・省電力化・高機能化およ
びネットワーク技術を用いたアプリケーションの創出」の研究に取り組んでいる.近い将
来,超小型コンピュータが生活環境に埋め込まれ,超多数の無線機器からの大量の情報を
クラウド上に送信,蓄積することで,高度なサービスを実現する時代が到来する.その場
合,限りある無線周波数資源を効率良く活用・共有する技術,さらにクラウド側のデータ
センターおよびバックボーンネットワークの省電力化,大容量化が喫緊の研究課題である. 無線ネットワーキング技術の研究開発としては,全二重無線や指向性アンテナ等の新し
い無線物理層技術を上位層で活用することでネットワーク性能を高めるクロスレイヤデザ
インに取り組んでいる.一例として,指向性アンテナおよび MIMO 適用に起因する問題を新
しい無線物理層技術である全二重無線を相補的に適用することで解決し,ネットワーク容
量を向上するメディアアクセスおよびルーティング手法を見い出すことを目的とした研究
に取り組んでいる. また,バッテリレスセンサネットワークを実現するためのバックスキャッタ通信,スマ
ートフォン等のモバイル端末のアプリケーション起動の効率化,複数のモバイル端末の簡
易な画面結合手法,マルチパス TCP の高速化,ライブストリーミングの品質向上手法等の
モバイルコンピューティング環境を創出する研究を行っている. 71
3 . 2013 年 度 の 研 究 成 果
指向性全二重通信に関しては,主として,複数ルートが存在する環境において,ルート
間干渉がスループット特性を大幅に劣化させる問題に対して,他ルートに干渉しないよう
迂回するルート構築手法を提案した.
また,コンテンツ指向ネットワークに関して,コンテンツ取得にかかる時間を短縮する
ために,あらかじめコンテンツを構成するデータのキャッシュ位置を調べ,ダウンロード
時間を安定化することで,高速なダウンロードを実現するダウンロード順序制御法を提案
した.また,コンテンツ指向車車間ネットワークにおけるネットワーク符号を適用したコ
ンテンツ取得法を提案し,トポロジ変化のある環境において,高速なコンテンツダウンロ
ードを実現できることを示した.
その他の成果としては,マルチパス TCP におけるスループット向上手法,バックスキャ
ッタ通信において複数タグが協調することで送信距離延長手法,空間依存情報を用いる場
所同定手法,音波を用いた屋内測位手法等を提案し,ネットワークシミュレータ上での実
験やスマートフォン上での実装実験により有効性を確認した.
4.大学内外における共同的な研究活動
l
文部科学省科学研究費補助金・基盤研究(A)「アンテナの指向性を利用するユビキタス
インフラストラクチャに関する実証的発展研究」大阪大学・渡辺尚教授他
l
文部科学省科学研究費補助金・萌芽研究「自然環境の負担の少ない高機能サステイナ
ブルセンサーネットワークの構築法」大阪大学・渡辺尚教授他
l
総務省戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE) 電波有効利用促進型研究開発
先進的電波有効利用型フェーズⅠ「水平/垂直統合周波数活用による高効率無線ネッ
トワークアーキテクチャの研究開発」大阪大学・渡辺尚教授他
5.教育活動
理工学総論(情報理工学科),マルチメディア情報社会論,情報理工学 I(コンピュータアー
キテクチャ),コンピューティングアーキテクチャ,情報ネットワーク特論,電気電子情報
産業概論,情報理工学実験 I,情報理工学実験 II,情報リテラシー演習,情報フルエンシー
(情報とネットワーク社会),ゼミナール I,ゼミナール II
6.教育研究以外の活動
(学内) 情報理工学科広報委員,情報理工学科カリキュラム委員
(学外) 電子情報通信学会 通信ソサイエティ研専運営会議 幹事(企画担当)
電子情報通信学会 Communications Express 編集委員会 編集委員
電子情報通信学会 ネットワークシステム研究専門委員会 専門委員
7.その他
電気通信普及財団 研究調査助成 60 万円
72
所属
情報理工学科
氏名
平田
均
1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)
研究分野:
力学系・微分方程式
キーワード:
数理生態学・感染症の数理モデル
2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要
があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)
時間遅れのある感染症数理モデルの安定性解析
力学系の基礎 (卒業研究)
(展望)
感染症に関する数理モデルは、微分方程式を使った決定論的モデルと、確率論的モデルに
大別されるが、特に決定論的モデルにおいては、全個体群を S(Susceptible), I(Indected),
R(Recovered)の三つのグループに分けて解析する SIR モデルが基本的である。
