2007/11/30 領事マガジン第13号

領事マガジン第 13号
30.11.2007
スイス在住の皆様こんにちは!大使館領事の村上です。いよいよ朝晩の冷え込みが厳し
さを増し、街に初雪が降ったところも多いのではないでしょうか?さて、今月は、スイス
人と結婚された方の子供さんの「国籍選択」についてお話しいたします。
「国籍選択」につ
いては非常に複雑で本マガジンだけでは説明しきれませんので、細部は必ず国籍法及び法
務省HPにてご確認下さい。
今月は、バーゼル、Herbst メッセ、クリスマスマーケットの写真をお楽しみ下さい。
スイス人と結婚していて子供さんをお持ちの方や、これから出産
を予定している方から、国籍選択について「よく分からない」とい
う声をよくお聞きいたします。確かに、日本の国籍法や法務省の国
籍選択についてHPで確認しても難しい用語が目につき「えーい
いったいうちの子は重国籍のままでいられるのか、どちらか放棄し
なきゃいけないのか、どっちなんだ!」
、でも「できれば両方持た
せてあげたい」とか「子供が大きくなってから選択させたい」とお
ぽっかぽかになるグリューワイン
考えの方も少なくないと思います。
まず順番に説明いたしますと、日本人を父又は母として出生した
お子様は、その出生という事実のみで、日本の法律上、日本国籍を
取得いたします。同様に、スイス人を父又は母として出生したお子
様は、スイスの法律上、スイス国籍を取得いたします。このため、
日本人とスイス人の間に生まれたお子様は日本とスイスの重国籍
になります。そして、このお子様は出生により外国国籍(スイス)
を取得した日本国民で国外において生まれた子となるので、日本の
国籍を留保する意思表示を出生の日から3ヶ月以内にしなければ、 イルミネーションがきれいです。
その出生に遡って日本の国籍を失ってしまうことになります。(国
籍法12条)
日本国籍を留保する意思表示については、出生後 3 ヶ月以内に
大使館において「出生届」と同時に「日本国籍留保届」を届け出す
るのが一般的です。ただし、ご存知の方も多いかもしれませんが、
日本は重国籍を認めておりませんので、国籍法に定められていると
おり、お子様が 22 歳に達するまでに国籍を選択する義務が生じま
す。なお、期限までに国籍を選択しなかったときには、法務大臣か
ら国籍選択の催告を受け、場合によっては日本の国籍を失うことが メイン会場の Barfusserplatz
ありますのでお気をつけ下さい。
それでは国籍の選択方法についてご説明いたします。選択方法は自己の意思に基づき次の4項目
いずれかの方法で行われます。各項目に当国の状況に合わせた補足説明をいれましたのでご参照
下さい。
1. 日本の国籍を選択する場合
(1)スイスの国籍を離脱し大使館に届け出る。
補足説明:当国在住者の場合はスイス国籍を離脱できません。
(2)日本の国籍を選択し外国国籍を放棄する旨、大使館に届け出る。
補足説明:日本に対し外国国籍を放棄する旨宣言はいたしますが、上記したとおり当国
在住者の場合スイス国籍を放棄できないので、引き続き放棄するよう努力することとな
ります(国籍法16条)
。結果として重国籍のままとなります。
2. スイスの国籍を選択する場合
(1)日本の国籍を離脱する旨、日本国籍離脱届を大使館に届け出る。
補足:日本国籍はなくなります。
(2)スイス国籍を選択し日本国籍喪失届を大使館に届け出る。
補足:日本国籍はなくなります。
いかがですか?ちなみに当館で国籍選択をされる方のほとんどは、1.
(2)の方法を選択
されているようです。ただし、日本国籍を選択しスイス国籍を放棄できない場合においても、
単国籍国民として行動することが重要だと思います。つまり旅券を 2 冊持って旅行をすると
いうのは反則となってしまうわけです。それから、日本国籍保持者が日本に渡航する場合は
日本の旅券でというのが原則となっています。
最後に再度お願いいたしますが、国籍に関してはその人の人生を変えてしまうかもしれな
いくらい重要な事項ですので、大使館や法務局に相談するのも大切ですが、日本とスイスの
国籍法をはじめ、法務省HP、インターネット等によりいろいろ情報を集め検討していただ
ければ幸いです。また、今回はスイス人と日本人の間に生まれたお子様の国籍のみ説明して
おりますのでお間違えの無いようお願いいたします。
Herbst メッセ!移動遊園地は子供に大人気!
1.12 月 5 日(水)、チューリッヒ名誉総領
事館にて出張領事サービスを行います。
細部は下記当館 HP よりご確認下さい。
2.本領時マガジンをご希望の方は、
[email protected] よりお申
し込み下さい。
巨大観覧車からの眺めも最高でした。
マルクトと聞くとウキウキするのは私だけではないと思います。今年はスイス周辺のクリスマスマル
クトを訪ねまくる予定です。フリブール、ムルテン、アーラウ、シュトゥットガルト、ストラスブー
ル・・。あの屋台での飲み食いが楽しいんですよねー。グリューワインをがぶがぶ飲んで各地の名物
を食べまくる。そしてこっそり妻に車の鍵を渡し助手席でグガー。まさに食いマクルトです!
在スイス日本大使館HP
法務省HP
領事業務に関するお問い合わせ
領事マガジンに関するご意見など
:www.ch.emb-japan.go.jp
:www.moj.go.jp/MINJI/
:[email protected][email protected]