この基本モデルを元にして、現実の感染症により適合するようなさまざまの派生モデルが
考案され、数学的にも医学社会学的にも研究が進められている。
現実の感染症においては、例えば未感染者が感染者と接触してから実際に発症するまでに
時間差があるなどの時間遅れを伴うため、数理モデルにおいてもそのような時間遅れを
取り入れるのが現実的であるが、そのようなモデルでは単純な微分方程式では
扱えず、より複雑な関数微分方程式となる。
このような遅れを取り入れた感染症モデル方程式において、その解の漸近挙動や
安定性の解析を行い、現実の現象と比較する事を目的とする。
3.2013 年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ
ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。)
SIR を始めとするさまざまな感染症モデルにおいて、現実の感染症に即した時間遅れを
感染症モデルにおける確率論的解析についての幾つかの文献を読み、遅れを含んだ感染症
モデルへの応用を考察した。
卒業研究指導では、力学系全般に関する基礎的なテキストである「力学系入門:微分方程
式からカオスまで」(共立出版:Hirsch, Smale, Devaney 共著)を用いてテキストセミナー
を行い、時間周期的な出生項を持つロジスティック方程式に関する分岐現象を数値計算に
73
よって解析させて、卒業論文として纏めた。
4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ
さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。)
第 37 回横須賀市市民大学において、
「自然数の性質とその応用 – 素数・剰余と暗号理論」
と題する講座を開講し、8 回講座のうち 6 回を担当した。
5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)
数学 A I(線形代数学:情報理工クラス)
数学 AI I(線形空間論:機能創造・物質生命理工クラス)
応用解析の基礎, 数学演習 I, 数学演習 II,
数学入門 I(全学共通科目), 物理数学と固有値問題
ゼミナール I, II, 卒業研究 I,II
6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各
種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)
(学内)
教育用コンピュータ環境整備委員
理工学振興会事業実施委員
ソフィア・コミュニティ・カレッジ運営委員
情報理工学科カリキュラム委員
情報理工学科入試委員
情報理工学部 4 年生クラス担任
7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)
74
所属
情報理工学科
氏名
藤井 麻美子
1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)
研究分野:
生体循環情報の計測技術の研究, 光を使った脳活動の計測,
表面皮膚
血流情報を低減した光トポグラフィ、濁った媒質の光測定、 生体の電気的や光学的の特性
の計測、生体組織の電気インピーダンス特性、細胞の形状測定、生体の電気等価回路、血
流測定など
キーワード:
脳機能イメージング,拡散光,拡散光イメージング、逆問題、逆問題
空間フィルタ、フィルタ補正逆投影法、直交符号化、皮膚血流信号、脳活動、血液循環,
光散乱、血液の光学特性、血液の電気物性、電気インピーダンス,電極,レーザドップラ、
無侵襲生体測定、非接触測定など
2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要
があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。
)
「血中グルコースやアルコールによる血液細胞の変化の電気インピーダンス計測とそ
の電磁気学的モデルによる検討」
「生体深部血流量信号の光レーザードップラ法による検出法の検討」
、
「RF 強度変調による簡易光散乱係数の計測システムの検討」
「深さ選択性光トポグラフィによる脳活動計測」
「深さ選択性光トポグラフィの画像再構成法のアルゴリズムの改善」
(展望)
「生体の光・電気物性の無侵襲測定技術とその利用」というテーマを軸にし、安全で、使
い易く、低負荷で体情報を取り込むシステムの開発を通じて健康管理や病気の診断に役立
てたいと考えている。中でも血液循環は、生体システムを社会システムに例えると電力の
配送電系のようでもあり上下水道でもあって、さらに脳と臓器との間の情報を伝える役割
も担っており、局所的な不具合が発生すると周辺だけでなく時として全身にも大きな損傷
を与えるものである。近年の超音波画像技術、MRIや核医学技術のめざましい発展によ
り、血流の状態を 3 次元画像として見ることができるようになったが、この血液循環の特
に深部を手軽に見ることは未だできていない。この課題を非侵襲光技術によって克服した
いと考えている。その実現のためには、今まで行ってきた生体の光散乱特性や電気特性な
75
どの生体物性の知見とともに、光技術・信号処理技術が重要こういった課題にも取り組む。
この過程で生まれる成果は、高齢者の健康管理の他、環境問題にも転用可能であり社会に
貢献できると考えている。
3.2012 年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ
ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。
)
本研究室で提案してきた深部選択光トポグラフィの性能について画像ノイズの観点か
ら評価を行いその成果を発表した。また、深部の血流速度推定について、実験的検討を
行い 1 ㎝前後までの血流速度変化の検出が可能であることを示した。血液中のグルコー
スやアルコールによって電気特性が変わることが実験的に得られ、その変化の原因につ
いて電磁気学的モデルのあてはめにより推定され、その成果を学会で発表した。
4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ
さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。
)
レーザ協会の研究会,医工連携におけるレーザ技術の活用講演会「近赤外光を利用し
た深部脳活動の簡易計測法」
5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがあり
ましたらこれに加えてください。
)
全学共通科目情報リテラシー入門,生体医工学,理工基礎実験・演習(情報理工学科
用クラス),情報理工学実験 I,情報理工学実験 II,ゼミナール I,II 医用光工学 ,生体
医工学および光医工学用講義資料作成,
6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各
種のワーキンググループなどでの活動も含みます。
)
(学内)
,研究機構会議委員, 「人を対象とする研究」に関する倫理委員, 理工安
全委員, 学科広報委員
(学外) 生体医工学シンポジウム 2013co-editor,電気学会男女共同参画推進委員,
第 3 回おおた研究・開発フェアへの出展
7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)
76
所属
情報理工学科
氏名
宮本 裕一郎
1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)
研究分野:
組合せ最適化,オペレーションズ・リサーチ など
キーワード: ネットワーク設計,整数計画 など
2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要
があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。
)
「CO2 削減を目的とした道路整備計画」
「鉄道ダイヤを加味した Park and Ride 最適化」
「流れの安全性に着目したネットワーク設計」
(展望)
主に,交通計画に最適化を適用するテーマで研究に取り組んでいる。
適用する交通計画は多岐にわたり,都市における交通(主に自動車)の二酸化炭素排出量
を削減するという目的で道路整備計画を立てるというものや,自動車と鉄道を乗り継いで
通勤する人々のために駅周辺の駐車場整備と鉄道ダイヤを同時に最適化する方法などを扱
っている.また,交通と言うのは大げさかもしれないが,(主に小学校などの)児童が集団
下校する際の経路を安全性の観点から最適に設計することも扱っている.
これらの研究で培われた最適化手法を,今後は,より幅広い応用分野に適用していく予定
である.
3.2013 年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ
ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。
)
流れの安全性に着目したネットワーク設計に関しては,多層ネットワークの概念を導入し
て柔軟性のある経路を設計できるようにした.
その他,交通計画における最適化に関しては,過去の成果をまとめるにとどまった.
77
4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ
さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。
)
「流れの安全性に着目したネットワーク設計」および「交通計画におけるネットワーク設
計」は他大学の研究者との共同研究である.
また,横須賀市民大学にて,平田講師と共同で素数をテーマにした講義を行った.
5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。
)
(学内講義・演習)データ構造とアルゴリズム,ロジスティクス工学,数理最適化特
論,情報理工学演習 II,情報理工学演習 III,情報リテラシー(情報学)
,情報リテラシー
(一般)
,ゼミナール I・II など
(非常勤講師)数理手法 III
6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各
種のワーキンググループなどでの活動も含みます。
)
(学内) 理工サイバー委員会,情報理工学科 2 年クラス担任
(学外)
日本オペレーションズ・リサーチ学会広報理事,日本オペレーションズ・リ
サーチ学会活性化委員会委員,日本応用数理学会離散システム研究部会幹事
7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)
78
所属 情報理工学科 氏名 矢入 郁子 1.研究分野とキーワード
研究分野: ヒューマンインタフェース,人工知能
キーワード: コンピュータヒューマンインタラクション,ユニバーサルデザイン,
バリアフリーデザイン,人間行動センシング,ビッグデータ,機械学習など
2 . 研 究 テ ー マ スマートフォンを利用した車いすライフログデータの収集と利用の研究 視覚障害者と晴眼者との協調作業を促進する CHI の研究 視覚障害者のタッチパネル利用を支援する CHI の研究 屋内行動モニタリングシステムの開発とプライベート空間における人間行動分析 子供向け学習コンテンツのデザインの研究 遠隔ユーザのためのエモーショナルインタラクションの研究 など (展望) ヒューマンインタフェースと人工知能とを基礎とした,学術的インパクトの高い,社会に
役に立つ研究遂行を目指している.現在は,目の見えない人や寝たきりの人も含めた全て
の人々が,情報通信技術を公平に利用して安心した生活ができ,社会参加や自己表現がで
きる支援技術の研究開発を中心に研究と教育,社会への情報発信を行っている. 3 . 2013 年 度 の 研 究 成 果
2013 年度は,前年度の研究成果の学会発表,論文投稿に努めるとともに,(1)SCAT 研究
助成,「パーソナルセンシング技術を用いた視覚障害者のモバイル生活密着型調査」, (2)
平成 23〜 25(2011〜2013)年度,科学研究費補助金,基盤研究(C),
「インタラクティブコン
テンツの視覚障害者向け情報補償技術」,の 2 つの助成研究を中心に,卒業研究5件・修士
論文研究 3 件を実施した.具体的な研究内容については上記2に一部を示した.
4.大学内外における共同的な研究活動
-
筑波大学附属視覚特別支援学校と視覚障害児の教育支援と情報補償技術に関する意見
交換 -
(独)情報通信研究機構 光ネットワーク研究所との研究提携
-
情報理工学科田村 視覚障害者向け電子教科書技術を共同開発
79
5.教育活動
メディア工学,ゼミナール I,ゼミナール II,卒業研究 I,卒業研究 II,マルチメディア情
報社会論,情報リテラシー,基礎生物・情報実験・演習,情報理工学演習 I,情報メディア
コミュニケーション学,大学院演習 IA,情報学ゼミナール IA,大学院演習 IB,情報学ゼ
ミナール IB
6.教育研究以外の活動
(学内) 理工学振興会運営委員,情報理工学科入試委員,全学キャリア形成支援委員会
委員
(学外) ヒューマンインターフェース学会理事,ヒューマンインターフェース学会会誌
委員会委員長,人工知能学会評議委員会委員,横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連)
理事,横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連)広報委員会委員長,独立行政法人科学技
術振興機構社会技術研究開発センター評価委員会,総務省独立行政法人評価委員会情報通
信・宇宙開発分科会専門委員,総務省情報通信審議会情報通信技術分科会 IP ネットワーク
設備委員会専門委員,総務省情報通信審議会情報通信政策部会研究開発戦略委員会専門委
員
7.その他
(1)ソフィアリサーチフェスティバル 2013
特別企画コーディネーター
「上智大学 100 周年 — 次の 100 年を生きる〜人の和を支えるスパコン,AI,ロボット,介護 」
(2013 年 11 月 29 日)
(2)学外学部説明会, 成城高校(2013 年 10 月 2 日)
<外部資金>
-
科学研究費補助金,基盤研究(C),「インタラクティブコンテンツの視覚障害者向け情報補償
技術」(155 万円)
-
SCAT 研究助成,「パーソナルセンシング技術を用いた視覚障害者のモバイル生活密着型調
査」(80 万円)
80
所属
情報理工学科
氏名
山中 高夫
1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)
研究分野: 物体認識の研究(画像の認識,ガスの認識など)
キーワード: コンピュータビジョン,パターン認識,機械学習
2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要
があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。
)
画像の認識
・一般物体認識
・掌紋認証
・画像処理ハードウェア(GPU, FPGA)
ガスの認識
・生物の嗅覚情報処理機構
・嗅覚順応モデル
・ニューラルネットワークのハードウェア実装
(展望)
物体認識技術として,画像の認識及びガスの認識に取り組んでいる。画像の認識では,画
像中にある一般的な物体の名前や場所,数を理解する問題(一般物体認識)や画像による
個人認証手法として掌紋認証などに取り組んでいる。また,画像認識では計算コストが高
くなりがちなので,GPU や FPGA を利用した計算の高速化にも取り組んでいる。ガスの認
識としては,ガスセンサの選択性不足を補うために,嗅覚順応モデルを応用した手法を提
案し,そのニューラルネットワークのハードウェア化に取り組んでいる。生物の物体認識
能力は,現状の工学的手法に対して精度の面からも速度の面からも圧倒的に優れているの
で,そのような生物の認識方法を参考にしながら,工学的に有用な物体認識技術を開発し
たい。
3.2012 年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ
ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。
)
81

キーポイントマッチングのための位相情報に基づいた局所特徴量記述

混合ベルヌーイ分布を用いた匂いの成分分析

局所パターンと顕著度の情報を含んだ局所特徴量による画像認識
4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ
さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。
)
特になし
5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。
)
(学部)
多変量解析, 基礎情報学, 感覚情報処理, 情報理工学実験 I, II, 情報リテラシー演習,ゼミ
ナール I, II,輪講,卒業研究及び講究 I, II
(大学院)
センシングシステム工学,研究指導演習 I-IV, 情報学ゼミナール I-IV
6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各
種のワーキンググループなどでの活動も含みます。
)
(学内)2011 年度情報理工学科入学生クラス主任(情報理工学科カリキュラム委員兼任)
,
情報理工教育用コンピュータ環境整備委員会委員,情報理工予算委員会委員,
情報理工学科建物委員,電気電子工学科カリキュラム委員 (理工学務委員兼任)
7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)
特になし
82
所属
情報理工学科
氏名
和保
孝夫
1.研究分野とキーワード(一般の人が分かるように分野と複数のキーワードを記入してください。)
研究分野:
電子デバイス、集積回路
キーワード:
半導体電子デバイス、アナログ/デジタル(A/D)変換器、
ナノ構造、電界効果型トランジスタ、
CMOS アナログ回路設計、異種技術集積化、
ΔΣ変調器、InAs ナノワイヤ
2.研究テーマ(箇条書きで研究テーマを記入し,研究の中長期的展望を記述して下さい。また,必要
があれば,卒業研究や修士(博士)研究のテーマを記入してください。)
(ア) ナイキストレート A/D インターフェース(A/D 変換器)
1. 冗長性を有する非バイナリ逐次近似 A/D 変換器の研究
2. 電荷シェア型 DAC を用いた逐次比較型 A/D 変換器の設計
(イ) 化合物半導体ナノワイヤと回路応用
1. InAs ナノワイヤ/CMOS ヘテロ集積化技術に関する研究
2. CMOS 基板上への InAs ナノワイヤ堆積技術の基礎検討
(ウ) オーバサンプリングΔΣ型 A/D 変換器
1. ダイナミック共通ソース積分器を用いた低消費電力ΔΣ変調器の研究
2. 低消費電力ΔΣ変調器における雑音に関する研究
3. デシメーションフィルタの FPGA 実装に関する研究
(展望)
次世代情報通信システムに必須であるアナログ/デジタル・インターフェース(A/D イン
ターフェース)を対象として、電子デバイス、集積回路、システム/アルゴリズムを横断的
に捕らえて学術的、工学的基盤を構築することを目的としている。(1)近い将来、半導体
集積回路の情報処理能力が一層向上すること、
(2)これに伴い、センサ等を含む多様な情
報機器のネットワーク化が一層進むと予想されること、(3)ネットワークにおける情報通
信の媒体やセンシング対象は自然界におけるアナログ量であること、
(4)それに対して情
報処理そのものはデジタル領域で実行されること、以上の理由により、A/D インターフェー
83
スの重要性が今後ますます高まるものと判断し、主研究対象に選んでいる。
従来の研究は、デバイス、回路、システム/アルゴリズムの各階層別のアプローチを基本
としていたが、本研究においては階層間を横断する複数のテーマを設定し、革新的 A/D イン
ターフェースを提案すること(中期的展望)、また、多岐にわたる A/D インターフェースの
体系化を図ること(長期的展望)を目指している。
基盤技術としてはシリコン CMOS 技術と化合物半導体成長/プロセス技術を基本として、
最先端コンピュータ支援回路設計(CAD)ツールを駆使したアナログ/デジタル回路設計と、
回路試作、性能評価実験を進める。また、半導体技術の進展にマッチしたデジタル支援アナ
ログ回路としてΔΣ変調方式を取り上げ、回路設計・試作と方式検討を並行して進める。更
に、従来の二値論理の枠組みを超えた多値論理の回路応用による A/D 変換性能向上の可能
性について研究を進める。
3.2013 年度の研究成果(論文発表,学会発表等の業績リストは「上智大学教員教育研究情報データ
ベース」に必ず記入してください。ここでは,達成状況を文章または箇条書きで記入してください。
)
1.
CMOS 回路設計/試作評価:ΔΣ型 A/D 変換器および逐次比較型 A/D 変換器を対
象として低消費電力動作を目指した回路設計/試作を行った。前者では、共通ソース増幅器
のダイナミックに基づく積分器を新たに提案し、0.35m プロセスでチップ試作を行った。
性能評価を行ったところ、OSR = 128、帯域 20 kHz で 70dB 程度の良好な SNDR が得ら
れた。シミュレーション値より数 dB 低く、寄生 CR 抽出が不十分であったためであると考
えている。熱雑音解析を行い、容量値の最適化を図った。逐次比較型 A/D 変換器では、冗
長性判定を採用した上位ビット判定部と、プリアンプを非同期で ON/OFF させる下位ビッ
ト判定部からなる 2 ステップ構成を提案し、消費電力が大幅に削減できる可能性を回路シ
ミュレーションで明らかにした。
2.
ナノワイヤ/CMOS 集積回路試作:昨年度に引き続き、インバータベース低消費電
力ΔΣ変調器を搭載した CMOS 基板上への InAs ナノワイヤ堆積プロセスの検討を進めた。
誘電泳動現象を利用した電界支援自己整合プロセスによりナノワイヤを CMOS 基板上の予
め決められた位置に堆積させた。さらに、ポジ型レジストの逆テーパ型現像条件を見いだし
たことで、ナノワイヤの剥離を抑えつつ、その周囲を包み込むようにコンタクト電極を作製
することが可能になった。
ΔΣ変調器の出力がパルス頻度変調されていること、更にそのデューティ比が入力電圧
に比例することを利用して、ナノワイヤ両端の電圧値を評価した結果、高感度(約 1mV)
でその値を検知できることを明らかにした。これは予め測定してあったΔΣ変調器の分解
能(10 ビット精度)に匹敵する。CMOS 基板に搭載されたΔΣ変調器とナノワイヤとの良
好なコンタクトが得られたこと、さらに、ナノワイヤ堆積プロセス後でもΔΣ変調器の性能
84
劣化がないことが確認できた。
4.大学内外における共同的な研究活動(共同研究,学内共同研究などを箇条書きで記入してくだ
さい。その他,シンポジウム,講演会,セミナー開催などがありましたら,これに加えてください。)
学内共同研究:「InAs ナノワイヤを用いた CMOS アナログ/デジタル変換回路に関する研
究」(機能創造学科)
海外共同研究者(科研費)Werner Prost (Duisburg-Essen 大学、ドイツ)
5.教育活動(担当した講義,実験実習などの科目名を記入してください。講義科目以外のゼミや学外
における教育活動,またはテキストや資料作成などがありましたらこれに加えてください。)
集積回路の基礎、ディジタル回路、電子デバイス、情報理工学実験 I、情報理工学実験 II
(主査),ゼミナール、集積回路工学
(教科書)電子情報通信学会レクチャシリーズ「電子デバイス」出版
6.教育研究以外の活動(学内または学外の委員,事務局などを記入してください。クラス担任や各
種のワーキンググループなどでの活動も含みます。)
(学内)理工人事委員、理工科学技術英語推進委員
(学外)
2013 IEEE International Symposium on Multiple-Valued Logic, General Chair
2013 Asia Pacific Workshop on Advanced Semiconductor Devices (AWAD) 電子情報通信
学会エレクトロニクスソサエティ主催 アドヴァイザリィ委員
2013 Topical Workshop on Heterostructure Microelectronics (TWHM) 電子情報通信学会
エレクトロニクスソサエティ主催 アドヴァイザリィ委員
多値論理研究会 オブザーバ(顧問)
IEICE Trans. on Electronics 特集号編集委員長
電子情報通信学会 エレクトロニクスソサエティ 電子デバイス研究専門委員会
電子情報通信学会 エレクトロニクスソサエティ 査読委員
7.その他(上記の項目に含まれない事項があれば必要に応じて記述してください。)
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顧問